JP2016060803A - 変性ジエン系ゴムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】過ハロゲン酸を用いてジエン系ゴムを変性する際に、過ハロゲン酸に由来するハロゲン分の残留を抑制して純度を高めることができる変性ジエン系ゴムの製造方法を提供する。【解決手段】ジエン系ゴムを、過ハロゲン酸を用いて酸化開裂する工程を含む変性方法により変性して、変性ジエン系ゴムを含むラテックスを得る工程と、得られたラテックスを、有機溶媒と水の質量比が有機溶媒/水=2/1〜4/1である混合溶媒と混合して、変性ジエン系ゴムを凝固させる工程と、を含む変性ジエン系ゴムの製造方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、変性ジエン系ゴムの製造方法に関するものである。
タイヤなどのゴム製品の特性を改良するために、ゴム組成物に配合するジエン系ゴムを変性することが知られている。例えば、特許文献1には、ジエン系ゴムラテックスに過ハロゲン酸等の酸化剤を添加してジエン系ゴムを酸化開裂させた後、分解したジエン系ゴムを含むラテックスの酸塩基性を変化させることで再結合させ、変性ジエン系ゴムを得ることが開示されている。特許文献1では、変性ジエン系ゴムを含むラテックスから変性ジエン系ゴムを凝固させる際に具体的にメタノールを用いている。しかしながら、このような有機溶媒を用いた凝固では、ラテックス中に含まれる過ハロゲン酸塩が変性ジエン系ゴム中に残留してしまい、ゴム組成物の特性に悪影響を与えるおそれがある。
ゴムラテックスから非ゴム成分を除去する技術として、特許文献2には、ゴム成分を溶解せず且つ非ゴム成分を溶解する溶媒に、天然ゴムラテックスを混合することが開示されているが、そのような溶媒として有機溶媒が列挙されているにすぎず、これを特許文献1に開示の技術に適用しても、上記の問題を解決することはできない。
また、特許文献3には、変性天然ゴムを再沈殿させるために、水、エタノール、2−プロパノール等のアルコール、アセトンや、これらの貧溶媒同士の混合溶媒が用いられることが開示されている。しかしながら、具体的に水と有機溶媒との混合溶媒を用いることは開示されておらず、上記問題についても何ら示唆されていない。
特開2013−177579号公報 特開2009−256482号公報 特開2011−246514号公報
本発明は、過ハロゲン酸を用いてジエン系ゴムを変性する際に、過ハロゲン酸に由来するハロゲン分の残留を抑制して純度を高めることができる変性ジエン系ゴムの製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る変性ジエン系ゴムの製造方法は、ジエン系ゴムを、過ハロゲン酸を用いて酸化開裂する工程を含む変性方法により変性して、変性ジエン系ゴムを含むラテックスを得る工程と、得られたラテックスを、有機溶媒と水の質量比が有機溶媒/水=2/1〜4/1である混合溶媒と混合して、変性ジエン系ゴムを凝固させる工程と、を含むものである。
本発明によれば、過ハロゲン酸を用いて変性した変性ジエン系ゴムを含むラテックスに対し、有機溶媒と水を上記質量比で混合した混合溶媒を用いて変性ジエン系ゴムを凝固させることにより、過ハロゲン酸に由来するハロゲン分の変性ジエン系ゴム中への残留を抑制することができ、高純度の変性ジエン系ゴムが得られる。
本実施形態に係る変性ジエン系ゴムの製造方法は、ジエン系ゴムを過ハロゲン酸を用いて酸化開裂することにより変性して変性ジエン系ゴムを含むラテックスを得る工程と、得られたラテックスを有機溶媒と水の混合溶媒を用いて変性ジエン系ゴムを凝固させる工程と、を含むものである。
好ましい実施形態において、変性ジエン系ゴムを含むラテックスを得る工程は、ジエン系ゴムラテックスに過ハロゲン酸を添加してジエン系ゴムを酸化開裂させることで分解する工程と、分解したジエン系ゴムを含むラテックスを、酸性の場合には塩基性に、塩基性の場合には酸性になるように酸塩基性を変化させる工程と、を含む。このような工程を経てジエン系ゴムを変性させる変性方法としては、例えば、上記特許文献1に開示された変性方法を用いることができる。
本実施形態において、変性対象となるジエン系ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、合成イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体ゴムなどが挙げられる。これらの中でも、天然ゴム、合成イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、及びブタジエンゴムからなる群から選択された少なくとも一種を用いることが好ましい。ジエン系ゴムの重量平均分子量(Mw)は、特に限定されず、例えば8万〜300万でもよく、10万〜300万でもよく、20万〜300万でもよい。
