JP2011156765A - フィルム付き衝撃吸収材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】衝撃吸収材の表面形状が複雑であっても、衝撃吸収材に樹脂フィルムを容易に精度良く配置することができるフィルム付き衝撃吸収材の製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】衝撃吸収材成形用の金型10の下型キャビティ16の形状に沿った外形の樹脂フィルム34を予め成形する。そして、この樹脂フィルム34を金型10内に配置し、更に、硬質ポリウレタン発泡材料を金型10内に入れて発泡させることにより、硬質ポリウレタン製の衝撃吸収材32を樹脂フィルム34と一体的に成形する。
【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂フィルムを衝撃吸収材に一体的に成形するフィルム付き衝撃吸収材の製造方法に関する。
衝撃が加えられたときに、その衝撃を和らげる衝撃吸収材が多用されている。この衝撃吸収材としては、硬質ポリウレタンフォームからなる部材で構成されることが多い。
ところで、衝撃吸収材は、衝撃を受けた際に大きな割れが生じて広範囲に飛散することが考えられる。衝突初期の段階でこのような大きな割れが生じると、衝撃を吸収する機能が衝突初期の段階で損なわれるおそれがある。
この対策として、衝撃吸収材を熱収縮性フィルムで被包し、その後、熱処理を行って衝撃吸収材の表面にフィルムを配置することが提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2005−140233号公報
しかし、特許文献1のような方法で衝撃吸収材にフィルムを精度良く配置するには、工数がかかる上に複雑な形状への対応が難しく、改良が求められている。
本発明は、上記事実を考慮して、衝撃吸収材の表面形状が複雑であっても、衝撃吸収材に樹脂フィルムを容易に精度良く配置することができるフィルム付き衝撃吸収材の製造方法を提供することを課題とする。
請求項1に記載の発明は、衝撃吸収材成形用の金型のキャビティ形状に沿った外形の樹脂フィルムを予め成形し、前記樹脂フィルムを前記金型内に配置し、硬質ポリウレタン発泡材料を前記金型内に入れて発泡させることにより、硬質ポリウレタン製の衝撃吸収材を前記樹脂フィルムと一体的に成形する。
請求項1に記載の発明では、成形された樹脂フィルムを金型内に配置し、溶融した硬質ポリウレタン発泡材料を金型内に入れる。そして、硬質ポリウレタン発泡材料を発泡させることにより、硬質ポリウレタン製の衝撃吸収材が樹脂フィルムと一体的に成形されてなるフィルム付き衝撃吸収材を製造する。従って、衝撃吸収材の表面形状が複雑であっても、衝撃吸収材に樹脂フィルムを容易に精度良く配置して剥がれ難くすることができる。
請求項2に記載の発明は、前記樹脂フィルムを真空成形で成形する。
これにより、樹脂フィルムの外形が更に複雑な形状であっても樹脂フィルムを特に容易に製造することができる。
請求項3に記載の発明は、前記樹脂フィルムの材質をポリカーボネイト、又は、ポリエチレンテレフタレートとする。
ポリカーボネイトやポリエチレンテレフタレートは硬質ポリウレタンフォームとの接着性が良い。従って、請求項3に記載の発明により、衝撃吸収材に樹脂フィルムを確実に配置して固定することができる。
請求項4に記載の発明は、前記金型に離型フィルムを設け、フィルム付き衝撃吸収材を金型から離型させる際に、前記離型フィルムと前記金型のキャビティとの間を流体で加圧することで前記樹脂フィルムを前記離型フィルムから分離させる。
流体としては通常は空気であるが、窒素ガス等の他のガスや、水などの液体を用いることも可能である。
