JP2006225268A - ラジカル消去作用を呈する抗酸化剤、それからなる食品製剤、化粧品製剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】 副作用が弱く、優れたラジカル消去作用を呈する抗酸化剤、食品製剤及び化粧品製剤を提供する。
【解決手段】 副作用が弱く、優れたラジカル消去作用を呈する抗酸化剤は、アスタキサンチン、ユビキノン、レシチン又はリパーゼから生成され、ポリフェノール構造を有するものである。ここで用いるアスタキサンチンは天然物由来が好ましく、ユビキノンは、コエンザイムQ0〜10までのうち、いずれかのものが選択される。また、リパーゼには、食品加工用に使用されるものが用いられる。さらに、副作用が弱く、優れた食品製剤、化粧品製剤は、ラジカル消去作用を呈する抗酸化剤、アスタキサンチン、ユビキノンを含有するものである。
【選択図】 なし
【解決手段】 副作用が弱く、優れたラジカル消去作用を呈する抗酸化剤は、アスタキサンチン、ユビキノン、レシチン又はリパーゼから生成され、ポリフェノール構造を有するものである。ここで用いるアスタキサンチンは天然物由来が好ましく、ユビキノンは、コエンザイムQ0〜10までのうち、いずれかのものが選択される。また、リパーゼには、食品加工用に使用されるものが用いられる。さらに、副作用が弱く、優れた食品製剤、化粧品製剤は、ラジカル消去作用を呈する抗酸化剤、アスタキサンチン、ユビキノンを含有するものである。
【選択図】 なし
Description
この発明は、ラジカル消去作用を呈する抗酸化剤に関するものである。また、アスタキサンチン、ユビキノン、レシチン、リパーゼから得られるラジカル消去作用を呈する抗酸化剤に関するものである。さらに、ラジカル消去作用を呈する抗酸化剤を含有する食品製剤、化粧品製剤に関するものである。
ビタミンCやビタミンEより優れた抗酸化作用を呈する物質を探索する目的で、海洋植物、藻類、微生物、動物生体からラジカル消去作用に基づく抗酸化作用を有する物質の探索が進められ、オキアミ、又はクリプトコッカスやヘマトコッカスなどの藻類からアスタキサンチンが分離され、また、培養酵母や心筋組織よりユビキノンが分離されている(例えば、非特許文献1参照。)。
それぞれの物質には特長があり、アスタキサンチンはビタミンEより50倍程度強い抗酸化作用を呈するものの、その分離に技術的な困難又は経済的な負担が多く、ユビキノンの一種であるコエンザイムQ10の製造には時間と労力を要し、産業上への利用が限定されている(例えば、非特許文献2参照。)。
さらに、ユビキノンは、心臓や筋肉のミトコンドリアで、電子伝達系の一因としてエネルギー産生に作用するものの、一方、その消費は激しく、生体内では酸化されやすいという欠点もあり、また、アスタキサンチンやプロシアニジンなどのポリフェノールは水溶性が低く、持続性が低いという欠点がある(例えば、非特許文献3参照。)。これらのポリフェノールを含む天然由来の抗酸化剤は、その作用が一過性であり、消失しやすく、組織蓄積性が低いという欠点もある(例えば、非特許文献4参照。)。したがって、生体への吸収が良く、安定性が高く、さらに、水溶性も高い、強い抗酸化作用を呈する抗酸化剤が望まれている。
抗酸化剤に関する発明としては、例えば、プロアントシアニジンと脂溶性の抗酸化剤とを含有する生体内抗酸化能の増強食品があり、脂溶性の抗酸化剤として、アスタキサンチン、ユビキノン、リグナン類、クルクミン、またはクルクミン誘導体を用いた組成物に関する報告がある(特許文献1参照)。また、ヘマトコッカス属(Haematococcus)に属する緑藻と粗黒糖抽出物とを含有してなることを特徴とする化粧料組成物の報告がある(特許文献2参照)。さらに、アスタキサンチンを多く含有する卵黄油とビタミンCとを配合したことを特徴とするアスタキサンチン含有食品が認められる(特許文献3参照)。
特開2005−21098
特開2004−331512
特開2000−189102
SimpsonKLら、Annu Rev Nutr、1981:1、351−374。
Lorenz RTら、Trend Biotechnol 2000:18、160−167。
