JP2016059835A - 気体分離装置及び気体分離方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】水和物により混合気体から目的気体を選択的に捕集して分離するに当たり、水和物と目的気体との接触効率が高く、水和物が目的気体を捕集する捕集効率が高い気体分離装置及び気体分離方法を提供する。
【解決手段】
水和物生成装置1は、水和物生成物の水溶液を冷却して水和物を生成する冷却手段と、水和物の生成に至らなかった水溶液を脱水除去する脱水手段とを有し、造粒装置2は、水溶液脱水除去後の水和物を造粒して粒状水和物を製造し、気体捕集放出装置3は、粒状水和物の充填層を形成する充填塔3Aと、上記充填層の粒状水和物を減圧する減圧手段3Cとを有し、充填塔3Aは、目的気体を含む混合気体が送入される送気口3A−2と、混合気体から目的気体が粒状水和物に捕集された後の目的気体以外の気体を排出する排出口3A−3とを有し、減圧手段3Cは、目的気体を捕集した後の上記充填層の粒状水和物を減圧して目的気体を放出させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、混合気体から目的とする気体(以下「目的気体」という)を選択的に水和物により捕集することを通じて、混合気体から該目的気体を分離する装置及び方法に関する。
本発明において、次に掲げる用語の意味又は解釈は以下のとおりとする。この用語の意味又は解釈は、本発明の技術的範囲が均等の範囲にまで及ぶことを妨げるものではない。
(1)「水和物」とは、包接水和物の略称である。ホスト、ホスト物質又はホスト分子と呼ばれる水分子が構成するトンネル形、層状、網状、籠状などの構造(包接格子)内に、ゲスト物質、ゲスト分子又はゲスト化合物と呼ばれる他の分子が入り込む又は取り込まれることで形成され、生成される物質を包接水和物という。ゲスト物質の例としては、テトラnブチルアンモニウム塩、テトラisoペンチルアンモニウム塩、トリnブチル・ペンチルアンモニウム塩等のアルキルアンモニウム塩に代表される第四級アンモニウム塩、アルキルホスホニウム塩、アルキルスルホニウム塩などがある。本発明における「水和物」には、準包接水和物が含まれる。包接水和物を生成するゲスト物質を水和物生成物という。
(2)水和物のゲスト物質、すなわち、水和物生成物の水溶液、より詳しくは一種又は二種以上の水和物生成物を溶質とし、水を溶媒とする水溶液を、冷却すると水和物が生成される。また、本発明において、「水和物を生成する液体」とは、冷却されて水和物を生成する水和物生成物を含む液体をいう。水和物を生成する液体を冷却し水和物が生成されると、水和物と水和物を生成する液体の混合物となる。
(3)「水和物のスラリ」とは、水和物がそのゲスト物質の水溶液、すなわち、水和物生成物の水溶液又は水溶媒の中に分散又は懸濁してスラリ状を呈するに至ったものをいう。水和物が少量であっても(換言すれば水和物の存在比率が低くても)、また、水和物の量が多くても、該水溶液又は水溶媒に水和物が分散又は懸濁しているのであれば、それは「水和物のスラリ」に該当する。
(4)「水和物生成温度」とは、水和物のゲスト物質の水溶液を冷却したとき、その水溶液の中で水和物が生成する温度をいう。
目的気体と目的気体以外の気体から成る混合気体から目的気体を選択的に水和物により捕集し分離する技術は、アルキルアンモニウム塩、アルキルホスホニウム塩、アルキルスルホニウム塩などを水和物生成物とする水和物により目的気体を捕集分離する技術が好例となり、目的気体が含まれない環境又は目的気体の濃度が所定濃度未満の環境の下で水和物を予め生成し、引き続き該水和物により混合気体から該目的気体を選択的に捕集して分離する技術が開示されている(特許文献1参照)。
特許文献1の気体分離装置は、目的気体が含まれない環境下で水和物を生成する水和物生成装置と、水和物生成装置で生成された水和物が存在する環境に混合気体を供給して水和物に目的気体を捕集させる気体捕集装置と、目的気体を捕集した水和物から目的気体を放出させる気体放出装置とを有している。
特許文献1では、水和物生成装置は、水和物を生成するゲスト物質を含む水溶液が流通過程で一時的に貯留される生成槽に冷却機能を備える熱交換器を備えている。この水溶液が熱交換器により冷却されると水和物を生成し、生成槽には水和物が水溶液中に分散又は懸濁している水和物スラリが貯留される。
