JP2006233143A - ガスクラスレート製造方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ガスクラスレート生成過程において生成されたガスクラスレートによって反応管路が閉塞することを可及的に防止して、効率よくガスクラスレートを製造する方法および装置を得る。
【解決手段】 原料液と原料ガスとを反応させてガスクラスレートを製造する方法において、原料液と原料ガスとをライン途中で混合して原料ガスを原料液に溶解させる混合・溶解工程と、混合・溶解されたものを反応管路に流しながら冷却してガスクラスレートを生成するガスクラスレート生成工程と、既に生成されたガスクラスレートを前記反応管路に注入するガスクラスレート注入工程と、を備えた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば天然ガスなどの原料ガスと原料液(淡水、海水、不凍液、液体ホスト物質、ホスト物質溶液等)とを反応させてガスクラスレート(ホスト物質が水の場合にはガスハイドレートをいうが、本明細書においてガスクラスレートという場合にはガスハイドレートを含む。)を製造するガスクラスレートの製造方法および装置に関する。
ガスクラスレートは、水分子が構成する籠状構造の内部に天然ガス、二酸化炭素などの気体分子を高濃度に包蔵する氷状の物質である。ガスクラスレート、主にガスハイドレートは、単位体積当たり多量の気体を包蔵でき、しかも、液化天然ガスに比較して、大気圧下比較的高温にて貯蔵・輸送できることから、天然ガス等の輸送、貯蔵への応用が注目されている。
このため、従来は天然に存在するガスクラスレートの利用に関する検討が中心であったが、近年この性質に着目してこれを工業的に製造する試みが行われている。
ガスクラスレートの工業的な製造方法として、原料水と原料ガスとをライン途中で混合して原料ガスを原料水に溶解させる混合・溶解工程と、混合・溶解されたものを反応管路に流しながら冷却してガスハイドレートを生成する工程とを備えたガスハイドレート製造方法が提案されている(特許文献1参照)。
このガスハイドレート製造方法は、原料水へのガス拡散・溶解と生成反応熱の除去を効率よく行うことができ、かつ装置を単純でコンパクトにできるというものである。
特開2002−356685号公報
上記特許文献1において提案された方法においては、混合・溶解工程において混合・溶解されたものを反応管路に流しながら冷却してガスハイドレートを生成するというものである。
ガスハイドレートが生成されるか否かは、その場の圧力と温度によって決定される。すなわち、ガスハイドレートが生成されるためにはガスハイドレート生成最低圧力より高くガスハイドレート生成最高温度より低くなることが必要条件となる。
しかしながら、ガスハイドレートはこの必要条件を満たすのみでは生成開始せず、生成を開始するためにはその場に対応したガスハイドレート生成温度よりもさらに低い温度まで冷却することを要する。この、その場に対応したガスハイドレート生成温度と実際にガスハイドレートの生成が開始する温度との差[(その場の圧力に対応した相平衡上の生成温度)−(実際の生成温度)]は過冷却度と呼ばれ、過冷却度が大きいほど、温度は低い。
上記特許文献1に示された方法においても、反応管路において一定の過冷却度にならないとガスハイドレートの生成が開始しない。
そのため、反応管路に流入した微細気泡と原料液の混合物がしばらく反応管路を流れて十分な過冷却度になった位置から生成が開始する。
ところが、生成開始位置では未反応の微細気泡が大量に存在すると共に過冷却度が大きいため、一旦生成が始まると生成反応が急速に進行し、大量のガスハイドレートが急速に生成する。このため、生成したガスハイドレートによって反応管路が閉塞するおそれがある。
また、通常の固体伝熱面を有する熱交換器(二重管式、多管式等)と同様の形式の反応管路を使用する場合には、反応管路断面内で壁面に接する部分が最も低温(過冷却度が最大)であるため、管路内壁面、またはその極めて近傍で生成反応が最も活発に進行し、生成したハイドレートが管路内壁面に付着し、さらに成長して閉塞に至るおそれがある。
