JP5335997B2 - 2−ブロモ−6−フルオロナフタレンの調製方法 - Google Patents
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Description
本発明は製薬の技術分野に属し、2‐ブロモ‐6‐フルオロナフタレンの調製方法に係る。
2‐ブロモ‐6‐フルオロナフタレンは1種類のニコチン酸受容体競争薬物を合成する中間体であり、特許文献1は該類の薬物が腎臓病患者の脂質異常の治療に用いられることができ、血漿低比重リポタンパク質LDL、VLDLを有効に降下すると同時に、高比重リポタンパク質HDLのレベルを向上することができることを開示している。Bioorganic & medicinal Chemistry (2000),8(8),1925−1930(非特許文献1)、Bioorganic & medicinal Chemistry (2005),13(9),3117−3126(非特許文献2)、Tetrahedron: Asymmetry (2002),13(10),1073−1081(非特許文献3)及びTetrahedron: Asymmetry (2004),15(22),3601−3608(非特許文献4)は2‐ブロモ‐6‐フルオロナフタレンを基本原料として合成する1種のピロール類鎮痛薬を報告し、慢性疼痛の治療に対して顕著な効果を有することを示している。特許文献2及び特許文献3は2‐ブロモ‐6‐フルオロナフタレンを用いて液晶活性成分を合成する方法を開示し、該成分を加えた液晶は高度の分散性を有し且つ結晶化しやすく、また、該種類の液晶は制限電圧を大幅に低減でき且つ同時に非常に高い応答能力を備えることを示している。2‐ブロモ‐6‐フルオロナフタレンは非常に大きな複屈折因子を有し且つ分子の極性が非常に小さいため、能動マトリックス駆動表示に用いられることができる。
文献に報告される方法には、2‐ブロモ‐6‐フルオロナフタレンの合成は全体として5つのステップを有し、2種類の合成経路を有し、
経路1は、
経路2は、
そのうち、6‐ブロモ‐2‐ナフトールまたは1,6−ジブロモ−2−ナフトールのアンモノリシス化は共に高圧下で行うことが必要であり且つ収率が高くなく、ジアゾニウム塩の生成において非常に高価なヘキサフルオロリン酸を使用しているため、プロセスが複雑であるだけでなく、設備要求も高くて、且つ合成のコストも非常に高い。
経路1は、
Journal of the American Chemstry,1967,89,386−390(非特許文献5)、J. Org. Chem., 1960, 25, 214−215(非特許文献6)及びBioorg. Med. Chem.,2005,8,1925−1930(非特許文献7)には6−ブロモ−2−ナフチルアミンを初期原料とする合成方法が報告され、6−ブロモ−2−ナフチルアミンが塩酸媒体において亜硝酸塩とジアゾ化反応を行い、その後ヘキサフルオロリン酸を加えてヘキサフルオロリン酸ジアゾニウム塩を生成させ、ジアゾニウム塩を十分に乾燥した後、熱分解を行い、生成物2‐ブロモ‐6‐フルオロナフタレンを得、収率が55%〜65%であることが示されている。
一方、特許文献4には2−フルオロナフタレンの調製方法が開示される。該方法は、(1)2−ナフトールとp−トルエンスルホニルクロリド(またはp‐トルエンスルホン酸)とを反応させてp−トルエンスルホン酸−2−ナフチルを生成するステップと、(2)(1)に得られたp−トルエンスルホン酸−2−ナフチルを無機フッ化物と、第3級アミン二座配位子及び金属銅の触媒下で、非プロトン性高沸点溶剤において反応して得られるステップと、を含む。但し、該発明は高温下で反応を行うことが必要であり、反応の条件下で、使用される無機フッ化物は設備に対する腐蝕が非常に激しいため、設備に対する要求が非常に厳しい。また、該方法に採用されるのは芳香環における求核置換反応であり、6−サイトに活発なブロモ置換基が存在する場合も、置換が発生しやすいため、2‐ブロモ‐6‐フルオロナフタレンの合成には適用できない。
