JP2016060826A - 2液型注形用エポキシ樹脂組成物および電子部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】充填剤が沈降し難く、硬化物の高熱伝導性及び電気的絶縁性を維持しつつ、機械的強度に優れた2液型注形用エポキシ樹脂組成物、及び該エポキシ樹脂組成物を注形してなる電子部品を提供する。
【解決手段】(A)液状エポキシ樹脂、(B)無機充填剤、(C)リン酸エステル系湿潤分散剤、及び(D)ウレア系化合物を含む主剤成分と、(E)硬化剤、及び(F)硬化促進剤を含む硬化剤成分とを含み、前記(A)液状エポキシ樹脂100質量部に対して、前記(C)リン酸エステル系湿潤分散剤の含有量が0.1〜5質量部、且つ前記(C)リン酸エステル系湿潤分散剤と前記(D)ウレア系化合物との比((C)/(D))が0.1/1〜1.5/1である、2液型注形用エポキシ樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、2液型注形用エポキシ樹脂組成物、及び該エポキシ樹脂組成物を注形してなる電子部品に関する。
各種電子機器の基盤内に配置された電子部品は、外部環境からの保護、及び周囲に対する電気的絶縁性を確保しなければならないという観点から、樹脂組成物で注型封止して用いられるのが一般的となっている。該樹脂組成物は、高強度、高絶縁性が要求されるため、該樹脂組成物としては、従来、エポキシ樹脂組成物が汎用されている。
近年、上記部品には、高エネルギーが印加されるため、副次的に発生する熱が問題になっており、基盤内の各電子部品から発生した熱を外部に放散することが必要とされている。このため、エポキシ樹脂組成物は、高熱伝導性であることが望ましく、該樹脂組成物を高熱伝導化する方法として、該樹脂組成物中に高熱伝導性充填剤を高充填する方法が挙げられる。高熱伝導性充填剤としては、溶融又は結晶性シリカ充填剤やアルミナ充填剤が広く使用されている。しかしながら、該樹脂組成物中にアルミナ充填剤を高充填するとシリカ充填剤に比べ、該充填剤の沈降が発生し、硬化物の機械的強度を低下させる。
そこで、充填剤の沈降を防止するために、例えば、特許文献1では、2種類の粒径の異なる充填剤を含有させたエポキシ樹脂組成物が提案されており、特許文献2では、2種類の粒径及び形状の異なる充填剤を含有させたエポキシ樹脂組成物が提案されている。
特開平2−263858号公報 特開2006−45343号公報
しかしながら、エポキシ樹脂組成物中に、粒径や形状の異なる充填剤を組み合わせて含有させても、コイル含浸時や硬化時に、充填剤の沈降が生じ、樹脂組成物の不均一化が発生してしまい、信頼性の高い硬化物を得ることは難しかった。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、充填剤が沈降し難く、硬化物の高熱伝導性及び電気的絶縁性を維持しつつ、機械的強度に優れた2液型注形用エポキシ樹脂組成物、及び該エポキシ樹脂組成物を注形してなる電子部品を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するべく鋭意検討した結果、エポキシ樹脂組成物中に、特定の湿潤分散剤を含有させることにより、硬化物の機械的強度の低下を抑制することを見出した。しかしながら、該エポキシ樹脂組成物中に、該特定の湿潤分散剤を含有させると、充填剤の沈降が顕著になるという問題が発生した。そこで、本発明者らは、この問題を解決すべく更なる検討をした結果、エポキシ樹脂組成物中に、特定の湿潤分散剤とともに、特定のウレア系化合物を特定の割合で含有させることにより、特異的に樹脂組成物が増粘し、充填剤の沈降を抑制する作用を発現することを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[5]を提供する。
