JP6569253B2 - シート製造装置およびシート製造方法 - Google Patents

シート製造装置およびシート製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、シート製造装置およびシート製造方法に関する。
従来、古紙などの原料を再生紙にリサイクルする紙再生装置が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2012−144819号公報
従来の紙再生装置では、ユーザーは必要な枚数の再生紙ができるまでの製造終了時間を事前に知ることができず、利便性に欠けていた。
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
(1)本発明に係るシート製造装置の一態様は、繊維を含む原料を用いてシートを製造するシート製造装置であって、製造するシートの量の入力と、製造を完了させる完了時間の入力とを受け付ける受付部を有し、前記量のシートを前記完了時間までに製造する。
ここで、「シートの量」とは、単票シートの枚数や、連続シートの長さを含む。また、「時間」とは、日時や時刻、現在時刻からの相対時間を含む。また、実際に製造するシート量は、少なくとも入力されたシート量であればよい(入力されたシート量よりも多い量のシートを製造してもよい)。
このようなシート製造装置では、ユーザーが必要とする量のシートを必要とする時間までに提供することができ、利便性を向上することができる。
(2)本発明に係るシート製造装置において、前記量のシートを製造するのに要する時間を取得し、当該時間と前記完了時間とに基づいて製造開始時間を決定し、当該製造開始時間にシートの製造を開始させる制御部を更に有してもよい。
このようなシート製造装置では、ユーザーが必要とする量のシートを必要とする時間までに提供することができ、利便性を向上することができる。
(3)本発明に係るシート製造装置において、前記受付部は、製造するシートの種別の入力を受け付け、前記制御部は、前記種別の前記量のシートを製造するのに要する時間を取得し、当該時間と前記完了時間とに基づいて製造開始時間を決定し、当該製造開始時間にシートの製造を開始させてもよい。
ここで、「シートの種別」とは、シートの厚さ(坪量)や、単票シートのサイズを含む。
このようなシート製造装置では、ユーザーが必要とする種別のシートを必要とする量だけ必要とする時間までに提供することができる。
(4)本発明に係るシート製造装置において、前記制御部は、少なくとも前記製造開始時間を含む情報を出力部から出力させてもよい。
ここで、「出力部から出力させる」とは、表示部(ディスプレイ)に出力する場合や、通信部からネットワークを介して外部機器に送信する場合を含む。また、「少なくとも前記製造開始時間を含む情報」は、入力が受け付けられたことを表す情報を含む。
このようなシート製造装置では、製造開始時間をユーザー等に知らせることができる。
(5)本発明に係るシート製造装置の一態様は、繊維を含む原料を用いてシートを製造するシート製造装置であって、製造するシートの量の入力と、製造を開始させる開始時間の入力とを受け付ける受付部と、前記開始時間に前記量のシートの製造を開始させる制御部とを有する。
このようなシート製造装置では、ユーザーが所望する時間から製造を開始して必要とする量のシートを提供することができ、利便性を向上することができる。
(6)本発明に係るシート製造装置において、前記制御部は、前記量のシートを製造するのに要する時間を取得し、当該時間と前記開始時間とに基づいて製造完了時間を決定し、当該製造完了時間を出力部から出力させてもよい。
このようなシート製造装置では、製造完了時間をユーザー等に知らせることができ、また、ユーザー等は、製造開始時間を見直して再設定することができる。
(7)本発明に係るシート製造装置において、前記原料の量を検出する原料検出部を更に有し、前記制御部は、前記原料検出部の検出結果に基づいて前記シート製造装置で製造可能なシートの第1の量を取得し、当該第1の量と前記入力された量とを比較し、前記第1の量が前記入力された量よりも小さいことを表す情報を出力部から出力させてもよい。
ここで、「原料の量」とは、原料である単票シートの枚数や重量、粗粉砕された原料の重量を含む。また、「前記第1の量が前記入力された量よりも小さいことを表す情報」は、原料が不足していることを表す情報、原料の補充を要求することを表す情報、前記第1の量を表す情報、入力が受け付けられないことを表す情報を含む。