変性対象となるジエン系ゴムとしては、プロトン性溶媒である水中にミセル状になった水系エマルション、すなわちラテックスを用いることが好ましい。ジエン系ゴムラテックスの濃度(ゴム固形分濃度)は、特に限定されないが、5〜70質量%であることが好ましく、より好ましくは10〜50質量%である。
ジエン系ゴムの炭素−炭素二重結合を酸化開裂させるために、本実施形態では酸化剤として過ハロゲン酸を用いる。ジエン系ゴムラテックスに過ハロゲン酸を添加し攪拌することにより、ジエン系ゴムを酸化開裂させることができる。過ハロゲン酸としては、過ヨウ素酸を用いることが好ましい。過ハロゲン酸の使用量は、酸化開裂できる限り、特に限定されず、例えばラテックス中のジエン系ゴム100質量部に対して0.1〜10質量部でもよく、1〜5質量部でもよい。
酸化開裂によりジエン系ゴムが分解し、末端にカルボニル基(>C=O)やホルミル基(−CHO)を持つジエン系ポリマーが得られる。一実施形態として、分解したジエン系ゴムは、下記式(1)で表される構造を末端に持つ。
Figure 2016060803
式中、R1は、水素原子、メチル基又はクロロ基である。分解したジエン系ゴムは、その分子鎖の少なくとも一方の末端に上記式(1)で表される構造を持つ。
分解したジエン系ゴムは、上記酸化開裂によって分子量が低下する。分解後の重量平均分子量(Mw)は特に限定されず、例えば3百〜250万でもよく、5百〜240万でもよく、1千〜230万でもよい。
以上のようにしてジエン系ゴムを分解した後、分解したジエン系ゴムを含むラテックス(以下、解重合ラテックスという。)を、酸性の場合には塩基性(即ち、アルカリ性)に、塩基性の場合には酸性になるように酸塩基性を変化させる。このように酸塩基性を変化させることにより、開裂とは逆反応である結合反応(アルドール縮合反応)が優先的に進行するようになる。その際、解重合ラテックスに対して、別途変性剤を加えることなく、ジエン系ポリマー断片同士を再結合させてもよく、あるいはまた、解重合ラテックスにカルボニル基及び/又はホルミル基を持つ変性剤を加えて、ジエン系ポリマー断片の末端に更なる変性基を導入してもよい。ジエン系ポリマー断片同士を再結合させる場合、下記式(2)〜(5)で表される連結基を含むポリマーを生成することができる。
Figure 2016060803
ここで、R1が水素原子である末端構造を持つポリマー断片同士が結合する場合、式(4)及び/又は式(5)で表される連結基となり、R1が水素原子である末端構造を持つポリマー断片とR1がメチル基である末端構造を持つポリマー断片が結合する場合、式(2)及び/又は式(3)で表される連結基となる。
なお、酸塩基性を変化させる際のpHの調整は、解重合ラテックスに酸や塩基を加えることにより行うことができ、特に限定されないが、例えば、酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などが挙げられ、塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどが挙げられる。
以上より一実施形態として、式(2)〜(5)で表される連結基のいずれか少なくとも1つが主鎖中に導入された変性ジエン系ゴムを含むラテックス(以下、変性ゴムラテックスという。)が得られる。連結基の含有率は、特に限定されず、式(2)〜(5)の連結基の合計で、例えば0.001〜25モル%でもよく、0.1〜15モル%でもよい。ここで、連結基の含有率は、変性ジエン系ゴムを構成する全構成ユニットのモル数に対する連結基のモル数の比率である。なお、別途変性剤を加える場合には、当該変性剤に由来した変性基を持つ変性ジエン系ゴムが得られる。変性ジエン系ゴムの重量平均分子量(Mw)は、特に限定されず、例えば8万〜300万でもよく、10万〜300万でもよく、20万〜300万でもよい。
次いで、得られた変性ゴムラテックスを、有機溶媒と水の混合溶媒と混合して、変性ジエン系ゴムを凝固させる。
本実施形態では、混合溶媒として、有機溶媒と水の質量比が有機溶媒/水=2/1〜4/1であるものを用いる。このような範囲内に質量比を設定することにより、過ハロゲン酸に由来するハロゲン分(詳細には、例えば過ハロゲン酸塩)を混合溶媒中に残留させつつ、変性ジエン系ゴムを凝固させることができる。