Mortensen Aら、Arch Biochem Biophys 2001:385、13−19。
Scalbert Aら、Biofactors.2000:13、115−120。
従来、天然物由来のカテキン、プロシアニジン、ユビキノンやアスタキサンチンなどのポリフェノール類にはラジカル消去作用に起因した強い抗酸化作用が知られているものの、それらの吸収率は低く、かつ、排泄が早く、安定性に乏しく、製造にコストを要するという問題点がある。また、ポリフェノールには皮膚刺激性、着色、渋味や苦味があり、食品製剤や化粧品製剤への利用は、限定されている。
さらに、天然のユビキノンやアスタキサンチンは、持続性に乏しく、分解されやすく、取扱しにくく、産業上への利用を制限されるという問題点がある。化学合成された抗酸化剤には、副作用が報告され、利用者や消費者が敬遠されるという問題点がある。
この発明は上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、副作用が弱く、優れたラジカル消去作用を呈する抗酸化剤を提供することにある。
また、アスタキサンチン、ユビキノン、レシチン又はリパーゼを原料とした副作用が弱く、優れたラジカル消去作用を呈する抗酸化剤を提供することにある。
さらに、副作用が弱く、優れたラジカル消去作用を呈する抗酸化剤、アスタキサンチン、ユビキノンからなる食品製剤及び化粧品製剤を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、下記の式(1)で示されるポリフェノールから選択される少なくとも一種からなるラジカル消去作用を呈する抗酸化剤に関するものである。
請求項2に記載の発明は、アスタキサンチン1重量に対し、ユビキノン1〜10重量、レシチン10〜100重量を添加し、加温して得られる請求項1に記載の抗酸化剤に関するものである。
請求項3に記載の発明は、アスタキサンチン1重量に対し、ユビキノン1〜10重量、レシチン10〜100重量を添加し、600nm〜700nmのレーザー光を照射して得られる請求項1に記載の抗酸化剤に関するものである。
請求項4に記載の発明は、アスタキサンチン1重量に対し、ユビキノン1〜10重量、レシチン10〜100重量、リパーゼ0.001〜0.1重量を添加し、加温して得られる請求項1に記載の抗酸化剤に関するものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の抗酸化剤、アスタキサンチン、ユビキノンからなる食品製剤に関するものである。
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の抗酸化剤、アスタキサンチン、ユビキノンからなる化粧品製剤に関するものである。
この発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項1に記載のラジカル消去作用を呈する抗酸化剤によれば、副作用が弱く、優れた抗酸化作用が発揮される。
請求項1に記載のラジカル消去作用を呈する抗酸化剤によれば、副作用が弱く、優れた抗酸化作用が発揮される。
請求項2に記載のアスタキサンチン1重量に対し、ユビキノン1〜10重量、レシチン10〜100重量を添加し、加温して得られる抗酸化剤によれば、副作用が弱く、優れた抗酸化作用が発揮される。
請求項3に記載のアスタキサンチン1重量に対し、ユビキノン1〜10重量、レシチン10〜100重量を添加し、600nm〜700nmのレーザー光を照射して得られる請求項1に記載の抗酸化剤によれば、副作用が弱く、優れた抗酸化作用が発揮される。
請求項4に記載のアスタキサンチン1重量に対し、ユビキノン1〜10重量、レシチン10〜100重量、リパーゼ0.001〜0.1重量を添加し、加温して得られる抗酸化剤によれば、副作用が弱く、優れた抗酸化作用が発揮される。
請求項5に記載の抗酸化剤、アスタキサンチン、ユビキノンからなる食品製剤によれば、副作用が弱く、優れた抗酸化作用が発揮される。
請求項6に記載の抗酸化剤、アスタキサンチン、ユビキノンからなる化粧品製剤によれば、副作用が弱く、優れた抗酸化作用が発揮される。