このようなシート製造装置では、入力された量のシートを製造するのに必要な原料が不足していることをユーザー等に知らせることができる。
(8)本発明に係るシート製造装置において、前記原料に添加剤を添加する添加部と、前記添加剤の残量を検出する残量検出部とを更に有し、前記制御部は、前記残量検出部の検出結果に基づいて前記シート製造装置で製造可能なシートの第2の量を取得し、前記第1の量と前記第2の量と前記入力された量とを比較し、前記第1の量又は前記第2の量が前記入力された量よりも小さいことを表す情報を前記出力部から出力させてもよい。
ここで、「前記第1の量又は前記第2の量が前記入力された量よりも小さいことを表す情報」は、原料が不足していることを表す情報、原料の補充を要求することを表す情報、前記第1の量を表す情報、添加剤が不足していることを表す情報、添加剤の補充を要求することを表す情報、前記第2の量を表す情報、入力が受け付けられないことを表す情報を
含む。
また、「前記第1の量と前記第2の量と前記入力された量とを比較」とは、第1の量と入力された量との比較、第2の量と入力された量との比較、第1の量及び第2の量のいずれか小さい方と入力された量との比較を含む。
このようなシート製造装置では、入力された量のシートを製造するのに必要な原料や添加剤が不足していることをユーザー等に知らせることができる。
(9)本発明に係るシート製造装置において、前記原料のうち前記シートの製造に使われなかった少なくとも一部を収容する収容部と、前記収容部に収容できる量を検出する収容量検出部とを更に有し、前記制御部は、前記収容量検出部の検出結果に基づいて前記シート製造装置で製造可能なシートの第3の量を取得し、前記第1の量と前記第2の量と前記第3の量と前記入力された量とを比較し、前記第1の量又は前記第2の量又は前記第3の量が前記入力された量よりも小さいことを表す情報を前記出力部から出力させてもよい。
ここで、「前記第1の量又は前記第2の量又は前記第3の量が前記入力された量よりも小さいことを表す情報」は、原料が不足していることを表す情報、原料の補充を要求することを表す情報、前記第1の量を表す情報、添加剤が不足していることを表す情報、添加剤の補充を要求することを表す情報、前記第2の量を表す情報、除去物の収容可能容量が不足していることを表す情報、収容部の清掃や交換を要求することを表す情報、前記第3の量を表す情報、入力が受け付けられないことを表す情報を含む。
また、「前記第1の量と前記第2の量と前記第3の量と前記入力された量とを比較」とは、第1の量と入力された量との比較、第2の量と入力された量との比較、第3の量と入力された量との比較、第1の量、第2の量及び第3の量のいずれか小さい方と入力された量との比較を含む。
このようなシート製造装置では、入力された量のシートを製造するのに必要な原料や添加剤が不足していること、及び色材等の除去物の収容可能容量が不足していることをユーザー等に知らせることができる。
(10)本発明に係るシート製造方法の一態様は、繊維を含む原料を用いてシートを製造するシート製造方法であって、製造するシートの量の入力と、製造を完了させる完了時間の入力とを受け付ける受付工程を有し、前記量のシートを前記完了時間までに製造する。
このようなシート製造方法では、ユーザーが必要とする量のシートを必要とする時間までに提供することができ、利便性を向上することができる。
(11)本発明に係るシート製造方法の一態様は、繊維を含む原料を用いてシートを製造するシート製造方法であって、製造するシートの量の入力と、製造を開始させる開始時間の入力とを受け付ける受付工程と、前記開始時間に前記量のシートの製造を開始させる制御工程とを有する。
このようなシート製造方法では、ユーザーが所望する時間から製造を開始して必要とする量のシートを提供することができ、利便性を向上することができる。
