JP2008174174A - 自動車のドア構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】衝撃吸収部の乗員保護性能をより高める。
【解決手段】開口5aを有するドアインナパネル5に樹脂製のパネル部材9が開口5aを閉塞するように取り付けられ、パネル部材9には、自動車の側突時の衝撃を吸収する衝撃吸収部19が形成される。衝撃吸収部19は、衝撃吸収部19が車室内側に変位可能となるように、パネル部材9と可撓性の連結部31で連結されている。
【選択図】図2
【解決手段】開口5aを有するドアインナパネル5に樹脂製のパネル部材9が開口5aを閉塞するように取り付けられ、パネル部材9には、自動車の側突時の衝撃を吸収する衝撃吸収部19が形成される。衝撃吸収部19は、衝撃吸収部19が車室内側に変位可能となるように、パネル部材9と可撓性の連結部31で連結されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、パネル部材に衝撃吸収部が一体に形成された自動車のドア構造に関するものである。
従来より、自動車には、正面からの衝突のみならず、側面衝突から乗員を保護するための高度な安全性が要求されている。この要求に対し、サイドドア内の車両部品に側面衝突時の衝撃エネルギーを吸収する衝撃吸収部を設けて、乗員の安全を可及的に確保するものが知られている。この衝撃吸収部は、例えば、特許文献1に示すように、中間の仕切板と格子状リブとにより構成され、この格子状リブは、仕切板の両面から車両内側及び外側に向かって、仕切板に対して垂直に延びる縦リブ及び横リブが組み合わされている。
特開平9−11829号公報
ところで、サイドドア内に設けられた上記衝撃吸収部は、側面衝突時に衝撃荷重を吸収するものであるが、それだけではなく、側面衝突時に車室内の乗員の腰部方向へ変位し、乗員の腰部を車室内方へ押圧することで、側面衝突時の入力荷重から乗員を保護する機能をも有することが望ましい。そのためには、側面衝突時に上記衝撃吸収部を車室内側へ速やかに移動させて、乗員の腰部を早期に押圧する構造が必要である。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ドア構造に改良を加えることで衝撃吸収部の乗員保護性能をより高めることにある。
上記目的を解決するために、本発明に係る自動車のドア構造では、衝撃吸収部が車室内側に変位可能となるように、衝撃吸収部をパネル部材と可撓性の連結部で連結した。
具体的には、第1の発明に係る自動車のドア構造は、開口を有するドアインナパネルに樹脂製のパネル部材が該開口を閉塞するように取り付けられ、上記パネル部材には、自動車の側突時の衝撃を吸収する衝撃吸収部が形成された自動車のドア構造であって、上記衝撃吸収部は、該衝撃吸収部が車室内側に変位可能となるように、上記パネル部材と可撓性の連結部で連結されている。
第2の発明に係る自動車のドア構造は、上記第1の発明に係る自動車のドア構造において、上記衝撃吸収部は、上記パネル部材と平行な仕切板部と、該仕切板部の両面から上記ドアインナパネルの車室内側のドアトリムと車室外側のドアアウタパネルとに向かって突出するリブとを有する。
第3の発明に係る自動車のドア構造は、上記第1の発明に係る自動車のドア構造において、上記衝撃吸収部は、上記パネル部材と平行な仕切板部と、該仕切板部の両面から上記ドアインナパネルの車室内側のドアトリムと車室外側のドアアウタパネルとに向かって突出するリブとを有する吸収部本体と、上記吸収部本体の上記ドアアウタパネル側端部よりも外側の周縁部に一体に形成された枠体を備え、上記枠体が上記パネル部材と上記連結部により連結されており、自動車の衝突時に、上記ドアアウタパネルの車室内側の上記衝撃吸収部に対応する位置に設けられた側突用パッドが上記吸収部本体及び上記枠体に当接するように構成されている。
