JP2016029026A - トリアルキルガリウムの製造方法 - Google Patents

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白井 昌志
Masashi Shirai
昌志 白井
将城 立沢
Masashiro Tachizawa
将城 立沢
朝之 藏田
Tomoyuki Kurata
朝之 藏田
博文 木村
Hirobumi Kimura
博文 木村
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Abstract

【課題】簡便な方法で後処理が煩雑とならないトリアルキルガリウムの製造方法の提供。【解決手段】トリアルキルアルミニウムと、トリハロゲノガリウムとを、式(3)で示されるアミン化合物及び四級オニウム塩の少なくとも一方の存在下で反応させる、式(4)で示されるトリアルキルガリウムの製造方法。(R1は、C7〜12の直鎖状又は分岐状のアルキル基)(Rは、C1〜6のアルキル基)【選択図】なし

Description

本発明は、トリアルキルガリウムの製造方法に関する。
従来、トリアルキルガリウムの製法としては、例えば、トリメチルアルミニウムとトリハロゲノガリウムとを、トリエチルアミンの存在下、トルエン中で反応させて粗生成物としてトリメチルガリウムを得る方法が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2006−104189号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、トリエチルアミンなどの低級アルキルアミンを使用しているが(例えば、比較例1を参照。)、トリメチルガリウムの粗生成物しか得られていない。
なお、特許文献1には、多くの3級アミンが例示されている(例えば第23段落を参照。)。特許文献1には、その中でも炭素原子数1〜4のアミンが好ましい旨の記載がある。
また、特許文献1の審査過程において、出願当初「3級アミン」と記載していたところ、補正により「3級アミンが式NR(式中、R、RおよびRは独立して(C1−C6)アルキル、ジ(C1−C6)アルキルアミノ置換(C1−C6)アルキル、およびフェニルから選択され;RおよびRはこれらが結合している窒素と一緒になって5〜7員複素環を形成することができる。)」と限定している。
これらを総合的に考えると、特許文献1の3級アミンの記載は単なる漠然とした例示的記述に過ぎないこと、また炭素原子数が7以上の3級アミンについては、その使用効果が乏しいことが当然推認される。
また、トリエチルアミンなどの低級アミンを用いた場合には、生成物であるトリアルキルガリウムを蒸留精製した後の釜残に流動性がなくなること、及び冷却した場合には釜残が固化することを確認した。
この場合には、加熱しながら有機溶媒で釜を洗浄しなければならないなど、廃棄する上で煩雑な操作が必要となる、固化した釜残中に含まれるトリアルキルガリウム残渣が発火するという危険性が伴う、といった新たな問題を認識した。
本発明の課題は、上記問題点を解決し、特定のアミン化合物を使用し、簡便な方法によって、後処理が煩雑とならないトリアルキルガリウムの製造方法を提供することにある。
本発明の課題は、
一般式(1)
(式中、Rは、炭素原子数1〜6のアルキル基を示す。)
で示されるトリアルキルアルミニウムと、
一般式(2)
(式中、Xは、ハロゲン原子を示す。)
で示されるトリハロゲノガリウムとを、
一般式(3)
(式中、Rは、炭素原子数7〜12の直鎖状又は分岐状のアルキル基を示す。なお、複数のRは、互いに結合して環を形成していても良い。)
で示されるアミン化合物及び四級オニウム塩の少なくとも一方の存在下で反応させることを特徴とする、一般式(4)
(式中、Rは、炭素原子数1〜6のアルキル基を示す。)
で示されるトリアルキルガリウムの製造方法によって解決される。
本発明によれば、エピタキシャル成長法による高機能の化合物半導体の製造原料として有用なトリアルキルガリウムの製造方法を提供することができる。
(トリアルキルアルミニウム)
本発明において使用するトリアルキルアルミニウムは、前記の一般式(1)で示される。その一般式(1)において、Rは、炭素数1〜6のアルキル基を示し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が挙げられるが、好ましくはメチル基、エチル基である(即ち、トリアルキルアルミニウムが、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム)。なお、これらの基は、各種異性体も含む。
前記トリアルキルアルミニウムの使用量は、トリハロゲノガリウム1モルに対して、好ましくは0.5〜5.0モルであり、更に好ましくは1.0〜2.0モルであり、更に好ましくは、1.0〜1.6であり、より好ましくは、1.0〜1.54モルであり、さらに好ましくは、1.0〜1.53モルであり、なお好ましくは、1.0〜1.52モルである。
(トリハロゲノガリウム)
本発明において使用するトリハロゲノガリウムは、前記の一般式(2)で示される。その一般式(2)において、Xは、ハロゲン原子であり、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられるが、好ましくは塩素原子、臭素原子、更に好ましくは塩素原子である。当該トリハロゲノガリウムは、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