Bioorganic & medicinal Chemistry (2000),8(8),1925−1930
Bioorganic & medicinal Chemistry (2005),13(9),3117−3126
Tetrahedron: Asymmetry (2002),13(10),1073−1081
Tetrahedron: Asymmetry (2004),15(22),3601−3608
Journal of the American Chemstry,1967,89,386−390
J. Org. Chem., 1960, 25, 214−215
Bioorg. Med. Chem.,2005,8,1925−1930
本発明の目的は2‐ブロモ‐6‐フルオロナフタレンの調製方法を提供することにある。該方法は安価なトビアス酸を初期原料とし、臭素化−脱臭素、ジアゾ化、熱分解の3つのステップによって所望の生成物2−ブロモ−6−フルオロナフタレンを得、合成経路が短く、条件が穏やかで、工業化を実現しやすく、得られた製品の純度が高く且つ品質が安定である。
本発明の前記技術的な課題が以下の手段によって実施される。
2−ブロモ−6−フルオロナフタレンの調製方法であって、該方法は、
(1)トビアス酸を酸性媒体において臭素化して1,6−ジブロモ−2−ナフチルアミンを得、還元性の金属粉末を加え、酸性媒体において加熱反応して6−ブロモ−2−ナフチルアミンを得るステップと、
(2)ステップ(1)に得られた6−ブロモ−2−ナフチルアミンを酸性媒体において亜硝酸、亜硝酸エステルまたは亜硝酸塩と反応させてジアゾニウム塩を得、フルオロ硼酸またはその塩、或いはフツリン酸またはその塩を加えて反応して、6−ブロモ−2−ナフチルアミンのフルオロ硼酸ジアゾニウム塩またはフツリン酸ジアゾニウム塩を得るステップと、
(3)ステップ(2)に得られたフルオロ硼酸ジアゾニウム塩またはフツリン酸ジアゾニウム塩を加熱分解して、2−ブロモ−6−フルオロナフタレンを得るステップと、
を含む。
2−ブロモ−6−フルオロナフタレンの調製方法であって、該方法は、
(1)トビアス酸を酸性媒体において臭素化して1,6−ジブロモ−2−ナフチルアミンを得、還元性の金属粉末を加え、酸性媒体において加熱反応して6−ブロモ−2−ナフチルアミンを得るステップと、
(2)ステップ(1)に得られた6−ブロモ−2−ナフチルアミンを酸性媒体において亜硝酸、亜硝酸エステルまたは亜硝酸塩と反応させてジアゾニウム塩を得、フルオロ硼酸またはその塩、或いはフツリン酸またはその塩を加えて反応して、6−ブロモ−2−ナフチルアミンのフルオロ硼酸ジアゾニウム塩またはフツリン酸ジアゾニウム塩を得るステップと、
(3)ステップ(2)に得られたフルオロ硼酸ジアゾニウム塩またはフツリン酸ジアゾニウム塩を加熱分解して、2−ブロモ−6−フルオロナフタレンを得るステップと、
を含む。
トビアス酸は染料工業において汎用されている重要な中間体であり、原料が入手されやすく且つ価格が非常に低い。トビアス酸は酢酸媒体において液体の臭素と作用して、ナフチル環の1−サイトのスルホ基が臭素によって置換されると同時に、6−サイトにおいて臭素化反応が発生される。本反応はいずれかの特許または学術論文に発表されておらず、1つの新しい発見である。臭素化によって生成される1,6−ジブロモ−2−ナフチルアミンは分離されなく直接金属スズ粉と反応して6−ブロモ−2−ナフチルアミンを得、操作を簡単化し、且つ収率が非常に理想的である。
フルオロ硼酸が国内において広範に生産及び応用されている基本の化工原料であり、ヘキサフルオロリン酸と比べ、価格が低く及び入手しやすい利点を有するため、本発明はフルオロ硼酸を使用してジアゾニウム塩を調製する。フルオロ硼酸を使用して調製されたジアゾニウム塩が次の分裂分解反応における収率が低いが、フルオロ硼酸とヘキサフルオロリン酸との価格には差が非常に大きいため、フルオロ硼酸を使用する方法は依然ある程度のコスト利点を有する。