第4の発明に係る自動車のドア構造は、上記第1から第3のいずれか1つの発明に係る自動車のドア構造において、上記連結部周縁のパネル部材には、車室内側に延びかつ上記変位する衝撃吸収部を案内するガイド部が形成されている。
上記第1の発明によれば、衝撃吸収部を車室内側に変位可能となるように、連結部によりパネル部材と連結しているため、自動車の側突時には、衝撃吸収部が車室内側へ速やかに移動して、乗員の腰部を車室内方へ早期に押圧して、さらに衝撃吸収部が衝撃荷重を吸収するので、乗員保護性能を高めることができる。
上記第2の発明によれば、衝撃吸収部が仕切板部の両面から突出するリブを有するため、このリブが潰れること等により側突時の衝撃荷重を吸収することができる。
ここで、衝撃吸収部を射出成形により成形するとき、一般に、射出成形型の抜き勾配を確保する必要性からリブの根本部の肉厚が先端部の肉厚よりも厚くなる。したがって、このリブのリブ突出高さを高くすると、根本部の厚みが増して剛性が高くなり、側面衝突時のリブの座屈変形の変形量の増加に伴って発生荷重が大きくなる。
これに対し、上記第2の発明によれば、衝撃吸収部がパネル部材と平行な仕切板部を有し、この仕切板部の両面からリブを突出させているので、衝撃吸収部の全長を確保しつつ、リブのリブ突出高さを抑えることで根本部の肉厚の増加を抑え、衝突時の衝撃荷重の吸収をより確実に行うことができる。
上記第3の発明によれば、リブを有する吸収部本体をドアアウタパネル側に延ばさずに枠体を設けて、衝突時に、ドアアウタパネルに設けられた側突用パッドを枠体に当接させ、側突荷重をより確実に受けることで連結部により衝撃吸収部の車室内側への移動が速やかに行われ、さらに吸収部本体にも当接させて衝撃荷重を吸収することで、乗員保護性能を高めることができる。
また、ドアトリムとパネル部材との間隔又はアウタパネルとパネル部材との間隔が大きい場合でも、吸収部本体のリブの高さを延ばさずに枠体を設けるので、根本部の肉厚の増加を抑えて、側面衝突時の衝撃荷重の吸収をより確実に行うことができる。
上記第4の発明によれば、パネル部材に車室内側に延びかつ上記変位する衝撃吸収部を案内するガイド部が形成されているので、衝突時に、このガイドに沿って衝撃吸収部が車室内側に移動するので、より確実に乗員の腰部を早期に押圧することができ、乗員保護性能をより高めることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態1》
図1は、自動車の例えばフロント右側のサイドドア1を示し、このサイドドア1は、ドアアウタパネル3と、このドアアウタパネル3の外周に周縁が固着されたドアインナパネル5とを備えたドア本体7を有している。そして、図2に示すように、このドアインナパネル5は、内方に開口部5aが形成されており、この開口部5aを覆うように、ドアインナパネル5には樹脂製のパネル部材9が取り付けられ、このパネル部材9を車内側から被うように、ドアトリム11がドアインナパネル5に取り付けられている。ドアアウタパネル3の車内側には、発泡ウレタン等の緩衝材からなる側突用パッド13が、乗員の腰部に対応する位置に突設されている。パネル部材9には、図示しないレギュレータ装置のガイドレールが組み付けられ、側突用パッド13とパネル部材9との間に、このガイドレールにガイドされるウィンドガラス15(図2に破線で示す)が配置されている。
