JP2019019292A - 樹脂エマルション、及び水系インク - Google Patents
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Abstract
Description
特に、インクジェット印刷方式は、非常に微細なノズルからインク液滴を印刷媒体に直接吐出し、付着させて、文字や画像が記録された印刷物を得る印刷方式である。インクジェット印刷方式は、フルカラー化が容易で、かつ安価であり、被印刷物に対して非接触、という数多くの利点があるため普及が著しい。インクジェット印刷用インクとして、顔料、水系媒体及びポリマーを含有する種々のインクが提案されている。
特許文献2には、記録物の耐擦過性を向上させ、インクの記録媒体への着弾点がずれることのない優れた吐出特性を示すインクジェット記録用のインクとして、樹脂及び界面活性剤を含有するインクジェット用インクであって、該樹脂の酸価が100mgKOH/g以上220mgKOH/g以下であり、該樹脂の重量平均分子量が3,000以上10,000以下であり、かつ、該界面活性剤が特定の構造を有するインクジェット用インクが記載されている。
本発明は、インクに配合し印刷した際に、樹脂印刷媒体への定着性及び高湿下での耐ドキュメントオフセット性に優れる樹脂エマルション、及び該樹脂エマルションを含有する水系インクを提供することを課題とする。
なお、本明細書において、「印刷」とは、文字や画像を記録する印刷、印字を含む概念であり、「印刷物」とは、文字や画像が記録された印刷物、印字物を含む概念である。また、「水系」とは、インクに含有される媒体中で、水が最大割合を占めていることを意味する。
すなわち、本発明は、次の[1]及び[2]を提供する。
[1]ポリマー(A)粒子を含有する樹脂エマルションであって、
該ポリマー(A)が、イタコン酸(a−1)由来の構成単位及び疎水性モノマー(a−2)由来の構成単位を含み、更に酸基の少なくとも一部が中和されてなる、樹脂エマルション。
[2]前記[1]に記載の樹脂エマルションと、着色剤とを含有する、水系インク。
本発明の樹脂エマルションは、ポリマー(A)粒子を含有する樹脂エマルションであって、該ポリマー(A)が、イタコン酸(a−1)由来の構成単位及び疎水性モノマー(a−2)由来の構成単位を含み、更に酸基の少なくとも一部が中和されてなる。
本発明においてポリマー(A)は、イタコン酸(a−1)由来の構成単位及び疎水性モノマー(a−2)由来の構成単位を含む。そのため、ポリマー鎖において、イタコン酸(a−1)により局所的に酸基密度の高い親水的な部分と、疎水性モノマー(a−2)により疎水的な部分が形成され、ポリマー鎖に親疎水分布の偏りが生じる。この偏りは、親水性モノマー中に含まれる酸基が1つの場合と比べてより顕著に発現し、親水的な部分は樹脂エマルション中でのポリマー(A)粒子の分散性を高め、疎水的な部分は樹脂印刷媒体への定着性及び高湿下における印刷物間の耐ドキュメントオフセット性を向上させると考えられる。
特に、酸基が1つの親水性モノマーを用いた場合と比べて、イタコン酸(a−1)由来の構成単位は局所的に酸基密度の高い親水的な部分となるため、中和度が低い条件、すなわちイオン性が低い条件でも十分な分散力が得られると考えられる。更に、ポリマー(A)粒子により形成された印刷層の連続相は、低中和度であるため湿度等の影響を受けにくくなり、高湿下においても印刷物間のドキュメントオフセットを抑制できると考えられる。
ポリマー(A)粒子を構成するポリマー(A)(以下、単に「ポリマー(A)」ともいう)は、イタコン酸(a−1)(以下、単に「モノマー(a−1)」ともいう)由来の構成単位及び疎水性モノマー(a−2)(以下、単に「モノマー(a−2)」ともいう)由来の構成単位を含み、更に酸基の少なくとも一部が中和されてなる。
モノマー(a−1)は、イタコン酸である。モノマー(a−1)として、無水イタコン酸も用いることができる。
また、近年の環境保護問題において、従来の石油由来原料から植物由来原料への転換が進められている。イタコン酸は植物由来のものを用いることができるため、石油依存度を低減させることができる。
モノマー(a−2)は、定着性及び耐ドキュメントオフセット性の向上の観点から、ポリマー(A)のモノマー成分として用いられる。
本発明において「疎水性」とは、モノマーの25℃におけるイオン交換水100gへの溶解可能な量が10g未満であることをいう。疎水性モノマーの25℃におけるイオン交換水100gへの溶解量は、定着性及び耐ドキュメントオフセット性の向上の観点から、好ましくは5g以下、より好ましくは1g以下である。
モノマー(a−2)は、その構造中に疎水性基と重合性基とを少なくとも有するものである。疎水性基としては、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、及び芳香族炭化水素基から選ばれる1種以上が挙げられ、好ましくは脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水素基から選ばれる1種以上である。重合性基としては、ラジカル重合可能な不飽和二重結合を有する基であり、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、プロペニル基、ビニリデン基、及びビニレン基から選ばれる1種以上が挙げられ、好ましくはビニル基である。
芳香族基含有モノマーとしては、芳香族環と重合性基を有する化合物が挙げられる。芳香族基含有モノマーは、ヘテロ原子を含む置換基を有していてもよい、炭素数6以上22以下の芳香族基を有するビニルモノマーが好ましく、スチレン系モノマー、芳香族基含有(メタ)アクリル酸エステルがより好ましい。芳香族基含有モノマーの分子量は、500未満が好ましい。
スチレン系モノマーは、好ましくはスチレン、2−メチルスチレン、α−メチルスチレン及びジビニルベンゼンから選ばれる1種以上であり、より好ましくはスチレンである。
