JP2016060105A - 微細線模様の成形方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】成形品の表面に極めて精細な凹凸状の微細線による微細線模様を有する線画を形成し、見る角度や方向を変えることによって線画の各部の反射光が変化するチェンジング効果を発揮するようにした微細線模様の成形方法を提供する。【解決手段】印刷用フィルムの表面に微細なラインピッチによる複数の微細線からなる微細線模様を印刷によって凹凸状のインク層として形成した後、成形品の外形を形成する金型のキャビティ内に凹凸状の微細線模様をなすインク層を向けて印刷用フィルムを設置し、金型の型締め後、溶融樹脂を金型内に注入し、金型内の成形品の表面に微細線模様をなすインク層を対面させて印刷用フィルムを密着させた状態で樹脂を固化させ、型開き後に成形品を取出した後、金型内に設置してある印刷用フィルムを次の成形に繰り返して使用することにより、同一の印刷用フィルムで複数の成形品の表面に微細線模様を形成するようにした。【選択図】図1

Description

本発明は、成形品の表面に極めて精細な凹凸状の微細線による模様、絵柄、文字等の微細線模様を有する線画を形成する方法に関し、見る角度や方向を変えることによって線画の各部の反射光が変化するチェンジング画像にも適用することが可能な微細線模様の成形方法に関する。
成形品の表面に、凹凸を有する模様、絵柄、文字等の凹凸模様を形成する加工方法としては、従来から彫刻金型を利用する方法が存在する。しかしながら、金型に凹凸模様を彫刻する場合、線幅(線の太さ)は約0.3mmが限度であって、それよりも精細な微細線の彫刻は困難であり、しかも金型の費用が非常に高額になるという問題があった。
ところで、本出願人は、特許文献1に記載してあるように、多数の凹凸の線条からなる図柄を任意の形状の図柄とし、隣接する図柄の各部が互いに凹凸の線条の角度を変えて基盤に配置されたことにより、多数の凹凸の線条からなる図柄の各部が見る角度を変えることによって反射光を変化させる結果、図柄の印象が変化するというチェンジング効果を有する表示体を開発した。
ところが、特許文献1では、上記の表示体を、例えばスクリーン印刷で形成する場合、線条の太さ(線幅)を30μm〜1mm、線条のピッチを60μm〜2mmとするため、金型に凹凸模様を彫刻する方法では、上記のような微細線を形成することは不可能である。
そこで、上記のような凹凸状の微細線を成形品の表面に形成する従来の技術として特許文献2の「凹凸模様付フィルム及びその製法」を検討する。この特許文献2の内容は、フィルムの表面に透明な紫外線硬化樹脂による転写用の凹凸模様と、その凹凸模様に施した転写用の印刷インク層を形成し、その凹凸模様の印刷インクを施した層をキャビティに向けて金型に配置し、インモールド成形を行った後、成形品から凹凸模様を有するフィルムを剥離することによりプラスチック成形品の表面に、紫外線硬化樹脂による印刷インク層を転写するものである。
ところが、このような技術では、透明な紫外線硬化樹脂による転写用の凹凸模様とその凹凸模様に施した転写用のインク層がプラスチック成形品に転写されて残存することになる。即ち、この転写方法は、インク層に形成されていた凹凸模様を成形品の表面に転移するものであり、成形品の表面にはインク層による凹凸模様が付着して形成されるため、このインク層が摩耗等によって損傷したり剥離するおそれがある。
また、上記のようにインク層を転写する方法によれば、転写をしたフィルムは成形品の表面に付着するため、成形の度に、転写用フィルムを新たに供給する必要がある。従って、複数個の成形品を製造する場合には、その都度、凹凸模様を印刷したフィルムを供給する必要があり、製造コストの面でも無駄が生じることになる。