図1は、自動車の例えばフロント右側のサイドドア1を示し、このサイドドア1は、ドアアウタパネル3と、このドアアウタパネル3の外周に周縁が固着されたドアインナパネル5とを備えたドア本体7を有している。そして、図2に示すように、このドアインナパネル5は、内方に開口部5aが形成されており、この開口部5aを覆うように、ドアインナパネル5には樹脂製のパネル部材9が取り付けられ、このパネル部材9を車内側から被うように、ドアトリム11がドアインナパネル5に取り付けられている。ドアアウタパネル3の車内側には、発泡ウレタン等の緩衝材からなる側突用パッド13が、乗員の腰部に対応する位置に突設されている。パネル部材9には、図示しないレギュレータ装置のガイドレールが組み付けられ、側突用パッド13とパネル部材9との間に、このガイドレールにガイドされるウィンドガラス15(図2に破線で示す)が配置されている。
図3に示すように、上記パネル部材9はパネル状のプレート本体17を備え、このプレート本体17の上記側突用パッド13に対応する位置には、樹脂製の衝撃吸収部19が一体に形成されている。車両の側面衝突時には、ドアアウタパネル3の車体内方側への変形にともなって、ドアアウタパネル3に設けた側突用パッド13が車体内方側へ変位し、この側突用パッド13からの入力荷重を衝撃吸収部19が受圧し、この衝撃吸収部19が潰れること等で衝撃荷重を吸収するようになっている。
上記衝撃吸収部19上記パネル部材9と略面一となるように配置される仕切板部23と、この仕切板部23の両面からドアトリム11側及びドアアウタパネル3側の両方側に向かって、仕切板部23に対して垂直に延びる縦リブ25a及び横リブ25bが組み合わされた格子状リブ25とで構成されている。
具体的には、上記衝撃吸収部19の衝撃吸収効果を高めるためには、上記仕切板部23の肉厚は2mm程度が好ましく、格子状リブ25の肉厚は1mm程度で、根本部から先端部に亘って均等な板厚であることが好ましい。したがって、格子状リブ25は、射出成形による金型の抜き勾配をできるだけ小さくし、先端部の肉厚を1mm程度に確保し、根本部の厚さを先端部の厚さよりも若干厚くなる程度とすることが好ましい。
そして、仕切板部23から車室内側に向かって延びる格子状リブ25のリブ高さLは、パネル部材9とドアトリム11との間隔Sに応じて設定すればよいが、衝撃吸収部19の側突変位を即座に伝達できるように、ドアトリム11の近傍まで形成されることが好ましい。一方、仕切板部23から車室外側に向かって延びる格子状リブ25は、降ろしたウィンドガラス15に干渉しない位置まで形成されている。
ここで、格子状リブ25の仕切板部23からの長さであるリブ高さLは60mm以下が好適である。格子状リブ25のリブ高さLを60mmよりも長くすると、リブの先端部に対応する金型にまで樹脂が届かず、ショートショットとなる場合があり、成形性が悪くなってしまう。また、格子状リブ25のリブ高さLを60mmよりも長くして、格子状リブ25の先端部の厚さを1mm程度に確保しようとすると、根本部の肉厚が厚くなってしまい剛性が高まるので、衝撃吸収部19の変形量に対する発生荷重を低く抑えることが困難となる。したがって、格子状リブ24のリブ高さLを60mm以下とし、衝撃吸収部19の全長が120mm以下に設定されている。なお、本実施形態1においては、パネル部材9とドアトリム11との間隔Sは60mm以下であり、ウィンドガラス15とドアトリム11との間隔Soは120mm以下である。
上記プレート本体17と衝撃吸収部19とは可撓性の連結部31により連結されている。具体的には、衝撃吸収部19の仕切板部23の外周に対応する部分の全域に、折れ曲がった断面形状の樹脂製の連結部31がプレート本体17と共に一体に形成されている。車両の側面衝突時に、側突用パッド13から衝撃吸収部19が衝撃荷重を受圧した際に、この連結部31が車室内側に向かって延びるように変形して、衝撃吸収部19が車室内側に速やかに変位するようになっている。
プレート本体17の連結部31の周縁部には、その全域に亘って格子状リブ25の突出方向(ドアアウタパネル3側及びドアトリム11側)に沿って一つの辺を有する断面三角形状のガイド部33が一体に形成されている。
(実施形態1の効果)
