JP2016055557A - シート製造装置及びシート製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】運転中に廃粉を回収するフィルターの目詰まりが生じても、より長時間にわたって安定した性状のシートを製造することのできるシート製造装置を提供すること。【解決手段】本発明に係るシート製造装置は、繊維を含む原料の一部を用いてシートを製造する製造部と、原料のうちで、シートに使用されない除去物を吸引する吸引部と、除去物をフィルターで捕集する捕集部と、フィルターで捕集された除去物が多いときのほうが少ない時よりも吸引部の吸引力を増大させる変更部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、シート製造装置及びシート製造方法に関する。
繊維状の物質を堆積させ、堆積させた繊維の相互間に結合力を働かせてシート状あるいはフィルム状の成形体を得ることは古くから行われている。その典型例として、水を用いた抄造(抄紙)によって紙を製造することが挙げられる。現在においても紙を製造する方法の一つとして抄造法が広く用いられている。抄造法で製造される紙は、一般に例えば木材等に由来するセルロースの繊維が互いに絡み合って水素結合を形成し、さらにバインダー(紙力増強剤(デンプン糊、水溶性樹脂等))によって互いに部分的に結着されている構造を有するものが多い。
一方、特許文献1には、乾式のシート製造方法が開示されている。係る製造方法では、原料を解繊し、サイクロンを用いてトナーやバインダー等の廃粉が除去された繊維を用いてシートを成形している。廃粉は、吸引部による吸引によりサイクロンから除去される。
特開2012−144819号公報
しかしながら、特許文献1に記載の製造方法のように、廃粉を単に捕集部等で受けて回収する場合には、製造装置が乾式であることから、装置内に発生させる気流によって廃粉が舞い上がり、装置内の汚染が生じる場合があった。したがって、そのような汚染を低減させるために廃粉をフィルター等によって捕集することが考えられる。
ところが、フィルターによる廃粉の捕集量は、製造装置の運転を継続することにより増すため、捕集された廃粉によってフィルターの目が徐々に詰ってゆくことになる。このような場合に装置の運転を継続すると、目詰まりが、フィルターを気流が通過するための抵抗となり、吸引部による吸引力が低下することがあった。吸引部による吸引力が低下すると、フィルターを通過する気流の流量が減少し、気流中に含まれる廃粉の回収量(除去量)が減少してしまう。例えば、廃粉がトナー等である場合には、このような目詰まりが生じると、運転時間の経過とともに、製造されるシートの白色度が低下したり所定の色調から外れてしまうことがあった。
本発明の幾つかの態様に係る目的の一つは、運転中に廃粉を回収するフィルターの目詰まりが生じても、より長時間にわたって安定した性状のシートを製造することのできるシート製造装置及びシート製造方法を提供することにある。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するために為されたものであり、以下の態様又は適用例として実現することができる。
本発明に係るシート製造装置の一態様は、繊維を含む原料の一部を用いてシートを製造する製造部と、前記原料のうちで、前記シートに使用されない除去物を吸引する吸引部と、前記除去物をフィルターで捕集する捕集部と、前記フィルターで捕集された前記除去物
が多いときのほうが少ない時よりも前記吸引部の吸引力を増大させる変更部と、を備える。
このようなシート製造装置は、運転中に除去物を回収するフィルターの目詰まりが生じても、吸引力を増大させることで除去物の除去量が減少することを抑制し、より長時間にわたって安定した性状のシートを製造することができる。
本発明に係るシート製造装置において、前記製造部は、前記原料を乾式解繊して解繊物を生成する解繊部と、前記解繊物を気流により分級するサイクロンと、前記サイクロンの下部から排出された排出物を用いてシートを形成する形成部と、を備えてもよく、前記吸引部は前記サイクロンの上部に連通してもよい。本発明は、サイクロンから吸引部により除去物を除去するようなシート製造装置において好適に適用できる。
本発明に係るシート製造装置において、前記製造部は、前記原料を乾式解繊して解繊物を生成する解繊部と、移動するベルトに前記解繊物を堆積させる堆積部と、堆積したウェブを用いてシートを形成する形成部と、を備えてもよく、前記ベルトの搬送面に対して一方側に前記堆積部を配置し、他方側に前記吸引部を配置してもよい。本発明は、サイクロンだけでなく、堆積部において吸引部により除去物を除去するようなシート製造装置においても好適に適用できる。
本発明に係るシート製造装置において、前記除去物の回収量に関連する情報の取得を行う取得部を備えてもよい。このようなシート製造装置は、除去物が多いことを、除去物の回収量に関連する情報を取得することで把握できる。
本発明に係るシート製造装置において、前記取得部は、前記吸引部に連通する流路、又は、前記サイクロンに連結する複数の流路の少なくとも一つの流路に配置され、当該流路内の風速に関する情報の測定を行うセンサーからの情報を取得してもよい。このようなシート製造装置は、吸引部に連通する流路内の風速に関する情報を測定して、直接的に吸引力が低下したことを把握できる。また、吸引部の吸引力が低下すると、サイクロンに連結する流路の風速も変化するため、サイクロンに連結する複数の流路の少なくとも一つの流路の風速に関する情報を測定することで、吸引部の吸引力が低下したことを把握できる。これらにより、除去物が多いことを把握できる。
本発明に係るシート製造装置において、前記取得部は、前記シート製造装置の稼働時間、前記シートの製造量、前記原料の供給量のうち少なくとも一つの情報を取得してもよい。シート製造装置の稼働時間、シートの製造量、原料の供給量は、多ければ多いほど除去物の量も多くなる。そこで、このようなシート製造装置は、これらの情報の少なくとも一つを取得することで、除去物が多いことを把握できる。