以下、この発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
まず、本実施形態の下記の式(1)で示されるポリフェノールから選択される少なくとも一種からなるラジカル消去作用を呈する抗酸化剤について説明する。
まず、本実施形態の下記の式(1)で示されるポリフェノールから選択される少なくとも一種からなるラジカル消去作用を呈する抗酸化剤について説明する。
ここでいうポリフェノールは、ラジカル消去作用を呈することにより、抗酸化作用を有するものである。R1は、水素基、メチル基、エチル基から選択される少なくとも一種からなるものである。R2は、水素基、メチル基、エチル基から選択される少なくとも一種からなるものである。R3は、水素基、メチル基、エチル基から選択される少なくとも一種からなるものである。
R1、R2、R3が、全て水素基の場合、電子供与性が高まり、ラジカル消去作用が強くなることから、好ましい。R1、R2、R3が、全てメチル基の場合、構造が安定され、ラジカル消去作用が安定していることから、好ましい。
前記のラジカル消去作用を呈する抗酸化剤は、藻類、植物、魚類、動物などの天然由来物からの抽出、微生物による発酵、化学的合成のいずれの方法によっても得ることができる。
前記のラジカル消去作用を呈する抗酸化剤は、藻類、植物樹脂、動物脂質などの天然物に存在するものであり、その存在量は少量であるものの、単一物質として、また、混合物として安全性が確認されている。天然由来物質としては、藻類、ハーブ類、魚油、動物由来油脂、昆虫由来油脂がある。微生物発酵としては、酵母、バクテリアによる発酵がある。化学合成としては、アスタキサンチンとユビキノンを原料とした触媒反応がある。
前記のラジカル消去作用を呈する抗酸化剤は、ヒトや動物の細胞膜の脂質二重膜内に、挿入されやすく、酵素により分解されないことから、安定性及び持続性が高い。また、細胞内のミトコンドリア膜に取り込まれ、安定的に電子供与体として働く。さらに、ミトコンドリアのエネルギー産生を促進する。
前記のラジカル消去作用を呈する抗酸化剤は、皮膚細胞において日焼け、やけどなどの過酸化反応や炎症反応を抑制し、また、皮脂の過酸化を抑制する。
前記のラジカル消去作用を呈する抗酸化剤は、血液細胞内に安定的に持続され、血液における過酸化物質産生を抑制し、血管や脂質の過酸化を抑制する。
前記のラジカル消去作用を呈する抗酸化剤は、心筋に働き、心筋のエネルギー産生を促進し、その働きを助ける。
前記のラジカル消去作用を呈する抗酸化剤は、肝臓に働き、生体脂質の過酸化や代謝反応、たとえば、シトクロムP450による過酸化反応や酸化LDLなどのリポタンパク質の産生を抑制し、肝臓機能を改善する。
前記のラジカル消去作用を呈する抗酸化剤は、小腸上皮細胞に働き、食物による過酸化反応を抑制し、腸管細胞の過酸化を防ぐことにより、小腸上皮細胞によるアミノ酸、糖質、脂質、ビタミン、ミネラルなどの吸収を改善する。
前記のラジカル消去作用を呈する抗酸化剤は、過酸化水素、ラジカルや発ガン物質による遺伝子、特に、遺伝子、DNAやRNAの酸化や過酸化を抑制する。これにより、遺伝子の切断や変異を抑制し、細胞の癌化を抑制する。
前記のラジカル消去作用を呈する抗酸化剤は、細胞内に取り込まれやすく、ライソゾーム膜を安定化し、細胞の自己消化を食い止める。
加えて、前記のラジカル消去作用を呈する抗酸化剤は、炎症細胞の分泌顆粒の顆粒膜に働き、膜を安定化させて炎症物質の放出を減少させる。免疫細胞の炎症性サイトカインや炎症性プロスタグランジンの産生を抑制する。
次に、アスタキサンチン1重量に対し、ユビキノン1〜10重量、レシチン10〜100重量を添加し、加温して得られる抗酸化剤について説明する。
ここで、得られる抗酸化剤は、前記のラジカル消去作用を呈する抗酸化剤である。
原料となるアスタキサンチンは、藻類由来、魚類由来、動物由来のいずれでも良い。藻類は、その含量が高いことから好ましく、さらに、ヘマトコッカスやクリプトコッカスから精製しやすいことからより好ましい。
