JP2016060202A - ポリオレフィン系繊維強化樹脂積層シート及びその製造方法 - Google Patents

ポリオレフィン系繊維強化樹脂積層シート及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】立体感と美装感があり、射出成形による部品一体化も可能なポリオレフィン系繊維強化樹脂積層シート及びその製造方法を提供する。【解決手段】本発明のポリオレフィン系繊維強化樹脂積層シート(8)は、コア層(1)の両表面に接着層(2a,2b)を介して積層された織物層(3a,3b)を含み、コア層(1)は着色剤を含むポリプロピレン系樹脂であり、織物層(3a,3b)は第1成分がポリプロピレン、第2成分が前記第1成分より低融点のポリオレフィン成分からなる複合繊維を含む糸で構成され、接着層(2a,2b)は熱融着ポリオレフィン系フィルムであり、織物層(3a,3b)の一方の表面にカバー層(7)が積層されている。【選択図】図1

Description

本発明は、立体感があり、射出成形による部品一体化も可能なポリオレフィン系繊維強化樹脂積層シート及びその製造方法に関する。
従来から、炭素繊維やアラミド繊維などの強化繊維織物を複数枚積層したり、発泡体シートなどと一体化した積層体は知られている。特許文献1には、発泡体からなるコア層の表面に炭素繊維織物層を一体化した積層シートが提案されている。また、炭素繊維織物とアラミド繊維織物とをポリカーボネートフィルムを接着層として一体化した積層体も提案されている(特許文献2)。さらに、中空状芯体の両表面に一方向繊維体を積層することも提案されている(特許文献3)。これらの積層体は軽量で曲げ強度も高い利点がある。
特開2012−096482号公報 特開平5−117411号公報 特開2009−000933号公報
しかし、従来の積層体は炭素繊維、アラミド繊維又は中空状芯体などの高価な材料を使用しており、コストが高いという問題があった。
本発明は、前記従来の問題を解決するため、層間剥離がなく、軽量であり、曲げに対する物理的強度も高く、コストも安価であり、立体感と美装感があり、射出成形による部品一体化も可能なポリオレフィン系繊維強化樹脂積層シート及びその製造方法を提供する。
本発明のポリオレフィン系繊維強化樹脂積層シートは、コア層の両表面に接着層を介して積層された織物層を含むポリオレフィン系繊維強化樹脂積層シートであって、前記コア層は着色剤を含むポリプロピレン系樹脂であり、前記織物層は、第1成分がポリプロピレン、第2成分が前記第1成分より低融点のポリオレフィン成分からなる複合繊維を含む糸で構成され、前記接着層は熱融着ポリオレフィン系フィルムであり、前記織物層の一方の表面にカバー層が積層されていることを特徴とする。
本発明のポリオレフィン系繊維強化樹脂積層シートの製造方法は、前記のポリオレフィン系繊維強化樹脂積層シートの製造方法であって、カバー層用シートと、コアシートの両表面に接着用フィルムを介して織物を配置して加熱加圧し、次いで冷却することを特徴とする。
本発明は、繊維強化樹脂積層シートを構成するコア層、接着層、織物層、カバー層がいずれもオレフィン系樹脂であるため、コストを安価にすると同時に、層間剥離がなく、軽量であり、曲げに対する物理的強度も高く、立体感と美装感のある積層シートを提供できる。また、この積層シートは熱可塑性であり、真空成形、プレス成形、熱変形を利用した曲げ加工成形等に好適である。また、織物層は熱融着ポリオレフィン系フィルムを介してコア層に接着しているため、後に加熱して成形しても織物を構成する繊維の収縮はなく、織物の美しい織柄がそのまま積層シートの表面に現れる成形体とすることができる。さらに、この積層シートは織物層が最外層に存在していることにより、この織物層に対して射出成形による部品一体化も可能な積層シートを提供できる。加えて、コア層は着色されていることにより、外部からの光透過を防止できる。