本発明に係るシート製造装置において、前記フィルターの清掃または交換を促す表示部を有してもよい。このようなシート製造装置は、吸引部の吸引力を増大させても効果が無い場合に、フィルターの清掃または交換をすることで吸引力を増大させることができる。
本発明に係るシート製造方法の一態様は、繊維を含む原料の一部を用いてシートを製造するシート製造方法であって、前記原料のうちで、前記シートに使用されない除去物を吸引して除去すること、前記除去物をフィルターで捕集すること、前記フィルターで捕集された前記除去物が多いときのほうが少ない時よりも前記吸引の吸引力を増大させること、を含む。
このようにすれば、除去物を回収するフィルターの目詰まりが生じても、吸引力を増大
させることで除去物の除去量が減少することを抑制し、より長時間にわたって安定した性状のシートを製造することができる。
実施形態に係るシート製造装置の模式図。 実施形態に係る制御部の機能ブロックの模式図。 実施形態に係る制御部の制御処理の例を説明するフローチャート。 実施形態に係る制御部の制御処理の例を説明するフローチャート。 実施形態に係る制御部の制御処理の例を説明するフローチャート。 実施形態に係る制御部の制御処理の例を説明するフローチャート。 実施形態に係る制御部の制御処理の例を説明するフローチャート。 実施形態に係る制御部の制御処理の例を説明するフローチャート。
以下に本発明の幾つかの実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の例を説明するものである。本発明は以下の実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形形態も含む。なお以下に説明される構成の全てが本発明の必須の構成であるとは限らない。
1.シート製造装置
まず、本実施形態に係るシート製造装置について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係るシート製造装置100を模式的に示す図である。シート製造装置100は、図1に示すように、製造部102と、吸引部104と、捕集部106(107)と、制御部140と、を備える。
1.1.製造部、吸引部及び捕集部
製造部102は、シートを製造する。製造部102は、供給部10と、粗砕部12と、解繊部20と、分級部30と、選別部40と、混合部50と、堆積部60と、ウェブ形成部70と、シート形成部80と、切断部90と、を有している。
供給部10は、粗砕部12に原料を供給する。供給部10は、例えば、粗砕部12に原料を連続的に投入するための自動投入部である。供給部10によって供給される原料は、例えば、古紙などである。供給部10は、原料の供給量に関する情報(信号)を処理部145に対して送出してもよい。
粗砕部12は、供給部10によって供給された原料を、空気中で裁断して細片にする。細片の形状や大きさは、例えば、数cm角の細片である。図示の例では、粗砕部12は、粗砕刃14を有し、粗砕刃14によって、投入された原料を裁断することができる。粗砕部12としては、例えば、シュレッダーを用いる。粗砕部12によって裁断された原料は、ホッパー1で受けてから管2を介して、解繊部20に移送(搬送)される。
解繊部20は、粗砕部12によって裁断された原料を解繊する。ここで、「解繊する」とは、複数の繊維が結着されてなる原料(被解繊物)を、繊維1本1本に解きほぐすことをいう。解繊部20は、原料に付着した樹脂粒やインク、トナー、にじみ防止剤等の物質を、繊維から分離させる機能をも有する。
解繊部20を通過したものを「解繊物」という。「解繊物」には、解きほぐされた解繊物繊維の他に、繊維を解きほぐす際に繊維から分離した樹脂(複数の繊維同士を結着させるための樹脂)粒や、インク、トナーなどの色材や、にじみ防止材、紙力増強剤等の添加剤を含んでいる場合もある。解きほぐされた解繊物の形状は、ひも(string)状や
平ひも(ribbon)状である。解きほぐされた解繊物は、他の解きほぐされた繊維と絡み合っていない状態(独立した状態)で存在してもよいし、他の解きほぐされた解繊物と絡み合って塊状となった状態(いわゆる「ダマ」を形成している状態)で存在してもよい。
解繊部20は、大気中(空気中)において乾式で解繊を行う。具体的には、解繊部20としては、インペラーミルを用いる。解繊部20は、原料を吸引し、解繊物を排出するような気流を発生させる機能を有している。これにより、解繊部20は、自ら発生する気流によって、導入口22から、原料を気流と共に吸引し、解繊処理して、排出口24へと搬送することができる。解繊部20を通過した解繊物は、管3を介して、分級部30に移送される。
なお、管3にはブロワー38が設けられている。ブロワー38は、気流を生じさせる。係る気流は、解繊部20からの解繊物を分級部30に移送するとともに、分級部30における旋回気流をバランスさせる気流の一部となる。
分級部30は、解繊部20を通過した解繊物を分級する。具体的には、分級部30は、解繊物の中で比較的小さいものや密度の低いもの(樹脂粒や色材や添加剤など)を分離して除去する。これにより、解繊物の中で比較的大きいもしくは密度の高いものである繊維の占める割合を高めることができる。
分級部30としては、気流式分級機を用いる。気流式分級機は、旋回気流を発生させ、分級されるもののサイズと密度とにより受ける遠心力の差によって分離するものであり、気流の速度および遠心力の調整によって、分級点を調整することができる。具体的には、分級部30としては、サイクロン、エルボージェット、エディクラシファイヤーなどを用いる。特に図示のようなサイクロンは、構造が簡単であるため、分級部30として好適に用いることができる。
分級部30は、例えば、導入口31と、導入口31が接続された円筒部32と、円筒部32の下方に位置し円筒部32と連続している逆円錐部33と、逆円錐部33の下部中央に設けられている下部排出口34と、円筒部32上部中央に設けられている上部排出口35と、を有している。