上記の例はガスハイドレートについて述べたが、ガスハイドレート以外のガスクラスレート生成においても同様の問題がある。
本発明はかかる問題点を解決するためになされたものであり、ガスクラスレート生成過程において生成されたガスクラスレートによって反応管路が閉塞することを可及的に防止して、効率よくガスクラスレートを製造する方法および装置を得ることを目的としている。
前述の問題は、クラスレート生成開始時の過冷却度が大きいため、生成が開始すると急速に生成反応が進行することに起因するものである。
したがって、これを防止するためには、できるだけ小さい過冷却度で生成を開始させ、緩やかに生成反応を進行させればよい。
また、閉塞をもたらすもう一つの要因は、過冷却度が最大である反応管路断面内における管内壁面に接する部分またはその極めて近傍で生成反応が集中的に進行することにある。
したがって、これを防止するためには、反応管路断面の壁面から離れた反応管路断面中央部でも生成反応が生じるようにすればよい。
本発明は係る知見に基づくものであり、具体的には以下の構成を有するものである。
(1)本発明に係るガスクラスレート製造方法は、原料液と原料ガスとを反応させてガスクラスレートを製造する方法において、原料液と原料ガスとをライン途中で混合して原料ガスを原料液に溶解させる混合・溶解工程と、混合・溶解されたものを反応管路に流しながら冷却してガスクラスレートを生成するガスクラスレート生成工程と、既に生成されたガスクラスレートを前記反応管路に注入するガスクラスレート注入工程と、を備えたことを特徴とするものである。
既に生成されたガスクラスレートの一部を反応管路に注入し、これを結晶核(種結晶)とすることにより、小さい過冷却度でガスクラスレートの生成を開始させる。これによって、過冷却度が大きい状態で急速にガスクラスレート生成反応が開始することに起因する反応管路の閉塞を防止できる。
また、反応管路に注入したガスクラスレートが反応管路断面の全体に広がるので、この反応管路断面全体に広がったガスクラスレートを結晶核として反応管路断面全体でガスクラスレート生成反応が進行し、反応管路内壁面で集中的に反応が進行するのを防止でき、反応管路内壁面へのガスクラスレートの付着を防止でき、付着に起因する反応管路の閉塞を防止できる。
なお、ガスクラスレート注入工程は、反応管路でのガスクラスレート生成が開始される前、および開始された後の両方においてガスクラスレートの注入を行うのが好ましい。
ガスクラスレート注入工程における注入は連続的または間欠的のいずれの場合も含む。
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、ガスクラスレート注入工程は、ガスクラスレート生成工程で生成されたガスクラスレートの一部を反応管路に戻すものであることを特徴とするものである。
(3)また、上記(1)または(2)に記載のものにおいて、ガスクラスレート注入工程は、反応管路における原料ガスと原料液からなる混合物の過冷却度が4℃以下の位置にガスクラスレートを注入することを特徴とするものである。
なお、反応管路における原料ガスと原料液からなる混合物の過冷却度が2℃以下の位置にガスクラスレートを注入するのがより好ましい。
(4)また、上記(1)〜(3)に記載のものにおいて、混合・溶解工程は、原料ガスを微細気泡状にして原料液に連続的に溶解させることを特徴とするものである。
(5)本発明に係るガスクラスレート製造装置は、原料液と原料ガスとを反応させてガスクラスレートを製造する装置において、原料液と原料ガスとをライン途中において混合して原料ガスの微細気泡を発生させて原料水に溶解させるラインミキサーと、混合・溶解された原料液と原料ガスの混合物を冷却する反応管路と、該反応管路の途中に既に製造されたガスクラスレートを注入するガスクラスレート注入装置と、を備えたことを特徴とするものである。
(6)また、上記(5)に記載のものにおいて、ガスクラスレート注入装置は、反応管路の下流側と反応管路の途中とを連結する連結路を有し、反応管路で生成されたガスクラスレートの一部を反応管路に戻すものであることを特徴とするものである。