図1は本発明の一実施態様の積層シートの模式的断面図である。 図2は本発明の一実施態様における積層シートの製造装置を示す模式的断面図である。 図3は本発明の一実施態様の積層シートを真空成形した成形体の模式的斜視図である。
本発明の繊維強化樹脂積層シートは、コア層の両表面に接着層を介して織物層が貼り合わされた繊維強化層を含む。コア層は着色剤を含むポリプロピレン系樹脂である。コア層は着色されていることにより、外部からの光透過を防止できる。コア層を100重量%としたとき、着色剤の添加量は特に限定されるものではないが、0.01〜5.0重量%程度である。着色剤の色調は、白色等任意の色を選択できる。着色剤が白色の場合は、例えば酸化チタン粉末などを使用する。コア層の着色は、織物層と同系色にするのがより好ましい。織物層が白色に見えるのであれば、コア層も白色に着色することにより、より織物層が美麗に表現できる。
コア層のポリプロピレン系樹脂は、ポリプロピレン又はプロピレンを主成分とする樹脂が好ましい。このコア層はシート状又はフィルム状で積層されている。ポリプロピレンシート又はプロピレンを主成分とする樹脂は、実用的に物理的特性を満足し、コストも安い利点がある。前記において主成分とは、樹脂成分全体を100モル%としたとき、プロピレンユニットが50モル%以上をいう。なお、繊維強化樹脂積層シートは単に積層シートということもある。
コア層としてポリプロピレンを用いる場合は、ホモポリマータイプポリプロピレン(HPP)が好ましい。HPPは融点が約160℃で硬度も高く、後の成形加工や部品取り付け加工の際に外観が変化したり、ヒケやシワ等の欠点が発生しにくい。
コア層はプロピレン-エチレンランダムコポリマー(RPP)であっても良い。RPPはプロピレンユニットが50モル%以上、エチレンユニットが50モル%以下のランダムコポリマーで、融点は135〜150℃であり、一般的に市販されている。RPPは熱融着性に優れる利点がある。コア層の好ましい厚さは0.1〜2mmであり、より好ましくは0.2〜1.5mmである。
コア層は非発泡ポリプロピレン系シートを使用するのが好ましい。非発泡ポリプロピレン系シートはプレス成形によってもコア層が潰れることはなく、真空成形、熱変形を利用した曲げ加工成形等も容易にできる。
織物層を構成する複合繊維は、第1成分が芯、第2成分が鞘からなる芯鞘複合繊維であるのが好ましい。具体的には、織物層は芯成分がポリプロピレン、鞘成分が芯成分より低融点のポリオレフィン系成分からなる芯鞘複合繊維を含む糸で構成するのが好ましい。鞘成分に低融点ポリオレフィン系成分することにより、加熱接着しやすくなる。さらに、接着層として熱融着ポリオレフィン系フィルムを使用することにより、コア層と織物層との加熱加圧接着が可能となり、積層一体化しやすい。
芯鞘複合繊維の芯成分がホモポリマーのポリプロピレンであり、鞘成分がプロピレン-エチレンランダムコポリマー(RPP)、ポリプロピレンとポリエチレンのブレンド物又はポリエチレン樹脂であるのが好ましい。これによりさらに加熱接着しやすくなる。
熱融着ポリオレフィン系フィルムは低密度ポリエチレン(LLDPE)又はRPPであるのが好ましい。LLDPEやRPPは熱加工性、接着性、透明性に優れる。
織物は平織、綾織(斜文織)、朱子織、その他の変化織など、どのような組織の織物であっても良い。織物を構成する糸は、単繊維繊度が1〜10deci tex、トータル繊度が1000〜3000deci texのマルチフィラメント又はモノフィラメントが好ましい。織物の単位面積当たりの重量(目付)は50〜500g/m2の範囲が好ましい。