請求項4に記載の発明により、樹脂フィルムの外形形状が複雑であっても、金型からの離型(脱型)を容易に行うことができる。なお、樹脂フィルムと離型フィルムとを同一の金型で成形することも可能である。これにより、別々に金型を設置する必要がない。
請求項5に記載の発明は、前記離型フィルムの材質をポリプロピレンとする。
ポリプロピレンは硬質ポリウレタンフォームとの接着性が良くない。従って、硬質ポリウレタンフォームからなる衝撃吸収材と離型フィルムとの接着部位が生じていても、衝撃吸収材を離型フィルムから容易に離脱させることができる。また、ポリプロピレンは金型との接着性もあまり良くないので、離型させる際に金型から容易に分離させることができる。
請求項6に記載の発明は、前記樹脂フィルムに開口部を形成しておく。
請求項6に記載の発明では、硬質ポリウレタン発泡材料を樹脂フィルムの内側に入れた際に開口部から硬質ポリウレタン発泡材料が樹脂フィルムの外側(外形側)にまわり込む。従って、成形されたフィルム付き衝撃吸収材では、樹脂フィルムと衝撃吸収材との拘束力がより強くなる。よって、衝撃吸収性能を制御しつつフィルム付き衝撃吸収材を製造することが可能である。
また、開口部の寸法を調整して衝撃時に衝撃吸収材の一部を意図的に飛散させることで、衝撃波形(衝撃を受けたときの変位と受ける衝撃力との関係を示す波形)を意図する波形に近づけることが可能である。
本発明によれば、衝撃吸収材の表面形状が複雑であっても、衝撃吸収材に樹脂フィルムを精度良く配置したフィルム付き衝撃吸収材を容易に製造することができる。
第1実施形態で、フィルム付き衝撃吸収材を成形することを示す正面断面図である。 第1実施形態で、成形されたフィルム付き衝撃吸収材を金型から離型させることを示す正面断面図である。 第1実施形態で、離型後に離型フィルムを元の位置に戻したことを示す正面断面図である。 図4(A)及び(B)は、それぞれ、第2実施形態で、フィルム付き衝撃吸収材を成形することを示す正面断面図、及び、図4(A)の部分拡大図である。 第2実施形態で、フィルム付き衝撃吸収材に衝撃が加えられることの説明図である。 第2実施形態で、フィルム付き衝撃吸収材に衝撃が加えられることの説明図である。 第2実施形態で、フィルム付き衝撃吸収材が衝撃を受けたときの変位と受ける衝撃力との関係を説明するグラフ図である。 第3実施形態で、フィルム付き衝撃吸収材を成形することを示す正面断面図である。 第4実施形態で、フィルム付き衝撃吸収材を成形することを示す正面断面図である。 第4実施形態で、成形されたフィルム付き衝撃吸収材を金型から離型させることを示す正面断面図である。
以下、実施形態を挙げ、本発明の実施の形態について説明する。ここで、第2実施形態以下では、既に説明した構成要素と同様のものには同じ符号を付して、その説明を省略する。なお、以下の実施形態で得られたフィルム付き衝撃吸収材は、自動車用内装材その他の産業資材に利用され、特に自動車のドアトリムの内側に取り付け、衝突時のエネルギーを吸収して乗員を保護するなどの衝撃吸収材として好適なものである。
[第1実施形態]
まず、第1実施形態について説明する。
図1〜図3に示すように、本実施形態では、下金型12と上金型14とで構成される衝撃吸収材成形用の金型(モールド)10を用いる。この金型10では、下金型12と上金型14とが開閉自在にヒンジ結合されている。下金型12は上部中央部に凹状の下型キャビティ16が形成され、上金型14はこの下型キャビティ16の上端開放部を閉塞する蓋体として形成されており、上金型14と下金型12とを閉じた状態では下型キャビティ16内の空間が上金型14で閉じられた状態になる。
また、本実施形態では、下金型12には真空成形法により予め下型キャビティ16と同一形状に成形されたポリプロピレン製の離型フィルム18が設置されている。この離型フィルム18は下金型12の上端面に固定ピン(図示せず)により止められ、下金型12の上端面に配設されたフィルムエアーシール用パッキンと更にフィルム押え(何れも図示せず)とで挟持されて下金型12に強固に固定されている。本発明者らの検討によると、かかる固定状態で数十回の繰り返しの脱型にてもフィルムのズレは生じない。また、脱型作業も容易に行うことができる。
