JP2016056160A - トリアルキルガリウムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】エーテル化合物を使用し、簡便な方法によって、トリアルキルガリウムを製造する方法の提供。
【解決手段】トリアルキルアルミニウムとトリハロゲノガリウムとを、式(3)で示されるエーテル化合物の存在下で反応させた後、得られた反応液から蒸留によりトリアルキルガリウムを取得するに際し、アルカリ金属ハロゲン化物又はアルカリ土類金属ハロゲン化物等の無機塩或いはトリアルキルアミン、N−アルキルピペリジン、N−アルキルインドール等の第3級アミンから選ばれる少なくとも1種の化合物を存在させるトリアルキルガリウム製造法。

(RはC1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキル基;RはC3〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基;尚、R及びRは互いに結合して環を形成していても良い。)
【選択図】なし

Description

本発明は、トリアルキルガリウムの製造方法に関する。
従来、トリアルキルガリウムの製法としては、例えば、トリメチルアルミニウムとトリハロゲノガリウムとを、トリエチルアミンの存在下、トルエン中で反応させて粗生成物としてトリメチルガリウムを得る方法が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2006−104189号公報
特許文献1の方法では、トリエチルアミンなどの低級アルキルアミンを使用しているが(例えば、特許文献1に記載の実施例1を参照。)、トリメチルガリウムの粗生成物しか得られていない。
特許文献1には、半導体及び電子デバイス用途のための有機金属化合物の製造において、使用するエーテル系溶媒が、酸素化不純物の混入原因となることが指摘されている。更には、エーテル系溶媒を回避できる方法が特に有用であることも記載されている。
即ち、従前より、溶媒としてのみならず、エーテル化合物を使用しない方法の提言が盛んになされている。
本発明の課題は、上記問題点を解決し、エーテル化合物を使用し、簡便な方法によって、トリアルキルガリウムの製造方法を提供することにある。
本発明の課題は、一般式(1)
(式中、Rは、炭素原子数1〜6のアルキル基を示す。)
で示されるトリアルキルアルミニウムと、
一般式(2)
(式中、Xは、ハロゲン原子を示す。)
で示されるトリハロゲノガリウムとを、
一般式(3)
(式中、Rは、炭素原子数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキル基、Rは、炭素原子数3〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基を示す。なお、R及びRは、互いに結合して環を形成していても良い。)
で示されるエーテル化合物の存在下で反応させることを特徴とする、一般式(4)
(式中、Rは、炭素原子数1〜6のアルキル基を示す。)
で示されるトリアルキルガリウムの製造方法によって解決される。
本発明によれば、例えば、エピタキシャル成長法による高機能の化合物半導体の製造原料として有用なトリアルキルガリウムの製造方法を提供することができる。
以下、本発明を実施した好ましい形態の一例について説明する。但し、下記の実施形態は、単なる例示である。本発明は、下記の実施形態に何ら限定されない。
(トリアルキルアルミニウム)
本発明において使用するトリアルキルアルミニウムは、前記の一般式(1)で示される。その一般式(1)において、Rは、炭素数1〜6のアルキル基を示し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が挙げられるが、好ましくはメチル基、エチル基である。即ち、トリアルキルアルミニウムが、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウムことが好ましい。なお、これらの基は、各種異性体も含む。
前記トリアルキルアルミニウムの使用量は、トリハロゲノガリウム1モルに対して、好ましくは0.5〜5.0モル、更に好ましくは1.0〜2.0モルであり、より好ましくは、1.0〜1.54モルであり、さらに好ましくは、1.0〜1.53モルであり、なお好ましくは、1.0〜1.52モルである。
(トリハロゲノガリウム)
本発明において使用するトリハロゲノガリウムは、前記の一般式(2)で示される。その一般式(2)において、Xは、ハロゲン原子であり、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられるが、好ましくは塩素原子、臭素原子、更に好ましくは塩素原子である。当該トリハロゲノガリウムは、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
(エーテル化合物)
本発明において使用するエーテル化合物は、前記の一般式(3)で示される。その一般式(3)において、Rは、炭素原子数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキル基であり、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などである。また、Rは、炭素原子数3〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基であり、具体的には、例えば、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられる。なお、R及びRは、互いに結合して環を形成していても良い。