本発明の積層シートは、繊維強化層の一方の表層に好ましくは接着層を介してカバー層を積層一体化させたものである。このカバー層は、外部から織物層が見える程度の透明性があるのが好ましい。外部から織物層が見えると高強度に見え、美装状態を高く保つことができる。この意味から、光学的カバー層ということもできる。カバー層は、ポリプロピレン系樹脂シート透明層と着色層とポリプロピレン系樹脂シート保護層で構成するのが好ましい。かかる透明カバー層のうち、ポリプロピレン系樹脂シート透明層は比較的厚いシートが好ましく、例えば100〜300μm、好ましくは150〜250μmの厚さにする。このようにすると、立体感と厚み感を発揮できる。
ポリプロピレン系樹脂シート透明層は、ホモポリマータイプポリプロピレン(HPP)とプロピレン−エチレンランダムコポリマー(RPP)のブレンド物又はポリマーアロイであるのが好ましい。また、透明層を100重量%としたとき、ホモポリマータイプポリプロピレン(HPP)とプロピレン−エチレンランダムコポリマー(RPP)が、HPP:RPP=50:50〜90:10の範囲が好ましく、さらに好ましくはHPP:RPP=60:40〜80:20である。前記の範囲であればランダムタイプポリプロピレン(RPP)の非晶質による高い透明性と、ホモポリマータイプポリプロピレン(HPP)の耐摩耗性を併存できる。
透明層の上には着色層を形成するのが好ましい。着色層は外面の美装のためのものであり、透明性を維持するために着色塗料を薄く塗るのが好ましい。着色層の好ましい厚さは0.1〜2μm、さらに好ましくは0.2〜1μmである。着色層は任意の色調を選択できる。着色層の上にはプロピレン系樹脂シート保護層を設けるのが好ましい。この保護層は、2軸延伸されたポリプロピレン系樹脂シートが好ましい。2軸延伸ポリプロピレン系樹脂シートは耐摩耗性が高いことから好ましい。2軸延伸ポリプロピレン系樹脂シートの好ましい厚さは5〜50μmであり、さらに好ましくは10〜40μmである。
本発明は、繊維強化層の一方の表層に好ましくは接着層を介してポリプロピレン系樹脂シート透明層と着色層とポリプロピレン系樹脂シート保護層を積層したことにより、外部から厚みのある透明層の下に織物層が透けて見え、織物のしっかりした美しい織柄がそのまま積層シートの表面に現れる。他方の表層は織物層であり、この織物層に対して射出成形による部品を一体化させると、織物表面は凹凸面となっているため射出成形部品が一体化しやすく、かつ織物層は加熱による変形が無く、ヒケやシワ等の欠点も入りにくい。その結果、光沢や着色等の外観に優れた積層シートとすることができる
さらに本発明の積層シートは、コア層と織物層の間に多軸繊維シートを加えることもできる。多軸繊維シートは倉敷紡績株式会社製、商品名“クラマス”を挙げることができる。一例として多軸繊維の方向は0°/+60°/−60°、1平方メートル当たりの重量(目付け)は350g/m2であり、トータル繊度1850deci texのPPフィラメントを多数本使用し、ステッチ糸としてポリエチレンテレフタレート糸を使用した多軸繊維シートがある。
本発明の積層シートの製造方法は、一例として、予めポリプロピレン系樹脂シート透明層と着色層とポリプロピレン系樹脂シート保護層を積層一体化しておき、前記透明層の表面に接着用フィルムを介してコア層と、その両表面に接着用フィルムと、その両表面に織物層を配置して加熱加圧し、次いで冷却する。予めポリプロピレン系樹脂シート透明層と着色層とポリプロピレン系樹脂シート保護層を積層一体化しておくのは、最終の積層処理工程の効率化のためである。加熱加圧工程の雰囲気温度は120〜150℃が好ましく、さらに好ましくは130〜145℃である。加圧力は1MPa程度が好ましい。加熱時間は0.5〜5分間が好ましく、さらに好ましくは1〜4分間である。冷却工程の時間は0.5〜5分間が好ましく、さらに好ましくは1〜4分間である。冷却温度は30程度℃以下になるまでが好ましい。