有機溶媒としては、水と混和性のある各種有機溶媒を用いることができ、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、tert−ブチルアルコール、アリルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールなどのアルコール; アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン; ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒドなどのアルデヒド; アセトニトリル; テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン等の環状エーテルなどが挙げられ、これらをいずれか1種又は2種以上組みあわせて用いることができる。これらの中でも、水混和性アルコールが好ましく、より好ましくは、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、tert−ブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール及びジエチレングリコールからなる群から選択される少なくとも1種である。
本実施形態では、変性ジエン系ゴムの凝固を促進するために、上記混合溶媒を、変性ゴムラテックスの容積以上用いて、当該ラテックスと混合することが好ましい。より好ましくは、混合溶媒を変性ゴムラテックスに対して過剰容積で用いることであり、具体的には、混合溶媒の容積を、変性ゴムラテックスの容積の5倍以上とすることが好ましく、より好ましくは10倍以上である。この倍率の上限は特に限定されず、例えば100倍以下でもよい。なお、変性ゴムラテックスの濃度(ゴム固形分濃度)は、特に限定されず、例えば5〜70質量%でもよく、10〜50質量%でもよい。
変性ゴムラテックスと混合溶媒との混合方法は、特に限定されず、例えば、変性ゴムラテックスを混合溶媒に注いで撹拌してもよく、あるいは、変性ゴムラテックスを混合溶媒に滴下しながら撹拌してもよい。混合時には、必要に応じて、ギ酸などの酸を添加して、混合系を酸性域にすることにより、凝固を促進してもよい。なお、混合は、例えば、大気圧下にて0〜40℃の範囲内で行うことができる。
本実施形態に係る製造方法は、変性ゴムラテックスと混合溶媒を混合して得られた凝固物である固形ゴム(即ち、変性ジエン系ゴム)を乾燥させる工程を含むことが好ましい。乾燥することで、水や有機溶媒などの溶媒を除去することができる。乾燥には、例えば、真空乾燥機、熱風式乾燥機などの通常の乾燥機を用いることができる。なお、乾燥前に、凝固物を水洗してもよい。
本実施形態によれば、過ハロゲン酸を用いた変性により、官能基が導入された変性ジエン系ゴムが得られる。その際、過ハロゲン酸を用いて変性した変性ジエン系ゴムを含むラテックスに対し、有機溶媒と水を上記質量比で混合した混合溶媒を用いて変性ジエン系ゴムを凝固させることにより、過ハロゲン酸塩の変性ジエン系ゴム中への残留を抑制することができる。また、有機溶媒と水を混合した混合溶媒であると、例えばタンパク質や脂質などの有機溶媒に溶けやすい成分と、無機物(例えば過ハロゲン酸塩)などの水に溶けやすい成分とが、ともに溶媒中に溶けやすい状態とすることができるので、これら双方の成分を変性ジエン系ゴムから除去することができる。そのため、不純物を除去した高純度の変性ジエン系ゴムが得られ、ゴム組成物の特性を改善することができる。
以上により得られた変性ジエン系ゴムは、各種ゴム組成物におけるゴム成分として用いることができる。ゴム組成物に用いる場合、ゴム成分としては、該変性ジエン系ゴム単独でもよく、他のジエン系ゴムとブレンドして用いてもよい。また、ゴム組成物には、該ゴム成分とともに、シリカやカーボンブラックなどの充填剤を配合することができ、更に、その他の添加剤として、軟化剤、可塑剤、老化防止剤、亜鉛華、ステアリン酸、加硫剤、加硫促進剤など、ゴム組成物において一般に使用される各種添加剤を配合することもできる。ゴム組成物の用途としても特に限定されず、タイヤ用、防振ゴム用、コンベアベルト用などの各種ゴム部材に用いることができる。好ましくは、タイヤに用いることであり、常法に従い、例えば140〜180℃で加硫成形することにより、各種空気入りタイヤのゴム部分(例えば、トレッド部、サイドウォール部、ビード部、タイヤコード被覆用ゴムなど)を構成することができる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜7及び比較例3〜5]
