JP2016060695A - 金化合物の製造方法 - Google Patents

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龍一 入波平
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Abstract

【課題】、無電解及び電解めっき液の金供給源として利用可能なシアンを含まない金化合物を提供することを目的とする。【解決手段】塩化金酸から合成される塩化第一金化合物、アルカリ金属塩およびチオール基を持つ有機化合物を水溶液中に懸濁後、アルゴンガス又は窒素ガス等の不活性ガスの存在下、pH7.0〜13.5、温度10℃〜90℃の条件にて反応させ、反応終了後、析出した結晶をアルコールにてカラム精製することにより得られた結晶は、下記一般式(1)で表される金化合物である。この金化合物は、めっき浴中にシアンを全く含まない無電解及び電解金めっき液の金供給源として利用可能である。(1)(式中、Rは、1価のアルキル基、アリール基、アルケニル基、シリル基、アルキニル基および、1価の炭化水素環系または、複素環系の芳香族有機基を示し、環上の水素原子の一部が反応に関与しない基で置換されていても差し支えない。)【選択図】なし

Description

本発明は、金化合物の製造方法に関し、金めっき用の金供給源として利用可能なシアンを含まない金化合物或いは、金レジネートペースト用の材料となり得る金化合物の製造方法に関する。
従来、一般に電解めっき、無電解めっき法で用いられる金めっき用金化合物としては、NaAu(CN)(シアン化第一金ナトリウム)、NaAu(CN)(シアン化第二金ナトリウム)、KAu(CN)(シアン化第一金カリウム)、KAu(CN)(シアン化第二金カリウム)及びNH4Au(CN)(シアン化第一金アンモニウム)等のアルカリ金属のシアン化金塩やシアン化金アンモニウム塩が用いられている。
これらシアン化金化合物の中でも溶解度の関係で金めっき液用としては、シアン化第一金カリウムが多用されている。
しかし、シアン化第一金カリウム等のシアン系金化合物は毒性が強いことから作業安全、排水処理の観点から好ましくないという問題がある。また、シアン系金めっき液を使用した場合、めっき液中に存在するシアンイオンが各種金めっき反応に影響を及ぼす可能性がある。
金めっき浴中へ配合するシアン化カリウムの添加量を減らす手段として例えば、シアン化第一金カリウムを使用して金めっき液を調製する際に通常使用されるクエン酸カリウムとクエン酸の粉末を混合することによって粉末状のクエン酸酸性カリウム塩を生産し、これに水を加えた粉末状シアン化第一金カリウムと混合し、シアン化第一金カリウムとクエン酸酸性カリウムとの混合結晶とされるクエン酸金カリウムを製造し、得られたクエン酸金カリウムである金化合物を金めっき液の金化合物として使用することが知られている(例えば、特許文献1)。
また、塩化第二金溶液を80〜85℃に維持し、これにクエン酸カリウム溶液を滴下し、さらにエチレンジアミン四酢酸溶液を添加し、残りのクエン酸カリウム溶液とマロノ二トリル溶液を滴下し溶液のpHを8〜9に調製して合成反応を終了後、冷却して得られた白色沈殿をろ過、乾燥し、めっき用クエン酸金カリウムの製造方法も知られている(例えば、特許文献2)。
しかしながら、これらクエン酸金カリウムを用いた金めっき液は、金めっき特性で従来のシアン化第一金カリウムに劣っていたり、大量製造が困難であったりと満足されるものではなかった。
また、従来、基板上に膜状電極等の導電性パターンを形成するため導電性ペーストとして金レジネートペーストが知られている。
このような金レジネートペーストの代表的な用途としては、ファクシミリー等のプリンターヘッドとして使用されているサーマルプリンターヘッドの電極作成が挙げられる。
この出願に関連する先行技術としては、金化合物として、α―ピネン、α―ターピネオール、イソボルネオールのメルカプタン金、またはサルフィド金、アベチエン酸金、ネオデカン酸金、2−エチルヘキサン酸金、ナフテン酸金等の1種又は2種以上を用い、これにロジウム化合物、ビスマス化合物、クロム化合物、鉛化合物、ケイ素化合物、有機樹脂、有機溶媒を配合した金レジネートペーストを用い、セラミック基板にスクリーン印刷した後、800〜850℃で焼成し、金薄膜を得ることが知られている(例えば、特許文献3)。
また、別の先行技術として、金レジネートペーストの高温焼成における難点を改良して250℃以下の低温焼成によってもシート抵抗を有する金皮膜を形成できる金レジネートペーストに適した金化合物の材料も知られている(例えば、特許文献4、特許文献5)。
しかしながら、このような従来の金レジネートペーストの金供給源として利用される金化合物の製造方法は、非常に難しく、知識および、経験豊富な熟練者で無いと出来ないという課題があった。
CN101781784 A 公報 CN101172946 B 公報 特開平5−144318号 公報 特許第5526271号 公報 特許第5526272号 公報
本発明は、無電解及び電解めっき液の金供給源として利用可能なシアンを含まない金化合物および、金レジネートペースト用の材料となり得る金化合物の提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するためシアンを含まない金化合物について鋭意検討を行なった結果、塩化金酸から合成される塩化第一金化合物化ナトリウム、塩化カリウム等のアルカリ金属塩およびチオール基を持つ有機化合物を水溶液中に懸濁後、アルゴンガス又は窒素ガス等の不活性ガスの存在下、pH7.0〜13.5、温度10℃〜90℃の条件にて反応させ、反応終了後、析出した結晶を洗浄、場合によっては、有機溶媒にてカラム精製することにより得られた結晶は、シアンを含まない金化合物である。この金化合物は、金めっき液の金供給源として、利用出来る可能性があり、めっき浴中にシアンイオンが全く含まれないこと、また、金レジネートペースト用の材料となり得ることを知見し本発明に到達した。
すなわち、本発明は、以下の内容をその発明の要旨とするものである。
(1)塩化第一金、アルカリ金属塩化物およびチオール基を持つ有機化合物を不活性ガスの存在下pH7.0〜13.5に調整した水溶液中で温度を10℃〜90℃で反応させることを特徴とする金イオンにチオール基を持つ有機化合物が配位した下記一般式(1)で表される金化合物の製造方法。
一般式(1)
(1)