[1](A)液状エポキシ樹脂、(B)無機充填剤、(C)リン酸エステル系湿潤分散剤、及び(D)ウレア系化合物を含む主剤成分と、(E)硬化剤、及び(F)硬化促進剤を含む硬化剤成分とを含み、前記(A)液状エポキシ樹脂100質量部に対して、前記(C)リン酸エステル系湿潤分散剤の含有量が0.1〜5質量部、且つ前記(C)リン酸エステル系湿潤分散剤と前記(D)ウレア系化合物との比((C)/(D))が0.1/1〜1.5/1である、2液型注形用エポキシ樹脂組成物。
[2]前記(A)液状エポキシ樹脂100質量部に対して、前記(B)無機充填剤の含有量が300〜700質量部である、上記[1]に記載の2液型注形用エポキシ樹脂組成物。
[3]前記(B)無機充填剤がアルミナ粒子を前記(B)無機充填剤全量基準で40質量%以上含む、上記[1]に記載の2液型注形用エポキシ樹脂組成物。
[4]上記[1]〜[3]のいずれか一項に記載の2液型注形用エポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物の熱伝導率が0.5W/m・K以上である、2液型注形用エポキシ樹脂組成物。
[5]上記[1]〜[4]のいずれか一項に記載の2液型注形用エポキシ樹脂組成物を注形してなる、電子部品。
本発明によれば、充填剤が沈降し難く、硬化物の高熱伝導性及び電気的絶縁性を維持しつつ、機械的強度に優れた2液型注形用エポキシ樹脂組成物、及び該エポキシ樹脂組成物を注形してなる電子部品を提供することができる。
図1は、実施例1〜2、及び比較例1〜4の60℃、回転速度2.5rpmにおける樹脂組成物の粘度を示すグラフである。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明の2液型注形用エポキシ樹脂組成物の主剤成分について述べる。
本発明に用いる(A)成分の液状エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものであれば、分子量、分子構造等に制限されることなく一般的に用いられているものを用いることができ、例えば、ビスフェノールA型、同F型、ノボラック型、ビフェニル型等の芳香族系エポキシ樹脂、ポリカルボン酸のグリシジルエーテル型、シクロヘキサン誘導体等のエポキシ化によって得られる脂環族系エポキシ樹脂等が挙げられ、これらは単独又は2種以上混合して使用することができる。
また、これらの他に、樹脂組成物の粘度を調製するために必要に応じて液体のモノエポキシ樹脂等を併用成分として使用することができ、さらに、難燃性を付与しようとする場合には、ハロゲン化合物やリン化合物などで変性したエポキシ樹脂を使用することもできる。
樹脂組成物中の(A)成分の配合量は、良好な硬化性や硬化物特性が得られるという観点から、好ましくは10〜35質量%、より好ましくは10〜30質量%、更に好ましくは10〜20質量%である。
本発明に用いる(B)成分の無機充填剤は、従来から使用されている電気絶縁性を有する充填剤であればよく、例えば、シリカ粒子、水和アルミナ、及び酸化アルミナ等のアルミナ粒子;タルク、炭酸カルシウム、マイカ、ガラス粉、水酸化マグネシウム、クレー等が挙げられる。これらは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
無機充填剤の平均粒径は、通常、1〜30μm程度、好ましくは5〜20μmである。なお、この平均粒径は、レーザ回折散乱方式(たとえば、島津製作所製、装置名:SALD-3100)により測定された値である。
無機充填剤としては、シリカ粒子を好ましく用いることができる。シリカ粒子は、トリー経路を形成しにくくし、その結果、本発明のエポキシ樹脂組成物の絶縁破壊特性を向上させる作用効果を奏する。また、最終的に得られるエポキシ樹脂組成物の強度を向上させる作用効果をも奏する。
ここで、トリー経路とは、絶縁物中に発生する樹脂状の絶縁破壊痕を意味する。
シリカ粒子の中でも、結晶シリカ、溶融シリカ、及び溶融球状シリカが好ましく用いることができる。シリカ粒子としては、例えば、クリスタライトA‐A、クリスタライトC、ヒューズレックスRD−8、ヒューズレックスRD−120、ヒューズレックスE−1、ヒューズレックスE−2、MSR−15、MSR−3500(以上、(株)龍森製、商品名)等が挙げられる。