離型フィルム18を成形するには、フィルムの熱収縮などを考慮し、衝撃吸収材成形用の金型10とは別であるフィルム部材成形用金型を用いて成形する。
また、下金型12の底部には、箱状の空気室Sが形成されており、この空気室Sには、圧力調整バルブ20を介装するエアー管22の一端が接続され、該エアー管22の他端は真空ポンプ等のエアー導入・吸引装置と連結されている。この空気室Sと下型キャビティ16とは複数のエアー連通孔(空気穴)24によって連通されている。
ここで、離型フィルム18は、硬質ポリウレタンフォームとの分離性を良好にし、繰り返し使用を数十回行う上で、上述したようにポリプロピレンフィルムで形成されていることが好ましい。即ち、硬質ポリウレタンフォームの成形品と分離するものには、プラスチック製フィルムとしてはポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムがあるが、伸び、変形が起こり難いことにより硬質ポリウレタンフォームとの分離時に伸び、変形が少なく、かつ分離性が良くて数十回の使用を行う、という観点で、離型フィルム18はポリプロピレンフィルムで形成されていることが好ましい。
また、硬質ポリウレタンフォームは、軟質ウレタンフォームと異なり、許容範囲を超えた力を加えると座屈変形、つまり破壊してしまうものである。一方、離型時には硬質ポリウレタンフォームは内部の反応熱で膨張しており、金型10の側面を0.5〜1kg/cm2 程度の力で押している。このような力で硬質ポリウレタンフォームで形成された衝撃吸収材32が金型10の側面を押していても、本実施形態では、上記のように離型フィルム18を金型10に設置し、離型フィルム18と下型キャビティ16との間に空気圧を加えることで、比較的スムーズに成形品が下金型12から上がってくる、つまり離型させることができる。
このポリプロピレンフィルムの厚さは0.3〜1.0mm、特に0.3〜0.6mmであることが好適である。0.3mmよりも薄いと十分な強度が維持できず、成形時にフィルムが破損する場合がある。一方、1.0mmよりも厚くなると、製品寸法誤差が大きくなり、金型を大きめに作らざるを得ない問題が生じ、脱型時のフィルムの変形が起こりにくくなり、また、成形品の形状によって複雑なものはフィルムとウレタンが分離しにくくなる場合が起きる。
また、ポリプロピレンフィルムからなる離型フィルム18は、予め真空成形法によって成形しておくことが望ましい。なお、予め成形しておかないと、硬質ポリウレタン発泡材料で発泡、成形し、脱型した後、離型フィルム18を元の状態に十分に追随、復元させることが難しい。
また、真空成形法ではなく、プレス成形法により所定の形状に形成した場合、このプレス成形法では、雄型形状のコーナー部が局部的に押されて製造されることになるため、形状が完全に下型キャビティ16に沿うことがやや困難で、下金型12からの浮きが生じ易い。また、離型フィルムのコーナー部が破れ易く、耐久性が劣る。特に下型キャビティ16が深い形状の場合には狭い隙間を薄いフィルムがすべり、伸ばされることになるので、離型フィルムが薄くなり易い。また、離型フィルムに均等に力が加わることが必要であるが、フィルム厚が薄いため、上金型14が離型フィルムを均等に押すことが困難となり、片当たりして、成形品に薄さがでたりキャビティ形状にピッタリと合うものを製造することができない場合が考えられる。なお、真空成形法は公知の方法を採用し得るが、本実施形態では、ポリプロピレンフィルムを180〜200℃、15〜20秒間程度加熱したものを真空成形することがよい。
以下、金型10を用い、硬質ポリウレタンフォームからなる衝撃吸収材32と樹脂フィルム34とが一体的に成形されてなるフィルム付き衝撃吸収材30を製造することについて説明する。
