JP5766407B2 - シート状部材付き衝撃吸収材、シート状部材付き衝撃吸収材の配置車両、及び、シート状部材付き衝撃吸収材の製造方法 - Google Patents
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Description
この対策として、衝撃吸収性能の異なる部材を一体成型することが特許文献1で提案されている。この特許文献1では、成型金型の下型に堰(境界設定部材)を設け、堰で区切られた各区分に複数の異なる材料を供給することによって、複数の異なる衝撃性能をもつ部材を一体成型して製造している。
シート状部材としては、フェルト、スラブ、布、フィルム等が挙げられるが、配置した部位と配置しない部位とで衝撃吸収性能が互いに異なる限り特に限定はしない。設定表面位置は、通常、衝撃を受けた初期段階で衝撃吸収材に大きな破壊、分裂が生じることを回避したい位置や、衝撃を受けたときに、シート状部材が配置されていない部位に比べて、より大きな吸収エネルギーを確保したい位置である。設定表面位置は、複数箇所であってもよく、また、複雑な形状であってもよい。
請求項1に記載の発明では、体格が大きい人が衝突する、すなわち大きな衝撃荷重が入力される可能性が高い部位に予めシート状部材を配置することになる。従って、衝撃を受けた初期段階で大きな破壊、分裂がこの部位に生じることがシート状部材によって防止されている。しかも、シート状部材が配置されていない部位に比べ、衝撃を受けたときに吸収できるエネルギーが大きい。
そして、車両が衝撃を受けた際に、体格が小さい人が衝突する、すなわち小さな衝撃荷重が入力される可能性が高い部位にはシート状部材が配置されていないことになる。従って、シート状部材が配置されている部位に比べ、衝撃を受けたときに吸収できるエネルギーが小さいので、体格が小さい人に加えられる衝撃も小さい。
車両が衝撃を受けた際に、体格が大きい人は、体格が小さい人に比べて車両内で高い位置、すなわち車両上方側の位置に衝突する。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明と同様に、体格が大きい人が衝突する、すなわち大きな衝撃荷重が入力される可能性が高い部位に予めシート状部材を配置することになる。従って、衝撃を受けた初期段階で大きな破壊、分裂がこの部位に生じることがシート状部材によって防止されている。しかも、シート状部材が配置されていない部位に比べ、衝撃を受けたときに吸収できるエネルギーが大きい。
そして、車両が衝撃を受けた際に、体格が小さい人が衝突する、すなわち小さな衝撃荷重が入力される可能性が高い部位にはシート状部材が配置されていないことになる。従って、シート状部材が配置されている部位に比べ、衝撃を受けたときに吸収できるエネルギーが小さいので、体格が小さい人に加えられる衝撃も小さい。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のシート状部材付き衝撃吸収材において、前記シート状部材の端部が前記衝撃吸収材の内部に入り込んでいる。
請求項4に記載の発明は、前記シート状部材の厚さが、0.05〜1.0mmである。
請求項5に記載の発明は、前記衝撃吸収材は、硬質ポリウレタンフォーム又は熱可塑性エラストマーであり、前記シート状部材は、ポリカーボネイト又はポリエチレンテレフタレートである。
これにより、この車両の乗員に対し、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の発明の効果が得られる。
請求項7に記載の発明では、シート状部材を予め設定形状にして金型内に配置しているので、シート状部材が配置される領域が複雑な形状であっても、精度良く安定的に、容易に短時間で請求項3に記載の衝撃吸収材を製造することができる。そして、衝撃吸収材とシート状部材とが一体的に成形されるので、衝撃吸収材の成形後にシート状部材を配置する場合に比べ、衝撃吸収材とシート状部材と接合強度が高い。また、シート状部材の端部が衝撃吸収材の内部に入り込むので、この端部からは、衝撃吸収材からの剥離開始が生じない。