原料となるユビキノンは、コエンザイム類と同一であり、用いるユビキノンとしては、側鎖のイソプレンの数により、物理化学又は生物作用的に性質が異なる数種である。前記のユビキノンとして、コエンザイムQ0、コエンザイムQ2、コエンザイムQ4、コエンザイムQ6、コエンザイムQ8、コエンザイムQ10、コエンザイムQ12、コエンザイムQ20のいずれでも良い。このうち、コエンザイムQ0とコエンザイムQ10は、安定供給できることから、好ましい。コエンザイムQ10は、反応が進行しやすいことから、より好ましい。
前記のユビキノンの原料として、藻類由来、魚類由来、微生物発酵由来、動物由来のいずれでも良い。酵母による発酵により得られるユビキノンは、製造方法が安定し、安定したユビキノンを提供できることから好ましい。
前記のレシチンとしては、ダイズ由来、魚油、動物由来のいずれのものでも用いられる。このうち、ダイズ由来レシチンは、入手しやすく、コストも低いことから好ましい。
前記の抗酸化剤は、アスタキサンチン1重量に対し、ユビキノン1〜10重量、レシチン10〜100重量を添加し、加温して得られる。
アスタキサンチン1重量に対し、ユビキノンは1〜10重量である。アスタキサンチン1重量に対し、ユビキノンの量が1重量を下回る場合、前記の抗酸化剤が安定的に生産されないおそれがある。アスタキサンチン1重量に対し、ユビキノンの量が10重量を上回る場合、ユビキノンによる反応阻害が生じ、生成物の収率が低下するおそれがある。
アスタキサンチン1重量に対し、レシチンは10〜100重量である。アスタキサンチン1重量に対し、レシチンの量が10重量を下回る場合、反応のベースとなる油脂の低下により、前記の抗酸化剤が安定的に生産されないおそれがある。アスタキサンチン1重量に対し、レシチンの量が100重量を上回る場合、レシチンから前記の抗酸化剤の回収に手間取り、コストがかかるおそれがある。
加温は、温度10〜50℃が用いられ、加温時間は、温度により異なり、加温温度10℃では、10〜14日間であり、加温温度50℃では、1〜3時間である。加温温度が10℃を下回る場合、前記の抗酸化剤が十分に得られないおそれがある。
加温温度が50℃を上回る場合、原料のアスタキサンチンが不安定となり、前記の抗酸化剤が十分に得られないおそれがある。
加温期間について加温温度10℃では、10日間を下回る場合、前記の抗酸化剤が十分に得られないおそれがある。また、14日間を上回る場合、原料のアスタキサンチンが不安定となり、前記の抗酸化剤が十分に得られないおそれがある。
加温期間について加温温度50℃では、1時間を下回る場合、前記の抗酸化剤が十分に得られないおそれがある。また、3時間を上回る場合、原料のアスタキサンチンが不安定となり、前記の抗酸化剤が十分に得られないおそれがある。
前記の抗酸化剤は、油性物質として得られ、加温後、反応物としてそのまま用いられ、アスタキサンチン、ユビキノン、レシチンは、その働きを妨害しない。
また、前記の抗酸化剤は、加温後、エタノールにより抽出され、精製されることは、好ましい。
次に、アスタキサンチン1重量に対し、ユビキノン1〜10重量、レシチン10〜100重量を添加し、600nm〜700nmのレーザー光を照射して得られる抗酸化剤について説明する。
前記の抗酸化剤は、前記のラジカル消去作用を呈する抗酸化剤である。原料となるアスタキサンチン、ユビキノン、レシチンは、前記の記載したものを用いる。このうち、ユビキノンとしてはコエンザイムQ10が好ましい。
前記の抗酸化剤は、アスタキサンチン1重量に対し、ユビキノン1〜10重量、レシチン10〜100重量を添加し、加温して得られる。アスタキサンチン1重量に対し、ユビキノンは1〜10重量である。アスタキサンチン1重量に対し、ユビキノンの量が1重量を下回る場合、前記の抗酸化剤が安定的に生産されないおそれがある。アスタキサンチン1重量に対し、ユビキノンの量が10重量を上回る場合、ユビキノンによる反応阻害が起き、収率が低下するおそれがある。
アスタキサンチン1重量に対し、レシチンは10〜100重量である。アスタキサンチン1重量に対し、レシチンの量が10重量を下回る場合、反応のベースになる油脂が低下し、前記の抗酸化剤が安定的に生産されないおそれがある。アスタキサンチン1重量に対し、レシチンの量が100重量を上回る場合、レシチンから前記の抗酸化剤の回収が手間取り、コストがかかるおそれがある。