本実施形態では、予め、下金型12のキャビティ形状に沿った外形の樹脂フィルム34を成形しておく。樹脂フィルム34の材質は本実施形態ではポリカーボネイトである。樹脂フィルム34を成形するには、離型フィルム18を成形する際に用いたフィルム部材成形用金型で真空成形法により成形する。このように、樹脂フィルム34を予め成形するには、フィルムの熱収縮などを考慮し、衝撃吸収材成形用の金型10とは別のフィルム部材成形用金型を用いることが好ましい。
樹脂フィルム34の厚みは0.05〜1.0mmの範囲であることが好ましい。0.05mm未満であると破れ易くなることが考えられ、また、1.0mmを超えていると、衝撃吸収材本体が壊れ難くなりすぎて衝撃吸収性能が低下することが考えられるからである。
この成形された樹脂フィルム34を下金型12内に配置する。その際、エアー導入・吸収装置で空気吸引して離型フィルム18を下型キャビティ16に沿った成形開始前の形状(図1、図3参照)にしておき、この離型フィルム18の上側に樹脂フィルム34を配置する。更に、液状の硬質ポリウレタン発泡材料を下金型12内に注入し、上金型14を閉じる(図1参照)。
そして、注入した硬質ポリウレタン発泡材料を発泡させて膨張させる。膨脹が終了した段階で上型を型開きし、エアー導入・吸引装置を作動させ、エアー管22、空気室S、及びエアー連通孔24を介して、離型フィルム18と下型キャビティ16との間隙Nにエアーを吹き込み、図2に示すように、成形品を構成する衝撃吸収材32を樹脂フィルム34と共に押し上げる。
その際、離型フィルム18は端部のみ下金型12に固定されているので、空気圧で離型フィルム18とフィルム付き衝撃吸収材30とが押し上げられ、このときに離型フィルム18が樹脂フィルム34から分離することになる。所定量の空気を入れると所定位置で離型フィルム18の浮き上がりが止まり、図2に示すように、フィルム付き衝撃吸収材30が金型10から離型(脱型)される。
このようにして形成されたフィルム付き衝撃吸収材30では、衝撃吸収材32の表面に樹脂フィルム34が一体的に配置されている。従って、フィルム付き衝撃吸収材30に衝撃が加えられて衝撃吸収材32に大きな割れが生じても、衝撃吸収材32が広範囲に飛散することが樹脂フィルム34によって防止されている。
離型(脱型)の際の空気圧は0.5kg/cm2以上、特に1〜5kg/cm2 であることが好ましい。なお、成形品の形状や大きさにより異なるが、工場エアー圧5kg/cm2 付近にまで高めれば、ほとんどの形状の成形品を離型させることができる。
硬質ポリウレタン発泡原料としては、ポリヒドロキシ化合物とポリイソシアネート化合物とを主成分とし、更に触媒、発泡剤、整泡剤、難燃剤、その他の助剤を所望により配合したものを使用し得る。これらの成分としては硬質ポリウレタンフォームの製造に通常使用する公知のものを使用でき、またその使用量も常用量とすることができる。
なお、成形品であるフィルム付き衝撃吸収材30には抜きテーパーを設けることが脱型を容易にし、押し上げる際にヘコミや傷等が生じることなく、抵抗力も少なくなるため好ましい。このため、フィルム付き衝撃吸収材30の厚さや大きさにより異なるが3°以上、特に3°〜5°の範囲にテーパー角度θ(図1参照)を形成することが好適である。
その後、エアー導入・吸引装置を作動させて離型フィルム18と下型キャビティ16との間のエアーを吸引すると、図3に示すように、離型フィルム18は予め真空成形されているので容易に元の形状に戻ることができ、下型キャビティ面上に再設置されて、離型フィルム18の再使用が可能となる。従って、効率よく確実にキュア時間を縮めることが可能となり、一回の成形にかかるモールド使用時間を短縮して単位時間当りの成形回数を増やし生産性を上げることができる。また、エアーにより、成形品であるフィルム付き衝撃吸収材30)を全体的に均等に押し上げることができるため、フィルム付き衝撃吸収材30に無理な力がかからず、特に80℃±10℃でのキュア時間を効果的に縮めることができ、これによりモールド使用時間を短縮して単位時間当たりの成形回数を約30%も増やして生産性を上げることができる。