(アミン化合物)
本発明において使用するアミン化合物は、前記の一般式(3)で示される。その一般式(3)において、Rは、炭素原子数7〜12の直鎖状又は分岐状のアルキル基であり、具体的には、例えば、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基などである。なお、これらの基は異性体を含み、複数のRは、互いに結合して環を形成していても良い。
前記アミン化合物の具体例としては、例えば、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、トリウンデシルアミン、トリドデシルアミンなどが挙げられる。なお、これらのアミン化合物は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
前記アミン化合物の使用量は、トリハロゲノガリウム1モルに対して、好ましくは0.5〜5.0モル、更に好ましくは1.0〜2.0モルである。この範囲とすることで、攪拌性がよくなり、局部的な反応の進行が抑制される。
(四級オニウム塩)
本発明において使用する四級オニウム塩としては、例えば、
アンモニウムクロリド、及びテトラメチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラプロピルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラペンチルアンモニウムクロリド、テトラヘキシルアンモニウムクロリド、テトラヘプチルアンモニウムクロリド、テトラオクチルアンモニウムクロリドなどの四級アンモニウムクロリド;
アンモニウムブロミド、及びテトラメチルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムブロミド、テトラプロピルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラペンチルアンモニウムブロミド、テトラヘキシルアンモニウムブロミド、テトラヘプチルアンモニウムブロミド、テトラオクチルアンモニウムブロミドなどの四級アンモニウムブロミド;
アンモニウムヨージド、及びテトラメチルアンモニウムヨージド、テトラエチルアンモニウムヨージド、テトラプロピルアンモニウムヨージド、テトラブチルアンモニウムヨージド、テトラペンチルアンモニウムヨージド、テトラヘキシルアンモニウムヨージド、テトラヘプチルアンモニウムヨージド、テトラオクチルアンモニウムヨージドなどの四級アンモニウムヨージド;
ホスホニウムクロリド、及びテトラメチルホスホニウムクロリド、テトラエチルホスホニウムクロリド、テトラプロピルホスホニウムクロリド、テトラブチルホスホニウムクロリド、テトラペンチルホスホニウムクロリド、テトラヘキシルホスホニウムクロリド、テトラヘプチルホスホニウムクロリド、テトラオクチルホスホニウムクロリドなどの四級ホスホニウムクロリド;
ホスホニウムブロミド、及びテトラメチルホスホニウムブロミド、テトラエチルホスホニウムブロミド、テトラプロピルホスホニウムブロミド、テトラブチルホスホニウムブロミド、テトラペンチルホスホニウムブロミド、テトラヘキシルホスホニウムブロミド、テトラヘプチルホスホニウムブロミド、テトラオクチルホスホニウムブロミドなどの四級ホスホニウムブロミド;
ホスホニウムヨージド、及びテトラメチルホスホニウムヨージド、テトラエチルホスホニウムヨージド、テトラプロピルホスホニウムヨージド、テトラブチルホスホニウムヨージド、テトラペンチルホスホニウムヨージド、テトラヘキシルホスホニウムヨージド、テトラヘプチルホスホニウムヨージド、テトラオクチルホスホニウムヨージドなどの四級ホスホニウムヨージド;
イミダゾリウムクロリド、及び1,3−ジメチルイミダゾリウムクロリド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1,3−ジイソプロピルイミダゾリウムクロリド、1,3−ジ−tert−ブチルイミダゾリウムクロリド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムクロリド、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−メチル−3−n−オクチルイミダゾリウムクロリド、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムクロリドなどの四級イミダゾリウムクロリド;
イミダゾリウムブロミド、及び1,3−ジメチルイミダゾリウムブロミド、1−エチル−3−チルイミダゾリウムブロミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド、1,3−ジイソプロピルイミダゾリウムブロミド、1,3−ジ−tert−ブチルイミダゾリウムブロミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムブロミド、1−ヘキシル−3‐メチルイミダゾリウムブロミド、1−メチル−3−n−オクチルイミダゾリウムブロミド、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムブロミドなどの四級イミダゾリウムブロミド;