本実施形態に係るシート製造装置を模式的に示す図である。 本実施形態に係るシート製造装置の機能ブロック図である。 表示部に表示される表示画面の第1の例を示す図である。 表示部に表示される表示画面の第2の例を示す図である。 表示部に表示される表示画面の第3の例を示す図である。 表示部に表示される表示画面の第4の例を示す図である。 図3〜図6に示す表示画面から遷移する表示画面の一例を示す図である。 図3〜図6に示す表示画面から遷移する表示画面の一例を示す図である。 図3〜図6に示す表示画面から遷移する表示画面の一例を示す図である。 本実施形態に係るシート製造装置における処理の一例を示すフローチャートである。 本実施形態に係るシート製造装置における処理の一例を示すフローチャートである。 湿式のシート製造装置に適用した場合に、表示部に表示される表示画面の一例を示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.構成
まず、本実施形態に係るシート製造装置について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係るシート製造装置100を模式的に示す図である。
シート製造装置100は、図1に示すように、供給部10と、製造部102と、制御部140と、を備える。製造部102は、シートを製造する。製造部102は、粗砕部12と、解繊部20と、分級部30と、選別部40と、第1ウェブ形成部45と、混合部50と、堆積部60と、第2ウェブ形成部70と、シート形成部80と、切断部90と、を有している。
供給部10は、粗砕部12に原料を供給する。供給部10は、例えば、粗砕部12に原料を連続的に投入するための自動投入部である。供給部10によって供給される原料は、繊維を含む単票の材料であり、例えば、古紙やパルプシートなどの繊維を含むものである。供給部10は、単票の材料を複数格納し、格納した材料を1枚ずつ外部に繰り出す機構を備える。また、供給部10は、積載された原料の量を検出する原料検出部(図示省略)を備える。
粗砕部12は、供給部10によって供給された原料を、空気中で裁断して細片にする。細片の形状や大きさは、例えば、数cm角の細片である。図示の例では、粗砕部12は、粗砕刃14を有し、粗砕刃14によって、投入された原料を裁断することができる。粗砕部12としては、例えば、シュレッダーを用いる。粗砕部12によって裁断された原料は、ホッパー1で受けてから管2を介して、解繊部20に移送(搬送)される。
解繊部20は、粗砕部12によって裁断された原料を解繊する。ここで、「解繊する」とは、複数の繊維が結着されてなる原料(被解繊物)を、繊維1本1本に解きほぐすことをいう。解繊部20は、原料に付着した樹脂粒やインク、トナー、にじみ防止剤等の物質を、繊維から分離させる機能をも有する。
解繊部20を通過したものを「解繊物」という。「解繊物」には、解きほぐされた解繊物繊維の他に、繊維を解きほぐす際に繊維から分離した樹脂(複数の繊維同士を結着させるための樹脂)粒や、インク、トナーなどの色剤や、にじみ防止材、紙力増強剤等の添加剤を含んでいる場合もある。解きほぐされた解繊物の形状は、ひも(string)状や平ひも(ribbon)状である。解きほぐされた解繊物は、他の解きほぐされた繊維と絡み合っていない状態(独立した状態)で存在してもよいし、他の解きほぐされた解繊物と絡み合って塊状となった状態(いわゆる「ダマ」を形成している状態)で存在してもよい。
解繊部20は、大気中(空気中)において乾式で解繊を行う。具体的には、解繊部20としては、インペラーミルを用いる。解繊部20は、原料を吸引し、解繊物を排出するような気流を発生させる機能を有している。これにより、解繊部20は、自ら発生する気流によって、導入口22から原料を気流と共に吸引し、解繊処理して、解繊物を排出口24へと搬送することができる。解繊部20を通過した解繊物は、管3を介して、分級部30に移送される。
分級部30は、解繊部20を通過した解繊物を分級する。具体的には、分級部30は、解繊物の中で比較的小さいものや密度の低いもの(樹脂粒や色剤や添加剤など)を分離して除去する。これにより、解繊物の中で比較的大きいもしくは密度の高いものである繊維の占める割合を高めることができる。
分級部30としては、気流式分級機を用いる。気流式分級機は、旋回気流を発生させ、分級されるもののサイズと密度とにより受ける遠心力の差によって分離するものであり、気流の速度および遠心力の調整によって、分級点を調整することができる。具体的には、分級部30としては、サイクロン、エルボージェット、エディクラシファイヤーなどを用いる。特に図示のようなサイクロンは、構造が簡便であるため、分級部30として好適に用いることができる。