これにより、衝撃吸収材内部に入り込んでいるシート状部材の端部からは、衝撃吸収材からの剥離開始が生じない。
まず、第1実施形態について説明する。
図1、図2に示すように、本実施形態では、下金型12と上金型14とで構成される衝撃吸収材成形用の金型(モールド)10を用いる。この金型10では、下金型12と上金型14とが開閉自在にヒンジ結合されている。下金型12は上部中央部に凹状の下型キャビティ16が形成され、上金型14はこの下型キャビティ16の上端開放部を閉塞する蓋体として形成されており、上金型14と下金型12とを閉じた状態では下型キャビティ16内の空間が上金型14で閉じられた状態になる。
本実施形態では、予め、シート状部材の端部34Eがキャビティ内側に突出するとともに端部以外(すなわちシート状部材本体34M)は下金型12のキャビティ形状に沿った外形のシート状部材34を形成しておく。シート状部材本体34Mの配置位置は、シート状部材34側から衝撃を加えた初期段階で衝撃吸収材32に大きな破壊、分裂が生じることを防止する位置とする。
そして、注入した硬質ポリウレタン発泡材料を発泡させて膨張させる。膨脹が終了した段階で上型を型開きし、エアー導入・吸引装置を作動させ、エアー管22、空気室S、及びエアー連通孔24を介して、成形品(シート状部材付き衝撃吸収材)と下型キャビティ16との間隙Nにエアーを吹き込み、図2に示すように、成形品を構成する衝撃吸収材32をシート状部材34と共に押し上げる。
従って、シート状部材付き衝撃吸収材30のうちシート状部材34が配置されている部位に外部から衝撃が加えられても、衝撃を受けた初期段階で大きな破壊、分裂が衝撃吸収材32に生じることがシート状部材34によって防止されている。また、仮に衝撃吸収材32に大きな割れが生じても衝撃吸収材32が広範囲に飛散することがシート状部材34によって防止されている。
そして、シート状部材付き衝撃吸収材30のうちシート状部材34が配置されていない部位に外部から衝撃が加えられると、小さな衝撃荷重が入力されても破壊によりこの衝撃を吸収し易い。
硬質ポリウレタン発泡原料としては、ポリヒドロキシ化合物とポリイソシアネート化合物とを主成分とし、更に触媒、発泡剤、整泡剤、難燃剤、その他の助剤を所望により配合したものを使用し得る。これらの成分としては硬質ポリウレタンフォームの製造に通常使用する公知のものを使用でき、またその使用量も常用量とすることができる。
従って、シート状部材34が配置されている部位と配置されていない部位とで衝撃吸収性能が異なっており、シート状部材34が配置されている部位に外部から衝撃が加えられても、衝撃を受けた初期段階で大きな破壊、分裂が衝撃吸収材32に生じることが防止される。しかも、シート状部材34が配置されていることで衝突面積が増大して圧縮応力が増大する効果が得られ、シート状部材34が配置されている部位が受ける衝撃荷重を高めることが可能である。
そして、シート状部材34が配置されていない部位に外部から衝撃が加えられると、小さな衝撃荷重が入力されてもこの衝撃を吸収し易い。
また、衝撃吸収材32とシート状部材34とが一体的に成形される。従って、衝撃吸収材32の成形後にシート状部材34を配置する場合に比べ、衝撃吸収材32とシート状部材34と接合強度が高い。しかも、成形時にシート状部材34に圧縮力が作用するので、成形時の圧縮力を調整することで衝撃を受けた際のシート状部材34の圧縮応力の上昇度合いを調整することができる。
そして、シート状部材34の端部34Eが衝撃吸収材32の内部に入り込んでいるので、この端部34Eからは、衝撃吸収材32からの剥離開始が生じない。
