JP2016060654A - 水素の製造方法および水素製造用触媒 - Google Patents

水素の製造方法および水素製造用触媒 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、アンモニアを含有する原料から、触媒を用いて効率的に水素を製造する製造方法および水素製造用触媒を提供する。【解決手段】ニッケル、コバルト及び鉄から選ばれる1種以上の元素(A)、ストロンチウム及びバリウムから選ばれる1種以上の元素(B)、並びにランタン及びイットリウムから選ばれる1種以上の元素(C)を構成元素として含み、かつ元素(B)を、元素(B)の酸化物換算で0.1質量%〜15質量%の範囲で含有する触媒(X)に、アンモニアを含有する原料ガスを接触させる工程を有する水素の製造方法及び水素製造用触媒。【選択図】なし

Description

本発明は、触媒を用いてアンモニアを窒素と水素に分解して水素を製造する製造方法及び水素製造用触媒に関する。
水素は世界的なエネルギー需要の増加や地球規模の気候変動といった問題を解決するための新たなエネルギー源として期待されており、関連する様々な技術が開発されている。しかしながら、水素の貯蔵・輸送に高いコストがかかることが、水素エネルギー社会の実現に向けた大きな障害の一つとなっている。水素と比べて低コストでの輸送・貯蔵が可能なアンモニアは、分解反応により比較的容易に水素を生成することが知られており、この反応を効率的に進行させることができればアンモニアは水素キャリアとして有望な物質となり得る。そのため、アンモニア分解を触媒により効率的に進行させる技術は、海外で製造された安価なアンモニアを輸送してより安価な水素を製造・使用することを可能とし、産業上非常に有益な技術である。
アンモニア分解の触媒としては、貴金属系触媒としてルテニウムを含む触媒、非貴金属系触媒としてニッケル、コバルト、鉄を含有する触媒の2通りに大別される。一般に貴金属系触媒の方が高活性であることが知られているが、より安価な非貴金属系触媒がコスト面で有利であり、非貴金属系触媒の高活性化が望まれている。
このような背景から、非貴金属系のアンモニア分解触媒の例として、ランタン−ストロンチウム−コバルト3元系の触媒が開示されている(例えば特許文献1参照)。
また、セリアジルコニアに対し、コバルトまたはニッケルを担持し、さらにアルカリ金属またはアルカリ土類金属を添加した触媒が開示されている(例えば特許文献2参照)。
さらに、ニッケルを酸化イットリウム等の希土類酸化物に担持した触媒が開示されている(例えば非特許文献1参照)。
特開2012−254419号公報 特開2010−94668号公報
大藏要、室山広樹、松井敏明、江口浩一、"希土類酸化物担持Ni触媒を用いたアンモニア分解反応",第112回触媒討論会予稿集,1,2013年,p.61
上記特許文献1は、ストロンチウム含有量が高く、かつペロブスカイト構造を有する前駆体を経由するという特殊な場合においてのみ高いアンモニア分解活性を示す触媒が示されており、汎用性の高い技術とは言えない。また特許文献2では、高活性触媒の構成要素とされているストロンチウムについては、活性向上の効果が見られていない。さらに、非特許技術文献1では、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属添加については言及されていない。
このように、非貴金属系触媒について、(1)非貴金属成分であるニッケル、コバルト、鉄、(2)アルカリ金属またはアルカリ土類金属成分、(3)希土類酸化物類の3つ構成成分について、それぞれ活性向上の効果は知られているが、従来以上に効率的にアンモニア分解し得る組み合わせや組成は未だ明らかにされておらず、汎用性の高い技術として確立されてはいない。
このような状況に鑑み、本発明では、アンモニアを含有する原料から、触媒を用いて効率的に水素を製造する製造方法及び水素製造用触媒を提供することを課題とする。
本発明者らは上記の課題に鑑み鋭意検討した結果、上述の課題に対し、ニッケル、コバルト、鉄から選ばれる1種以上の元素(A)、ストロンチウム、バリウムから選ばれる1種以上の元素(B)、およびランタン、イットリウムから選ばれる1種以上の元素(C)を構成要素として含み、かつ元素(B)を元素(B)の酸化物として換算した場合に0.1質量%〜15質量%の範囲で含有する触媒(X)に、アンモニアを含有する原料ガスを接触させて水素製造を行うことにより、同技術を工業的なレベルにまで向上させ、より汎用性の高い技術として本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明には以下の事項が含まれる。