(7)また、上記(5)または(6)に記載のものにおいて、ガスクラスレート注入装置におけるガスクラスレートの注入位置を、反応管路における原料ガスと原料液からなる混合物の過冷却度が4℃以下の位置に設定したことを特徴とするものである。
(8)また、上記(5)〜(7)に記載のものにおいて、反応管路の下流側に設置されて該反応管路で生成されたガスクラスレートと未反応液を分離することによって生成したガスクラスレートを濃縮する濃縮装置を有し、ガスクラスレート注入装置は前記濃縮装置によって分離された未反応液を反応管路の途中に注入することを特徴とするものである。
ここで、濃縮装置としては、例えば反応管路を流れでるガスクラスレート、未反応ガス、未反応液に旋回流を生じさせて比重の違いによって未反応液を分離するものが挙げられる。
なお、濃縮装置によって分離された未反応液にはガスクラスレートが含まれていることを要する。したがって、ここに言う濃縮装置には、フィルタ等によって未反応液にガスクラスレートが含まれない程度に分離するものは含まない。
本発明においては、原料液と原料ガスとをライン途中で混合して原料ガスを原料液に溶解させる混合・溶解工程と、混合・溶解されたものを反応管路に流しながら冷却してガスクラスレートを生成するガスクラスレート生成工程と、既に生成されたガスクラスレートを前記反応管路に注入するガスクラスレート注入工程と、を備えたことにより、比較的小さい過冷却度でクラスレート生成反応を緩やかに進行させることができる。
また、反応管路断面内で最も低温で過冷却度が大きい壁面、あるいはその極めて近傍だけではなく、管路断面中心部においてもクラスレート生成反応を進行させることができる。
その結果、反応管路の閉塞を防止することが可能となり、効率的なクラスレートの製造が可能となる。
[実施の形態1]
図1は本発明の一実施の形態の主要な構成機器を示した系統図である。まず、図1に基づいて本実施の形態の構成機器について説明する。なお、以下の説明ではガスクラスレートの一態様であるガスハイドレート(以下、単に「ハイドレート」という。)を例に挙げて説明する。
本実施の形態のガスハイドレート製造装置は、天然ガス等の原料ガスの圧力を昇圧するガス昇圧機1、原料水を昇圧供給する原料水ポンプ3、5、原料水と原料ガスを混合して原料ガスを原料水に溶解させるラインミキサー7、ラインミキサー7でミキシングされたものを流しながら冷却してガスハイドレートを生成する反応管路9、反応管路9を冷却する冷却装置としてのチラー11、反応管路9で生成されたガスハイドレートを濃縮する濃縮装置13、を備えている。
また、濃縮装置13によって分離された未反応水を反応管路9に戻すことによって反応管路9にハイドレートを注入するハイドレート注入装置15を有している。
さらに、濃縮装置13の下流側には後処理装置17が設けられている。
各構成機器は図中矢印を付した実線で示した配管によって連結されている。
なお、図1においては図面の複雑化を避けるために各種の制御弁等は省略してある。
上記の各構成機器のうち主要なものの構成をさらに詳細に説明する。
<ラインミキサー>
本実施の形態のラインミキサー7は、図2(西華産業株式会社「OHRラインミキサー」カタログ第7頁より引用)に示すように、入り口側が大径で出口側が小径になった2段状の筒状体21からなり、この筒状体21の大径部21a中にガイドベーンと呼ばれる翼体23を有し、その先の小径部21b内に筒の内周面から中央に延びる複数のキノコ状の衝突体25を有している。
このようなラインミキサー7においては、原料水ポンプ3によってラインミキサー7に供給された原料水が翼体23によって旋回流となり、猛烈な遠心力によって外側へ押しやられ、それがキノコ状の衝突体25によってさらに強烈に攪拌され、その中に原料ガスが巻き込まれて超微細な気泡群に砕かれ、原料水と原料ガスとが混合される。これによって、原料ガスと原料水との接触面積が大きくなり原料ガスは原料水に効率よく溶け込む。
<反応管路>
反応管路9は単数または複数の屈曲した管からなり、この管の周面をチラー11で冷却するようになっている。このように、反応管路9を用いたことで、周囲からの冷却を効率よく行えるので、装置の構成が単純かつコンパクト化できる。