分級部30は、例えば、導入口31と、導入口31が接続された円筒部32と、円筒部32の下方に位置し円筒部32と連続している逆円錐部33と、逆円錐部33の下部中央に設けられている下部排出口34と、円筒部32上部中央に設けられている上部排出口35と、を有している。
分級部30において、導入口31から導入された解繊物をのせた気流は、円筒部32で円周運動に変わる。これにより、導入された解繊物には遠心力がかかり、分級部30は、解繊物のうちで樹脂粒やインク粒よりも大きく密度の高い繊維(第1分級物)と、解繊物のうちで繊維よりも小さく密度の低い樹脂粒や色剤や添加剤など(第2分級物)と、に分離することができる。第1分級物は、下部排出口34から排出され、管4を介して、選別部40に導入される。一方、第2分級物(原料のうちシートの製造に使われなかったもの)は、上部排出口35から管5を介して収容部36に排出される。収容部36は、分級部30で分離された第2分級物を導入口37から導入し、第2分級物を収容する。収容部36は、収容部36に収容できる量を検出する収容量検出部(図示省略)を備える。
選別部40は、分級部30を通過した第1分級物(解繊部20により解繊された解繊物)を導入口42から導入し、繊維の長さによって選別する。選別部40としては、例えば、篩(ふるい)を用いる。選別部40は、網(フィルター、スクリーン)を有し、第1分級物に含まれる、網の目開きの大きさより小さい繊維または粒子(網を通過するもの、第1選別物)と、網の目開きの大きさより大きい繊維や未解繊片やダマ(網を通過しないもの、第2選別物)と、を分けることができる。例えば、第1選別物は、ホッパー6で受けてから管7を介して、混合部50に移送される。第2選別物は、排出口44から管8を介
して、解繊部20に戻される。具体的には、選別部40は、モーターによって回転することができる円筒の篩である。選別部40の網としては、例えば、金網、切れ目が入った金属板を引き延ばしたエキスパンドメタル、金属板にプレス機等で穴を形成したパンチングメタルを用いる。
第1ウェブ形成部45は、選別部40を通過した第1選別物を、混合部50に搬送する。第1ウェブ形成部45は、メッシュベルト46と、張架ローラー47と、吸引部(サクション機構)48と、を含む。
吸引部48は、選別部40の開口(網の開口)を通過して空気中に分散された第1選別物をメッシュベルト46上に吸引することができる。第1選別物は、移動するメッシュベルト46上に堆積し、ウェブVを形成する。メッシュベルト46、張架ローラー47および吸引部48の基本的な構成は、後述する第2ウェブ形成部70のメッシュベルト72、張架ローラー74およびサクション機構76と同様である。
ウェブVは、選別部40および第1ウェブ形成部45を経ることにより、空気を多く含み柔らかくふくらんだ状態に形成される。メッシュベルト46に堆積されたウェブVは、管7へ投入され、混合部50へと搬送される。
混合部50は、選別部40を通過した第1選別物(第1ウェブ形成部45により搬送された第1選別物)と、樹脂を含む添加物(添加剤)と、を混合する。混合部50は、添加物を供給する添加物供給部52(添加部)と、第1選別物と添加物とを搬送する管54と、ブロアー56と、を有している。図示の例では、添加物は、添加物供給部52からホッパー9を介して管54に供給される。管54は、管7と連続している。
混合部50では、ブロアー56によって気流を発生させ、管54中において、第1選別物と添加物とを混合させながら、搬送することができる。なお、第1選別物と添加物とを混合させる機構は、特に限定されず、高速回転する羽根により攪拌するものであってもよいし、V型ミキサーのように容器の回転を利用するものであってもよい。
添加物供給部52としては、図1に示すようなスクリューフィーダーや、図示せぬディスクフィーダーなどを用いる。添加物供給部52から供給される添加物は、複数の繊維を結着させるための樹脂を含む。樹脂が供給された時点では、複数の繊維は結着されていない。樹脂は、シート形成部80を通過する際に溶融して、複数の繊維を結着させる。添加物供給部52は、添加剤の残量を検出する残量検出部(図示省略)を備える。
添加物供給部52から供給される樹脂は、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂であり、例えば、AS樹脂、ABS樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、などである。これらの樹脂は、単独または適宜混合して用いてもよい。添加物供給部52から供給される添加物は、繊維状であってもよく、粉末状であってもよい。