前記の原料に、600nm〜700nmのレーザー光が照射される。レーザーは、単一波長の光であり、光子と波としての両方の性質を利用して、前記の抗酸化剤が得られる。
レーザーは、半導体レーザー、イオンレーザー、可視レーザーのいずれでも良い。その波長は、600nm〜700nmである。
波長が600nmを下回る場合、生成物が分解されるおそれがある。また、この波長が700nmを下回る場合、反応が十分に行われないおそれがある。
レーザー光の出力と照射時間は、相反関係にある。すなわち、出力が高い場合、照射時間は短くなる。
出力0.1mWの場合、照射時間は、24〜48時間であり、出力1mWの場合、照射時間は、3〜10時間である。照射時間が短い場合、反応が十分に行われず、効率的ではなく、照射時間が長い場合、生成された抗酸化剤が分解するおそれがある。
前記の抗酸化剤は、油性物質として得られ、レーザー照射後、反応物としてそのまま用いられ、アスタキサンチン、ユビキノン、レシチンは、その働きを妨害しない。また、前記の抗酸化剤は、エタノールにより抽出され、精製されることは、好ましい。
次に、アスタキサンチン1重量に対し、ユビキノン1〜10重量、レシチン10〜100重量を添加し、リパーゼ0.001〜0.1重量を添加し、加温して得られる抗酸化剤について説明する。
前記の抗酸化剤は、前記のラジカル消去作用を呈する抗酸化剤である。
原料となるアスタキサンチン、ユビキノン、レシチンは、前記の記載したものを用いる。このうち、ユビキノンとしてはコエンザイムQ10が好ましい。
原料となるリパーゼは、食品加工用に利用されるものであり、名糖製リパーゼMY、リパーゼOF、アマノエンザイム製リパーゼF−AP15、ニューラーゼF3Gなどが用いられる。このリパーゼにより、エステル交換反応が安定的に促進される。
前記の抗酸化剤は、アスタキサンチン1重量に対し、ユビキノン1〜10重量、レシチン10〜100重量を添加し、加温して得られる。
アスタキサンチン1重量に対し、ユビキノンは1〜10重量である。アスタキサンチン1重量に対し、ユビキノンの量が1重量を下回る場合、前記の抗酸化剤が安定的に生産されないおそれがある。アスタキサンチン1重量に対し、ユビキノンの量が10重量を上回る場合、ユビキノンによる反応阻害が起き、収率が低下するおそれがある。
アスタキサンチン1重量に対し、レシチンは10〜100重量である。アスタキサンチン1重量に対し、レシチンの量が10重量を下回る場合、反応のベースになる油脂が低下し、前記の抗酸化剤が安定的に生産されないおそれがある。アスタキサンチン1重量に対し、レシチンの量が100重量を上回る場合、レシチンから前記の抗酸化剤の回収が手間取り、コストがかかるおそれがある。
アスタキサンチン1重量に対し、リパーゼは0.001〜0.1重量である。アスタキサンチン1重量に対し、リパーゼの量が0.001重量を下回る場合、抗酸化剤が安定的に生産されないおそれがある。アスタキサンチン1重量に対し、リパーゼの量が0.1重量を上回る場合、リパーゼによる分解反応が起き、収率が低下するおそれがある。
加温は、温度20〜40℃が用いられ、加温時間は、温度により異なり、加温温度20℃では、24時間〜48時間であり、加温温度40℃では、2〜6時間である。加温温度が20℃を下回る場合、前記の抗酸化剤が十分に得られないおそれがある。加温温度が40℃を上回る場合、分解反応が促進されるおそれがある。
加温期間について加温温度20℃で、24時間を下回る場合、前記の抗酸化剤が十分に得られないおそれがある。また、48時間を上回る場合、原料のアスタキサンチンが不安定となり、前記の抗酸化剤が十分に得られないおそれがある。
加温期間について加温温度40℃で、2時間を下回る場合、前記の抗酸化剤が十分に得られないおそれがある。また、6時間を上回る場合、原料のアスタキサンチンが不安定となり、前記の抗酸化剤が十分に得られないおそれがある。
前記の抗酸化剤は、油性物質として得られ、反応物としてそのまま用いられ、アスタキサンチン、ユビキノン、レシチンは、その働きを妨害しない。また、前記の抗酸化剤は、エタノールにより抽出され、精製されることは、好ましい。
