JP5937400B2 - ベーストレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

ベーストレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ Download PDF

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Description

本発明は、ベーストレッド用ゴム組成物及びそれを用いたベーストレッドを有する空気入りタイヤに関する。
近年、省資源や炭酸ガス排出抑制の規制強化などの環境問題的観点より、タイヤの低燃費性や耐久性の向上が重要視されてきている。中でも、タイヤの大部分を占めるトレッドゴムの特性は、低燃費性への影響が大きく、特にベーストレッドにおいても、低燃費性や耐久性(耐トレッドブロック欠け性能(隣接ゴムとの接着性)等)の向上が求められている。
一方、ベーストレッドゴムは、通常天然ゴムが多く使用されている。しかし、天然ゴムは、熱劣化により硬化するため、ゴムの力学物性の低下を引き起こしてしまう。そのため、天然ゴムを配合したゴム組成物では、充分な耐久性が得られないという問題がある。
上記問題を解決するための1つの手法として、老化防止剤の増量により、熱劣化による硬化現象を抑制する試みがなされている。しかし、老化防止剤がゴム表面に析出することにより、隣接するゴムとの接着性が低下し、耐トレッドブロック欠け性能が低下し、耐久性の向上効果が充分に得られないという問題があった。
また、天然ゴムには蛋白質や脂質などの非ゴム成分が5〜10質量%程度存在している。これらの非ゴム成分、特に蛋白質は分子鎖の絡み合いの原因となると言われており、ゲル化を引き起こす要因となる。ゲル化が起こるとゴムの粘度が上昇し、加工性が悪化するという欠点がある。
一般的に、天然ゴムの加工性を改良するために、練りロール機や密閉式混合機で素練りし、分子量を下げるという方法が用いられているが、このような素練りは天然ゴムの分子主鎖をランダムに切断してしまうため、低燃費性の悪化を引き起こす。
そこでゲル化の要因の一つとしてあげられている蛋白質を除去する方法が知られており、得られた脱蛋白天然ゴムをタイヤのコンポーネント用ゴムとして使用することが提案されている。
例えば、特許文献1では、ゴム組成物に脱蛋白天然ゴムを使用することにより、加工性、破断強度、破断時伸びが向上することが記載されている。しかし、加工性、低燃費性、破断強度、破断時伸び、耐久性(耐トレッドブロック欠け性能)をバランスよく向上する点について未だ改善の余地を残すものである。
特開平6−329838号公報
本発明は、上記課題を解決し、良好な加工性を有しつつ、破断強度、破断時伸び、耐久性(耐トレッドブロック欠け性能)及び低燃費性をバランスよく改善できるベーストレッド用ゴム組成物及びそれを用いたベーストレッドを有する空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明のゴム組成物は、リン含有量が200ppm以下である改質天然ゴムと、平均一次粒子径が200nm以下の酸化亜鉛とを含むベーストレッド用ゴム組成物に関する。
ゴム成分100質量%中の上記改質天然ゴムの含有量が5〜95質量%であることが好ましい。
上記改質天然ゴムは、チッ素含有量が0.3質量%以下、トルエン不溶分として測定されるゲル含有率が20質量%以下であることが好ましい。
上記改質天然ゴムは、クロロホルム抽出物の31P−NMR測定において、−3ppm〜1ppmにリン脂質によるピークが存在せず、実質的にリン脂質が存在しないことが好ましい。
上記改質天然ゴムは、天然ゴムラテックスをケン化処理して得られたものであることが好ましい。
上記改質天然ゴムは、天然ゴムラテックスをケン化処理し、ケン化天然ゴムラテックスを調製する工程(A)、上記ケン化天然ゴムラテックスを凝集させて得られた凝集ゴムをアルカリ処理する工程(B)、及びゴム中に含まれるリン含有量が200ppm以下になるまで洗浄する工程(C)を含む製造方法により得られるものであることが好ましい。
ゴム成分100質量部に対して、上記酸化亜鉛の含有量が0.5〜20質量部であることが好ましい。
本発明はまた、上記ベーストレッド用ゴム組成物を用いて作製したベーストレッドを有する空気入りタイヤに関する。
本発明によれば、リン含有量が200ppm以下である改質天然ゴムと、平均一次粒子径が200nm以下の酸化亜鉛とを含むベーストレッド用ゴム組成物であるので、良好な加工性を有しつつ、破断強度、破断時伸び、耐久性(耐トレッドブロック欠け性能)及び低燃費性をバランスよく改善できる。
本発明のベーストレッド用ゴム組成物は、リン含有量が200ppm以下である改質天然ゴム(HPNR)と、平均一次粒子径が200nm以下の酸化亜鉛とを含む。