成形後の積層シート全体の厚みは0.5〜5mmが好ましく、さらに好ましくは0.8〜4mmである。特に好ましくは、0.9〜1.6mmの範囲が好ましい。この範囲であれば軽量化ができるとともに外観性が向上する。また、コア層と織物層とカバー層の層厚の関係は、コア層>織物層>カバー層であるのが好ましい。これにより軽量化ができるとともに外観性が向上する。
本発明の製造方法は連続法に限らず、1回ごとの加熱加圧プレスと冷却法によっても製造できる。サンプルを作製したり、小規模に製造する際にはこの方法で十分である。連続的方法は大量生産に好ましい。
次に図面を用いて説明する。以下の図面において、同一符号は同一部を示す。図1は本発明の一実施態様の積層シートの模式的断面図である。この積層シート8は、コア層1の両表面に接着層2a,2bを介して織物層3a,3bが貼り合わされ一体化されている。織物層3aの表面には接着層2cを介してポリプロピレン系樹脂透明層4と着色層5とポリプロピレン系樹脂保護層6が積層一体化されている。ここで、ポリプロピレン系樹脂透明層4と着色層5とポリプロピレン系樹脂保護層6は、カバー層7として予め積層一体化しておいても良い。
図2は本発明の一実施態様における積層シート製造装置10を示す模式的断面図である。この積層シート製造装置10は、原料シートの供給ロール9a〜9gと、加熱加圧領域18と、冷却領域19から構成され、連続的生産が可能である。まずコアシート11は供給ロール9eから供給され、接着用フィルム12a,12bは供給ロール9d,9fから供給され、織物13a,13bは供給ロール9c,9gから供給され、接着用フィルム12cは供給ロール9bから供給され、カバー層用シート14は供給ロール9aから供給され、それぞれ加圧ロール15a,15bで積層される。加圧ロール15a,15b及び20a,20bには金属製加圧板16,17がエンドレス状に組み込まれており、まず加熱加圧領域18で加圧加熱される。次に、冷却領域19では冷却用エアーが矢印aから供給され矢印bから排出されることにより冷却される。効率の良い冷却をする場合は、冷却用エアーに加えて冷却領域19に水冷パイプを配置して冷却する。加圧ロール20a,20bから取り出された積層シート21は所定の長さにカットされる。
図3は本発明の一実施態様の積層シートを真空成形した成形体22の模式的斜視図である。この成形体22は、横の最大長さ260mm,奥行きの最大長さ170mm,高さ500mmである。積層シートは深絞り成形できる利点がある。さらに、この積層シートは全体が熱可塑性樹脂であり、真空成形、プレス成形、熱変形を利用した曲げ加工成形等が可能であり、成形サイクルが短く、加工コストも安価である。加えて、図1における織物層3bに対して射出成形により部品を一体化させると、織物表面は凹凸面となっているため射出成形部品が一体化しやすく、かつ織物層は加熱による変形が無く、ヒケやシワ等の欠点も入りにくい。
以下実施例により、本発明をさらに具体的に説明する。なお本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
<曲げ弾性率と曲げ応力の測定方法>
JISK7171に準拠した3点曲げ試験で測定した。試験片サイズは幅20mm、長さ50mm、試験速度は1mm/minとした。押さえジグの形状はR5、支点の形状はR2、支点間隔24mmとした。
(実施例1)
<コア層>
図1に示すコア層1として市販のプロピレン−エチレンランダムコポリマー(RPP)シート、融点145℃、厚み500μm、単位面積当たりの重量450g/m2を使用した。コア層1には酸化チタン粉末からなる着色剤を、コア層100重量%に対して0.1重量%均一に混合した。なお、コア層は白色系であり、織物と同系色である。
<織物>