前記エーテル化合物の具体例としては、例えば、ジイソペンチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテルなどが挙げられる。なお、これらのエーテル化合物は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
エーテル化合物の使用量は、トリハロゲノガリウム1モルに対して、好ましくは0.5〜5.0モル、更に好ましくは1.0〜2.0モルである。エーテル化合物の使用量をこの範囲とすることで、攪拌性がよくなり、局部的な反応の進行が抑制される。
本発明の反応は、溶媒中で行うことができる。その際に使用される溶媒としては、反応を阻害しないものならば特に限定されず、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ノナン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタンなどの脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどの芳香族炭化水素類が挙げられるが、好ましくはヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン、更に好ましくはトルエン、キシレンが使用される。なお、これらの溶媒は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
前記溶媒の使用量は、トリハロゲノガリウム1gに対して、好ましくは0.5〜5mL、更に好ましくは1〜2mLである。この範囲とすることで、攪拌性がよくなり、局部的な反応の進行が抑制される。
本発明の反応は、例えば、トリアルキルアルミニウム、トリハロゲノガリウム及びエーテル化合物を混合し(必要ならば溶媒も加える)、攪拌しながら反応させるなどの方法によって行われる。その際の反応温度は、好ましくは60〜150℃、更に好ましくは80〜120℃であり、反応圧力は特に制限されない。なお、エーテル化合物の沸点以上で反応を行う場合には、閉鎖系の装置で反応を行っても構わない(その際には自己圧がかかる)。
本発明の好ましい態様としては、エーテル化合物(必要ならば溶媒に希釈)とトリメチルアルミニウム(必要ならば溶媒に希釈)とを混合して、それにトリハロゲノガリウム(必要ならば溶媒に希釈)を加えて反応させる。このようにすることで、激しい発熱による液温の上昇を抑制することができるため、副反応を最小限に抑えることができる。
本発明の反応で得られたトリアルキルガリウムは、十分に純度が高いものであるが、更に精製することによって、より高純度のトリアルキルガリウムが得られる。
本発明者らは、鋭意研究の結果、例えば、トリメチルアルミニウムとトリハロゲノガリウムとを、ジイソペンチルエーテルの存在下、トルエン中で反応させてトリメチルガリウムの粗生成物を得た場合は、トリアルキルガリウムの粗生成物から純度の高いトリアルキルガリウムを蒸留で取得する際に、発熱が生じているという課題を見出した。
なお、トリアルキルガリウムは、僅かな水分であっても爆発的に反応することから、外部から水冷などにより冷却することは困難である。
本発明者らは、鋭意研究の結果、トリアルキルアルミニウムと、トリハロゲノガリウムとをエーテル化合物の存在下で反応させた後、得られた反応液から蒸留によりトリアルキルガリウムを取得するに際し、無機塩及び第3級アミンから選ばれる少なくとも1種の化合物を存在させることで、蒸留の際の発熱を抑止することができることを見出した。
前記無機塩としては、例えば、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化セシウム、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化セシウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化セシウムなどのアルカリ金属ハロゲン化物;フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、フッ化ストロンチウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化バリウム、塩化ストロンチウム、臭化マグネシウム、臭化カルシウム、臭化バリウム、臭化ストロンチウム、ヨウ化マグネシウム、ヨウ化バリウム、ヨウ化ストロンチウムなどのアルカリ土類金属ハロゲン化物が挙げられるが、好ましくはフッ化カリウム、フッ化カルシウム、塩化カリウムが使用される。
なお、これらの無機塩は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
前記3級アミンとしては、これらに限定されるわけではないが、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、ピラジン、N−メチルピロリジン、N−エチルピロリジン、N−メチルピペリジン、N−エチルピペリジン、N−メチルピリジン、N−エチルピリジン、N−メチルインドール、キノリン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0−7−ウンデセンが挙げられるが、好ましくはトリ−n−オクチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン等、が使用される。
なお、これらの3級アミンは、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