イミダゾリウムテトラフルオロボレート、及び1,3−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1,3−ジイソプロピルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1,3−ジ−tert−ブチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−メチル−3−n−オクチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1,2−ジメチル−3‐プロピルイミダゾリウムテトラフルオロボレートなどの四級イミダゾリウムテトラフルオロボレート;
イミダゾリウムジメチルホスファート、及び1,3−ジメチルイミダゾリウムジメチルホスファート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジメチルホスファート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジメチルホスファート、1,3−ジイソプロピルイミダゾリウムジメチルホスファート、1,3−ジ−tert−ブチルイミダゾリウムジメチルホスファート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムジメチルホスファート、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムジメチルホスファート、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムジメチルホスファート、1−メチル−3−n−オクチルイミダゾリウムジメチルホスファート、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムジメチルホスファートなどの四級イミダゾリウムジメチルホスファート;
イミダゾリウムヘキサフルオロホスファート、及び1,3−ジメチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスファート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスファート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスファート、1,3−ジイソプロピルイミダゾリウムヘキサフルオロホスファート、1,3−ジ−tert−ブチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスファート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスファート、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムヘキサフルオロホスファート、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスファート、1−メチル−3−n−オクチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスファート、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムヘキサフルオロホスファートなどの四級イミダゾリウムヘキサフルオロホスファート;
好ましくはテトラメチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド、
更に好ましくはテトラメチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムクロリドが使用される。なお、これらの四級オニウム塩は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
四級オニウム塩の使用量は、トリハロゲノガリウム1モルに対して、好ましくは0.5〜5.0モル、更に好ましくは1.5〜2.5モルである。この範囲とすることで、攪拌性がよくなり、局部的な反応の進行が抑制される。
本発明の反応は、溶媒中で行うことができる。その際に使用される溶媒としては、反応を阻害しないものならば特に限定されず、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ノナン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタンなどの脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどの芳香族炭化水素類が挙げられるが、好ましくはヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン、更に好ましくはトルエン、キシレンである。
なお、これらの溶媒は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
前記溶媒の使用量は、トリハロゲノガリウム1gに対して、好ましくは0.5〜5mL、更に好ましくは1〜2mLである。この範囲とすることで、攪拌性がよくなり、局部的な反応の進行が抑制される。