なお、添加物供給部52から供給される添加物には、繊維を結着させる樹脂の他、製造されるシートの種類に応じて、繊維を着色するための着色剤や、繊維の凝集を防止するための凝集防止材、繊維等が燃えにくくするための難燃剤が含まれていてもよい。混合部50を通過した混合物(第1選別物と添加物との混合物)は、管54を介して、堆積部60に移送される。
堆積部60は、混合部50を通過した混合物を導入口62から導入し、絡み合った解繊物(繊維)をほぐして、空気中で分散させながら降らせる。さらに、堆積部60は、添加物供給部52から供給される添加物の樹脂が繊維状である場合、絡み合った樹脂をほぐす。これにより、堆積部60は、第2ウェブ形成部70に、混合物を均一性よく堆積させることができる。
堆積部60としては、回転する円筒の篩を用いる。堆積部60は、網を有し、混合部50を通過した混合物に含まれる、網の目開きの大きさより小さい繊維または粒子(網を通過するもの)を降らせる。堆積部60の構成は、例えば、選別部40の構成と同じである。
なお、堆積部60の「篩」は、特定の対象物を選別する機能を有していなくてもよい。すなわち、堆積部60として用いられる「篩」とは、網を備えたもの、という意味であり、堆積部60は、堆積部60に導入された混合物の全てを降らしてもよい。
第2ウェブ形成部70は、堆積部60を通過した通過物を堆積して、ウェブWを形成する。第2ウェブ形成部70は、例えば、メッシュベルト72と、張架ローラー74と、サクション機構76と、を有している。
メッシュベルト72は、移動しながら、堆積部60の開口(網の開口)を通過した通過物を堆積する。メッシュベルト72は、張架ローラー74によって張架され、通過物を通しにくく空気を通す構成となっている。メッシュベルト72は、張架ローラー74が自転することによって移動する。メッシュベルト72が連続的に移動しながら、堆積部60を通過した通過物が連続的に降り積もることにより、メッシュベルト72上にウェブWが形成される。メッシュベルト72は、例えば、金属製、樹脂製、布製、あるいは不織布等である。
サクション機構76は、メッシュベルト72の下方(堆積部60側とは反対側)に設けられている。サクション機構76は、下方に向く気流(堆積部60からメッシュベルト72に向く気流)を発生させることができる。サクション機構76によって、堆積部60により空気中に分散された混合物をメッシュベルト72上に吸引することができる。これにより、堆積部60からの排出速度を大きくすることができる。さらに、サクション機構76によって、混合物の落下経路にダウンフローを形成することができ、落下中に解繊物や添加物が絡み合うことを防ぐことができる。
以上のように、堆積部60および第2ウェブ形成部70(ウェブ形成工程)を経ることにより、空気を多く含み柔らかくふくらんだ状態のウェブWが形成される。メッシュベルト72に堆積されたウェブWは、シート形成部80へと搬送される。
なお、図示の例では、ウェブWを調湿する調湿部78が設けられている。調湿部78は、ウェブWに対して水や水蒸気を添加して、ウェブWと水との量比を調節することができる。
シート形成部80は、メッシュベルト72に堆積したウェブWを加圧加熱してシートSを成形する。シート形成部80では、ウェブWにおいて混ぜ合された解繊物および添加物の混合物に、熱を加えることにより、混合物中の複数の繊維を、互いに添加物(樹脂)を介して結着することができる。
シート形成部80としては、例えば、加熱ローラー(ヒーターローラー)、熱プレス成形機、ホットプレート、温風ブロワー、赤外線加熱器、フラッシュ定着器を用いる。図示
の例では、シート形成部80は、第1結着部82と第2結着部84とを備え、結着部82,84がそれぞれ一対の加熱ローラー86を備えている。結着部82,84を加熱ローラー86として構成したことにより、結着部82,84を板状のプレス装置(平板プレス装置)として構成した場合に比べて、ウェブWを連続的に搬送しながらシートSを成形することができる。なお、加熱ローラー86の数は、特に限定されない。
切断部90は、シート形成部80によって成形されたシートSを切断する。図示の例では、切断部90は、シートSの搬送方向と交差する方向にシートSを切断する第1切断部92と、搬送方向に平行な方向にシートSを切断する第2切断部94と、を有している。第2切断部94は、例えば、第1切断部92を通過したシートSを切断する。