(式中、Rは、1価のアルキル基、アリール基、アルケニル基、シリル基、アルキニル基および、1価の炭化水素環系または、複素環系の芳香族有機基を示し、環上の水素原子の一部が反応に関与しない基で置換されていても差し支えない。)
(2)アルカリ金属塩化物が塩化ナトリウム又は塩化カリウムである請求項1に記載の金化合物の製造方法。
本発明の金化合物の製造方法によれば一般式(1)で表されるシアンを含まない金化合物を得ることができる。上記の金化合物を無電解及び電解めっき法の金めっき浴の金源として使用すると、めっき浴中に全くシアンイオンを含まないので作業時の危険性が大幅に改善される。また、排液にシアンイオンを全く含まれない為、環境負荷の少ない金めっき液の作製が可能であるのでその工業的利用価値大である。また、金レジネートペースト用の材料となり得る金化合物について、知識および、経験豊富な熟練者でなくても製造出来るようになるのでその工業的利用価値大である。
以下、本発明の金化合物の製造方法について詳細に説明する。
本発明において用いられる塩化第一金を製造する方法としては、金を王水にて溶解し、加熱濃縮後、加熱したまま塩酸を添加して脱硝酸をする。その後、濃縮して塩化金酸を得る。これを高真空中の条件下で100℃に加熱し、完全に水分を除去後、160℃以上加熱して分解させる事により製造する。
上記の方法により得られた淡黄色結晶の塩化第一金を純水に添加して攪拌する。そこに、塩化ナトリウム、塩化カリウム等のアルカリ金属塩とチオール基を持つ有機化合物を加え攪拌して混合液とする。
この混合液に窒素ガス又はアルゴンガスなどの不活性ガスをバブリングしながら水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物を添加してpHを7.0〜13.5に調整する。更に不活性ガスのバブリングおよび攪拌を継続しながら反応系を10℃〜90℃好ましくは75℃〜90℃に数時間保ち反応を促進する。
結晶が析出したら反応系を30℃以下に冷却し、濾別して析出した結晶を得る。得られた結晶は120℃以下で乾燥する。場合によっては、次いで、結晶を有機溶媒にて溶解し、カラムにて分離後、真空濃縮にて結晶を析出させることにより精製を行なう。更に精製した結晶を120℃以下で乾燥して金化合物の結晶を得る。
本発明の金化合物の生成反応は、下記反応式によって進行するものと考えられる。
上記の方法でチオール基を持つ有機化合物として2−メルカプトエタノールで合成して得られた結晶を成分分析した結果、理論値と略一致するAu:71.8%(計算値:71.9%)、S:11.6%(計算値:11.7%)であった。また、全シアン濃度の測定結果は0.00%であり、検出されなかった。したがって、本発明の金化合物は、上記一般式(1)で表される結晶であることを確認した。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
塩化金酸四水和物250.0gを高真空中の条件下で100℃に加熱し、完全に水分を除去する。次いで、間接加熱にて160℃〜180℃を保ちながら結晶化するまで分解を促進して反応を進める。反応終了後、冷却して淡黄色結晶の塩化第一金117.4gを得た。
得られた塩化第一金100.0gに純水1000mlを添加して攪拌する。そこに、塩化ナトリウム30.2gと2−メルカプトエタノール35.3gを加え、窒素ガスをバブリングする。次いで、水酸化ナトリウム溶液を添加してpH11.5に調整する。この時、窒素ガスのバブリングおよび攪拌を継続する。pH調整後の反応系を80℃にし、窒素ガスのバブリングおよび攪拌を継続したまま8時間保ち反応を促進する。
反応終了後、反応系を30℃以下に冷却する。次いで、析出した結晶を濾過、純水で洗浄後、更にエタノールで洗浄した後、80℃で乾燥する事により、70.7gの淡黄色粉末状の結晶を得た。
得られた金化合物結晶の分析結果は下記の如くであった。
Au:71.8%(計算値:71.9%)、S:11.6%(計算値:11.7%)
塩化金酸四水和物200.0gを高真空中の条件下で100℃に加熱し、完全に水分を除去する。次いで、間接加熱にて160℃〜180℃を保ちながら結晶化するまで分解を促進して反応を進める。反応終了後、冷却して淡黄色結晶の塩化第一金90.8gを得た。
