JP2016060734A - アルギナーゼ1産生促進剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】アルギナーゼ1産生促進剤を提供すること。【解決手段】スチグマステロール及び/又はオレアノール酸を有効成分とするアルギナーゼ1の産生促進剤。【選択図】図2

Description

本発明は、アルギナーゼ1産生促進剤に関する。
アルギナーゼは、尿素生成反応を触媒する酵素である。ヒトをはじめ哺乳類、両生類の肝臓、腎臓などに含まれ、尿素回路の一員として働き、アルギニンを分解してオルニチンと尿素を生成する。そしてヒトの場合は、尿素を窒素代謝の最終産物として排出するこれらの動物以外にも硬骨魚類や植物、酵母、カビ類にも含まれる。鉄、コバルト、マンガンなどの2価の金属イオンによって活性化され、水銀イオン、銀イオン、クエン酸などによって不活性化される。
一般に、運動後などに増加する血中アンモニアは、肝臓で尿素合成により解毒(代謝)、排泄される。アンモニアの代謝過程は、肝細胞で尿素回路によって尿素となり、腎臓より尿中に排泄される。従って、肝臓機能の低下による尿素サイクルの活性の低下、腸内におけるアンモニアの生産が増加する場合、血中アンモニア濃度が高い値となるといわれている。従って、先天性尿素サイクル酵素欠損症及び肝機能異常の場合、高アンモニア血症を発症する場合が多い。
尿素回路は上記のとおり、肝臓で主に機能し、アンモニアを尿素に変換する解毒機能を果たしている。この機能が低下すると、アンモニアによって肝臓細胞が傷害されて、様々な肝臓疾患を生じ、高アンモニア血症など重篤な症状を引き起こすことが知られている。高アンモニア血症の患者では、嘔気、嘔吐、意識障害、嗜眠、痙攣、呼吸障害などの症状が出現し、治療が遅れると生命の危険が生じることがある。
体内で生成されたアンモニアは、血中を移動し、肝臓で尿素回路に入り、カルバモイルリン酸を経て、シトルリンに変換され、最終的にアルギニンから尿素が生成され解毒される。尿素回路の酵素の一つであるアルギナーゼは、アルギニンからオルニチンを生成する反応を制御する酵素である。アルギニンはアンモニア解毒作用の重要な役割を担っている。
アルギナーゼの活性化作用を有する物質として生薬 木通(モクツウ)の抽出エキス(特許文献1)、バクモンドウエキス(特許文献2)、アンズ果汁(特許文献3)、ガガイモ科カモメヅル属の植物エキス(特許文献4)などの植物抽出物が知られている。また乳由来のタンパク質であるラクトフェリンは、アルギナーゼの活性化に加えてカルバモイルリン酸シンセターゼIやアルギニノコハク酸シンセターゼIといった尿素回路に係る酵素を活性化して、アンモニアの解毒作用を発揮することが知られている(特許文献5)。これらの抽出物は、いずれも皮膚外用剤として用いる発明が提案されている。
アルギナーゼは、複数のアイソタイプが存在する。例えば、赤血球中のアルギナーゼと肝臓由来のアルギナーゼを識別できる抗体が知られている(特許文献6)。肝臓中のアルギナーゼはアルギナーゼ1として命名分類されており、肝臓中のアルギナーゼ活性の大部分を担っている。肝臓中のアルギナーゼ1の活性が低下することで、アンモニアの解毒が遅滞し、高アンモニア血症が発症する。したがってアルギナーゼ1の活性を促進することで高アンモニア血症などの障害の予防や治療が可能となる。
また、特許文献7には遺伝子組換えヒトアルギナーゼI(アルギナーゼ1又はARG−1ともいう)が開示されている。アルギナーゼ1が高濃度で発現すると、免疫担当細胞にあっては、アルギニンを消費することで、T細胞の機能を抑制して、アレルギー反応を抑制することが明らかとなっている。
本出願人は、皮膚にアルギナーゼ1が存在し、紫外線照射に伴って発生する皮膚の紅斑の抑制に寄与することを見いだして、紫外線に対する抵抗性の指標とすることができるため、アルギナーゼ1を指標とするサンバーンの評価方法を提案している(特許文献8)。
特許第3823373号公報 特開2003−277285号公報 特開2006−143608号公報 特開2008−255078号公報 特開2012−223100号公報 WO96/28732号公報 特表2010−512168号公報 特許第4446010号公報
本発明は、アルギナーゼ1の産生を促進する新たな物質及びその利用を提供することを課題とする。
本発明は以下の構成である。
(1)スチグマステロール及び/又はオレアノール酸を有効成分とするアルギナーゼ1の産生促進剤。