本発明の反応は、例えば、トリアルキルアルミニウム、トリハロゲノガリウム並びにアミン化合物及び四級オニウム塩の少なくとも一方を混合し(必要ならば溶媒も加える)、攪拌しながら反応させるなどの方法によって行われる。その際の反応温度は、好ましくは60〜150℃、更に好ましくは80〜120℃であり、反応圧力は特に制限されない。なお、反応に加えるアミン化合物や四級オニウム塩の沸点以上で反応を行う場合には、閉鎖系の装置で反応を行っても構わない(その際には自己圧がかかる。)。
本発明の好ましい態様としては、アミン化合物(必要ならば溶媒に希釈)及び四級オニウム塩の少なくとも一方とトリメチルアルミニウム(必要ならば溶媒に希釈)とを混合して、それにトリハロゲノガリウム(必要ならば溶媒に希釈)を加えて反応させる。このようにすることで、激しい発熱による液温の上昇を抑制することができるため、副反応を最小限に抑えることができる。
本発明の反応で得られたトリアルキルガリウムは、十分に純度が高いものであるが、更に精製することによって、より高純度のトリアルキルガリウムが得られる。
本発明者らは、鋭意研究の結果、トリアルキルアルミニウムと、トリハロゲノガリウムとをアミン化合物及び四級オニウム塩の少なくとも一方の存在下で反応させた後、得られた反応液から蒸留によりトリアルキルガリウムを取得するに際し、無機塩を存在させることで、蒸留の際の発熱を抑止することができることを見出した。
前記無機塩としては、例えば、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化セシウム、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化セシウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化セシウムなどのアルカリ金属ハロゲン化物;フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、フッ化ストロンチウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化バリウム、塩化ストロンチウム、臭化マグネシウム、臭化カルシウム、臭化バリウム、臭化ストロンチウム、ヨウ化マグネシウム、ヨウ化バリウム、ヨウ化ストロンチウムなどのアルカリ土類金属ハロゲン化物が挙げられるが、好ましくはフッ化カリウム、フッ化カルシウム、塩化カリウムが使用される。
なお、これらの無機塩は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
無機塩の使用量は、トリアルキルガリウムの製造に使用したトリハロゲノガリウム1モルに対して、好ましくは0.1モル〜3.0モル、更に好ましくは0.1モル〜0.6モルである。無機塩の使用量をこのような範囲とすることで、蒸留釜中において反応物が固化することを抑制でき、発熱を抑止することができる。
無機塩は、トリアルキルガリウムを製造した後、得られた反応液に加えて蒸留することもできるが、トリアルキルガリウム製造の際に予め存在させておいても、特にトリアルキルガリウムの製造に影響を与えることはない。
ところで、本発明の反応に用いられるトリアルキルアルミニウムは高価である。従って、トリアルキルガリウムの製造コストを低減する観点からは、トリアルキルアルミニウムの使用量を低減することが有効である。
例えば、特許文献1では、トリアルキルガリウムとトリアルキルアルミニウムとの反応を、トリアルキルアミンの存在下においてトルエン中で反応させる例が記載されている。その反応においては、トリアルキルガリウム1モルに対して、1.55モルのトリアルキルアルミニウムが消費される。
本発明の反応のように、トリアルキルガリウムとトリアルキルアルミニウムとの反応を、一般式(3)で示されるアミン化合物及び四級オニウム塩の少なくとも一方の存在下において反応させることにより、トリアルキルアルミニウムの使用量を低減し得る。従って、本発明によれば、トリアルキルガリウムの製造コストを低減することも可能である。具体的には、本発明によれば、トリアルキルガリウム1モルに対するトリアルキルアルミニウムの消費量を、1.54モル以下とし得る。トリアルキルガリウム1モルに対するトリアルキルアルミニウムの消費量は、好ましくは、1.53モル以下であり、より好ましくは、1.52モル以下であり、さらに好ましくは、1.51モル以下であり、なお好ましくは、1.50モル以下である。
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。なお、トリアルキルガリウムの分析は、プロトン核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)により以下の手法により行った。
<実施例1(トリメチルガリウムの合成)>
還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び攪拌装置を備えた内容積300mLの容器に、トリドデシルアミン91.8g(176mmol)及びトルエン9.8mLを加えて混合した。氷冷下、当該混合液に、液温を13〜18℃に維持しながら、トリメチルアルミニウム12.3g(170mmol)をゆるやかに加え、同温度で20分間攪拌した。