反応管路9の具体例としては、原料ガスと原料液が流れる管路の周囲に冷媒が流れる通路を形成した二重管熱交換器や、シェル・アンド・チューブ熱交換器(多管円筒式熱交換器)などがある。
なお、本実施の形態においては、既に生成されたハイドレートを反応管路9に注入するので、過冷却度が緩和される。そのため、チラー11の動力消費を小さくできる。
<濃縮装置>
濃縮装置13は、反応管路9を流れ出るハイドレート、未反応ガス、未反応水の混合物から主として未反応水を分離する。これによって、後処理装置17(特に脱水部分)の大きさや処理容量を減少させることができ、後処理装置17の負荷を軽減できるので、その設備をコンパクトにできる。
濃縮装置13は上述のように、反応管路9を流れ出るハイドレート、未反応ガス、未反応水の混合物から主として未反応水を分離できるものであればよい。このようなものとしては、例えば特開2000−5641号公報に示された旋回流方式の濃縮装置を採用することができる。
図3は、同公報に示された装置の説明図である。図3に基づき、同装置の機能を概説する。
ハイドレート、未反応ガス、未反応水の混合物は接線流入管31から流入部大径円筒33の接線方向に流入し、その流入部大径円筒33内で旋回流が形成される。その後、ハイドレート、未反応ガス、未反応水の混合物は漸縮小管35を通過することにより、旋回流が強化され、旋回流管路37内には自由渦成分の大きい強力な旋回流が形成される。
旋回流が形成されると、水よりも比重が小さいハイドレートや未反応ガスが中心付近に集中し、この集中したハイドレート、未反応ガスは旋回流管路37内に設けた同心の下流側抜出管39から抜き出されて後処理装置17に送られる。
他方、ハイドレート、未反応ガスから分離された未反応水は旋回流管路37の下流側側壁に設けられた下流側抜出管41から後述の戻り配管側に排出される。
なお、水との比重差が大きい未反応ガスは中心部に強く集中するため、分離効率が高く、ほぼ全量が分離される。他方、水との比重差が小さいハイドレートは中心部への集中が弱い。したがって、濃縮装置13における下流側抜出管41から排出される未反応水にハイドレートをわずかに混入させることができる。したがって、濃縮装置13は本発明のガスクラスレート注入手段の一部として機能する。
このように、下流側抜出管41から排出される未反応水にハイドレートをわずかに混入させることにより、この未反応水を反応管路9に戻すことにより、未反応水に含まれるハイドレートをハイドレート生成における結晶核とすることができる。
<ハイドレート注入装置>
ハイドレート注入装置15は既に生成されたハイドレートを反応管路内に注入するための装置である。この実施形態におけるハイドレート注入装置15は、一端が濃縮装置13の下流側抜出管41に接続され、他端側が反応管路9の途中に接続されて濃縮装置13で分離された未反応水を反応管路9に戻す戻り配管51と、該戻り配管51に設けられて未反応水を反応管路側に送るポンプ53を主な構成として備えている。
戻り配管51における反応管路9との接続位置は、反応管路内流体の過冷却度が4℃以下、好ましくは2℃以下となる位置である。戻り配管51をこの位置に接続することにより、未反応水に含まれるハイドレートがこの位置で注入されることになる。ハイドレートがこの位置で注入されると、過冷却状態であることから注入されたハイドレートを結晶核としてハイドレートの生成が始まる。詳細は後述する。
なお、上記のハイドレート注入装置15は反応管路9によって生成されたハイドレートを反応管路9に注入するものであることから、反応管路9でハイドレートが生成された後に有効に機能するものである。
したがって、反応管路9でハイドレートが生成される前の段階では別途生成したハイドレートを戻り配管51に供給することで、ハイドレートを反応管路9に供給するようにするのが好ましい。この、別途生成したハイドレートを前記の段階で反応管路9に供給する装置もハイドレート供給装置に含まれる。
<後処理装置>
後処理装置は、濃縮されたハイドレート、未反応ガス、若干の未反応水の混合物からハイドレート、未反応ガス、未反応水を分離する分離装置、分離装置で分離脱水処理されたハイドレートを集塊化する集塊化装置、集塊化されたハイドレート−15℃程度の温度で凍結処理する凍結処理装置を含む。