なお、上記の特許文献1の他にも、見る角度や方向を変えることによって画像が変化するチェンジング画像の製造方法が種々開発されている。ところが、画像内の各部が見る角度を変えることによって反射光の輝度を変えるチェンジング効果を得るには、成形品の表面に、線幅が30μm〜2mm、ラインピッチが50μm〜2mm程度の微細線を形成する必要があるため、従来の彫刻金型による成形方法では実施することが不可能であった。
しかも、成形品の耐久性等を考慮すると、成形品の表面に形成する凹凸状の微細線は、上記のように成形品の表面に印刷インク層を転写させるのではなく、成形品の表面に凹凸形状として直接形成するのが望ましい。
実用新案登録第3122463号公報 特開平6−72013号公報
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、成形品の表面に極めて精細な凹凸状の微細線による模様、絵柄、文字等の微細線模様を有する線画を形成し、見る角度や方向を変えることによって線画の各部の反射光が変化するチェンジング効果を発揮するようにした微細線模様の成形方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明における請求項1の微細線模様の成形方法は、印刷用フィルムの表面に微細なラインピッチによる複数の微細線からなる微細線模様を印刷によって凹凸状のインク層として形成した後、成形品の外形を形成する金型のキャビティ内に凹凸状の微細線模様をなすインク層を向けて印刷用フィルムを設置し、金型の型締め後、溶融樹脂を金型内に注入し、金型内の成形品の表面に微細線模様をなすインク層を対面させて印刷用フィルムを密着させた状態で樹脂を固化させ、型開き後に成形品を取出した後、金型内に設置してある印刷用フィルムを次の成形に繰り返して使用することにより、同一の印刷用フィルムで複数の成形品の表面に微細線模様を形成するようにしたことを特徴とする。
また、本発明による請求項2の微細線模様の成形方法は、請求項1において、印刷用フィルムの表面に印刷によって形成した複数の微細線模様の各微細線は、線幅が30μm〜2mm、ラインピッチが50μm〜2mmに形成されていることを特徴とする。
また、本発明による請求項3の微細線模様の成形方法は、請求項1又は2において、印刷用フィルムの耐熱温度が金型内に注入する溶融樹脂の成形樹脂温度よりも高い樹脂が選択され、この樹脂を印刷用フィルムとして使用することを特徴とする。
また、本発明による請求項4の微細線模様の成形方法は、請求項1、2又は3において、成形品の表面に形成された絵柄は、印刷用フィルムの表面にインク層で描かれる絵柄を複数の部分に分割し、各部の面内に多数の微細線を所定ピッチで互いに平行に描き、このような微細線を各部の領域ごとに異なる角度で描いてなる微細線模様によって成形されたチェンジング柄であることを特徴とする。
さらに、本発明による請求項5の微細線模様の成形方法は、請求項1、2又は3において、成形品の表面に形成された絵柄は、短線が直線方向に一定の間隔をあけて連続的に配列されてなる破線が傾斜角度を変えてパターン化された線画として描かれ、このパターン化された線画を組み合わせてなる微細線模様を印刷用フィルムの表面にインク層で形成し、この印刷用フィルムによって成形されたチェンジング柄であることを特徴とする。
本発明の微細線模様の成形方法によれば、印刷用フィルムの表面に形成した微細線模様をなすインク層を金型の成形面の一部として使用することができ、成形後の成形品には、印刷用フィルムの表面の凹凸状のインク層に応じた凹凸状の微細線模様が形成される。この成形品に形成された微細線模様は、インク層の微細な凹凸形状によって形成された凹凸状の微細線模様となる。
従って、本発明による成形品に形成された微細線模様は、成形品それ自体の表面が凹凸状に形成されたものであるため、従来の転写成形のようにインク層が剥離するような現象が生じることなく、耐久性にも優れた成形品として使用することが可能となる。
