JP2016055576A - 出没式筆記具 - Google Patents
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Abstract
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したがって、突出部(34)の寸法を高精度に管理する必要が生じ、例えば、突出部(34)の突出量が小さすぎると、該突出部(34)が保持リング(64)に当接せずに保持リング(64)内に潜り込み、また、突出部(34)の突出量が大きすぎると、該突出部(34)が保持リング(64)に潜り込み難くなり、何れの場合も作動性の低下を招くおそれがある。
この構成によれば、中芯ユニットを前進させることで、蓋開閉部材を緩めて蓋部材を開放し筆記部を突出させる際に、複数の係合片部が、それぞれ、傾斜段部に摺接して軸筒径外方向へ撓み、各係合片部と支持筒部との係止状態が解除される。よって、蓋開閉部材と中芯ユニットとの摩擦抵抗を軽減して、中芯ユニットの動作性を向上することができる。
この構成によれば、中芯ユニットの係合突起が、係合片部の被係止孔の後端に係止して、蓋開閉部材を後方へ引っ張る。中芯ユニットが前進した際には、各係合突起が被係合孔内を前方へ移動することで、被係止孔の後端と各係止突起との係止状態が解除される。
この構成によれば、後退した際の中芯ユニットにより蓋開閉部材を引張る際に、蓋開閉部材の係合片部を前記傾斜面により軸筒径内方向へ撓ませて、係合片部の被係合孔を、前記係合突起の付け根側まで深く係合させることができ、ひいては、係合突起と被係合孔との係合が外れて、作動不良を生じるようなことを防止することができる。
この構成によれば、蓋部材の自由端寄りにおいて、該蓋部材を押圧する環状押圧部が前記引張片部により支持されるため、環状押圧部の押圧力が変形等により低下し、蓋部材の前記自由端側と前記シール筒の前端開口部との間の気密性が低下するようなことを防ぐことができる。
この構成によれば、蓋部材が閉鎖された際の位置決めを、複数の前記突起により行うことができ、ひいては、蓋部材による気密性を向上することができる。
この構成によれば、蓋開閉部材を前進させる際の作動スペースを、前記逃がし孔内に確保することができる。
すなわち、この発明は、軸筒と、該軸筒内に進退可能に設けられるとともに前端側に筆記部を突出させた中芯ユニットと、軸筒内にて前記筆記部の周囲を覆うとともに軸筒に対し前進不能に係止されたシール筒と、該シール筒の前端開口部を開放可能に閉鎖する蓋部材と、前記蓋部材に対し前方側から圧接する蓋開閉部材と、前記中芯ユニットを後方へ付勢する付勢部材とを備え、前記中芯ユニットを前進させることで前記蓋開閉部材を緩めて前記蓋部材を開放し前記筆記部を突出させ、前記中芯ユニットを後退させることで前記蓋開閉部材を後方へ引っ張り前記蓋部材を閉鎖し前記筆記部を没入するようにした出没式筆記具において、前記軸筒の前端側に、軸筒壁面を貫通する逃がし孔が設けられ、前記逃がし孔は、前進した際の前記蓋開閉部材の前端側部分を挿入するように配設されている。
この構成によれば、蓋開閉部材を前進させた際に、該蓋開閉部材の前端側が前記逃がし孔に挿入される。したがって、蓋開閉部材の作動スペースを確保するために当該出没式筆記具が大型化するのを防ぐことができる。
以下の説明において、「前」とは、軸筒10の先端方向(筆記部が突出する方向)を意味し、「後」とは前記「前」に対する逆方向を意味する。また、「径内方向」とは、軸筒10の径方向に沿う方向であって、かつ軸筒10の軸心(中心)へ向かう方向を意味する。また、「径外方向」とは、前記径内方向に対する逆方向を意味する。また、「軸筒軸方向」とは、軸筒10の軸心(中心)に沿う方向を意味する。
この軸筒10は、前端側を先細状に窄めており、その内壁面の前端側に、前進した際の蓋開閉部材50を当接させるための被当接部11を有し、さらに、最前端部には、筆記部22aを出没させるための開口部19を有する。被当接部11は、軸筒全周にわたる段状の面である(図2参照)。