例えば図3に示すように、衝撃吸収材32のうち車両後方側部分32Bでかつ車両内壁面側32Sにシート状部材34を配置してもよい。この配置では、体格が大きい人が衝突する、すなわち大きな衝撃荷重が入力される可能性が高い部位に予めシート状部材34を配置することになる。従って、衝撃を受けた初期段階で大きな破壊、分裂が車両後方側部分32Bの特に車両内壁面側34Sで生じることが、シート状部材34によって防止されている。しかも、シート状部材34が配置されていることで衝突面積が増大して圧縮応力が増大する効果が得られ、シート状部材34が配置されている部位が受ける衝撃荷重を高めることが可能である。そして、車両が衝撃を受けた際に、体格が小さい人が衝突する、すなわち小さな衝撃荷重が入力される可能性が高い車両前方側部分32Fにはシート状部材34が配置されていないので、衝撃を受けた初期段階から衝撃吸収性能が高い。
なお、図4に示すように、衝撃吸収材32のうち車両後方側部分の全表面にわたってシート状部材34を配置してもよい。これにより、車両後方側部分32Bで、衝撃を受けた初期段階で大きな破壊、分裂が生じることが更に防止される。
なお、図6に示すように、衝撃吸収材32のうち車両上方側部分の全表面にわたってシート状部材34を配置してもよい。これにより、車両上方側部分32Uで、衝撃を受けた初期段階で大きな破壊、分裂が生じることが更に防止される。
本発明の効果を確かめるために、本発明者は、第1実施形態のシート状部材付き衝撃吸収材30で、シート状部材34の素材をパラメータとして変更した試験片を製作し、衝撃吸収性能特性を調べる試験を行った。シート状部材34と衝撃吸収材32とを一体発泡で成形したシート状部材付き衝撃吸収材30の試験片29では、シート状部材34の素材は粗毛フェルト、及び、ボランス(登録商標)である(図9参照)。また、先に衝撃吸収材32を成形し、その後にシート状部材34を貼り付けたシート状部材付き衝撃吸収材30の試験片31では、シート状部材34の素材はフェルト、スラブ、及び、黒不織布である(図10参照)。また、比較のために、シート状部材34を配置しない例、すなわち衝撃吸収材32のみの試験片の衝撃吸収性能特性も調べた。
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態では、シート状部材として樹脂フィルムを用いた例で説明する。
図11〜図13に示すように、本実施形態では、下金型112と上金型114とで構成される衝撃吸収材成形用の金型(モールド)100を用いる。この金型100では、下金型112と上金型114とが開閉自在にヒンジ結合されている。下金型112は上部中央部に凹状の下型キャビティ116が形成され、上金型114はこの下型キャビティ116の上端開放部を閉塞する蓋体として形成されており、上金型114と下金型112とを閉じた状態では下型キャビティ116内の空間が上金型114で閉じられた状態になる。
さらに、金型100で成型される硬質ポリウレタンフォームからなる衝撃吸収材132は、表面の一部を樹脂フィルム134で被覆される一方で内部にも樹脂フィルム134がインサートされ、且つ樹脂フィルム134の一部によって衝撃吸収材132の内部は複数の区画に区分される。
樹脂フィルム134は例えば図14に示すような所謂バスタブ形の容器形状でよく、下金型112の内面に沿ってこれと接する露出部134Aと、衝撃吸収材130を複数区画に区分する堰部134Bとを備え、硬質ポリウレタン発泡材料を注入する方向(上)が開いた容器形状として形成される。
そして、注入した硬質ポリウレタン発泡材料を発泡させて膨張させる。膨脹が終了した段階で上型を型開きし、エアー導入・吸引装置を作動させ、エアー管122、空気室S、及びエアー連通孔124を介して、離型フィルム118と下型キャビティ116との間隙Nにエアーを吹き込み、図12に示すように、成形品を構成する衝撃吸収材132を樹脂フィルム134と共に押し上げる。