得られた塩化第一金80.0gに純水800mlを添加して攪拌する。そこに、塩化カリウム30.8gと2−メルカプトエタノール28.2gを加え、窒素ガスをバブリングする。次いで、水酸化ナトリウム溶液を添加してpH11.5に調整する。この時、窒素ガスのバブリングおよび攪拌を継続する。pH調整後の反応系を80℃にし、窒素ガスのバブリングおよび攪拌を継続したまま8時間保ち反応を促進する。
反応終了後、反応系を30℃以下に冷却する。次いで、析出した結晶を濾過、純水で洗浄後、更にエタノールで洗浄した後、80℃で乾燥する事により、54.6gの淡黄色粉末状の結晶を得た。
得られた金化合物結晶の分析結果は下記の如くであった。
Au:71.7%(計算値:71.9%)、S:11.5%(計算値:11.7%)
塩化金酸四水和物250.0gを高真空中の条件下で100℃に加熱し、完全に水分を除去する。次いで、間接加熱にて160℃〜180℃を保ちながら結晶化するまで分解を促進して反応を進める。反応終了後、冷却して淡黄色結晶の塩化第一金120.8gを得た。
得られた塩化第一金100.0gに純水1000mlを添加して攪拌する。そこに、塩化ナトリウム30.2gと1−プロパンチオール103.2gを加え、窒素ガスをバブリングする。次いで、水酸化ナトリウム溶液を添加してpH11.5に調整する。この時、窒素ガスのバブリングおよび攪拌を継続する。pH調整後の反応系を35℃にし、窒素ガスのバブリングおよび攪拌を継続したまま8時間保ち反応を促進する。
反応終了後、反応系を20℃以下に冷却する。次いで、析出した結晶を濾過、純水で洗浄後、更にエタノールで洗浄した後、80℃で乾燥する事により、56.7gの淡黄色粉末状の結晶を得た。
得られた金化合物結晶の分析結果は下記の如くであった。
Au:72.3%(計算値:72.4%)、S:11.7%(計算値:11.8%)
塩化金酸四水和物200.0gを高真空中の条件下で100℃に加熱し、完全に水分を除去する。次いで、間接加熱にて160℃〜180℃を保ちながら結晶化するまで分解を促進して反応を進める。反応終了後、冷却して淡黄色結晶の塩化第一金90.5gを得た。
得られた塩化第一金80.0gに純水800mlを添加して攪拌する。そこに、塩化カリウム30.8gと1−プロパンチオール82.5gを加え、窒素ガスをバブリングする。次いで、水酸化ナトリウム溶液を添加してpH11.5に調整する。この時、窒素ガスのバブリングおよび攪拌を継続する。pH調整後の反応系を35℃にし、窒素ガスのバブリングおよび攪拌を継続したまま8時間保ち反応を促進する。
反応終了後、反応系を20℃以下に冷却する。次いで、析出した結晶を濾過、純水で洗浄後、更にエタノールで洗浄した後、80℃で乾燥する事により、43.8gの淡黄色粉末状の結晶を得た。
得られた金化合物結晶の分析結果は下記の如くであった。
Au:72.2%(計算値:72.4%)、S:11.6%(計算値:11.8%)
塩化金酸四水和物250.0gを高真空中の条件下で100℃に加熱し、完全に水分を除去する。次いで、間接加熱にて160℃〜180℃を保ちながら結晶化するまで分解を促進して反応を進める。反応終了後、冷却して淡黄色結晶の塩化第一金120.3gを得た。
得られた塩化第一金100.0gに純水1000mlを添加して攪拌する。そこに、塩化ナトリウム30.2gと3−メルカプトプロピオン酸48.0gを加え、窒素ガスをバブリングする。次いで、水酸化ナトリウム溶液を添加してpH11.5に調整する。この時、窒素ガスのバブリングおよび攪拌を継続する。pH調整後の反応系を80℃にし、窒素ガスのバブリングおよび攪拌を継続したまま8時間保ち反応を促進する。
反応終了後、反応系を30℃以下に冷却する。次いで、析出した結晶を濾過、純水で洗浄後、更にエタノールで洗浄した後、80℃で乾燥する事により、75.3gの淡黄色粉末状の結晶を得た。
得られた金化合物結晶の分析結果は下記の如くであった。
Au:65.1%(計算値:65.2%)、S:10.5%(計算値:10.6%)
塩化金酸四水和物200.0gを高真空中の条件下で100℃に加熱し、完全に水分を除去する。次いで、間接加熱にて160℃〜180℃を保ちながら結晶化するまで分解を促進して反応を進める。反応終了後、冷却して淡黄色結晶の塩化第一金91.5gを得た。