次いで、これに、三塩化ガリウム19.9g(113mmol)及びトルエン18mLの混合液をゆるやかに加えた後、100℃で1時間反応させた。
反応終了後、反応液を常圧下で蒸留し、トリメチルガリウム11.93gを得た(単離収率;92.2%)。
蒸留後の釜残は非常に粘性・流動性がよく、室温にてトルエンで粗洗浄することで釜内の残渣が簡単に取り除けた。
実施例1においては、三塩化ガリウムとトリメチルアルミニウムとのモル比(三塩化ガリウム:トリメチルアルミニウム)は、1:1.50であった。
<実施例2(トリメチルガリウムの合成)>
還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び攪拌装置を備えた内容積300mLの容器に、トリオクチルアミン61.5g(174mmol)及びトルエン9.4mLを加えて混合した。氷冷下、当該混合液に、液温を11〜22℃に維持しながら、トリメチルアルミニウム12.3g(170mmol)をゆるやかに加え、同温度で20分間攪拌した。
次いで、これに、三塩化ガリウム19.6g(111mmol)及びトルエン18mLの混合液をゆるやかに加えた後、100℃で1時間反応させた。
反応終了後、反応液を常圧下で蒸留し、トリメチルガリウム11.50gを得た(単離収率;89.9%)。
蒸留後の釜残は非常に粘性・流動性がよく、室温にてトルエンで粗洗浄することで釜内の残渣が簡単に取り除けた。
実施例2においては、三塩化ガリウムとトリメチルアルミニウムとのモル比(三塩化ガリウム:トリメチルアルミニウム)は、1:1.53であった。
<実施例3(トリメチルガリウムの合成)>
還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び攪拌装置を備えた内容積300mLの容器に、トリオクチルアミン61.5g(174mmol)及びトルエン9.4mLを加えて混合した。氷冷下、当該混合液に、液温を14〜19℃に維持しながら、トリメチルアルミニウム12.3g(170mmol)をゆるやかに加え、同温度で20分間攪拌した。
次いで、本混合液を90℃まで昇温し、予め120℃で加熱溶融させた三塩化ガリウム19.6g(111mmol)をゆるやかに加えた後、100℃で1時間反応させた。
反応終了後、反応液を常圧下で蒸留し、トリメチルガリウム9.94gを得た(単離収率;77.6%)。
蒸留後の釜残は非常に粘性・流動性がよく、室温にてトルエンで粗洗浄することで釜内の残渣が簡単に取り除けた。
実施例3においては、三塩化ガリウムとトリメチルアルミニウムとのモル比(三塩化ガリウム:トリメチルアルミニウム)は、1:1.53であった。
<比較例1(トリメチルガリウムの合成)>
還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び攪拌装置を備えた内容積100mLの容器に、トリエチルアミン17.6g(174mmol)及びトルエン9.3mLを加えて混合した。氷冷下、当該混合液に、液温を12〜22℃に維持しながら、トリメチルアルミニウム12.2g(169mmol)をゆるやかに加え、同温度で20分間攪拌した。
次いで、これに、三塩化ガリウム19.7g(112mmol)及びトルエン18mLの混合液をゆるやかに加えた後、100℃で1時間反応させた。
反応終了後、反応液を常圧下で蒸留し、トリメチルガリウム11.11gを得た(単離収率;86.6%)。
蒸留後の釜残は非常に粘性・流動性が極めて悪く、冷却することで釜内の残渣が固化した。そこで、加熱したトルエンを加えて残渣を時間をかけてゆるやかに溶解させ、釜内より残渣を取り除いた。
<実施例4(トリメチルガリウムの合成)>
還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び攪拌装置を備えた内容積100mLの容器に、テトラメチルアンモニウムクロリド9.6g(88mmol)及びトルエン14mLを加えて混合した。氷冷下、当該混合液に、液温を8〜15℃に維持しながら、トリメチルアルミニウム6.4g(88mmol)をゆるやかに加え、同温度で20分間攪拌した。
次いで、本混合液を80℃まで昇温し、予め120℃で加熱溶融させた三塩化ガリウム10.0g(57mmol)をゆるやかに加えた後、100℃で1時間反応させた。
反応終了後、反応液を常圧下で蒸留し、トリメチルガリウム5.9gを得た(単離収率;90.2%)。
実施例4においては、三塩化ガリウムとトリメチルアルミニウムとのモル比(三塩化ガリウム:トリメチルアルミニウム)は、1:1.54であった。
<実施例5(トリメチルガリウムの合成)>
還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び攪拌装置を備えた内容積100mLの容器に、テトラメチルアンモニウムクロリド1.9g(17mmol)及びトルエン14mLを加えて混合した。氷冷下、当該混合液に、液温を6〜8℃に維持しながら、トリメチルアルミニウム6.4g(88mmol)をゆるやかに加え、同温度で20分間攪拌した。
次いで、本混合液を80℃まで昇温し、予め120℃で加熱溶融させた三塩化ガリウム10.2g(58mmol)をゆるやかに加えた後、100℃で1時間反応させた。
反応終了後、反応液を常圧下で蒸留し、トリメチルガリウム4.9gを得た(単離収率;73.6%)。
実施例5においては、三塩化ガリウムとトリメチルアルミニウムとのモル比(三塩化ガリウム:トリメチルアルミニウム)は、1:1.52であった。
