JP2012223100A - アルギナーゼi、カルバモイルリン酸シンセターゼi及びアルギニノコハク酸シンセターゼiの活性化剤 - Google Patents

アルギナーゼi、カルバモイルリン酸シンセターゼi及びアルギニノコハク酸シンセターゼiの活性化剤 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、尿素回路にかかわる酵素に対し顕著な活性化効果を示し、尿素回路の活性化作用および高アンモニア血症の抑制作用を有し、かつ、安全性や実用性においても問題の無い有効成分を提供することにある。
【解決手段】本発明は以下の発明を提供する:ラクトフェリンを有効成分とする、アルギナーゼI、カルバモイルリン酸シンセターゼI及びアルギニノコハク酸シンセターゼIからなる群より選ばれる1又は2以上の酵素の活性化剤、尿素回路活性化剤及び高アンモニア血症改善剤;ラクトフェリンを食品又は飼料に添加して、食品又は飼料にアルギナーゼ活性化効果、尿素回路活性化効果、及び高アンモニア血症改善効果から選ばれる1又は2以上の効果を付与する方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、アルギナーゼI、カルバモイルリン酸シンセターゼI及びアルギニノコハク酸シンセターゼIからなる群より選ばれる1又は2以上の酵素の活性化剤に関する。
運動後などに増加する血中アンモニアは、蛋白質の代謝過程でアミノ酸から脱アミノ化されて生じ、肝臓で尿素合成に利用されるが、血中アンモニアの大部分は消化管(小腸粘膜と大腸内の細菌)由来とされる。アンモニアの解毒は肝細胞での尿素回路に依存し尿素は腎臓より尿中に排泄される。従って、肝臓機能の低下による尿素サイクルの活性の低下、腸内におけるアンモニアの生産の増加及び門脈副血行枝による門脈血の大循環系への流入などの場合には、血中アンモニア濃度が高い値となるといわれている。従って、先天性尿素サイクル酵素欠損症及び肝機能異常の人たちは、高アンモニア血症になるものが多い。
尿素回路は肝臓で主に機能し、アンモニアを尿素に変換する解毒機能を果たしている。本機能が低下すると様々な肝臓疾患を生じ、高アンモニア血症など重篤な症状を引き起こすことが知られている。高アンモニア血症の患者では、嘔気、嘔吐、意識障害、嗜眠、痙攣、呼吸障害などの症状が出現し、血中アンモニアが400−500μg/dl(正常参考値:40−85μg/dl)を超えると生命の危険が見られる。
体内で生成されたアンモニアは、血中を移動し、肝臓において尿素回路に入り、カルバモイルリン酸を経て、シトルリンに変換され、最終的にアルギニンから尿素が生成され解毒される。尿素回路の酵素の一つであるアルギナーゼは、アルギニンからオルニチンを生成する反応を制御する酵素であるが、その反応過程で尿素を生成することから、アルギニンは解毒作用にとって重要な役割を担っていると言える。
アルギナーゼの活性化作用を有する物質としてエキナセア抽出物が知られている(非特許文献1)。また、運動時にオルニチンを外部より供給すると、血中アンモニア濃度を低下させることができることが知られている。さらに、高アンモニア血症の治療は、その原因である肝機能の改善や、小腸内でのアンモニアの生成及び吸収の抑制(例えばラクツロースの投与による)を図ることで行われていた。しかし、ラクツロースは糖であるため糖尿病患者に適応できないこと、難消化性オリゴ糖であるため体質によっては下痢になること、等の、実用面で課題があった。オルニチンは運動時に有効とされているに過ぎない。肝機能の改善には、長期間を要するといった問題があった。これらの理由から、高アンモニア血症の症状緩和機能を持つ成分の開発が望まれていた。
また、尿素回路には、カルバモイルリン酸シンセターゼIおよびアルギニノコハク酸シンセターゼIがかかわっている。これらの酵素は、グルカゴンにより活性化されること、グルカゴンとデキサメタゾンとの組み合わせにより、更に活性化されることが知られている(非特許文献2)。しかしながら、グルカゴンおよびデキサメタゾンは、日常的に使用するには費用的にも安全性の面からも問題があった。
一方、ラクトフェリンの肝細胞に対する効果としては、四塩化炭素やD−ガラクトサミン、D−ガラクトサミン(D−GalNAc)/リポ多糖(LPS)により誘発される肝炎への作用が報告されているものの、その作用は実用性には程遠いものであり、また実験動物での知見に過ぎなかった(非特許文献3及び4参照)。