従来、天然ゴム(NR)を使用した場合に比べて、脱蛋白天然ゴム(DPNR、NR中に含まれる蛋白質を低減、除去した天然ゴム)を使用すると、加工性、破断強度、破断時伸びが向上することが知られている。本発明では、ゴム成分として、NR中に含まれる蛋白質だけでなく、ゲル分、リン脂質をも低減、除去した改質天然ゴム(HPNR)を含むため、DPNRを使用した場合に比べて、低燃費性、破断強度、破断時伸び、耐久性(耐トレッドブロック欠け性能)を顕著にバランスよく向上できる。すなわち、HPNRを使用することにより、DPNRを使用した場合に比べて、破断強度、破断時伸び等の熱劣化前の力学物性をより高めることができる。そのため、熱劣化により天然ゴムの硬化が徐々に進行した場合であっても、熱劣化前の力学物性が高いために、トレッド/バンド間層であるベーストレッドとして最低限必要な力学物性を維持できる時間を長く確保でき、耐トレッドブロック欠け性能等の耐久性を向上できるものと推測される。
また、HPNRを配合した未加硫ゴム組成物はムーニー粘度が低く加工性に優れ、特段素練り工程を行わなくても充分に混練りできるため、素練りによるゴム物性(破断強度、破断時伸びなど)の低下を防止できる。そのため、天然ゴムが本来有するゴム物性を維持できるので、良好な破断強度、破断時伸びを得ることもできる。更に、HPNRはTSRなどが含むゴミ成分(小石、木屑など)を含まず、該成分の除去工程が必要ないため、生産性に優れ、ゴミ成分に起因するゴム破壊の心配もない。従って、優れた加工性(生産性)を得つつ、低燃費性、破断強度、破断時伸び、耐久性(耐トレッドブロック欠け性能)をバランスよく改善できる。
さらに、本発明では、特定の平均一次粒子径を有する酸化亜鉛(微粒子酸化亜鉛)が使用される。微粒子酸化亜鉛は比表面積が大きく、さらに酸化亜鉛の分散性が向上することから、加硫促進助剤として効果的に機能し、ゴムをより均一に加硫できる。そのため、低燃費性、破断強度、破断時伸び、耐久性(耐トレッドブロック欠け性能)をよりバランスよく向上できる。さらに、熱劣化によりゴムの力学物性が低下した際に、酸化亜鉛の凝集核が破壊核となり損傷の原因となり得るが、微粒子酸化亜鉛を使用することにより、酸化亜鉛の分散性が向上し、酸化亜鉛の凝集を抑制することができる。そのため、微粒子酸化亜鉛を使用することにより、耐トレッドブロック欠け性能等の耐久性をより向上できるものと推測される。そして、HPNRと微粒子酸化亜鉛を併用することにより、良好な加工性を有しつつ、破断強度、破断時伸び、耐久性(耐トレッドブロック欠け性能)及び低燃費性を相乗的に向上できる。
上記改質天然ゴム(HPNR)は、リン含有量が200ppm以下である。200ppmを超えると、充分な低燃費性、破断強度、破断時伸び、耐久性(耐トレッドブロック欠け性能)が得られない。該リン含有量は、150ppm以下が好ましく、100ppm以下がより好ましく、80ppm以下が更に好ましい。ここで、リン含有量は、たとえばICP発光分析等、従来の方法で測定することができる。リンは、リン脂質(リン化合物)に由来するものである。
改質天然ゴム中のゲル含有率は、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、7質量%以下が更に好ましく、5.5質量%以下が特に好ましい。20質量%を超えると、ムーニー粘度が高くなるなど、加工性が低下する傾向がある。また、充分な低燃費性、破断強度、破断時伸び、耐久性(耐トレッドブロック欠け性能)が得られない傾向がある。ゲル含有率とは、非極性溶媒であるトルエンに対する不溶分として測定した値を意味し、以下においては単に「ゲル含有率」または「ゲル分」と称することがある。ゲル分の含有率の測定方法は次のとおりである。
まず、天然ゴム試料を脱水トルエンに浸し、暗所に遮光して1週間放置後、トルエン溶液を1.3×10rpmで30分間遠心分離して、不溶のゲル分とトルエン可溶分とを分離する。不溶のゲル分にメタノールを加えて固形化した後、乾燥し、ゲル分の質量と試料の元の質量との比からゲル含有率が求められる。
改質天然ゴムは、実質的にリン脂質が存在しないことが好ましい。「実質的にリン脂質が存在しない」とは、天然ゴム試料をクロロホルムで抽出し、抽出物の31P−NMR測定において、−3ppm〜1ppmにリン脂質によるピークが存在しない状態を表す。−3ppm〜1ppmに存在するリンのピークとは、リン脂質におけるリンのリン酸エステル構造に由来するピークである。