好ましくは、ステップ(1)における前記酸性媒体がリン酸、硫酸または6つ以下の炭素原子を含有する直鎖または分岐鎖の飽和カルボン酸であり、前記各種の酸の質量濃度の範囲が60%〜100%であり、好ましくは80%〜100%である。該濃度の酸性環境は反応が行うことに有利である。
好ましくは、ステップ(2)における前記酸性媒体がリン酸、硫酸、塩酸または6つ以下の炭素原子を含有する直鎖または分岐鎖の飽和カルボン酸であり、前記酸と6−ブロモ−2−ナフチルアミンとのモル比の範囲が2〜6:1であり、好ましくは2〜3:1である。ジアゾ化反応は酸性媒体下に行わなければならず、酸と6−ブロモ−2−ナフチルアミンとのモル比は理論モル比が2:1であり、過量であるべきだが、多く過量であればコストの上昇に至る。
好ましくは、ステップ(1)における前記還元性の金属粉末が還元鉄粉、金属ニッケル粉、還元亜鉛粉、金属銅粉または金属スズ粉である。使用される前記金属粉末の量と6−ブロモ−2−ナフチルアミンの用量とのモル比範囲が0.5〜3:1であり、好ましくは1〜1.5:1である。
好ましくは、ステップ(1)において、臭素化反応の温度が50〜100℃で、好ましくは60〜80℃であり、脱臭素反応の温度が50〜100℃で、好ましくは60〜80℃である。
好ましくは、ステップ(2)において、ジアゾ化反応の温度が−10〜10℃で、好ましい温度範囲が−2〜5℃であり、塩形成反応の温度が0〜30℃で、好ましくは10〜20℃である。
好ましくは、ステップ(2)の塩形成反応において、フルオロ硼酸またはその塩、或いはフツリン酸またはその塩の用量が、6−ブロモ−2−ナフチルアミンの用量の1.5〜3倍の範囲(モル比)で、好ましくは1.5〜2倍である。
好ましくは、ステップ(3)におけるジアゾニウム塩の熱分解温度が120〜180℃で、好ましくは130〜150℃である。温度が130℃以上であることで、ジアゾニウム塩が順調に分解でき、温度が高過ぎると、分解が速過ぎて且つ炭化しやすいため、最適な温度範囲が130〜150℃である。
好ましくは、ステップ(3)におけるジアゾニウム塩の熱分解が不活性化媒体において行われる。より好ましくは、前記不活性化媒体が12〜20つの炭素原子の直鎖または分岐鎖のアルカンであり、または沸点が250〜300℃範囲内での有機シリコーンオイルである。不活性媒体において熱分解が非常に平穏に行われることができる。
好ましくは、ステップ(3)に得られた2‐ブロモ‐6‐フルオロナフタレンが有機溶剤に溶解され且つろ過された後、得られた液体が減圧蒸留の方法によって純粋品を得る。減圧蒸留は蒸留の温度を下げることができる。
まとめに言うと、本発明により採用される方法は、合成過程が3つのステップのみを有し、経路が簡単で、且つ高圧の条件の必要がなく、ジアゾニウム塩の生成は安価・入手しやすいフルオロ硼酸を使用しており、工業化生産の基礎を具備する。
以下は本発明の具体的な実施例である。これらの実施例は本発明に対してさらに補充及び説明を行うことができるが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
(1)6−ブロモ−2−ナフチルアミンの合成
滴下漏斗、温度計、撹拌装置及び還流凝縮管が取り付けられている1つの2000mlの三角フラスコに、1100ml氷酢酸及び57.47g (0.25mol) トビアス酸を加え、撹拌を起動し、且つ70℃まで加熱してトビアス酸を溶解させる。滴下漏斗を介して80g (0.5mol)液体臭素を滴下し、滴下過程において反応物の温度を70〜72℃の間に維持し、約1時間に滴下を完了する。滴下完了後還流まで温度を上昇し、且つ続けて還流の状態下で1.5時間撹拌して反応を完全する。反応終了後反応混合物の温度を65℃まで下げ、29.8g (0.251mol)金属スズ粉及び35%質量濃度の塩酸340mlを加え、その後反応混合物の温度を還流まで上昇し、且つ還流下で続けて2時間撹拌する。反応終了後、減圧蒸留して氷酢酸を回収する。残留物に1250ml熱いメタノールを加え、固体が全部溶解するまで撹拌を行う。反応物を撹拌下で室温(約20℃)まで冷却して白色結晶を析出させる。真空ろ過を行い、固体を少量のメタノールで洗浄を行い、真空ろ過して、38.3g白色の6−ブロモ−2−ナフチルアミンを得、収率が67%で、HPLC分析純度が99.5%である。