(2)スチグマステロール及び/又はオレアノール酸を有効成分とする尿素回路活性化剤。
(3)スチグマステロール及び/又はオレアノール酸を有効成分とする高アンモニア血症改善剤。
(4)スチグマステロール及び/又はオレアノール酸を有効成分とする皮膚組織のアルギナーゼ1の産生促進剤。
(5)スチグマステロール及び/又はオレアノール酸を有効成分とする皮膚の柔軟化剤。
(6)スチグマステロールを有効成分とする皮膚のメラニン産生抑制剤。
本発明によれば、アルギナーゼ1の活性促進が図られ、尿素回路の活性化、ひいてはアンモニア代謝の促進が図られるので、高アンモニア血症の抑制(症状の緩和)に有用である。また、皮膚組織におけるアルギナーゼ1の酵素の産生が促進されるため、皮膚組織の尿素含有量が増加し、その結果皮膚の柔軟化が図られ、また皮膚組織の保水性が改善される。
さらにまた、スチグマステロール及び/又はオレアノール酸は、皮膚組織のメラニン産生を抑制するため、皮膚の美白剤としても有用である。
ヒトケラチノサイト細胞懸濁液中のアルギナーゼ1活性化効果をスチグマステロールとオレアノール酸について測定した結果を示すグラフである。 ヒト正常表皮角化細胞とメラニン細胞により構築した、3次元ヒト表皮モデル組織中に産生されるアルギナーゼ1の産生促進効果を、スチグマステロールとオレアノール酸について測定した結果を示すグラフである。 ヒト正常表皮角化細胞とメラニン細胞により構築した、3次元ヒト表皮モデル組織中に産生されるメラニン量の産生抑制効果を、スチグマステロールと陽性対照であるコウジ酸を用いて測定した結果を示すグラフである。
本発明は、スチグマステロール及び/又はオレアノール酸を有効成分とするアルギナーゼ1の産生促進剤とその利用に係る発明である。また本発明は、スチグマステロールを有効成分とするメラニン産生抑制剤の発明である。
本発明において、アルギナーゼ1とは、アルギニンを分解してオルニチンと尿素を生成する酵素であって、主として肝臓中に存在するアイソタイプであり、アルギナーゼ−Iとも表記される。
スチグマステロールは、フィトステロール (phytosterol) または植物ステロール(plant sterol)と呼ばれる一群のステロール(ステロイドアルコール)に分類される化合物で、植物に含まれるフィトケミカルの一種である。特有の臭気のある白色固体で、水に溶けないがアルコールには可溶である。食品添加物、医薬品、あるいは化粧品として多様な用途を持つ。
スチグマステロールは、下記の化学式1の構造を有している。
本発明に用いるスチグマステロールは、単離精製されたものでも、植物から抽出されたフィトステロールとして知られるカンペステロールやブラシカステロールなど他のステロールが含まれているものであっても良い。好ましくはスチグマステロールのみが含まれるものが良い。スチグマステロール又はフィトステロールは、植物から抽出した精製物あるいは、フィトステロールの混合物が市販されており、本発明の実施に当たっては、このような市販されているものを使用することができる。
本発明に用いるオレアノール酸は、ブルームと呼ばれるぶどう果皮の表面やオリーブ葉の表面に見られる白い粉として一般に知られている物質であり、病原菌に感染するのを予防し、同時に鮮度を保つ働きがあるワックス的な成分の主成分である。オレアノール酸には、抗ガン作用、抗炎症作用、抗酸化作用、抗高脂血症効果などの生理活性を有することが知られている。
オレアノール酸は、トリテルペン化合物として虫歯予防やアンチエイジングなどの機能を利用し、健康食品などの用途に用いられている。
オレアノール酸は、次の化学式2で示す構造式で示すことができる。
オレアノール酸は、ぶどう果皮やオリーブ葉から抽出することができる。特開2013−91604号公報には、低級アルコールを用いて、トリテルペン化合物であるマスリン酸とオレアノール酸の混合物を抽出する方法が開示されている。本発明においては、このような抽出物を用いても良い。また化粧品原料として市販されているオレアノール酸を用いても良い。
本発明のアルギナーゼ1産生促進剤に係る発明には、スチグマステロール及び/又はオレアノール酸のほかに、薬学的に許容される担体を配合することができる。薬学的に許容される担体としては、例えば油性成分、滑沢剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤などが挙げられる。また、甘味剤、酸味剤、香味剤、着色剤、色素等の添加物を適宜、適量含有してもよい。