しかも、本発明による、成形品の表面に形成された微細線模様は、印刷によって形成された微細な線条による凹凸状の模様であり、線幅が30μm〜2mm、ラインピッチが50μm〜2mmから形成された微細線模様とすることによって、見る角度や方向を変えることによって画像の各部の反射光が変化するチェンジング柄の形成にも適するものとなる。
さらに、本発明において、一度の成形の後、印刷用フィルムの表面に微細線模様をなすインク層を残した状態で、この印刷用フィルムを次の成形に繰り返して使用することにより、複数の成形品の表面に微細線模様を形成することができるため、成形コストの低減に有益である。
また、上記のように、印刷用フィルムを繰り返して上記の成形に使用可能とするため、印刷用フィルムの耐熱温度が成形樹脂温度よりも高いものを選択する必要がある。こうすることによって、印刷用フィルムが成形樹脂温度によって溶かされたりせず、再度の使用に供給することが可能となり、同一の印刷用フィルムを繰り返して成形に使用することが可能となる。
本発明によって成形品に形成される微細線としては、直線又は曲線による微細線模様、或いは、見る角度を変えることによって反射する面の輝度が部分的に変化したり、見る角度を変えることによって異なる画像が見えたり消えたりするチェンジング柄として適用可能である。また、上記のような微細線を用いて形成される成形品としては、銀行カード、キャッシュカード、通行券、本人を証明するカード、ICタグ等の平面形状のプラスチック製カードのほか、一部または全部に湾曲面又は曲面を有する成形品にも適用可能である。
従って、本発明による成形品の用途としては、上記のカード状の成形品のほか、コンパクトケース、自動車用パネル、携帯電話やスマートフォン用のケース、さらには種々の電化製品の筐体やケース等、本発明による印刷用フィルムを適用して金型成形が可能な成形品の表面に適用可能である。また、本発明による微細線模様の美的特性を利用することによって樹脂製の平面または立体の美術工芸品等に適用することも可能である。
さらに、本発明によれば、微細線の組み合わせによって模造が困難な偽造防止用の画像に適用することが可能である。このため、例えば特許第4395586号公報に記載されている偽造防止印刷物のように、銀行券、株券、パスポート、有価証券、カード、商品のタグ等の偽造、変造を防止する必要性のある印刷物を樹脂成形に適用する場合であっても、本発明の微細線模様の成形方法ならば可能である。
(a)は本発明における実施例1の微細線模様を成形品の表面に形成した状態を示す平面図であり、(b)は(a)の一部を拡大した図である。 本発明における実施例1の微細線模様をスクリーン印刷によって印刷用フィルムの表面に形成した平面図である。 (a)〜(f)は、本発明による実施例1の成形方法を示す金型の断面図である。 本発明による実施例において、印刷用フィルムに印刷した凹凸状のインク層で成形品の表面に凹形状の微細線模様を形成した状態を示す断面図であり、(a)は成形時の状況であり、(b)は成形後の状況であり、(c)は成形品の表面を示す断面図である。 (a1)〜(d1)は、本発明の実施例2に関する線画及びパターン線画を示す平面図であり、(a2)〜(d2)は(a1)〜(d1)の要部を拡大した平面図である。 (a)、(b)は、図5に示すパターン線画によって形成されたチェンジング柄が見る角度を変えることによって変化する状態を示す平面図である。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1(a)には、本実施例による成形品1の具体例として、周囲が裏側に向けて湾曲した平面形状の表面2に草花の絵柄を微細線模様3として形成してなるケース蓋を図示している。ただし、この図の成形品1は本発明の一例であって、射出成形によって溶融樹脂を金型13で成形することが可能な成形品であれば、その表面2に本発明による微細線模様3を形成することが可能である。