次に、抗酸化剤、アスタキサンチン、ユビキノンからなる食品製剤について説明する。ここでいう抗酸化剤とは、前記のラジカル消去作用を呈する抗酸化剤である。アスタキサンチン、ユビキノンは、前記の原料のいずれかである。
前記の抗酸化剤、アスタキサンチン、ユビキノンを構成することにより、抗酸化剤が、アスタキサンチン、ユビキノンの抗酸化力により、安定的に維持される。抗酸化剤1重量に対し、アスタキサンチンは0.1〜10重量が好ましく、ユビキノンは0.5〜50重量が好ましい。ユビキノンとして、コエンザイムQ10が好ましい。
前記の食品製剤において、抗酸化剤、アスタキサンチン、ユビキノンは、混合され、成型される。こうすることにより、目的とする臓器に移動して蓄積することから好ましい。さらに、目的とする組織内に到達し、前記の抗酸化剤が分離されることから好ましい。
前記の場合、種々の食品素材又は飲料品素材に添加することによって、例えば、粉末状、錠剤状、液状(ドリンク剤等)、カプセル状等の形状の食品製剤とすることができる。また、基材、賦形剤、添加剤、副素材、増量剤等を適宜添加してもよい。
前記の食品製剤は、1日数回に分けて経口摂取される。1日の摂取量は0.1〜10gが好ましく、0.3〜5gがより好ましく、0.5〜3gがさらに好ましい。1日の摂取量が、0.1gを下回る場合、十分な効果が発揮されないおそれがある。1日の摂取量が、10gを越える場合、コストが高くなるおそれがある。上記の他に、飴、せんべい、クッキー、飲料等の形態で使用することができる。
前記の食品製剤は、抗酸化作用により、肝臓、すい臓、腎臓、肺、消化管の炎症の改善及び予防などに用いられる病院食、患者食、予防食として利用される。
加えて、皮膚疾患に対しても、血中から皮膚組織に移行し、ラジカルを消去し、皮膚の構築を改善又は予防することから、好ましい。また、皮膚における過酸化物産生を抑制し、しわの改善や防止にも有用である。さらに、保健機能食品としても利用される。
次に、抗酸化剤、アスタキサンチン、ユビキノンからなる化粧品製剤について説明する。ここでいう抗酸化剤とは、前記のラジカル消去作用を呈する抗酸化剤である。アスタキサンチン、ユビキノンは、前記の原料のいずれかである。前記の抗酸化剤、アスタキサンチン、ユビキノンを構成することにより、抗酸化剤が、アスタキサンチン、ユビキノンの抗酸化力により、安定的に維持される。
抗酸化剤1重量に対し、アスタキサンチンは0.2〜12重量が好ましく、ユビキノンは0.4〜60重量が好ましい。ユビキノンとして、コエンザイムQ10が好ましい。
前記の食品製剤において、抗酸化剤、アスタキサンチン、ユビキノンは、混合され、成型される。こうすることにより、油溶性が高まり、皮膚又は皮下組織に移動して蓄積することから好ましい。さらに、目的とする組織内に到達し、前記の抗酸化剤が分離されることから好ましい。
前記の化粧品製剤は、表皮や真皮において過酸化脂質やラジカルによるコラーゲンの分解を抑制することにより、コラーゲン量を維持することから、コラーゲン低下に起因する水分保持やしわに対する効果又は予防がある。さらに、炎症を抑制することから、ニキビや日焼けにより組織の炎症を抑制することから、好ましい。
前記の場合、常法に従って油分、界面活性化剤、ビタミン剤、紫外線吸収剤、増粘剤、保湿剤、副素材等とともに用いることができる。化粧水、クリーム、軟膏、ローション、乳液、パック、オイル、石鹸、洗顔料、香料、オーディコロン、浴用剤、シャンプー、リンス等の形態とすることができる。化粧品製剤の形態は任意であり、溶液状、クリーム状、ペースト状、ゲル状、ジェル状、固形状又は粉末状として用いることができる。
化粧品製剤として皮膚に1日数回に分けて塗布される。1日の塗布量は0.01〜10gが好ましく、0.05〜3gがより好ましく、0.1〜1gがさらに好ましい。1日の塗布量が、0.01gを下回る場合、しわやしびれの治療または防止効果が発揮されないおそれがある。1日の塗布量が、10gを越える場合、コストが高くなるおそれがある。
以下、前記実施形態を実施例及び試験例を用いて具体的に説明する。