気体捕集装置は、水和物生成装置からの水和物スラリを受けると共に、目的気体を含む混合気体をも受けて、この混合気体が水和物スラリと混合されて接触し、目的気体が水和物に選択的に取り込まれて捕集される。
このようにして、特許文献1では、目的気体が含まれない環境下で上記水溶液を冷却することで水和物スラリを生成し、この水和物スラリに混合気体を接触させることで混合気体中の目的気体を水和物で選択的に捕集している。
水和物を生成する液体を冷却して水和物を生成する際には、水和物を生成する液体の温度が水和物生成温度以下にまで低下しても液体状態であるという過冷却現象が伴う。過冷却が解除されると急激に水和物が生成されるため、混合気体から目的気体を分離してこれを捕集するために水和物の生成を行うと、過冷却が解除された後に、水和物を生成する液体と目的気体とを収容する容器や配管の内壁面、その他望ましくない部位に水和物の付着を招来し、冷却効率を低下させ水和物の生成に支障を生じさせたり、水和物を生成する液体の流送に支障を生じさせたり、閉塞を生じさせるなど、水和物の生成、搬送その他の処理に不具合を生じさせる。
特許文献1の気体分離装置では、目的気体の捕集前に水和物がすでに生成されているので、目的気体捕集のために水和物スラリをさらに冷却しても、水和物スラリ中にすでに存在しているスラリが核となって、上述のような目的気体捕集時に最初から水溶液を冷却して水和物を生成する際に生じる過冷却現象を防止又は抑制し、過冷却現象による不具合を防止することができる。
特開2013−119063
特許文献1の気体捕集装置では、水和物生成装置で生成された水和物が水和物生成物の水溶液に分散又は懸濁している水和物スラリの供給を受け、この水和物スラリに目的気体を含む混合気体を供給してこれらを混合し、水和物に混合気体から目的気体が選択的に取り込まれ捕集される。水和物スラリ中の水和物と目的気体との接触は、水和物生成物の水溶液に目的気体が溶解し水和物と接触すること(前者)や、気泡状の目的気体が直接水和物と接触すること(後者)により行われる。
しかし、前者では、目的気体の水溶液への溶解速度や溶解度がほぼ定まっているため、水和物と目的気体との接触効率を大幅に向上させるのは困難であり、また後者では、水和物生成装置で生成された水和物をそのまま用いるため水和物の形状が塊状である場合には比表面積が小さく接触効率が小さいなど、特許文献1の気体捕集装置では、水和物による目的気体の捕集効率を向上させることが困難であり、実用的なプロセスとして構築することに問題がある。
本発明は、かかる事情に鑑み、水和物により混合気体から目的気体を選択的に捕集して分離するに当たり、水和物と目的気体との接触効率が高く、水和物が目的気体を捕集する捕集効率が高い気体分離装置及び気体分離方法を提供することを課題とする。
本発明によれば、上述の課題は、以下のように構成される気体分離装置、気体分離方法により解決される。
<気体分離装置>
目的気体を含む混合気体から該目的気体を分離する気体分離装置であって、
水和物を生成する水和物生成装置と、水和物生成装置で生成された水和物を造粒して所定の粒径の粒状水和物を製造する造粒装置と、該造粒装置で造粒された粒状水和物に混合気体を接触させて該粒状水和物に目的気体を捕集させて目的気体以外の気体を放出した後、該目的気体を捕集した該粒状水和物から目的気体を放出させる気体捕集放出装置とを有し、
水和物生成装置は、水和物生成物の水溶液を冷却して水和物を生成する冷却手段と、水和物の生成に至らなかった水溶液を脱水除去する脱水手段とを有し、
気体捕集放出装置は、造粒装置で造粒された粒状水和物を受け入れて該粒状水和物の充填層を形成する充填塔と、上記充填層に目的気体を含む混合気体を送入する送入手段と、上記充填層の粒状水和物を減圧する減圧手段とを有し、
充填層の粒状水和物に送入手段により送入された混合気体を接触させ、混合気体から目的気体を粒状水和物に捕集させ、目的気体を捕集した後の粒状水和物を減圧手段により減圧して該粒状水和物から目的気体を放出させることを特徴とする気体分離装置。
<気体分離方法>
目的気体を含む混合気体から該目的気体を分離する気体分離方法であって、