[1]ニッケル、コバルト及び鉄から選ばれる1種以上の元素(A)、ストロンチウム及びバリウムから選ばれる1種以上の元素(B)、並びにランタン及びイットリウムから選ばれる1種以上の元素(C)を含み、かつ元素(B)を、元素(B)の酸化物換算で0.1質量%〜15質量%の範囲で含有する触媒(X)に、アンモニアを含有する原料ガスを接触させる工程を有する水素の製造方法。
[2]前記元素(C)がイットリウムである、[1]に記載の水素の製造方法。
[3]前記元素(A)がニッケルである、[1]又は[2]に記載の水素の製造方法。
[4]前記元素(B)がストロンチウムである[1]〜[3]のいずれか1つに記載の水素の製造方法。
[5]前記原料ガスがアンモニアを気体として50体積%以上100体積%以下で含む、[1]〜[4]のいずれか1つに記載の水素の製造方法。
[6]前記触媒(X)に前記原料ガスを接触させる際の触媒層の温度が300℃〜900℃である、[1]〜[5]のいずれか1つに記載の水素の製造方法。
[7]ニッケル、コバルト及び鉄から選ばれる1種以上の元素(A)、ストロンチウム及びバリウムから選ばれる1種以上の元素(B)、並びにランタン及びイットリウムから選ばれる1種以上の元素(C)を構成元素として含み、かつ元素(B)の含有量が、元素(B)の酸化物換算で0.1質量%〜15質量%の範囲で含有であり、アンモニアを含有する原料ガスを分解して水素を製造することに用いられる水素製造用触媒。
本発明によれば、アンモニアを含有する原料から効率的に水素が製造される水素の製造方法及び水素製造用触媒が提供される。
以下、実施の形態に係る、触媒を用いてアンモニアを含有する原料からの水素の製造方法、およびアンモニアを含有する原料から水素を製造する水素製造用触媒について詳細に説明する。
実施の形態に係る水素の製造方法は、アンモニアを含有する原料を、上記触媒(X)に接触させて分解し(アンモニア分解反応)、水素を製造するものである。以下、原料、触媒組成、触媒調製方法、反応様式、反応条件および生成物について順次詳細に説明する。
また、本明細書中、数値範囲を表す「〜」はその上限及び下限の数値を含む範囲を表す。
〔原料ガス〕
本発明に係るアンモニア分解反応に用いる原料ガスについては特に制限は無く、アンモニアを含んでいればアンモニア以外の成分を含んでいてもよい。
原料中のアンモニア濃度には特に制限は無いが、アンモニア濃度としては、1体積%〜100体積%の範囲内であることが好ましく、20体積%〜100体積%の範囲内であることがより好ましく、50体積%〜100体積%の範囲内であることがさらに好ましく、90体積%〜100体積%の範囲内であることが最も好ましい。
アンモニア以外の成分としては特に制限はないが、具体的にはヘリウム、窒素、アルゴン、水蒸気、二酸化炭素、一酸化炭素、水素、炭化水素類、などが挙げられる。中でもヘリウム、窒素、アルゴンが好ましい。
〔触媒の組成〕
本発明におけるアンモニア分解触媒である上記触媒(X)は、元素(A)、元素(B)及び元素(C)を構成成分として含み、加えてそれ以外の構成成分を含んでいてもよいものとする。
元素(A)はニッケル、コバルト及び鉄の3つの元素より選ばれる少なくとも1種の元素であり、好ましくは上記3つの元素より選ばれる1種または2種の元素であり、より好ましくは上記3つの元素より選ばれる1種の元素である。元素(A)が上記3つの元素より選ばれる1種の元素である場合については、元素(A)はニッケル、コバルトより選ばれる1種の元素であることが好ましく、ニッケルであることがより好ましい。また、元素(A)が上記3つの元素より選ばれる2種の元素である場合については、元素(A)はニッケルとコバルトであることが好ましい。
アンモニア分解反応時の反応条件下における元素(A)の化学的な形態については特に制限は無く、元素(A)を含んでいれば他の元素を同時に含んだ形態として存在していてもよい。元素(A)の化学的な形態として具体的には、単体金属、窒化物、酸化物、複合酸化物、炭化物、水酸化物およびこれらの混合物等が挙げられ、中でも単体金属、窒化物、酸化物、複合酸化物、およびこれらの混合物が好ましく、さらには単体金属、窒化物、酸化物、複合酸化物、およびこれらの混合物がより好ましい。元素(A)を含む化合物としてより具体的には、ニッケル金属、酸化ニッケル(NiO)、窒化ニッケル(Ni3N)、コバルト金属、酸化コバルト(CoO, Co3O4)、窒化コバルト(CoxNy)が挙げられ、中でもニッケル金属、コバルト金属が好ましい。