ヘマトコッカスを培養した後、破砕し、エタノールを添加して溶媒にて抽出し、油溶性分画を採取した。この油溶性分画を、再度、エタノールに溶解し、セルロース(ワコーゲル、和光純薬)をガラスカラム(3.5cm径、50cm長)に充填した装置に供し、含水エタノールで洗浄後、エタノール液を流して分離し前記の抗酸化剤を得た。得られた分画をエタノールに溶解し、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)に供して目的とする抗酸化剤を分離した。なお、以下に示すラジカル消去活性測定法を指標として、目的とする抗酸化剤を検出した。
その結果、目的とする抗酸化剤のうち、メチル基誘導体の収率として、0.3%、水素基誘導体としての収率は0.1%であった。
さらに、HPLCによる分析では、フォトダイオードアレイ(島津製作所製)を装着したHPLCに供し、まず、GPCによる解析を行った。
その結果、分子量300〜700の分画に、ラジカル消去作用を有する抗酸化剤が得られた。また、実施例1で得られた分画をCAPCELLPACKC18カラムによるHPLCを実施した。さらに、NMR(ジョエル製)による解析の結果、目的とする抗酸化剤がメチル誘導体及び水素基誘導体として同定された。
得られた抗酸化剤についてラジカル消去試験を行った結果、メチル基誘導体についてはアスタキサンチンの3.1倍、コエンザイムQ10の10.9倍、ビタミンEに比して893倍のラジカル消去能を呈した。さらに、水素基誘導体についてはアスタキサンチンの2.7倍、コエンザイムQ10の9.2倍、ビタミンEに比して760倍のラジカル消去能を呈した。
以下に、ラジカル消去能の測定法の試験方法について述べる。
(試験例1)
(試験例1)
ラジカル消去活性は、キサンチンオキシダーゼにより産生されたラジカルを1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル(DPPH、アルドリッチ製)を用いて測定する方法を用いた。すなわち、キサンチンオキシターゼ(アルドリッチ製)を0.01Mリン酸緩衝液に溶解し、これにヒポキサンチンを添加し、37℃に加温し、ラジカルを生成させた。この溶液に、試験検体溶液を添加し、さらに、0.1MDPPH溶液を添加して520nmの吸光度を測定した。陽性対照として、ビタミンEを用いた。
以下に、アスタキサンチン、ユビキノン、レシチンを添加し、加温して得られる抗酸化剤について説明する。
ステンレス反応槽に、ヘマトコッカスより得られたアスタキサンチン1g、酵母培養により得られたユビキノン5g、ダイズより得られたレシチン50gを添加し、20℃で、7日間加温した。反応後、生成された抗酸化剤を前記の方法により精製し、同定した。
その結果、目的とする抗酸化剤がメチル基誘導体として得られ、その収率は2.3%であった。得られたメチル基誘導体のラジカル消去活性は、ビタミンEの902倍強力であった。
以下に、アスタキサンチン、ユビキノン、レシチンを添加し、レーザー光を照射して得られる抗酸化剤について説明する。
ヘマトコッカスより得られたアスタキサンチン1g、酵母培養により得られたユビキノン5g、ダイズより得られたレシチン50gを添加し、0.1mW出力の650nmレーザー照射装置により、室温で、12時間照射した。反応後、生成された抗酸化剤を前記の方法により精製し、同定して、さらに、ラジカル消去活性を測定した。
その結果、目的とする抗酸化剤がメチル基誘導体として得られ、その収率は4.9%であった。得られたメチル基誘導体のラジカル消去活性は、ビタミンEの840倍強力であった。
以下に、アスタキサンチン、ユビキノン、レシチンを添加し、さらに、リパーゼを添加し、加温して得られる抗酸化剤について説明する。
ヘマトコッカスより得られたアスタキサンチン1g、酵母培養により得られたユビキノン5g、ダイズより得られたレシチン50gを添加して混合した。これに、アマノエンザイム製リパーゼF−AP10.01gを添加し、30℃で、24時間加温して目的とする抗酸化剤を油状物質として得た。反応後、生成された抗酸化剤を前記の方法により精製し、同定して、さらに、ラジカル消去活性を測定した。その結果、目的とする抗酸化剤がメチル基誘導体として得られ、その収率は5.6%であった。得られたメチル基誘導体のラジカル消去活性は、ビタミンEの830倍強力であった。