従って、樹脂フィルム134を予め成形せずに離型フィルム118の上側に樹脂フィルムを単に配置して硬質ポリウレタン発泡材料を注入してフィルム付き衝撃吸収材を成形した場合に比べ、たとえ衝撃吸収材132の表面形状が複雑であっても、樹脂フィルム134が衝撃吸収材132の意図した位置、形状に容易に高精度で配置されて被覆部分132Bを形成し、しかも被覆部分132Bを被覆する樹脂フィルム134が剥がれ難い衝撃吸収材とすることができる。
樹脂フィルム134の厚さは、0.05〜1.0mmの範囲が望ましい。すなわち、厚さ0.05mm未満では強度が不足して破れる虞があり、厚さ1.0mm超では衝撃吸収材132の吸収エネルギーが大きくなり、衝撃吸収性能が損なわれる虞があるためである。
また、フィルム付き衝撃吸収材130が設けられる面は車内の側壁であっても、あるいは天井などの内面であってもよく、また場所による衝撃吸収性能の変化は、分布の異なるものを複数配置するなど種々の応用が考えられる。
次に、第3実施形態について説明する。図15、図16に示すように、本実施形態では、第2実施形態に比べ、金型100に離型フィルムを取り付けずにフィルム付き衝撃吸収材170を成形する。
本実施形態でも、第2実施形態と同様、予め、下金型112のキャビティ形状に沿った外形の樹脂フィルム174を成形する。そして、成形された樹脂フィルム174を下金型112内に配置する。なお、樹脂フィルム174の材質や厚さについては、第2実施形態における樹脂フィルム134と同様である。
なお、必要により下型キャビティ116の表面に離型剤を塗布しておいてもよく、また、下型キャビティ116の表面にフッ素樹脂コーティングしておくことも可能である。
次に、第4実施形態について説明する。図17(A)に示すように、本実施形態で使用する樹脂フィルム135は図14に示す第2実施形態の樹脂フィルム134に比べ、樹脂フィルム135が所謂バスタブ状の容器形状とされておらず、堰部135Bの両側面が空いており単純な帯状の形状とされ、これにより成型されたフィルム付き衝撃吸収材31は、図17(B)に示すように表面積において被覆部分132Bの占める割合の少ない形状とされる。なお、樹脂フィルム135の材質や厚さについては、第2実施形態における樹脂フィルム134と同様である。
次に、第5実施形態について説明する。図20〜図22に示すように、本実施形態では、下金型212と上金型214とで構成される衝撃吸収材成形用の金型(モールド)210を用いる。この金型10では、下金型212と上金型214とが開閉自在にヒンジ結合されている。下金型212は上部中央部に凹状の下型キャビティ216が形成され、上金型214はこの下型キャビティ216の上端開放部を閉塞する蓋体として形成されており、上金型214と下金型212とを閉じた状態では下型キャビティ216内の空間が上金型214で閉じられた状態になる。
離型フィルム218を成形するには、フィルムの熱収縮などを考慮し、衝撃吸収材成形用の金型210とは別であるフィルム部材成形用金型を用いて成形する。
このポリプロピレンフィルムの厚さは0.3〜1.0mm、特に0.3〜0.6mmであることが好適である。0.3mmよりも薄いと十分な強度が維持できず、成形時にフィルムが破損する場合がある。一方、1.0mmよりも厚くなると、製品寸法誤差が大きくなり、金型を大きめに作らざるを得ない問題が生じ、脱型時のフィルムの変形が起こりにくくなり、また、成形品の形状によって複雑なものはフィルムとウレタンが分離しにくくなる場合が起きる。
そして、注入した硬質ポリウレタン発泡材料238Aと硬質ポリウレタン発泡材料238Bを発泡させて膨張させる。膨脹が終了した段階で上型を型開きし、エアー導入・吸引装置を作動させ、エアー管222、空気室S、及びエアー連通孔224を介して、離型フィルム218と下型キャビティ216との間隙Nにエアーを吹き込み、図21に示すように、成形品を構成する衝撃吸収材230を樹脂フィルム234と共に押し上げる。