分級部30において、導入口31から導入された解繊物をのせた気流は、円筒部32で円周運動に変わる。これにより、導入された解繊物には遠心力がかかり、分級部30は、解繊物のうちで樹脂粒やインク粒よりも大きく密度の高い繊維(第1分級物)と、解繊物のうちで繊維よりも小さく密度の低い樹脂粒や色材や添加剤など(第2分級物)と、に分離することができる。
第1分級物は、下部排出口34から排出され、管4を介して、選別部40に導入される。一方、第2分級物は、上部排出口35から管5を介して捕集部106に排出される。本明細書では、原料からシートになるまでの間に除去される物質という意味で、第2分級物のことを「除去物」と称することがある。
捕集部106は、除去物を捕集するフィルター106Fを備えている。また、分級部30の上部排出口35から捕集部106へ至る管5にはブロワー37が設けられている。すなわち、管5の終端(管5において、分級部30からブロワー37を経た端部)に捕集部106が設けられている。フィルター106Fは、分級部30の上部排出口35から排出された除去物を含む気流を通過させ、除去物を捕集して気体を透過させる。したがって、ブロワー37は、分級部30の内部の除去物を含む気体を吸引する吸引部104とみなすことができる。
ブロワー37は、分級部30からの除去物を捕集部106へ移送するとともに、分級部30における旋回気流をバランスさせる気流の一部を形成する。ブロワー37による気流の強さ(流速、流量)については、後述する。また、ブロワー37及び捕集部106は、図示の例では分級部30から管5に沿ってこの順で設置されているが、分級部30から管5に沿って捕集部106及びブロワー37の順であってもよい。
分級部30の下部排出口34から、選別部40に至る管4には、ブロワー39が設けられている。ブロワー39は、分級部30からの第1分級物を選別部40に移送するとともに、分級部30における旋回気流をバランスさせる気流の一部を形成する。
選別部40は、分級部30を通過した第1分級物を導入口42から導入し、繊維の長さによって選別する。選別部40としては、例えば、篩(ふるい)を用いる。選別部40は、網(フィルター、スクリーン)を有し、第1分級物に含まれる、網の目開きの大きさより小さい繊維または粒子(網を通過するもの、第1選別物)と、網の目開きの大きさより大きい繊維や未解繊片やダマ(網を通過しないもの、第2選別物)と、を分けることができる。例えば、第1選別物は、ホッパー6で受けてから管7を介して、混合部50に移送される。第2選別物は、排出口44から管8を介して、解繊部20に戻される。具体的には、選別部40は、モーターによって回転することができる円筒の篩である。選別部40の網は、例えば、金網、切れ目が入った金属板を引き延ばしたエキスパンドメタル、金属板にプレス機等で穴を形成したパンチングメタルを用いる。
混合部50は、選別部40を通過した第1選別物と、樹脂を含む添加物と、を混合する。混合部50は、添加物を供給する添加物供給部52と、選別物と添加物とを搬送する管54と、ブロアー56と、を有している。図示の例では、添加物は、添加物供給部52からホッパー53を介して管54に供給される。管54は、管7と兼用されている。
混合部50では、ブロアー56によって気流を発生させ、管54中において、第1選別物と添加物とを混合させながら、搬送することができる。なお、第1選別物と添加物とを混合させる機構は、特に限定されず、高速回転する羽根により攪拌するものであってもよいし、V型ミキサーのように容器の回転を利用するものであってもよい。
添加物供給部52としては、図1に示すようなスクリューフィーダーや、図示せぬディスクフィーダーなどを用いる。添加物供給部52から供給される添加物は、複数の繊維を結着させるための樹脂を含む。樹脂が供給された時点では、複数の繊維は結着されていない。樹脂は、シート形成部80を通過する際に溶融して、複数の繊維を結着させる。
添加物供給部52から供給される樹脂は、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂であり、例えば、AS樹脂、ABS樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、などである。これらの樹脂は、単独または適宜混合して用いてもよい。添加物供給部52から供給される添加物は、繊維状であってもよく、粉末状であってもよい。
なお、添加物供給部52から供給される添加物には、繊維を結着させる樹脂の他、製造されるシートの種類に応じて、繊維を着色するための着色剤や、繊維の凝集を抑制するための凝集抑制剤、繊維等が燃えにくくするための難燃剤が含まれていてもよい。混合部50を通過した混合物(第1選別物と添加物との混合物)は、管54を介して、堆積部60に移送される。
堆積部60は、混合部50を通過した混合物を導入口62から導入し、絡み合った解繊物(繊維)をほぐして、空気中で分散させながら降らせる。さらに、堆積部60は、添加物供給部52から供給される添加物の樹脂が繊維状である場合、絡み合った樹脂をほぐす。これにより、堆積部60は、ウェブ形成部70に、混合物を均一性よく堆積させることができる。
堆積部60としては、回転する円筒の篩を用いる。堆積部60は、網を有し、混合部50を通過した混合物に含まれる、網の目開きの大きさより小さい繊維または粒子(網を通過するもの)を降らせる。堆積部60の構成は、例えば、選別部40の構成と同じである。
なお、堆積部60の「篩」は、特定の対象物を選別する機能を有していなくてもよい。すなわち、堆積部60として用いられる「篩」とは、網を備えたもの、という意味であり、堆積部60は、堆積部60に導入された混合物の全てを降らしてもよい。
ウェブ形成部70は、堆積部60を通過した通過物を堆積して、ウェブWを形成する。ウェブ形成部70は、例えば、メッシュベルト72と、張架ローラー74と、サクション機構76と、を有している。