また、芳香族基含有(メタ)アクリル酸エステルは、好ましくはベンジル(メタ)アクリレート及びフェノキシエチル(メタ)アクリレートから選ばれる1種以上であり、より好ましくはベンジル(メタ)アクリレートである。
ここで、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタクリル酸から選ばれる1種以上を意味する。「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレートから選ばれる1種以上を意味する。
なお、本明細書において、「(イソ又はターシャリー)」及び「(イソ)」は、これらの接頭辞が存在する場合としない場合の双方を意味し、これらの接頭辞が存在しない場合には、ノルマルを示す。
他のモノマーとしては、例えば、イタコン酸及び無水イタコン酸以外の酸モノマー、ヒドロキシ基やポリアルキレングリコール鎖を含むノニオン性モノマーが挙げられる。具体的には、アクリル酸、メタクリル酸及びマレイン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(n=2〜30、nはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示す。以下同じ)、ポリプロピレングリコール(n=2〜30)(メタ)アクリレート、等のポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート;メトキシポリエチレングリコール(n=1〜30)(メタ)アクリレート等のアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート;フェノキシ(エチレングリコール−プロピレングリコール共重合)(n=1〜30、その中のエチレングリコール:n=1〜29)(メタ)アクリレート等が挙げられる。
モノマー(a−1)の含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上、より更に好ましくは20質量%以上、より更に好ましくは25質量%以上であり、そして、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下、更に好ましくは40質量%以下、より更に好ましくは35質量%以下である。
モノマー(a−2)の含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは55質量%以上、更に好ましくは60質量%以上、より更に好ましくは65質量%以上であり、そして、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは85質量%以下、より更に好ましくは80質量%以下、より更に好ましくは75質量%以下である。
〔ポリマー(A’)の合成〕
本発明の樹脂エマルションは、ポリマー(A)を構成するモノマー(a−1)及び(a−2)を含むモノマー混合物からポリマー(A’)を得た後、中和剤により酸基の少なくとも一部を中和し、水系媒体中に乳化させる方法により得ることが好ましい。ポリマー(A’)は、モノマー混合物を塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の公知の重合法により共重合させることによって製造される。これらの重合法の中でも溶液重合法が好ましい。
なお、本明細書において、中和前のポリマー(A)を「ポリマー(A’)」という。
重合の際には、重合開始剤や重合連鎖移動剤を用いることができるが、重合開始剤としては、アゾ化合物が好ましく、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)がより好ましい。重合連鎖移動剤としては、メルカプタン類が好ましく、3−メルカプトプロピオン酸がより好ましい。
好ましい重合条件は、重合開始剤の種類等によって異なるが、重合温度は、好ましくは50℃以上90℃以下、重合時間は好ましくは1時間以上20時間以下である。また、重合雰囲気は、好ましくは窒素ガス雰囲気、アルゴン等の不活性ガス雰囲気である。
重合反応の終了後、反応溶液から再沈澱、溶媒留去等の公知の方法により、生成したポリマー(A’)を単離することができる。また、得られたポリマー(A’)は、再沈澱、膜分離、クロマトグラフ法、抽出法等により、未反応のモノマー等を除去することができる。
なお、ポリマー(A’)の酸価は、実施例に記載のとおり、JIS K 0070の方法に基づき、測定溶媒のみをJIS K 0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=4:6(容量比))に変更した方法により測定される。酸価は、ポリマー(A’)の合成時におけるモノマー成分の比から計算で求めることもできるが、ポリマー(A’)が酸価の測定溶媒に対する溶解性が悪い場合には、ポリマー鎖の内部に取り込まれ外側に出てこないモノマー(a−1)由来の構成単位があると考えられ、上記方法による測定値は、計算値に比べて低い値を示す傾向にある。
なお、数平均分子量の測定は実施例に記載の方法により行うことができる。
本発明の樹脂エマルションは、ポリマー(A’)に中和剤を添加し、水系媒体中に乳化させる方法により製造することが好ましい。これにより、モノマー(a−1)由来の構成単位に含まれる酸基の少なくとも一部が中和剤で中和され、該酸基の少なくとも一部が塩を形成し、分散性に優れる樹脂エマルションを得ることができる。
前記水系媒体は、水を主成分とする。水系媒体中の水の含有量は、ポリマー粒子の分散性の向上の観点及び環境安全性の観点から、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上であり、そして、100質量%以下であり、更に好ましくは100質量%である。水としては、脱イオン水、イオン交換水又は蒸留水が好ましく用いられる。水以外の成分としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒等の水に溶解する有機溶媒が挙げられる。