従って、樹脂フィルム234を予め成形せずに離型フィルム218の上側に樹脂フィルムを単に配置して硬質ポリウレタン発泡材料238Aと硬質ポリウレタン発泡材料238Bを注入して衝撃吸収材を成形した場合に比べ、たとえ衝撃吸収材232Bの表面形状が複雑であっても、樹脂フィルム234が衝撃吸収材232Bの意図した位置、形状に容易に高精度で配置されて衝撃吸収材232Bを形成し、しかも衝撃吸収材232Bを被覆する樹脂フィルム234が剥がれ難い衝撃吸収材とすることができる。
次に、第6実施形態について説明する。図25、図26に示すように、本実施形態では、第5実施形態に比べ、金型210に離型フィルムを取り付けずに衝撃吸収材270を成形する。
本実施形態でも、第5実施形態と同様、予め、下金型212のキャビティ形状に沿った外形の樹脂フィルム274を成形する。そして、成形された樹脂フィルム274を下金型212内に配置する。
なお、必要により下型キャビティ216の表面に離型剤を塗布しておいてもよく、また、下型キャビティ216の表面にフッ素樹脂コーティングしておくことも可能である。
次に、第7実施形態について説明する。図27(A)に示すように、本実施形態で使用する樹脂フィルム235は図24に示す第5実施形態の樹脂フィルム234に比べ、樹脂フィルム235が所謂バスタブ状の容器形状とされておらず、堰部235Bの両側面が空いており単純な帯状の形状とされ、これにより成型された衝撃吸収材231は、図27(B)に示すように表面積において樹脂フィルム234で被覆された部分の占める割合の少ない形状とされる。
次に、第8実施形態について説明する。図28に示すように、本実施形態においても第5実施形態と同様、下金型212と上金型214とで構成される衝撃吸収材成形用の金型(モールド)210を用いる。以下、第5実施形態と同様の部分は記載を省略する。また離型フィルム218は使用しても、使用しなくてもよい。
そして、注入した硬質ポリウレタン発泡材料238Aと硬質ポリウレタン発泡材料238Bを発泡させて膨張させる。膨脹が終了した段階で図28(B)に示すように上金型214を型開きし、衝撃吸収材232Aと衝撃吸収材232Bとからなる衝撃吸収材231を下金型212より取り出す。
キャビティ216には、仕切部材240が嵌合する支持溝242が引き抜き方向に設けられている。支持溝242は仕切部材240の位置決めと保持を行い、図29(A)に示すように引き抜き方向にテーパーが付いていても(d1<d2)よい。また、離型のし易さを考慮し支持溝242の幅が仕切部材240より大きく、仕切部材240との間に間隙が設けられていてもよい。さらに他の実施形態と同様に、硬質ポリウレタン発泡材料238A、238Bの2種類のみならず3種類以上の硬質ポリウレタン発泡材料を使用することもできる。この場合は複数の仕切部材240が必要となるので、支持溝242もまた仕切部材240と同数が必要となる。
図30(A)に示すように、本形態は離型フィルム218を下金型212のキャビティ216に設け、衝撃吸収材231を下金型212より取り出し易くした構成であり、さらに離型フィルム218に支持部244と支持溝246を設けて仕切部材240を保持する。硬質ポリウレタン発泡材料238Aと硬質ポリウレタン発泡材料238Bを仕切部材240で区分されたキャビティ216内に注入し、発泡させて膨張させ、衝撃吸収材232Aと衝撃吸収材232Bとからなる衝撃吸収材を成型し、下金型212より取り出すことで衝撃吸収材231とする。
支持溝246は離型フィルム218の内面において、支持部244の間に設けられた引き抜き方向の溝であり、支持溝246もまた引き抜き方向にテーパーがついていてもよく、また支持部244の内面形状も同様にテーパーがついていてもよい。
この構造とすることにより下金型212には図28に示すような支持溝242を設ける必要がなく、専用に下金型212を用意する必要がない。このため下金型212を流用できるのでコストを低減でき、また製造ラインの変更を迅速かつ容易に行うことができる。
図31(A)に示すように、本形態は離型フィルム218を下金型212のキャビティ216に設け、衝撃吸収材231を下金型212より取り出し易くした構成であり、さらに離型フィルム218に支持部244と支持溝246を設けて仕切部材240を保持する。