メッシュベルト72は、移動しながら、堆積部60の開口(網の開口)を通過した通過物を堆積する。メッシュベルト72は、張架ローラー74によって張架され、通過物を通しにくく空気を通す構成となっている。メッシュベルト72は、張架ローラー74が回転することによって移動する。メッシュベルト72が連続的に移動しながら、堆積部60を通過した通過物が連続的に降り積もることにより、メッシュベルト72上にウェブWが形成される。メッシュベルト72は、例えば、金属製、樹脂製、布製、あるいは不織布等である。
サクション機構76は、メッシュベルト72の下方(堆積部60側とは反対側)に設けられている。すなわち、メッシュベルト72の搬送面(ウェブWが堆積されて搬送される側の面)に対して一方側に堆積部60が配置され、他方側にサクション機構76が配置されている。サクション機構76は、下方に向く気流(堆積部60からメッシュベルト72に向く気流)を発生させることができる。サクション機構76によって、堆積部60により空気中に分散された混合物をメッシュベルト72上に吸引することができる。これにより、堆積部60からの排出速度を大きくすることができる。さらに、サクション機構76によって、混合物の落下経路にダウンフローを形成することができ、落下中に解繊物や添加物が絡み合うことを防ぐことができる。
サクション機構76は、堆積部60を通過した気流(空気)及びメッシュベルト72に堆積されなかった繊維や添加物等(除去物)を系外へ排出する。管9にはブロワー77が設けられ、当該ブロワー77によって形成される気流により、サクション機構76の内部が吸引され、空気及び除去物を系外へ排出する。なお、本明細書では、原料からシートになるまでの間に除去される物質という意味で、サクション機構76によって除去される物質(繊維、樹脂、添加物等)のことを「除去物」と称することがある。
また、管9には捕集部107が設けられている。捕集部107は、除去物を捕集するフィルター107Fを備えている。すなわち、管9の途中(管9において、サクション機構76とブロワー77との間)に捕集部107が設けられている。フィルター107Fは、サクション機構76からの除去物を含む気流を通過させ、除去物を捕集して気体を透過させる。ブロワー77は、サクション機構76からの除去物を捕集部107へ移送する気流を発生させる。したがって、管9、ブロワー77は、除去物を含む気体を吸引する吸引部104とみなすことができる。ブロワー77による気流の強さ(流速、流量)については、後述する。また、捕集部107及びブロワー77は、図示の例ではサクション機構76から管9に沿ってこの順で設置されているが、サクション機構76から管9に沿ってブロワー77及び捕集部107の順であってもよい。
以上のように、堆積部60およびウェブ形成部70(ウェブ形成工程)を経ることにより、空気を多く含み柔らかくふくらんだ状態のウェブWが形成される。メッシュベルト72に堆積されたウェブWは、シート形成部80へと搬送される。
なお、図示の例では、ウェブWを調湿する調湿部78が設けられている。調湿部78は、ウェブWに対して水や水蒸気を添加して、ウェブWと水との量比を調節することができる。
シート形成部80は、メッシュベルト72に堆積したウェブWを加圧加熱してシートSを成形する。シート形成部80では、ウェブWにおいて混ぜ合された解繊物および添加物の混合物に、熱を加えることにより、混合物中の複数の繊維を、互いに添加物(樹脂)を介して結着することができる。
シート形成部80としては、例えば、加熱ローラー(ヒーターローラー)、熱プレス成形機、ホットプレート、温風ブロワー、赤外線加熱器、フラッシュ定着器を用いる。図示の例では、シート形成部80は、第1結着部82と第2結着部84とを備え、結着部82,84がそれぞれ一対の加熱ローラー86を備えている。結着部82,84を加熱ローラー86として構成したことにより、結着部82,84を板状のプレス装置(平板プレス装置)として構成した場合に比べて、ウェブWを連続的に搬送しながらシートSを成形することができる。なお、加熱ローラー86の数は、特に限定されない。
切断部90は、シート形成部80によって成形されたシートSを切断する。図示の例では、切断部90は、シートSの搬送方向と交差する方向にシートSを切断する第1切断部92と、搬送方向に平行な方向にシートSを切断する第2切断部94と、を有している。第2切断部94は、例えば、第1切断部92を通過したシートSを切断する。
以上により、所定のサイズの単票のシートSが成形される。切断された単票のシートSは、排出部96へと排出される。排出部96は、処理部145に対して製造されたシートSの枚数に関する情報(信号)を送出してもよい。
1.2.制御部
図2は、制御部140の機能ブロックを模式的に示している。制御部140は、図2に示すように、操作部141と、出力部142と、記憶部143と、記憶媒体144と、処理部145と、を有している。
操作部141は、ユーザーによる操作に応じた操作信号を取得し、処理部145に信号を送る処理を行う。操作部141は、例えば、ボタン、キー、タッチパネル型ディスプレイ、マイクなどである。
出力部142は、処理部145から入力される信号に基づいて、処理部145の処理結果等を表示する表示部である。出力部142は、例えば、処理部145の処理結果を文字、光、音等で出力する。出力部142は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)、タッチパネル型ディスプレイなどである。
記憶部143は、処理部145が各種の制御処理を行うためのプログラムやデータ等を記憶している。記憶部143は、さらに、処理部145の作業領域として用いられてもよい。また、記憶部143は、操作部141から入力された操作信号、記憶媒体144等から読み出されたプログラムやデータ、処理部145が各種プログラムに従って実行した結果や各種のテーブル等を記憶する。