本実施例では、図1に示すような微細線模様3をコンピュータの画像編集ソフトで描き、この微細線模様3を後述する印刷用フィルム6の表面6aにスクリーン印刷の手法で製版を行い、この製版の上にインキやペーストを載せて印刷を行うようにしている。
このようなスクリーン印刷において、被印刷面を構成する印刷用フィルム6としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルファイド、ポリイミド、ポリエーテルエーテケトン、ポリアミド、アクロニトリルブタジエンスチレン、アクリロニトリルスチレン、メタクリル等の樹脂製フィルムを使用する。
ただし、後述するように、印刷用フィルム6として、いずれの樹脂を使用するかは、後述する成形樹脂温度との関係で選択すべきである。
また、本実施例では、成形後の微細線模様3においてチェンジング効果を発揮するため、図1(a)の成形品1の絵柄5の一部を拡大した図1(b)に示すように、絵柄5を複数の部分3aに分割し、各部分3aの境界3bを線画で形成すると共に、各部分3aの面内に多数の微細線4を所定ピッチで互いに平行に描き、このような微細線4を各部分3aの領域ごとに異なる角度で描いてなる微細線模様3を形成している。なお、本発明に適用し得る微細線4としては、直線だけではなく曲線にも適用可能であり、さらに実線だけではなく、点線や破線にも適用可能である。
また、スクリーン印刷用インキの耐熱性を確保するため、紫外線硬化インキや酸化重合インキを用いてスクリーン印刷を行い、微細線模様3を印刷フィルム6の面から例えば10μm程度の盛り量を有する断面山形状の凸状インク層7として形成する。
なお、本実施例においては、印刷用フィルム6上にスクリーン印刷、オフセット印刷、その他の印刷方法を用いて、上記の微細線模様3を描くようにしてもよい。ただし、いずれの印刷法を用いた場合でも、成形後のチェンジング効果を発揮するため、印刷用フィルム6の表面に印刷する複数の微細線模様3の各微細線4は、線幅が30μm〜2mm、ラインピッチが50μm〜2mmとして形成する必要がある。
また、上記のように、インク層7で凸状の微細線模様3を形成した印刷用フィルム6を用いて成形品1の表面2(図1(a)又は図3(d)参照)に微細線模様3を形成するには、図3(a)に示すように、成形品1の外形を形成する金型13のキャビティ内に凸状の微細線模様3をなすインク層7を向けて印刷用フィルム6を設置する。なお、金型13は固定型13aと移動型13bとの間に成形品1を成形するためのキャビティ11を形成している。
また、印刷用フィルム6の固定方法として、金型13の周辺の面に両面テープ(不図示)等を用いて接着するほか、印刷用フィルム6の繰り返し使用を考慮して、図3(a)、(b)に示すように、金型13の周辺に設けたピン8に、図2に示す印刷用フィルム6の周辺に形成したピン穴9を挿入し、下記の型締めによって固定するとよい(図3(c)参照)。
次いで、図3(c)に示すように、金型13の型締め後、金型13の流路10から溶融樹脂12を金型13内のキャビティ11に注入し、金型13内の成形品1の表面2に微細線模様3をなすインク層7を対面させて印刷用フィルム6を密着させた状態で溶融樹脂12を固化させる。
本実施例に使用する成形品の素材、即ち溶融樹脂の例としては、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、アクロニトリルブタジエンスチレン、アクリロニトリルスチレン、ポリカーボネート等を使用する。
なお、上記の成形前において、印刷用フィルム6は平状であるが、上記の溶融樹脂12に対面させることにより、キャビティ11の形状に応じて湾曲形状などの立体形状に熱変形する。
その後、図3(d)に示すように、金型13の型開き後に、金型13の成形面に応じて湾曲状に変形した印刷用フィルム6が金型13の成形面13cに付着して残存する一方、印刷用フィルム6から剥離した成形品1を取り出すことが可能となる。