上記特許文献1の実施例1の手順に従い、変性ゴムラテックスを調製した。詳細には、天然ゴムラテックス(レヂテックス社製「LA−NR」、DRC=60質量%、Mw=151万)を、DRC=30質量%に調整し、ラウリル硫酸ナトリウム(ナカライテスク社製)を1質量%の濃度になるように加えた後、天然ゴムラテックス中のポリマー質量100gに対して、過ヨウ素酸(H5IO6)3.3gを加え、23℃で3時間攪拌して天然ゴムを酸化開裂させた。得られた解重合ラテックス(pH6.2)に、ピロリジン−2−カルボン酸0.1g加え、1規定の水酸化ナトリウムを反応液のpHが10になるように加え、23℃で12時間攪拌し反応させて、上記式(2)〜(5)で表される連結基を有する変性天然ゴム(Mw=79万、連結基の含有率(式(2)〜(5)の合計)=1.3モル%)を含む変性ゴムラテックスを得た。ここで、Mwはゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定によるポリスチレン換算の値であり、連結基の含有率はNMRによる測定値であり、いずれも上記特許文献1に記載した方法によるものである。
次いで、変性ゴムラテックス(DRC=30質量%)を、表1に記載の溶媒に注ぎ、撹拌混合して変性ジエン系ゴムを凝固させた。凝固が進まない場合には、ギ酸(ナカライテスク製)でpHが5未満になるよう調整した。変性ゴムラテックスの容積に対する溶媒の使用量は表1に記載の通りである。表1中、溶媒組成につき、EtOH/水=n/1は、エタノールと水の質量比がn:1であることを示す(THF及びアセトニトリル(CH3CN)についても同様)。また、溶媒使用量は変性ゴムラテックス中のゴム1gに対する量(mL)である。その後、凝固した変性天然ゴムを水洗した後、真空乾燥オーブンを用いて40℃で48時間真空乾燥を行い、変性天然ゴム(変性NR)を得た。
[比較例1]
コントロールとして、市販の未変性の天然ゴムRSS3号を用いた。
[比較例2]
天然ゴムラテックス(レヂテックス社製「LA−NR」、DRC=60質量%)を水に注ぎ、ギ酸(ナカライテスク製)でpHが5未満となるように調整して、天然ゴムを凝固させた。次いで、凝固した天然ゴムを水洗した後、真空乾燥オーブンを用いて40℃で48時間真空乾燥を行い、未変性の天然ゴムを得た。
[実施例8〜13及び比較例7〜8]
上記特許文献1の実施例5の手順に従い、変性ゴムラテックスを調製した。詳細には、SBRラテックス(日本ゼオン(株)製「SBRラテックスLX110」、DRC=50質量%、Mw=68万)を、DRC=30質量%に調整し、SBRラテックス中のポリマー質量100gに対して、過ヨウ素酸(H5IO6)3.3gを加え、23℃で3時間攪拌してSBRを酸化開裂させた。得られた解重合ラテックス(pH5.9)に、ピロリジン−2−カルボン酸0.1g加え、1規定の水酸化ナトリウムを反応液のpHが10になるように加え、23℃で12時間攪拌し反応させて、上記式(4)及び(5)で表される連結基を有する変性SBR(Mw=48万、連結基の含有率(式(4)及び(5)の合計)=1.8モル%)を含む変性ゴムラテックスを得た。
次いで、変性ゴムラテックス(DRC=30質量%)を、表2に記載の溶媒に注ぎ、撹拌混合して変性SBRを凝固させた。凝固が進まない場合には、ギ酸(ナカライテスク製)でpHが5未満になるよう調整した。変性ゴムラテックスの容積に対する溶媒の使用量は表1に記載の通りである。その後、凝固した変性SBRを水洗した後、真空乾燥オーブンを用いて40℃で48時間真空乾燥を行い、変性SBRを得た。
[比較例6]
SBRラテックス(日本ゼオン(株)製「SBRラテックスLX110」、DRC=50質量%)を水に注ぎ、ギ酸(ナカライテスク製)でpHが5未満となるように調整して、SBRを凝固させた。次いで、凝固したSBRを水洗した後、真空乾燥オーブンを用いて40℃で48時間真空乾燥を行い、未変性のSBRを得た。
[ヨウ素含有量の測定]
上記で得られた変性天然ゴム及び変性SBRを、三菱化学アナリテック製燃焼装置AQF−100を用いて、酸素気流下、1000℃で完全燃焼させた際に生じたガスを、三菱化学アナリテック製ガス吸収装置GA−100を用いて、吸収液で吸収・酸化させ、ダイオネクス製イオンクロマトグラフIC−1500にダイオネクス製カラムIonPacAS12Aを接続して測定を行った。溶離液には関東化学製ダイオネクスイオンクロマトグラフ陰イオン分析用溶離液AS12Aを、内部標準には和光純薬工業製リン酸標準溶液を、ヨウ素量の検量線作成用サンプルとして東京化成製N−ヨードスクシンイミドを用いた。
[窒素含有量の測定]
上記で得られた変性天然ゴム及び未変性の天然ゴムについて、エレメンタール製Vario MACRO cubeを用いてサンプル中の窒素含有量を求めた。
[ゴム組成物の評価]