記憶媒体144は、各種のアプリケーションプログラムやデータを記憶するための、コンピューター読み取り可能な記憶媒体である。なお、当該プログラムは、ホスト装置(サーバー)が有する情報記憶媒体からネットワーク等を介して記憶媒体144(記憶部143)に配信されてもよい。記憶媒体144は、処理部145の処理により生成されるデータのうち、長期的な保存が必要なデータを記憶する記憶部としても機能してもよい。記憶媒体144は、例えば、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、メモリー(ROM、フラッシュメモリーなど)により実現される。
また、図示しないが、制御部140は、クロック等の計時手段を有しており、例えば、シート製造装置100の稼働時間に関する情報や、稼働開始時刻、停止時刻等のタイマーに関する情報を、処理部145に対して提供することができる。
処理部145は、記憶部143に記憶されているプログラムや記憶媒体144に記憶されているプログラムに従って、各種の制御処理を行う。また、処理部145は、記憶部143に記憶されているデータや記憶媒体144に記憶されているデータを呼び出して各種の演算処理を行う。さらに、処理部145は、各センサー(風量計等)からの情報、及び/又は、操作部141からの情報を取得して各種の演算処理を行う。さらに、処理部145は、これらの演算結果に従って、記憶部143にデータを記憶させること、出力部142にデータを表示させること、及び、上述の各構成を駆動するモーターの起動、停止、回転数を変更すること、の少なくとも一つを行う。
従って、図2に示すように、処理部145は、例えば、吸引部104のブロワーのモーターの回転数を変更することによって、吸引部104の吸引力を変更する変更部とみなすことができる。また、処理部145は、例えば、管路に設置された風量計等の情報(信号)、操作部141からの入力情報、計時手段からの情報等を取得する取得部とみなすことができる。そのため、例えば、処理部145は、ブロワー37、ブロワー77の少なくとも一方の回転数を制御し、各吸引部104の吸引力を増大させることや減少させることができる。さらに、処理部145は、風量計等の計測結果を取得して、係る結果に基づいて各種の制御処理を行うことができる。
処理部145は、各ブロワーを駆動するモーターの回転数を電気的に制御することができる。係るモーターは、電流、電圧、周波数等いずれの手法によって制御されてもよい。処理部145は、例えば、各ブロワーのモーターを駆動する電源回路に接続され、係る回路に制御信号を送ることにより、モーターの回転数を変更することができる。処理部145は、吸引部104を構成するブロワー37及びブロワー77をそれぞれ制御することができ、これにより吸引部104の吸引力を変更することができる。なお、本願において、モーターの回転数とは、回転回数のことではなく、回転速度である。つまり、回転数とは、単位時間あたりの回転回数を意味する。
本実施形態では、処理部145は、例えば、第1〜第6制御処理を行う。処理部145の機能は、各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハ
ードウェアや、プログラムにより実現できる。なお、処理部145の少なくとも一部をハードウェア(専用回路)で実現してもよい。
1.3.その他の構成
シート製造装置100は、各管(流路)の内部を流れる気体(材料とともに移動する気体)の流量(風量)や流速(風速)を計測するセンサーとして風量計を備えている。すなわち、シート製造装置100は、分級部30の導入口31に接続する管3に設けられた風量計131、分級部30の上部排出口35に接続する管5に設けられた風量計132、分級部30の下部排出口34に接続する管4に設けられた風量計133、及び、サクション機構76に接続する管9に設けられた風量計134を備えている。各風量計の態様は、各管内の風量や風速を計測できるかぎり任意である。なお、これらの風量計のうち、少なくとも一つを有していればよい。また、各管における風量計の設置される位置は特に限定されず、例えば、ブロワーに対して気流の上流側、下流側のいずれでもよい。
風量計131、132、133、134は、それぞれ設置された管3、5、4、9内の気流の風量(風速)に関する信号を、図示しない配線等を通じて処理部145へ提供することができる。
また、図示しないが、捕集部106、捕集部107は、フィルター106F、フィルター107Fに捕集された除去物の回収量を測定するセンサーを備えてもよい。そのようなセンサーとしては、変位センサー、光センサー、重量センサー等であり、計測値を除去物の回収量に関連する情報として処理部145に提供してもよい。
さらに、図示しないが、本実施形態のシート製造装置100は、給紙される古紙の坪量、紙種、印字Duty等を測定可能なセンサーを有してもよい。そのようなセンサーとしては、光センサー、スキャナー等であり、測定された情報を除去物の回収量に関する情報として処理部145に提供してもよい。
1.4.分級部の動作
上述の通り、分級部30は、例えばサイクロンである。以下、分級部30がサイクロンである場合について、その動作を説明する。サイクロンは、内部に発生する気流の作用により物質を分離するが、係る気流は、主にサイクロンに接続された管3、管5、管4にそれぞれ設けられたブロワー38、ブロワー37、ブロワー39によって発生される。サイクロン内に気流を発生させるブロワーの数や位置は、特に限定されない。また、ブロワー38及びブロワー39は、いずれか一方でもよい。サイクロンは、サイクロンに送り込まれる気流によって動作されても、サイクロンから排出される気流によって動作されてもよい。
サイクロンの内部に発生される気流は、接続された管の位置やブロワーの能力に従って変化する。サイクロン内部の気流は、除去物をムラ無く分離するためにはできるだけ強度等が変動しないことが好ましい。サイクロン内部の気流は、接続されたブロワーの能力に応じて風量、風速が変化する。さらに、サイクロン内に発生する気流の強度は、サクション機構76を吸引する管9に設けられたブロワー77の能力にも依存して変化する。