J Ethnopharmacol.2009.122(1):76−85 J Biol Chem.1982 May 10;257(9):5061−7.Induction of urea cycle enzymes by glucagon and dexamethasone in monolayer cultures of adult rat hepatocytes.Lin RC, Snodgrass PJ,Rabier D. A.Ishikado et al.Biol.Pharm.Bull.28(9)1717−1721(2005) A.Sugiyama et al.J.Vet.Med.Sci.72(2)173−180(2010)
上記したように、尿素回路にかかわる酵素に作用することが従来知られている物質は、いずれも、実用性に劣り、また、尿素回路の活性化作用、アンモニア血症の症状緩和作用は不十分であった。また、ラクトフェリンについては、特定の肝疾患への作用は知られていたが、その作用はごく弱いものであり、尿素回路やアンモニア血症への作用は知られていなかった。
本発明の目的は、尿素回路にかかわる酵素に対し顕著な活性化効果を示し、尿素回路の活性化作用および高アンモニア血症の抑制作用を有し、かつ、安全性や実用性においても問題の無い有効成分を提供することにある。
本発明は、以下の発明を提供する。
〔1〕ラクトフェリンを有効成分とする、アルギナーゼI、カルバモイルリン酸シンセターゼI及びアルギニノコハク酸シンセターゼIからなる群より選ばれる1又は2以上の酵素の活性化剤。
〔2〕ラクトフェリンを有効成分とする尿素回路活性化剤。
〔3〕ラクトフェリンを有効成分とする高アンモニア血症改善剤。
〔4〕ラクトフェリンを食品又は飼料に添加して、食品又は飼料にアルギナーゼ活性化効果、尿素回路活性化効果、及び高アンモニア血症改善効果から選ばれる1又は2以上の効果を付与する方法。
本発明によれば、アルギナーゼI、カルバモイルリン酸シンセターゼI及びアルギニノコハク酸シンセターゼIからなる群より選ばれる1又は2以上の酵素の活性化が図られ、尿素回路の活性化、ひいてはアンモニア代謝の促進が図られるので、本発明は、高アンモニア血症の抑制(症状の緩和)に有用である。また、ラクトフェリンは食品や母乳の成分として、従来より食品として利用されてきた物質である。よって、本発明の酵素活性化剤、尿素回路活性化剤、血中アンモニア症抑制剤は、日常的に摂取しても生体への安全性の面で問題がない。
本発明のアルギナーゼI、カルバモイルリン酸シンセターゼI及びアルギニノコハク酸シンセターゼIからなる群より選ばれる1又は2以上の酵素の活性化剤は、ラクトフェリンを有効成分とする。以下、「ラクトフェリンを有効成分とするアルギナーゼI、カルバモイルリン酸シンセターゼI及びアルギニノコハク酸シンセターゼIからなる群より選ばれる1又は2以上の酵素の活性化剤」を「酵素活性化剤」と略記する場合がある。
ラクトフェリンとしては、市販のラクトフェリン;哺乳類(例えば人、牛、羊、山羊、馬等)の初乳、移行乳、常乳、末期乳等又はこれらの乳の処理物である脱脂乳、ホエー等から、常法(例えば、イオン交換クロマトグラフィー)により分離したラクトフェリン;植物(トマト、イネ、タバコ)から生産されたラクトフェリン;遺伝子組み換えによって得られたラクトフェリン;が例示される。これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。ラクトフェリンは、市販品を使用してもよいし、公知の方法により調製して使用することができる。
ラクトフェリンは上記具体例のものを1種単独で用いてもよいし、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。なお、ラクトフェリンとしては、牛由来のラクトフェリンが好ましい。
本発明の酵素活性化剤におけるラクトフェリンの配合量は、通常は0.03mg/mL以上である。
本発明の酵素活性化剤は、アルギナーゼI、カルバモイルリン酸シンセターゼI及びアルギニノコハク酸シンセターゼIからなる群より選ばれる1又は2以上の酵素を活性化する。本発明の酵素活性化剤は、アルギナーゼI活性化剤、カルバモイルリン酸シンセターゼI活性化剤及びアルギニノコハク酸シンセターゼI活性化剤と言い換えることができる。
アルギナーゼI(Arginase I、ARG1)は肝細胞のサイトゾルに存在する。アルギナーゼは、尿素回路においてアルギニンを尿素とオルニチンに変換する反応を促進する、いわば律速酵素と言える。カルバモイルリン酸シンセターゼ I(Carbamoylphosphate synthetase I、CPS1)は、肝細胞のミトコンドリアに存在し、アンモニアからカルバモイルリン酸を合成して尿素回路に供給する。アルギニノコハク酸シンセターゼ I(Argininosuccinate synthetase I、ASS1)は、肝細胞のサイトゾルに存在し、シトルリンとアスパラギン酸からアルギニノコハク酸を合成して尿素回路に供給する。