改質天然ゴムにおいて、チッ素含有量は好ましくは0.3質量%以下、より好ましくは0.15質量%以下、更に好ましくは0.11質量%以下である。チッ素含有量が0.3質量%を超えると、貯蔵中にムーニー粘度が上昇する傾向がある。また、充分な低燃費性、破断強度、破断時伸び、耐久性(耐トレッドブロック欠け性能)が得られない傾向がある。チッ素含有量は、例えばケルダール法等、従来の方法で測定することができる。チッ素は蛋白質に由来するものである。
改質天然ゴムは、例えば、特開2010−138359号公報に記載の製法などで得られるが、なかでも、天然ゴムラテックスをケン化処理し、ケン化天然ゴムラテックスを調製する工程(A)、上記ケン化天然ゴムラテックスを凝集させて得られた凝集ゴムをアルカリ処理する工程(B)、及びゴム中に含まれるリン含有量が200ppm以下になるまで洗浄する工程(C)を含む製造方法で調製されるものが好ましい。該製法により、リン含有量、チッ素含有量などを効果的に減量できる。また、該製法により得られる改質天然ゴムを使用することで、加工性、低燃費性、破断強度、破断時伸び、耐久性(耐トレッドブロック欠け性能)を顕著に改善でき、これらの性能が高い次元で得られる。また、酸で凝集させた際、残存する酸をアルカリ処理で中和することで、酸によるゴムの劣化を防ぐだけでなく、ゴム中のチッ素含有量を一層低減できる。
上記製造方法において、ケン化処理は、天然ゴムラテックスに、アルカリと、必要に応じて界面活性剤を添加して所定温度で一定時間、静置することにより行うことができる。なお、必要に応じて撹拌などを行っても良い。上記製造方法によれば、天然ゴムのリン含有量、チッ素含有量を抑えることができる。
天然ゴムラテックスとしては、生ラテックス、精製ラテックス、ハイアンモニアラテックスなどの従来公知のものを使用できる。ケン化処理に用いるアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アミン化合物などが挙げられ、良好にケン化できる点及び天然ゴムラテックスの安定性の点から、特に水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましい。界面活性剤としては、公知の陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤が使用可能であり、なかでも、陰イオン性界面活性剤が好ましく、スルホン酸系の陰イオン性界面活性剤がより好ましい。
ケン化処理において、アルカリの添加量は適宜設定すればよいが、天然ゴムラテックスの固形分100質量部に対して、好ましくは0.1〜20質量部である。また、界面活性剤の添加量は、天然ゴムラテックスの固形分100質量部に対して、好ましくは0.01〜6.0質量部、より好ましくは0.1〜3.5質量部である。なお、ケン化処理の温度及び時間も適宜設定すればよく、通常は20〜70℃(好ましくは30〜70℃)で1〜72時間(好ましくは3〜48時間)程度である。
ケン化反応終了後、反応により得られたケン化天然ゴムラテックスを凝集させて得られた凝集ゴムを、必要に応じて破砕し、次いで、得られた凝集ゴムや破砕ゴムとアルカリを接触させてアルカリ処理を行う。アルカリ処理により、ゴム中のチッ素含有量などを効率的に低減でき、本発明の効果が一層発揮される。凝集方法としては、例えば、ギ酸などの酸を添加する方法が挙げられる。アルカリ処理方法としては、ゴムとアルカリを接触させる方法であれば特に限定されず、例えば、凝集ゴムや破砕ゴムをアルカリに浸漬する方法などが挙げられる。アルカリ処理に使用できるアルカリとしては、例えば、上記ケン化処理におけるアルカリの他に、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸リチウム、炭酸水素リチウムなどのアルカリ金属炭酸塩や、アンモニア水などが挙げられる。なかでも、本発明の効果に優れるという点から、アルカリ金属炭酸塩が好ましく、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムがより好ましく、炭酸ナトリウムが更に好ましい。
上記浸漬にてアルカリ処理する場合、好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは0.2〜3質量%の濃度のアルカリ水溶液にゴム(破砕ゴム)を浸漬することにより、処理できる。これにより、ゴム中のチッ素量などを一層低減できる。
上記浸漬によりアルカリ処理する場合、アルカリ処理の温度は、適宜設定できるが、通常は20〜70℃が好ましい。また、アルカリ処理の時間は、処理温度にもよるが、十分な処理と生産性を併せ考慮すると1〜20時間が好ましく、2〜12時間がより好ましい。