なお、シリカ粒子は、熱硬化性樹脂との密着性を向上させる観点から、表面処理することが好ましい。表面処理に用いる表面処理剤としては、例えば、ビニルトリエトキシシランなどの有機シラン化合物、テトラ‐i‐プロピルチタネートなどの有機チタネート化合物、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピネートなどの有機アルミネート化合物等が挙げられ、これらは単独又は2種以上混合して使用することができる。
無機充填剤として、シリカ粒子とともにアルミナ粒子を併用することにより、エポキシ樹脂組成物の硬化物の熱伝導性を向上させることができ、好ましい。
アルミナ粒子としては、破砕状アルミナ、及び球状アルミナが好ましく用いることができ、例えば、LT‐300C、LS‐242C、LT‐100、325F(以上、日本軽金属(株)製、商品名)等が挙げられる。これらは単独又は2種以上混合して使用することができる。
本発明では、無機充填剤中にアルミナ粒子が無機充填剤の全量(100質量%)に対して、40質量%以上含まれることが好ましく、40〜70質量%含まれることがより好ましく、45〜70質量%含まれることが更に好ましい。無機充填剤中にアルミナ粒子が40質量%以上含まれることにより、硬化物の熱伝導性を向上させることができる。また、アルミナ粒子の含有量を70質量%以下とすることにより、樹脂組成物の粘度上昇を抑え、作業性の低下を防ぐことができる。
(B)成分の無機充填剤の配合量は、(A)成分の液状エポキシ樹脂100質量部に対して、300〜700質量部の範囲とすることが好ましく、400〜600質量部の範囲とすることがより好ましく、500〜600質量部の範囲とすることが更に好ましい。300質量部以上とすることにより、エポキシ樹脂組成物の硬化物の熱伝導性を向上させることができ、700質量部以下であれば、(C)成分のリン酸エステル系湿潤分散剤及び(D)成分のウレア系化合物を併用することによる無機充填剤の沈降抑制効果が得られる。
なお、上記無機充填剤は、その一部を後述する硬化剤成分に配合してもよい。
本発明に用いる(C)成分のリン酸エステル系湿潤分散剤は、リン酸エステル結合を有し、湿潤及び分散の両方の機能を発揮するとともに、硬化物の機械的強度の低下を抑制する効果を有する。ここで、硬化物の機械的強度の低下は、充填剤としてアルミナ粒子を用いた場合に顕著に生じる。これに対し、本発明者らは、樹脂組成物中に(C)成分のリン酸エステル系湿潤分散剤を含有させることにより、充填剤としてアルミナ粒子を用いた場合でも硬化物の機械的強度の低下を抑制できることを見出した。
リン酸エステル系湿潤分散剤としては、例えば、リン酸基を有するエステルコポリマーが挙げられ、具体的には、BYK−W9010、同W985、同W990、同W995、同W996(ビックケミー・ジャパン(株)製、商品名)等の市販品が挙げられる。これらは単独又は2種類以上混合して使用することができる。
(C)成分のリン酸エステル系湿潤分散剤の配合量は、(A)成分の液状エポキシ樹脂100質量部に対して、0.1〜5質量部の範囲であり、0.2〜3質量部の範囲であることが好ましく、0.3〜2質量部の範囲であることがより好ましく、0.3〜1質量部の範囲であることが更に好ましい。0.1質量部未満では、硬化物の機械的強度の低下を招く恐れがあり、5質量部超過では、無機充填剤の沈降が生じる恐れがある。
本発明に用いる(D)成分のウレア系化合物は、尿素結合(−NHCONH−)を有し、上記(C)成分のリン酸エステル系湿潤分散剤と併用することにより、無機充填剤の沈降抑制効果を発揮する化合物である。
ウレア系化合物としては、ウレア化合物、変性ウレア化合物等が挙げられ、充填剤の沈降抑制効果の観点から、変性ウレア化合物が好ましい。
ウレア化合物としては、例えば、フェニルジメチルウレア(PDMU)、ジクロロフェニルジメチルウレア(DCMU)、トルエンビスジメチルウレア(TBDMU)、メチレンビスジメチルウレア(MDBDMU)のような尿素誘導体等が挙げられる。