本発明において酵素を活性化する、とは、例えば、酵素の蛋白質としての発現が増加すること、生体における酵素の酵素作用の程度が通常よりも増加すること、などを意味する。
本発明の酵素活性化剤が、アルギナーゼI、カルバモイルリン酸シンセターゼI及びアルギニノコハク酸シンセターゼIからなる群より選ばれる1又は2以上の酵素を活性化することの確認は、例えば、実施例のようにして行うことができる。すなわち、ラット腸間膜組織から調製した前駆脂肪細胞に対して、ラクトフェリンを添加した、或いは添加しない内臓脂肪分化メディウム(例えばプライマリーセル社の製品など)を添加して培養する。その後、細胞からRNAを抽出してGeneChip解析を行う。GeneChip解析は、GeneChipデータ解析システムGCOS(GeneChip Operating Software)などのソフトを用いてラクトフェリン添加と無添加のサンプルのComparison Analysisを行い、アルギナーゼの遺伝子の増減判定を確認して行うことができる。また、ヒトまたはヒト以外の哺乳動物に実際にサンプルを投与して、サンプル投与前後の、肝細胞におけるアルギナーゼの発現量の変化、オルニチンの合成量の変化、などを確認してもよい。
本発明の酵素活性化剤の対象は特には限定されない。ヒトまたはヒト以外の脊椎動物に対し有用である。また対象であるヒトまたはヒト以外の脊椎動物の健康状態についても特に問わない。後述するように、本発明の酵素活性化剤を、高アンモニア血症改善剤として用いる場合には、高アンモニア血症の患者であることが望ましい。また、従来の高アンモニア血症の症状緩和剤であるラクツロースの場合とは異なり、糖尿病に罹患していても、また、胃腸の弱い体質を有するヒトであっても、対象者となり得る。
本発明の酵素活性化剤は、ラクトフェリンのほかに、薬学的に許容される担体が配合され得る。薬学的に許容される担体としては、例えば油性成分、滑沢剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤などが挙げられる。また、甘味剤、酸味剤、香味剤、着色剤、色素等の添加物を適宜、適量含有してもよい。
油性成分としては、各種脂肪酸エステル、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール等が例示される。滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、フマル酸ステアリルナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール(マクロゴール)、タルク等が例示される。
結合剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ゼラチン、デンプン、デキストリン、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、トラガント、精製ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、エチルセルロース、プルラン、ポリエチレングリコール(マクロゴール)等が例示される。
崩壊剤としては、カルボキシメチルセルロースカルシウム(カルメロースカルシウム)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(クロスカルメロースナトリウム)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルスターチナトリウム、架橋型カルボキシメチルセルロースナトリウム(クロスカルメロースナトリウム)、粉末セルロース、セルロースまたはその誘導体、架橋型ポリビニルピロリドン(クロスポピドン)、デンプン、カルボキシメチルスターチ、ヒドロキシプロピルスターチ、寒天等が例示される。
賦形剤としては、下記のものが例示される:
結晶セルロース、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム等の多糖類;
α化デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、コーンスターチ、ポテトスターチ等のスターチ及びその誘導体;
ショ糖、グルコース、キシリトール、エリスリトール、ソルビトール、ラクチトール、トレハロース、パラチノース、パラチニット(還元パラチノース)、マンニトール、マルチトール、ラクチトール、乳糖、果糖、粉末還元麦芽糖水飴等の糖類および糖アルコール類;
粉末セルロース、部分α化デンプン、エチルセルロース等のセルロース及びその誘導体;