中和剤は、十分かつ均一に中和を促進させる観点から、中和剤水溶液として用いることが好ましい。中和剤水溶液の濃度は、前記観点から、好ましくは3質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上であり、そして、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下である。
ここで中和度とは、中和剤のモル当量数を中和前のポリマー(A)(ポリマー(A’))の酸基のモル当量数で除した値、即ち「中和剤のモル当量数/ポリマー(A’)の酸基のモル当量数」の値である。本来、中和度は100モル%を超えることはないが、本発明では中和剤のモル当量数から計算するため、中和剤を過剰に用いた場合は100モル%を超える。
ポリマー(A)粒子の平均粒径は、粗大粒子を低減する観点、並びに定着性及び耐ドキュメントオフセット性の向上の観点から、好ましくは20nm以上、より好ましくは30nm以上、更に好ましくは40nm以上であり、そして、好ましくは400nm以下、より好ましくは300nm以下、更に好ましくは200nm以下、より更に好ましくは100nm以下、より更に好ましくは80nm以下、より更に好ましくは60nm以下である。
なお、該平均粒径は、実施例に記載の方法により測定される。
本発明の樹脂エマルションは、定着性及び耐ドキュメントオフセット性の向上の観点から、ポリマー(A)粒子が架橋されてなる架橋ポリマー粒子であることが好ましい。
前記架橋ポリマー粒子は、ポリマー(A)粒子を架橋剤で架橋することにより形成される。
架橋剤は、定着性及び耐ドキュメントオフセット性の向上の観点から、前記酸基と反応する反応性基を分子内に少なくとも2個有する化合物が好ましい。架橋剤の分子量は、反応性、定着性及び耐ドキュメントオフセット性の向上の観点から、好ましくは120以上、より好ましくは150以上であり、そして、好ましくは2,000以下、より好ましくは1,500以下、更に好ましくは1,000以下、より更に好ましくは500以下である。
架橋剤に含まれる反応性基の数は、架橋反応を効率よく行う観点から、好ましくは2以上4以下、より好ましくは2以上3以下、更に好ましくは2である。該反応性基としては、エポキシ基、オキサゾリン基、ヒドロキシ基、アミノ基及びイソシアネート基等が挙げられ、これらの中でもエポキシ基が好ましい。
前記多価アルコールの炭素数は、定着性及び耐ドキュメントオフセット性の向上の観点から、好ましくは2以上、より好ましくは4以上、更に好ましくは6以上であり、そして、好ましくは14以下、より好ましくは10以下、更に好ましくは8以下である。
前記多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のアルキレングリコール;1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等のアルカンジオール;トリメチロールプロパン;ペンタエリスリトールなどが挙げられる。
なお、該平均粒径は、実施例に記載の方法により測定される。
なお、樹脂エマルションの固形分濃度は、実施例に記載の方法により測定される。
本発明の水系インク(以下、単に「インク」ともいう)は、前記樹脂エマルションを含有する。
本発明のインクの色は、特に限定されず、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、特別色(S)等の有彩色;K(ブラック)、W(ホワイト)、CL(クリア)等の無彩色が挙げられる。クリアインクとは着色剤を含有しない無色透明のインクである。
本発明のインクは、前記樹脂エマルションと、着色剤とを含有することが好ましい。着色剤としては、顔料、疎水性染料、水溶性染料(酸性染料、反応染料、直接染料等)等が挙げられる。印刷物の耐水性、耐候性の向上の観点から、好ましくは、顔料及び疎水性染料から選ばれる少なくとも1種、より好ましくは顔料である。
顔料は、無機顔料及び有機顔料のいずれであってもよい。また、必要に応じて、それらと体質顔料を併用することもできる。
無機顔料としては、カーボンブラック、金属酸化物等が挙げられ、特に黒色インクにおいては、カーボンブラックが好ましい。カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、サーマルランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等が挙げられる。
有機顔料としては、アゾ顔料、ジアゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、チオインジゴ顔料、アントラキノン顔料、キノフタロン顔料等が挙げられる。
色相は特に限定されず、イエロー、マゼンタ、シアン、ブルー、レッド、オレンジ、グリーン等の有彩色顔料をいずれも用いることができる。
好ましい有機顔料の具体例としては、C.I.ピグメント・イエロー、C.I.ピグメント・レッド、C.I.ピグメント・オレンジ、C.I.ピグメント・バイオレット、C.I.ピグメント・ブルー、及びC.I.ピグメント・グリーンから選ばれる1種以上の各品番製品が挙げられる。
体質顔料としては、シリカ、炭酸カルシウム、タルク等が挙げられる。
顔料を自己分散型顔料とするには、例えば、親水性官能基の必要量を、常法により顔料表面に化学結合させればよい。より具体的には、硝酸、硫酸、ペルオキソ二硫酸、次亜塩素酸、クロム酸等の酸類等により液相酸化する方法やカップリング剤を用いて親水性官能基を結合する方法が好ましい。
前記の着色剤は、単独で又は2種以上を任意の割合で混合して用いることができる。