(1)6−ブロモ−2−ナフチルアミンの合成
滴下漏斗、温度計、撹拌装置及び還流凝縮管が取り付けられている1つの2000mlの三角フラスコに、1100ml氷酢酸及び57.47g (0.25mol) トビアス酸を加え、撹拌を起動し、且つ70℃まで加熱してトビアス酸を溶解させる。滴下漏斗を介して80g (0.5mol)液体臭素を滴下し、滴下過程において反応物の温度を70〜72℃の間に維持し、約1時間に滴下を完了する。滴下完了後還流まで温度を上昇し、且つ続けて還流の状態下で1.5時間撹拌して反応を完全する。反応終了後反応混合物の温度を65℃まで下げ、29.8g (0.251mol)金属スズ粉及び35%質量濃度の塩酸340mlを加え、その後反応混合物の温度を還流まで上昇し、且つ還流下で続けて2時間撹拌する。反応終了後、減圧蒸留して氷酢酸を回収する。残留物に1250ml熱いメタノールを加え、固体が全部溶解するまで撹拌を行う。反応物を撹拌下で室温(約20℃)まで冷却して白色結晶を析出させる。真空ろ過を行い、固体を少量のメタノールで洗浄を行い、真空ろ過して、38.3g白色の6−ブロモ−2−ナフチルアミンを得、収率が67%で、HPLC分析純度が99.5%である。
(2)6−ブロモ−2−ナフチルアミンフルオロ硼酸ジアゾニウム塩の合成
滴下漏斗、温度計及び撹拌装置が取り付けられている1つの2000mlの三角フラスコに、38.3gステップ(1)に得られた6−ブロモ−2−ナフチルアミン(0.172 mol)、650ml水及び94ml濃塩酸(1.03mol)を加え、撹拌を起動し、且つ6−ブロモ−2−ナフチルアミン塩酸塩が完全に溶解して清澄な溶液になるまで加熱する。その後氷塩浴において−5℃まで冷却し、この時白色の6−ブロモ−2−ナフチルアミン塩酸塩が細結晶の形状で析出される。滴下漏斗を介して、14.78g 亜硝酸塩(0.214mol)と100ml水とからなる溶液を滴下し、反応物の温度を0℃以下に維持しながら滴下を行い、滴下過程において6−ブロモ−2−ナフチルアミン塩酸塩結晶が徐々に溶解されて、最後に黄色の透明な溶液に形成する。ヨウ化カリウム−澱粉試験紙を用いて反応終点を検出し、試験紙が青色に呈し且つ30秒内に退色しない時は反応終点である。滴下完了後続けて0℃以下で30分間撹拌を行い、その後劇烈な撹拌下で滴下漏斗を介して市販の40%フルオロ硼酸溶液57mlを滴下し、滴下過程において直ちに大量の白色の固体が形成される。滴下完了後続けて30分間撹拌を行って結晶を充分にし、ブフナー漏斗を用いて減圧ろ過を行い、得られた固体を195mlエタノールで洗浄を行い、再び減圧ろ過を行い、195mlエタノールでろ過ケーキを洗浄し、その後減圧ろ過を行って、得られた固体を真空下で24時間乾燥して、43.06g6−ブロモ−2−ナフチルアミンフルオロ硼酸ジアゾニウム塩を得る(収率78%)。
滴下漏斗、温度計及び撹拌装置が取り付けられている1つの2000mlの三角フラスコに、38.3gステップ(1)に得られた6−ブロモ−2−ナフチルアミン(0.172 mol)、650ml水及び94ml濃塩酸(1.03mol)を加え、撹拌を起動し、且つ6−ブロモ−2−ナフチルアミン塩酸塩が完全に溶解して清澄な溶液になるまで加熱する。その後氷塩浴において−5℃まで冷却し、この時白色の6−ブロモ−2−ナフチルアミン塩酸塩が細結晶の形状で析出される。滴下漏斗を介して、14.78g 亜硝酸塩(0.214mol)と100ml水とからなる溶液を滴下し、反応物の温度を0℃以下に維持しながら滴下を行い、滴下過程において6−ブロモ−2−ナフチルアミン塩酸塩結晶が徐々に溶解されて、最後に黄色の透明な溶液に形成する。ヨウ化カリウム−澱粉試験紙を用いて反応終点を検出し、試験紙が青色に呈し且つ30秒内に退色しない時は反応終点である。