<実施例6(トリメチルガリウムの合成)>
還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び攪拌装置を備えた内容積100mLの容器に、テトラエチルアンモニウムクロリド14.5g(88mmol)及びトルエン14mLを加えて混合した。氷冷下、当該混合液に、液温を13〜21℃に維持しながら、トリメチルアルミニウム6.3g(88mmol)をゆるやかに加え、同温度で20分間攪拌した。
次いで、本混合液を80℃まで昇温し、予め120℃で加熱溶融させた三塩化ガリウム10.1g(57mmol)をゆるやかに加えた後、100℃で1時間反応させた。
反応終了後、反応液を常圧下で蒸留し、トリメチルガリウム5.8gを得た(単離収率;88.5%)。
実施例6においては、三塩化ガリウムとトリメチルアルミニウムとのモル比(三塩化ガリウム:トリメチルアルミニウム)は、1:1.54であった。
<実施例7(トリメチルガリウムの合成)>
還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び攪拌装置を備えた内容積100mLの容器に、テトラ−n−ブチルアンモニウムクロリド12.1g(44mmol)及びトルエン14mLを加えて混合した。氷冷下、当該混合液に、液温を5〜17℃に維持しながら、トリメチルアルミニウム3.1g(44mmol)をゆるやかに加え、同温度で20分間攪拌した。
次いで、本混合液を80℃まで昇温し、予め120℃で加熱溶融させた三塩化ガリウム2.7g(29mmol)をゆるやかに加えた後、100℃で1時間反応させた。
反応終了後、反応液を常圧下で蒸留し、トリメチルガリウム5.8gを得た(単離収率;83.7%)。
実施例7においては、三塩化ガリウムとトリメチルアルミニウムとのモル比(三塩化ガリウム:トリメチルアルミニウム)は、1:1.52であった。
<実施例8(トリメチルガリウムの合成)>
還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び攪拌装置を備えた内容積100mLの容器に、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド15.8g(108mmol)を加え、内温を13〜24℃に維持しながら、トリメチルアルミニウム7.8g(108mmol)をゆるやかに加え、同温度で20分間攪拌した。
次いで、本混合液を80℃まで昇温し、予め120℃で加熱溶融させた三塩化ガリウム12.4g(71mmol)をゆるやかに加えた後、100℃で1時間反応させた。
反応終了後、反応液を常圧下で蒸留し、トリメチルガリウム5.6gを得た(単離収率;68.6%)。
実施例8においては、三塩化ガリウムとトリメチルアルミニウムとのモル比(三塩化ガリウム:トリメチルアルミニウム)は、1:1.52であった。
<実施例9(トリメチルガリウムの合成)>
還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び攪拌装置を備えた内容積200mLの容器に、三塩化ガリウム19.3g(110mmol)及びトリオクチルアミン60.4g(171mmol)及びキシレン24.2mLを加えて混合した。氷冷下、当該混合液に、液温を11〜22℃に維持しながら、トリメチルアルミニウム12.6g(175mmol)をゆるやかに加えた。その後、100℃まで昇温して1時間反応させた。
反応終了後、反応液を常圧下で蒸留し、トリメチルガリウム11.74gを得た(単離収率;93.3%)。
三塩化ガリウムとトリメチルアルミニウムとのモル比(三塩化ガリウム:トリメチルアルミニウム)は、1:1.59であった。
<実施例10(トリメチルガリウムの合成)>
還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び攪拌装置を備えた内容積300mLの容器に、トリオクチルアミン60.9g(170mmol)及びトルエン21.4mLを加えて混合した。氷冷下、当該混合液に、液温を11〜22℃に維持しながら、トリメチルアルミニウム12.4g(172mmol)をゆるやかに加え、同温度で20分間攪拌した。
次いで、本混合液を90℃まで昇温し、予め120℃で加熱溶融させた三塩化ガリウム19.3g(110mmol)をゆるやかに加えた後、100℃で1時間反応させた。
反応終了後、反応液を常圧下で蒸留し、トリメチルガリウム10.80gを得た(単離収率;93.7%)。
三塩化ガリウムとトリメチルアルミニウムとのモル比(三塩化ガリウム:トリメチルアルミニウム)は、1:1.56であった。
<実施例11(トリメチルガリウムの合成)>
還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び攪拌装置を備えた内容積200mLの容器に、トリオクチルアミン59.5g(168mmol)及びトルエン13.2mLを加えて混合した。氷冷下、当該混合液に、液温を11〜22℃に維持しながら、トリメチルアルミニウム12.3g(171mmol)をゆるやかに加え、同温度で20分間攪拌した。
次いで、本混合液を90℃まで昇温し、予め120℃で加熱溶融させた三塩化ガリウム19.3g(110mmol)をゆるやかに加えた後、100℃で1時間反応させた。