水和物を生成する水和物生成工程と、該水和物生成工程で生成された水和物を造粒して所定の粒径の粒状水和物を製造する造粒工程と、該造粒工程で造粒された粒状水和物に混合気体を接触させて該粒状水和物に目的気体を捕集させて目的気体以外の気体を放出した後、該目的気体を捕集した該粒状水和物から目的気体を放出させる気体捕集放出工程とを有し、
水和物生成工程は、水和物生成物の水溶液を冷却して水和物を生成するとともに、水和物の生成に至らなかった水溶液を脱水除去し、
気体捕集放出工程は、造粒工程で造粒された粒状水和物を受け入れて該粒状水和物の充填層を形成し、目的気体を含む混合気体を上記充填層に送入し、粒状水和物に混合気体を接触させ混合気体から目的気体を粒状水和物に捕集させ目的気体以外の気体を放出し、目的気体を捕集した粒状水和物を減圧して該粒状水和物から目的気体を放出させることを特徴とする気体分離方法。
このような構成の本発明の気体分離装置そして気体分離方法では、造粒装置(工程)で造粒された粒状水和物が、気体捕集放出装置(工程)にて充填層を形成し、混合気体が該充填層の粒状水和物と接触する。すなわち、混合気体は、水溶液が存在しない状態で粒状水和物のみと直接接触して、混合気体から効率よく目的気体が水和物により捕集される。
以上のように、本発明は、粒状水和物に目的気体を含む混合気体を直接接触させるため、水和物スラリ中の水和物と接触させることに比べて目的気体の捕集効率を大幅に増加させることができ、捕集効率の高い気体分離装置及び気体分離方法を提供できる。
本発明の実施形態装置の概要構成図である。
本発明の実施形態の気体分離装置について、その各構成装置の説明に先立ち、水和物生成物、水和物を生成する液体そして目的気体について説明する。
<水和物生成物>
水和物を生成するゲスト物質(水和物生成物)としては、第四級アンモニウム塩、第四級ホスホニウム塩、第四級スルホニウム塩などを用いることができる。第四級アンモニウム塩としては、臭化テトラnブチルアンモニウム(TBAB)、臭化テトラisoペンチルアンモニウム(TiPAB)、臭化トリnブチルペンチルアンモニウム(TBPAB)、フッ化テトラnブチルアンモニウム(TBAF)、塩化テトラnブチルアンモニウム(TBACl)、ヨウ化テトラnブチルアンモニウム(TBAI)などのテトラアルキルアンモニウム塩などが代表的な例として挙げられるが、これらに限定されるものではない。
<水和物を生成する液体>
水和物を生成する液体としての水和物生成物を含む水溶液としては、上記の水和物生成物を含む水溶液を用いることができる。また、水和物生成物を含む水溶液として、臭化テトラisoペンチルアンモニウム(TiPAB)の水溶液が好ましい。臭化テトラisoペンチルアンモニウムの調和融点は30℃であり、水溶液の濃度を調整して水和物生成温度を0〜30℃の範囲に調整することが容易であるからである。
また、水和物生成物を含む水溶液として、臭化テトラisoペンチルアンモニウムを含む二種以上の第四級アンモニウム塩の水溶液が好ましい。臭化テトラisoペンチルアンモニウム以外の第四級アンモニウム塩としては、臭化テトラnブチルアンモニウムが好ましい。臭化テトラnブチルアンモニウムは比較的安価で入手し易いので、臭化テトラisoペンチルアンモニウムと臭化テトラnブチルアンモニウムとを適切に配合することにより、水和物生成温度を0〜30℃の範囲に調整することが容易であるとともに経済的に優れた気体を捕集し放出して分離する装置、方法を構成することができる。
<目的気体>
混合気体から水和物により選択的に捕集し分離する目的気体としては、例えば、二酸化炭素、酸素、硫化水素、二酸化硫黄、メタンなどが挙げられる。
混合気体から目的気体を捕集して分離することの例として、メタンと二酸化炭素を含む混合気体から目的気体として二酸化炭素を分離しメタン含有率の高い燃料ガスを得ることや、燃焼排ガスなどの混合気体から二酸化炭素を分離し二酸化炭素濃縮ガスを得ること、空気から酸素を分離し酸素富化空気を得ることなどが挙げられる。また、化学原料ガス中に含まれる硫化水素を触媒の劣化防止を目的に除去すること、燃焼排ガス中の二酸化硫黄を環境保全の観点から分離することも好適な例である。
以下、添付図面を用いて、本発明に係る気体分離装置そして気体分離方法について、その実施形態を説明する。