アンモニア分解反応時の反応条件下における元素(B)の化学的な形態については特に制限は無く、元素(B)を含んでいれば他の元素を同時に含んだ形態として存在していてもよい。好ましい化学的な形態としては酸化物または複合酸化物が挙げられ、中でも酸化ストロンチウム(SrO)、酸化バリウム(BaO)、およびその混合物が好ましい。また元素(B)は複数の形態の混合体として存在していても良いが、触媒に含まれる全ての元素(B)のうち30質量%〜100質量%が酸化物または複合酸化物であることが特に好ましい。酸化物または複合酸化物以外の形態として具体的には窒化物および水酸化物などが挙げられる。
元素(C)はイットリウム及びランタンの2つの元素より選ばれる少なくとも1種の元素であり、この中でもより好ましい元素はイットリウムである。
アンモニア分解反応時の反応条件下における元素(C)の化学的な形態については特に制限は無く、元素(C)を含んでいれば他の元素を同時に含んだ形態として存在していてもよい。好ましい化学的な形態としては酸化物または複合酸化物が挙げられ、中でも酸化イットリウム(Y2O3)、酸化ランタン(La2O3)、およびその混合物が好ましい。また元素(C)は複数の形態の混合体として存在していてもよいが、触媒に含まれる全ての元素(C)のうち30質量%〜100質量%が酸化物または複合酸化物であることが好ましい。酸化物または複合酸化物以外の形態として具体的には窒化物および水酸化物などが挙げられる。
アンモニア分解反応時の反応条件下において、触媒に含まれる元素(B)および元素(C)はそれぞれ異なる化学的な形態を有していてもよいが、元素(B)および元素(C)からなる複合酸化物を形成していてもよい。複合酸化物の構造には特に制限は無いが、具体的にはぺロブスカイト型酸化物、蛍石型酸化物、スピネル型酸化物等が挙げられる。なお、元素(C)がイットリウムである場合には、元素(C)がランタンである場合と比較してイオン半径が小さいためペロブスカイト構造は形成し難い。
上記それ以外の構成成分については特に制限は無い。具体的には、アルカリ金属元素、ストロンチウムおよびバリウム以外のアルカリ土類金属元素、ランタンおよびイットリウム以外の希土類元素、4族元素、鉄以外の8属元素、コバルト以外の9属元素、ニッケル以外の10族元素、アルミニウム、炭素、ケイ素、窒素、酸素などが挙げられる。また、これらの化学的な形態および触媒(X)中の含有量いずれについても特に制限は無い。
触媒(X)に含まれる元素(A)、元素(B)、および元素(C)の量について、元素(A)については単体金属換算で、元素(B)および元素(C)については酸化物換算で算出すると以下の範囲が好ましい。更に、それぞれの含有量の算出方法について、以下に詳細を説明する。
触媒(X)に含まれる元素(A)の量は、含有する全ての元素(A)が単体金属として存在すると仮定して算出する。含有する元素(A)の合計量には特に制限は無いが、元素(A)の単体金属として、0.01質量%〜80質量%であることが好ましく、1質量%〜50質量%であることがより好ましく、30質量%〜50質量%であることがさらに好ましい。
触媒(X)に含まれる元素(B)の量は、含有する全ての元素(B)が酸化物として存在すると仮定して算出する。含有する元素(B)の合計量は元素(B)の酸化物として0.1質量%〜15質量%の範囲であれば特に制限は無いが、1質量%〜15質量%の範囲にあることが好ましく、2質量%〜12質量%の範囲にあることがより好ましく、2質量%〜9質量%の範囲にあることがより好ましく、2質量%〜7質量%の範囲にあることがさらに好ましく、3質量%〜7質量%の範囲が最も好ましい。
触媒(X)に含まれる元素(B)としてストロンチウムのみを含有する場合には、1質量%〜15質量%の範囲にあることが好ましく、2質量%〜15質量%の範囲にあることがより好ましく、2質量%〜12質量%の範囲にあることがより好ましく、2質量%〜9質量%の範囲にあることがより好ましく、2質量%〜7質量%の範囲にあることがさらに好ましく、3質量%〜7質量%の範囲が最も好ましい。また、元素(B)としてバリウムのみを含有する場合には、1質量%〜15質量%の範囲にあることが好ましく、2質量%〜12質量%の範囲にあることがより好ましく、2質量%〜9質量%の範囲にあることがより好ましく、2質量%〜7質量%の範囲にあることがより好ましく、3質量%〜7質量%の範囲にあることがさらに好ましく、4質量%〜6質量%の範囲が最も好ましい。
触媒(X)に含まれる元素(C)の量は、含有する全ての元素(C)が酸化物として存在すると仮定して算出する。含有する元素(C)の合計量には特に制限は無いが、元素(C)の酸化物として0.01質量%〜97質量%であることが好ましく、0.1質量%〜85質量%であることがより好ましく、15質量%〜75質量%であることがさらに好ましい。さらに好ましい範囲は15質量%〜60質量%であり、最も好ましい範囲は52重質量%〜60質量%である。
