JP2016058316A - リチウムイオン二次電池及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】サイクル特性を向上させることが可能な高電圧型のリチウムイオン二次電池、及び、その製造方法を提供する。
【解決手段】正極及び負極と、これらの間に充填された非水電解液とを有し、正極に、LiNiMn(2−y)(4−z)(0.5≦x≦1.5、0≦y≦1、0≦z≦1)で示される正極活物質と、LiNi(1−α)Coα(0≦α≦0.6)と、が含まれている、リチウムイオン二次電池とし、上記正極活物質と、LiNi(1−α)Coα(0≦α≦0.6)と、を用いて正極を作製する工程と、負極を準備する工程と、作製された正極と準備された負極との間に、非水電解液を充填する工程と、を経てリチウムイオン二次電池を作製する、電池作製工程と、該電池作製工程で作製されたリチウムイオン二次電池を、リチウムの酸化還元電位に対して4.8V以上の電位まで充電する初期充電工程と、を有する、リチウムイオン二次電池の製造方法とする。
【選択図】図5

Description

本発明は、電解液を用いるリチウムイオン二次電池及びその製造方法に関する。
二次電池のエネルギー密度を高める等の観点から、作動電圧を高めた高電圧型のリチウムイオン二次電池に関する研究開発が進められている。高電圧型のリチウムイオン二次電池に使用可能な電解質としては、例えば、支持塩を含む液状の電解質(非水電解液。以下において、単に「電解液」と称することがある。)が知られている。
このようなリチウムイオン二次電池に関する技術として、例えば特許文献1には、正極と、負極と、有機溶媒を含有する非水電解液とを有してなるリチウム二次電池において、正極の活物質がLiNi1−yCo(0<x<1.3、0≦y≦1、1.8<z<2.2)であり、正極の活物質中に金属フッ化物が含まれている、リチウムイオン二次電池が開示されている。また、特許文献2には、六方晶の層状構造又は立方晶のスピネル構造を有し、且つ、Li、Mn、及び、Niを有するリチウム遷移金属酸化物の表面に、金属フッ化物と、リン酸リチウム化合物とを有する正極材料を正極に用いた、リチウムイオン二次電池が開示されている。また、特許文献3には、LiNiFを正極活物質として用いた非水電解質二次電池が開示されている。
特開2000−173663号公報 特開2010−232001号公報 特開2013−73792号公報
リチウムの酸化還元電位に対して4.5V以上の電位領域でリチウムイオンを吸蔵放出される高電圧型リチウムイオン二次電池では、正極に用いられている物質(例えば、正極活物質や導電材等。以下において同じ。)の表面で電解液の酸化分解が生じることにより、徐々に電解液が消費されるとともに、酸化分解によりフッ化水素が発生する。このようにして電解液が消費され、さらに、発生したフッ化水素と正極活物質とが反応すると正極活物質から金属が溶出することにより、繰り返し充放電後の電池性能(サイクル特性)が低下する。サイクル特性の低下を抑制するためには、リチウムイオンのみが通り、他の反応が起こらないように、正極活物質の表面に安定な被膜を形成することが好ましい。上記特許文献1乃至特許文献3には、金属フッ化物を用いる技術が開示されており、特許文献1及び特許文献2では、金属フッ化物を正極添加剤として用いている。しかしながら、特許文献1及び特許文献2に開示されている技術では、金属フッ化物が正極内に分散して配置されるのみであり、正極に用いられている物質の表面に被膜は形成されていない。それゆえ、これらの技術では、正極活物質や導電材と電解液との接触を防止し難く、電解液の分解を抑制する効果が小さい。また、特許文献3には、LiNiFを正極活物質として用いる技術が開示されているにすぎない。後述するように、LiNiFは、リチウムの酸化還元電位に対して4.5V以上の電位領域においてLiが脱離して分解する。そのため、特許文献3に開示されている非水電解質二次電池は、リチウムの酸化還元電位に対して4.5V以上の電位領域でリチウムイオンを吸蔵放出されるリチウムイオン二次電池(以下において、このようなリチウムイオン二次電池を「高電圧型のリチウムイオン二次電池」又は「高電圧型リチウムイオン二次電池」と称することがある。)ではない。それゆえ、特許文献1乃至特許文献3に開示されている技術を単に組み合わせても、高電圧型リチウムイオン二次電池のサイクル特性を向上させることは困難であった。
そこで本発明は、サイクル特性を向上させることが可能な高電圧型のリチウムイオン二次電池、及び、その製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は、鋭意検討の結果、非水電解液を用いたリチウムイオン二次電池の正極に、高電圧型のリチウムイオン二次電池に使用可能なLiNiMn(2−y)(4−z)(0.5≦x≦1.5、0≦y≦1、0≦z≦1)で示される正極活物質と、LiNi(1−α)Coα(αは0≦α≦0.6)で表わされる添加剤と、を用いることにより、繰り返し充放電時(サイクル運転時)に添加剤が分解されることによって正極活物質等の表面にフッ化物被膜が形成される結果、サイクル特性を向上させることが可能になることを知見した。また、本発明者は、鋭意検討の結果、非水電解液を用いたリチウムイオン二次電池を製造する際に、正極に、上記正極活物質及び上記添加剤を用い、且つ、サイクル運転を行う前にリチウムの酸化還元電位に対して4.8V以上の電位まで充電することにより、サイクル運転の実施前に、正極活物質等の表面にフッ化物被膜を形成することが可能になる結果、サイクル特性を向上させることが可能になることを知見した。本発明は、これらの知見に基づいて完成させた。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段をとる。すなわち、
本発明の第1の態様は、正極及び負極と、これらの間に充填された非水電解液と、を有し、正極に、LiNiMn(2−y)(4−z)(0.5≦x≦1.5、0≦y≦1、0≦z≦1)で示される正極活物質と、LiNi(1−α)Coα(0≦α≦0.6)と、が含まれている、リチウムイオン二次電池である。
LiNiMn(2−y)(4−z)(0.5≦x≦1.5、0≦y≦1、0≦z≦1)で示される正極活物質は、スピネル構造を有し、リチウムの酸化還元電位に対して4.5V以上の電位領域でリチウムイオンを吸蔵放出することが可能であるため、高電位型のリチウムイオン二次電池に使用可能である。リチウムの酸化還元電位に対して4.5V以上の電位領域では、LiNi(1−α)Coα(0≦α≦0.6)からLiを脱離させ、同時に分解させることが可能であり、分解させることにより、正極に用いられている物質の表面に、フッ化物被膜を形成することが可能になる。それゆえ、サイクル運転時に、正極に用いられている物質の表面にフッ化物被膜を形成することが可能である。フッ化物被膜を形成することにより、非水電解液の分解を抑制することが可能になり、その結果、サイクル特性を向上させることが可能になる。したがって、このような形態にすることにより、サイクル特性を向上させることが可能な高電圧型のリチウムイオン二次電池を提供することができる。