このように、サイクロン中の気流は、複数のブロワーによって風量や風速が変化するため、サイクロンの分級能力を所定の範囲に維持するためには、それら複数のブロワーによって発生される気流のバランスを保つことが重要である。
ここで、上述したように、サイクロン(分級部30)の上部排出口35には、吸引部104が接続されており、フィルター106Fを備えた捕集部106によって除去物が捕集される。また、サクション機構76には、吸引部104が接続されており、フィルター107Fを備えた捕集部107によって除去物が捕集される。
これらの吸引部104のブロワーは、捕集部(フィルター)が接続されるため、係るフィルターに除去物が捕集され、捕集量が増えることにより、除去物を含む空気がフィルターを通過するための抵抗が増大しやすい。換言すると、フィルターの除去物の捕集量が増えると、圧力損失(圧損)が大きくなる。このような場合、吸引部104のブロワーの回転数が変化しなければ、吸引部104の吸引力が低下することになる。これらのブロワーによる吸引力の低下は、フィルターを含まない管に設けられたブロワーに比較してより早期に生じやすい。
このように、吸引部104の吸引力が低下すると、サイクロンにおける気流のバランスが崩れて、サイクロンの分級能力が変化してしまうことがある。本実施形態のシート製造装置100では、以下に説明する制御処理が行われることにより、サイクロンにおける気流のバランスを、より長期間にわたって所定の範囲に保つことができる。
1.5.シート製造装置の制御処理
1.5.1.第1制御処理
まず、第1制御処理について説明する。図3は、制御部140の第1制御処理を説明するためのフローチャートである。
第1制御処理は、シートを製造している際にモーターの回転数を変更する場合の処理である。前提として、シート製造装置100の各部は、シートを製造する際の処理に基づいて動作をしている。その一つの動作として、吸引部104のブロワー37を駆動するモーターは回転している。第1制御処理は、シートを製造している間に定期的に実行する。例えば10秒に一度とか、10分に一度などのように定期的な時間間隔で実行する。時間の間隔ではなく、供給部10から供給される原料(古紙)の給紙枚数、排出部96で受けるシートSの出力枚数をカウントし、10枚間隔とか100枚間隔などで定期的に実行してもよい。図3に示すように、処理部145が、風量計132、131、133の少なくとも一つから、風速に関する情報を取得する(S11)。そして、処理部145は、記憶部143に記憶された風速の目標値と、風量計から取得した風速との差を演算する(S12)。係る演算結果に基づいて、モーターの回転数のフィードバック(FB)値を演算する(S13)。FB値に基づいてモーターの回転数を設定する(S14)。これによって、設定された回転数でモーターを回転する。そして、処理部145は、設定した回転数及び/又は取得した風速値を、記憶部143に記憶(メモリー)させる(S15)。
シートを製造していると、フィルター106Fは徐々に目詰まりをするので、風速も徐々に低下する。風速の低下はフィルターで捕集された除去物が多いことを意味する。そこで、取得した風速値が風速の目標値よりも所定量減少したら、モーターの回転数を増大して速く回転させる。モーターの回転数を増大するということは、吸引力を増大することになる。つまり、処理部145は、フィルターで捕集された除去物が多いときのほうが少ない時よりも吸引部の吸引力を増大させている。
第1制御処理を行うことにより、シート製造装置を稼働させた際に、分級部30において、より長時間にわたって所定の風量を得ることができる。これにより、分級部30の安定した分級能力を長時間維持することができる。
1.5.2.第2制御処理
図4は、制御部140の第2制御処理を説明するためのフローチャートである。第2制御処理は、シート製造装置100を稼働する際に、モーター回転数を設定する場合の処理
である。
図4に示すように、装置を稼働させる際には、まず、装置が製造を停止している間に新しいフィルターに交換されたか又はフィルターがクリーニングされたかどうかを判定する(S31)。係る判定は、例えば、フィルターの抜き差しの検知結果や、操作部141からの入力によりクリーニングが行われたか否かに基づいて行われる。クリーニングが完了していない場合(装置停止の際のフィルターをそのまま使用する場合)(S31でNo)には、図3でメモリーした回転数を記憶部143から呼び出し(S32)、当該回転数に設定する(S33)。つまり、前回に装置を稼働したときのモーター回転数の条件でモーターを回転させることになる。一方、クリーニングが完了している場合(新しいフィルター又はクリーニングされたフィルターを使用する場合)(S31でYes)には、回転数を初期値に設定する(S34)。新しいフィルターやクリーニングされたフィルターを使用する場合は、フィルターの目詰まりは生じていないので、モーターの回転数は初期的に設定された初期値に設定する。フィルターの目詰まりが生じた場合は、モーターの回転数を増大させるので、初期値はモーターの回転数が最も低い(遅い)状態である。
第2制御処理を行うことにより、シート製造装置を再稼働する際に、装置の安定稼働状態を短時間で実現することができる。
1.5.3.第3制御処理
図5は、制御部140の第3制御処理を説明するためのフローチャートである。第3制御処理は、第1制御処理において、モーターの回転数が上限値に達する場合における処理である。
図5に示すように、処理部145が、風量計132、131、133の少なくとも一つから、風速に関する情報を取得する(S41)。そして、処理部145は、記憶部143に記憶された風速の目標値と、風量計から取得した風速との差を演算する(S42)。係る演算結果に基づいて、モーターの回転数のフィードバック(FB)値を演算する(S43)。