アルカリ処理後、洗浄処理を行うことにより、リン含有量を低減できる。洗浄処理としては、例えば、ゴム分を水で希釈して洗浄後、遠心分離処理する方法、静置してゴムを浮かせ、水相のみを排出して、ゴム分を取り出す方法が挙げられる。遠心分離する際は、まず天然ゴムラテックスのゴム分が5〜40質量%、好ましくは10〜30質量%となるように水で希釈する。次いで、5000〜10000rpmで1〜60分間遠心分離すればよく、所望のリン含有量になるまで洗浄を繰り返せばよい。また、静置してゴムを浮かせる場合も水の添加、撹拌を繰り返して、所望のリン含有量になるまで洗浄すればよい。洗浄処理終了後、乾燥することにより、本発明に係る改質天然ゴムが得られる。
本発明のゴム組成物において、ゴム成分100質量%中の改質天然ゴムの含有量は、好ましくは5質量%以上であり、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは60質量%以上、特に好ましくは80質量%以上である。5質量%未満であると、充分な低燃費性、破断強度、破断時伸び、耐久性(耐トレッドブロック欠け性能)が得られない傾向にある。該含有量は、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下である。95質量%を超えると、コストが高くなると共に、加工性が悪化する傾向がある。
HPNR以外に本発明に使用されるゴム成分としては、例えば、天然ゴム(NR)、脱蛋白天然ゴム(DPNR)(NR中に含まれる蛋白質を除去した天然ゴム)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)等のジエン系ゴムが挙げられる。なかでも、HPNRに対する相溶性に優れ、HPNRと併用することにより、良好な加工性、低燃費性、破断強度、破断時伸び、耐久性(耐トレッドブロック欠け性能)が得られるという理由から、NR、DPNRが好ましい。
NRとしては特に限定されず、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。ここで、NRとはチッ素含有量が0.31〜20質量%程度のものをいう。上記改質天然ゴム(HPNR)と共に、NRを配合することにより、加工性、低燃費性、破断強度、破断時伸び、耐久性(耐トレッドブロック欠け性能)をより向上できる。
ゴム成分100質量%中のNRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上である。5質量%未満であると、加工性が悪化する傾向がある。また、該NRの含有量は、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは40質量%以下、特に好ましくは20質量%以下である。95質量%を超えると、充分な低燃費性、破断強度、破断時伸び及び耐久性(耐トレッドブロック欠け性能)が得られない傾向にある。
本発明では、特定の平均一次粒子径の酸化亜鉛が使用される。このような微粒子酸化亜鉛の配合により、均一に加硫できる。また、NR(非改質)に比べて、HPNRは酸化亜鉛を必要以上にトラップしにくく、少量であっても加硫促進助剤としての効果が発揮されるので、酸化亜鉛の配合量を減少させることができる。従って、HPNRと微粒子酸化亜鉛とを併用することにより、破壊核が減少し、破断強度、破断時伸び、耐久性(耐トレッドブロック欠け性能)を相乗的に向上させることができる。また、発熱性も相乗的に低減できる。
上記酸化亜鉛の平均一次粒子径は、好ましくは20nm以上、より好ましくは50nm以上である。20nm未満であると、通常の酸化亜鉛と比較して、酸化亜鉛の分散性やゴム物性(低燃費性、破断強度、破断時伸び、耐久性(耐トレッドブロック欠け性能))において充分な改善効果が得られないおそれがある。該平均一次粒子径は、200nm以下、好ましくは150nm以下、より好ましくは120nm以下、更に好ましくは90nm以下、特に好ましくは75nm以下である。200nmを超えると、通常の酸化亜鉛と比較して、酸化亜鉛の分散性やゴム物性(低燃費性、破断強度、破断時伸び、耐久性(耐トレッドブロック欠け性能))において充分な改善効果が得られないおそれがある。
本発明において、酸化亜鉛の平均一次粒子径は、BET法により測定したBET比表面積から真球状粒子モデルへ換算したときの一次粒子径である。
ここで、BET比表面積から真球状粒子モデルへ換算したときの一次粒子径は、以下の関係式により算出することができる。一次粒子を理想的な球と見立てると、粒子1個の表面積(S)及び体積(V)、密度(ρ)と比表面積(SSA)との間には、下記式で表される関係が成立する。
SSA=1/(V・ρ)×S
ここで、V及びSは粒子径によって一義的に決定される物理量なので、比表面積と密度により粒子径を求めることができる。密度は、例えば、市販のピクノメーターにより簡便に求めることができる。