また、上記本発明の第1の態様において、上記LiNi(1−α)Coαが、LiNi0.6Co0.4であることが好ましい。このような形態にすることにより、サイクル運転中に正極活物質等の表面にフッ化物被膜を形成しやすくなるので、サイクル特性を向上させやすくなる。
本発明の第2の態様は、LiNiMn(2−y)(4−z)(0.5≦x≦1.5、0≦y≦1、0≦z≦1)で示される正極活物質と、LiNi(1−α)Coα(0≦α≦0.6)と、を用いて正極を作製する正極作製工程と、負極を準備する負極準備工程と、正極作製工程で作製された正極と負極準備工程で準備された負極との間に、非水電解液を充填する非水電解液充填工程と、を経てリチウムイオン二次電池を作製する、電池作製工程と、該電池作製工程で作製されたリチウムイオン二次電池を、リチウムの酸化還元電位に対して4.8V以上の電位まで充電する、初期充電工程と、を有する、リチウムイオン二次電池の製造方法である。
LiNiMn(2−y)(4−z)(0.5≦x≦1.5、0≦y≦1、0≦z≦1)で示される正極活物質は、スピネル構造を有し、リチウムの酸化還元電位に対して4.5V以上の電位領域でリチウムイオンを吸蔵放出することが可能であるため、高電位型のリチウムイオン二次電池に使用可能である。一方、リチウムの酸化還元電位に対して4.5V以上の電位領域では、LiNi(1−α)Coα(0≦α≦0.6)からLiを脱離させ、同時に分解させることが可能であり、分解させることにより、正極に用いられている物質の表面に、フッ化物被膜を形成することが可能になる。それゆえ、リチウムの酸化還元電位に対して4.8V以上の電位まで充電する初期充電工程を行うことにより、正極に用いられている物質の表面にフッ化物被膜を形成することが可能である。フッ化物被膜を形成することにより、非水電解液の分解を抑制することが可能になり、その結果、サイクル特性を向上させることが可能になる。したがって、このような形態にすることにより、サイクル特性を向上させることが可能な高電圧型のリチウムイオン二次電池を製造し得る、リチウムイオン二次電池の製造方法を提供することができる。なお、初期充電工程で充電を終了する際の電位は、正極活物質が分解しない電位であれば特に限定されないが、フッ化物被膜が形成されやすい形態にする観点から5.2V以上であることが好ましく、例えば、5.5V以下であることが好ましい。
また、上記本発明の第2の態様において、上記LiNi(1−α)Coαが、LiNi0.6Co0.4であることが好ましい。このような形態にすることにより、初期充電時に加え、サイクル運転中にも正極活物質等の表面にフッ化物被膜を形成することによってサイクル特性を向上させやすい高電圧型のリチウムイオン二次電池を製造することが可能な、リチウムイオン二次電池の製造方法を提供することができる。
本発明によれば、サイクル特性を向上させることが可能な高電圧型のリチウムイオン二次電池、及び、その製造方法を提供することができる。
本発明のリチウムイオン二次電池10を説明する図である。 正極12を説明する図である。 本発明のリチウムイオン二次電池の製造方法を説明する図である。 サイクリックボルタンメトリーの結果を説明する図である。 サイクル特性の結果を説明する図である。 50サイクル後の放電容量の結果を説明する図である。 50サイクル後の放電容量の結果を説明する図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明について説明する。なお、以下に示す形態は本発明の例示であり、本発明は以下に示す形態に限定されない。以下の説明において、「X〜Y」は、特に断らない限り、X以上Y以下を意味する。また、以下の説明において、LiNi(1−α)Coα(0≦α≦0.6)を添加剤と称することがある。
1.リチウムイオン二次電池
図1は、本発明のリチウムイオン二次電池(以下において、「本発明の電池」又は単に「電池」と称することがある。)10を説明する図である。図1では、電池10を簡略化して示しており、端子や外装材の一部等の記載を省略している。図1に示した電池10は、正極集電体11と、該正極集電体11に接続された正極12と、負極集電体15と、該負極集電体15に接続された負極14と、正極12及び負極14の間に配設された電解質層13と、を有し、さらに、これらを収容する外装材16を有している。電池10は、例えば、サイクル運転が開始される前に、リチウムの酸化還元電位に対して4.8V以上の電位まで充電する初期充電を行った後、サイクル運転が行われても良い。
正極集電体11は、正極12に接続された導電体である。正極集電体11には、リチウムイオン二次電池の正極側の集電体として使用可能な公知の金属を用いることができる。そのような金属としては、Cu、Ni、Al、V、Au、Pt、Mg、Fe、Ti、Co、Cr、Zn、Ge、Inからなる群から選択される一又は二以上の元素を含む金属材料を例示することができる。正極集電体11の形状は特に限定されず、例えば、上記金属材料によって形成された箔等を用いることができる。
正極12は、少なくとも、LiNiMn(2−y)(4−z)(0.5≦x≦1.5、0≦y≦1、0≦z≦1)で示される正極活物質、及び、添加剤(LiNi(1−α)Coα(0≦α≦0.6))を含む層である。正極12には、これらに加え、必要に応じて、導電材やバインダー等を適宜含有させることができる。図2に、正極12の一部を拡大して示す。図2に示したように、正極12は、LiNiMn(2−y)(4−z)(0.5≦x≦1.5、0≦y≦1、0≦z≦1)で示される正極活物質1と、添加剤2と、導電材4と、バインダー5と、を有している。
LiNiMn(2−y)(4−z)(0.5≦x≦1.5、0≦y≦1、0≦z≦1)で示される正極活物質1は、スピネル構造を有し、リチウムの酸化還元電位に対して4.5V以上の電位領域でリチウムイオンを吸蔵放出することが可能なので、高電位型リチウムイオン二次電池の正極活物質として使用可能である。
正極活物質1の形状は、例えば粒子状や薄膜状等にすることができる。正極活物質1が粒子状である場合、その平均粒径(D50)は、例えば1nm以上100μm以下であることが好ましく、10nm以上30μm以下であることがより好ましい。また、正極層12における正極活物質1の含有量は、特に限定されないが、質量%で、例えば40%以上99%以下とすることが好ましい。