以上により、所定のサイズの単票のシートSが成形される。切断された単票のシートSは、排出部96へと排出される。
図2に、シート製造装置100の機能ブロック図を示す。シート製造装置100は、原料検出部110、残量検出部120、収容量検出部130、制御部140、記憶部150、表示部160、通信部170、受付部180を含む。シート製造装置100では、原料検出部110、残量検出部120及び収容量検出部130の少なくとも1つを省略してもよく、また、表示部160及び通信部170の少なくとも一方を備えていればよい。
原料検出部110は、供給部10に積載された原料の量(残量)を検出し、検出結果を制御部140に出力する。原料検出部110は、「原料の量」として、例えば、供給部10に積載された単票シートの枚数(或いは、積載高さ)や、供給部10に積載された原料の重量を検出する。原料検出部110としては、接触式又は光学式のセンサーや重量センサー等を用いることができる。
残量検出部120は、添加物供給部52(添加部)における添加剤(樹脂材、着色剤等)の残量を検出し、検出結果を制御部140に出力する。残量検出部120としては、光学式又は電気式のセンサー等を用いることができる。
収容量検出部130は、収容部36に収容できる量(収容可能量)を検出し、検出結果を制御部140に出力する。収容量検出部130は、収容可能量を直接検出してもよいし、収容部36に収容されている第2分級部(色材等)の量(収容量)を検出し、検出した収容量と収容部36の容積(最大収容量)から収容可能量を求め、求めた収容可能量を検出結果として出力してもよい。収容量検出部130としては、接触式又は光学式のセンサーや重量センサー等を用いることができる。
記憶部150は、制御部140の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムや各種データを記憶するとともに、制御部140のワーク領域として機能し、その機能はハードディスク、RAMなどにより実現できる。
表示部160(出力部の一例)は、制御部140で生成された画像を出力するものであり、LCD或いはCRTなどのディスプレイ、タッチパネル等により実現できる。
通信部170(出力部の一例)は、他の情報処理装置(例えば、管理者のPCや、消耗品の供給元のサーバー)との間で有線通信又は無線通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
受付部180(操作部)は、ユーザーの入力を受け付けるための機器であり、入力情報
を制御部140に出力する。受付部180の機能は、キーボード、マウス、ボタン、タッチパネル等の入力機器により実現できる。受付部180は、製造するシートの量(枚数)の入力、製造するシートの種別(サイズ、厚さ)の入力、製造を完了させる完了時間(日時、時刻、現在時刻からの相対時間)の入力、及び製造を開始させる開始時間(日時、時刻、現在時刻からの相対時間)の入力の少なくとも1つを受け付ける。
制御部140は、入力情報や検出情報、プログラムなどに基づいて、シート製造装置100の各部を制御する。制御部140の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASICなどのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
制御部140は、入力された(受付部180で受け付けた)量及び種別のシートを製造するのに要する時間を算出し、算出した時間と入力された完了時間とに基づいて製造開始時間を決定し、決定した製造開始時間にシートの製造を開始させる制御を行う。また、制御部140は、決定した製造開始時間を出力する(表示部160に表示させる、又は/及び通信部170を介して他の情報処理装置に送信する。以下同様である。)制御を行ってもよい。
また、制御部140は、入力された開始時間に、入力された量及び種別のシートの製造を開始させる制御を行ってもよい。また、制御部140は、入力された量及び種別のシートを製造するのに要する時間を算出し、算出した時間と入力された開始時間とに基づいて製造完了時間を決定し、決定した製造完了時間を出力する制御を行ってもよい。
