JPH07224071A - 有機金属化合物の精製方法 - Google Patents
有機金属化合物の精製方法Info
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- JPH07224071A JPH07224071A JP20348794A JP20348794A JPH07224071A JP H07224071 A JPH07224071 A JP H07224071A JP 20348794 A JP20348794 A JP 20348794A JP 20348794 A JP20348794 A JP 20348794A JP H07224071 A JPH07224071 A JP H07224071A
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Abstract
2 MX(式中R1 、R2はアルキル基またはシクロアル
カジエニル基、MはGaまたはIn、Xはアルキル基、
ハロゲンまたは水素を表す。)で示される有機金属化合
物を、実質的に酸素を含まない雰囲気で、該有機金属化
合物の0.1〜10重量%のハロゲン化アルカリ塩類と
共に加熱処理し、次いで該有機金属化合物を蒸留または
昇華分離することを特徴とする有機金属化合物の精製方
法。 【効果】 含酸素量の少ない有機金属化合物を得ること
ができる。
Description
法に関する。さらに詳細には化合物半導体分野におい
て、原料として好適に使用される有機金属化合物中の微
量の含酸素成分を除去する方法に関するものである。
下、MOCVDと略す)による化合物半導体薄膜形成用
原料として使用されるようになってきた。これらの薄膜
は、発光ダイオード、レーザーダイオード、マイクロ波
素子として利用されるほか、超高速IC,光ICとして
も利用されようとしている。しかし、これらの有機金属
化合物中には、製造または取扱い中に不可避的に混入し
た空気、または湿分との反応による含酸素成分が不純物
として存在している。
する有機金属化合物を、前述のMOCVD原料として使
用した場合、半導体薄膜中に酸素原子が取り込まれ、結
果として電気的、光学的な特性が著しく阻害され、高抵
抗膜や発光効率の低い膜しか得られないとか、仮に目的
とする薄膜が得られても、素子としての寿命が短いなど
の問題が生ずる。
して、0.1〜50重量%に相当する水素化金属化合物
で処理する方法(特開平2-67230 号公報)が、またアル
キルアルミニウム中の酸素化合物の除去に関してはハロ
ゲン化アルミニウムで処理する方法(特開平3-112991号
公報)がそれぞれ提案されている。
気や湿分に対して敏感であるため、取扱いが煩雑である
とか、特定の有機金属化合物に対してしか効果が得られ
ないなどの欠点がある。また通常よく採用される精密蒸
留では、含酸素成分の蒸気圧が有機金属の蒸気圧と近似
しているためか、数百ppm以下に低減することは出来
ず、何れも実用上は極めて不十分な方法である。
発明者らは容易且つ工業的に実施可能な精製方法によ
り、低酸素含量の有機金属化合物を得ることを目的とし
て鋭意検討を重ねた結果、簡便な操作によって極めて効
果的に含酸素成分が除去精製出来ることを見出し、本発
明を完成するに至った。
含酸素成分を含有する、一般式R1 R2 MX(式中
R 1 、R2 はアルキル基またはシクロアルカジエニル
基、MはGaまたはIn、Xはアルキル基、ハロゲンま
たは水素を表す。)で示される有機金属化合物を、実質
的に酸素を含まない雰囲気で、該有機金属化合物の0.