このような成形において、印刷用フィルム6の表面6aに剥離剤を塗布すると、金型13の型開き後に、印刷用フィルム6の表面6aから成形品1が離脱しやすくなり、金型13の成形面13cに付着した印刷用フィルム6を、それ以降の成形に繰り返して使用することが可能となる。
本実施例では、上記のように、同一の印刷用フィルム6を用い、繰り返して複数の成形品1に対する表面加工を可能とするものである。そのためには、印刷用フィルム6が成形樹脂温度によって溶かされないように、印刷用フィルム6の耐熱温度が金型13内に注入する溶融樹脂12の成形樹脂温度よりも高いものを選択し、これを印刷用フィルム6として使用する必要がある。
具体的には、下記の印刷用フィルム6に使用する樹脂の耐熱温度と、溶融樹脂12の成形温度を比較し、印刷用フィルム6の耐熱温度が溶融樹脂12の成形樹脂温度よりも高いものを選択するとよい。
印刷用フィルム6に使用する樹脂の耐熱温度の例をあげると、メタクリル90℃、ポリスチレン100℃、ポリエチレン110℃、アクロニトリルブタジエンスチレン110℃、アクリロニトリルスチレン110℃、ポリプロピレン140℃、ポリカーボネート140℃、ポリイミド230℃、ポリフェニレンスルファイド240℃、ポリアミド250℃、ポリエーテルエーテケトン300℃である。
また、溶融樹脂12の成形温度の例をあげると、ポリプロピレン180〜230℃、アクロニトリルブタジエンスチレン220〜260℃、アクリロニトリルスチレン220〜260℃、ポリエチレンテレフタレート230〜280℃、ポリカーボネート240〜300℃である。
上記の成形によって、図4(a)〜(c)に示すように、印刷用フィルム6の表面6aに形成した微細線模様3をなすインク層7を金型13の成形用型として使用することができ、成形後の成形品1には、印刷用フィルム6の表面2の凹凸状のインク層7に応じた凹凸状の微細線模様3が形成される。
上記のように成形品1の表面2に形成された微細線模様3は、スクリーン印刷によって形成された微細な線条による凹凸状の模様であり、線幅が30μm〜2mm、ラインピッチが50μm〜2mmから形成された微細線模様3とすることによって、図1(b)のA、Bや図4(c)のCで示すように、見る角度や方向を変えることによって画像の各部の反射光が変化するチェンジング柄の形成にも適するものとなる。
特に、本実施例では、絵柄5を複数に分割した各部分3aの面内に多数の微細線4を所定ピッチで互いに平行に描き、このような微細線4を各部分3aの領域ごとに異なる角度で描いた微細線模様3を形成しているため、絵柄5を見る角度や方向を変えることによって各部分3aからの反射光が変化し、各部分3aごとに輝度が増したり減ったりするというチェンジング柄を表現することが可能となる。
また、本実施例では、一度の成形の後、印刷用フィルム6の表面2に微細線模様3をなすインク層7を残した状態で、この印刷用フィルム6を繰り返して成形に使用することが可能であり、成形コストの低減にも有益となる。
上記の実施例1では、絵柄を見る角度や方向を変えることによって、絵柄を複数に分割した各部分からの反射光が変化して輝度が増したり減ったりするというチェンジング柄に適用した例を示したが、実施例2では、本件特許出願人の先行技術である特願2014-012049号に記載のように、パターン線画を用いた微細線模様を成形品に形成することによって、成形品を見る角度や方向を変えることによって絵柄が変化するチェンジング柄にも適用可能である。
即ち、本実施例によれば、成形品を見る角度や方向を変えることによって、絵柄の内部に描かれた複数の画像のうち、見える画像と見えない画像が変化するチェンジング柄を成形することが可能となる。その例として、本実施例では、実施例1で説明したものと同様の印刷用フィルム6の面上に、図5(d1)(d2)に示すパターン線画19を用いた微細線模様を形成することによって、図6(a)(b)のように、成形品を見る角度や方向を変えることによって絵柄が変化するチェンジング柄を形成する。