また、制御部140は、原料検出部110、残量検出部120及び収容量検出部130からの検出結果に基づいて、シート製造装置100で製造可能なシートの量(製造可能枚数)を算出する。より詳細には、制御部140は、原料検出部110からの検出結果(原料の量)に基づいてシート製造装置100で製造可能なシートの第1の量を算出し、残量検出部120からの検出結果(添加剤の残量)に基づいてシート製造装置100で製造可能なシートの第2の量を算出し、収容量検出部130からの検出結果(収容可能量)に基づいてシート製造装置100で製造可能なシートの第3の量を算出する。また、制御部140は、算出した第1の量と第2の量と第3の量と入力されたシート量とを比較し、第1の量、第2の量又は第3の量が入力されたシート量よりも小さい場合に、製造可能枚数が入力されたシート量よりも小さいことを表す情報(例えば、原料、添加剤又は収容可能容量が不足していることを示す情報、原料或いは添加剤の補充又は収容部36の清掃(除去物を取り除く作業)或いは交換を要求することを示す情報、第1の量、第2の量又は第3の量を示す情報、完了時間や開始時間の入力が受け付けられないことを示す情報)を出力する。
なお、シート製造装置100が収容量検出部130を備えない場合には、制御部140は第1の量と第2の量と入力されたシート量とを比較し、シート製造装置100が残量検出部120と収容量検出部130とを備えない場合には、制御部140は第1の量と入力されたシート量とを比較する。同様に、シート製造装置100が残量検出部120を備えない場合には、制御部140は第1の量と第3の量と入力されたシート量とを比較し、シート製造装置100が原料検出部110を備えない場合には、制御部140は第2の量と第3の量と入力されたシート量とを比較し、シート製造装置100が原料検出部110と収容量検出部130とを備えない場合には、制御部140は第2の量と入力されたシート量とを比較し、シート製造装置100が原料検出部110と残量検出部120とを備えない場合には、制御部140は第3の量と入力されたシート量とを比較する。
2.表示例
図3は、表示部160に表示される表示画面(設定画面)の第1の例を示す図である。
表示画面DIでは、ユーザーは、製造するシートのサイズと厚み(製造するシートの種別)、及び製造するシートの枚数(製造するシートの量)を入力(設定)することができる。図3に示す例では、製造するシートのサイズとして「A4」が選択され、製造するシートの厚みとして「通常」が選択され、製造するシートの枚数として「50枚」が入力されている。また、表示画面DIには、入力されたシートの種別及び枚数から算出された、当該シートを製造するのに要する時間(図3に示す例では、「15分」)が表示されている。
また、図3に示す表示画面DIでは、ユーザーは、即時にシートの製造を開始するか、時間を指定して製造(予約製造)するかを選択することができ、予約製造することを選択した場合には、製造を完了させる製造完了時刻(完了時間の一例)を入力することができる。図3に示す例では、予約製造することが選択され、製造完了時刻として「午後3:30」が入力されている。また、表示画面DIには、現在時刻(図3に示す例では、「午前11:25」)が表示されている。なお、製造完了時刻として、現在時刻に、入力された種別及び枚数のシートの製造に要する時間を加算した時刻(図3に示す例では、「午前11:40」)より前の時刻を入力できないように構成することが望ましい。また、現在時刻に、入力された種別及び枚数のシートの製造に要する時間を加算した時刻を、製造完了時刻のデフォルト値(最短の製造完了時刻)として表示画面DIに表示してもよい。
表示画面DIには、製造・予約実行ボタンSBが表示され、予約製造が選択された場合に、ユーザーが製造・予約実行ボタンSBを選択する操作を行うと、入力された種別及び枚数のシートの製造が、入力された製造完了時刻までに完了するように、自動的にシートの製造開始と製造停止が実行される。図3に示す例では、「A4」サイズの「通常」の厚みの「50枚」のシートの製造を「午後3:30」までに完了するために、「午後3:15」(入力された製造完了時刻から、入力された種別及び枚数のシートの製造に要する時間を減算した時刻)に当該シートの製造が開始される。なお、即時の製造開始が選択された場合には、ユーザーが製造・予約実行ボタンSBを選択する操作を行うと、入力された種別及び枚数のシートの製造が即時に開始される。