変性ウレア化合物としては、例えば、イソシアネート単量体あるいはこれらのアダクト体と有機アミンとの反応物が挙げられ、具体的には、BYK−410、BYK−411、BYK−420(ビックケミー・ジャパン(株)製、商品名)等の市販品が挙げられる。これらは単独又は2種類以上混合して使用することができる。
(C)成分のリン酸エステル系湿潤分散剤と(D)成分のウレア系化合物との比((C)/(D))は、0.1/1〜1.5/1であり、0.3/1〜1.5/1であることが好ましく、0.3/1〜1.0/1であることがより好ましく、0.5/1〜1.0/1であることが更に好ましい。0.1未満では、硬化物の機械的強度の低下を招く恐れがあり、1.5超過では、無機充填剤の沈降が生じる恐れがある。
本発明においては、ウレア系化合物に対するリン酸エステル系湿潤分散剤の配合量を上記範囲内とすることにより、特異的に樹脂組成物が増粘し、優れた沈降防止作用を発現する。樹脂組成物の増粘は、無機充填剤の沈降に大きく影響する低せん断領域では顕著であり、該樹脂組成物の流動性に大きく影響する高せん断領域では、比較的小さい。その結果、本発明のエポキシ樹脂組成物中に含まれる無機充填剤の耐沈降性を向上させ、且つ作業性を維持する作用効果を奏する。
また、(D)成分のウレア系化合物の配合量は、(A)成分の液状エポキシ樹脂100質量部に対して、0.1〜10質量部の範囲とすることが好ましく、0.3〜5質量部の範囲とすることがより好ましく、0.5〜1質量部の範囲とすることがさらに好ましい。配合量を上記範囲内とすることにより、(C)成分と併用することで無機充填剤の沈降を抑制することができる。
以上、成分(A)〜(D)を配合したものを、例えば、ダルトン社製万能混合機等を用いて均一に混合することにより、本発明の2液型注形用エポキシ樹脂組成物の主剤成分を調製することができる。
次に、本発明の2液型注形用エポキシ樹脂組成物における硬化剤成分について述べる。
本発明に用いる(E)成分の硬化剤は、(A)成分の液状エポキシ樹脂と反応し、硬化可能なものであれば特に制限はなく、従来公知のものを使用でき、例えば、フェノール類、酸無水物類、アミン類等が挙げられる。フェノール類としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂等のアラルキル型フェノ−ル樹脂等が挙げられる。酸無水物類としては、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイミック酸やこれらの誘導体、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等が挙げられる。アミン類としては、ジシアンジアミド等が挙げられるが、上述の(D)成分のウレア系化合物に含まれるものは除かれる。その他、イミダゾール等も使用可能である。
これらは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
なお、(E)成分の硬化剤の配合量は、(A)成分の液状エポキシ樹脂の量に応じて適宜調製するが、樹脂組成物中に好ましくは1〜30質量%、より好ましくは10〜20質量%の割合で配合する。
本発明に用いる(F)成分の硬化促進剤は、(A)成分の液状エポキシ樹脂と、(E)成分の硬化剤との反応を促進する作用を有するものであれば特に制限されるものではなく、例えば、2−エチル−4−エチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−エチルイミダゾール等のイミダゾール類、ベンジルジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)及びそのオクチル塩等の3級アミン類、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン等が挙げられるが、上述の(D)成分のウレア系化合物に含まれるものは除かれる。これらは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
