JP6890035B2 - 繊維複合シートの成形方法 - Google Patents
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Description
(2)フラットヤーンラミネートシートが、さらに最外層を積層、接着してなるフラットヤーンラミネートシートであり、該最外層が厚み100μm以下の樹脂シートである、上記(1)に記載の成形方法。
(3)成形金型が、雄型および雌型の表面と側面に、真空孔が設けられている、上記(1)または(2)に記載の成形方法。
(4)フラットヤーンが、ポリプロピレンの延伸糸条である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の成形方法。
(5)熱可塑性樹脂が、低融点ポリプロピレン系樹脂である、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の成形方法。
(6)最外層が、ポリオレフィン系材料、ポリスチレン系材料、アクリル系材料、ポリエステル系材料、セルロース系材料、ポリアミド系材料、シクロオレフィン系材料、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリアセタールまたはフッ素系材料で形成されている、上記(2)〜(5)のいずれかに記載の成形方法。
(7)フラットヤーンラミネートシートにおける熱可塑性樹脂(最外層を含まない)の割合が、55〜80質量%である、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の成形方法。
(8)カバン類、ケース類、カバー類、自動車部品、家電製品又は建築部材の成形方法である、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の成形方法。
また、繊維複合シートとして、フラットヤーンラミネートシートの最外層に高融点の透明樹脂層を形成したシートを使用することにより、外観、耐傷性、軽量性、意匠性に優れる成形品を提供できる。
成形品は、アタッシュケース、スーツケース等のカバン類;カメラケース、楽器ケース等のケース類;自動車部品、電子機器のカバー類;等として好適である。
本発明の成形方法は、複数枚のフラットヤーン織布の織布間に熱可塑性樹脂層を介挿、接着してなるフラットヤーンラミネートシートからなる複合シートを、雌雄嵌合の成形金型を用いて両面真空成形により成形することを特徴とする。なお、本明細書において、フラットヤーンとは、長手方向に延伸が施されたテープ状の糸をいう。
それらの中でも、比較的融点が高く、硬さが得られやすく、クリープ性に優れ、延伸糸条にした時に高強度が得られ易い点より、ポリプロピレン(ホモポリプロピレン)がより好ましい。ポリプロピレンとしては、公知のポリプロピレン、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン等を用いることができるが、その中でも高強度が得られ易いことからアイソタクチックポリプロピレンが好ましい。結晶融点は延伸状態等によっても異なるが160〜170℃にあるものが一般的である。
さらに、目的に応じて、フラットヤーン織布と不織布や繊維シート等とを積層して用いることもでき、フラットヤーンを構成するポリマーの種類が異なる2種以上のフラットヤーン織布を組合せて用いることもできる。
フラットヤーンラミネートシートおける熱可塑性樹脂の割合は、30〜85質量%が好ましく、より好ましくは55〜80質量%の範囲である。熱可塑性樹脂の割合が30質量%未満の場合は、成形時にフラットヤーン糸条のズレが発生し、意匠性を付与することが難しくなる場合があり、一方、85質量%を超える場合は、フラットヤーンの割合が減少することにより、強度を付与することが難しくなる場合がある。
なお、材料の融点は、JIS K 7121に準じ、示差走査熱量測定(DSC)により測定した時の最大ピーク(Tm)値である。
押出ラミネート法により製造された、フラットヤーン織布間に熱可塑性樹脂層が介挿、接着され、さらに最外層が積層、接着されたフラットヤーンラミネートシートを用いた。フラットヤーンラミネートシート(1)の層構成は図4に示す通りである。
フラットヤーンラミネートシートは、熱可塑性樹脂の割合が65質量%、厚さが1.8mm。
・フラットヤーン織布(2);
融点160℃のポリプロピレンスリットヤーンの延伸糸条からなるフラットヤーン(糸幅:3mm、繊度1,500dtex)の綾織物(目付重量110g/m2)・・・3枚
・着色フラットヤーン織布(3);
融点160℃のポリプロピレンスリットヤーンの延伸糸条からなるベージュ色に着色したフラットヤーン(糸幅:3mm、繊度1,500dtex)の綾織物(目付重量110g/m2)・・・1枚
・熱可塑性樹脂層(4);
融点146℃のエチレン−プロピレンランダム共重合体樹脂
・着色熱可塑性樹脂層(5);