本発明のインクは、インク中での着色剤の分散安定性及びインクの画像濃度の向上の観点、並びに定着性及び耐ドキュメントオフセット性の向上の観点から、水不溶性ポリマー(B)(以下、単に「ポリマー(B)」ともいう)を含有し、着色剤がポリマー(B)で分散されてなることが好ましい。ポリマー(B)は、着色剤の分散剤としての機能を有する。
ここで、「水不溶性」とは、105℃で2時間乾燥させ、恒量に達したポリマーを、25℃の水100gに飽和するまで溶解させたときに、その溶解量が10g未満であることを意味し、その溶解量は好ましくは5g以下、より好ましくは1g以下である。ポリマー(B)がアニオン性ポリマーの場合、その溶解量は、該ポリマーのアニオン性基を水酸化ナトリウムで100%中和した時の溶解量である。ポリマー(B)がカチオン性ポリマーの場合、その溶解量は、該ポリマーのカチオン性基を塩酸で100%中和した時の溶解量である。
ポリマー(B)としては、ビニル系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン等が挙げられる。これらの中でも、着色剤の分散安定性を向上させる観点、並びに定着性及び耐ドキュメントオフセット性の向上の観点から、好ましくはビニル単量体(ビニル化合物、ビニリデン化合物、ビニレン化合物)の付加重合により得られるビニル系ポリマーである。
アニオン性モノマーの中では、インク中での着色剤の分散安定性を向上させる観点から、好ましくはカルボン酸モノマー、より好ましくはアクリル酸及びメタクリル酸から選ばれる少なくとも1種である。
イオン性モノマー(b−1)由来の構成単位の含有量は、インク中での着色剤の分散安定性を向上させる観点から、ポリマー(B)中、好ましくは2質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは8質量%以上であり、そして、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは25質量%以下である。
疎水性モノマー(b−2)由来の構成単位の含有量は、インク中での着色剤の分散安定性を向上させる観点、並びに定着性及び耐ドキュメントオフセット性の向上の観点から、ポリマー(B)中、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上であり、そして、好ましくは98質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。
マクロマー及びノニオン性モノマー成分の量は、インク中での着色剤の分散安定性を向上させる観点から、ポリマー(B)中、それぞれ、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上であり、そして、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。
ポリマー(B)の重量平均分子量は、インク中での着色剤の分散安定性を向上させる観点から、好ましくは5,000以上、より好ましくは10,000以上、更に好ましくは20,000以上であり、そして、好ましくは500,000以下、より好ましくは400,000以下、更に好ましくは300,000以下、より更に好ましくは200,000以下である。なお、重量平均分子量の測定は実施例に記載の方法により行うことができる。
重合反応の終了後、反応溶液から再沈澱、溶媒留去等の公知の方法により、生成したポリマーを単離及び精製してもよい。
以下に、着色剤を含有するポリマー(B)粒子について説明する。
着色剤を含有するポリマー(B)粒子(以下、単に「着色剤含有ポリマー(B)粒子」ともいう)は、例えば、着色剤、ポリマー(B)、有機溶媒、水、及び必要に応じて中和剤、界面活性剤等を含有する着色剤混合物を分散処理して、着色剤含有ポリマー(B)粒子の分散体を得たのち、該分散体から前記有機溶媒を除去して、着色剤含有ポリマー(B)粒子の着色剤水分散体を得る方法で製造することができる。
ポリマー(B)を溶解させる有機溶媒に制限はないが、炭素数1以上3以下の脂肪族アルコール、ケトン類、エーテル類、エステル類等が好ましく、着色剤への濡れ性、ポリマー(B)の溶解性、及びポリマー(B)の着色剤への吸着性を向上させる観点から、炭素数4以上8以下のケトンがより好ましく、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンが更に好ましく、メチルエチルケトンがより更に好ましい。
ポリマー(B)を溶液重合法で合成した場合には、重合で用いた溶媒をそのまま用いてもよい。
中和剤としては、アルカリ金属の水酸化物、アンモニア、有機アミン等が挙げられる。
また、ポリマー(B)を予め中和しておいてもよい。
着色剤の着色剤混合物中の含有量は、着色剤水分散体の分散安定性を向上させる観点、及び画像濃度を高める観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは12質量%以上、更に好ましくは14質量%以上であり、そして、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。
ポリマー(B)の着色剤混合物中の含有量は、着色剤水分散体の分散安定性を向上させる観点、及び画像濃度を高める観点から、好ましくは2質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは4質量%以上であり、そして、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは7質量%以下である。
得られた分散体から、公知の方法で有機溶媒を除去することで、着色剤含有ポリマー(B)粒子の水分散体(着色剤水分散体)を得ることができる。
また必要に応じて、有機溶媒を留去する前に分散体を加熱撹拌処理することもできる。