なお、(F)成分の硬化促進剤の配合量は、(A)成分の液状エポキシ樹脂及び(E)成分の硬化剤の量に応じて適宜調製するが、樹脂組成物中に好ましくは0.01〜1質量%、より好ましくは0.1〜0.5質量%の割合で配合する。
以上、成分(E)と(F)を配合したものを、例えば、万能混合機等を用いて均一に混合することにより、本発明の2液型注形用エポキシ樹脂組成物の硬化剤成分を調製することができる。
本発明の2液注形用エポキシ樹脂組成物には、以上の各成分の他に、本発明の効果を阻害しない範囲で、この種の組成物に一般に配合されるカップリング剤、消泡剤、顔料その他添加剤及び難燃助剤等を必要に応じて配合することができる。
本発明の2液型注形用エポキシ樹脂組成物の60℃における粘度は、好ましくは50〜500dPa・sであり、より好ましくは100〜350Pa・sである。
なお、上記粘度は、JIS K 7117−1に準じ、ブルックフィールド粘度計にて測定した値を意味する。
本発明の2液型注形用エポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物の熱伝導率が0.5W/m・K以上であることが好ましく、0.6W/m・K以上であることがより好ましく、0.8W/m・K以上であることが更に好ましい。熱伝導率が0.5W/m・K以上であると、熱放散性に優れ、硬化物から発生する熱を十分に外部へ放散させることができる。
なお、熱伝導率は、細線加熱法等により測定される。
本発明の2液型注形用エポキシ樹脂組成物を用いて封止される電子部品としては、モールドトランス、絶縁スペーサー、イグニッションコイル、IGBTモジュール等が挙げられる。
次に実施例により、本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
<2液型注形用エポキシ樹脂組成物の製造>
(実施例1)
(A)成分としてビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂〔旭電化工業(株)製、品番EP4100E、エポキシ当量188〕100質量部、(B)成分としてシリカ粒子〔(株)龍森製、品番MSR−15、平均粒径15μm〕290質量部、及びアルミナ粒子〔日本軽金属(株)製、品番LT−100、平均粒径20μm〕270質量部、(C)成分としてリン酸エステル系湿潤分散剤〔ビックケミー・ジャパン(株)製、品番BYK−W9010〕0.3質量部、(D)成分としてウレア系化合物〔ビックケミー・ジャパン(株)製、品番BYK−410〕0.6質量部、及びシランカップリング剤〔日本ユニカー(株)製、品番A−187〕0.5質量部、消泡剤〔モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ(株)製、品番TSA720〕0.1質量部を配合して1時間、真空下、万能混合機を用いて混合することにより主剤成分を調製した。
一方、(E)成分として酸無水物〔日立化成(株)製、品番HN2000〕100質量部、及び(F)成分として硬化促進剤〔サンアプロ(株)製、品番DBU〕1.0質量部を配合して1時間、真空下、万能混合機を用いて混合することにより硬化剤成分を調製した。
次いで、上記主剤成分100質量部に対して、上記硬化剤成分15質量部を、万能混合機を用いて混合して2液型注形用エポキシ樹脂組成物を調製した。
(実施例2、及び比較例1〜8)
表1に示す成分の各質量部を配合することにより実施例1と同様に2液型注形用エポキシ樹脂組成物および比較用のエポキシ樹脂組成物を調製した。
以下に示す測定条件により、2液型注形用エポキシ樹脂組成物特性および硬化物特性の測定および評価を行った。なお、結果を表1に示した。
<評価項目>
(1)熱伝導率
樹脂組成物を100℃で3時間、次いで150℃で3時間加熱硬化させて、サンプル片(幅:50mm、高さ10mm、長さ:150mm)を作製し、JIS R2618に準じ、プローブ法にて室温で測定した。
(2)曲げ強度
樹脂組成物を100℃で3時間、次いで150℃で3時間加熱硬化させて、サンプル片(幅:10mm、高さ:4mm、長さ:80mm)を作製し、JIS K6911に準じ、温度25℃において測定した。