正極12は、さらに、添加剤(LiNi(1−α)Coα(0≦α≦0.6))2を含んでいる。この添加剤2は、リチウムの酸化還元電位に対して4.5V以上の電位領域でLiを脱離させ、同時に分解させることが可能である。分解することによって生成された分解生成物は、正極12に用いられている正極活物質1や導電材4の表面に付着し、フッ化物被膜3が形成される。このようにして、表面にフッ化物被膜3が形成されると、リチウムの酸化還元電位に対して4.5V以上の電位領域で生じ得る非水電解液の分解が抑制される。非水電解液の分解は、サイクル特性低下の一因であるため、非水電解液の分解を抑制することにより、サイクル特性を向上させることが可能になる。なお、フッ化物被膜3の存在は、例えば、X線光電子分光法(XPS)で分析することにより、確認することが可能である。
本発明において、LiNi(1−α)Coαにおけるαは、0≦α≦0.6であれば、特に限定されない。後述するように、LiNi(1−α)Coαはαの値が大きくなるほど、添加剤が分解され始める電位が高くなる。また、正極に含まれている添加剤に占める、サイクル運転の開始前に分解が終了している添加剤の割合が高すぎても低すぎても、サイクル特性の向上効果を最適化し難い。そのため、サイクル特性の向上効果が得られやすい形態にする観点から、本発明では、サイクル運転の開始前に添加剤の一部が分解し、且つ、サイクル運転中に添加剤の残りの少なくとも一部が分解するように、αの値を決定することが好ましい。これは、次のような理由によるものと推察される。すなわち、正極活物質はサイクル運転中に膨張収縮を繰り返すため、サイクル運転開始前に正極活物質の表面に形成されたフッ化物被膜には、サイクル運転中にき裂が発生する。サイクル運転中に発生したき裂がそのまま残存すると、き裂を通って正極活物質の表面に達した非水電解液が分解すると考えられる。これに対し、サイクル運転中にフッ化物被膜にき裂が発生しても、き裂発生後に形成されたフッ化物被膜によって、き裂が塞がれれば、非水電解液の分解を抑制し続けることが可能である。それゆえ、非水電解液の分解を抑制することによってサイクル特性を向上させやすい形態にする観点から、サイクル運転の開始前にも、サイクル運転中にも、添加剤が分解するように、αの値を決定することが好ましい。後述するように、本発明者が行った実験によれば、α=0.4のときに、サイクル特性の向上効果が得られやすかった。したがって、本発明では、LiNi0.6Co0.4を用いることが好ましい。
正極12には、必要に応じて、導電材4を含有させることができる。正極12に含有させることが可能な導電材4としては、気相成長炭素繊維、アセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック(KB)、カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンナノファイバー(CNF)等の炭素材料のほか、非水電解液を用いたリチウムイオン二次電池の使用時の環境に耐えることが可能な金属材料を例示することができる。
また、正極12には、必要に応じて、バインダー5を含有させることができる。正極12に含有させることが可能なバインダー5としては、アクリロニトリルブタジエンゴム(ABR)、ブタジエンゴム(BR)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等を例示することができる。
上記正極活物質1、添加剤2、導電材4、及び、バインダー5等を液体に分散して調整したスラリー状の正極組成物を用いて正極12を作製する場合、使用可能な液体としてはヘプタン等を例示することができ、無極性溶媒を好ましく用いることができる。また、正極12の厚さは、例えば0.1μm以上1mm以下であることが好ましく、1μm以上100μm以下であることがより好ましい。
電解質層13は、正極12及び負極14の間に配設される層であり、少なくとも非水電解液を有する層である。電解質層13に含まれる非水電解液を介して、正極活物質及び負極活物質の間の金属イオン伝導が行われる。電解質層13に用いられる非水電解液は、水を含まない液状の電解質であれば特に限定されない。
非水電解液は、通常、支持塩(リチウム塩)および非水溶媒を含有する。支持塩であるリチウム塩としては、例えばLiPF、LiBF、LiClO、及び、LiAsF等の無機リチウム塩や、LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、及び、LiC(CFSO等の有機リチウム塩等を挙げることができる。
また、上記非水溶媒は、上述した支持塩を溶解する溶媒であれば、特に限定されない。例えば高誘電率溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)等の環状エステル(環状カーボネート)、γ−ブチロラクトン、スルホラン、N−メチルピロリドン(NMP)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)等を挙げることができる。一方、低粘度溶媒としては、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等の鎖状エステル(鎖状カーボネート)、メチルアセテート、エチルアセテート等のアセテート類、2−メチルテトラヒドロフラン等のエーテル等を挙げることができる。高誘電率溶媒および低粘度溶媒を混合した混合溶媒を用いても良い。
また、非水電解液における支持塩の濃度は、例えば0.3mol/L〜5.0mol/Lの範囲内であることが好ましく、0.8mol/L〜1.5mol/Lの範囲内であることがより好ましい。支持塩の濃度が低すぎると、ハイレート時の容量が低下する可能性がある一方、支持塩の濃度が高すぎると、粘性が高くなり低温での容量が低下する可能性があるからである。なお、本発明においては、非水電解液として、例えばイオン性液体等の低揮発性液体を用いても良い。
電解質層13の厚さは、電解質の種類やリチウムイオン二次電池の構成によって大きく異なるものであるが、例えば、0.1μm〜1000μmの範囲内、中でも0.1μm〜300μmの範囲内であることが好ましい。
また、電解質層13は、さらに、セパレータを有していても良い。より安全性の高い電池を得ることができるからである。このようなセパレータとしては、多孔質膜であれば特に限定されるものではなく、有機材料であっても良く、無機材料であっても良い。具体的には、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等の単層のセパレータ、PP/PE/PPの積層のセパレータを挙げることができる。
負極14は、少なくとも負極活物質を含む層である。負極14には、負極活物質に加え、必要に応じて、導電材及びバインダー等を適宜含有させることができる。