反応終了後、反応液を常圧下で蒸留し、トリメチルガリウム9.54gを得た(単離収率;75.7%)。
三塩化ガリウムとトリメチルアルミニウムとのモル比(三塩化ガリウム:トリメチルアルミニウム)は、1:1.55であった。
<実施例12(トリメチルガリウムの合成)>
還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び攪拌装置を備えた内容積200mLの容器に、トリオクチルアミン60.2g(170mmol)を加えた。氷冷下、当該混合液に、液温を11〜22℃に維持しながら、トリメチルアルミニウム12.3g(170mmol)をゆるやかに加え、同温度で20分間攪拌した。
次いで、本混合液を90℃まで昇温し、予め120℃で加熱溶融させた三塩化ガリウム19.3g(110mmol)をゆるやかに加えた後、100℃で1時間反応させた。
反応終了後、反応液を常圧下で蒸留し、トリメチルガリウム7.67gを得た(単離収率;60.9%)。室温まで冷却後、蒸留後の釜残にトルエン11.7mlを加えた。再び常圧下で蒸留し、トリメチルガリウム3.00gをえた(合計単離収率;84.8%)。
三塩化ガリウムとトリメチルアルミニウムとのモル比(三塩化ガリウム:トリメチルアルミニウム)は、1:1.55であった。
<実施例13(トリメチルガリウムの合成)>
還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び攪拌装置を備えた内容積200mLの容器に、トリオクチルアミン60.0g(170mmol)及びトルエン34.4mLを加えて混合した。氷冷下、当該混合液に、液温を11〜22℃に維持しながら、トリメチルアルミニウム12.3g(171mmol)をゆるやかに加え、同温度で20分間攪拌した。
次いで、本混合液を90℃まで昇温し、予め120℃で加熱溶融させた三塩化ガリウム19.4g(110mmol)をゆるやかに加えた後、100℃で1時間反応させた。
反応終了後、反応液を常圧下で蒸留し、トリメチルガリウム11.95gを得た(単離収率;94.7%)。
三塩化ガリウムとトリメチルアルミニウムとのモル比(三塩化ガリウム:トリメチルアルミニウム)は、1:1.55であった。
<実施例14(トリメチルガリウムの合成)>
還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び攪拌装置を備えた内容積200mLの容器に、トリオクチルアミン61.5g(174mmol)及びキシレン31.5mLを加えて混合した。氷冷下、当該混合液に、液温を11℃〜22℃に維持しながら、トリメチルアルミニウム12.6g(175mmol)をゆるやかに加え、同温度で20分間攪拌した。
次いで、本混合液を90℃まで昇温し、予め120℃で加熱溶融させた三塩化ガリウム19.9g(113mmol)をゆるやかに加えた後、100℃で1時間反応させた。
反応終了後、反応液を常圧下で蒸留し、トリメチルガリウム11.72gを得た(単離収率;90.0%)。
三塩化ガリウムとトリメチルアルミニウムとのモル比(三塩化ガリウム:トリメチルアルミニウム)は、1:1.55であった。
<実施例15(トリメチルガリウムの合成)>
還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び攪拌装置を備えた内容積500mLの容器に、トリオクチルアミン25.5g(25mmol)及びキシレン64.0mL及び三塩化ガリウム48.3g(274mmol)を加えて混合した。エタノール冷媒下、液温を10℃〜30℃に維持しながら当該混合液にトリオクチルアミン125.1g(353mmol)、トリメチルアルミニウム31.2g(432mmol)の順にゆるやかに加え、同温度で20分間攪拌した。
次いで、100℃で1時間反応させた後、反応液を常圧下で蒸留し、トリメチルガリウム24.4gを得た(単離収率;77.6%)。
三塩化ガリウムとトリメチルアルミニウムとのモル比(三塩化ガリウム:トリメチルアルミニウム)は、1:1.58であった。
<実施例16(トリメチルガリウムの合成)>
還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び攪拌装置を備えた内容積200mLの容器に、トリオクチルアミン59.1g(167mmol)及びキシレン10.7mLを加えて混合した。氷冷下、当該混合液に、液温を11℃〜22℃に維持しながら、トリメチルアルミニウム12.2g(169mmol)をゆるやかに加え、同温度で20分間攪拌した。
次いで、これに、三塩化ガリウム19.4g(111mmol)及びキシレン18.9mLの混合液をゆるやかに加えた後、100℃で1時間反応させた。
反応終了後、反応液を常圧下で蒸留し、トリメチルガリウム11.48gを得た(単離収率;90.8%)。
三塩化ガリウムとトリメチルアルミニウムとのモル比(三塩化ガリウム:トリメチルアルミニウム)は、1:1.54であった。
<実施例17(トリメチルガリウムの合成)>
還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び攪拌装置を備えた内容積200mLの容器に、トリオクチルアミン61.6g(174mmol)及びトルエン26.9mLを加えて混合した。氷冷下、当該混合液に、液温を11℃〜22℃に維持しながら、トリメチルアルミニウム12.5g(173mmol)をゆるやかに加え、同温度で20分間攪拌した。