着色剤水分散体は、着色剤を含有する固体のポリマー(B)粒子が水を主媒体とする媒体中に分散しているものである。ここで、着色剤含有ポリマー(B)粒子の形態は特に制限はなく、少なくとも着色剤とポリマー(B)により粒子が形成されていればよい。例えば、ポリマー(B)に着色剤が内包された粒子形態、ポリマー(B)中に着色剤が均一に分散された粒子形態、ポリマー(B)の粒子表面に着色剤が露出された粒子形態等が含まれ、これらの混合物も含まれる。
なお、着色剤水分散体の固形分濃度は、実施例に記載の方法により測定される。
なお、着色剤水分散体中の着色剤含有ポリマー(B)粒子の平均粒径は、実施例に記載の方法により測定される。
また、インク中の着色剤含有ポリマー(B)粒子は、該粒子の膨潤や収縮、該粒子間の凝集が生じないことが好ましく、インク中の着色剤含有ポリマー(B)粒子の平均粒径は、着色剤水分散体中の平均粒径と同じであることが好ましい。インク中の着色剤含有ポリマー(B)粒子の好ましい平均粒径の態様は、着色剤水分散体中の平均粒径の好ましい態様と同じである。インク中の着色剤含有ポリマー(B)粒子の平均粒径も、実施例に記載の方法により測定される。
本発明のインクは、定着性及び耐ドキュメントオフセット性の向上の観点から、更に有機溶媒(C)を含有することが好ましい。有機溶媒(C)の沸点は、好ましくは90℃以上、より好ましくは120℃以上、更に好ましくは150℃以上、より更に好ましくは180℃以上であり、そして、好ましくは250℃未満、より好ましくは240℃以下、更に好ましくは230℃以下、より更に好ましくは220℃以下であるものが好ましい。
なお、有機溶媒(C)として2種以上の有機溶媒を併用する場合には、有機溶媒(C)の沸点は、各有機溶媒の含有量(質量%)で重み付けした加重平均値である。
沸点90℃以上の多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール(沸点197℃)、プロピレングリコール(沸点188℃)、1,2−ブタンジオール(沸点193℃)、1,2−ペンタンジオール(沸点206)、1,2−ヘキサンジオール(沸点223℃)等の1,2−アルカンジオール;ジエチレングリコール(沸点244℃)、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール(沸点232℃)、1,3−プロパンジオール(沸点210℃)、1,3−ブタンジオール(沸点208℃)、1,4−ブタンジオール(沸点230℃)、3−メチル−1,3−ブタンジオール(沸点203℃)、1,5−ペンタンジオール(沸点242℃)、2−メチル−2,4−ペンタンジオール(沸点196℃)、1,2,6−ヘキサントリオール(沸点178℃)、1,2,4−ブタントリオール(沸点190℃)、1,2,3−ブタントリオール(沸点175℃)、ペトリオール(沸点216℃)等が挙げられる。
また、1,6−ヘキサンジオール(沸点250℃)、トリエチレングリコール(沸点285℃)、トリプロピレングリコール(沸点273℃)、グリセリン(沸点290℃)等の沸点が250℃以上の化合物を、沸点が250℃未満の化合物と組み合わせて用いてもよい。
有機溶媒(C)は、定着性及び耐ドキュメントオフセット性の向上の観点から、好ましくは多価アルコールであり、より好ましくはジエチレングリコール、プロピレングリコール及びグリセリンから選ばれる1種以上である。
本発明のインクには、上記成分の他に、通常用いられる界面活性剤、保湿剤、湿潤剤、浸透剤、粘度調整剤、消泡剤、防腐剤、防黴剤、防錆剤等の各種添加剤を添加することができる。
本発明のインクは、定着性及び耐ドキュメントオフセット性の向上の観点から、更に界面活性剤を含有することが好ましい。界面活性剤としては、非イオン界面活性剤、シリコーン系活性剤、フッ素系活性剤等が挙げられるが、非イオン界面活性剤がより好ましい。
非イオン界面活性剤としては、水系インクに用いることができるものであればよく、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル型界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤、多価アルコール型界面活性剤、脂肪酸アルカノールアミド等が挙げられる。これらの中でも、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル型界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤が好ましく、炭素数が6以上30以下のアルコールのアルキレンオキシド付加物の界面活性剤、及びアセチレングリコール系界面活性剤から選ばれる1種以上がより好ましく、定着性及び耐ドキュメントオフセット性の向上の観点から、炭素数6以上30以下のアルコールのアルキレンオキシド付加物の界面活性剤と、アセチレングリコール系界面活性剤とを併用することが更に好ましい。
本発明のインクは、前記樹脂エマルション、必要に応じて、水、前記着色剤、ポリマー(B)、有機溶媒(C)、界面活性剤、及びその他の成分を混合し、撹拌することによって得ることができる。本発明のインクの各成分の含有量、インク物性は以下のとおりである。
インク中の前記樹脂エマルションの含有量は、定着性及び耐ドキュメントオフセット性の向上の観点から、固形分換算で、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、更に好ましくは3質量%以上、より更に好ましくは4質量%以上であり、そして、好ましくは15質量%以下、より好ましくは12質量%以下、更に好ましくは10質量%以下、より更に好ましくは8質量%以下である。
インク中の着色剤の含有量は、画像濃度の観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、更に好ましくは3質量%以上であり、そして、定着性及び耐ドキュメントオフセット性の向上の観点から、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは7質量%以下、より更に好ましくは5質量%以下である。