負極14に含有させることが可能な負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵放出可能な負極活物質を適宜用いることができる。そのような負極活物質としては、例えば、カーボン活物質、酸化物活物質、及び、金属活物質等を挙げることができる。カーボン活物質は、炭素を含有していれば特に限定されず、例えばグラファイト、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、高配向性グラファイト(HOPG)、ハードカーボン、ソフトカーボン等を挙げることができる。酸化物活物質としては、例えばNb、LiTi12、SiO等を挙げることができる。金属活物質としては、例えばIn、Al、Si、及び、Sn等を挙げることができる。また、負極活物質として、リチウム含有金属活物質を用いても良い。リチウム含有金属活物質としては、少なくともLiを含有する活物質であれば特に限定されず、Li金属であっても良く、Li合金であっても良い。Li合金としては、例えば、Liと、In、Al、Si、及び、Snの少なくとも一種とを含有する合金を挙げることができる。負極活物質の形状は、例えば粒子状、薄膜状等にすることができる。負極活物質が粒子状である場合、その平均粒径(D50)は、例えば1nm以上100μm以下であることが好ましく、10nm以上30μm以下であることがより好ましい。また、負極層14における負極活物質の含有量は、特に限定されないが、質量%で、例えば40%以上99%以下とすることが好ましい。
負極14に含有させることが可能な導電材としては、正極12に含有させることが可能な上記導電材を例示することができる。また、負極14に含有させることが可能なバインダーとしては、正極12に含有させることが可能な上記バインダーを例示することができる。
また、液体に上記負極活物質等を分散して調整したスラリー状の負極組成物を用いて負極14を作製する場合、負極活物質等を分散させる液体としては、ヘプタン等を例示することができ、無極性溶媒を好ましく用いることができる。また、負極14の厚さは、例えば0.1μm以上1mm以下であることが好ましく、1μm以上100μm以下であることがより好ましい。
負極集電体15は、負極14に接続された導電体である。負極集電体15には、リチウムイオン二次電池の負極側の集電体として使用可能な金属を用いることができる。そのような金属としては、Cu、Ni、Al、V、Au、Pt、Mg、Fe、Ti、Co、Cr、Zn、Ge、Inからなる群から選択される一又は二以上の元素を含む金属材料を例示することができる。負極集電体15の形状は特に限定されず、例えば、上記金属材料によって形成された箔等を用いることができる。
電池10は、外装材16に収容された状態で、使用される。外装材16には、リチウムイオン二次電池で使用可能な外装材を用いることができる。そのような外装材を構成し得る材料としては、例えば、アルミニウムやステンレス鋼等の金属材料のほか、ポリフェニレンサルファイド樹脂やポリイミド樹脂等の樹脂材料を挙げることができる。これらの中でも、放熱性向上やエネルギー密度を高めやすい外装材を用いる観点から、例えばアルミニウムやアルミニウム合金等の金属材料を用いることが好ましい。また、外装材の形状は、特に限定されず、例えば、円形(円筒形、コイン形、ボタン形)、六面体形(直方体形、立方体形)、袋体形、およびそれらを加工し変形させた形状等にすることができる。
上述のように、電池10は、正極12に、LiNiMn(2−y)(4−z)(0.5≦x≦1.5、0≦y≦1、0≦z≦1)で示される正極活物質1、及び、添加剤(LiNi(1−α)Coα(0≦α≦0.6))2が含まれている。このような正極12を備える電池10は、高電位型リチウムイオン二次電池に使用可能な正極活物質1が用いられているので、リチウムの酸化還元電位に対して4.5V以上の電位まで充電することが可能である。ここで一般に、リチウムの酸化還元電位に対して4.5V以上の電位まで充電すると、正極活物質の表面で電解液が分解され得る。ところが、正極12に含まれている添加剤(LiNi(1−α)Coα(0≦α≦0.6))2は、リチウムの酸化還元電位に対して4.5V以上の電位で分解され、その結果、正極活物質1や導電材4の表面にフッ化物被膜3が形成される。このようにして、表面にフッ化物被膜3が形成されると、正極活物質1や導電材4の表面における非水電解液の分解が抑制される。すなわち、LiNiMn(2−y)(4−z)(0.5≦x≦1.5、0≦y≦1、0≦z≦1)で示される正極活物質1、及び、添加剤2を含む正極12を備えた電池10によれば、非水電解液の分解を抑制できるので、サイクル特性を向上させることが可能である。
2.リチウムイオン二次電池の製造方法
図3は、本発明のリチウムイオン二次電池の製造方法(以下において、「本発明の製造方法」と称することがある。)を説明する図である。図1乃至図3を適宜参照しつつ、電池10の製造方法の一例について、以下に説明する。図3に示した本発明の製造方法S10は、電池作製工程(S11)と、初期充電工程(S12)と、を有し、電池作製工程(S11)には、正極作製工程(S111)と、負極準備工程(S112)と、非水電解液充填工程(S113)と、が含まれている。
2.1.電池作製工程(S11)
電池作製工程(以下において、「S11」と称することがある。)は、後述する初期充電工程(S12)で充電されるリチウムイオン二次電池を作製する工程である。S11には、正極作製工程(S111)と、負極準備工程(S112)と、非水電解液充填工程(S113)と、が含まれている。
2.1.1.正極作製工程(S111)
正極作製工程(以下において、「S111」と称することがある。)は、LiNiMn(2−y)(4−z)(0.5≦x≦1.5、0≦y≦1、0≦z≦1)で示される正極活物質1と、添加剤(LiNi(1−α)Coα(0≦α≦0.6))2と、を用いて、正極12を作製する工程である。S111は、LiNiMn(2−y)(4−z)(0.5≦x≦1.5、0≦y≦1、0≦z≦1)で示される正極活物質1と、添加剤2と、を用いて正極12を作製可能であれば、その形態は特に限定されない。S111は、例えば、上記正極活物質1、添加剤2、導電材4、及び、バインダー5等を液体に分散して調整したスラリー状の正極組成物を、別途用意された正極集電体11の表面に塗布し乾燥した後、適宜プレスする過程を経て、正極12を作製する工程、とすることができる。
2.1.2.負極準備工程(S112)
負極準備工程(以下において、「S112」と称することがある。)は、負極14を準備する工程である。S112は、負極14を準備する工程であれば、その形態は特に限定されず、例えば、負極14を作製する工程であっても良く、負極14を購入することにより負極14を用意する工程であっても良い。S112が負極14を作製する工程である場合、S112は、例えば、上記負極活物質等を液体に分散して調整したスラリー状の負極組成物を、別途用意された負極集電体15の表面に塗布し乾燥した後、適宜プレスする過程を経て、負極14を作製する工程、とすることができる。