上記酸化亜鉛(特定の平均一次粒子径の酸化亜鉛)の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは0.6質量部以上、更に好ましくは2質量部以上、特に好ましくは3質量部以上である。0.5質量部未満では、充分なゴム物性(低燃費性、破断強度、破断時伸び、耐久性(耐トレッドブロック欠け性能))が得られない傾向がある。また、該酸化亜鉛の含有量は、好ましくは20質量部以下、より好ましくは12質量部以下、更に好ましくは10質量部以下、特に好ましくは6質量部以下である。20質量部を超えると、加工性、低燃費性、破断強度、破断時伸び、耐久性(耐トレッドブロック欠け性能)が低下する傾向がある。
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、従来ゴム工業で使用される配合剤、例えば、カーボンブラック等の無機・有機充填剤、ステアリン酸、各種老化防止剤、ワックス、オイル等の軟化剤、硫黄若しくは硫黄化合物等の加硫剤、加硫促進剤などを必要に応じて適宜配合することができる。
カーボンブラックとしては、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAFなどが挙げられるが、特に限定されない。カーボンブラックを配合することにより、補強性を高めることができ、破断強度、破断時伸び、及び耐久性(耐トレッドブロック欠け性能)をより向上できる。
カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは30m/g以上、より好ましくは60m/g以上である。30m/g未満では、補強性が低下し、破断強度、破断時伸び、及び耐久性(耐トレッドブロック欠け性能)が低下する傾向にある。また、カーボンブラックのNSAは好ましくは200m/g以下、より好ましくは160m/g以下、更に好ましくは120m/g以下、特に好ましくは90m/g以下である。200m/gを超えると、低燃費性、加工性が著しく悪化するおそれがある。なお、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、JIS K 6217のA法によって求められる。
カーボンブラックのジブチルフタレート吸油量(DBP)は、50ml/100g以上が好ましく、80ml/100g以上がより好ましい。50ml/100g未満では、補強性が低下し、破断強度、破断時伸び、及び耐久性(耐トレッドブロック欠け性能)が低下する傾向にある。また、カーボンブラックのDBPは、200ml/100g以下が好ましく、125ml/100g以下がより好ましく、110ml/100g以下が更に好ましい。200ml/100gを超えると、低燃費性、加工性が悪化するおそれがある。
なお、カーボンブラックのDBPは、JIS K 6217−4:2001に準拠して測定される。
カーボンブラックを配合する場合、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは20質量部以上、より好ましくは30質量部以上である。20質量部未満では、補強性が低下し、破断強度、破断時伸び、及び耐久性(耐トレッドブロック欠け性能)が低下する傾向にある。また、該含有量は、好ましくは100質量部以下、より好ましくは80質量部以下、更に好ましくは70質量部以下である。100質量部を超えると、フィラーの分散性が悪化し、破断強度、破断時伸び、及び耐久性(耐トレッドブロック欠け性能)が低下するおそれがある。また、低燃費性が悪化するおそれがある。
老化防止剤としては、特に限定されず、ジフェニルアミン系、p−フェニレンジアミン系などのアミン系老化防止剤などを使用できる。なかでも、本発明の効果が充分に得られる点から、p−フェニレンジアミン系の老化防止剤が好ましい。p−フェニレンジアミン系の老化防止剤としては、例えば、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(6PPD)、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン(IPPD)、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンなどが挙げられる。
老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.2質量部以上、より好ましくは0.3質量部以上、更に好ましくは1.0質量部以上である。0.2質量部未満であると、充分なゴムの耐劣化性能が得られず、耐トレッドブロック欠け性能が低下する傾向がある。また、該含有量は、好ましくは3.0質量部以下、より好ましくは2.5質量部以下、更に好ましくは2.2質量部以下である。3.0質量部を超えると、老化防止剤がゴム表面に析出することにより、隣接するゴムとの接着性が低下し、耐トレッドブロック欠け性能が低下する傾向がある。