以上説明したように、本実施形態では、下型キャビティ16に沿った外形を有する樹脂フィルム34を予め成形する。この成形では、フィルムの熱収縮などを考慮し、衝撃吸収材成形用の金型10とは別のフィルム部材成形用金型を用いて真空成形している。
従って、樹脂フィルム34を予め成形せずに離型フィルム18の上側に樹脂フィルムを単に配置して硬質ポリウレタン発泡材料を注入してフィルム付き衝撃吸収材を成形した場合に比べ、たとえ衝撃吸収材32の表面形状が複雑であっても、樹脂フィルム34が衝撃吸収材32の意図した位置、形状に容易に高精度で配置され、しかも樹脂フィルム34が剥がれ難い。このような樹脂フィルム34が配置されたフィルム付き衝撃吸収材30に衝撃が加えられて衝撃吸収材32が割れても、分割された衝撃吸収材部分が飛散することが樹脂フィルム34による拘束で防止される。
そして、樹脂フィルム34を成形する際に真空成形で成形しているので、樹脂フィルム34の外形が複雑な形状であっても樹脂フィルム34を容易に製造することができる。また、樹脂フィルム34を成形する金型として、離型フィルム18を成形したフィルム部材成形用金型を用いた場合には、新たに金型を設置する必要がない。なお、離型フィルム18と樹脂フィルム34との形状を変えれば同じ金型でも形状の異なる衝撃吸収材を容易に製造可能とすることができる。
また、樹脂フィルム34の材質をポリカーボネイトとしている。ポリカーボネイトは硬質ポリウレタンフォームとの接着性が良いので、衝撃吸収材32の表面に樹脂フィルム34を確実に配置して固定することができる。なお、ポリエチレンテレフタレートも硬質ポリウレタンフォームとの接着性が良いので、樹脂フィルム34の材質をポリカーボネイトでなくポリエチレンテレフタレートとしても、同様に、衝撃吸収材32の表面に樹脂フィルム34を確実に配置して固定することができる。
また、下金型12に離型フィルム18を取り付け、フィルム付き衝撃吸収材30を下金型12から離型させる際に、離型フィルム18と下型キャビティ16側の下型表面との間を空気で加圧することで樹脂フィルム34を離型フィルム18から分離させている。これにより、樹脂フィルム34の外形形状が複雑であっても、金型からの離型が特に容易である。
更に、離型フィルム18の材質をポリプロピレンとしている。ポリプロピレン製の離型フィルム18はポリカーボネイト製の樹脂フィルムとの接着性があまり良くない。従って、離型させる際に離型フィルム18と樹脂フィルム34との分離が容易である。また、ポリプロピレンは硬質ポリウレタンフォームとの接着性が良くない。従って、硬質ポリウレタンフォームからなる衝撃吸収材32と離型フィルム18との接着部位が生じていても、衝撃吸収材32を離型フィルム18から容易に離脱させることができる。更に、ポリプロピレンは金型10との接着性もあまり良くないので、離型させる際に離型フィルム18を金型10から容易に分離させることができる。
また、フィルム付き衝撃吸収材30を成形する際に樹脂フィルム34の内側に硬質ポリウレタン発泡材料を注入しており、衝撃吸収材32は樹脂フィルム34の内側に成形される。従って、衝撃吸収材32から硬質ポリウレタンフォームの粉落ち現象が生じることが回避されている。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。図4に示すように、本実施形態では、第1実施形態に比べ、樹脂フィルム34に代えて、底面以外に開口部42を形成した樹脂フィルム44を成形して用いる。