インク中の着色剤とポリマー(B)との合計含有量は、定着性及び耐ドキュメントオフセット性の向上の観点から、好ましくは2質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは4質量%以上であり、そして、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは12質量%以下、より更に好ましくは10質量%以下、より更に好ましくは7質量%以下である。
インクにおけるポリマー(B)に対する着色剤の質量比〔着色剤/ポリマー(B)〕は、定着性及び耐ドキュメントオフセット性の向上の観点から、好ましくは30/70以上、より好ましくは40/60以上、更に好ましくは50/50以上、より更に好ましくは60/40以上、より更に好ましくは70/30以上であり、そして、好ましくは90/10以下、より好ましくは85/15以下、更に好ましくは80/20以下である。
インク中の有機溶媒(C)の含有量は、定着性及び耐ドキュメントオフセット性の向上の観点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上、より更に好ましくは20質量%以上であり、そして、好ましくは40質量%以下、より好ましくは35質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。
インク中の界面活性剤の含有量は、定着性及び耐ドキュメントオフセット性の向上の観点から、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは2質量%以上であり、そして、好ましくは5質量%以下、より好ましくは4質量%以下、更に好ましくは3質量%以下である。
インク中の水の含有量は、定着性及び耐ドキュメントオフセット性の向上の観点から、好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは60質量%以上であり、そして、好ましくは80質量%以下、より好ましくは75質量%以下、更に好ましくは70質量%以下である。
インクの25℃の粘度は、好ましくは2.0mPa・s以上、より好ましくは3.0mPa・s以上、更に好ましくは4.0mPa・s以上であり、そして、好ましくは12mPa・s以下、より好ましくは9.0mPa・s以下、更に好ましくは7.0mPa・s以下、より更に好ましくは6.0mPa・s以下である。
なお、インクの粘度は、実施例に記載の方法により測定される。
なお、インクのpHは、実施例に記載の方法により測定される。
本発明のインクは、樹脂印刷媒体に印刷しても、定着性及び耐ドキュメントオフセット性に優れる印刷物を得ることができるため、フレキソ印刷用、グラビア印刷用、又はインクジェット印刷用の水系インクとして用いることができ、インクジェット印刷における定着性及び耐ドキュメントオフセット性に優れることから、インクジェット印刷用の水系インクとして用いることが好ましい。
印刷媒体としては、アート紙、コート紙等の低吸水性印刷媒体、合成樹脂フィルム等の非吸水性の樹脂印刷媒体等が挙げられる。これらの中でも、定着性及び耐ドキュメントオフセット性の向上の観点から、樹脂印刷媒体が好ましい。また、普通紙、上質紙等の吸水性印刷媒体を印刷媒体として用いることもできる。
樹脂印刷媒体の厚さは特に制限はなく、厚さ1μm以上20μm未満の薄肉フィルムでもよいが、印刷媒体の外観不良の抑制、及び入手性の観点から、好ましくは20μm以上、より好ましくは50μm以上、更に好ましくは80μm以上であり、そして、好ましくは200μm以下、より好ましくは170μm以下、更に好ましくは150μm以下である。
合成樹脂フィルムの市販品としては、ルミラーP60、ルミラーT60(以上、東レ株式会社製、ポリエチレンテレフタレート)、太閤FE2001(フタムラ化学株式会社製、コロナ処理ポリエチレンテレフタレート)、PVC80B P(リンテック株式会社製、塩化ビニル)、カイナスKEE70CA(リンテック株式会社製、ポリエチレン)、ユポSG90 PAT1(リンテック株式会社製、ポリプロピレン)、ボニールRX(興人フィルム&ケミカルズ株式会社製、ナイロン)等が挙げられる。
各物性は次の方法により測定した。
ポリマー(A’)の酸価は、JIS K 0070の方法に基づき測定した。ただし、測定溶媒のみJIS K 0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=4:6(容量比))に変更した。
N,N−ジメチルホルムアミドに、リン酸及びリチウムブロマイドをそれぞれ60mmol/Lと50mmol/Lの濃度となるように溶解した液を溶離液として、ゲル浸透クロマトグラフィー法〔GPC装置「HLC−8120GPC」(東ソー株式会社製)カラム「TSK−GEL、α−M」2本(東ソー株式会社製)、流速:1mL/min〕により、標準物質として分子量が既知のポリスチレンを用いて測定した。
動的光散乱型粒径測定機「Zetasizer Nano ZS」(マルバーン社製)を用いて、以下の測定条件でキュムラント平均粒径を測定した。得られるキュムラント平均粒径を樹脂エマルション中のポリマー(A)粒子の平均粒径とした。
(測定条件)
固形分濃度:0.1%
測定温度:25℃
媒質:水
測定用セル:Glass Cuvette
レーザー仕様:He−Ne、4mW,633nm
検出光学系:NIBS、173℃
測定回数:10回
等温化時間:5分
解析ソフト:Zeta Sizer Software 6.2
解析方法:General Purpose Mode(キュムラント法)
赤外線水分計「FD−230」(株式会社ケツト科学研究所製)を用いて、樹脂エマルション5gを乾燥温度150℃、測定モード96(監視時間2.5分/変動幅0.05%)の条件にて乾燥させ、樹脂エマルションの水分(%)を測定した。固形分濃度は下記の式に従って算出した。
固形分濃度(%)=100−M
M:樹脂エマルションの水分(%)=[(W−W0)/W]×100