次に、上記のように構成された本実施の形態の装置によってガスハイドレートを製造する製造工程の説明をする。
原料ガスの圧力をガス昇圧機1によって所定の圧力に昇圧する。また、原料水も原料水ポンプ3によって所定の圧力に昇圧する。これら、昇圧された原料ガスと原料水を図示しないクーラーによって冷却し、それぞれラインミキサー7に供給する。
ラインミキサー7に供給された原料ガスと原料水とは、前述したメカニズムによって猛烈な勢いで混合される。このとき、原料ガスは微細気泡となって原料水の中に混じり込み、原料ガスの溶解が促進される。
原料水に原料ガスが溶け込んだもの(未溶解の微細気泡も含んだ状態のもの)が反応管路9に送られ、チラー11によって冷却される。そして、反応管路9の途中、過冷却度が4℃以下の位置でハイドレートが注入される。ハイドレートが注入されると、これが結晶核となって、原料水に混合・溶解された原料ガスのハイドレート化が開始される。
このときの過冷却度は4℃以下であり、比較的過冷却度が小さいため、生成反応は急激ではなく緩やかに進行する。しかも、注入した結晶核は反応管路断面の全体に行き渡り、この結晶核によってハイドレート化が進行するため、反応管路断面内で最も過冷却度が大きい反応管路壁面だけではなく、壁から十分に離れた反応管路中央部でも生成反応が進行することになる。
このように、生成反応自体が緩やかであることから、大量のハイドレートが急激に生成することによる反応管路9の閉塞が防止される。
また、反応管路断面内の全領域でハイドレートが生成されるので、反応管路断面内で過冷却度が最大である壁面とその極めて近傍でハイドレートが集中的に生成することによる壁面への付着、成長による閉塞も防止される。
反応管路9の出口では生成されたハイドレート、未反応ガス、未反応水が濃縮装置13に送られる。
濃縮装置13では、前述したメカニズムによってハイドレート、未反応ガスと未反応水が分離される。分離された未反応水は戻り配管51を経由して反応管路9に戻され、該未反応水に含まれるハイドレートが結晶核としてハイドレート生成に寄与する。
他方、濃縮装置13で濃縮されたハイドレート、未反応ガスは後処理装置17に送られて後処理がなされる。
後処理装置17で分離された未反応水はポンプ5によって再び微細気泡発生器7に送られ原料水となる。
また、後処理装置17で分離した未反応ガスは図示しない配管を経由して図示しない昇圧装置によって昇圧後、再び微細気泡発生器7に供給される。
以上のように本実施の形態においては、反応管路9にハイドレートを注入するようにしたので、比較的小さい過冷却度でハイドレート生成反応を緩やかに進行させることができる。
また、反応管路断面内で最も低温で過冷却度が大きい壁面、あるいはその極めて近傍だけではなく、管路断面中心部においてもハイドレート生成反応を進行させることができる。
その結果、反応管路9の閉塞を防止することが可能となり、微細気泡流方式の特長を最大限に発揮させることが可能となる。
なお、上記の実施の形態においては、反応管路内流体の過冷却度が4℃以下となる位置に未反応水を戻す方法として、このような位置に戻り配管51を接続した。
しかしながら、本発明においては反応管路9に対する戻り配管51の接続位置が重要なのではなく、反応管路内流体の過冷却度が4℃以下、好ましくは2℃以下となる位置において予め生成したハイドレートが存在することが重要である。
したがって、仮に反応管路9に対する戻り配管51の接続位置が反応管路9の上流であっても、反応管路9を流れる流体温度、注入するハイドレートの量等によって、注入したハイドレートが完全に分解することなく反応管路9に流入し、反応管路内流体の過冷却度が4℃以下の位置でハイドレートが存在すればよい。
このようなことから、未反応水を戻す位置の過冷却度の下限は必ずしも0℃以上である必要はないが、未反応水に含まれるハイドレートの分解を防止するためには、未反応水を戻す位置の過冷却度が0℃以上であることが望ましい。もっとも、0℃以下でも例えば過冷却度が−1℃(その場圧力に対応したハイドレート生成温度よりも1℃高い)程度であれば、直ちに分解することはなく、結晶核としての機能を果たすことができる。