図1に示す織物層3a,3bとして、芯成分が融点160℃のポリプロピレン、鞘成分がポリプロピレンとポリエチレンのブレンド品(融点110℃)からなる芯鞘複合繊維を使用した。この複合繊維の複合割合は、芯成分65wt%、鞘成分35wt%、繊維本数240本、トータル繊度は1850 deci texであった。この芯鞘複合繊維糸を融着加工し、経糸と緯糸に使用して綾織組織の織物とした。得られた織物の単位面積当たりの重量(目付)は190g/m2であった。
<接着フィルム>
図1に示す接着層2a,2b,2cとして、市販の低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルム、融点110℃、厚み30μm、単位面積当たりの重量27g/m2を使用した。
<カバー層>
図1に示すカバー層7として、厚み200μmのホモポリマータイプポリプロピレン(HPP)シート4と、厚み1μmに着色塗料をコーティングした着色層5と、厚み25μmのホモポリマータイプポリプロピレン(HPP)2軸延伸シート7を予め積層一体化したカバー層7を使用した。
<積層シートの作成>
図2に示すコアシート11の両面に接着フィルム12a,12bと織物13a,13bと、織物13aの表面に接着フィルム12cとカバー層用シート14をこの順番に積層し、温度145℃、圧力1Mpa、2分間プレス成形し、その後室温(27℃)まで冷却した。これにより接着フィルムを溶着させて全体を一体化し、積層シートを得た。この積層シートの模式的断面図は図1に示すとおりである。
得られた積層シートの曲げ弾性率、曲げ応力、外観を表1にまとめて示す。なお、外観については目視により、織柄が色ムラなく表現できているものを「A」、織側の裏側が透けて見え色ムラが見られるものを「B」とした。
(実施例2)
コア層として融点が165℃、厚み200μmのホモポリマータイプポリプロピレン(HPP)シートを使用し、積層シートの条件を温度152℃、圧力1Mpa、1分間プレス成形した以外は実施例1と同様に実施した。得られた積層シートの結果は表1にまとめて示す。
(比較例1)
コア層に着色剤を添加しない以外は実施例1と同様に実施した。得られた積層シートの結果は表1にまとめて示す。なお、各例の曲げ弾性率及び曲げ応力のデータはMD(長さ方向)のデータである。
Figure 2016060202
表1から明らかなとおり、本発明の実施例品はコア層が着色されており、織物と同系色で着色されていることにより、織物層の織柄を美麗に表現することができていた。織物が若干透けて見える部分があっても、その奥(内部)のコア層が着色されている織柄は色ムラなく美麗なまま表現できていた。この積層シートは熱可塑性であり、真空成形、プレス成形、熱変形を利用した曲げ加工成形等に好適で、安価な成形体であった。さらに、織物層は熱融着ポリオレフィン系フィルムを介してコア層に接着しているため、後に加熱して成形しても織物を構成する繊維の収縮はなく、織物の美しい織柄がそのまま積層シートの表面に現れる成形体とすることができた。加えて、前記積層シートの片面は織物層であるので、この織物層に対して射出成形によりリブ部品を一体化させると、織物表面は凹凸面となっているため射出成形部品が一体化しやすく、ヒケやシワ等の欠点も入りにくいことが確認できた。
これに対して比較例1品は、コア層に着色剤が添加されていなかったため、積層シートは半透明であり、成形体にすると織柄部分の裏面側が透けており、色ムラが見られた。
本発明の積層シートを用いた成形品は、自動車部品、自動車内装品、家電製品、医療用保護具、スーツケース、容器、棚、パレット、パネル、バッグ、自動倉庫用スリーブボックス、ドア、ロール回収用長尺ボックス、畳の芯材、展示ブース様壁材、Tボード(トラック用当て板)、簡易テーブルセット等の民生用積層品に適用できる。
1 コア層
2a,2b,2c 接着層
3a,3b 織物層
4 透明層
5 着色層
6 保護層
7 カバー層
8,21 積層シート
9a〜9g 供給ロール