バンバリーミキサーを使用し、下記表3に示す配合(質量部)に従って、まず、第一混合段階で、ゴム成分に対し硫黄及び加硫促進剤を除く他の配合剤を添加し混練し、次いで、得られた混練物に、最終混合段階で、硫黄と加硫促進剤を添加し混練して、ゴム組成物を調製した。なお、表3中の「(変性)ジエン系ゴム」が、上記の各実施例及び比較例で得られた変性天然ゴム、未変性天然ゴム、変性SBR又は未変性SBRである。得られたゴム組成物について、ムーニー粘度を測定するとともに、150℃で20分間熱プレスを用いて加硫成型することでテストサンプルを作製し、得られたテストサンプルを用いて分散性を評価した。各測定・評価方法は以下の通りである。
・ムーニー粘度(ML1+4):JIS K6300に準拠して東洋精機(株)製ロータレスムーニー測定機を用い、未加硫ゴムを100℃で1分間予熱後、4分後のトルク値をムーニー単位で測定し、表1では比較例1の値を100とし、表2では比較例6の値を100とした指数で表示した。指数が小さいほど、ムーニー粘度が低く、ゴム組成物の加工性に優れることを示す。
・分散性:上島製作所製全自動粘弾性アナライザを用いて、周波数10Hz、初期歪10%、測定温度25℃で、動歪0.05%と5%の2条件で測定を行い、0.05%の貯蔵弾性率E’の値から5%のE’の値を引いた値につき、表1では比較例1の値を100とし、表2では比較例6の値を100とした指数で表示した。指数が小さいほど、充填剤の分散性に優れ、タイヤに用いたときの低燃費性に優れることを示す。
Figure 2016060803
Figure 2016060803
Figure 2016060803
表1に示すように、有機溶媒を用いて凝固させた実施例1〜7及び比較例3,5では、市販のRSS3号の未変性天然ゴムに比べて、窒素含有量が少なく、タンパク質などの不純物の少ないものであった。但し、比較例3では、溶媒として有機溶媒単独使用で凝固させたため、変性時に使用した過ヨウ素酸から生成した過ヨウ素酸塩の残留量が多く、ヨウ素含有量の高いものであった。また、有機溶媒/水=9/1である比較例5では、ヨウ素含有量が高く、水と混合することによる過ヨウ素酸塩の除去効果がほとんど得られなかった。なお、有機溶媒/水=1/1である比較例4では、ギ酸を加えても変性天然ゴムを強固させることができなかった。
ゴム組成物の評価としては、天然ゴムラテックスを変性せずに凝固させたものを用いた比較例2では、ムーニー粘度が高く加工性に劣っていた。また、変性させたもののヨウ素含有量の高い比較例3,5では、比較例2に対してムーニー粘度は低減し加工性は改善されたものの、充填剤の分散性改良効果は得られなかった。これに対し、実施例1〜7であると、比較例2に対してムーニー粘度が大幅に低減され、また比較例1に対して同等以下の加工性を持つものであり、更に、分散性についても、比較例1,2に対して顕著に改善された。
表2に示すように、SBRを用いた場合にも、天然ゴムを用いた場合と同様、実施例8〜13であると、有機溶媒単独で凝固させた比較例7に対してヨウ素含有量が低く、加工性を損なうことなく、分散性を向上させることができた。なお、比較例8では、ギ酸を加えても変性SBRを凝固させることはできなかった。

Claims (5)

  1. ジエン系ゴムを、過ハロゲン酸を用いて酸化開裂する工程を含む変性方法により変性して、変性ジエン系ゴムを含むラテックスを得る工程と、
    得られたラテックスを、有機溶媒と水の質量比が有機溶媒/水=2/1〜4/1である混合溶媒と混合して、変性ジエン系ゴムを凝固させる工程と、
    を含む、変性ジエン系ゴムの製造方法。
  2. 前記過ハロゲン酸が過ヨウ素酸であることを特徴とする請求項1記載の変性ジエン系ゴムの製造方法。
  3. 前記変性ジエン系ゴムを含むラテックスを得る工程は、ジエン系ゴムラテックスに過ハロゲン酸を添加してジエン系ゴムを酸化開裂させることで分解する工程と、分解したジエン系ゴムを含むラテックスを、酸性の場合には塩基性に、塩基性の場合には酸性になるように酸塩基性を変化させる工程と、を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の変性ジエン系ゴムの製造方法。
  4. 前記混合溶媒を、変性ジエン系ゴムを含むラテックスの容積以上用いて、当該ラテックスと混合することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の変性ジエン系ゴムの製造方法。
  5. 前記有機溶媒がアルコールであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の変性ジエン系ゴムの製造方法。
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