1〜10重量%のハロゲン化アルカリ塩類と共に加熱処
理し、次いで該有機金属化合物を蒸留または昇華分離す
ることを特徴とする有機金属化合物の精製方法を提供す
るにある。
法が対象とする有機金属化合物はGaおよびInのアル
キル化合物、シクロアルカジエニルアルキル化合物、ア
ルキルハロゲン化物およびアルキル水素化物であり、ア
ルキル基としては炭素数が1〜8個からなるものが選ば
れる。とりわけ炭素数1〜4からなるアルキル基を有す
る有機金属化合物に対して好適に採用される。これらの
有機金属化合物を例示すればトリメチルガリウム、トリ
エチルガリウム、トリプロピルガリウム、トリブチルガ
リウム、トリネオペンチルガリウム、シクロペンタジエ
ニルジメチルガリウム、シクロペンタジエニルジエチル
ガリウム、メチルジエチルガリウム、エチルジメチルガ
リウム、トリメチルインジウム、トリエチルインジウ
ム、メチルジエチルインジウム、エチルジメチルインジ
ウム、シクロペンタジエニルジメチルインジウム、シク
ロペンタジエニルジエチルインジウム、ジメチルガリウ
ムクロライド、ジエチルガリウムクロライド、ジメチル
インジウムクロライド、ジエチルインジウムクロライド
等が挙げられる。
ン化アルカリとしてはLi,NaまたはKの弗化物、塩
化物、臭化物または沃化物が挙げられる。とりわけ弗化
物および塩化物が大きな効果が得られる。
反応して配位化合物を形成することが知られているが、
選定に当たってはこれらの反応性を考慮し、より反応性
に富んだ処理剤を用いることがより高い効果を得る上で
重要である。また同程度の効果が期待できる処理剤の場
合は、生成する配位化合物の融点が低いものを選択する
方が操作性の点から好ましい。たとえばトリメチルガリ
ウムまたはトリメチルインジウムを処理する場合は、処
理剤としてKFが最も効果的である。
以上を混合して用いてもよい。また一般にこれらのハロ
ゲン化アルカリは吸湿性があるため、使用に先だって加
熱真空脱水処理を行うことが望ましい。さらに、反応性
を高める観点から予め粉砕しておくことも効果的であ
る。
応系への酸素や湿分の混入を防止すべく、装置の接続箇
所を減らすとか、シールをより完全に行うとか、酸素や
湿分透過性の低い材料を用いるなどの配慮を行うことが
必要である。また同様の意味で、使用する不活性ガスは
精製器により酸素濃度を0.5ppm以下程度に精製
し、溶媒を使用する場合はその溶媒を脱水剤で処理し、
且つ不活性ガスでバブリングしてガス置換したものを用
いることによって最終的に高い処理効果を得ることがで
きる。
するには、両者を分割的に混合しつつ反応させればよ
い。本反応は一般に発熱反応であるが、約60℃以上、
好ましくは還流下に10分〜3時間加熱撹拌することに
よって達成される。この場合溶媒を用いなくとも実施で
きるが必要に応じて溶媒を用いる場合にはヘキサン、ヘ
プタン、オクタン、ドデカン、シクロヘキサン等の炭化
水素類が使用できる。
含酸素成分の量にもよるが、通常有機金属化合物に対し
て0.1〜10重量%の範囲で使用するのがよい。
とりわけトリメチルアルミニウムを同時に添加すること
により一層の効果が期待できることがある。この場合、
アルキルアルミニウムの添加量は処理される有機金属化
合物に対して5重量%以下、普通には0.5重量%〜5
重量%とし、処理剤はこのアルキルアルミニウムと配位
化合物を形成するに必要且つ充分量を用いるべきであ
る。5重量%を越えるアルキルアルミニウムの添加は精
製に何等の寄与をしないばかりか、経済的ではない。
次いで蒸留または昇華分離に供せられる。蒸留に先立っ
て、必要に応じ濾過などの分離操作を行うことは任意選
択事項である。また蒸留および昇華についても通常一般
に実施される方法や条件を採用することができ、処理さ
れる有機金属化合物の物性や純度を考慮して選択すれば
よい。この場合、精製された有機金属化合物は留出分と
して得られ、含酸素成分を含む配位化合物は釜残分とな
る。
シリンダー内で本処理を行うこともできる。すなわちシ
リンダー内に予めハロゲン化アルカリ塩類を入れてお
き、これが上述の濃度範囲になるように有機金属化合物
を充填し、加熱処理を行う。この場合蒸留または昇華分
離は当該有機金属化合物を使用する際キャリアガスによ
って気化させる操作によって達成される。従ってこのよ
うな実施態様に於いてはハロゲン化アルキル処理に引き
続く含酸素成分を含む配位化合物と有機金属化合物との
分離操作は不要となる。この方法によればMOCVDシ
リンダーへの有機金属化合物充填時における酸素汚染を
も防止することができる。さらにまた有機金属化合物中
に不純物として少量のアルキルアルミニウムが含まれて
いても本処理により不揮発性のアルキルアルミニウム配
位化合物が形成され、含酸素成分と同時にアルキルアル
ミニウムの低減ができるという利点をも有する。
金属化合物を製造または取り扱う過程で、不可避的に混
入する酸素や湿分によって生成した含酸素成分を、ハロ
ゲン化アルカリ塩類で処理するという簡便な方法のみで
高純度の有機金属化合物が得られるもので、その電子材
料分野での利用価値は頗る大なるものである。
明する。尚、実施例に示す有機金属化合物中の含酸素成
分は以下に示す方法で分析した。即ち、ステンレス製の
密閉容器に予め、窒素バブリングによって脱酸素した一
定量の水と溶媒としてドデカンを仕込み、深冷後系内を
真空置換した後、サンプルの有機金属化合物を一定容量
の計量管を介して、氷結した水とドデカン中へ仕込み、
そのまま密閉状態で室温まで放置し充分な時間加水分解
させた後、内容物を取り出し、水層中に含まれるアルコ
ール分をガスクロマトグラフィーで分析し、これを酸素
原子の重量に換算した後、サンプルの有機金属化合物に
対する重量濃度で算出した。また、Alの分析は高周波
誘導プラズマ発光分光法(ICP法)で行った。
窒素置換後、該フラスコ中にトリメチルガリウム100
gを仕込んだ。次いで乾燥弗化カリウム3gを徐々に添
加し、その後ゆっくりと昇温して56℃の還流下に1時
間保持した。次にこれを常圧下に56℃で蒸留分離し、
精製トリメチルガリウム84.5gを得た。これらの酸
素成分濃度を分析した結果、処理前85ppm、精製後
5ppmであった。
窒素置換した後、50gのトリメチルインジウムと0.