油性成分としては、各種脂肪酸エステル、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール等が例示される。滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、フマル酸ステアリルナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール(マクロゴール)、タルク等が例示できる。
結合剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ゼラチン、デンプン、デキストリン、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、トラガント、精製ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、エチルセルロース、プルラン、ポリエチレングリコール(マクロゴール)等が例示できる。
崩壊剤としては、カルボキシメチルセルロースカルシウム(カルメロースカルシウム)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(クロスカルメロースナトリウム)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルスターチナトリウム、架橋型カルボキシメチルセルロースナトリウム(クロスカルメロースナトリウム)、粉末セルロース、セルロースまたはその誘導体、架橋型ポリビニルピロリドン(クロスポピドン)、デンプン、カルボキシメチルスターチ、ヒドロキシプロピルスターチ、寒天等が例示できる。
賦形剤としては、結晶セルロース、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム等の多糖類、α化デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、コーンスターチ、ポテトスターチ等のスターチ及びその誘導体、ショ糖、グルコース、キシリトール、エリスリトール、ソルビトール、ラクチトール、トレハロース、パラチノース、パラチニット(還元パラチノース)、マンニトール、マルチトール、ラクチトール、乳糖、果糖、粉末還元麦芽糖水飴等の糖類および糖アルコール類、粉末セルロース、部分α化デンプン、エチルセルロース等のセルロース及びその誘導体、軽質無水ケイ酸、酸化チタン、水酸化アルミニウムゲル、合成ケイ酸アルミニウム、三ケイ酸アルミニウム、二酸化ケイ素、カオリン、カカオ脂、クエン酸またはその塩、ステアリン酸またはその塩、リン酸水素カルシウム、リン酸水素ナトリウムなどが例示できる。
甘味料としては、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、サッカリンナトリウム、スクラロース、ステビア、ソーマチン等が例示される。酸味料としては、クエン酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸等が例示される。香味剤としては、メントール、カンフル、ボルネオール、リモネン等のモノテルペン類、各種香料等が例示できる。
本発明のアルギナーゼ1産生促進剤に係る各種製剤の剤型は、特に限定されるものではなく、投与形態に応じて適宜選択され得る。経口投与の場合、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、細粒剤、シロップ剤、徐放性錠、タブレット、咀嚼錠剤またはドロップ剤等が挙げられる。
本発明のアルギナーゼ1産生促進剤は、また外用剤として用いる場合も、その適用部位によって油性成分や保湿成分などを適宜配合することができる。
皮膚外用剤に用いる場合、その剤型は、特に限定されるものではない。製剤としては、例えば、クリーム、乳液、オイル、ローション、パック、水性ゲル、オイルゲル及び軟膏などが挙げられる。経皮吸収性の点からクリーム、乳液、オイルなどがより好ましい剤型といえる。これらの皮膚外用剤は、上記トリテルペノイド化合物が剤型に応じて適宜選択され配合される以外は、通常の皮膚外用剤と同様の方法で製造することができる。