10 積層シート製造装置
11 コアシート
12a,12b,12c 接着用フィルム
13a,13b 織物
14 カバー層用シート
15a,15b,20a,20b 加圧ロール
16,17 金属製加圧板
18 加熱加圧領域
19 冷却領域
22 成形体

Claims (14)

  1. コア層の両表面に接着層を介して積層された織物層を含むポリオレフィン系繊維強化樹脂積層シートであって、
    前記コア層は着色剤を含むポリプロピレン系樹脂であり、
    前記織物層は、第1成分がポリプロピレン、第2成分が前記第1成分より低融点のポリオレフィン成分からなる複合繊維を含む糸で構成され、
    前記接着層は熱融着ポリオレフィン系フィルムであり、
    前記織物層の一方の表面にカバー層が積層されていることを特徴とするポリオレフィン系繊維強化樹脂積層シート。
  2. 前記カバー層は、ポリプロピレン系樹脂透明層と着色層とポリプロピレン系樹脂保護層を含む請求項1に記載のポリオレフィン系繊維強化樹脂積層シート。
  3. 前記コア層を100重量%としたとき、着色剤の添加量は0.05〜5.0重量%である請求項1又は2に記載のポリオレフィン系繊維強化樹脂積層シート。
  4. 前記コア層の着色剤を含むポリプロピレン系樹脂は、ポリプロピレン又はプロピレンを主成分とする樹脂である請求項1〜3のいずれかに記載のポリオレフィン系繊維強化樹脂積層シート。
  5. 前記コア層のポリプロピレンを主成分とする樹脂は、プロピレンを50モル%以上含むプロピレン-エチレンランダムコポリマーである請求項4に記載のポリオレフィン系繊維強化樹脂積層シート。
  6. 前記複合繊維は第1成分が芯、第2成分が鞘からなる芯鞘複合繊維である請求項1〜5のいずれかに記載のポリオレフィン系繊維強化樹脂積層シート。
  7. 前記芯鞘複合繊維の芯成分がホモポリマーのポリプロピレンであり、鞘成分がプロピレン-エチレンランダムコポリマー又はポリプロピレンとポリエチレンのブレンド物である請求項6に記載のポリオレフィン系繊維強化樹脂積層シート。
  8. 前記熱融着ポリオレフィン系フィルムは低密度ポリエチレンフィルムである請求項1〜7のいずれかに記載のポリオレフィン系繊維強化樹脂積層シート。
  9. 前記ポリプロピレン系樹脂透明層は、ホモポリマータイプポリプロピレンとランダムタイプポリプロピレンとのブレンド物である請求項2に記載のポリオレフィン系繊維強化樹脂積層シート。
  10. 前記ポリプロピレン系樹脂透明層は、前記透明層を100重量%としたとき、ホモポリマータイプポリプロピレン(HPP)とプロピレン−エチレンランダムコポリマー(RPP)が、HPP:RPP=50:50〜90:10の範囲のブレンド物である請求項2に記載のポリオレフィン系繊維強化樹脂積層シート。
  11. 前記保護層は、2軸延伸されたポリプロピレン系樹脂シートである請求項2に記載のポリオレフィン系繊維強化樹脂積層シート。
  12. 前記ポリオレフィン系繊維強化樹脂積層シートの総厚が0.9〜1.6mmの範囲である請求項1〜11のいずれかに記載のポリオレフィン系繊維強化樹脂積層シート。
  13. 前記コア層と前記織物層と前記カバー層の層厚の関係が、コア層>織物層>カバー層である請求項1〜12のいずれかに記載のポリオレフィン系繊維強化樹脂積層シート。
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載のポリオレフィン系繊維強化樹脂積層シートの製造方法であって、
    カバー層用シートと、コアシートの両表面に接着用フィルムを介して織物を配置して加熱加圧し、次いで冷却することを特徴とするポリオレフィン系繊維強化樹脂積層シートの製造方法。
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