JP5587658B2 - タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
R1−S−S−A−S−S−R2 (I)
(式(I)において、Aは炭素数2〜10のアルキレン基、R1及びR2は、同一若しくは異なって、チッ素原子を含む1価の有機基を表す。)
MO3S−S−B−S−SO3M (II)
(式(II)において、Bは炭素数3〜10のアルキレン基であり、Mはリチウム、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、ニッケルまたはコバルトである。)
なお、CTAB比表面積は、ASTM D3765−92に準拠して測定される。
ここで、比表面積から真球状粒子モデルへ換算したときの一次粒子径は、以下の関係式により算出することができる。一次粒子を理想的な球と見立てると、粒子1個の表面積S及び体積V、密度ρと比表面積SSAとの間には、下記式で表される関係が成立する。
SSA=1/(V・ρ)×S
ここで、V及びSは粒子径によって一義的に決定される物理量なので、比表面積と密度により粒子径を求めることができる。密度は、例えば、市販のピクノメーターにより簡便に求めることができる。
上記式(I)のAのアルキレン基としては、特に限定されず、直鎖状、分岐状、環状のものがあげられるが、なかでも、破壊強度に優れるとの理由から、直鎖状のアルキレン基が好ましい。
また、分子内に結晶水を含んでいてもよい。
なお、式(I)及び(II)の化合物を併用する場合、これらの合計含有量も上記と同様であることが好ましい。
硫黄としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などが挙げられる。
すなわち、前記成分を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でベーストレッドやサイドウォールの形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することによりタイヤを得る。
天然ゴム:TSR20
改質天然ゴム1:下記製造例1より得られた固形ゴム
改質天然ゴム2:下記製造例2より得られた固形ゴム
溶液重合ジエン系ゴム1:宇部興産製BR150B(溶液重合BR)
溶液重合ジエン系ゴム2:旭化成(株)製のアサプレン E15(S−SBR)
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のN351H(CTAB:66m2/g)
アロマオイル:(株)ジャパンエナジー製のプロセスX−140
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックワックス
老化防止剤:FLEXSYS(株)製老化防止剤6C(SANTOFLEX 6PPD)
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華2種(平均一次粒子径:400nm)
F−2微粒子亜鉛華:ハクスイテック(株)製、商品名:微粒子酸化亜鉛F−2(平均一次粒子径:65nm)
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
ノクセラーNS(加硫促進剤):大内新興化学工業(株)製のノクセラ−NS(N−t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)
KA9188:1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン(ランクセス社製KA9188)
HTS:1,6−ヘキサメチレン−ジチオ硫酸ナトリウム・二水和物(フレキシス社製 DURA LINK HTS)
天然ゴムラテックス:タイテックス社から入手したフィールドラテックスを使用
界面活性剤:花王(株)製のEmal−E
NaOH:和光純薬工業(株)製のNaOH
製造例1
天然ゴムラテックスの固形分濃度(DRC)を30%(w/v)に調整した後、天然ゴムラテックス1000gに対し、Emal−E10gとNaOH20gを加え、室温で48時間ケン化反応を行い、ケン化天然ゴムラテックスを得た。このラテックスに水を添加してDRC15%(w/v)となるまで希釈した後、ゆっくり攪拌しながらギ酸を添加しpHを4.0〜4.5に調整し、凝集させた。凝集したゴムを粉砕し、水1000mlで洗浄を繰り返し、その後110℃で2時間乾燥して固形ゴム(改質天然ゴム1)を得た。
製造例2
天然ゴムラテックスの固形分濃度(DRC)を30%(w/v)に調整した後、天然ゴムラテックス1000gに対し、Emal−E10gとNaOH15gを加え、室温で48時間ケン化反応を行い、ケン化天然ゴムラテックスを得た。このラテックスに水を添加してDRC15%(w/v)となるまで希釈した後、ゆっくり攪拌しながらギ酸を添加しpHを4.0〜4.5に調整し、凝集させた。凝集したゴムを粉砕し、水1000mlで洗浄を繰り返し、その後110℃で2時間乾燥して固形ゴム(改質天然ゴム2)を得た。
窒素含有量は、CHN CORDER MT−5(ヤナコ分析工業社製)を用いて測定した。測定には、まずアンチピリンを標準物質として、窒素含有量を求めるための検量線を作製した。次いで、各製造例で得られた改質天然ゴム又はTSR約10mgを秤量し、3回の測定結果から平均値を求めて、試料の窒素含有量とした。
ICP発光分析装置(ICPS−8100、島津製作所(株)製)を使用してリン含有量を求めた。
