JP5508121B2 - タイヤ用ゴム組成物及び重荷重用タイヤ - Google Patents
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Description
なお、変性ブタジエンゴムとしては、末端に変性基を有するものであっても、主鎖中に変性基を有するものであってもよいが、変性が容易であるという点から、末端変性基を有するものが好ましい。
なお、本明細書において、変性BRのビニル含量(1,2−結合ブタジエン単位量)は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
なお、シリカのN2SAは、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
なお、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、JIS K6217のA法によって求められる。
アルキレン基としては、特に限定されず、直鎖状、分岐状、環状のものがあげられるが、なかでも、直鎖状のアルキレン基が好ましい。
硫黄としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などが挙げられる。
すなわち、前記成分を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でトレッドなどのタイヤ部材の形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することにより、本発明の重荷重用タイヤを製造することができる。
天然ゴムラテックス:タイテックス社から入手したフィールドラテックスを使用
界面活性剤:花王(株)製のEmal−E(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム)
NaOH:和光純薬工業(株)製のNaOH
NR:TSR20
HPNR(ケン化処理天然ゴム):下記製造例1より得られた固形ゴム
BR:日本ゼオン(株)製のNipol BR1220(ビニル含量:1質量%、非変性)
変性BR:住友化学(株)製の変性ブタジエンゴム(ビニル含量:15質量%、上記式(1)のR1、R2及びR3=−OCH3、R4及びR5=−CH2CH3、n=3)
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN220(N2SA:111m2/g)
シリカ:デグッサ社製のULTRASIL VN3(N2SA:175m2/g、平均一次粒子径:15nm)
シランカップリング剤:デグッサ社製のSi266(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックワックス
老化防止剤:FLEXSYS(株)製の老化防止剤6C(SANTOFLEX 6PPD)
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華2種
VP KA9188:ランクセス社製のVP KA9188(1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン)
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS
製造例1
天然ゴムラテックスの固形分濃度(DRC)を30%(w/v)に調整した後、天然ゴムラテックス1000gに対し、Emal−E10gとNaOH20gを加え、室温で48時間ケン化反応を行い、ケン化天然ゴムラテックスを得た。このラテックスに水を添加してDRC15%(w/v)となるまで希釈した後、ゆっくり攪拌しながらギ酸を添加しpHを4.0〜4.5に調整し、凝集させた。凝集したゴムを粉砕し、水1000mlで洗浄を繰り返し、その後110℃で2時間乾燥して固形ゴム(ケン化天然ゴム)を得た。
窒素含有量は、CHN CORDER MT−5(ヤナコ分析工業社製)を用いて測定した。測定には、まずアンチピリンを標準物質として、窒素含有量を求めるための検量線を作製した。次いで、製造例で得られたケン化天然ゴム又はTSRのサンプル約10mgを秤量し、3回の測定結果から平均値を求めて、試料の窒素含有量とした。
ICP発光分析装置(ICPS−8100、島津製作所(株)製)を使用してリン含有量を求めた。
また、リンの31P−NMR測定は、NMR分析装置(400MHz、AV400M、日本ブルカー社製)を使用し、80%リン酸水溶液のP原子の測定ピークを基準点(0ppm)として、クロロホルムにより生ゴムより抽出した成分を精製し、CDCl3に溶解して測定した。
1mm×1mmに切断した生ゴムのサンプル70.00mgを計り取り、これに35mLのトルエンを加え1週間冷暗所に静置した。次いで、遠心分離に付してトルエンに不溶のゲル分を沈殿させ上澄みの可溶分を除去し、ゲル分のみをメタノールで固めた後、乾燥し質量を測定した。次の式によりゲル含有率(%)を求めた。
ゲル含有率(質量%)=[乾燥後の質量mg/最初のサンプル質量mg]×100
表2に示す配合処方に従い、1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の薬品を混練りし、混練り物を得た。次に、オープンロールを用いて、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を150℃で30分間、2mm厚の金型でプレスし、加硫ゴム組成物を得た。これを新品ゴムとして、以下の試験を行った。
粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度70℃、初期歪み10%、動歪み2%の条件下で各配合のtanδを測定し、比較例3のtanδを100として、各配合のtanδを指数表示した。数値が小さいほど発熱しにくく、低燃費性能に優れることを示す。
(発熱性能指数)=(各配合のtanδ)/(比較例3のtanδ)×100
岩本製作所製のランボーン摩耗試験機を用い、表面回転速度50m/min、負荷荷重3.0kg、かつ落砂量15g/minでスリップ率20%の条件下にて上記加硫ゴム組成物のランボーン摩耗量を測定した。そして、測定したランボーン摩耗量から容積損失量を計算し、比較例3の容積損失量を100として、下記計算式により、各配合の容積損失量を指数表示した。数値が大きいほど、耐摩耗性能に優れることを示す。
(耐摩耗性能指数)=(比較例3の容積損失量)/(各配合の容積損失量)×100
上記加硫ゴム組成物を80℃のオーブンで7日間熱劣化させ、これを劣化品とした。
JIS K6251に準じて引張試験を行い、上記劣化品の破断伸びを測定した。そして、比較例3の破断伸びを100として、下記計算式により、各配合の破断伸びを指数表示した。数値が大きいほど、耐劣化性能に優れることを示す。
(耐劣化性能指数)=(各配合の破断伸び)/(比較例3の破断伸び)×100
Claims (9)
- ゴム成分、シリカ及び下記式(2)で表される化合物を含み、
前記ゴム成分は、リン含有量が200ppm以下である改質天然ゴムと下記式(1)で表される化合物により変性された変性ブタジエンゴムとを含み、
前記ゴム成分100質量%中、改質天然ゴムの含有量が40〜95質量%であり、変性ブタジエンゴムの含有量が5〜60質量%であり、
前記ゴム成分100質量部に対して、下記式(2)で表される化合物の含有量が0.1〜10質量部であり、シリカの含有量が10〜60質量部であるタイヤ用ゴム組成物。
- 前記改質天然ゴムのトルエン不溶分として測定されるゲル含有率が20質量%以下である請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記改質天然ゴムは、クロロホルム抽出物の31P NMR測定において、−3ppm〜1ppmにリン脂質によるピークが存在せず、実質的にリン脂質が存在しない請求項1又は2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記改質天然ゴムの窒素含有量が0.3質量%以下である請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記改質天然ゴムは、天然ゴムラテックスをケン化処理して得られたものである請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記シリカのチッ素吸着比表面積が200m 2 /g以下である請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
- チッ素吸着比表面積が100m 2 /g以上のカーボンブラックを含む請求項1〜6のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 重荷重用タイヤのトレッドに使用される請求項1〜7のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 請求項1〜8のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製したトレッドを有する重荷重用タイヤ。
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