<実施形態>
図1に示される本実施形態の気体分離装置は、水和物を用いて目的気体を含む混合気体から目的気体を分離するために、該目的気体が含まれない環境の下で水和物を生成する水和物生成装置1と、水和物生成装置1で生成された水和物を造粒して所定の粒径の粒状水和物(後述の「大粒径水和物」)を製造する造粒装置2と、造粒装置2で製造された粒状水和物に混合気体を接触させて該水和物に目的気体を捕集させて目的気体以外の気体を放出した後、該目的気体を捕集した該粒状水和物から目的気体を放出させる気体捕集放出装置3とを有している。これらの各装置の詳細については、以下において、その工程と共に詳述する。
<水和物生成装置:水和物生成工程>
本実施形態における水和物生成装置1は、水和物生成物を含む水溶液を冷却して水和物を生成して、水和物が水溶液中に分散又は懸濁してなる水和物スラリを得る水和物スラリ製造部1Aと、水和物スラリを脱水し後述の塊状水和物や小粒径水和物を得る脱水部1Bとを順に有している。
水和物生成装置の水和物スラリ製造部1Aは、冷却手段を備え、生成槽内に収容した水和物生成物を含む水溶液を冷却して水和物を生成し、その水和物が水和物生成物を含む水溶液に分散又は懸濁してなる水和物スラリを生成するようになっており、冷却手段としては冷媒を供給して冷却する熱交換器が好ましい。
この水和物スラリ製造部1Aにおける水和物スラリ生成工程において、冷却手段により、水和物生成物を含む水溶液を冷却する冷却温度は0℃より高い温度とすることが好ましい。つまり生成する水和物スラリの温度が0℃より高い温度になるようにする。冷却温度を0℃より高い温度で冷却するようにすれば、冷媒を供給するための冷却手段として、冷凍機または冷水を外気と熱交換させるクーリングタワーを用いることができ、容易に冷熱を得て冷媒を供給することができる。特に水和物を生成するゲスト物質としてTiPABを用いた場合は、0〜30℃の範囲、例えば15℃以上で水和物を生成できるので、外気の熱エネルギーを利用することが可能であり、より経済的な手法を選択することができる。
水和物スラリ製造部1Aは、水和物生成物を含む水溶液を収容した生成槽などに攪拌機構を設ける構成が好ましい。水和物スラリ製造部1Aにおいては、冷却によって水和物が生成され、生成された水和物が攪拌されることにより、水和物粒子が水和物生成物を含む水溶液に分散又は懸濁した水和物スラリが生成される。また、水和物生成物を含む水溶液が攪拌されながら冷却されることにより過冷却が速やかに解除されるので、水和物を効率よく生成できる。
はじめに水和物生成物を含む水溶液は運転開始用ポンプ(図示せず)を介して水和物スラリ製造部1Aに送られ、水和物生成温度以下まで冷却される。
水和物生成工程において水和物スラリ製造部1Aの水和物生成物を含む水溶液を収容する生成槽内を攪拌したり、あるいは該水和物と同種または異種の化合物の結晶の添加などを行う過冷却解除手段を有していると、過冷却解除が促進され、水和物生成を円滑に進めることができる。水和物生成槽内は過冷却解除により水和物生成が始まると凝固熱発現のため温度が上昇し、水和物生成完了の後は上昇した槽内温度は低下する。この温度変化の経緯を監視し水和物生成の終了を検知する。水和物が完全に生成した後、水和物と水和物生成物を含む水溶液の混合物(水和物スラリ)は脱水工程のために脱水部1Bに移送されるが、移送用配管内では新たに水和物が生成しないため、閉塞などの問題を起こす可能性が低い。
水和物生成装置1の脱水部1Bは、水和物スラリ製造部1Aから受けた水和物スラリを固液分離する脱水手段を備えていて、この脱水手段により水和物スラリから水溶液が分離除去される。脱水部1Bでは水溶液が除去されるので、造粒装置2には水溶液不存在の水和物のみが送り込まれる。このとき、造粒装置2へ送られる水和物の殆んどは、造粒装置2で所定の粒径で造粒されて得られる大粒径水和物よりも大きい不定形状の塊状(塊状水和物)あるいは上記所定の粒径よりも小さい不定形状の細粒状(小粒径水和物)をなしている。また、循環路(図示せず)を設けて、上記脱水手段により分離除去された水溶液を水和物スラリ製造部1Aへ帰還させることにより、該水溶液を水和物スラリの生成に再利用することとしてもよい。