得られた塩化第一金80.0gに純水800mlを添加して攪拌する。そこに、塩化カリウム30.8gと3−メルカプトプロピオン酸38.4gを加え、窒素ガスをバブリングする。次いで、水酸化ナトリウム溶液を添加してpH11.5に調整する。この時、窒素ガスのバブリングおよび攪拌を継続する。pH調整後の反応系を80℃にし、窒素ガスのバブリングおよび攪拌を継続したまま8時間保ち反応を促進する。
反応終了後、反応系を30℃以下に冷却する。次いで、析出した結晶を濾過、純水で洗浄後、更にエタノールで洗浄した後、80℃で乾燥する事により、59.3gの淡黄色粉末状の結晶を得た。
得られた金化合物結晶の分析結果は下記の如くであった。
Au:65.0%(計算値:65.2%)、S:10.5%(計算値:10.6%)
塩化金酸四水和物250.0gを高真空中の条件下で100℃に加熱し、完全に水分を除去する。次いで、間接加熱にて160℃〜180℃を保ちながら結晶化するまで分解を促進して反応を進める。反応終了後、冷却して淡黄色結晶の塩化第一金119.7gを得た。
得られた塩化第一金100.0gに純水1000mlを添加して攪拌する。そこに、塩化ナトリウム30.2gとメルカプト酢酸41.6gを加え、窒素ガスをバブリングする。次いで、水酸化ナトリウム溶液を添加してpH11.5に調整する。この時、窒素ガスのバブリングおよび攪拌を継続する。pH調整後の反応系を80℃にし、窒素ガスのバブリングおよび攪拌を継続したまま8時間保ち反応を促進する。
反応終了後、反応系を30℃以下に冷却する。次いで、析出した結晶を濾過、純水で洗浄後、更にエタノールで洗浄した後、80℃で乾燥する事により、73.1gの黄色粉末状の結晶を得た。
得られた金化合物結晶の分析結果は下記の如くであった。
Au:68.2%(計算値:68.4%)、S:11.0%(計算値:11.1%)
塩化金酸四水和物200.0gを高真空中の条件下で100℃に加熱し、完全に水分を除去する。次いで、間接加熱にて160℃〜180℃を保ちながら結晶化するまで分解を促進して反応を進める。反応終了後、冷却して淡黄色結晶の塩化第一金90.3gを得た。
得られた塩化第一金80.0gに純水800mlを添加して攪拌する。そこに、塩化カリウム30.8gとメルカプト酢酸33.3gを加え、窒素ガスをバブリングする。次いで、水酸化ナトリウム溶液を添加してpH11.5に調整する。この時、窒素ガスのバブリングおよび攪拌を継続する。pH調整後の反応系を80℃にし、窒素ガスのバブリングおよび攪拌を継続したまま8時間保ち反応を促進する。
反応終了後、反応系を30℃以下に冷却する。次いで、析出した結晶を濾過、純水で洗浄後、更にエタノールで洗浄した後、80℃で乾燥する事により、56.4gの黄色粉末状の結晶を得た。
得られた金化合物結晶の分析結果は下記の如くであった。
Au:68.1%(計算値:68.4%)、S:10.9%(計算値:11.1%)
塩化金酸四水和物250.0gを高真空中の条件下で100℃に加熱し、完全に水分を除去する。次いで、間接加熱にて160℃〜180℃を保ちながら結晶化するまで分解を促進して反応を進める。反応終了後、冷却して淡黄色結晶の塩化第一金126.3gを得た。
得られた塩化第一金100.0gに純水1000mlを添加して攪拌する。そこに、塩化ナトリウム30.2gと2−ベンゾイミダゾールチオール67.9gを加え、窒素ガスをバブリングする。次いで、水酸化ナトリウム溶液を添加してpH11.5に調整する。この時、窒素ガスのバブリングおよび攪拌を継続する。pH調整後の反応系を80℃にし、窒素ガスのバブリングおよび攪拌を継続したまま8時間保ち反応を促進する。
反応終了後、反応系を30℃以下に冷却する。次いで、析出した結晶を濾過、純水で洗浄した後、100℃で乾燥する。得られた結晶をエタノールで溶解し、エタノールを展開溶媒としてカラムにて分離する。分離したエタノール溶液を真空濃縮した後、100℃で乾燥する事により、60.8gの白色粉末状ノンシアン金塩結晶を得た。
得られたノンシアン金塩結晶の分析結果は下記の如くであった。
Au:56.8%(計算値:56.90%)、C:24.2%(計算値:24.29%)、N:8.0%(計算値:8.09%)、S:9.2%(計算値:9.26%)
塩化金酸四水和物200.0gを高真空中の条件下で100℃に加熱し、完全に水分を除去する。次いで、間接加熱にて160℃〜180℃を保ちながら結晶化するまで分解を促進して反応を進める。反応終了後、冷却して淡黄色結晶の塩化第一金99.8gを得た。