6gの乾燥弗化カリウムを仕込み、徐々に昇温して10
0℃において1時間撹拌した。次に、これを275Torr
の減圧下、130℃で蒸留分離し、精製トリメチルイン
ジウム42gを得た。これらの酸素成分濃度を分析した
結果、処理前220ppm,精製後12ppmであっ
た。
ルアルミニウム0.3gを添加し、実施例2と同様に精
製処理した。得られた精製トリメチルインジウム40.
5gの酸素成分濃度は7ppmであった。
ナ球145gと乾燥弗化カリウム1gを仕込み、真空ア
ルゴン置換を行った。これにトリメチルインジウム52
gを仕込み、バルブを閉め、密閉下100℃で1時間シ
リンダーを回転させた。次に20℃でアルゴンガス40
0cc/分をシリンダーに流し同伴されるトリメチルイ
ンジウム47gをドライアイス温度で捕集した。この酸
素成分およびAl濃度を分析した結果、処理前が各々3
50ppm、9ppm、処理後が30ppm、2ppm
であった。
Claims (5)
- 【請求項1】 微量の含酸素成分を含有する、一般式R
1 R2 MX(式中R 1 、R2 はアルキル基またはシクロ
アルカジエニル基、MはGaまたはIn、Xはアルキル
基、ハロゲンまたは水素を表す。)で示される有機金属
化合物を、実質的に酸素を含まない雰囲気で、該有機金
属化合物の0.1〜10重量%のハロゲン化アルカリ塩
類と共に加熱処理し、次いで該有機金属化合物を蒸留ま
たは昇華分離することを特徴とする有機金属化合物の精
製方法。 - 【請求項2】 ハロゲン化アルカリ塩類が、Li,Na
またはKの弗化物、塩化物、臭化物または沃化物の一種
以上であることを特徴とする請求項1記載の有機金属化
合物の精製方法。 - 【請求項3】 有機金属化合物がトリメチルガリウム、
トリエチルガリウム、トリプロピルガリウム、トリブチ
ルガリウム、トリネオペンチルガリウム、シクロペンタ
ジエニルジメチルガリウム、シクロペンタジエニルジエ
チルガリウム、メチルジエチルガリウム、エチルジメチ
ルガリウム、トリメチルインジウム、トリエチルインジ
ウム、メチルジエチルインジウム、エチルジメチルイン
ジウム、シクロペンタジエニルジメチルインジウム、シ
クロペンタジエニルジエチルインジウム、ジメチルガリ
ウムクロライド、ジエチルガリウムクロライド、ジメチ
ルインジウムクロライドおよびジエチルインジウムクロ
ライドの少なくとも1種であることを特徴とする請求項
1記載の有機金属化合物の精製方法。 - 【請求項4】 有機金属化合物がトリメチルインジウ
ム、ハロゲン化アルカリが弗化カリウムである請求項1
記載の有機金属化合物の精製方法。 - 【請求項5】 有機金属化合物とハロゲン化アルカリの
加熱処理時に、有機金属化合物に対して0.5〜5重量
%のアルキルアルミニウムを共存せしめることを特徴と
する請求項1記載の有機金属化合物の精製方法。
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JP2006104189A (ja) * | 2004-09-02 | 2006-04-20 | Rohm & Haas Electronic Materials Llc | 有機金属化合物および有機金属化合物を製造する方法 |
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JP2016056160A (ja) * | 2014-02-07 | 2016-04-21 | 宇部興産株式会社 | トリアルキルガリウムの製造方法 |
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1994
- 1994-08-29 JP JP20348794A patent/JP3624437B2/ja not_active Expired - Fee Related
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