触媒(X)に含まれる元素(B)のモル数と元素(A)のモル数の比率((B)/(A))は、0.01〜0.21が好ましく、より好ましくは0.02〜0.15であり、最も好ましいのは0.02〜0.12である。
触媒(X)に含まれる元素(B)としてストロンチウムのみを含有する場合には、元素(B)のモル数と元素(A)のモル数の比率((B)/(A))は、0.01〜0.21が好ましく、0.02〜0.15がより好ましく、0.04〜0.14がより好ましく、0.02〜0.12がさらに好ましく、0.04〜0.1が最も好ましい。また、元素(B)としてバリウムのみを含有する場合には、0.01〜0.21が好ましく、0.01〜0.15がより好ましく、0.02〜0.15がより好ましく、0.02〜0.12がより好ましく、0.02〜0.1がさらに好ましく、0.02〜0.08が最も好ましい。
〔触媒の調製方法〕
アンモニア分解触媒である触媒(X)は、前記した性状を満たす限り、その調製方法については特に制限は無い。触媒(X)の調製に用いる手法としては主に、固体成分を溶液成分に浸漬させて調製する含浸法、気体成分を固体成分と接触させる蒸着法、溶液成分から固体成分を沈殿させる沈殿法、複数種の固体成分を混合する固相混合法、の4種の手法が挙げられる。
上記含浸法について、固体成分を溶液成分に浸漬させて調製する手法であれば公知の手法が特に制限無く用いられる。具体的には、ポアフィリング法、インシピエント・ウェットネス(incipient wetness)法、平衡吸着法、蒸発乾固法、噴霧乾燥法、沈着法、およびイオン交換法などが挙げられる。また使用する溶液成分については組成および濃度について特に制限は無く、複数の成分を含んでいてもよい。
上記蒸着法について、気体成分を固体成分と接触させて調製する手法であれば公知の手法が特に制限無く用いられる。具体的には、化学蒸着法、真空蒸着法、スパッタリング法等が挙げられる。また使用する溶液成分については組成について特に制限は無く、複数の成分を含んでいても良く、また不活性な同伴ガスを含んでいてもよい。
上記沈殿法について、溶液成分から固体成分を沈殿させて調製する手法であれば公知の手法が特に制限無く用いられる。具体的には、1種類のカチオンを含む溶液から沈殿剤添加により同カチオンの難溶性塩を沈殿させる一般的な沈殿法に加え、2種類以上のカチオンを含む溶液から沈殿剤添加により複数の難溶性塩を同時に沈殿させる共沈法、溶液中の溶質を加水分解および縮重合により沈殿させるゾルゲル法などが挙げられる。共沈法を用いる場合について、アルカリ土類金属である元素(B)のカチオンを含む場合については、同カチオンが一般に沈殿し難いため、クエン酸やシュウ酸等の多価カルボン酸を沈殿促進剤として加えてもよい。
上記固相混合法について、複数種の固体成分を混合して調製する手法であれば公知の手法が特に制限無く用いられる。具体的には、複数種の固体成分を反応を伴わずに物理的に混合するだけの物理混合法、複数種の固体成分を混合し高温処理等により反応させて複合化させる固相合成法などが挙げられる。
上記4種の手法(含浸法、蒸着法、沈殿法、固相合成法)を用いて触媒(X)を調製する場合について、4種の中から複数の手法を組み合わせて用いてもよく、また同じ手法を複数回用いてもよい。具体的な調製方法として以下(1)〜(3)の3つの方法が挙げられる。
(1)元素(C)を含む固体成分に対し、元素(A)および元素(B)を含む溶液成分を用いて含浸法により担持し触媒(X)とする。
(2)元素(A)、元素(B)、元素(C)を含む溶液成分から沈殿法により元素(A)、元素(B)、元素(C)を含む固体成分を沈殿させ触媒(X)とする。
(3)元素(A)を含む固体成分、元素(B)を含む固体成分、および元素(C)を含む固体成分を固相混合法により混合し触媒(X)とする。
(1)および(3)の調製方法で用いる固体成分については特に制限は無い。具体的には、市販品や、元素(A)、元素(B)、または元素(C)を含む溶液から沈殿法により調製した固体成分、などを用いる。(1)および(3)の調製方法で用いる固体成分の化学的な形態に特に制限は無いが、それぞれの元素の酸化物が好ましい形態として挙げられる。
(1)および(2)の調製方法で用いる溶液成分についても特に制限は無いが、元素(A)、元素(B)、および元素(C)を含有する水溶性化合物を水に溶解させ調製した水溶液を用いるのが好ましい。また溶液成分として水溶液を用いた場合について、沈殿剤としてアルカリ性化合物を用いるのが好ましい。アルカリ性化合物として具体的には、アンモニア、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、およびこれらの水溶液などが挙げられ、尿素を溶液中で分解しアンモニアを発生させる方法を用いてもよい。