実施形態1の自動車のサイドドア1の構造においては、側面衝突時には、ドアアウタパネル3が車室内側に変形し、これに伴ってドアアウタパネル3に設けた側突用パッド13が車室内側に変位する。この側突用パッド13が衝撃吸収部19の車室外側端部に側突し、この側突用パッド13の側突による押圧力を衝撃吸収部19が受けて、連結部31が車室内側に向かって延びるように変形する。これにより、衝撃吸収部19が車室内側に変位する。さらに、上記衝撃吸収部19は、側突用パッド13からの入力荷重を受圧し、格子状リブ25の変形等により衝撃荷重を吸収する。このことで、衝撃吸収部19が車室内側に速やかに移動し、ドアトリム11を介して乗員の腰部を車室内方へ早期に押圧するので、乗員保護性能を高めることができる。
実施形態1の自動車のサイドドア1の構造においては、側面衝突時には、ドアアウタパネル3が車室内側に変形し、これに伴ってドアアウタパネル3に設けた側突用パッド13が車室内側に変位する。この側突用パッド13が衝撃吸収部19の車室外側端部に側突し、この側突用パッド13の側突による押圧力を衝撃吸収部19が受けて、連結部31が車室内側に向かって延びるように変形する。これにより、衝撃吸収部19が車室内側に変位する。さらに、上記衝撃吸収部19は、側突用パッド13からの入力荷重を受圧し、格子状リブ25の変形等により衝撃荷重を吸収する。このことで、衝撃吸収部19が車室内側に速やかに移動し、ドアトリム11を介して乗員の腰部を車室内方へ早期に押圧するので、乗員保護性能を高めることができる。
また、格子状リブ25は、リブ高さLが60mm以下であり、先端部の肉厚が1mm程度に形成されているため、格子状リブ25の根本部の肉厚を抑えて、衝撃吸収部19の発生荷重を低く抑え、衝撃を十分に吸収することで、乗員保護性能をより高めることができる。
また、パネル部材9に、衝撃吸収部19の格子状リブ25の突出方向に沿って延びる一辺を有するガイド部33が形成されているので、側面衝突時に、このガイド部33に沿って衝撃吸収部19を乗員の腰部の方向に向かって的確に変位させるので、より確実に乗員の腰部を早期に押圧することができ、乗員保護性能をより高めることができる。
また、衝撃吸収部19をパネル部材9と一体に形成したことにより、パネル部材9と別体に形成して、ビス止め等により取り付ける場合に比べて、手間がかからず取付性を向上させることができる。
《発明の実施形態2》
次に、図4により、本発明の実施形態2に係る自動車のドア構造について、詳細に説明する。なお、図2と同じ構成要素については同じ符号を付し、実施形態1と同じ部分については、その詳細な説明は省略する。
次に、図4により、本発明の実施形態2に係る自動車のドア構造について、詳細に説明する。なお、図2と同じ構成要素については同じ符号を付し、実施形態1と同じ部分については、その詳細な説明は省略する。
すなわち、本発明の実施形態2に係る自動車のドア構造は、衝撃吸収部19は収納部本体21と枠体41とを備えている点で上記実施形態1と異なる。この吸収部本体21は、実施形態1の衝撃吸収部19と同様に仕切板部23と格子状リブ25とを有する。
具体的には、本実施形態2では、上記パネル部材9とドアトリム11との間隔Sが最大で120mm程度であり、ウィンドガラス15とドアトリム11との間隔Soが120mm以上である。そして、この場合、衝撃吸収部19の格子状リブ25のリブ高さLを60mm以下とするために、仕切板部23をパネル部材9とドアトリム11との中間に配置し、仕切板部23の両面から最大で60mmずつのリブ高さLで格子状リブ25が設けられている。そして、吸収部本体21のドアアウタパネル3側の端部の周縁部に枠体41が一体に形成されている。この枠体41は、吸収部本体21の最外殻を構成する四方の格子状リブ25の端部から吸収部本体21の外方に向かって延びる枠体段部41aと、この枠体段部41aからドアアウタパネル3側に向かって、格子状リブ25の突出方向と平行に延びる側壁部41bとを備えている。