また、リンの31P−NMR測定は、NMR分析装置(400MHz、AV400M、日本ブルカー社製)を使用し、80%リン酸水溶液のP原子の測定ピークを基準点(0ppm)として、クロロホルムにより生ゴムより抽出した成分を精製し、CDCl3に溶解して測定した。
1mm×1mmに切断した生ゴムのサンプル70.00mgを計り取り、これに35mLのトルエンを加え1週間冷暗所に静置した。次いで、遠心分離に付してトルエンに不溶のゲル分を沈殿させ上澄みの可溶分を除去し、ゲル分のみをメタノールで固めた後、乾燥し質量を測定した。次の式によりゲル含有率(%)を求めた。
ゲル含有率(質量%)=[乾燥後の質量mg/最初のサンプル質量mg]×100
また、改質天然ゴム1及び2から抽出した抽出物の31P NMR測定において、−3ppm〜1ppmにリン脂質によるピークを検出しなかった。
(ゴム試験片の作製)
表2(実施例1〜6及び比較例1〜8)及び表3(実施例7〜12及び比較例9〜16)に示す配合処方に従い、1.7Lバンバリーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の薬品を混練りした。得られた混練り物にロールを用いて、硫黄と加硫促進剤を練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。これを、170℃で12分間、2mm厚の金型でプレスし、加硫ゴム組成物(加硫ゴムシート)を得た。
得られた加硫ゴムシートを、下記の通り評価した。
加硫ゴムシートについて、粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度70℃、初期歪み10%、動歪み2%の条件下で各配合のtanδを測定し、比較例1又は9のtanδを100として、下記計算式により指数表示した。指数が小さいほど低発熱となる。
(ゴム発熱性能指数)=(各配合のtanδ)/(比較例1又は9のtanδ)×100
加硫ゴムシートについて、粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度30℃、初期歪み10%、動歪み2%の条件下で各配合のE*を測定し、比較例1又は9のE*を100として、下記計算式により指数表示した。
指数が高いほど高弾性率となる。
(操縦安定性指数)=(各配合のE*)/(比較例1又は9のE*)×100
加硫ゴムシート(新品)を、80℃のオーブンで7日間熱劣化させ、これを劣化品とした。新品及び劣化品をJIS K6251に準じて引張試験を行い、破断伸びを測定した。測定結果を、下記計算式により、各配合の耐劣化性能として指数表示した。指数が小さいほど劣化度が大きいことを示す。
(耐劣化性能指数)=(劣化品の破断伸び)/(新品の破断伸び)×100
また、微粒子酸化亜鉛の配合量に関し、実施例1、3及び4の結果から、微粒子酸化亜鉛の増量により、低発熱性や他の性能の改善がみられた。
Claims (8)
- リン含有量が200ppm以下の改質天然ゴム及び溶液重合で合成されたジエン系ゴムを含むゴム成分と、カーボンブラックと、平均一次粒子径が200nm以下の酸化亜鉛と、下記式(I)で表される化合物及び/又は下記式(II)で表される化合物とを含むタイヤ用ゴム組成物。
R1−S−S−A−S−S−R2 (I)
(式(I)において、Aは炭素数2〜10のアルキレン基、R1及びR2は、同一若しくは異なって、チッ素原子を含む1価の有機基を表す。)
MO3S−S−B−S−SO3M (II)
(式(II)において、Bは炭素数3〜10のアルキレン基であり、Mはリチウム、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、ニッケルまたはコバルトである。) - 前記改質天然ゴムは、トルエン不溶分として測定されるゲル含有率が20質量%以下である請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記改質天然ゴムは、クロロホルム抽出物の31P NMR測定において、−3ppm〜1ppmにリン脂質によるピークが存在せず、実質的にリン脂質が存在しない請求項1又は2記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記改質天然ゴムは、窒素含有量が0.3質量%以下である請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記ゴム成分100質量部に対して、前記式(I)で表される化合物及び前記式(II)で表される化合物の合計含有量が0.5〜10質量部である請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記ゴム成分100質量部に対して、前記酸化亜鉛の含有量が0.3〜10質量部である請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記改質天然ゴムは、天然ゴムラテックスをアルカリによりケン化し、ケン化後凝集させたゴムを繰り返し洗浄してケン化により分離したリン化合物を洗浄除去して得られるものである請求項1〜6のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製したベーストレッド又はサイドウォールを有する空気入りタイヤ。
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