触媒(X)の調製過程で取り扱う固体成分について、必要に応じて酸化雰囲気での焼成処理および還元雰囲気での還元処理のうちどちらか一方、または両方を施してもよい。該焼成処理および該還元処理は、上記触媒の調製法において、それぞれの調製におけるすべての工程(全触媒調製工程)での最初、途中、および全触媒調製工程の最後のいずれで実施してもよく、また複数回実施してもよい。中でも特に、全触媒調製工程の最後に該焼成処理および該還元処理を順に実施することが好ましい。
酸化雰囲気としては、例えば空気下や酸素と窒素の混合ガス下などが挙げられるが、特にこれに限定されるものではない。還元雰囲気としては、例えば水素雰囲気下、一酸化炭素雰囲気下、一酸化窒素雰囲気下などが挙げられるが、特にこれに限定されるものではない。
全触媒調製工程の最後に該焼成処理および該還元処理を順に実施する場合について、それぞれの処理条件には特に制限は無い。焼成処理温度は100℃〜1200℃の範囲が好ましく、400℃〜900℃範囲がより好ましい。焼成処理時間は0.1時間〜48時間の範囲が好ましく、0.5時間〜24時間の範囲がより好ましい。還元処理温度は100℃〜1200℃の範囲が好ましく、400℃〜900℃範囲がより好ましい。還元処理時間は0.1時間〜48時間の範囲が好ましく、0.5時間〜24時間の範囲がより好ましい。また、該焼成処理および該還元処理のどちらか一方、または両方をアンモニア分解反応器内において、反応前に実施し、そのまま反応に用いてもよい。
触媒(X)の形態については特に制限は無く、粉体のまま触媒として用いてもよいが、必要に応じて成形触媒として用いてもよく、粉体または成形触媒いずれの場合でも反応器内で触媒層を形成させて用いることができる。成形触媒としては、粉体触媒を加圧・圧縮した凝集塊もしくはこの凝集塊を適当な粒径に破砕した圧縮成形体、粉体触媒を打錠機により一定の形状に圧縮固形化した打錠成形体、粉体触媒を球状担体にコーティングした球状成形体、粉体触媒をハニカム担体にコーティングしたハニカム成形体、粉体触媒にバインダーを加え混練・押出した押出成形体、等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
上記成形触媒について、賦孔剤を加えて成形し、焼成処理を施すことにより細孔を形成させてもよい。賦孔剤としては、焼成処理により容易に除去されるカルボキシメチルセルロース、ポリスチレン等が挙げられるが、特にこれに限定されるものではない。
本発明に係る触媒(X)、および全触媒調製工程の最後に還元処理を行う場合の還元処理前の触媒(X)の前駆体について、化学的な形態には特に制限は無い。上記のように調製された触媒(X)および還元処理前の触媒(X)前駆体について、元素(A)、元素(B)、元素(C)はぺロブスカイト構造を形成する場合もあるが、本発明で得られる効果は該ぺロブスカイト構造の有無には特に影響を受けない。
元素(A)の原料としては、元素(A)を含んでいる化合物であればく、特に制限は無い。具体的には、ニッケルの原料としては硝酸ニッケル(II)、酸化ニッケル(II)、塩化ニッケル(II)、水酸化ニッケル(II)、硫酸ニッケル(II)、酢酸ニッケル(II)、炭酸ニッケル(II)、塩基性炭酸ニッケル(II)、金属ニッケルなど、コバルトの原料としては硝酸コバルト(II)、酸化コバルト(II)、塩化コバルト(II)、水酸化コバルト(II)、硫酸コバルト(II)、酢酸コバルト(II)、炭酸コバルト(II)、塩基性炭酸コバルト(II)、金属コバルトなど、鉄の原料としては硝酸鉄(II)、硝酸鉄(III)、酸化鉄(II)、酸化鉄(III)、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、水酸化鉄(II)、水酸化鉄(III)、硫酸鉄(II)、硫酸鉄(III)、酢酸鉄(II)、塩基性酢酸鉄(III)、炭酸鉄(II)、金属鉄などが挙げられる。
元素(B)の原料としては、元素(B)を含んでいる化合物であればく、特に制限は無い。具体的には、ストロンチウムの原料としては硝酸ストロンチウム、酸化ストロンチウム、塩化ストロンチウム、水酸化ストロンチウム、硫酸ストロンチウム、酢酸ストロンチウム、炭酸ストロンチウムなど、バリウムの原料としては硝酸バリウム、酸化バリウム、塩化バリウム、水酸化バリウム、硫酸バリウム、酢酸バリウム、炭酸バリウムなどが挙げられる。
元素(C)の原料としては、元素(C)を含んでいる化合物であればよく、特に制限は無い。具体的には、イットリウムの原料としては硝酸イットリウム、酸化イットリウム、塩化イットリウム、硫酸イットリウム、酢酸イットリウム、炭酸イットリウムなど、ランタンの原料としては硝酸ランタン、酸化ランタン、塩化ランタン、水酸化ランタン、硫酸ランタン、酢酸ランタン、炭酸ランタンなどが挙げられる。