W:測定前の試料質量(初期試料質量)
W0:測定後の試料質量(絶対乾燥質量)
30mLの容器にデシケーター中で恒量化した硫酸ナトリウム10.0gを量り取り、そこへサンプル約1.0gを添加して、混合させた後、正確に秤量し、105℃で2時間維持して、揮発分を除去し、更にデシケーター内で15分間放置し、質量を測定した。揮発分除去後のサンプルの質量を固形分として、添加したサンプルの質量で除して固形分濃度とした。
レーザー粒子解析システム「ELS−8000」(大塚電子株式会社、キュムラント解
析)を用いて測定して、得られるキュムラント平均粒径を着色剤含有ポリマー(B)粒子の平均粒径とした。測定する粒子の濃度を、約5×10-3%になるよう水で希釈した分散液を用いた。測定条件は、温度25℃、入射光と検出器との角度90°、積算回数100回であり、分散溶媒の屈折率として水の屈折率(1.333)を入力した。
E型粘度計「TV−25」(東機産業株式会社製、標準コーンロータ1°34’×R24使用、回転数50rpm)を用いて、25℃にて粘度を測定した。
pH電極「6337−10D」(株式会社堀場製作所製)を使用した卓上型pH計「F−71」(株式会社堀場製作所製)を用いて、25℃における水系インクのpHを測定した。
調製例1
(1)ポリマー(B)の合成
メタクリル酸91g(和光純薬工業株式会社製)、ベンジルメタクリレート399g(和光純薬工業株式会社製)、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート「M−230G」(新中村化学工業株式会社製、エチレンオキシドの平均付加モル数23)140g、スチレンマクロマー「AS−6S」(東亞合成株式会社製、固形分50%)140gを混合し、モノマー混合液770gを調製した。
反応容器内に、メチルエチルケトン15.75g及び重合連鎖移動剤(2−メルカプトエタノール)0.35g、前記モノマー混合液の10%(77g)を入れて混合し、窒素ガス置換を行った。
別途、滴下ロートに、前記モノマー混合液の80%(616g)、前記重合連鎖移動剤2.45g、メチルエチルケトン173.25g及び重合開始剤「V−65」(和光純薬工業株式会社製、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル))5.6gを混合したものを入れ、窒素雰囲気下、反応容器内の混合溶液を撹拌しながら75℃まで昇温し、滴下ロート中の混合溶液を4.5時間かけて滴下した。その後、前記モノマー混合液の残り10%(77g)、前記重合連鎖移動剤0.7g、メチルエチルケトン126g及び前記重合開始剤1.4gの混合溶液を滴下ロートに入れ、75℃、1.7時間かけて滴下した。滴下終了後、前記重合開始剤2.1gを混合し80℃まで昇温し、1.5時間撹拌した。この重合開始剤の混合、昇温及び撹拌操作を更に2回行なうことでアクリル系ポリマー(B1)のポリマー溶液(ポリマー(B1)の重量平均分子量:26,000)を得た。
上記(1)で得られたポリマー溶液を減圧乾燥させて得られたポリマー(B1)20gをメチルエチルケトン62.8gに溶かし、その中に中和剤5N水酸化ナトリウム水溶液5.01gと25%アンモニア水1.13g、及びイオン交換水236.5gを加え、10〜15℃でディスパー翼を用いて2,000rpmで15分間撹拌混合を行なった。続いて、着色剤としてマゼンタ顔料〔C.I.ピグメント・バイオレット19「Inkjet Magenta E5B02」(クラリアント社製)45g及びC.I.ピグメント・レッド122「6111T」(大日精化工業株式会社製)25g〕を加え、10〜15℃でディスパー翼を用いて7,000rpmで3時間撹拌混合して、着色剤混合物を得た。得られた着色剤混合物を200メッシュ濾過し、マイクロフルイダイザー「M−110K」(Microfluidics社製、高圧ホモジナイザー)を用いて、150MPaの圧力で20パス分散処理して、着色剤含有ポリマー(B1)粒子の分散体を得た。
得られた分散体を、減圧下60℃でメチルエチルケトンを除去し、更に一部の水を除去し、遠心分離し、液層部分を孔径5μmのフィルター(Sartorius Stedim Biotech社製)で濾過して粗大粒子を除いて、水分散液を得た。更にこの水分散液80gにグリセリン(花王株式会社製)5.0g、1,2−ベンゾイソチアゾール−3(2H)−オン「プロキセルXL2」(アビシア株式会社製)0.2g、イオン交換水14.8gを混合し、70℃で1時間の滅菌処理を行なった後、室温まで冷却し、前記孔径5μmのフィルターで濾過することで、着色剤含有ポリマー(B1)粒子の水分散体〔固形分濃度20%、平均粒径133nm〕を得た。
合成例1
温度計、還流装置を具備した200mL二つ口丸底フラスコに、イタコン酸9g、スチレン21g、1,4−ジオキサン(溶媒)45g、2,2−アゾビス(イソブチロニトリル)(和光純薬工業株式会社製、重合開始剤)0.50g、3−メルカプトプロピオン酸(東京化成工業株式会社製、重合連鎖移動剤)0.30gを入れ、マグネチックスターラーで混合した。混合物を窒素で10分間バブリングした後、水浴にて77℃に加温し、30分撹拌した。その後、77℃にて16時間保温し、反応を終結させた。その後、70℃、20kPaにて溶媒留去後、70℃、8kPaで、8時間乾燥させ、酸価220mgKOH/g、数平均分子量1,600のポリマー(A’1)を得た。
合成例1においてイタコン酸とスチレンの量を、表1に示す質量比となるように変更した以外は合成例1と同様にして、ポリマー(A’2)及び(A’3)を得た。
合成例1において3−メルカプトプロピオン酸の量をそれぞれ0.10g、0.50gに変更した以外は合成例1と同様にして、ポリマー(A’4)及び(A’5)を得た。
合成例1においてスチレンに代えて表1に示す疎水性モノマーに変更した以外は合成例1と同様にして、ポリマー(A’6)及び(A’7)を得た。