また、各縦リブ14の後端部は、回動部材24が前側係止部17に係止した位置から前進した際に、回動部材24のカム斜面24aに係合して、回動部材24を回動させる。
そして、この中芯ユニット20の前端側には、付勢部材60や、シール筒30、蓋部材40及び蓋開閉部材50等が装着される(図3参照)。
支持筒部21aにおける付勢部材60よりも後側の外周面には、径方向の両側へ突出するように二つの係合突起21d,21dが設けられる。これら係合突起21d,21dは、後述する蓋開閉部材50に係合している。
各係合突起21dは、係合片部54の被係合孔54aの後端に当接する面を、前方へ向かって軸筒径内方向へ傾斜する傾斜面21d1としている。
中綿23は、円柱状に束ねられた多数の繊維にインクを含浸してなり、その前端部に、チップ22の後端部を差し込んでいる(図6及び図7参照)。
この傾斜段部21bは、軸筒10内で中芯ユニット20が前進した際に、蓋開閉部材50の係合片部の後端に当接して、該係合片部の後端側を径外方向へ撓ませるように(図6参照)、その傾斜角度が適宜に設定されている。
このシール筒30の後端側内周面には、支持筒部21aの外周面に摺接して気密性を保持する環状突起31が設けられる(図6及び図7参照)。
また、シール筒30の後端側外周面には、付勢部材60の前端を受ける段部32が設けられる。
シール筒30の前端側外周面における径方向の両側には、当接突起33(図4参照)が設けられる。この当接突起33は、軸筒10内の係止部13a(図2参照)に当接して、シール筒30の前方への移動を規制する。
蓋部材40は、合成樹脂材料(例えば、ポリプロピレン等)によって一体成形され、シール筒30の前端側の外周面に接続された接続部43を弾性的に撓ませて、円盤状の蓋本体部42を回動させる。
隆起部42aは、蓋部材40の閉鎖状態で、シール筒30内に突出する凸曲面状に形成される。この隆起部42aは、前進する筆記部22aを受けて蓋本体部42の開放を容易にする。
突起42bは、筆記部22aと干渉しないように筆記部22aの出没経路の両側に位置して、周方向に間隔を置いて複数設けられ、蓋部材40の閉鎖状態においてシール筒30前端側内縁に近接又は接触して蓋部材40をセンタリングする。この突起42bによれば、閉鎖状態の蓋部材40が、搬送や使用時の振動等によって径方向へがたつき、シール性が損なわれるようなことを防ぐことができる。
弾性的に撓むことが可能な合成樹脂材料(例えば、ポリアセタールやポリプロピレン等)によって一体成形されている。
この環状押圧部51は、閉鎖状態の蓋部材40から前方へ離れることで、蓋部材40の前方への回動(開放動作)を可能にする。また、同環状押圧部51は、開放状態の蓋部材40の縁を前方から押すことで、該蓋部材40を後方へ回動(閉鎖動作)させる(図6及び図7参照)。
この配置によれば、閉鎖状態の蓋部材40の自由端寄りに対応して、引張片部52が位置するため、蓋部材40の変形等が生じた場合でも、その変形を引張片部52による引張力により矯正することができ、ひいては、蓋部材40の自由端側とシール筒30との間に隙間が生じるようなことを防ぐことができる。
各係合片部54には、軸筒軸方向へ長尺な被係合孔54aが設けられる。この被係合孔54aの後端縁は、支持筒部21a外周の係合突起21dに対し係止される。
したがって、蓋開閉部材50は、各係合片部54が係合突起21dに係止された状態で、付勢部材60の付勢力によって中芯ユニット20に対し前方へ付勢される。
図1及び図6(a)は、筆記部22aを没入させた初期状態を示す。この初期状態では、中芯ユニット20外周の回動部材24は、係止突起24cを後側係止部18に係合している。
また、この初期状態では、蓋開閉部材50が付勢部材60によって前方へ付勢されるため、各係合片部54の被係合孔54aの後端内縁が、係合突起21d後端の傾斜面21d1に押圧される。よって、各係合片部54は、前記傾斜面21d1によって軸筒径内方向へ撓んだ状態に維持される。