無機塩及び3級アミンの使用量は、トリアルキルガリウムの製造に使用したトリハロゲノガリウム1モルに対して、好ましくは 0.1〜3.0モル、更に好ましくは 0.1〜0.6 モルである。無機塩及び3級アミンの使用量をこのような範囲とすることで、蒸留釜中において反応物が固化することを抑制でき、発熱を抑止することができる。
無機塩及び3級アミンは、トリアルキルガリウムを製造した後、得られた反応液に加えて蒸留することもできるが、トリアルキルガリウム製造の際に予め存在させておいても、特にトリアルキルガリウムの製造に影響を与えることはない。
ところで、本発明の反応に用いられるトリアルキルアルミニウムは高価である。従って、トリアルキルガリウムの製造コストを低減する観点からは、トリアルキルアルミニウムの使用量を低減することが有効である。
例えば、特許文献1では、トリアルキルガリウムとトリアルキルアルミニウムとの反応を、トリアルキルアミンの存在下においてトルエン中で反応させる例が記載されている。その反応においては、トリアルキルガリウム1モルに対して、1.55モルのトリアルキルアルミニウムが消費される。
本発明の反応のように、トリアルキルガリウムとトリアルキルアルミニウムとの反応を、エーテル化合物の存在下において反応させることにより、トリアルキルアルミニウムの使用量を低減し得る。従って、本発明によれば、トリアルキルガリウムの製造コストを低減することも可能である。具体的には、本発明によれば、トリアルキルガリウム1モルに対するトリアルキルアルミニウムの消費量を、1.54モル以下とし得る。トリアルキルガリウム1モルに対するトリアルキルアルミニウムの消費量は、好ましくは、1.53モル以下であり、より好ましくは、1.52モル以下であり、さらに好ましくは、1.51モル以下であり、なお好ましくは、1.50モル以下である。
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
なお、トリアルキルガリウムの分析は、プロトン核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)により以下の手法により行った。
実施例1(高純度トリメチルガリウムの合成)
還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び攪拌装置を備えた内容積200mLの容器に、ジイソペンチルエーテル27.8g(176mmol)及びトルエン9.8mLを加えて混合した。氷冷下、当該混合液に、液温を9〜15℃に維持しながら、トリメチルアルミニウム12.3g(170mmol)をゆるやかに加え、同温度で20分間攪拌した。
次いで、これに、三塩化ガリウム19.3g(113mmol)及びトルエン18mLの混合液をゆるやかに加えた後、100℃で1時間反応させた。
反応終了後、反応液を常圧下で蒸留し、トリメチルガリウム11.98gを得た(単離収率;92.6%)。
実施例1においては、三塩化ガリウムとトリメチルアルミニウムとのモル比(三塩化ガリウム:トリメチルアルミニウム)は、1:1.50であった。
実施例2(高純度トリメチルガリウムの合成)
還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び攪拌装置を備えた内容積200mLの容器に、ジイソペンチルエーテル41.5g(262mmol)を加えた。氷冷下、液温を9〜15℃に維持しながら、トリメチルアルミニウム12.3g(171mmol)をゆるやかに加え、同温度で20分間攪拌した。
次いで、これに、三塩化ガリウム19.3g(113mmol)及びジイソペンチルエーテル33mLの混合液をゆるやかに加えた後、100℃で1時間反応させた。
反応終了後、反応液を常圧下で蒸留し、トリメチルガリウム11.72gを得た(単離収率;91.2%)。
実施例2においては、三塩化ガリウムとトリメチルアルミニウムとのモル比(三塩化ガリウム:トリメチルアルミニウム)は、1:1.51であった。
実施例3(高純度トリメチルガリウムの合成)
還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び攪拌装置を備えた内容積200mLの容器に、ジイソペンチルエーテル27.5g(174mmol)を加えた。氷冷下、液温を9〜15℃に維持しながら、トリメチルアルミニウム12.6g(174mmol)をゆるやかに加え、同温度で20分間攪拌した。
次いで、本混合液を80℃まで昇温し、予め120℃で加熱溶融させた三塩化ガリウム19.7g(112mmol)をゆるやかに加えた後、100℃で1時間反応させた。
反応終了後、反応液を常圧下で蒸留し、トリメチルガリウム12.53gを得た(単離収率;97.5%)。
実施例2においては、三塩化ガリウムとトリメチルアルミニウムとのモル比(三塩化ガリウム:トリメチルアルミニウム)は、1:1.55であった。
参考例1(トリメチルガリウムを含む反応液の発熱確認)
還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び攪拌装置を備えた内容積200mLの容器に、ジイソペンチルエーテル25.6g(162mmol)を加えた後、液温を15〜20℃に維持しながら、トリメチルアルミニウム11.6g(161mmol)をゆるやかに加え、同温度で15分間攪拌した。
次いで、これに、液温を90〜100℃に維持しながら、120℃で加熱溶融させた三塩化ガリウム18.5g(105mmol)をゆるやかに加え、同温度で1時間攪拌した。
反応終了後、反応液の示差走査熱量測定(DSC測定)を行ったところ、250℃付近で発熱の開始が確認され、260℃付近において顕著な発熱ピークが観察された。
実験例1(トリメチルガリウムを含む反応液の発熱確認)