滴下完了後続けて0℃以下で30分間撹拌を行い、その後劇烈な撹拌下で滴下漏斗を介して市販の40%フルオロ硼酸溶液57mlを滴下し、滴下過程において直ちに大量の白色の固体が形成される。滴下完了後続けて30分間撹拌を行って結晶を充分にし、ブフナー漏斗を用いて減圧ろ過を行い、得られた固体を195mlエタノールで洗浄を行い、再び減圧ろ過を行い、195mlエタノールでろ過ケーキを洗浄し、その後減圧ろ過を行って、得られた固体を真空下で24時間乾燥して、43.06g6−ブロモ−2−ナフチルアミンフルオロ硼酸ジアゾニウム塩を得る(収率78%)。
(3)2‐ブロモ‐6‐フルオロナフタレンの合成
還流凝縮管及び凝縮管の頂端にオフガス吸収装置が取り付けられている1つの250ml三角フラスコを油浴で135℃まで昇温し、まず10gステップ(2)に得られたジアゾニウム塩を加え、加えた後ジアゾニウム塩が直ちに溶解分解して且つ三ふっ化ほう素ガスが立ち上げ、フラスコ内に薄黄色の油状の液体が生成される。立ち上げるガスが略なくなる時に、残留のジアゾニウム塩を複数回に分けて加え、総計4回に分けて43.06g6−ブロモ−2−ナフチルアミンフルオロ硼酸ジアゾニウム塩を加えた。最後の一回の添加後続けて30分間撹拌を行う。反応物を室温まで冷却し、60〜90℃の石油エーテル136ml及びトルエン136mlを加え、5分間撹拌し、少量のシリカゲルが充填されているブフナー漏斗を用いてろ過を行い、略無色の溶液を得る。溶液を減圧下で石油エーテル及びトルエンを回収し、残留物は5mmHg圧力下で減圧蒸留を行い、130〜135℃の留分を受け取る。蒸留物が凝固した後白色の2‐ブロモ‐6‐フルオロナフタレン固体17gを得、収率が56.4%で、HPLCで測定を行い生成物の純度が99.6%であり、製品2‐ブロモ‐6‐フルオロナフタレンの1H−NMRスペクトログラムは図1に示される。
還流凝縮管及び凝縮管の頂端にオフガス吸収装置が取り付けられている1つの250ml三角フラスコを油浴で135℃まで昇温し、まず10gステップ(2)に得られたジアゾニウム塩を加え、加えた後ジアゾニウム塩が直ちに溶解分解して且つ三ふっ化ほう素ガスが立ち上げ、フラスコ内に薄黄色の油状の液体が生成される。立ち上げるガスが略なくなる時に、残留のジアゾニウム塩を複数回に分けて加え、総計4回に分けて43.06g6−ブロモ−2−ナフチルアミンフルオロ硼酸ジアゾニウム塩を加えた。最後の一回の添加後続けて30分間撹拌を行う。反応物を室温まで冷却し、60〜90℃の石油エーテル136ml及びトルエン136mlを加え、5分間撹拌し、少量のシリカゲルが充填されているブフナー漏斗を用いてろ過を行い、略無色の溶液を得る。溶液を減圧下で石油エーテル及びトルエンを回収し、残留物は5mmHg圧力下で減圧蒸留を行い、130〜135℃の留分を受け取る。蒸留物が凝固した後白色の2‐ブロモ‐6‐フルオロナフタレン固体17gを得、収率が56.4%で、HPLCで測定を行い生成物の純度が99.6%であり、製品2‐ブロモ‐6‐フルオロナフタレンの1H−NMRスペクトログラムは図1に示される。
実施例2
実施例1と同様な方法に基づいて行い、異なるのは、ステップ(3)におけるジアゾニウム塩の熱分解は沸点が250〜300℃範囲内の有機シリコーンオイルにおいて行われた点であり、得られた製品の収率が56.9%で、HPLC測定純度が99.5%であった。
実施例1と同様な方法に基づいて行い、異なるのは、ステップ(3)におけるジアゾニウム塩の熱分解は沸点が250〜300℃範囲内の有機シリコーンオイルにおいて行われた点であり、得られた製品の収率が56.9%で、HPLC測定純度が99.5%であった。
実施例3
実施例1と同様な方法に基づいて行い、異なるのは、ステップ(3)におけるジアゾニウム塩の熱分解は液体パラフィン(C16〜C20のn−アルカン)において行われた点であり、得られた製品の収率が58.4%で、HPLC測定純度が99.7%であった。