また、皮膚外用剤には、スチグマステロール及び/又はオレアノール酸以外に通常、皮膚外用剤に適用される、流動パラフィン、ワセリン、スクワラン等の炭化水素類、ミリスチン酸イソプロピル(IPM)や合成ゲイロウ、ホホバ油、カルナウバワックス等のエステル類、オリーブ油、牛脂等の動植物油脂、セタノール、ステアリルアルコール等の高級アルコール類、ステアリン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸類、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキルスルホコハク酸エステル等のアニオン界面活性剤、4級アルキルアミン塩等のカチオン界面活性剤、脂肪酸モノグリセライド、ポオキシエチレン硬化ヒマシ油等のノニオン界面活性剤、アルキルベタイン等の両性界面活性剤等の界面活性剤類、グリセリンやプロピレングリコール等の多価アルコール類、エタノール、プロパノール等の低級アルコール類、パラベン類やグルコン酸クロルヘキシジン等の防腐剤類、パラアミノ安息香酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体等の紫外線吸収剤、ビタミンEやブチルヒドロキシトルエン等の酸化防止剤、アラビアゴム、カルボキシビニルポリマー等の増粘剤、ポリエチレングリコール等の保湿剤、クエン酸塩、酢酸塩等のpH調整剤、酸化チタン、シリカゲル、タルク等の粉体類、香料、色素等、ヒアルロン酸、胎盤抽出物、朝鮮人参エキス、ビタミン類、ステロール配糖体等の各種目的に応じた薬効成分などを適宜選択配合することができる。
本発明の酵素活性化剤は、尿素回路を活性化することができるので、尿素回路活性化剤としても利用できる。なお、本発明において尿素回路が活性化されるとは、尿素回路の個々の酵素の発現が増加すること、生体における尿素回路を構成する個々の酵素作用の程度が通常よりも増加し、代謝全体が促進されること、などを意味する。
本発明のアルギナーゼ1活性化剤促進剤は、アルギナーゼ1酵素を活性化することにより、アンモニアの代謝(解毒)を促進するので、高アンモニア血症の症状を改善(症状緩和)するための、高アンモニア血症改善剤としても有用である。
本発明のアルギナーゼ1活性化促進剤を経口剤として投与する場合は、スチグマステロール及び/又はオレアノール酸の配合濃度や、剤型、投与対象者の年齢、体重、性別、運動前に服用する場合には運動の負荷などの条件により適宜定めることができる。例えば剤型がタブレットの場合、水等と一緒に服用することが好ましい。投与間隔は適宜定めることができ、例えば、食事の前、食事の後、食間、運動の前、運動の後のいずれであってもよい。
本発明のアルギナーゼ1活性促進剤の経口投与量は、1日あたりのヒトのスチグマステロール及び/又はオレアノール酸摂取量として、通常1mg〜5,000mg/日であり、好ましくは50mg〜1,000mg/日であり、更に好ましくは100mg〜500mg/日である。
本発明のアルギナーゼ1活性化促進剤を外用剤として投与する場合は、スチグマステロール及び/又はオレアノール酸の配合濃度や、剤型、投与対象者の年齢、体重、性別、適用部位などの条件により適宜定めることができる。例えば外用剤がクリームの場合、1日1〜3回、皮膚に塗布する。
本発明のアルギナーゼ1活性促進剤を外用剤として投与する場合、外用剤中に0.01〜100μg/ml濃度になるように配合する。好ましくは0.05〜50μg/ml、特に好ましくは0.1〜10μg/mlである。
以下、具体的な実施例について説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
<試験1:スチグマステロールとオレアノール酸のアルギナーゼ活性化効果試験>
1.試験方法
ヒトケラチノサイトを2.0×104cells/cm2でφ35mm dishに播種し、EpiLife(Life Technologies社製)にHumedia KG増殖添加剤セット(倉敷紡績株式会社製)を添加した培地で3日間培養した。下記表1に示す試験濃度のサンプルの入った培地に交換し、4日間培養した。細胞をPBS(-)で洗浄後、200μlの25mM Tris-HCl pH7.5にホモジネートした。本細胞懸濁液50μlを50℃で10分間 インキュベーション後、40μlの 0.1Mアルギニン水溶液を添加し、37℃で3時間 インキュベーションした。10μlの60%過塩素酸を添加した後、10000gで10分間遠心して得た上清の尿素量をQuantiChrom Urea Assay Kit (Bio assay Systems社製)を用いて、同封の操作法に従い測定した。別に、懸濁液中の蛋白質量をプロテインアッセイキット(Bio-Rad社製)で測定した結果を用いて、単位細胞蛋白質あたりのUrea量を算出し、細胞内アルギナーゼ活性量として換算した。