2.1.3.非水電解液充填工程(S113)
非水電解液充填工程(以下において、「S113」と称することがある。)は、S111で作製された正極12とS112で準備された負極14との間に、非水電解液を充填する工程である。S113は、正極12と負極14との間に非水電解液を充填する工程であれば、その形態は特に限定されない。S113は、例えば、S111で作製された正極12及びS112で準備された負極14で、セパレータとして機能する多孔質樹脂を挟むように、正極12、多孔質樹脂、及び、負極14を配置することにより、正極12、多孔質樹脂、及び、負極14を備える積層体を形成した後、この積層体を外装材16に入れ、さらに、例えば、EC及びEMCの混合溶媒に支持塩を溶解させることにより作製した非水電解液を外装材16へと注入することにより、正極12及び負極14の間に非水電解液を充填する工程、とすることができる。
S111乃至S113を行ったら、その後、適宜真空引きを行いながら外装材16の開口部を熱溶着する等の過程を経て、外装材16を密閉することにより、電池10を作製することができる。
2.2.初期充電工程(S12)
初期充電工程(以下において、「S12」と称することがある。)は、S11で作製された電池10を、電池10の繰り返し充放電が行われる前に、リチウムの酸化還元電位に対して4.8V以上の電位まで充電する工程である。ここで、上述のように、リチウムの酸化還元電位に対して4.5V以上の電位領域で、正極12に含まれている添加剤(LiNi(1−α)Coα(0≦α≦0.6))2からLiを脱離させ、同時に分解させることが可能である。したがって、S12で、リチウムの酸化還元電位に対して4.8V以上の電位まで充電することにより、正極12に含まれている正極活物質1や導電材4の表面に、フッ化物被膜3を形成することが可能になる。このようにして、正極活物質1や導電材4の表面にフッ化物被膜3を形成することにより、これらの表面で生じ得る非水電解液の分解を抑制できるので、サイクル特性を向上させることが可能になる。
フッ化物被膜を形成しやすい形態にする観点から、S12は、リチウムの酸化還元電位に対して5.2V以上の電位まで充電する工程であることが好ましい。また、S12で充電を終了する際の電位は、電解液の分解を防止する観点から、5.5V以下であることが好ましい。
このように、本発明の製造方法S10は、S11及びS12を有しているので、電池10のサイクル運転が開始される前に、正極活物質1や導電材4の表面にフッ化物被膜3を形成することが可能である。その結果、サイクル特性を向上させることが可能な電池10を製造することができる。すなわち、このような形態にすることにより、サイクル特性を向上させることが可能な高電圧型の電池10を製造し得る、リチウムイオン二次電池の製造方法を提供することができる。なお、本発明において、S12で充電を終了する際の電位は、電解液が激しく分解しない電位であれば特に限定されず、例えば、5.2Vとすることが好ましい。
実施例を参照しつつ、本発明について、さらに説明を続ける。なお、特に断らない限り、以下の説明における電圧は、リチウムの酸化還元電位に対する電圧である。
(1)電位走査(サイクリックボルタンメトリー)
<参考例1>
・正極活物質の合成
出発原料であるLiF及びNiFを、モル比でLiF:NiF=2:1になるように秤量し、粉砕混合を行った。その後、プレス機でプレスすることによりペレット状にし、さらに、600℃の不活性雰囲気下で3時間に亘って焼成することにより、参考例1の正極活物質(LiNiF)を合成した。
・正極の作製
上記の方法により作製した参考例1の正極活物質(LiNiF)と、導電材であるアセチレンブラックと、バインダーであるPVdFとを、重量比で、LiNiF:アセチレンブラック:PVdF=75:20:5になるように秤量した後、これらをN−メチル−2−ピロリドン溶液(ナカライテスク社製)に分散させることにより、スラリー状の正極組成物を得た。このようにして得られたスラリー状の正極組成物を、正極集電体(厚さ15μmのAl箔)の表面にドクターブレード法で塗布し、80℃で30分間に亘って乾燥させた後、ロールプレス機で電極密度が2kg/Lとなるようにプレスした。その後、120℃の減圧雰囲気下で乾燥することにより、参考例1の正極を得た。なお、電子伝導抵抗を低減しやすい正極にする観点から、電極密度は1.3kg/L以上であることが好ましい。また、電極密度を過度に高めるとリチウムイオン伝導が律速するため、電極密度は2.7kg/L以下であることが好ましい。すなわち、本発明では、正極の電極密度が1.3kg/L以上2.7kg/L以下であることが好ましい。
・電池の作製
負極には、金属Liを用いた。また、体積比がEC:DMC:EMC=3:3:4である、EC、DMC、及び、EMCを混合することにより得た混合溶液を溶媒とし、且つ、電解質であるリチウム塩としてLiPFを濃度が1mol/Lとなるように溶解させることにより、非水電解液を得た。その後、上記参考例1の正極及び負極でセパレータ(PP−PEの積層型多孔膜フィルム)を挟むことにより、正極、セパレータ、及び、負極を備える積層体を形成した。続いて、この積層体を、ステンレス鋼製の2032型コインセルに入れ、上記非水電解液を注入することにより、参考例1の電池を作製した。
・電位走査(サイクリックボルタンメトリー)
上記のようにして作製した参考例1の電池を用い、リチウムの酸化還元電位に対して2.0V以上6.0V以下の範囲内で電位を走査した。結果を図4に示す。
<参考例2>
・正極活物質の合成
正極活物質を合成する際に、参考例1で使用したNiFに代えて、モル比でNiF:CoF=50:50となるように秤量したNiF及びCoF(ただし、参考例2で使用したNiF及びCoFのモル数の合計は、参考例1で使用したNiFのモル数に等しい。)を使用したほかは、参考例1の正極活物質の合成と同様にして、参考例2の正極活物質(LiNi0.5Co0.5)を合成した。
・電池の作製
参考例1の正極活物質に代えて参考例2の正極活物質を用いたほかは、参考例1の正極を作製する際と同様にして、参考例2の正極を作製した。そして、参考例1の正極に代えて参考例2の正極を用いたほかは、参考例1の電池を作製する際と同様にして、参考例2の電池を作製した。
・電位走査(サイクリックボルタンメトリー)
上記のようにして作製した参考例2の電池を用い、リチウムの酸化還元電位に対して2.0V以上6.0V以下の範囲内で電位を走査した。結果を図4に示す。
<結果>
図4に示したように、参考例1の電池では、リチウムの酸化還元電位に対して4.5V付近から酸化電流が流れ、5.0V付近で極大値をとり、それ以上の電圧領域では電流値が徐々に減少した。これは、Liが4.5V以上で脱離し、NiFが分解していることを示している。