実施例1と同様な方法に基づいて行い、異なるのは、ステップ(3)におけるジアゾニウム塩の熱分解は液体パラフィン(C16〜C20のn−アルカン)において行われた点であり、得られた製品の収率が58.4%で、HPLC測定純度が99.7%であった。
実施例4
実施例1と同様な方法に基づいて行い、異なるのは、ステップ(3)におけるジアゾニウム塩の熱分解は温度が130〜150℃範囲内に制御しながら行われ、常圧蒸留の方法を用いた点であり、得られた製品の収率が49.8%で、HPLC測定純度が99.0%であった。
実施例1と同様な方法に基づいて行い、異なるのは、ステップ(3)におけるジアゾニウム塩の熱分解は温度が130〜150℃範囲内に制御しながら行われ、常圧蒸留の方法を用いた点であり、得られた製品の収率が49.8%で、HPLC測定純度が99.0%であった。
実施例5
実施例1と同様な方法に基づいて行い、異なるのは、ステップ(2)において34.75g質量濃度が50%であるフルオロ硼酸を加えて、フルオロ硼酸と6−ブロモ−2−ナフチルアミンとのモル比を1:1.5にした点である。最後に得られた製品の収率が52.6%で、HPLC測定純度が99.5%であった。
実施例1と同様な方法に基づいて行い、異なるのは、ステップ(2)において34.75g質量濃度が50%であるフルオロ硼酸を加えて、フルオロ硼酸と6−ブロモ−2−ナフチルアミンとのモル比を1:1.5にした点である。最後に得られた製品の収率が52.6%で、HPLC測定純度が99.5%であった。
実施例6
実施例1と同様な方法に基づいて行い、異なるのは、ステップ(2)において69.5g質量濃度が50%であるフルオロ硼酸を加えて、フルオロ硼酸と6−ブロモ−2−ナフチルアミンとのモル比を1:3にした点である。最後に得られた製品の収率が55.4%で、HPLC測定純度が99.0%であった。
実施例1と同様な方法に基づいて行い、異なるのは、ステップ(2)において69.5g質量濃度が50%であるフルオロ硼酸を加えて、フルオロ硼酸と6−ブロモ−2−ナフチルアミンとのモル比を1:3にした点である。最後に得られた製品の収率が55.4%で、HPLC測定純度が99.0%であった。
実施例6
実施例1と同様な方法に基づいて行い、異なるのは、ステップ(2)においてジアゾ化反応の温度を−2〜5℃の範囲内に制御し、塩形成反応の温度を約25℃に制御した点である。最後に得られた製品の収率が52.7%で、HPLC測定純度が99.8%であった。
実施例1と同様な方法に基づいて行い、異なるのは、ステップ(2)においてジアゾ化反応の温度を−2〜5℃の範囲内に制御し、塩形成反応の温度を約25℃に制御した点である。最後に得られた製品の収率が52.7%で、HPLC測定純度が99.8%であった。
実施例7
実施例1と同様な方法に基づいて行い、異なるのは、ステップ(2)における金属スズ粉を還元鉄粉に変え、還元鉄粉と6−ブロモ−2−ナフチルアミンとのモル比が1:1である点である。最後に得られた製品の収率が56.8%で、HPLC測定純度が99.8%であった。
実施例1と同様な方法に基づいて行い、異なるのは、ステップ(2)における金属スズ粉を還元鉄粉に変え、還元鉄粉と6−ブロモ−2−ナフチルアミンとのモル比が1:1である点である。最後に得られた製品の収率が56.8%で、HPLC測定純度が99.8%であった。
実施例8
実施例1と同様な方法に基づいて行い、異なるのは、ステップ(2)における金属スズ粉を金属銅粉に変え、金属銅粉と6−ブロモ−2−ナフチルアミンとのモル比が1.5:1である点である。最後に得られた製品の収率が59.1%で、HPLC測定純度が99.8%であった。
実施例1と同様な方法に基づいて行い、異なるのは、ステップ(2)における金属スズ粉を金属銅粉に変え、金属銅粉と6−ブロモ−2−ナフチルアミンとのモル比が1.5:1である点である。最後に得られた製品の収率が59.1%で、HPLC測定純度が99.8%であった。
実施例9
実施例1と同様な方法に基づいて行い、異なるのは、ステップ(2)におけるフルオロ硼酸をフツリン酸に変え、フツリン酸のモル量が6−ブロモ−2−ナフチルアミンの2倍である点であり、得られたフツリン酸ジアゾニウム塩はステップ(3)の熱分解を行って最後に製品を得、収率が57.8%で、HPLC測定純度が98.9%であった。