軽質無水ケイ酸、酸化チタン、水酸化アルミニウムゲル、合成ケイ酸アルミニウム、三ケイ酸アルミニウム、二酸化ケイ素、カオリン、カカオ脂、クエン酸またはその塩、ステアリン酸またはその塩、リン酸水素カルシウム、リン酸水素ナトリウム。
甘味料としては、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、サッカリンナトリウム、スクラロース、ステビア、ソーマチン等が例示される。酸味料としては、クエン酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸等が例示される。香味剤としては、メントール、カンフル、ボルネオール、リモネン等のモノテルペン類、各種香料等が例示される。
本発明の酵素活性化剤の剤型は、特に限定されるものではなく、投与形態に応じて適宜選択され得る。経口投与の場合、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、細粒剤、シロップ剤、徐放性錠、タブレット、咀嚼錠剤またはドロップ剤等が挙げられる。
酵素活性化剤の製造方法は、特に限定されるものではなく、剤型に合わせて適宜選択され得る。例えば剤型がタブレットの場合、ラクトフェリンおよび必要に応じて配合され得る任意の成分を混合した後この混合物を圧縮成形してタブレットを得る方法、さらに上記のように圧縮成形後に得られるタブレットを腸溶性成分によりコーティングする方法(腸溶剤とする方法)、が挙げられ、後者の方法が好ましい。腸溶性成分としては、シェラック、ヒドロキシメチルセルロースフタレート、カルボキシメチルセルロース、アミノアルキルメタアクリレートコポリマー、ビール酵母細胞壁(例えば、商品名イーストラップなど)、タピオカデンプン、ゼラチン、ペクチン等が挙げられ、中でもシェラックが好ましい。なお、腸溶剤であるか否かは、第14改正日本薬局方 崩壊試験法により確認可能である。
そして、本発明の酵素活性化剤は、尿素回路を活性化することができるので、尿素回路活性化剤としても利用が期待される。なお、本発明において尿素回路が活性化されるとは、尿素回路の個々の酵素の発現が増加すること、生体における尿素回路を構成する個々の酵素作用の程度が通常よりも増加すること、などを意味する。
さらに、本発明の酵素活性化剤は、アルギナーゼI、カルバモイルリン酸シンセターゼI及びアルギニノコハク酸シンセターゼIからなる群より選ばれる1又は2以上の酵素を活性化することにより、アンモニアの代謝(分解)を促進するので、高アンモニア血症の症状を効率的に改善(症状緩和)するための、高アンモニア血症改善剤としても有用である。なお、本発明において高アンモニア血症が改善されるとは、高アンモニア血症の患者が使用した場合に、使用前と比較して血中アンモニア濃度が下がり、好ましくは、健常人の血中アンモニア濃度と同程度まで下がることを意味する。
酵素活性化剤の投与方法は、ラクトフェリンの配合濃度や、剤型、投与対象者の年齢、体重、性別、運動前に服用する場合には運動の負荷などの条件により適宜定めることができる。例えば剤型がタブレットの場合、水等と一緒に服用することが好ましい。投与間隔は適宜定めることができ、例えば、食事の前、食事の後、食間、運動の前、運動の後のいずれであってもよい。
本発明の酵素活性化剤の投与量は、1日あたりのヒトのラクトフェリン摂取量として、通常5mg〜5,000mg/dayであり、望ましくは50mg〜1,000mg/dayであり、更に望ましくは100mg〜500mg/dayである。この範囲であることにより、アルギナーゼ活性化作用を発揮することができ、また、該組成物のコスト、安全性等の面でも問題がない。
なお、本発明の酵素活性化剤の投与の他に、アルギナーゼI、カルバモイルリン酸シンセターゼI及びアルギニノコハク酸シンセターゼIからなる群より選ばれる1又は2以上の酵素に対する他の活性化剤又は組成物の投与、他の尿素回路活性化剤又は組成物の投与、他の高アンモニア血症改善剤又は組成物の投与を組み合わせてもよい。或いは、本発明の酵素活性化剤として、ラクトフェリン以外のアルギナーゼI、カルバモイルリン酸シンセターゼI及びアルギニノコハク酸シンセターゼIからなる群より選ばれる1又は2以上の酵素に対するアルギナーゼ活性化効果を有する成分を含めた形の組成物としてもよい。
ヒトまたはヒト以外の脊椎動物に対して酵素活性化剤を与えることにより、アルギナーゼが活性化され、尿素回路の活性化、ひいては高アンモニア血症の症状の改善を図ることができる。よって本発明の酵素活性化剤は医薬、医薬部外品、食品、飼料としても有用である。
