JP5885902B2 - デヒドロアスコルビン酸レダクターゼ活性促進剤並びに該促進剤を含有する組成物 - Google Patents
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デヒドロアスコルビン酸の代謝として、一部はジケトグロン酸を経て分解経路をとるが、一部はアスコルビン酸よりも還元力が強いNADH、NADPH、グルタチオンにより非酵素的に、またはデヒドロアスコルビン酸レダクターゼにより酵素的に還元され、もとのアスコルビン酸へと戻る(非特許文献1)。 唯、デヒドロアスコルビン酸がアスコルビン酸として還元されるものは僅かであり、再生されるアスコルビン酸は元のアスコルビン酸含量を維持し得るものでなく、生理作用効果の増強を発揮できていない。
即ち、本発明は第一にノウゼンカズラ科タベブイア属(Tabebuia)植物の抽出液を有効成分とするデヒドロアスコルビン酸レダクターゼ活性促進剤を提供するものである。
本発明は第二にノウゼンカズラ科タベブイア属(Tabebuia)植物の抽出液を有効成分とする、デヒドロアスコルビン酸レダクターゼ活性促進剤を含有する組成物を提供するものである。
また、本発明のデヒドロアスコルビン酸レダクターゼ活性促進剤は、天然物由来であるが故に生体安全性にもすぐれている。
又、それらタベブイア属植物のうちでも、抽出物のデヒドロアスコルビン酸レダクターゼ活性促進作用の観点からタベブイアインペティギノーサの使用、特に内部樹皮の使用が最も好ましい。
タベブイアインペティギノーサはブラジルにおいてパウダルコ、イペ、イペロッショ、ラパッチョ、タヒボなどと呼ばれ、同義語としては、タベブイアアヴェラネダエ[T.avellanedae]、タベブイアイペ[T.ipe]などがある。
又、本発明のデヒドロアスコルビン酸レダクターゼ活性促進剤の有効性や特長を損なわない限り、他の生理活性成分を併せ配合することもできる。
タベブイアインペティギノーサの内部樹皮の細切物100gに精製水1000gを混合し、4℃で24時間抽出を行った後ろ過し、淡褐色透明の抽出物溶液650gを得た(固形分濃度1.2%)。これを精製水で6倍に希釈して淡黄色透明のデヒドロアスコルビン酸レダクターゼ活性促進剤とした。
タベブイアインペティギノーサの内部樹皮の細切物100gに精製水とエタノールの9:1(重量比)混液900gを混合し、40℃で3時間抽出を行った後ろ過し、淡褐色透明のデヒドロアスコルビン酸レダクターゼ活性促進剤720gを得た(固形分濃度1.9%)。
タベブイアインペティギノーサの内部樹皮の細切物100gに精製水と1,3−ブチレングリコールの8:2(重量比)混液900gを混合し、80℃で6時間抽出を行った後ろ過し、淡褐色透明のデヒドロアスコルビン酸レダクターゼ活性促進剤460gを得た(固形分濃度2.0%)。
タベブイアインペティギノーサに代えて、タベブイアロセアの樹皮を用いるほかは実施例1と同様にして、淡黄色透明のタベブイアロセア樹皮の抽出物溶液500gを得た(固形分濃度2.3%)。これを10倍の精製水で希釈して淡黄色透明のデヒドロアスコルビン酸レダクターゼ活性促進剤とした。
タベブイアインペティギノーサの樹皮に代えて、葉を用いるほかは実施例1と同様にして、淡黄色透明のデヒドロアスコルビン酸レダクターゼ活性促進剤520gを得た(固形分濃度1.0%)。
実施例1と同様にして調製したタベブイアインペティギノーサ抽出物溶液500gを凍結乾燥した後粉砕し、黄褐色の粉末状デヒドロアスコルビン酸レダクターゼ活性促進剤5.9gを得た。
実施例1で得られた抽出物溶液を精製水で6倍に希釈したデヒドロアスコルビン酸レダクターゼ活性促進剤について、ヒトメラノサイトにおけるデヒドロアスコルビン酸レダクターゼ活性促進作用を調べた。
(イ)細胞の培養
ヒトメラノサイト(HMV−2:Lot.080725(3))を10%FBS含有HAM−F12培地に懸濁して6ウェルプレートに2×105個ずつ播種し、37℃で24時間培養した。実施例1の活性促進剤を5.0%の濃度(溶液として)となるように混和した培地をそれぞれウェルに添加し、さらに37℃で5日間インキュベートした。
また比較のため、実施例1の活性促進剤を含む培地に代えて、精製水を含む培地を添加したウェル(コントロール)と、0.5mMブチオニンスルフォキシイミンを含む培地を添加したウェル(ポジティブコントロール)を設け、同じく37℃で5日間インキュベートした。