そして、上記枠体41の側壁部41bの外周部が上記連結部31によりプレート本体17と連結されている。
ドアアウタパネル3に設けられた側突用パッド13は、側面衝突時に上記衝撃吸収部19の枠体41内に挿入され、かつ枠体段部41a及び吸収部本体21に当接するように、車室内方に凸部43が形成され、この凸部43の外周部に形成されたパッド段部45が、側面衝突時に側壁部41bの端部に当接するようになっている。
(実施形態2の効果)
実施形態2の自動車のサイドドア1の構造においては、パネル部材9とドアトリム11との間隔Sが120mm程度であっても、吸収部本体21の仕切板部23をプレート本体17よりも車内側に配置し、両側の格子状リブ25のリブ高さLをそれぞれ60mm以下とすることで、格子状リブ25の根本部の肉厚の増加を抑えて、衝撃吸収部19の衝撃吸収性能を維持することができる。
実施形態2の自動車のサイドドア1の構造においては、パネル部材9とドアトリム11との間隔Sが120mm程度であっても、吸収部本体21の仕切板部23をプレート本体17よりも車内側に配置し、両側の格子状リブ25のリブ高さLをそれぞれ60mm以下とすることで、格子状リブ25の根本部の肉厚の増加を抑えて、衝撃吸収部19の衝撃吸収性能を維持することができる。
また、吸収部本体21をドアアウタパネル3側に延ばさずに枠体41を設けて、側突用パッド13のパッド段部45を枠体41の側壁部41bに側突させることにより、側突用パッド13からの押圧力が側壁部41bに速やかに伝わり、側壁部41bの外周部に設けられた連結部31が車室内側に延びるように変形することで、吸収部本体21の車室内側への移動が速やかに行われて、乗員の腰部を早期に押圧することができ、乗員保護性能をより高めることができる。
さらに、側面衝突時に、側突用パッド13の凸部43が衝撃吸収部19の枠体41内に挿入されて、枠体段部41a及び吸収部本体21に当接するので、速やかに衝撃荷重を吸収部本体21により吸収することができる。
(その他の実施形態)
なお、上述の実施形態は、本発明の例示であって、本発明はこの例に限定されるものではない。例えば、以下のような構成としてもよい。
なお、上述の実施形態は、本発明の例示であって、本発明はこの例に限定されるものではない。例えば、以下のような構成としてもよい。
すなわち、上記実施形態1では、衝撃吸収部19の仕切板部23がプレート本体17と面一となる位置に衝撃吸収部19を配設したが、衝撃吸収部19の位置及び形状はこれには限定されない。
例えば、図5に示すように、パネル部材9とドアトリム11との間隔Sが60mm以上かつ120mm未満である場合には、仕切板部23をプレート本体17と面一の位置に配置すると、車室内側に延びる格子状リブ25のリブ高さLが60mm以上となり、格子状リブ25の根本部の厚さが厚くなってしまう。したがって、この場合には、車室内側に延びる格子状リブ25のリブ高さLが60mm以下となるように仕切板部23をプレート本体17よりも車室内側に配置し、仕切板部23よりも車室外側の吸収部本体21の外周部分を連結部31によりプレート本体17と連結するようにすればよい。
そして、ウィンドガラス15とドアトリム11との間隔Soが120mm未満であり、衝撃吸収部19の仕切板部23からウィンドガラス15までの距離が60mm以下であれば、車室外側に延びる格子状リブ25のリブ高さLを60mm以下として、上記実施形態2のように枠体41を設けなくても、衝撃吸収部19の格子状リブ25により衝撃を速やかに吸収するとともに、車室内側への移動も速やかに行われて、乗員保護性能を確保することができる。