実施例1と同様な方法に基づいて行い、異なるのは、ステップ(2)におけるフルオロ硼酸をフツリン酸に変え、フツリン酸のモル量が6−ブロモ−2−ナフチルアミンの2倍である点であり、得られたフツリン酸ジアゾニウム塩はステップ(3)の熱分解を行って最後に製品を得、収率が57.8%で、HPLC測定純度が98.9%であった。
実施例10
実施例1と同様な方法に基づいて行い、異なるのは、ステップ(2)におけるフルオロ硼酸をフルオロ硼酸ナトリウムに変え、フルオロ硼酸ナトリウムのモル量が6−ブロモ−2−ナフチルアミンの3倍である点である。最後に得られた製品の収率が51.8%で、HPLC測定純度が99.1%であった。
実施例1と同様な方法に基づいて行い、異なるのは、ステップ(2)におけるフルオロ硼酸をフルオロ硼酸ナトリウムに変え、フルオロ硼酸ナトリウムのモル量が6−ブロモ−2−ナフチルアミンの3倍である点である。最後に得られた製品の収率が51.8%で、HPLC測定純度が99.1%であった。
実施例11
実施例1と同様な方法に基づいて行い、異なるのは、ステップ(1)における氷酢酸を60%の質量濃度のリン酸溶液1100mlに変えた点である。最後に得られた製品の収率が53.1%で、HPLC測定純度が99.3%であった。
実施例1と同様な方法に基づいて行い、異なるのは、ステップ(1)における氷酢酸を60%の質量濃度のリン酸溶液1100mlに変えた点である。最後に得られた製品の収率が53.1%で、HPLC測定純度が99.3%であった。
実施例12
実施例1と同様な方法に基づいて行い、異なるのは、ステップ(1)における氷酢酸をプロピオン酸溶液1100mlに変えた点である。最後に得られた製品の収率が53.5%で、HPLC測定純度が99.4%であった。
実施例1と同様な方法に基づいて行い、異なるのは、ステップ(1)における氷酢酸をプロピオン酸溶液1100mlに変えた点である。最後に得られた製品の収率が53.5%で、HPLC測定純度が99.4%であった。
実施例13
実施例1と同様な方法に基づいて行い、異なるのは、ステップ(2)における濃塩酸を98%の質量濃度の市販濃硫酸54.25mlに変えた点である。最後に得られた製品の収率が58.9%で、HPLC測定純度が99.6%であった。
実施例1と同様な方法に基づいて行い、異なるのは、ステップ(2)における濃塩酸を98%の質量濃度の市販濃硫酸54.25mlに変えた点である。最後に得られた製品の収率が58.9%で、HPLC測定純度が99.6%であった。
実施例14
実施例1と同様な方法に基づいて行い、異なるのは、ステップ(2)における金属スズ粉を金属ニッケル粉に変え、金属ニッケル粉と6−ブロモ−2−ナフチルアミンとのモル比が0.5:1である点である。最後に得られた製品の収率が50.6%で、HPLC測定純度が98.8%であった。
実施例1と同様な方法に基づいて行い、異なるのは、ステップ(2)における金属スズ粉を金属ニッケル粉に変え、金属ニッケル粉と6−ブロモ−2−ナフチルアミンとのモル比が0.5:1である点である。最後に得られた製品の収率が50.6%で、HPLC測定純度が98.8%であった。
実施例15
実施例1と同様な方法に基づいて行い、異なるのは、ステップ(2)における金属スズ粉を還元亜鉛粉に変え、還元亜鉛粉と6−ブロモ−2−ナフチルアミンとのモル比が3:1である点である。最後に得られた製品の収率が52.1%で、HPLC測定純度が98.9%であった。
実施例1と同様な方法に基づいて行い、異なるのは、ステップ(2)における金属スズ粉を還元亜鉛粉に変え、還元亜鉛粉と6−ブロモ−2−ナフチルアミンとのモル比が3:1である点である。最後に得られた製品の収率が52.1%で、HPLC測定純度が98.9%であった。
また、ステップ(2)における金属スズ粉が還元性を有するいずれか1種のその他の金属粉末であってもよく、該金属粉末の使用量と6−ブロモ−2−ナフチルアミンの使用量とのモル比範囲が0.5〜3:1で、好ましくは1〜1.5:1である。