本発明では、老化防止剤の配合量を上記量とすることができるため、老化防止剤のゴム表面への析出を防止でき、隣接するゴムとの接着性の低下を抑制でき、充分な耐久性(耐トレッドブロック欠け性能)を得ることができる。
硫黄としては、特に限定されず、従来からゴム工業で使用される鶴見化学工業(株)製の硫黄などを使用できる。硫黄の配合量は、本発明の効果が充分に得られる点から、ゴム成分100質量部に対して0.5〜10質量部が好ましく、1〜3.5質量部がより好ましい。
加硫促進剤としては、特に限定されず、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N’−ジフェニルグアニジンなどを使用できる。なかでも、本発明の効果が充分に得られる点から、N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドが好ましい。加硫促進剤の配合量は、ゴム成分100質量部に対して0.5〜5質量部が好ましく、0.8〜4質量部がより好ましい。
本発明のゴム組成物は、一般的な方法で製造できる。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで前記各成分を混練りし、その後加硫する方法などにより製造できる。ここで、天然ゴムを含むゴム組成物を製造する場合、ゴム成分、充填剤などの各成分の混練り工程前に、通常、天然ゴムの素練り工程が行われる。本発明では、改質天然ゴムが使用されているため、該素練り工程を行わなくても良好に混練り工程を実施でき、所望のゴム組成物を作製できる。
本発明のベーストレッド用ゴム組成物は、空気入りタイヤのベーストレッドに使用できる。ベーストレッドとは、多層構造を有するトレッドの内層部であり、例えば2層構造〔表面層(キャップトレッド)及び内面層(ベーストレッド)〕からなるトレッドでは内面層である。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法で製造される。すなわち、前記成分を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でキャップトレッド用ゴム組成物と同時に押出加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することによりタイヤを得る。
本発明の空気入りタイヤは、乗用車用タイヤ、商用車(ライトトラック)用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、産業車両用タイヤ等として好適に用いられ、特に乗用車用タイヤとして好適に用いられる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、製造例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
天然ゴムラテックス:Muhibbah Lateks社から入手したフィールドラテックス
界面活性剤:花王(株)製のEmal−E27C(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム)
NaOH:和光純薬工業(株)製のNaOH
炭酸ナトリウム:和光純薬工業(株)製の炭酸ナトリウム
(ケン化処理天然ゴムの作製(アルカリ処理あり))
<製造例1>
天然ゴムラテックスの固形分濃度(DRC)を30%(w/v)に調整した後、天然ゴムラテックス1000gに対し、Emal−E27C(花王株式会社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム)10gとNaOH50gを加え、室温で48時間ケン化反応を行い、ケン化天然ゴムラテックスを得た。このラテックスに水を添加してDRC15%(w/v)となるまで希釈した後、ゆっくり攪拌しながらギ酸を添加しpHを4.0〜4.5に調整し、凝集させた。凝集したゴムを粉砕し、それを1%炭酸ナトリウム水溶液で室温で5時間浸漬した後に引き上げ、水1000mlで洗浄を繰り返し、その後90℃で4時間乾燥して固形ゴム(改質天然ゴムA)を得た。
(ケン化処理天然ゴムの作製(アルカリ処理なし))
<製造例2>
製造例1において、凝集まで同様の処理を行い、その後の1%炭酸ナトリウム水溶液の浸漬をしないで、水1000mlで洗浄を繰り返し、その後90℃で4時間乾燥して固形ゴム(改質天然ゴムB)を得た。
(天然ゴムの作製(ケン化未処理))
<製造例3>