そのようなチェンジング柄の具体例として、本実施例では、図5(a1)(a2)に示す線画15aをベース柄18aとし、図5(b1)(b2)に示す線画15bを第1柄18bとし、図5(c1)(c2)に示す線画15cを第2柄18cとする。これらのいずれの線画15a、15b、15cもまた、図5(a2)〜(c2)に示すように、短線16a、16b、16cが直線方向に一定の間隔17をあけて連続的に配列されてなる破線形状14a、14b、14cを短線16a、16b、16cの幅方向に一定の長さの間隔(ラインピッチ)をあけて連続的に配列した線画15a、15b、15cとして形成する。
上記の各線画15a、15b、15cにおいて、各短線16a、16b、16cの長さや間隔3等の数値について例示すると、コンピュータを用いた作図の段階で、単一の各短線2の線幅が30μm〜2mm、長さが0.4mm〜0.5mm、直線方向における短線と短線の間隔が0.2mm、短線の幅方向における短線と短線のラインピッチが0.1mmとなるようにする。
ただし、本実施例において、図5(a1)(a2)に示す線画15a(ベース柄18a)を構成する各短線16aは、水平線を基準に反時計回りに30°傾斜(即ち、右方向に傾斜)してあり、図5(b1) (b2)の線画15b(第1柄18b)を構成する各短線16bは垂直方向に形成してあり、図5(c1) (c2)に示す線画15c(第2柄18c)を構成する各短線16cは、水平線を基準に時計回りにα=30°傾斜(即ち、左方向に傾斜)した状態に形成している。
次いで、本実施例においては、図5(a1) (a2)に示すベース柄18aを形成する線画15aと、図5(b1)(b2)に示す第1柄18bを形成する線画15bと、図5(c1)(c2)に示す第2柄18cを形成する線画15cとを組み合わせることによって、図5(d1)(d2)に示すパターン線画19を形成する。このパターン線画19は、上記のように複数の短線16a、16b、16cからなるパターンを連続的に配列してなるものである。
次いで、上記の3態様の線画15a、15b、15cを用いて具体的な絵柄を描いた実施態様について述べる。図5(a1)は背景となるベース柄18aであり、線画15aを背景となる領域全体に形成する。また、図5(b1)は第1柄8bであり、各短線16bが垂直方向に形成された線画15bを、例として「A」の文字に形成したものである。
さらに、図5(c1)は第2柄18cであり、この線画15cを例として「ハート形状」に形成したものである。そして、これらの線画15a、15b、15cを組み合わせることによって、図5(d1)に示す合成した合成線画18dが形成される。
本実施例では、コンピュータの画像編集ソフトで、図5(d1)に示すような合成した合成線画18dを用いて、通常のスクリーン印刷の製版を行い、この製版の上にインキやペーストを載せて、実施例1のように印刷用フィルム6に対してスクリーン印刷を行う。
このような印刷によって印刷用フィルム6の表面に微細線模様として合成線画18dをインク層として形成し、実施例1のように成形品1の表面2に、図5(d1)に示すような微細線模様(合成線画18d)をチェンジング柄として形成すると、その見る角度や方向を変えることによって、図6(a)及び(b)に示すように、見える絵柄が変化するチェンジング効果を得ることが可能となる。
即ち、図6(a)に示すように、ベース柄18aを背景にして「A」の文字を表す第1柄18bを鮮明に見たり、図6(b)に示すように、「ハート形状」を表す第2柄18cを鮮明に見ることができるというように、見る角度を変えることによって、成形品1の表面に異なる画像が見えたり消えたりするチェンジング柄として適用することが可能である。
なお、上記のチェンジング柄は、一例を示すものであって、微細線を実線にしたり、破線にしたり、さらにその実線又は破線を複雑に組み合わせることによって、様々な絵柄を表現したチェンジング柄として適用することも可能である。