一方、Niの一部をCoに置換した正極活物質を用いた参考例2の電池では、図4に示したように、電位走査での酸化電流のピークは、参考例1の電池よりも高電圧側にシフトした。この結果、Niの一部をCoで置換することによって、LiNi(1−α)Coα(αは0≦α≦0.6)の分解電位が高電圧化し、Coによる置換割合を高めるほど、LiNi(1−α)Coα(αは0≦α≦0.6)の分解電位が高電圧化することが示唆された。
(2)充放電試験(サイクル特性評価)
(A)電池の作製
<実施例1>
・正極活物質LiNi0.5Mn1.5の合成
粒子合成には、ゾルゲル法を用い、原料として、酢酸リチウム・二水和物、酢酸ニッケル・四水和物、及び、酢酸マンガン・四水和物(何れもナカライテスク社製)を用いた。これらの原料を、Li、Ni、Mnの元素比が、モル比で、Li:Ni:Mn=1:0.5:1.5になるように秤量し、不純物の生成を抑制しやすくするために1Lの純水へpHが1.5以下になるように濃硝酸で調整しながら溶解させることにより、溶液を得た。その後、粒子成長を抑制させるキレート剤としてグリコール酸(ナカライテスク社製)を、合成されるLiNi0.5Mn1.5のモル量に対して5倍モル量分、上記溶液に溶解させることにより、ゾル状の溶液を得た。これらの溶解(溶液を得る際の溶解、及び、得られた溶液にグリコール酸を溶解させる際の溶解。)は、溶媒の揮発及び原料の溶解の観点から、50℃以上70℃以下の温度範囲で行うことが好ましく、実施例1では、60℃±5℃の範囲に制御しながら行った。
このようにして得られたゾル状の溶液を撹拌しながら、80℃のオイルバス中で20時間程度に亘って水分を蒸発させることにより、ゲル状の前駆体を得た。その後、200℃のアルゴン雰囲気下で仮焼成を行い、得られた粉体を乳鉢で粉砕した後、600℃のアルゴン雰囲気下で1時間に亘って本焼成を行うことにより、実施例1の正極活物質を得た。
なお、正極活物質を合成する際の本焼成温度は、リチウムイオン伝導抵抗が低減された正極活物質を合成する観点から、500℃以上であることが好ましく、600℃以上であることがより好ましい。また、粒子の成長に起因する容量の減少を抑制しやすい形態にする観点から、正極活物質を合成する際の本焼成温度は、900℃以下であることが好ましく、800℃以下であることがより好ましい。すなわち、本発明では、正極活物質を合成する際の本焼成温度を500℃以上900℃以下であることが好ましく、600℃以上800℃以下であることがより好ましい。また、正極活物質を合成する際の本焼成時間は、リチウムイオン伝導抵抗が低減された正極活物質を合成する観点から、0.5時間以上であることが好ましく、1時間以上であることがより好ましい。また、粒子の成長に起因する容量の減少を抑制しやすい形態にする観点から、正極活物質を合成する際の本焼成時間は、5時間以下であることが好ましく、3時間以下であることがより好ましい。すなわち、本発明では、正極活物質を合成する際の本焼成時間が0.5時間以上5時間以下であることが好ましく、1時間以上3時間以下であることがより好ましい。
・正極の作製
参考例1の正極活物質と同様の方法で作製した実施例1の添加剤(LiNiF)を使用した。参考例1の正極活物質に代えて実施例1の正極活物質を使用し、さらに、質量比で、実施例1の正極活物質:実施例1の添加剤(LiNiF)=95:5となる量の実施例1の添加剤を使用したほかは、参考例1の正極を作製する際と同様にして、実施例1の正極を作製した。
・電池の作製
参考例1の正極に代えて実施例1の正極を用いたほかは、参考例1の電池を作製する際と同様にして、実施例1の電池を作製した。
<実施例2>
実施例1の電池と同様にして実施例2の電池を作製した。
<実施例3>
実施例1の添加剤に代えて実施例3の添加剤(LiNi0.9Co0.1)を使用したほかは、実施例1の正極と同様にして、実施例3の正極を作製した。ここで、実施例3の添加剤は、参考例1で使用したNiFに代えて、モル比でNiF:CoF=90:10となるように秤量したNiF及びCoF(ただし、実施例3で使用したNiF及びCoFのモル数の合計は、参考例1で使用したNiFのモル数に等しい。)を使用したほかは、参考例1における正極活物質物の合成と同様にして、実施例3の添加剤(LiNi0.9Co0.1)を合成した。
そして、実施例1の正極に代えて実施例3の正極を使用したほかは、実施例1の電池と同様にして、実施例3の電池を作製した。
<実施例4>
実施例1の添加剤に代えて実施例4の添加剤(LiNi0.8Co0.2)を使用したほかは、実施例1の正極と同様にして、実施例4の正極を作製した。ここで、実施例4の添加剤は、参考例1で使用したNiFに代えて、モル比でNiF:CoF=80:20となるように秤量したNiF及びCoF(ただし、実施例4で使用したNiF及びCoFのモル数の合計は、参考例1で使用したNiFのモル数に等しい。)を使用したほかは、参考例1における正極活物質物の合成と同様にして、実施例4の添加剤(LiNi0.8Co0.2)を合成した。
そして、実施例1の正極に代えて実施例4の正極を使用したほかは、実施例1の電池と同様にして、実施例4の電池を作製した。
<実施例5>
実施例1の添加剤に代えて実施例5の添加剤(LiNi0.7Co0.3)を使用したほかは、実施例1の正極と同様にして、実施例5の正極を作製した。ここで、実施例5の添加剤は、参考例1で使用したNiFに代えて、モル比でNiF:CoF=70:30となるように秤量したNiF及びCoF(ただし、実施例5で使用したNiF及びCoFのモル数の合計は、参考例1で使用したNiFのモル数に等しい。)を使用したほかは、参考例1における正極活物質物の合成と同様にして、実施例5の添加剤(LiNi0.7Co0.3)を合成した。
そして、実施例1の正極に代えて実施例5の正極を使用したほかは、実施例1の電池と同様にして、実施例5の電池を作製した。
<実施例6>
実施例1の添加剤に代えて実施例6の添加剤(LiNi0.6Co0.4)を使用したほかは、実施例1の正極と同様にして、実施例6の正極を作製した。ここで、実施例6の添加剤は、参考例1で使用したNiFに代えて、モル比でNiF:CoF=60:40となるように秤量したNiF及びCoF(ただし、実施例6で使用したNiF及びCoFのモル数の合計は、参考例1で使用したNiFのモル数に等しい。)を使用したほかは、参考例1における正極活物質物の合成と同様にして、実施例6の添加剤(LiNi0.6Co0.4)を合成した。
そして、実施例1の正極に代えて実施例6の正極を使用したほかは、実施例1の電池と同様にして、実施例6の電池を作製した。
<実施例7>