本発明に説明される具体的な実施例は本発明の主旨に対して例を挙げて説明を行うのみである。本発明の分野の当業者は説明された具体的な実施例に対して様々な修正または補充を行いまたは類似な方法を採用して置き換えれるが、本発明の主旨から逸脱または請求項に定義される範囲から超えることができない。本発明に対して詳細な説明を行い且つ一部の具体的な実施例を挙げたが、本分野の当業者にとって、本発明の主旨及び範囲を逸脱しない限り各種の変化または修正が行えることは明らかである。
Claims (10)
- 2−ブロモ−6−フルオロナフタレンの調製方法であって、該方法は、
(1)トビアス酸を酸性媒体において臭素化して1,6−ジブロモ−2−ナフチルアミンを得、還元性の金属粉末を加え、酸性媒体において加熱反応して6−ブロモ−2−ナフチルアミンを得るステップと、
(2)ステップ(1)で得られた6−ブロモ−2−ナフチルアミンを酸性媒体において亜硝酸、亜硝酸エステルまたは亜硝酸塩と反応させてジアゾニウム塩を得、フルオロ硼酸またはその塩、或いはフツリン酸またはその塩を加えて反応して、6−ブロモ−2−ナフチルアミンのフルオロ硼酸ジアゾニウム塩またはフツリン酸ジアゾニウム塩を得るステップと、
(3)ステップ(2)で得られたフルオロ硼酸ジアゾニウム塩またはフツリン酸ジアゾニウム塩を加熱分解して、2−ブロモ−6−フルオロナフタレンを得るステップと、
を含む、2−ブロモ−6−フルオロナフタレンの調製方法。 - ステップ(1)における前記酸性媒体がリン酸、硫酸または6つ以下の炭素原子を含有する直鎖または分岐鎖の飽和カルボン酸である、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
- ステップ(2)における前記酸性媒体がリン酸、硫酸、塩酸または6つ以下の炭素原子を含有する直鎖または分岐鎖の飽和カルボン酸である、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
- ステップ(1)における前記還元性の金属粉末が還元鉄粉、金属ニッケル粉、還元亜鉛粉、金属銅粉または金属スズ粉である、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
- ステップ(1)において、臭素化反応の温度が50〜100℃であり、脱臭素反応の温度が50〜100℃である、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
- ステップ(2)において、ジアゾ化反応の温度が−10〜10℃であり、塩形成反応の温度が0〜30℃である、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
- ステップ(2)の塩形成反応において、フルオロ硼酸またはその塩、或いはフツリン酸またはその塩と、6−ブロモ−2−ナフチルアミンとのモル比が1:1.5〜3である、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
- ステップ(3)におけるジアゾニウム塩の熱分解温度が120〜180℃である、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
- ステップ(3)におけるジアゾニウム塩の熱分解が不活性化媒体において行われる、ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
- 前記不活性化媒体が12〜20の炭素原子を含有する直鎖または分岐鎖のアルカンであり、または沸点が250〜300℃の範囲の有機シリコーンオイルである、ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
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