設定するモーターの回転数が、モーターの回転数の上限値よりも小さい場合(S44でNo)には、モーターの回転数を設定して(S47)、風速値と回転数を記憶(メモリー)する(S48)。一方、設定するモーターの回転数が、モーターの回転数の上限値以上である場合(S44でYes)には、処理部145は、モーターを停止させ(S45)、出力部142に警告表示をさせる(S46)。
フィルターに除去物が捕集されて、圧損が増大し、モーターの回転数を増大しても風速の増加の効果がない又は少ない場合に、第3制御処理を行い警告表示をすることで、フィルターのクリーニング(清掃)や交換をユーザーに促すことができる。なお、フィルターの目詰まりを検知してすぐにフィルターの交換を促さず、モーターの回転数を変更しているので、フィルターの交換頻度を少なくする効果も有する。
1.5.4.第4制御処理
図6は、制御部140の第4制御処理を説明するためのフローチャートである。第4制御処理は、シート製造装置100を稼働する際に、モーター回転数を設定する場合の処理である。
図6に示すように、装置を稼働させる際には、まず、装置が製造を停止している間に新しいフィルターに交換されたか又はフィルターがクリーニングされたかどうかを判定する(S51)。係る判定は、例えば、フィルターの抜き差しの検知結果や、操作部141か
らの入力によりクリーニングが行われたか否かに基づいて行われる。クリーニングが完了している場合(新しいフィルター又はクリーニングされたフィルターを使用する場合)(S51でYes)には、回転数を初期値に設定する(S57)。新しいフィルターやクリーニングされたフィルターを使用する場合は、フィルターの目詰まりは生じていないので、モーターの回転数は初期的に設定された初期値に設定する。フィルターの目詰まりが生じた場合は、モーターの回転数を増大させるので、初期値はモーターの回転数が最も低い(遅い)状態である。
クリーニングが完了していない場合(装置停止の際のフィルターをそのまま使用する場合)(S51でNo)には、図3でメモリーした回転数を記憶部143から呼び出し(S52)、残り処理枚数を算出して、出力部142に表示させる(S53)。残り処理枚数は、例えば、フィルターが除去物を捕集してモーターの回転数の上限値となるまでに製造しうるシートSの枚数(製造量)であり、必要に応じて、操作部141から入力された情報や、記憶媒体144等に格納された各種のテーブルから呼び出された値を用いて算出される。そして残り処理枚数をユーザーに表示し、クリーニングを行うか否かを判定させる(S54)。ユーザーが残り処理枚数を参考して、クリーニングが必要と判断した場合(S54でYes)には、クリーニングを行って(S57)、クリーニングの判定(S51)に移行する。一方、ユーザーが残り処理枚数を参考して、クリーニングが不要と判断した場合(S54でNo)には、記憶部143から呼び出された回転数に設定(S55)する。
第4制御処理では、残り処理枚数の表示が行われるため、フィルターのクリーニングの要否を、ユーザーが任意のタイミングで判断することができる。したがって例えば、シート製造装置を無人稼働させる場合において、所望する枚数が残り処理枚数よりも多いときにクリーニングを行えば、所望の枚数を製造するまでに装置が停止してしまうことを避けることができる。
1.5.5.第5制御処理
図7は、制御部140の第5制御処理を説明するためのフローチャートである。第5制御処理は、第1制御処理の変形に相当し、風速に代えて除去物の回収量(捕集量)に基づいて行われる処理である。
図7に示すように、処理部145が、重量センサー等から、除去物の回収量に関する情報を取得する(S61)。そして、処理部145は、記憶部143に記憶された補正テーブルを参照し、取得した回収量に関する情報から、モーターの回転数のフィードバック(FB)値を算出する(S62)。FB値に基づいてモーターの回転数を設定する(S63)。これによって、設定された回転数でモーターを回転する。そして、処理部145は、設定した回転数及び/又は取得した回収量を、記憶部143に記憶(メモリー)させる(S64)。
シートを製造していると、フィルター106Fは徐々に目詰まりをするので、風速も徐々に低下する。風速の低下はフィルターで捕集された除去物が多いことを意味する。そこで、除去物の回収量に応じて、モーターの回転数を増大して速く回転させる。モーターの回転数を増大するということは、吸引力を増大することになる。つまり、処理部145は、フィルターで捕集された除去物が多いときのほうが少ない時よりも吸引部の吸引力を増大させている。
第5制御処理を行うことにより、新しいフィルター又はクリーニングされたフィルターを捕集部106にセットした状態で、シート製造装置を稼働させた際に、分級部30において、より長期間にわたって所定の風量を得ることができる。
1.5.6.第6制御処理
図8は、制御部140の第6制御処理を説明するためのフローチャートである。第6制御処理は、除去物の回収量の上限値に基づく処理である。
図8に示すように、処理部145が、重量センサー等から、除去物の回収量に関する情報を取得する(S71)。そして、処理部145は、記憶部143に記憶された補正テーブルを参照し、取得した回収量に関する情報から、モーターの回転数のフィードバック(FB)値を算出する(S72)。
回収量が、回収量の上限値よりも小さい場合(S73でNo)には、モーターの回転数を設定して(S76)、回収量と回転数を記憶(メモリー)する(S77)。一方、設定するモーターの回転数が、モーターの回転数の上限値以上である場合(S73でYes)には、処理部145は、モーターを停止させ(S74)、出力部142に警告表示をさせる(S75)。
フィルターに除去物が捕集(回収)されて、圧損が増大し、モーターの回転数を増大しても風速の増加の効果がない又は少ない場合に、第6制御処理を行い、警告表示をすることで、フィルターのクリーニング(清掃)や交換をユーザーに促すことができる。なお、フィルターの目詰まりを検知してすぐにフィルターの交換を促さず、モーターの回転数を変更しているので、フィルターの交換頻度を少なくする効果も有する。