試験サンプル無添加を100%とし、試験サンプル添加時の細胞内アルギナーゼ活性を算出した。
2.結果
測定結果を下記表1及び図1に示す。
表1、図1に示すとおり、スチグマステロール、オレアノール酸ともに、ヒト皮膚由来のケラチノサイトのアルギナーゼ活性を増加させることが確認できた。
<試験2:3次元ヒト表皮モデルを用いたヒトスチグマステロールとオレアノール酸のアルギナーゼ産生促進効果試験>
1.試験方法
ヒト正常表皮角化細胞とメラニン細胞から構築された3次元ヒト表皮モデルであるMelanoderm(MatTek社製)(ブラック系ドナータイプ)を搬入24時間以内に開封し、定法に従いEPI-100LLMM維持培地(MatTek社製)で培養を開始した。24時間後に評価サンプルをDPBS(-)で調製し、皮膚モデルカップ上に100μlずつ投与した。48時間ごとに培地とサンプルを交換した。
サンプル投与開始から8日間培養し、培養終了後、組織をCell Lysis Bufferに溶解し、本組織溶解液中のアルギナーゼ1量を「Arginase I, Human, ELISA kit」(Hycult Biotech社製)を用いて測定した。
さらに、本組織懸濁液中の蛋白質量を測定し、単位蛋白質あたりのアルギナーゼ1量を算出した。
サンプル無添加の組織中のアルギナーゼ1産生量を100%とし、試験サンプル添加時のアルギナーゼ1産生率を算出した。
2.結果
測定結果を下記表2、図2に示す。
表2、図2に示すとおり、スチグマステロール、オレアノール酸ともに、3次元ヒト表皮モデル組織内のアルギナーゼ1量の増加が確認できた。
以上の2つの試験から、スチグマステロールとオレアノール酸は細胞中のアルギナーゼ1の活性を増加し、さらに3次元ヒト表皮モデルの試験から表皮組織内のアルギナーゼ1産生を促進することが明らかとなった。
また組織中のアルギナーゼ1産生量が増加することから、尿素サイクルが活性化され、アンモニアの解毒効果が高まることが予想された。さらにヒフ組織中の尿素量が高まることが予想された。したがってヒフの柔軟化や保水性に貢献することが予想された。
<試験3:スチグマステロールの美白作用試験>
上記の試験の過程で、メラノサイトの色素が薄くなる現象が観察されたため、美白効果を確認する試験を行った。
1.試験方法
ヒト正常表皮角化細胞とメラニン細胞から構築された3次元ヒト表皮モデルであるMelanoderm(MatTek社製)(ブラック系ドナータイプ)を搬入24時間以内に開封し、定法に従いEPI-100LLMM維持培地(MatTek社製)で培養を開始した。24時間後に評価サンプルをDPBS(-)で調製し、皮膚モデルカップ上に100μlずつ投与した。なお評価サンプルとしてスチグマステロールを選択した。また陽性対照としてメラニン産生抑制効果が知られているコウジ酸を選定した。48時間ごとに培地とサンプルを交換した。
サンプル投与開始から8日間培養した。培養終了後、組織を3.5mmのバイオプシーパンチで切り出し、この2切片を150μlの1N 水酸化ナトリウム水溶液に入れ、100℃で1時間加熱溶解し、475nmの波長の吸光度を測定してメラニン量を測定した。そして、単位蛋白質あたりのメラニン量を算出した。試験サンプル無添加の場合のメラニン量を100%とし、サンプル添加時のメラニン産生率を算出した。
2.結果
試験結果を下記の表3、図3に示す。
2.結果
表3、図3に示すとおり、スチグマステロールは、美白成分として公知のコウジ酸の70分の1以下の濃度でヒフ組織の、メラニン産生を抑制することから、美白剤としても有用であることが確認できた。

Claims (6)

  1. スチグマステロール及び/又はオレアノール酸を有効成分とするアルギナーゼ1の産生促進剤。
  2. スチグマステロール及び/又はオレアノール酸を有効成分とする尿素回路活性化剤。
  3. スチグマステロール及び/又はオレアノール酸を有効成分とする高アンモニア血症改善剤。
  4. スチグマステロール及び/又はオレアノール酸を有効成分とする皮膚組織のアルギナーゼ1の産生促進剤。
  5. スチグマステロール及び/又はオレアノール酸を有効成分とする皮膚の柔軟化剤。
  6. スチグマステロールを有効成分とする皮膚のメラニン産生抑制剤。
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