得られた塩化第一金80.0gに純水800mlを添加して攪拌する。そこに、塩化カリウム30.8gと2−ベンゾイミダゾールチオール54.3gを加え、窒素ガスをバブリングする。次いで、水酸化カリウム溶液を添加してpH11.5に調整する。この時、窒素ガスのバブリングおよび攪拌を継続する。pH調整後の反応系を80℃にし、窒素ガスのバブリングおよび攪拌を継続したまま8時間保ち反応を促進する。
反応終了後、反応系を30℃以下に冷却する。次いで、析出した結晶を濾過、純水で洗浄した後、100℃で乾燥する。得られた結晶をエタノールで溶解し、エタノールを展開溶媒としてカラムにて分離する。分離したエタノール溶液を真空濃縮した後、100℃で乾燥する事により、45.8gの白色粉末状ノンシアン金塩結晶を得た。
得られたノンシアン金塩結晶の分析結果は下記の如くであった。
Au:56.6%(計算値:56.90%)、C:23.9%(計算値:24.29%)、N:7.8%(計算値:8.09%)、S:9.0%(計算値:9.26%)
塩化金酸四水和物250.0gを高真空中の条件下で100℃に加熱し、完全に水分を除去する。次いで、間接加熱にて160℃〜180℃を保ちながら結晶化するまで分解を促進して反応を進める。反応終了後、冷却して淡黄色結晶の塩化第一金118.8gを得た。
得られた塩化第一金100.0gに純水1000mlを添加して攪拌する。そこに、塩化ナトリウム30.2gと2−メルカプトベンゾチアゾール75.6gを加え、窒素ガスをバブリングする。次いで、水酸化ナトリウム溶液を添加してpH11.5に調整する。この時、窒素ガスのバブリングおよび攪拌を継続する。pH調整後の反応系を80℃にし、窒素ガスのバブリングおよび攪拌を継続したまま8時間保ち反応を促進する。
反応終了後、反応系を30℃以下に冷却する。次いで、析出した結晶を濾過、純水で洗浄した後、100℃で乾燥する。得られた結晶をベンゼンで溶解し、ベンゼンとヘキサンの混合溶媒を展開溶媒としてカラムにて分離する。分離したベンゼンとヘキサンの混合溶媒を真空濃縮した後、100℃で乾燥する事により、62.2gの白色粉末状のノンシアン金化合物結晶を得た。
得られたノンシアン金化合物結晶の分析結果は下記の如くであった。
Au:54.1%(計算値:54.23%)、C:23.0%(計算値:23.15%)、N:3.7%(計算値:3.86%)、S:17.5%(計算値:17.66%)
塩化金酸四水和物200.0gを高真空中の条件下で100℃に加熱し、完全に水分を除去する。次いで、間接加熱にて160℃〜180℃を保ちながら結晶化するまで分解を促進して反応を進める。反応終了後、冷却して淡黄色結晶の塩化第一金90.8gを得た。
得られた塩化第一金80.0gに純水800mlを添加して攪拌する。そこに、塩化カリウム30.8gと2−メルカプトベンゾチアゾール60.5gを加え、窒素ガスをバブリングする。次いで、水酸化カリウム溶液を添加してpH11.5に調整する。この時、窒素ガスのバブリングおよび攪拌を継続する。pH調整後の反応系を80℃にし、窒素ガスのバブリングおよび攪拌を継続したまま8時間保ち反応を促進する。
反応終了後、反応系を30℃以下に冷却する。次いで、析出した結晶を濾過、純水で洗浄した後、100℃で乾燥する。得られた結晶をベンゼンで溶解し、ベンゼンとヘキサンの混合溶媒を展開溶媒としてカラムにて分離する。分離したベンゼンとヘキサンの混合溶媒を真空濃縮した後、100℃で乾燥する事により、47.1gの白色粉末状のノンシアン金化合物結晶を得た。
得られたノンシアン金化合物結晶の分析結果は下記の如くであった。
Au:54.0%(計算値:54.23%)、C:23.0%(計算値:23.15%)、N:3.6%(計算値:3.86%)、S:17.5%(計算値:17.66%)
実施例1から実施例12で得られた金化合物を用い、金として50g/Lの水溶液を調整し、フリーシアンメーターにより水溶液中のフリ−シアン濃度を測定した。また、結晶中の全シアン濃度も併せて測定した。その結果を表1に示す。
一方、比較のため市販品のシアン化金カリウムを用い、金として50g/Lの水溶液を調整し、フリーシアンメーターにより水溶液中のフリ−シアン濃度を測定した。また、結晶中の全シアン濃度も併せて測定した。その結果を表1に示す。