〔反応様式〕
本発明の製造方法を実施するための反応様式としては、固定床式、流動床式および移動床式など特に限定されないが、固定床式が好適である。また固定床式反応器について既知のあらゆる形式を用いることができ、具体的な形式としては触媒充填層型反応器、触媒膜型反応器などが挙げられる。
反応器の加熱方法にも特に制限は無く、電気ヒーター加熱、バーナー加熱、ケロシンや溶融塩等の熱媒加熱など既知のあらゆる方法を用いることができる。
原料ガス供給様式に特に制限は無く、精製ガスとして供給しても良いが、ハーバーボッシュ法によるアンモニア合成プラントや、排ガスにアンモニアを含む有機性廃棄物処理プラントなど、アンモニアを生成するプロセスからの生成ガスを直接供給してもよい。
〔反応条件〕
(反応温度)
前記触媒(X)に前記原料ガスを接触させる際の触媒の温度としては、200℃〜1000℃の範囲内であることが好ましく、300℃〜900℃の範囲内であることがより好ましく、400℃〜800℃の範囲内であることが最も好ましい。
(反応ガス成分)
アンモニア分解反応に使用する前記原料ガスはそのまま触媒に供給してもよいが、必要に応じてその他のガスを同伴させた反応ガスとして供給してもよい。同伴させるガスとしては、例えば窒素、アルゴン、ヘリウム、水素、一酸化炭素、水蒸気などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
(反応圧力)
反応器内の反応ガスの圧力については、アンモニア分圧として0.001MPa〜3MPaの範囲内であることが好ましく、0.05MPa〜1MPaの範囲内であることがより好ましく、0.05MPa〜0.2MPaの範囲内であることが最も好ましい。また、反応ガスの全圧としては、0.001MPa〜3MPaの範囲内であることが好ましく、0.05MPa〜1MPaの範囲内であることがより好ましく、0.05MPa〜0.2MPaの範囲内であることが最も好ましい。
(接触時間)
原料と触媒との接触時間について特に制限は無いが、下記式(1)で定義される触媒重量当たりの重量空間速度(SV)として1000(Ncc/g/h)〜100000(Ncc/g/h)の範囲内で反応を実施することが好ましく、3000(Ncc/g/h)〜100000(Ncc/g/h)の範囲内で反応を実施することがより好ましい。なお原料供給量は、単位時間当たりに供給される、標準状態でのアンモニア気体の体積(Ncc)として表記する。
(SV[Ncc/g/h])=(原料供給量[Ncc/h])/(触媒質量[g])・・・(1)
〔生成物〕
本発明に係るアンモニア分解反応の結果得られる生成物について特に制限は無く、水素を含んでいれば水素以外の成分を含んでいてもよい。生成物中の水素濃度に特に制限は無いが、一般的なアンモニア分解ではアンモニア2分子から水素3分子および窒素1分子が生成するため、原料に窒素および水素が含まれていない場合には、生成物中に窒素と水素が1:3の体積比で含まれるのが一般的と言える。また、生成物中にアンモニアを含んでいても良いが、80体積%以下であることが好ましく、50体積%以下であることがさらに好ましく、10体積%以下であることが最も好ましい。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何らの制限を受けるものではない。
[触媒調製例1]Ni-Y2O3
3.96gの硝酸ニッケル六水和物(和光純薬工業株式会社製)を蒸留水に溶解して調製した溶液に、1.20gの酸化イットリウム(和光純薬工業株式会社製)を加えて十分に攪拌し、80℃のウォーターバスを用いて蒸発乾固した。得られた固体成分を、空気下600℃で5時間焼成を行いNi-Y2O3を調製した。
[触媒調製例2]3%SrO-Ni-Y2O3
0.12gの硝酸ストロンチウム(和光純薬工業株式会社製)および3.96gの硝酸ニッケル六水和物を蒸留水に溶解して調製した溶液に、1.14gの酸化イットリウムを加えて十分に攪拌し、80℃のウォーターバスを用いて蒸発乾固した。得られた固体成分を、空気下600℃で5時間焼成を行い5%SrO-Ni-Y2O3を調製した。
[触媒調製例3]5%SrO-Ni-Y2O3
硝酸ストロンチウムを0.20g、酸化イットリウムを1.10g使用した以外は触媒調製例2と同様にして、5%SrO-Ni-Y2O3を調製した。
[触媒調製例4]8%SrO-Ni-Y2O3
硝酸ストロンチウムを0.33g、酸化イットリウムを1.04g使用した以外は触媒調製例2と同様にして、8%SrO-Ni-Y2O3を調製した。
[触媒調製例5]10%SrO-Ni-Y2O3
硝酸ストロンチウムを0.41g、酸化イットリウムを1.00g使用した以外は触媒調製例2と同様にして、10%SrO-Ni-Y2O3を調製した。