次いで、本混合液を90℃まで昇温し、予め120℃で加熱溶融させた三塩化ガリウム19.8g(112mmol)をゆるやかに加えた後、100℃で1時間反応させた。
反応終了後、反応液を常圧下で蒸留し、トリメチルガリウム11.82gを得た(単離収率;91.5%)。
三塩化ガリウムとトリメチルアルミニウムとのモル比(三塩化ガリウム:トリメチルアルミニウム)は、1:1.55であった。
<実施例18(トリメチルガリウムの合成)>
還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び攪拌装置を備えた内容積300mLの容器に、トリオクチルアミン60.1g(170mmol)及びメシチレン34.7mLを加えて混合した。氷冷下、当該混合液に、液温を11℃〜22℃に維持しながら、トリメチルアルミニウム12.4g(172mmol)をゆるやかに加え、同温度で20分間攪拌した。
次いで、本混合液を90℃まで昇温し、予め120℃で加熱溶融させた三塩化ガリウム19.4g(110mmol)をゆるやかに加えた後、100℃で1時間反応させた。
反応終了後、反応液を常圧下で蒸留し、トリメチルガリウム8.91gを得た(単離収率;70.4%)。
三塩化ガリウムとトリメチルアルミニウムとのモル比(三塩化ガリウム:トリメチルアルミニウム)は、1:1.56であった。
<実施例19(トリメチルガリウムの合成)>
還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び攪拌装置を備えた内容積300mLの容器に、トリオクチルアミン60.1g(170mmol)を加えた。氷冷下、当該溶液に、液温を11〜22℃に維持しながら、トリメチルアルミニウム12.3g(171mmol)をゆるやかに加え、同温度で20分間攪拌した。
次いで、本混合液を90℃まで昇温し、予め120℃で加熱溶融させた三塩化ガリウム19.3g(110mmol)をゆるやかに加えた後、100℃で1時間反応させた。
室温まで冷却後、塩化ナトリウム10.2g(174mmol)を加えた。その後、常圧下で蒸留し、トリメチルガリウム6.87gを得た(単離収率;54.5%)。
三塩化ガリウムとトリメチルアルミニウムとのモル比(三塩化ガリウム:トリメチルアルミニウム)は、1:1.55であった。
<実施例20(トリメチルガリウムの合成)>
還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び攪拌装置を備えた内容積300mLの容器に、トリオクチルアミン23.6g(67mmol)及び塩化ナトリウム6.4g(110mmol)を加えて混合した。氷冷下、当該混合液に、液温を11℃〜22℃に維持しながら、トリメチルアルミニウム12.3g(171mmol)をゆるやかに加え、同温度で20分間攪拌した。
次いで、本混合液を90℃まで昇温し、予め120℃で加熱溶融させた三塩化ガリウム19.3g(110mmol)をゆるやかに加えた後、100℃で1時間反応させた。
反応終了後、反応液を常圧下で蒸留し、トリメチルガリウム8.46gを得た(単離収率;67.1%)。
三塩化ガリウムとトリメチルアルミニウムとのモル比(三塩化ガリウム:トリメチルアルミニウム)は、1:1.56であった。
<実施例21(トリメチルガリウムの合成)>
還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び攪拌装置を備えた内容積200mLの容器に、トリオクチルアミン60.2g(170mmol)を加えた。氷冷下、当該溶液に、液温を11℃〜22℃に維持しながら、トリメチルアルミニウム12.3g(171mmol)をゆるやかに加え、同温度で20分間攪拌した。
次いで、本混合液を90℃まで昇温し、予め120℃で加熱溶融させた三塩化ガリウム19.3g(110mmol)をゆるやかに加えた後、100℃で1時間反応させた。
室温まで冷却後、フッ化カリウム1.9g(33mmol)を加えた。その後、常圧下で蒸留し、トリメチルガリウム3.48gを得た(単離収率;27.6%)。
三塩化ガリウムとトリメチルアルミニウムとのモル比(三塩化ガリウム:トリメチルアルミニウム)は、1:1.56であった。

Claims (3)

  1. 一般式(1)
    (式中、Rは、炭素原子数1〜6のアルキル基を示す。)
    で示されるトリアルキルアルミニウムと、
    一般式(2)
    (式中、Xは、ハロゲン原子を示す。)
    で示されるトリハロゲノガリウムとを、
    一般式(3)
    (式中、Rは、炭素原子数7〜12の直鎖状又は分岐状のアルキル基を示す。なお、複数のRは、互いに結合して環を形成していても良い。)
    で示されるアミン化合物及び四級オニウム塩の少なくとも一方の存在下で反応させることを特徴とする、
    一般式(4)
    (式中、Rは、炭素原子数1〜6のアルキル基を示す。)
    で示されるトリアルキルガリウムの製造方法。
  2. 前記四級オニウム塩が四級アンモニウム塩である、請求項1に記載のトリアルキルガリウムの製造方法。
  3. 四級オニウム塩が、四級アンモニウムクロリド又は四級アンモニウムブロミドである請求項2に記載のトリアルキルガリウムの製造方法。


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