脱水部1Bにおける脱水手段は、固液分離ができればその形式に限定されず、いかなる形式の手段でもよい。
水和物生成装置1としては、上記のように水和物スラリを製造し脱水手段により水溶液を分離して固体状の水和物を得る装置の他に、冷却した水和物生成物を含む水溶液を水和物生成温度より低い気相中でノズルから噴出することで固体状の水和物を生成する装置でもよい。
<造粒装置:造粒工程>
造粒装置2は、水和物生成装置1の脱水部1Bから受けた塊状水和物や小粒径水和物を造粒して、塊状水和物よりも小さく小粒径水和物よりも大きい所定の粒径の粒状水和物(大粒径水和物)を製造する。ここで、「所定の粒径」とは、粒径が所定値に設定されている場合のみならず、所定範囲をもって設定されている場合をも含む。既述したように、脱水部1Bで生成された水和物は塊状や小粒径の細粒状である。塊状の水和物をそのまま気体捕集放出装置3で気体捕集に用いても、該塊状の水和物の比表面積は小さく、目的気体との接触効率が低く捕集効率が低い。一方、小粒径の細粒状の水和物をそのまま気体捕集放出装置3で気体捕集に用いる場合、気体捕集放出装置3で気体捕集を行う前に、該細粒状の水和物が崩壊してさらに細粒化するおそれがある。
本実施形態では、水和物を造粒して所定の粒径の大粒径水和物を製造し、後述するように、気体捕集放出装置3にて該大粒径水和物と目的気体とを接触させ目的気体を捕集させる。このように水和物形状を大粒径の粒状とすると、塊状の場合と比べて比表面積を大きくして目的気体の捕集効率を高くすることができる。また、造粒することにより水和物の強度が向上するので、水和物が小粒径の細粒状である場合と比べて、水和物が融解しにくいのに加え、水和物を工業的なプロセスで使用しても崩壊して細粒化することがない。さらに、気体捕集放出装置3に供給される大粒径水和物の粒径がほぼ均一となるので、不定形状の塊状水和物や小粒径水和物と比べて、気体捕集放出装置3に供給される大粒径水和物の量と捕集される目的気体量との関係を把握しやすく、装置の設計や運転が容易となり、安定した気体分離を行うことができる。
造粒装置2では、攪拌造粒、流動層造粒、転動造粒、押出造粒、圧縮造粒など工業プロセスで用いられている種々の造粒方式により水和物を造粒することができる。
造粒装置2で製造された大粒径水和物は、気体捕集放出装置3の後述の充填塔3Aへ供給される。
<気体捕集放出装置:気体捕集放出工程>
気体捕集放出装置3は、造粒装置2で製造された大粒径水和物を受け入れて収容し該大粒径水和物の充填層を形成する充填塔3Aと、上記充填層へ目的気体を含む混合気体を送入する送入手段としてのブロワ3Bと、上記充填層の大粒径水和物を減圧する減圧手段としての減圧ブロワ3Cを有している。
充填塔3Aには、造粒装置2で製造された大粒径水和物を受け入れるための受入口3A−1が塔上部に設けられている。また、該充填塔3Aには、後述の気体捕集工程にて目的気体を含む混合気体が送入される送気口3A−2が塔下部に、そして該混合気体から目的気体が大粒径水和物に捕集された後の目的気体以外の気体を排出する排出口3A−3が塔上部に設けられている。さらに、該充填塔3Aには、後述の気体放出工程にて目的気体を充填塔3A外に放出するための放出口3A−4が塔上部に設けられている。充填塔3Aにおける受入口3A−1、送気口3A−2、排出口3A−3そして放出口3A−4の位置は、上述の位置に限定されず、充填塔3Aの形状等に応じて最適な位置に設ければよい。
気体捕集放出装置3では、目的気体を含む混合気体を上記充填層の大粒径水和物と接触させて該混合気体から目的気体を大粒径水和物に捕集させる気体捕集工程と、目的気体を捕集した後の上記充填層の大粒径水和物を減圧して該大粒径水和物から目的気体を放出させる気体放出工程とが順次行われる。以下、気体捕集放出工程を気体捕集工程そして気体放出工程に分けて説明する。
[気体捕集工程]
造粒装置2で製造された大粒径水和物は、気体捕集放出装置3に移送され、充填塔3A内へ受入口3A−1から充填されて、該充填塔3A内で固定床としての充填層が形成される。そして、ブロワ3Bの作動によって目的気体を含む混合気体を送気口3A−2から上記充填層に供給して、大粒径水和物と目的気体を含む混合気体とを接触させることで、大粒径水和物に混合気体から目的気体が選択的に取り込まれ、該目的気体が捕集され、目的気体を捕集した後の気体である目的気体以外の気体が排出口3A−3から充填塔3A外へ排出される。