合成例1においてイタコン酸に代えて表1に示す親水性モノマーに変更した以外は合成例1と同様にして、ポリマー(A’8)及び(A’9)を得た。
なお、表1中の各表記は下記のとおりである。
MMA:メチルメタクリレート
BA:ブチルアクリレート
製造例1
耐圧性を有するガラス瓶に、合成例1で得られたポリマー(A’1)15.4g、5N 水酸化ナトリウム水溶液1.5g、イオン交換水23.1g及びスターラーバーを投入し、蓋をした後90℃の水浴で1時間撹拌し、乳化した。
その後、常温に戻し、架橋剤としてデナコールEX−212L(商品名、ナガセケムテックス株式会社、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル)を1.1g、イオン交換水1.49gを添加し、常温で30分撹拌した。その後70℃の水浴で3時間撹拌し、架橋させて、架橋ポリマー粒子を含む樹脂エマルション(A−1)〔固形分濃度30%、平均粒径46nm〕を得た。
なお、中和度は30モル%であった。
製造例1において、ポリマー(A’)の種類、中和度を表2に示すように変更した以外は、製造例1と同様にして樹脂エマルション(A−2)〜(A−11)を得た。
なお、製造例6では、製造例1において90℃の水浴で乳化させる時間を0.5時間に変更した。
グリセリン(花王株式会社製)8.67g、ジエチレングリコール(和光純薬工業株式会社製)15.0g、サーフィノール104PG−50(商品名、エアープロダクツアンドケミカルズ社製、アセチレングリコール系非イオン界面活性剤のプロピレングリコール溶液、有効分50%)1.50g、エマルゲン120(商品名、花王株式会社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、エーテル系非イオン界面活性剤)1.50g及びイオン交換水29.96gを混合し、マグネチックスターラーを用いて室温で15分間撹拌して、混合溶液を得た。
次に調製例1で得られた着色剤含有ポリマー(B1)粒子の水分散体26.67g(インク100g中の顔料分換算で4.0g)をマグネチックスターラーで撹拌しながら、前記混合溶液を混合した。更に製造例1で得られた樹脂エマルション(A−1)を16.7g(インク100g中の固形分換算で5.0g)をスポイトで滴下しながら撹拌混合した。
最後に孔径1.2μmのフィルター(ザルトリウス社製)で濾過し、インクを得た。得られたインクの評価結果を表2に示す。
実施例1において、表2に示す樹脂エマルションに変更した以外は実施例1と同様にして、インクを得た。得られたインクの評価結果を表2に示す。
[PETフィルム定着性]
得られたインクを、シリコンチューブを介してインクジェットプリンター「IPSiO GX5000」(商品名、株式会社リコー製)のヘッド上部のインク注入口に充填した。フォトショップ(登録商標)(アドビ社製)によりベタ印字の印刷パターン(横204mm×縦275mmの大きさ)を作製し、吐出量が14g/m2となるようにPETフィルム「ルミラーP60」(東レ株式会社製)にベタ印刷し、気温25℃、相対湿度30%で60分間乾燥して印刷物を得た。該印刷物に対して、セルロース製不織布「ベンコットM−3II」(旭化成株式会社製)に錘の底面(底面の面積78.5cm2)を用いて1.5kg荷重をかけて10往復擦過した。擦過前後のベンコット表面の画像濃度を反射濃度計「RD−915」(グレタグマクベス社製)を用いて測定した。擦過前後の画像濃度差を算出し、該算出値からPETフィルムへの定着性の評価を行った。算出値が小さいほどPETフィルムへの定着性に優れる。
上記印刷条件で、20cm×20cmの2枚のベタ印刷物1及び2を作製し、35℃の真空乾燥機中で12時間乾燥させた。その後、印刷物1の印刷面と、印刷物2の印刷されていないPETフィルム面(コロナ面)とを接するように2枚の印刷物を重ねあわせ、50g/cm2の加重下、温度25℃、湿度90%の条件下にて5日間放置した。5日間放置後に引きはがし、印刷面に接触させた印刷物2の質量を測定して、試験前の質量との差分(mg)を算出した。差分の値が小さいほど高湿下での耐ドキュメントオフセット性に優れる。
なお、表2中の各表記は下記のとおりである。
MMA:メチルメタクリレート
BA:ブチルアクリレート
Claims (9)
- ポリマー(A)粒子を含有する樹脂エマルションであって、
該ポリマー(A)が、イタコン酸(a−1)由来の構成単位及び疎水性モノマー(a−2)由来の構成単位を含み、更に酸基の少なくとも一部が中和されてなる、樹脂エマルション。 - 前記ポリマー(A)における前記イタコン酸(a−1)由来の構成単位と前記疎水性モノマー(a−2)由来の構成単位との質量比〔(a−1)/(a−2)〕が、15/85以上40/60以下である、請求項1に記載の樹脂エマルション。
- 前記ポリマー(A)粒子の平均粒径が20nm以上300nm以下である、請求項1又は2に記載の樹脂エマルション。
- 前記ポリマー(A)の中和度が20モル%以上50モル%以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂エマルション。
- 前記疎水性モノマー(a−2)が芳香族基含有モノマーを含む、請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂エマルション。
- 前記ポリマー(A)粒子が架橋されてなる、請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂エマルション。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂エマルションと、着色剤とを含有する、水系インク。
- 前記着色剤が水不溶性ポリマー(B)で分散されてなる、請求項7に記載の水系インク。
- 前記水系インクがインクジェット印刷用である、請求項7又は8に記載の水系インク。
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