本実施形態では、溶融した硬質ポリウレタン発泡材料を樹脂フィルム44の内側に注入した際に開口部42から硬質ポリウレタン発泡材料が樹脂フィルム44の外側(外形側)にまわり込む。従って、成形されたフィルム付き衝撃吸収材40では、樹脂フィルム44と衝撃吸収材43との拘束力がより強くなる。よって、衝撃吸収性能を制御しつつフィルム付き衝撃吸収材40を製造することができる。
また、開口部42の寸法を調整して衝撃時に衝撃吸収材の一部を意図的に飛散させることで、衝撃波形(衝撃を受けたときの変位と受ける衝撃力との関係を示す波形)を意図する波形に近づけることが可能である。
例えば、開口部42が形成された樹脂フィルム44を用いたフィルム付き衝撃吸収材40(図6参照)に膝模型Kを衝突させて得られた衝撃波形C2(図7参照)は、開口部42が形成されていない樹脂フィルム34を用いたフィルム付き衝撃吸収材30(図5参照)に膝模型Kを衝突させて得られた衝撃波形C3(図7参照)や、フィルムなしの衝撃吸収材に膝模型Kを衝突させて得られた衝撃波形C4(図7参照)に比べ、衝撃吸収材部分43P1、43P2(衝撃吸収材43の一部)が飛散することで意図する衝撃波形C1(図7参照。但し、理想波形は要求性能により変わり得る)に更に近づいている。このことは、衝突荷重が高い場合に大きな効果を奏する。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。図8に示すように、本実施形態では、第1実施形態に比べ、下金型62の中央部に上下方向に進退可能なエジェクターピン66が設けられている。本実施形態では、下金型62の底面にピン挿通孔64を設け、このピン挿通孔64内にエジェクターピン66を軸方向(上下方向)移動可能に配設している。第1実施形態と同様、下金型62の下方には空気室Sが形成されるが、ピン挿通孔64はこの空気室Sと連通するように形成され、この空気室Sはエアー吸引装置に連通している。ここで、ピン挿通孔64とエジェクターピン66との間の隙間Dが空気流通路となるので、第1実施形態のようにエアー連通孔24を設ける構成にしなくてもよい。
本実施形態では、成形完了後、上金型14を型開きし、エジェクターピン66を上昇、すなわちエジェクターピン66をキャビティ内側へ移動させることにより、成形品であるフィルム付き衝撃吸収材30を離型フィルム18と共に押し上げ、フィルム付き衝撃吸収材30のみを容易に脱型させることができる。
本実施形態では、脱型後、エジェクターピン66をキャビティから後退させた後、エアー吸引装置により、離型フィルム18と下型キャビティ62側の下型表面との間に存するエアーをピン挿通孔64とエジェクターピン66との隙間D、空気室Sを経由させて外部に排出し、離型フィルム18を元の形状に戻して再設置する。このエジェクターピン66の数は、1本に限られず、複数本設けてもかまわない。また、エジェクターピン66を使う場合であっても第1実施形態のように空気圧による離型を併用することにより、よりスムーズな離型を行うことができる。また、ピンの上下駆動機構(図示せず)は特に制限されず、エアー圧を利用したもの等が採用される。
エジェクターピンを用いると、フィルム付き衝撃吸収材30の離型時に空気の吹出しのためのエアー供給は必要なくなり、工程が簡単となる。なお、ピンの大きさ、個数等は、フィルム付き衝撃吸収材30を押し出す時に衝撃吸収材32を変形させない程度の面圧となるようにする。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態について説明する。図9、図10に示すように、本実施形態では、第1実施形態に比べ、金型10に離型フィルムを取り付けずにフィルム付き衝撃吸収材70を成形する。
本実施形態でも、第1実施形態と同様、予め、下金型12のキャビティ形状に沿った外形の樹脂フィルム74を成形する。そして、成形された樹脂フィルム74を下金型12内に配置する。