製造例1において、ケン化反応を行わず、天然ゴムラテックスに水を添加し、DRC15%(w/v)となるまで希釈した後、ゆっくり攪拌しながらギ酸を添加し、pHを4.0〜4.5に調整し、凝集させた。そして、凝集したゴムを粉砕し、それを1%炭酸ナトリウム水溶液に室温で5時間浸漬した後に引き上げ、水1000mlで洗浄を繰り返し、その後90℃で4時間乾燥して固形天然ゴムCを得た。
製造例1〜3により得られた固形ゴム及びTSRについて以下に示す方法により、チッ素含有量、リン含有量、ゲル含有率を測定した。結果を表1に示す。
(チッ素含有量の測定)
チッ素含有量は、CHN CORDER MT−5(ヤナコ分析工業社製)を用いて測定した。測定には、まずアンチピリンを標準物質として、チッ素含有量を求めるための検量線を作製した。次いで、試料約10mgを秤量し、3回の測定結果から平均値を求めて、試料のチッ素含有量とした。
(リン含有量の測定)
ICP発光分析装置(ICPS−8100、(株)島津製作所製)を使用して、試料のリン含有量を求めた。
また、リンの31P−NMR測定は、NMR分析装置(400MHz、AV400M、日本ブルカー社製)を使用し、80%リン酸水溶液のP原子の測定ピークを基準点(0ppm)として、クロロホルムにより生ゴムより抽出した成分を精製し、CDClに溶解して測定した。
(ゲル含有率の測定)
1mm×1mmに切断した生ゴムのサンプル70.00mgを計り取り、これに35mLのトルエンを加え1週間冷暗所に静置した。次いで、遠心分離に付してトルエンに不溶のゲル分を沈殿させ上澄みの可溶分を除去し、ゲル分のみをメタノールで固めた後、乾燥し質量を測定した。次の式によりゲル含有率(%)を求めた。
ゲル含有率(質量%)=[乾燥後の質量mg/最初のサンプル質量mg]×100
Figure 0005937400
表1に示すように、改質天然ゴムA、Bは、TSRに比べて、チッ素含有量、リン含有量、ゲル含有率が低減していた。また、改質天然ゴムA、Bから抽出した抽出物の31P NMR測定において、−3ppm〜1ppmにリン脂質によるピークを検出しなかった。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
改質天然ゴムA:製造例1
改質天然ゴムB:製造例2
固形天然ゴムC:製造例3
NR:TSR20
カーボンブラック:東海カーボン(株)製のシーストN(N330、NSA:74m/g、DBP:102ml/100g)
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸
酸化亜鉛:ハクスイテック(株)製の酸化亜鉛2種(平均一次粒子径:250nm)
微粒子酸化亜鉛(1):ハクスイテック(株)製のジンコックスーパーF−1(平均一次粒子径:100nm)
微粒子酸化亜鉛(2):ハクスイテック(株)製のジンコックスーパーF−2(平均一次粒子径:65nm)
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーDZ(N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
(未加硫ゴム組成物、加硫ゴム組成物の作製)
表2に示す配合内容に従い、(株)神戸製鋼所製の16Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で5分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、80℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を150℃で35分間、0.5mm厚の金型でプレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物をタイヤのベーストレッドの形状に成型し、キャップトレッドに貼り合わせた後、他のタイヤ部材と貼り合わせて未加硫タイヤを形成し、170℃の条件下で15分間プレス加硫し、試験用タイヤ(サイズ:185/65R15)を製造した。
得られた未加硫ゴム組成物、加硫ゴム組成物、試験用タイヤを使用して、下記の評価を行った。それぞれの試験結果を表2に示す。
(ムーニー粘度)
得られた未加硫ゴム組成物について、JIS K 6300「未加硫ゴムの試験方法」に準じて、(株)島津製作所製のムーニー粘度試験機を用い、1分間の予熱によって熱せられた130℃の温度条件にて、小ローターを回転させ、4分間経過した時点での未加硫ゴム組成物のムーニー粘度を測定した。そして、比較例1のムーニー粘度指数を100とし、以下の計算式により、各配合のムーニー粘度を指数表示した。なお、ムーニー粘度指数の値が大きいほど加工しやすく、加工性が優れていることを示す。
(ムーニー粘度指数)=(比較例1のムーニー粘度)/(各配合のムーニー粘度)×100
(引張試験)