実施例1の添加剤に代えて実施例7の添加剤(LiNi0.5Co0.5)を使用したほかは、実施例1の正極と同様にして、実施例7の正極を作製した。ここで、実施例7の添加剤は、参考例1で使用したNiFに代えて、モル比でNiF:CoF=50:50となるように秤量したNiF及びCoF(ただし、実施例7で使用したNiF及びCoFのモル数の合計は、参考例1で使用したNiFのモル数に等しい。)を使用したほかは、参考例1における正極活物質物の合成と同様にして、実施例7の添加剤(LiNi0.5Co0.5)を合成した。
そして、実施例1の正極に代えて実施例7の正極を使用したほかは、実施例1の電池と同様にして、実施例7の電池を作製した。
<実施例8>
実施例1の添加剤に代えて実施例8の添加剤(LiNi0.4Co0.6)を使用したほかは、実施例1の正極と同様にして、実施例8の正極を作製した。ここで、実施例8の添加剤は、参考例1で使用したNiFに代えて、モル比でNiF:CoF=40:60となるように秤量したNiF及びCoF(ただし、実施例8で使用したNiF及びCoFのモル数の合計は、参考例1で使用したNiFのモル数に等しい。)を使用したほかは、参考例1における正極活物質物の合成と同様にして、実施例8の添加剤(LiNi0.4Co0.6)を合成した。
そして、実施例1の正極に代えて実施例8の正極を使用したほかは、実施例1の電池と同様にして、実施例8の電池を作製した。
<比較例1>
実施例1の添加剤を使用しなかったほかは、実施例1の正極と同様にして、比較例1の正極を作製した。そして、実施例1の正極に代えて比較例1の正極を使用したほかは、実施例1の電池と同様にして、比較例1の電池を作製した。
<比較例2>
比較例1の電池と同様にして比較例2の電池を作製した。
<比較例3>
実施例1の添加剤に代えて比較例3の添加剤(LiF)を使用したほかは、実施例1の正極と同様にして、比較例3の正極を作製した。そして、実施例1の正極に代えて比較例3の正極を使用したほかは、実施例1の電池と同様にして、比較例3の電池を作製した。
<比較例4>
実施例1の添加剤に代えて比較例4の添加剤(NiF)を使用したほかは、実施例1の正極と同様にして、比較例4の正極を作製した。そして、実施例1の正極に代えて比較例4の正極を使用したほかは、実施例1の電池と同様にして、比較例4の電池を作製した。
(B)充放電試験
<実施例1>
上述の方法で作製した実施例1の電池について、繰り返し充放電(サイクル運転)を行う前に、実容量150mA/gに対して0.1Cで4.8Vまで、定電流・定電圧モードで充電した。その後、0.1Cで3.0Vまで放電した。続いて、0.1Cで4.8V上限で定電流・定電圧モードで充電した後、0.1Cで3.0Vまで放電することを1サイクルとし、これを50サイクル繰り返すサイクル運転を行った。そして、50サイクル目の充放電を終了した後に、0.1Cレート、充電終了時電圧4.8V、放電終了時電圧3.0Vの条件で充放電を行い、この時の放電容量を、「50サイクル後の放電容量」とした。実施例1の電池の、50サイクル後の放電容量を、図6及び図7に示す。なお、図6及び図7に示した、各電池の、50サイクル後の放電容量の値は、小数第一位を四捨五入した値である。
<実施例2>
上述の方法で作製した実施例2の電池について、繰り返し充放電(サイクル運転)を行う前に、実容量150mA/gに対して0.1Cで5.2Vまで、定電流・定電圧モードで充電した。その後、0.1Cで3.0Vまで放電した。続いて、実施例1の電池と同様のサイクル運転を行い、実施例1の電池と同様にして、50サイクル後の放電容量を求めた。実施例2の電池に対して行った、サイクル運転時の放電容量の結果を図5に示す。また、実施例2の電池の、50サイクル後の放電容量を、図7に示す。
<実施例3>
上述の方法で作製した実施例3の電池について、繰り返し充放電(サイクル運転)を行う前に、実容量150mA/gに対して0.1Cで5.2Vまで、定電流・定電圧モードで充電した。その後、0.1Cで3.0Vまで放電した。続いて、実施例1の電池と同様のサイクル運転を行い、実施例1の電池と同様にして、50サイクル後の放電容量を求めた。実施例3の電池の、50サイクル後の放電容量を、図7に示す。
<実施例4>
上述の方法で作製した実施例4の電池について、繰り返し充放電(サイクル運転)を行う前に、実容量150mA/gに対して0.1Cで5.2Vまで、定電流・定電圧モードで充電した。その後、0.1Cで3.0Vまで放電した。続いて、実施例1の電池と同様のサイクル運転を行い、実施例1の電池と同様にして、50サイクル後の放電容量を求めた。実施例4の電池の、50サイクル後の放電容量を、図7に示す。
<実施例5>
上述の方法で作製した実施例5の電池について、繰り返し充放電(サイクル運転)を行う前に、実容量150mA/gに対して0.1Cで5.2Vまで、定電流・定電圧モードで充電した。その後、0.1Cで3.0Vまで放電した。続いて、実施例1の電池と同様のサイクル運転を行い、実施例1の電池と同様にして、50サイクル後の放電容量を求めた。実施例5の電池の、50サイクル後の放電容量を、図7に示す。
<実施例6>
上述の方法で作製した実施例6の電池について、繰り返し充放電(サイクル運転)を行う前に、実容量150mA/gに対して0.1Cで5.2Vまで、定電流・定電圧モードで充電した。その後、0.1Cで3.0Vまで放電した。続いて、実施例1の電池と同様のサイクル運転を行い、実施例1の電池と同様にして、50サイクル後の放電容量を求めた。実施例6の電池に対して行った、サイクル運転時の放電容量の結果を図5に示す。また、実施例6の電池の、50サイクル後の放電容量を、図7に示す。
<実施例7>
上述の方法で作製した実施例7の電池について、繰り返し充放電(サイクル運転)を行う前に、実容量150mA/gに対して0.1Cで5.2Vまで、定電流・定電圧モードで充電した。その後、0.1Cで3.0Vまで放電した。続いて、実施例1の電池と同様のサイクル運転を行い、実施例1の電池と同様にして、50サイクル後の放電容量を求めた。実施例7の電池の、50サイクル後の放電容量を、図7に示す。
<実施例8>
上述の方法で作製した実施例8の電池について、繰り返し充放電(サイクル運転)を行う前に、実容量150mA/gに対して0.1Cで5.2Vまで、定電流・定電圧モードで充電した。その後、0.1Cで3.0Vまで放電した。続いて、実施例1の電池と同様のサイクル運転を行い、実施例1の電池と同様にして、50サイクル後の放電容量を求めた。実施例8の電池の、50サイクル後の放電容量を、図7に示す。
<比較例1>
上述の方法で作製した比較例1の電池について、実施例1の電池と同様のサイクル運転を行い、実施例1の電池と同様にして、50サイクル後の放電容量を求めた。比較例1の電池に対して行った、サイクル運転時の放電容量の結果を図5に示す。また、比較例1の電池の、50サイクル後の放電容量を、図6に示す。
<比較例2>