(3)粘度
60℃における樹脂組成物の粘度をJIS K 7117−1に準じ、ブルックフィールド粘度計にて測定した。なお、測定は表1に示す回転速度ごとに行った。
(4)樹脂組成物(主剤成分)の沈降性
樹脂組成物を500ml金属缶(φ80mm)に、底面から高さ60mmまで入れ、100℃にて12時間放置した。放置後、金属缶の底部に沈降した充填剤(シリカ粒子及びアルミナ粒子)の層厚みを底面からの高さとして計測した。
(5)樹脂組成物(主剤成分+硬化剤成分)のコイルへの含浸性(含浸率)
樹脂組成物のコイル巻き線部への含浸率の測定を行なった。測定温度は25℃である。
直径50μmの被覆導線をアルミナ製ボビンに22000回巻きつけたものについて、樹脂組成物の含浸性を、コイル巻き線部に樹脂が浸透した部位(含浸部位)の割合(含浸率)を下記式により計算して数値化して下記の基準で評価した。
使用したボビンの幅は10mm、コイル巻き線部のボビン直径方向の厚さは5mmである。ボビンを入れる容器の高さはボビンの幅10mmより高い約15mmである。容器の内径はボビンのコイル巻き線部の外径30mmより大きい50mmである。ボビンの中心孔の上部を真空ラインに連結して、樹脂組成物を容器の高さまで流し込み、約2分真空ラインを稼動させて樹脂組成物をコイル巻き線部に含浸させた。
含浸率=(含浸部位面積)×100/(含浸部位面積+未含浸部位面積)
含浸性の評価基準
○:含浸率が80%以上
△:含浸率が60%以上80%未満
×:含浸率が60%未満
含浸率が低いと、巻線に欠落が生じる。
Figure 2016060826
(結果のまとめ)
表1から、実施例1及び2の(C)成分のリン酸エステル系湿潤分散剤及び(D)成分のウレア系化合物を特定の割合で含む樹脂組成物は、該樹脂組成物のコイルへの含浸性、硬化物の熱伝導率及び曲げ強度が高く、60℃における粘度は回転速度が遅いほど高く、シリカ粒子及びアルミナ粒子の沈降はみられなかった。一方、(C)成分と(D)成分とを本発明で特定した割合で含まない比較例1〜8では、60℃における粘度において、実施例で確認された傾向はみられず、また、その粘度は、いずれの回転速度においても実施例に比べて低く、シリカ粒子及びアルミナ粒子の沈降がみられた。
また、図1から、(D)成分に対する(C)成分の量を特定の範囲とすることで、樹脂組成物が増粘することがわかる。
本発明の2液型注形用エポキシ樹脂組成物は高集積化および大電流化された電子部品を封止して硬化物とするのに有用である。

Claims (5)

  1. (A)液状エポキシ樹脂、(B)無機充填剤、(C)リン酸エステル系湿潤分散剤、及び(D)ウレア系化合物を含む主剤成分と、(E)硬化剤、及び(F)硬化促進剤を含む硬化剤成分とを含み、
    前記(A)液状エポキシ樹脂100質量部に対して、前記(C)リン酸エステル系湿潤分散剤の含有量が0.1〜5質量部、且つ
    前記(C)リン酸エステル系湿潤分散剤と前記(D)ウレア系化合物との比((C)/(D))が0.1/1〜1.5/1である、2液型注形用エポキシ樹脂組成物。
  2. 前記(A)液状エポキシ樹脂100質量部に対して、前記(B)無機充填剤の含有量が300〜700質量部である、請求項1に記載の2液型注形用エポキシ樹脂組成物。
  3. 前記(B)無機充填剤がアルミナ粒子を前記(B)無機充填剤全量基準で40質量%以上含む、請求項1又は2に記載の2液型注形用エポキシ樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の2液型注形用エポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物の熱伝導率が0.5W/(m・K)以上である、2液型注形用エポキシ樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の2液型注形用エポキシ樹脂組成物を注形してなる、電子部品。
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