以下に、ラジカル消去活性を呈する抗酸化剤からなる食品製剤について説明する。
前記の実施例2で得られた抗酸化剤1kg、アスタキサンチン1kg、ユビキノン10kgを添加して混合した。この混合物に、食用セルロース5kg、アスコルビン酸10g及び食用香料90gの比率で混合した。これを常法により粉末化し、ブタ由来ハードカプセルに充填し、食品製剤を得た。
(試験例2)
(試験例2)
35〜51才の健常男性5例に、前記の実施例5で得られた食品製剤を1日1回5gずつ、14日間摂食させた。摂食前及び摂食14日目に、血液を採取し、酸化LDL量を免疫抗体法により測定した。
その結果、摂食後の血液中酸化LDL量は、摂食前に対して、5例の平均値として、79%になり、酸化LDL値の低下が認められた。なお、実施例5の食品製剤摂取により、体調の異常は全例で認められなかった。
以下に、ラジカル消去活性を呈する抗酸化剤からなる化粧品製剤について説明する。
実施例2で得られた抗酸化剤0.1g、アスタキサンチン1g、ユビキノン10gを添加して混合した。モノステアリン酸ポリエチレングリコール1g、親油型モノステアリン酸グリセリン1g、馬油エステル2g及びオレイン酸3gを加熱し、溶解した。さらに、プロピレングリコール2g、α−トコフェロール0.1g及び精製水70gを添加した。これらを溶解した後、冷却して化粧品製剤として乳液を得た。
(試験例3)
(試験例3)
実施例6で得られた乳液を使用して、38〜70才の女性6例を対象に、紫外線に対する炎症改善試験を行なった。すなわち、前記実施例6の乳液を1日当たり3gずつ、7日間、顔面部に塗布させた。
13時〜14時の間、太陽光を浴びさせた。使用前及び使用7日後に、肌温度、皮表角層水分量測定装置(IBS社製、SKICON200)を用いて角質水分量、弾力計(クトメーター)を用いて肌弾性及び単位面積当たりのしわの長さを計測した。
その結果、使用前の太陽光照射に比し、実施例6の使用後には、平均で1.2℃の肌温度の低下が認められた。皮表角層水分量は、実施例6の使用後に、230%に増加した。また、弾力計による弾力は、使用前に比して実施例6の使用後では、220%に増加した。さらに、しわの長さは、使用前に比し、78%になり、しわの減少が認められた。
一方、使用感においても特に苦情は聞かれなかった。この結果、実施例6で得られた乳液は、抗炎症作用、水分増加作用及びしわ減少作用が認められた。
本発明は、ラジカル消去作用を呈する抗酸化剤、それからなる食品製剤、化粧品製剤に関するものであり、副作用の弱い、優れた抗酸化作用を発揮することにより、酸化物質に対する防御、紫外線からの予防、さらに、遺伝子の変異や癌化に対しても、幅広く改善する。また、食品製剤又は化粧品製剤として日々の生活のQOLを改善する。これらにより、医療の進歩に寄与し、医薬品業界、食品業界、化粧品業界での活用が期待される。
Claims (6)
- アスタキサンチン1重量に対し、ユビキノン1〜10重量、レシチン10〜100重量を添加し、加温して得られる請求項1に記載の抗酸化剤。
- アスタキサンチン1重量に対し、ユビキノン1〜10重量、レシチン10〜100重量を添加し、600nm〜700nmのレーザー光を照射して得られる請求項1に記載の抗酸化剤。
- アスタキサンチン1重量に対し、ユビキノン1〜10重量、レシチン10〜100重量、リパーゼ0.001〜0.1重量を添加し、加温して得られる請求項1に記載の抗酸化剤。
- 請求項1に記載の抗酸化剤、アスタキサンチン、ユビキノンからなる食品製剤。
- 請求項1に記載の抗酸化剤、アスタキサンチン、ユビキノンからなる化粧品製剤。
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CN111430547A (zh) * | 2020-03-19 | 2020-07-17 | 电子科技大学 | 一种基于虾青素阴极缓冲层的有机太阳能电池及其制备方法 |
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2005
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