さらに図30と同様に、硬質ポリウレタン発泡材料238Aと硬質ポリウレタン発泡材料238Bを仕切部材240で区分されたキャビティ216内に注入し、発泡させて膨張させ、仕切部材240を一体的に取り込んだ衝撃吸収材232Aと衝撃吸収材232Bとからなる衝撃吸収材を成型し、下金型212より取り出すことで衝撃吸収材231とする。
このとき仕切部材240は両端を保持されているので、確実に所望の位置で保持され且つキャビティ216内部での位置精度も保たれる。
この構造とすることにより下金型212には図28に示すような支持溝242を設ける必要がなく、専用に下金型212を用意する必要がない。このため下金型212を流用できるのでコストを低減でき、また製造ラインの変更を迅速かつ容易に行うことができる。
30 シート状部材付き衝撃吸収材
32 衝撃吸収材
32B 車両後方側部分(車両後方側)
32U 車両上方側部分(車両上方側)
34 シート状部材
34E 端部
100 金型
130 フィルム付き衝撃吸収材
132 衝撃吸収材
134 樹脂フィルム
135 樹脂フィルム
170 フィルム付き衝撃吸収材
172 衝撃吸収材
174 樹脂フィルム
210 金型
230 衝撃吸収材
232 衝撃吸収材
231 衝撃吸収材
232A 衝撃吸収材
232B 衝撃吸収材
233 車体(配置車両)
234 樹脂フィルム
270 衝撃吸収材
272A 衝撃吸収材
272B 衝撃吸収材
274 樹脂フィルム
Claims (8)
- 衝撃吸収材の部分的な設定表面位置にシート状部材を配置して1つの部材とすることにより、前記シート状部材が配置された部位と配置されていない部位とで衝撃吸収性能を異ならせており、
乗員の車幅方向外側における車両の内装の内側に配置され、前記設定表面位置が、前記シート状部材が配置されていない部位よりも車両後方側の位置とされた、シート状部材付き衝撃吸収材。 - 衝撃吸収材の部分的な設定表面位置にシート状部材を配置して1つの部材とすることにより、前記シート状部材が配置された部位と配置されていない部位とで衝撃吸収性能を異ならせており、
乗員の車幅方向外側における車両の内装の内側に配置され、前記設定表面位置が、前記シート状部材が配置されていない部位よりも車両上方側の位置とされた、シート状部材付き衝撃吸収材。 - 前記シート状部材の端部が前記衝撃吸収材の内部に入り込んでいる請求項1又は請求項2に記載のシート状部材付き衝撃吸収材。
- 前記シート状部材の厚さは、0.05〜1.0mmである請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のシート状部材付き衝撃吸収材。
- 前記衝撃吸収材は、硬質ポリウレタンフォーム又は熱可塑性エラストマーであり、
前記シート状部材は、ポリカーボネイト又はポリエチレンテレフタレートである請求項1〜請求項4の何れか1項に記載のシート状部材付き衝撃吸収材。 - 請求項1〜請求項5の何れか1項に記載のシート状部材付き衝撃吸収材が設置された、シート状部材付き衝撃吸収材の配置車両。
- 請求項3に記載のシート状部材付き衝撃吸収材の製造方法であって、
前記シート状部材を予め成形し、
前記シート状部材を金型内に配置し、前記金型内で硬質ポリウレタン発泡材料を発泡及び膨張させて、前記シート状部材の端部が前記衝撃吸収材の内部に入り込むように、前記シート状部材と硬質ポリウレタンフォーム製の衝撃吸収材とを一体的に成形する、シート状部材付き衝撃吸収材の製造方法。 - 前記シート状部材を予め成形する際に、前記シート状部材を前記金型内に配置すると前記シート状部材の端部がキャビティ内側に突出するように成形する、請求項7に記載のシート状部材付き衝撃吸収材の製造方法。
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