[触媒調製例6]20%SrO-Ni-Y2O3
硝酸ストロンチウムを0.82g、酸化イットリウムを0.80g使用した以外は触媒調製例2と同様にして、20%SrO-Ni-Y2O3を調製した。
[触媒調製例7]5%BaO-Ni-Y2O3
硝酸ストロンチウム0.20gの代わりに0.17gの硝酸バリウム(和光純薬工業株式会社製)を使用した以外は触媒調製例3と同様にして、5%BaO-Ni-Y2O3を調製した。
[触媒調製例8]20%BaO-Ni-Y2O3
硝酸ストロンチウム0.82gの代わりに0.68gの硝酸バリウムを使用した以外は触媒調製例6と同様にして、20%BaO-Ni-Y2O3を調製した。
[触媒調製例9]5%MgO-Ni-Y2O3
硝酸ストロンチウム0.20gの代わりに0.64gの硝酸マグネシウム六水和物(和光純薬工業株式会社製)を使用した以外は触媒調製例3と同様にして、5%MgO-Ni-Y2O3を調製した。
[触媒調製例10]5%CaO-Ni-Y2O3
硝酸ストロンチウム0.20gの代わりに0.42gの硝酸カルシウム四水和物(和光純薬工業株式会社製)を使用した以外は触媒調製例3と同様にして、5%CaO-Ni-Y2O3を調製した。
[触媒調製例11]5%SrO-Ni-La2O3
酸化イットリウム1.10gの代わりに1.10gの酸化ランタン(信越化学工業株式会社製)を使用した以外は触媒調製例3と同様にして、5%SrO-Ni-La2O3を調製した。
[触媒調製例12]Ni-La2O3
酸化イットリウム1.20gの代わりに酸化ランタン1.20gを使用した以外は触媒調製例1と同様にして、Ni-La2O3を調製した。
[触媒調製例13]20%SrO-Ni-La2O3
酸化イットリウム0.80gの代わりに0.80gの酸化ランタンを使用した以外は触媒調製例6と同様にして、20%SrO-Ni-La2O3を調製した。
[触媒調製例14]5%SrO-Ni-Al2O3
酸化イットリウム1.10gの代わりに1.10gの酸化アルミニウム(住友化学株式会社製)を使用した以外は触媒調製例3と同様にして、5%SrO-Ni-Al2O3を調製した。
[実施例1]活性評価:アンモニア分解反応
触媒調製例2で調製した3%SrO-Ni-Y2O3について、固定床流通式反応装置を用いてアンモニア分解反応を行い活性を評価した。3%SrO-Ni-Y2O3 0.30gを反応管に充填し、ヘリウム流通下で600℃まで昇温させた。次いでヘリウム希釈した50体積%水素を50Ncc/minの流量で反応管に流通させながら600℃、全圧0.10MPaで2時間流通させ還元処理を行った。還元処理後、ガスを100体積%ヘリウムに切替え、500℃に降温し、全圧0.10MPaにおいて流通ガスを100体積%アンモニアガスに切り替え、30Ncc/minの流量で反応管に流通させてアンモニア分解反応を行った。
アンモニア分解率は以下の式を用いて算出し、分解率は75%となった。
アンモニア分解率(%)=(水素生成量+窒素生成量)/(2×アンモニア供給量)×100
[実施例2]
触媒として、触媒調製例3で調製した5%SrO-Ni-Y2O3 0.30gを用いた以外は実施例1と同様にして、アンモニア分解反応により活性評価した。
アンモニア分解率は81%となった。
[実施例3]
触媒として、触媒調製例4で調製した8%SrO-Ni-Y2O3 0.30gを用いた以外は実施例1と同様にして、アンモニア分解反応により活性評価した。
アンモニア分解率は72%となった。
[実施例4]
触媒として、触媒調製例5で調製した10%SrO-Ni-Y2O3 0.30gを用いた以外は実施例1と同様にして、アンモニア分解反応により活性評価した。
アンモニア分解率は65%となった。
[比較例1]
触媒として、触媒調製例1で調製したNi-Y2O3 0.30gを用いた以外は実施例1と同様にして、アンモニア分解反応により活性評価した。
アンモニア分解率は64%となった。
[比較例2]
触媒として、触媒調製例6で調製した20%SrO-Ni-Y2O3 0.30gを用いた以外は実施例1と同様にして、アンモニア分解反応により活性評価した。
アンモニア分解率は40%となった。
実施例1〜3のいずれのアンモニア分解率も、比較例1および2の分解率より高いことから、ストロンチウム添加によりNi/Y2O3のアンモニア分解活性は向上し、かつ好適なストロンチウム添加量が酸化ストロンチウムとして0.1質量%〜15質量%の範囲内にあることが示された。
[実施例5]
触媒として、触媒調製例7で調製した5%BaO-Ni-Y2O3 0.30gを用いた以外は実施例1と同様にして、アンモニア分解反応により活性評価した。
アンモニア分解率は76%となった。
[比較例3]