本発明の微細線模様の成形方法は、成形品の表面に極めて精細な凹凸状の微細線による模様、絵柄、文字等(微細線模様)を有する線画を形成し、見る角度や方向を変えることによって線画の各部の反射光が変化するチェンジング効果を発揮するようにした微細線模様の成形方法として利用することが可能である。
1 成形品
2 成形品の表面
3 微細線模様
3a 微細線模様の部分
3b 微細線模様の境界
4 微細線
5 絵柄
6 印刷用フィルム
6a 印刷用フィルムの表面
7 インク層
8 ピン
9 ピン穴
10 流路
11 キャビティ
12 溶融樹脂
13 金型
13a 固定型
13b 移動型
14a、14b、14c 破線形状
15a、15b、15c 線画
16a、16b、16c 短線
17 直線方向の間隔
18a ベース柄
18d 第1柄
18c 第2柄
18d 合成線画
19 パターン線画
A、B、C 見る角度や方向の変化
上記の目的を達成するために、本発明における請求項1の微細線模様の成形方法は、印刷用フィルムの表面に微細なラインピッチによる複数の微細線からなる微細線模様を印刷によって凹凸状のインク層として形成した後、成形品の外形を形成する金型のキャビティ内に凹凸状の微細線模様をなすインク層を向けて印刷用フィルムを設置する際、印刷用フィルムを平状な状態で金型内に設置して型締めした後、金型内に溶融樹脂を注入することにより、金型内のキャビティの形状に応じて印刷用フィルムを立体形状に熱変形しながら成形品を形成すると共に、この成形品の表面に印刷用フィルムの微細線模様に応じた凹凸状の模様を形成し、成形品を固化した後、金型を型開きして成形品を取り出した後、金型内に残した印刷用フィルムを次の成形に繰り返して使用することにより、同一の印刷用フィルムで複数の成形品の表面に微細線模様を形成するようにしたことを特徴とする。

Claims (5)

  1. 印刷用フィルムの表面に微細なラインピッチによる複数の微細線からなる微細線模様を印刷によって凹凸状のインク層として形成した後、成形品の外形を形成する金型のキャビティ内に凹凸状の微細線模様をなすインク層を向けて印刷用フィルムを設置し、金型の型締め後、溶融樹脂を金型内に注入し、金型内の成形品の表面に微細線模様をなすインク層を対面させて印刷用フィルムを密着させた状態で樹脂を固化させ、型開き後に成形品を取出した後、金型内に設置してある印刷用フィルムを次の成形に繰り返して使用することにより、同一の印刷用フィルムで複数の成形品の表面に微細線模様を形成するようにしたことを特徴とする微細線模様の成形方法。
  2. 印刷用フィルムの表面に印刷によって形成した複数の微細線模様の各微細線は、線幅が30μm〜2mm、ラインピッチが50μm〜2mmに形成されていることを特徴とする請求項1記載の微細線模様の成形方法。
  3. 印刷用フィルムの耐熱温度が金型内に注入する溶融樹脂の成形樹脂温度よりも高い樹脂が選択され、この樹脂を印刷用フィルムとして使用することを特徴とする請求項1又は2記載の微細線模様の成形方法。
  4. 成形品の表面に形成された絵柄は、印刷用フィルムの表面にインク層で描かれる絵柄を複数の部分に分割し、各部の面内に多数の微細線を所定ピッチで互いに平行に描き、このような微細線を各部の領域ごとに異なる角度で描いてなる微細線模様によって成形されたチェンジング柄であることを特徴とする請求項1、2及び3記載の微細線模様の成形方法。
  5. 成形品の表面に形成された絵柄は、短線が直線方向に一定の間隔をあけて連続的に配列されてなる破線が傾斜角度を変えてパターン化された線画として描かれ、このパターン化された線画を組み合わせてなる微細線模様を印刷用フィルムの表面にインク層で形成し、この印刷用フィルムによって成形されたチェンジング柄であることを特徴とする請求項1、2及び3記載の微細線模様の成形方法。
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