また、上記実施形態2では、側突用パッド13に段部45を形成したが、この段部45を設けなくてもよい。この場合、衝突時に、側突用パッド13が枠体41の側壁部41bに側突するので、段部45が側壁部41bに側突する場合よりも早期に、側突用パッド13からの押圧力が枠体41に伝わり、連結部31が変形することで吸収部本体21の車室内側への移動が速やかに行われ、乗員の腰部を、より早期に押圧することができる。
また、上記実施形態1及び2では、プレート本体17に断面略三角形状のガイド部33を一体に形成したが、ガイド部33の形状はこれには限定されず、断面略矩形状等の形状に形成してもよく、ガイド部33をドアトリム11の裏面近傍まで延設してもよい。そして、連結部31をガイド部33の延設した車室内側の端部から、ガイド部33の車室外側端部付近まで伸ばした後屈曲させ、衝撃吸収部19または枠体41に連結させるようにしてもよい。また、必ずしもこのガイド部33は形成しなくてもよい。
また、上記実施形態1及び2では、吸収部本体21に縦リブ25a及び横リブ25bとからなる格子状リブ25を形成したが、吸収部本体21に設けるリブはこの形状には限られず、ハニカム形状等でもよい。
また、上記衝撃吸収部19及び連結部31をパネル部材9のプレート本体17の材料よりも衝撃吸収性の高い材料で形成してもよい。これにより、衝撃吸収部19をより早期に変位させることができ、さらに衝撃吸収性を向上させることもできる。この場合、パネル部材9を二重成形法(2色成形法)により成形することで、プレート本体17と衝撃吸収部19及び連結部31とを一体に成形でき、組付性を維持することができる。
以上説明したように、本発明は、パネル部材に衝撃吸収部が形成された自動車のドア構造について有用である。
3 ドアアウタパネル
5 ドアインナパネル
5a 開口部
9 パネル部材
13 側突用パッド
19 衝撃吸収部
21 吸収部本体
23 仕切板部
25 格子状リブ
31 連結部
33 ガイド部
41 枠体
5 ドアインナパネル
5a 開口部
9 パネル部材
13 側突用パッド
19 衝撃吸収部
21 吸収部本体
23 仕切板部
25 格子状リブ
31 連結部
33 ガイド部
41 枠体
Claims (4)
- 開口を有するドアインナパネルに樹脂製のパネル部材が該開口を閉塞するように取り付けられ、上記パネル部材には、自動車の側突時の衝撃を吸収する衝撃吸収部が形成された自動車のドア構造であって、
上記衝撃吸収部は、該衝撃吸収部が車室内側に変位可能となるように、上記パネル部材と可撓性の連結部で連結されていることを特徴とする自動車のドア構造。 - 請求項1の自動車のドア構造において、
上記衝撃吸収部は、上記パネル部材と平行な仕切板部と、該仕切板部の両面から上記ドアインナパネルの車室内側のドアトリムと車室外側のドアアウタパネルとに向かって突出するリブとを有することを特徴とする自動車のドア構造。 - 請求項1の自動車のドア構造において、
上記衝撃吸収部は、
上記パネル部材と平行な仕切板部と、該仕切板部の両面から上記ドアインナパネルの車室内側のドアトリムと車室外側のドアアウタパネルとに向かって突出するリブとを有する吸収部本体と、
上記吸収部本体の上記ドアアウタパネル側端部よりも外側の周縁部に一体に形成された枠体とを備え、
上記枠体が上記パネル部材と上記連結部により連結されており、
自動車の衝突時に、上記ドアアウタパネルの車室内側の上記衝撃吸収部に対応する位置に設けられた側突用パッドが上記吸収部本体及び上記枠体に当接するように構成されていることを特徴とする自動車のドア構造。 - 上記請求項1から3のいずれか1つの自動車のドア構造において、
上記連結部周縁のパネル部材には、車室内側に延びかつ上記変位する衝撃吸収部を案内するガイド部が形成されていることを特徴とする自動車のドア構造。
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