なお、未反応水を戻す位置の過冷却度の上限は前述の数値(0〜4℃)より大きくても構わないが、あまり大きいとハイドレート注入に伴い、急激な生成反応が生じて本発明の目的である閉塞防止効果が減少、あるいは消滅してしまうおそれがあるので好ましくない。
上記の実施の形態においては、反応管路末端付近に濃縮装置13を設けたがこれは必須ではない。
濃縮装置13を設けない場合には、戻り配管51の一端を反応管路9の末端付近に連結し、ここから少量の流体(ハイドレート、未反応ガス、未反応水の混合物)を抜き出し、それを再び反応管路9の所定の位置に戻すようにすればよい。
さらに、上記の実施の形態においては、原料水の種類を明示しなかったが、例えば、淡水、海水、不凍液等が考えられる。また、原料水に代えて、液体ホスト物質やホスト物質溶液のような原料液を用いることも考えられる。その場合に生成される物質の名称はガスハイドレートではなく、ガスクラスレートであることは言うまでもない。
本発明の一実施の形態に係る装置構成の説明図である。 本発明の一実施形態に係るラインミキサ−の説明図である。 本発明の一実施形態に係る濃縮装置の説明図である。
符号の説明
7 微細気泡発生器、9 反応管路、11 チラー、13 濃縮装置、15 ハイドレート注入装置、51 戻り配管、53 ポンプ。

Claims (8)

  1. 原料液と原料ガスとを反応させてガスクラスレートを製造する方法において、原料液と原料ガスとをライン途中で混合して原料ガスを原料液に溶解させる混合・溶解工程と、混合・溶解されたものを反応管路に流しながら冷却してガスクラスレートを生成するガスクラスレート生成工程と、既に生成されたガスクラスレートを前記反応管路に注入するガスクラスレート注入工程と、を備えたことを特徴とするガスクラスレート製造方法。
  2. ガスクラスレート注入工程は、ガスクラスレート生成工程で生成されたガスクラスレートの一部を反応管路に戻すものであることを特徴とする請求項1記載のガスクラスレートの製造方法。
  3. ガスクラスレート注入工程は、反応管路における原料ガスと原料液からなる混合物の過冷却度が4℃以下の位置にガスクラスレートを注入することを特徴とする請求項1または2に記載のガスクラスレートの製造方法。
  4. 混合・溶解工程は、原料ガスを微細気泡状にして原料液に連続的に溶解させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のガスクラスレートの製造方法。
  5. 原料液と原料ガスとを反応させてガスクラスレートを製造する装置において、原料液と原料ガスとをライン途中において混合して原料ガスの微細気泡を発生させて原料水に溶解させるラインミキサーと、混合・溶解された原料液と原料ガスの混合物を冷却する反応管路と、該反応管路の途中に既に製造されたガスクラスレートを注入するガスクラスレート注入装置と、を備えたことを特徴とするガスクラスレート製造装置。
  6. ガスクラスレート注入装置は、反応管路の下流側と反応管路の途中とを連結する連結路を有し、反応管路で生成されたガスクラスレートの一部を反応管路に戻すものであることを特徴とする請求項5記載のガスクラスレート製造装置。
  7. ガスクラスレート注入装置におけるガスクラスレートの注入位置を、反応管路における原料ガスと原料液からなる混合物の過冷却度が4℃以下の位置に設定したことを特徴とする請求項5または6に記載のガスクラスレートの製造装置。
  8. 反応管路の下流側に設置されて該反応管路で生成されたガスクラスレートと未反応液を分離することによって生成したガスクラスレートを濃縮する濃縮装置を有し、ガスクラスレート注入装置は前記濃縮装置によって分離された未反応液を反応管路の途中に注入することを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載のガスクラスレートの製造装置。
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