第6制御処理を行うことで、フィルターに除去物が捕集されて、圧損が増大してゆく場合であっても、除去物の回収量が上限に達するまでの間、安定した風速を得ることができる。これにより、サイクロンにおける気流のバランスを、より長期間にわたって所定の範囲に保つことができる。また、除去物の回収量が上限に達したことを警告表示することで、フィルターのクリーニングや交換をユーザーに促すことができる。
1.5.7.その他の制御処理
上記の制御処理は、吸引部104として、分級部30の上部排出口35に接続されたブロワー37を制御することを例示したが、吸引部104として、サクション機構76に接続されたブロワー77を制御する場合にも適用することができる。
また、上記の制御処理では、風速や除去物の回収量に基づく例を示しているが、シート製造装置の稼働時間や供給部10から供給される原料(古紙)の給紙枚数、排出部96で受けるシートSの出力枚数の少なくとも一つを用いて制御してもよい。稼働時間、給紙枚数、出力枚数が多いほど、フィルターの目詰まりも多くなるため、これらも除去物の回収量に関連する情報と言える。そして、記憶部143に記憶した稼働時間、給紙枚数、出力枚数の少なくとも一つとモーターの回転数との相関を示すテーブルを用い、モーターの回転数のフィードバック制御を行ってもよい。この制御を行うと、風量計等のセンサー類が不要となり、より簡易な構成のシート製造装置を実現できる。
2.シート製造方法
本実施形態のシート製造方法は、繊維を含む原料の一部を用いてシートを製造するシート製造方法であって、原料のうちで、シートに使用されない除去物を吸引して除去すること、除去物をフィルターで捕集すること、フィルターで捕集された除去物が多いときのほうが少ない時よりも吸引の吸引力を増大させること、を含む。このようなシート製造方法は、上述のシート製造装置100により実現することができる。本実施形態のシート製造方法によれば、除去物を回収するフィルターの目詰まりが生じても、より長時間にわたって安定した性状のシートを製造することができる。
本発明は、本願に記載の特徴や効果を有する範囲で一部の構成を省略したり、各実施形態や変形例を組み合わせたりしてもよい。また本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1…ホッパー、2,3,4,5…管、6…ホッパー、7,8,9…管、10…供給部、12…粗砕部、14…粗砕刃、20…解繊部、22…導入口、24…排出口、30…分級部、31…導入口、32…円筒部、33…逆円錐部、34…下部排出口、35…上部排出口、37,38,39…ブロワー、40…選別部、42…導入口、44…排出口、50…混合部、52…添加物供給部、53…ホッパー、54…管、56…ブロアー、60…堆積部、62…導入口、70…ウェブ形成部、72…メッシュベルト、74…張架ローラー、76…サクション機構、77…ブロワー、78…調湿部、80…シート形成部、82…第1結着部、84…第2結着部、86…加熱ローラー、90…切断部、92…第1切断部、94…第2切断部、96…排出部、100…シート製造装置、102…製造部、104…吸引部、106,107…捕集部、106F,107F…フィルター、131,132,133,134…風量計、140…制御部、141…操作部、142…出力部、143…記憶部、144…記憶媒体、145…処理部

Claims (8)

  1. 繊維を含む原料の一部を用いてシートを製造する製造部と、
    前記原料のうちで、前記シートに使用されない除去物を吸引する吸引部と、
    前記除去物をフィルターで捕集する捕集部と、
    前記フィルターで捕集された前記除去物が多いときのほうが少ない時よりも前記吸引部の吸引力を増大させる変更部と、
    を備えることを特徴とする、シート製造装置。
  2. 前記製造部は、
    前記原料を乾式解繊して解繊物を生成する解繊部と、
    前記解繊物を気流により分級するサイクロンと、
    前記サイクロンの下部から排出された排出物を用いてシートを形成する形成部と、
    を備え、
    前記吸引部は前記サイクロンの上部に連通することを特徴とする、請求項1に記載のシート製造装置。
  3. 前記製造部は、
    前記原料を乾式解繊して解繊物を生成する解繊部と、
    移動するベルトに前記解繊物を堆積させる堆積部と、
    堆積したウェブを用いてシートを形成する形成部と、
    を備え、
    前記ベルトの搬送面に対して一方側に前記堆積部を配置し、他方側に前記吸引部を配置することを特徴とする、請求項1に記載のシート製造装置。
  4. 前記除去物の回収量に関連する情報の取得を行う取得部を備えることを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のシート製造装置。
  5. 前記取得部は、前記吸引部に連通する流路、又は、前記サイクロンに連結する複数の流路の少なくとも一つの流路に配置され、当該流路内の風速に関する情報の測定を行うセンサーからの情報を取得することを特徴とする、請求項4に記載のシート製造装置。
  6. 前記取得部は、前記シート製造装置の稼働時間、前記シートの製造量、前記原料の供給量のうち少なくとも一つの情報を取得することを特徴とする、請求項4に記載のシート製造装置。
  7. 前記フィルターの清掃または交換を促す表示部を有することを特徴とする、請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のシート製造装置。
  8. 繊維を含む原料の一部を用いてシートを製造するシート製造方法であって、
    前記原料のうちで、前記シートに使用されない除去物を吸引して除去すること、
    前記除去物をフィルターで捕集すること、
    前記フィルターで捕集された前記除去物が多いときのほうが少ない時よりも前記吸引の吸引力を増大させること、
    を含む、シート製造方法。
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