結晶中の全シアン濃度を測定した結果、実施例1から実施例12の金化合物を用いた場合、定量下限値(0.1ppm)以下の全シアン濃度であった。シアン化金カリウムを使用した場合、全シアン濃度値は17.9%であった。
また、金水溶液中のフリ−シアン濃度を測定した結果、実施例1及び実施例2の金化合物を用いた場合、定量下限値(0.1ppm)以下のフリ−シアン濃度であった。シアン化金カリウムを使用した場合、フリ−シアン濃度値は0.3ppmであった。本発明の金化合物を使用した場合、シアンを全く含まないことを確認した。

Claims (2)

  1. 塩化第一金、アルカリ金属塩化物およびチオール基を持つ有機化合物を不活性ガスの存在下pH7.0〜13.5に調整した水溶液中で温度を10℃〜90℃で反応させることを特徴とする金イオンにチオール基を持つ有機化合物が配位した下記一般式(1)で表される金化合物の製造方法。
    一般式(1)
    (1)

    (式中、Rは、1価のアルキル基、アリール基、アルケニル基、シリル基、アルキニル基および、1価の炭化水素環系または、複素環系の芳香族有機基を示し、環上の水素原子の一部が反応に関与しない基で置換されていても差し支えない。)
  2. アルカリ金属塩化物が塩化ナトリウム又は塩化カリウムである請求項1に記載の金化合物の製造方法。




















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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111364074B (zh) * 2020-02-21 2021-06-25 厦门大学 一种复合配位低浓度一价金无氰镀金电镀液的制备方法

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