本実施形態では、混合気体は大粒径水和物と直接に接触するため、水和物スラリ中の水和物と接触させる従来の手法に比べて目的気体の捕集効率を大幅に増加させることができ、捕集効率の高い気体分離装置を提供できる。また、混合気体は大粒径水和物の粒間空隙を流通するので、従来のような水溶液が共存するスラリ中を流通する場合に比し、流通抵抗が小さく、混合気体送入のための動力が小さくてすむ。
混合気体は大粒径水和物の充填層を単に通過させるだけでも良いが、循環路(図示せず)を設けて充填塔3Aの排出口3A−3から排出されまだ目的気体が残存する混合気体を充填塔3Aへ再度供給することにすれば、目的気体の捕集効率を高めることができる。
[気体放出工程]
気体捕集工程にて混合気体から目的気体が上記充填層の大粒径水和物に捕集された後、減圧ブロワ3Cの作動によって上記大粒径水和物を減圧することにより該大粒径水和物から目的気体が抜き出され、該目的気体が放出口3A−4から充填塔3A外へ放出される。目的気体を放出した大粒径水和物は充填塔3A内に留まり気体捕集工程で再利用される。
気体捕集放出工程が行われている間、水和物生成装置1及び造粒装置2は停止しているが、気体捕集放出装置3における大粒径水和物の捕集能力が低下したときには、水和物生成装置1及び造粒装置2によって大粒径水和物が生成され、気体捕集放出装置3へ供給される。
本実施形態では、減圧手段としての減圧ブロワ3Cが気体捕集放出装置3の充填塔3Aに接続されている形態を説明したが、これに代えて、減圧手段として真空ポンプを用いてもよいし、充填塔3A自体に減圧機能を設けてもよい。
1 水和物生成装置
2 造粒装置
3 気体捕集放出装置
3A 充填塔
3A−2 送気口
3A−3 排出口
3B ブロワ(送入手段)
3C 減圧ブロワ(減圧手段)

Claims (2)

  1. 目的気体を含む混合気体から該目的気体を分離する気体分離装置であって、
    水和物を生成する水和物生成装置と、水和物生成装置で生成された水和物を造粒して所定の粒径の粒状水和物を製造する造粒装置と、該造粒装置で造粒された粒状水和物に混合気体を接触させて該粒状水和物に目的気体を捕集させて目的気体以外の気体を放出した後、該目的気体を捕集した該粒状水和物から目的気体を放出させる気体捕集放出装置とを有し、
    水和物生成装置は、水和物生成物の水溶液を冷却して水和物を生成する冷却手段と、水和物の生成に至らなかった水溶液を脱水除去する脱水手段とを有し、
    気体捕集放出装置は、造粒装置で造粒された粒状水和物を受け入れて該粒状水和物の充填層を形成する充填塔と、上記充填層に目的気体を含む混合気体を送入する送入手段と、上記充填層の粒状水和物を減圧する減圧手段とを有し、
    充填層の粒状水和物に送入手段により送入された混合気体を接触させ、混合気体から目的気体を粒状水和物に捕集させ、目的気体を捕集した後の粒状水和物を減圧手段により減圧して該粒状水和物から目的気体を放出させることを特徴とする気体分離装置。
  2. 目的気体を含む混合気体から該目的気体を分離する気体分離方法であって、
    水和物を生成する水和物生成工程と、該水和物生成工程で生成された水和物を造粒して所定の粒径の粒状水和物を製造する造粒工程と、該造粒工程で造粒された粒状水和物に混合気体を接触させて該粒状水和物に目的気体を捕集させて目的気体以外の気体を放出した後、該目的気体を捕集した該粒状水和物から目的気体を放出させる気体捕集放出工程とを有し、
    水和物生成工程は、水和物生成物の水溶液を冷却して水和物を生成するとともに、水和物の生成に至らなかった水溶液を脱水除去し、
    気体捕集放出工程は、造粒工程で造粒された粒状水和物を受け入れて該粒状水和物の充填層を形成し、目的気体を含む混合気体を上記充填層に送入し、粒状水和物に混合気体を接触させ混合気体から目的気体を粒状水和物に捕集させ目的気体以外の気体を放出し、目的気体を捕集した粒状水和物を減圧して該粒状水和物から目的気体を放出させることを特徴とする気体分離方法。
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