更に、硬質ポリウレタン発泡材料を下金型12内に注入し、上金型14を閉じ、注入した硬質ポリウレタン発泡材料を発泡させて膨張させる。膨脹が終了した段階で上金型14を型開きし、エアー導入・吸引装置を作動させて、エアー管22、空気室S、及びエアー連通孔24を介して、樹脂フィルム74と下型キャビティ16との間隙Nにエアーを吹き込み、成形品であるフィルム付き衝撃吸収材70を樹脂フィルム74と共に押し上げる。
本実施形態では、離型フィルムを用いない簡易な手法でフィルム付き衝撃吸収材70を成形することができる。そして、たとえ衝撃吸収材72の表面形状が複雑であっても、第1実施形態ほど容易ではないが、樹脂フィルム74が衝撃吸収材72の意図した位置、形状に容易に高精度で配置されたフィルム付き衝撃吸収材70を製造することができる。
なお、必要により下型キャビティ16の表面に離型剤を塗布しておいてもよく、また、下型キャビティ16の表面にフッ素樹脂コーティングしておくことも可能である。
以上、実施形態を挙げて本発明の実施の形態を説明したが、これらの実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。例えば、第1〜第3実施形態では、真空成形された離型フィルムを下金型だけにしか配設していないが、上金型にも同様にポリプロピレンフィルムを配設することができる。特に上金型にキャビティを有し、そのキャビティ形状が複雑な場合では、上金型のキャビティと同形状に真空成形した離型フィルムを配設することが好ましい。
10 金型
16 下型キャビティ(キャビティ)
18 離型フィルム
30 フィルム付き衝撃吸収材
32 衝撃吸収材
34 樹脂フィルム
40 フィルム付き衝撃吸収材
42 開口部
43 衝撃吸収材
44 樹脂フィルム
70 フィルム付き衝撃吸収材
72 衝撃吸収材
74 樹脂フィルム

Claims (6)

  1. 衝撃吸収材成形用の金型のキャビティ形状に沿った外形の樹脂フィルムを予め成形し、
    前記樹脂フィルムを前記金型内に配置し、
    硬質ポリウレタン発泡材料を前記金型内に入れて発泡させることにより、硬質ポリウレタン製の衝撃吸収材を前記樹脂フィルムと一体的に成形する、フィルム付き衝撃吸収材の製造方法。
  2. 前記樹脂フィルムを真空成形で成形する、請求項1に記載のフィルム付き衝撃吸収材の製造方法。
  3. 前記樹脂フィルムの材質をポリカーボネイト、又は、ポリエチレンテレフタレートとする、請求項1又は2に記載のフィルム付き衝撃吸収材の製造方法。
  4. 前記金型に離型フィルムを設け、
    フィルム付き衝撃吸収材を金型から離型させる際に、前記離型フィルムと前記金型のキャビティとの間を流体で加圧することで前記樹脂フィルムを前記離型フィルムから分離させる、請求項1〜3のうち何れか1項に記載のフィルム付き衝撃吸収材の製造方法。
  5. 前記離型フィルムの材質をポリプロピレンとする、請求項4に記載のフィルム付き衝撃吸収材の製造方法。
  6. 前記樹脂フィルムに開口部を形成しておく、請求項1〜5のうち何れか1項に記載のフィルム付き衝撃吸収材の製造方法。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5750747B1 (ja) * 2014-09-18 2015-07-22 内藤プロセス株式会社 微細線模様の成形方法
JP2019209545A (ja) * 2018-06-01 2019-12-12 積水ホームテクノ株式会社 発泡成形体の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP7081801B2 (ja) 2018-06-01 2022-06-07 積水ホームテクノ株式会社 ヘッドレストの製造方法

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