触媒として、触媒調製例8で調製した20%BaO-Ni-Y2O3 0.30gを用いた以外は実施例1と同様にして、アンモニア分解反応により活性評価した。
アンモニア分解率は45%となった。
[比較例4]
触媒として、触媒調製例9で調製した5%MgO-Ni-Y2O3 0.30gを用いた以外は実施例1と同様にして、アンモニア分解反応により活性評価した。
アンモニア分解率は60%となった。
[比較例5]
触媒として、触媒調製例10で調製した5%CaO-Ni-Y2O3 0.30gを用いた以外は実施例1と同様にして、アンモニア分解反応により活性評価した。
アンモニア分解率は43%となった。
実施例2および実施例5のいずれのアンモニア分解率も比較例1、比較例4、および比較例5の分解率より高いことから、Ni/Y2O3への添加物として、ストロンチウムおよびバリウムはアンモニア分解活性の向上に効果があるが、マグネシウムおよびカルシウムには効果が無いことが示された。また、実施例5のアンモニア分解率が比較例3の分解率より高いことから、アンモニア分解活性向上に好適なバリウム添加量が酸化バリウムとして0.1質量〜15質量%の範囲内にあることが示された。
[実施例6]
触媒として、触媒調製例11で調製した5%SrO-Ni-La2O3 0.30gを用いた以外は実施例1と同様にして、アンモニア分解反応により活性評価した。
アンモニア分解率は69%となった。
[比較例6]
触媒として、触媒調製例12で調製したNi-La2O3 0.30gを用いた以外は実施例1と同様にして、アンモニア分解反応により活性評価した。
アンモニア分解率は42%となった。
[比較例7]
触媒として、触媒調製例13で調製した20%SrO-Ni-La2O3 0.30gを用いた以外は実施例1と同様にして、アンモニア分解反応により活性評価した。
アンモニア分解率は45%となった。
[比較例8]
触媒として、触媒調製例14で調製した5%SrO-Ni-Al2O3 0.30gを用いた以外は実施例1と同様にして、アンモニア分解反応により活性評価した。
アンモニア分解率は46%となった。
実施例6のアンモニア分解率が比較例6の分解率より高いことから、ストロンチウム添加によりNi/La2O3のアンモニア分解活性は向上することが示された。実施例6のアンモニア分解率が比較例7の分解率より高いことから、Ni/La2O3の添加物としてアンモニア分解活性向上に好適なストロンチウム添加量が、酸化ストロンチウムとして0.1質量〜15質量%の範囲内にあることが示された。また、実施例2および実施例6いずれのアンモニア分解率も比較例8の分解率より高いことから、Ni/Y2O3およびNi/La2O3において見られたストロンチウム添加によるアンモニア分解活性の向上は、Ni/Al2O3では見られないことが示された。
水素を燃料などのエネルギー源として利用する分野に好適に適用することができる。

Claims (7)

  1. ニッケル、コバルト及び鉄から選ばれる1種以上の元素(A)、ストロンチウム及びバリウムから選ばれる1種以上の元素(B)、並びにランタン及びイットリウムから選ばれる1種以上の元素(C)を含み、かつ元素(B)を、元素(B)の酸化物換算で0.1質量%〜15質量%の範囲で含有する触媒(X)に、アンモニアを含有する原料ガスを接触させる工程を有する水素の製造方法。
  2. 前記元素(C)がイットリウムである請求項1に記載の水素の製造方法。
  3. 前記元素(A)がニッケルである請求項1又は請求項2に記載の水素の製造方法。
  4. 前記元素(B)がストロンチウムである請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の水素の製造方法。
  5. 前記原料ガスがアンモニアを気体として50体積%以上100体積%以下で含む請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の水素の製造方法。
  6. 前記触媒(X)に前記原料ガスを接触させる際の前記触媒(X)の温度が300℃〜900℃である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の水素の製造方法。
  7. ニッケル、コバルト及び鉄から選ばれる1種以上の元素(A)、ストロンチウム及びバリウムから選ばれる1種以上の元素(B)、並びにランタン及びイットリウムから選ばれる1種以上の元素(C)を含み、かつ元素(B)の含有量が、元素(B)の酸化物換算で0.1質量%〜15質量%の範囲であり、アンモニアを含有する原料ガスを分解して水素を製造することに用いられる水素製造用触媒。
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