得られた加硫ゴム組成物から、3号ダンベル型試験片を作製し、JIS K 6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に準じて、引張試験を実施し、試験片の破断強度(TB)および破断時伸び(EB)をそれぞれ測定した。そして、比較例1のTB指数およびEB指数を100とし、以下の計算式により、各配合のTB、EBを指数表示した。なお、TB指数、EB指数ともに、大きいほど、ゴム強度(破断強度、破断時伸び)に優れる。
(TB指数)=(各配合のTB)/(比較例1のTB)×100
(EB指数)=(各配合のTB)/(比較例1のTB)×100
(耐トレッドブロック欠け再現ドラム試験)
得られた試験用タイヤをJIS規格の最大荷重(最大空気圧条件)に対して140%である荷重オーバーロード条件で、速度80km/hでドラム走行させたときのトレッド部の膨れやブロックの欠けなどの異常が発生するまでの走行距離を測定し、比較例1の耐トレッドブロック欠け性能指数を100とし、以下の計算式により、各配合の走行距離を指数表示した。なお、耐トレッドブロック欠け性能指数が大きいほど、耐トレッドブロック欠け性能(耐久性)に優れることを示す。
(耐トレッドブロック欠け性能指数)=(各配合の走行距離)/(比較例1の走行距離)×100
(粘弾性試験)
得られた加硫ゴム組成物について、粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度70℃、初期歪み10%、動歪み2%の条件下で各配合(加硫ゴム)のtanδを測定し、比較例1のtanδを100として、下記計算式により指数表示した(低燃費性指数)。指数が大きいほど低燃費性に優れる。
(低燃費性指数)=(比較例1のtanδ)/(各配合のtanδ)×100
Figure 0005937400
表2により、上記改質天然ゴムA又はBを含むゴム成分と、特定の平均一次粒子径を有する微粒子酸化亜鉛とを含む実施例では、良好な加工性を有しつつ、低燃費性、破断強度、破断時伸び、耐久性(耐トレッドブロック欠け性能)をバランスよく向上できた。
微粒子酸化亜鉛を配合し、改質天然ゴムを配合しない比較例3、及び改質天然ゴムを配合し、微粒子酸化亜鉛を含まない比較例7では、改質天然ゴム、微粒子酸化亜鉛を共に配合しない比較例1に対し、加工性、破断時伸びが向上したものの、各種性能の改善効果が低かった。一方、改質天然ゴム、微粒子酸化亜鉛を共に配合する実施例1では、各種性能がバランスよく改善した。
比較例1、3、7、実施例1の比較により、改質天然ゴムと微粒子酸化亜鉛を併用することにより、良好な加工性を有しつつ、破断強度、破断時伸び、耐久性(耐トレッドブロック欠け性能)及び低燃費性を相乗的に向上できることが分かった。

Claims (6)

  1. 天然ゴムラテックスをケン化処理し、ケン化天然ゴムラテックスを調製する工程(A)、前記ケン化天然ゴムラテックスを凝集させて得られた凝集ゴムをアルカリ処理する工程(B)、ゴム中に含まれるリン含有量が200ppm以下になるまで洗浄する工程(C)、及び、前記工程(A)〜(C)を経て得られるリン含有量が200ppm以下である改質天然ゴムと、平均一次粒子径が200nm以下の酸化亜鉛とを混練する工程(D)を含むベーストレッド用ゴム組成物の製造方法
  2. ゴム成分100質量%中の前記改質天然ゴムの含有量が5〜95質量%である請求項1記載のベーストレッド用ゴム組成物の製造方法
  3. 前記改質天然ゴムは、チッ素含有量が0.3質量%以下、トルエン不溶分として測定されるゲル含有率が20質量%以下である請求項1又は2記載のベーストレッド用ゴム組成物の製造方法
  4. 前記改質天然ゴムは、クロロホルム抽出物の31P−NMR測定において、−3ppm〜1ppmにリン脂質によるピークが存在せず、実質的にリン脂質が存在しない請求項1〜3のいずれかに記載のベーストレッド用ゴム組成物の製造方法
  5. ゴム成分100質量部に対して、前記酸化亜鉛の含有量が0.5〜20質量部である請求項1〜のいずれかに記載のベーストレッド用ゴム組成物の製造方法
  6. 天然ゴムラテックスをケン化処理し、ケン化天然ゴムラテックスを調製する工程(A)、前記ケン化天然ゴムラテックスを凝集させて得られた凝集ゴムをアルカリ処理する工程(B)、ゴム中に含まれるリン含有量が200ppm以下になるまで洗浄する工程(C)、前記工程(A)〜(C)を経て得られるリン含有量が200ppm以下である改質天然ゴムと、平均一次粒子径が200nm以下の酸化亜鉛とを混練する工程(D)、及び前記工程(D)により得られるベーストレッド用ゴム組成物を用いてベーストレッドを作製する工程(E)を含むベーストレッドを有する空気入りタイヤの製造方法
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