上述の方法で作製した比較例2の電池について、繰り返し充放電(サイクル運転)を行う前に、実容量150mA/gに対して0.1Cで5.2Vまで、定電流・定電圧モードで充電した。その後、0.1Cで3.0Vまで放電した。続いて、実施例1の電池と同様のサイクル運転を行い、実施例1の電池と同様にして、50サイクル後の放電容量を求めた。比較例2の電池の、50サイクル後の放電容量を、図6に示す。
<比較例3>
上述の方法で作製した比較例3の電池について、繰り返し充放電(サイクル運転)を行う前に、実容量150mA/gに対して0.1Cで5.2Vまで、定電流・定電圧モードで充電した。その後、0.1Cで3.0Vまで放電した。続いて、実施例1の電池と同様のサイクル運転を行い、実施例1の電池と同様にして、50サイクル後の放電容量を求めた。比較例3の電池の、50サイクル後の放電容量を、図6に示す。
<比較例4>
上述の方法で作製した比較例4の電池について、繰り返し充放電(サイクル運転)を行う前に、実容量150mA/gに対して0.1Cで5.2Vまで、定電流・定電圧モードで充電した。その後、0.1Cで3.0Vまで放電した。続いて、実施例1の電池と同様のサイクル運転を行い、実施例1の電池と同様にして、50サイクル後の放電容量を求めた。比較例4の電池の、50サイクル後の放電容量を、図6に示す。
(C)結果
図6に示したように、比較例1の電池の、50サイクル後の放電容量は60mAh/gであり、図5に示した1サイクル目の放電容量と比較して、サイクル運転後の放電容量が大きく減少した。また、図6に示したように、サイクル運転を行う前に5.2Vまで充電した比較例2の電池、LiFを添加剤として用いるとともにサイクル運転を行う前に5.2Vまで充電した比較例3の電池、及び、NiFを添加剤として用いるとともにサイクル運転を行う前に5.2Vまで充電した比較例4の電池の、50サイクル後の放電容量は、比較例1の電池と比べて、ほとんど変化しなかった。この結果から、LiF及びNiFは安定であるため、電位を加えても分解せず、LiFやNiFの添加は、正極の充放電特性にほとんど影響を与えていないと考えられる。
これに対し、LiNiFを添加剤に用い、且つ、サイクル運転を行う前に4.8Vまで充電した実施例1の電池は、図6及び図7に示したように、50サイクル後の放電容量が63mAh/gであり、比較例1〜比較例4の電池と比べて、50サイクル後の放電容量が向上した。これは、参考例1の電池について行った電位走査の結果を示した図4にも表れているように、Liが4.5V以上で脱離し、NiFが分解することによって、正極活物質や導電材の表面に安定なフッ化物被膜が形成された結果、非水電解液の分解が抑制されたためであると考えられる。また、図4に示したように、LiNiFを添加剤に用いた場合には、5.0V付近で電流値が極大値をとる。そのため、実施例2〜実施例8では、サイクル運転を行う前の充電終了電圧を5.2Vにした。その結果、図7に示したように、実施例2〜実施例8の電池は、50サイクル後の放電容量が65mAh/g〜73mAh/gとなり、実施例1の電池よりも、50サイクル後の放電容量が向上した。これは、サイクル運転開始前の充電時に添加剤が分解し、正極活物質や導電材の表面に安定なフッ化物被膜が形成されたためであると考えられる。この結果から、初期充電工程では、リチウムの酸化還元電位に対して5.2V以上の電位まで充電することが好ましいことが分かった。
また、図5に示したように、Niの一部をCoで置換した添加剤を用いた実施例6の電池は、NiがCoで置換されていない添加剤を用いた実施例2の電池よりも、サイクル特性が向上した。同様に、図7に示したように、Niの一部をCoで置換した添加剤を用いた実施例3〜実施例8の電池は、50サイクル後の放電容量の値が、NiがCoで置換されていない添加剤を用いた実施例2の電池における50サイクル後の放電容量の値以上になった。また、図7に示したように、CoによるNiの置換割合が4割まで(LiNi(1−α)Coαのαが0≦α≦0.4である場合)は、CoによるNiの置換割合が増加するにつれて(αの値が大きくなるにつれて)50サイクル後の放電容量が増加したが、CoによるNiの置換割合が5割以上(0.5≦α)になると、CoによるNiの置換割合が4割(α=0.4)の場合と比較して、50サイクル後の放電容量が減少した。0≦α≦0.4の場合に、αの値が大きくなるにつれてサイクル特性が向上したのは、Niの一部をCoで置換することによって、添加剤の分解電位が高電圧化して分解され難くなり、正極活物質や導電材の表面に薄く均一なフッ化物被膜が形成されやすくなった結果、抵抗が減少したためであると考えられる。しかしながら、NiがCoによって過度に置換されると、添加剤の分解電位が高くなりすぎる結果、5.2Vの充電では添加剤の分解反応が十分に行われず、フッ化物被膜が十分に形成されなくなるため、フッ化物被膜の形成によるサイクル特性の向上効果が得られにくくなったと考えられる。
1…正極活物質(LiNiMn(2−y)(4−z)(0.5≦x≦1.5、0≦y≦1、0≦z≦1)で示される正極活物質)
2…添加剤(LiNi(1−α)Coα(0≦α≦0.6))
3…フッ化物被膜
4…導電材
5…バインダー
10…リチウムイオン二次電池
11…正極集電体
12…正極
13…電解質層(非水電解液)
14…負極
15…負極集電体
16…外装材

Claims (4)

  1. 正極及び負極と、これらの間に充填された非水電解液と、を有し、
    前記正極に、LiNiMn(2−y)(4−z)(0.5≦x≦1.5、0≦y≦1、0≦z≦1)で示される正極活物質と、LiNi(1−α)Coα(0≦α≦0.6)と、が含まれている、リチウムイオン二次電池。
  2. 前記LiNi(1−α)Coαが、LiNi0.6Co0.4である、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池。
  3. LiNiMn(2−y)(4−z)(0.5≦x≦1.5、0≦y≦1、0≦z≦1)で示される正極活物質と、LiNi(1−α)Coα(0≦α≦0.6)と、を用いて正極を作製する、正極作製工程と、
    負極を準備する、負極準備工程と、
    前記正極作製工程で作製された前記正極と、前記負極準備工程で準備された前記負極との間に、非水電解液を充填する、非水電解液充填工程と、を経てリチウムイオン二次電池を作製する、電池作製工程と、
    前記電池作製工程で作製された前記リチウムイオン二次電池を、リチウムの酸化還元電位に対して4.8V以上の電位まで充電する、初期充電工程と、
    を有する、リチウムイオン二次電池の製造方法。
  4. 前記LiNi(1−α)Coαが、LiNi0.6Co0.4である、請求項3に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
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