還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び攪拌装置を備えた内容積200mLの容器に、ジイソペンチルエーテル25.6g(162mmol)を加えた後、液温を15〜20℃に維持しながら、トリメチルアルミニウム11.6g(161mmol)をゆるやかに加え、同温度で15分間攪拌した。
次いで、これに、液温を90〜100℃に維持しながら、120℃で加熱溶融させた三塩化ガリウム18.5g(105mmol)をゆるやかに加え、同温度で1時間攪拌した。
反応終了後、反応液にフッ化カリウム3.67g(63.2mmol)を加えた後、示差走査熱量測定(DSC測定)を行ったところ、発熱の開始及び発熱ピークは観察されなかった。
実験例2(トリメチルガリウムを含む反応液の発熱確認)
実験例1において、フッ化カリウムに代えてトリ−n−オクチルアミン22.9g(64.8mmol)を使用したこと以外は、実験例と同様にDSC測定を行った。
その結果、発熱の開始及び発熱ピークは観察されなかった。
実験例3(トリメチルガリウムを含む反応液の発熱確認)
実験例1において、フッ化カリウムに代えて1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン9.64g(63.3mmol)を使用したこと以外は、実験例と同様にDSC測定を行った。
その結果、発熱の開始及び発熱ピークは観察されなかった。
実施例4(トリアルキルガリウムの製造及び蒸留による取得)
還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び攪拌装置を備えた内容積200mLの容器に、ジイソペンチルエーテル25.6g(162mmol)を加えた後、液温を15〜20℃に維持しながら、トリメチルアルミニウム11.6g(161mmol)をゆるやかに加え、同温度で15分間攪拌した。
次いで、これに、液温を90〜100℃に維持しながら、120℃で加熱溶融させた三塩化ガリウム18.5g(105mmol)をゆるやかに加え、同温度で1時間攪拌した。
反応終了後、反応液の発熱に留意しながら、170℃以上に加熱することを控えながら、反応液を減圧下で蒸留し、トリメチルガリウム9.81gを得た(単離収率;81.2%)。
実施例5(トリアルキルガリウムの製造及び蒸留による取得)
還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び攪拌装置を備えた内容積200mLの容器に、ジイソペンチルエーテル25.6g(162mmol)を加えた後、液温を15〜20℃に維持しながら、トリメチルアルミニウム11.7g(162mmol)をゆるやかに加え、同温度で15分間攪拌した。
次いで、これに、液温を90℃〜100℃に維持しながら、120℃で加熱溶融させた三塩化ガリウム18.6g(106mmol)をゆるやかに加え、同温度で1時間攪拌した。
反応終了後、反応液にフッ化カリウム1.84g(31.7mmol)を加えた後、これを、減圧下で蒸留し、トリメチルガリウム11.38gを得た(単離収率;94.0%)。
実施例6(トリアルキルガリウムの製造及び蒸留による取得)
還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び攪拌装置を備えた内容積200mLの容器に、ジイソペンチルエーテル25.6g(162mmol)及びフッ化カリウム1.85g(31.8mmol)を加えた後、液温を15〜20℃に維持しながら、トリメチルアルミニウム11.7g(162mmol)をゆるやかに加え、同温度で15分間攪拌した。
次いで、これに、液温を90℃〜100℃に維持しながら、120℃で加熱溶融させた三塩化ガリウム18.6g(106mmol)をゆるやかに加え、同温度で1時間攪拌した。
反応終了後、反応液を減圧下で蒸留し、トリメチルガリウム11.45gを得た(単離収率;94.4%)。
以上の結果より、蒸留によるトリメチルガリウムの取得の際に、無機塩や3級アミンを加えることで、発熱が抑止されることが分かった(実験例1〜3)。
また、発熱が抑止されることから、蒸留により十分な量のトリメチルガリウムを取得できることが分かった(実施例5と実施例4との対比)。
更に、無機塩や3級アミンをトリメチルガリウムの製造時点から存在させていても、トリメチルガリウムの取得量に差がないことが分かった。

Claims (3)

  1. 一般式(1)
    (式中、Rは、炭素原子数1〜6のアルキル基を示す。)
    で示されるトリアルキルアルミニウムと、
    一般式(2)
    (式中、Xは、ハロゲン原子を示す。)
    で示されるトリハロゲノガリウムとを、
    一般式(3)
    (式中、Rは、炭素原子数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキル基、Rは、炭素原子数3〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基を示す。なお、R及びRは、互いに結合して環を形成していても良い。)
    で示されるエーテル化合物の存在下で反応させることを特徴とする、一般式(4)
    (式中、Rは、炭素原子数1〜6のアルキル基を示す。)
    で示されるトリアルキルガリウムの製造方法。
  2. 前記トリアルキルアルミニウムと、前記トリハロゲノガリウムとを前記エーテル化合物の存在下で反応させた後、得られた反応液から蒸留によりトリアルキルガリウムを取得するに際し、無機塩及び第3級アミンから選ばれる少なくとも1種の化合物を存在させる、請求項1に記載のトリアルキルガリウムの製造方法。
  3. Rがメチル基又はエチル基である請求項1又は2に記載のトリアルキルガリウムの製造方法。
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