インキュベート終了後、それぞれのウェルから培地を除き、トリプシン処理によって細胞を回収し、遠心分離を行って細胞のペレットを得た。上清を捨て、細胞ペレットに対して細胞溶解溶液(1%Triton−X100溶液)を添加し、ピペッティングすることによって細胞を溶解した。この溶液を各試料添加区のデヒドロアスコルビン酸レダクターゼ粗酵素液とした。
それぞれのデヒドロアスコルビン酸レダクターゼ粗酵素液のタンパク質量を、DCプロテインアッセイキット(BIO RAD社製)を用いて測定した。
デヒドロアスコルビン酸レダクターゼの活性測定は次のように行った。
マイクロチューブに基質液(2mMデヒドロアスコルビン酸、0.8mMβ−NADPHをトリス−塩酸緩衝液(pH7.5)に溶解したもの)と、各試料(実施例1の活性促進剤又はブチオニンスルフォキシイミン)添加区のデヒドロアスコルビン酸レダクターゼ粗酵素液を体積比1:1で混和し、37℃で10分間反応させた後、氷冷しておいた反応停止液(1mM EDTA・2Na含有メタノール液)を混和し、激しく攪拌した。そのまま氷冷5分間静置後、遠心分離(約10,000xg、10分間)し、上清をとり、そこに含まれるアスコルビン酸の量を、HPLC分析により求め、これを酵素反応区のアスコルビン酸量とした。各試料添加区のデヒドロアスコルビン酸レダクターゼ粗酵素液を、反応停止液を加えてから基質液と混和し、その後の操作は同様に行ったものをそれぞれの対照とした。
各酵素反応区のアスコルビン酸量から対照区のアスコルビン酸量を差し引き、さらにこれをデヒドロアスコルビン酸レダクターゼ粗酵素液のタンパク質量で割った値を、コントロール区について同様にして得られたアスコルビン酸量との相対値で表したものを各試料添加区のデヒドロアスコルビン酸レダクターゼ活性率とした。
HPLC分析条件
ガードカラム:ODS-80Ts(東ソー)3.2×15
カラム:ODS-80Ts(東ソー)4.6mm(ID)×15.0cm(L)
カラム温度:40℃
移動相:10mMテトラブチルアンモニウムヒドロキシド/10mM KH2PO4(pH6.0)/0.5% メタノール
注入量:20μL
検出:265nm
[試験方法]
年齢20〜50歳の成人男子5名を被験者とし、各々の上腕部内側をエタノールで拭って皮脂を除去し、該部位に、フィンチャンバーのアルミ板に実施例1の活性促進剤及び対照の日局親水ワセリンをそれぞれ0.2g宛塗布したものを貼付した。24時間後にフィンチャンバーを除去し、皮膚刺激の程度をつぎに述べる方法並びに基準により判定した。
[判定]
パッチ除去後1時間後、24時間後及び48時間後に、貼付部位の紅斑及び浮腫の状況を、以下の「ドレイズ法による皮膚刺激性判定基準」に基づき目視判定し、被験者5名の平均値を求めた。
(紅斑)
スコア 皮膚の状態
0 : 紅斑なし
1 : 極軽度の紅斑
2 : 明らかな紅斑
3 : 中程度から強い紅斑
4 : 深紅色の強い紅斑に軽い痂皮形成
(浮腫)
スコア 皮膚の状態
0 : 浮腫なし
1 : 極軽度の浮腫
2 : 明らかな浮腫(周囲と明らかに区別可能)
3 : 中程度の浮腫(1mm以上の盛り上がり)
4 : 強い浮腫(さらに周囲にも広がり)
B:本発明実施例1の活性促進剤
C:ポジティブコントロール
Claims (3)
- ノウゼンカズラ科タベブイア属(Tabebuia sp.)植物を、水、水と低級アルコールとの混合溶媒、または、水と多価アルコールとの混合溶媒のいずれかの抽出溶媒で抽出する工程を含む皮膚外用デヒドロアスコルビン酸レダクターゼ活性促進剤の製造方法。
- タベブイア属(Tabebuia sp.)の樹皮を、水、水と低級アルコールとの混合溶媒、または、水と多価アルコールとの混合溶媒のいずれかの抽出溶媒で抽出する工程を含む皮膚外用デヒドロアスコルビン酸レダクターゼ活性促進剤の製造方法。
- タベブイア属(Tabebuia sp.)植物がインペティギノーサ(Tabebuia Impetiginosa)である請求項1又は2に記載の皮膚外用デヒドロアスコルビン酸レダクターゼ活性促進剤の製造方法。
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