食品は、通常は加工食品であり、いわゆる健康食品が含まれるほか、機能性食品、保健機能食品、特定保健用食品、栄養機能食品、栄養補助食品が含まれる。
ここで、酵素活性化剤を含む食品の摂取時期は、特には限定されない。例えば、食事の前後に摂取することもできるし、運動の前後に摂取することもできる。
食品とする場合には、本発明の効果の表示を付しておくことが好ましい。本発明の効果の表示としては、例えば、アルギナーゼI、カルバモイルリン酸シンセターゼI及びアルギニノコハク酸シンセターゼIからなる群より選ばれる1又は2以上の酵素を活性化するために用いられるものである旨の表示、尿素回路を活性化するために用いられるものである旨の表示、高アンモニア血症を改善するために用いられるものである旨の表示、が挙げられる。
このように、本発明の酵素活性化剤は、食品としてヒトに投与し、摂取させることによって、体内の脂肪の分解を促進する。従って、本発明の食品は、肥満防止用の各種食品として有用である。
また、本発明の酵素活性化剤は、ヒト以外の脊椎動物(例えばペット)に投与しても体内の脂肪の分解を促進する効果が期待できるので、飼料としても有用である。
さらに、本発明においては、通常の食品又は飼料にラクトフェリンを添加することにより、その食品や飼料に、アルギナーゼI、カルバモイルリン酸シンセターゼI及びアルギニノコハク酸シンセターゼIからなる群より選ばれる1又は2以上の酵素に対する活性化効果、尿素回路活性化効果、及び高アンモニア血症改善効果の群から選ばれる1又は2以上の効果を食品又は飼料に付与することができる。
実施例1
SDラット(雄性12週齢)から腸間膜脂肪組織を摘出し、前駆脂肪細胞を調製した。これを内臓脂肪分化メディウム(プライマリーセル社)に懸濁し、細胞培養用24ウェルプレートに播種した。細胞の播種量は、1×107個/24ウェルプレートとした。培養開始時に、各プレートに、ウシラクトフェリン(和光純薬工業)を0.3mg/mL添加した。培養期間中2日に1度培地交換を行った。なお、上記のようにラクトフェリンを添加した群(LF添加群)に対し、対照として、ラクトフェリンを添加しなかったほかは同様に培養を行った(無添加群)。
ラクトフェリン添加4時間後(培養開始4時間後)の細胞を回収し、細胞からRNeasy Mini Kit(QIAGEN社)を用いてTotal RNAを抽出・精製し、Affymetrix社のプロトコルに従ってGeneChip工程およびArrayのスキャンを実施した。ChipはRat Expression Array 230 2.0を用いた。また、スキャンの際はGeneChip3000Scannerを用いて画像データを取得した。
GeneChipデータ解析システムGCOS(GeneChip Operating Software)を用いて、取得した各サンプルのArray画像データを確認した。また、GeneChipデータ解析ソフトウェアExpression Consoleを用いて遺伝子発現量(Signal)を数値として抽出した。さらに、GCOSを用いて、LF添加群と無添加群とでComparison Analysisを実施し、変動倍率(Signal Log Ratio=log2(LF添加群のシグナル/無添加群のシグナル))を算出し、発現変化の指標とした。表1に培養4時間後の遺伝子発現変化の結果をまとめた。
Figure 2012223100
尿素回路の律速酵素であるCPS1の発現が増加し、アンモニアの尿素への最終的な解毒段階であるARG1の遺伝子発現が増強した。その途中経路である3つの酵素において、全て遺伝子発現の低下は認められず、ASS1に関しては発現増加が認められた。

Claims (4)

  1. ラクトフェリンを有効成分とする、アルギナーゼI、カルバモイルリン酸シンセターゼI及びアルギニノコハク酸シンセターゼIからなる群より選ばれる1又は2以上の酵素の活性化剤。
  2. ラクトフェリンを有効成分とする尿素回路活性化剤。
  3. ラクトフェリンを有効成分とする高アンモニア血症改善剤。
  4. ラクトフェリンを食品又は飼料に添加して、食品又は飼料にアルギナーゼI、カルバモイルリン酸シンセターゼI及びアルギニノコハク酸シンセターゼIからなる群より選ばれる1又は2以上の酵素の活性化効果、尿素回路活性化効果、及び高アンモニア血症改善効果から選ばれる1又は2以上の効果を付与する方法。
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JP2016060734A (ja) * 2014-09-22 2016-04-25 株式会社ファンケル アルギナーゼ1産生促進剤

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