詳細に説明すれば、中芯ユニット20が前進すると、蓋開閉部材50における各係合片部54の後端が、筒状部材21の傾斜段部21bに摺接し、各係合片部54が径外方向へ撓むとともに、各係合片部54の被係合孔54aの後端縁が傾斜面21d1から後方へ離れ、大径筒部21cが、二つの係合片部54,54の間に入り込むようにして前進する(図6(b)参照)。
この状態で、ノック部25に対する押圧力が解除されると、中芯ユニット20が付勢部材60の付勢力により後退し、係止突起24cが後側係止部18に嵌りあって初期状態に戻る。
すなわち、中芯ユニット20の後退の初期段階では、蓋開閉部材50は軸筒10内周部(詳細にはガイド凸部13や縦リブ14等)との摩擦によって突出位置側に寄せられており殆ど後退せずに、各係合突起21dが被係合孔54a内を後方へ移動し、この動作に伴って、筆記部22aが、軸筒10の開口部19内へ没入し、さらにシール筒30内へ向かって移動する。
そして、中芯ユニット20の後退が継続すると、各係合突起21dが被係合孔54aの後端内縁に係止するため、蓋開閉部材50は、係合突起21dに引っ張られて後退し始める。
10:軸筒
12:逃がし孔
20:中芯ユニット
21:筒状部材
21a:支持筒部
21b:傾斜段部
21c:大径筒部
21d:係合突起
21d1:傾斜面
22a:筆記部
30:シール筒
40:蓋部材
42b:突起
50:蓋開閉部材
51:環状押圧部
52:引張片部
53:筒部
54:係合片部
54a:被係合孔
Claims (6)
- 軸筒と、該軸筒内に進退可能に設けられるとともに前端側に筆記部を突出させた中芯ユニットと、軸筒内にて前記筆記部の周囲を覆うとともに軸筒に対し前進不能に係止されたシール筒と、該シール筒の前端開口部を開放可能に閉鎖する蓋部材と、前記蓋部材に対し前方側から圧接する蓋開閉部材と、前記中芯ユニットを後方へ付勢する付勢部材とを備え、前記中芯ユニットを前進させることで前記蓋開閉部材を緩めて前記蓋部材を開放し前記筆記部を突出させ、前記中芯ユニットを後退させることで前記蓋開閉部材を後方へ引っ張り前記蓋部材を閉鎖し前記筆記部を没入するようにした出没式筆記具において、
前記中芯ユニットは、前記筆記部を支持した支持筒部の後側に、後方斜め径外方向へ傾斜する環状の傾斜段部を有し、
前記蓋開閉部材は、前記支持筒部の外周面に沿って後方へ延びる係合片部を、周方向に間隔を置いて複数有し、
前記係合片部の各々は、前記支持筒部に係止されるとともに前記付勢部材の付勢力により後方へ引っ張られ、前記中芯ユニットが前進した際に、前記傾斜段部に摺接するとともに軸筒径外方向へ撓んで、前記支持筒部との係止状態を解除することを特徴とする出没式筆記具。 - 複数の前記係合片部の各々には、軸筒軸方向へ長尺な被係合孔が設けられ、
前記支持筒部の外周面には、前記被係合孔の後端側に挿入されて前記係合片部を後方へ引っ張るように、係合突起が設けられていることを特徴とする請求項1記載の出没式筆記具。 - 前記係合突起は、前記被係合孔の後端に当接する面を、前方へ向かって軸筒径内方向へ傾斜する傾斜面としていることを特徴とする請求項2記載の出没式筆記具。
- 前記蓋部材は、その外周縁の一部が前記シール筒に接続されるとともに、該接続部分を支点にし、自由端側を前後方向へ回動して開閉動作するように設けられ、
前記蓋開閉部材は、前記蓋部材に対し前方側から圧接する環状押圧部を有するとともに、該環状押圧部の径方向の一端側と他端側からそれぞれ後方へ延びて前記係合片部に接続された二つの引張片部を有し、
二つの前記引張片部のうちの一方は、前記蓋部材の前記自由端寄りに配置され、その他方は、前記接続部分寄りに配置されることを特徴とする請求項1乃至3何れか1項記載の出没式筆記具。 - 前記蓋部材の内面に、前記シール筒内へ挿入されて、前記シール筒の内周面に近接又は接触する突起を、周方向へ間隔を置いて複数設けたことを特徴とする請求項1乃至4何れか1項記載の出没式筆記具。
- 前記軸筒の前端側に、軸筒壁面を貫通する逃がし孔が設けられ、
前記逃がし孔は、前進した際の前記蓋開閉部材の前端側部分を挿入するように配設されていることを特徴とする請求項1乃至5何れか1項記載の出没式筆記具。
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