着色した融点146℃のエチレン−プロピレンランダム共重合体樹脂
・接着性樹脂層(6);市販の極性ポリオレフィン
・最外層(7);厚さ50μmのA−PET
実施例1において、A−PET層の代わりに、厚さ30μmのポリカーボネート樹脂フィルムを用いて最外層(7)を形成し、最外層(7)の反対面に熱可塑性樹脂層(4)を形成していないフラットヤーンラミネートシートを用いた以外は、実施例1と同様の成形条件にて、深絞り成形品を得た。
その結果、肉厚が均一で、表面に光沢があり、織布の織目が規則正しく配列している深絞り成形品が得られ、成形品の曲面およびシール部にもシワが見られなかった。
実施例1において、上型と下型の真空吸引を開始する時間差を0秒とした以外は、実施例1と同様の成形条件にて、深絞り成形品を得た。その結果、実施例1の深絞り成形品に比べ、成形品の曲面及びシール部に若干のシワや糸条のヨレがあるが、成形品としては適切なものであった。
実施例1において、雌型の真空吸引を行わず、雄型のみ真空吸引した以外は、実施例1と同様の成形条件にて、深絞り成形品を得た。その結果、直角に近い曲面のシール部から曲面にかけて多数のシワがあり、成形品として不適なものであった。
実施例1で用いたフラットヤーンラミネートシートを、ストレート真空法による真空成形機にて、上側のセラミックヒータの温度:120℃、下側のセラミックヒータ温度:100℃で、真空度:0.8〜0.9atm、プレス圧:5〜7kg/cm2で、10秒間熱成形した後、室温空気にて冷却して深絞り成形品を得た。得られた成形品は、直角に近い曲面の肉厚が極端に薄いものであった。
実施例1で使用したフラットヤーンラミネートシートを、プラグアシスト法による真空成形機にて、上側のセラミックヒータの温度:120℃、下側のセラミックヒータ温度:100℃で、真空度:0.8〜0.9atm、プレス圧:5〜7kg/cm2で、10秒間熱成形した後、室温空気にて冷却して深絞り成形品を得た。得られた成形品は、直角に近い曲面の肉厚が極端に薄いものであった。
成形品の外観の状態を4段階で評価した。
◎:成形品にシワがなく、糸条のヨレもない。
○:成形品に若干のシワや糸条のヨレがあるが、成形品として問題ない。
△:成形品に多数のシワがあるため、成形品として問題がある。
×:成形品の肉厚が不均一であるため、成形品として問題がある。
実施例1及び実施例2で製造した深絞り成形品をカットし、スーツケースのシェルを作製した。得られたシェルの内側に、ドライラミネート法により内装布を貼り合せたものをスーツケースの本体シェルと蓋体シェルとして用い、さらにサッシ、キャスターを取付けてスーツケースを作製した。その結果、軽量性、外観性、意匠性に優れるスーツケースが得られた。
2 フラットヤーン織布
3 着色フラットヤーン織布
4 熱可塑性樹脂層
5 着色熱可塑性樹脂層
6 接着性樹脂層
7 最外層
Claims (8)
- 繊維複合シートの成形方法であって、複数枚のフラットヤーン織布の織布間に、熱可塑性樹脂層を介挿、接着してなるフラットヤーンラミネートシートからなる繊維複合シートを、雌雄嵌合の成形金型を用いて、両面真空成形により成形する際に、上型の雌型を下降させ真空吸引を行い(当該真空吸引は、下型表面より行われる真空吸引の間も行う)、上型に繊維複合シートを接触ないし密着させた後、雄型を上昇させて繊維複合シートを雄雌両型で挟持して型合わせし、上型の真空吸引の開始から0.5〜1.0秒後に下型の雄型から真空吸引を行い、軟化した繊維複合シートを所望の形状に成形することを特徴とする成形方法。
- フラットヤーンラミネートシートが、さらに最外層を積層、接着してなるフラットヤーンラミネートシートであり、該最外層が厚み100μm以下の樹脂シートである、請求項1に記載の成形方法。
- 成形金型が、雄型および雌型の表面と側面に、真空孔が設けられている、請求項1または2に記載の成形方法。
- フラットヤーンが、ポリプロピレンの延伸糸条である、請求項1〜3のいずれかに記載の成形方法。
- 熱可塑性樹脂が、低融点ポリプロピレン系樹脂である、請求項1〜4のいずれかに記載の成形方法。
- 最外層が、ポリオレフィン系材料、ポリスチレン系材料、アクリル系材料、ポリエステル系材料、セルロース系材料、ポリアミド系材料、シクロオレフィン系材料、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリアセタールまたはフッ素系材料で形成されている、請求項2〜5のいずれかに記載の成形方法。
- フラットヤーンラミネートシートにおける熱可塑性樹脂(最外層を含まない)の割合が、55〜80質量%である、請求項1〜6のいずれかに記載の成形方法。
- カバン類、ケース類、カバー類、自動車部品、家電製品又は建築部材の成形方法である、請求項1〜7のいずれかに記載の成形方法。
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