このように、シートの種別及び量と製造完了時刻をユーザーが設定可能に構成し、設定された種別及び量のシートを設定された製造完了時刻までに製造するように構成することで、ユーザーが必要とする(ユーザーが入力した)種別及び量のシートをユーザーが必要とする時間までに提供することができ、ユーザーの利便性を向上することができる。
図4は、表示部160に表示される表示画面の第2の例を示す図である。図4に示す表示画面DIでは、ユーザーは、予約製造することを選択した場合に、製造を開始させる製造開始時刻(開始時間の一例)を入力することができる。図4に示す例では、予約製造することが選択され、製造開始時刻として「午後3:15」が入力されている。
また、図4に示す表示画面DIには、製造完了時刻(製造完了時間の一例)が表示される。製造完了時刻は、入力された製造開始時刻に、入力された種別及び枚数のシートの製造に要する時間を加算した時刻であり、図4に示す例では、製造完了時刻として、「午後3:30」が表示されている。
図4に示す表示画面DIにおいて、予約製造が選択された場合に、ユーザーが製造・予約実行ボタンSBを選択する操作を行うと、入力された種別及び枚数のシートの製造が、入力された製造開始時刻に自動的に開始される。図4に示す例では、「A4」サイズの「通常」の厚みの「50枚」のシートの製造が「午後3:15」に開始される。
このように、シートの種別及び量と製造開始時刻をユーザーが設定可能に構成し、設定
された種別及び量のシートの製造を設定された製造開始時刻に開始するように構成することで、ユーザーが所望する時間(例えば、消費電力量のピークを避けることができ電気料金の安い深夜の時間帯)から製造を開始してユーザーが必要とする種別及び量のシートを提供することができ、ユーザーの利便性を向上することができる。また、入力された製造開始時刻から算出される製造完了時刻を表示することで、入力した製造開始時間を見直す機会をユーザーに与えることができる。
図5は、表示部160に表示される表示画面の第3の例を示す図である。図5に示す表示画面DIには、原料、添加剤或いは収容可能量が不足していることを示す通知が表示されている。図5に示す例では、残量検出部120で検出された添加剤の残量から算出された製造可能枚数(第2の量)が、入力されたシートの枚数(図5に示す例では、「50枚」)よりも少ないために、添加剤が不足していることを示す通知が表示されている。なお、原料検出部110で検出された原料の残量から算出された製造可能枚数(第1の量)が、入力されたシートの枚数よりも少ない場合には、原料が不足していることを示す通知が表示され、収容量検出部130で検出された収容可能量から算出された製造可能枚数(第3の量が)が、入力されたシートの枚数よりも少ない場合には、収容可能量が不足していることを示す通知が表示される。
図5に示すような表示画面DIを表示することで、入力された量のシートを製造するのに必要な原料や添加剤、収容可能量が不足していることをユーザーに知らせることができ、原料や添加剤の補充、収容部36の清掃や交換をユーザーに促すことができる。
なお、図5に示す表示画面DIには、注文ボタンOBが表示され、ユーザーが注文ボタンOBを選択する操作を行うと、添加剤を発注するための情報が消耗品管理サーバーに送信され、消耗品供給元への添加剤の発注処理が自動的に行われる(或いは、添加剤の発注を要求する通知が管理者のPCに送信される)。
図6は、表示部160に表示される表示画面の第4の例を示す図である。図6に示す表示画面DIには、原料検出部110で検出された原料の残量と、収容量検出部130で検出された収容可能量と、残量検出部120で検出された添加剤の残量がそれぞれ表示されている。
図6に示すような表示画面DIを表示することで、原料及び添加剤の残量と回収可能量をユーザーに把握させることができ、原料や添加剤の補充、収容部36の清掃や交換をユーザーに促すことができる。
図3〜図6に示す表示画面DIにおいて、予約製造が選択された場合に、ユーザーが製造・予約実行ボタンSBを選択する操作を行うと、予約製造(製造完了時刻や製造開始時刻の入力)が受け付けられたことを通知する表示画面DI(図7)に遷移する。図7に示す表示画面DIには、製造開始時刻(製造開始時間の一例)と、現在時刻と、製造開始時刻までの時間が表示される。製造開始時刻は、図3、図5、図6に示す表示画面DIにおいて入力された製造完了時刻から、入力された種別及び枚数のシートの製造に要する時間を減算した時刻、又は、図4に示す表示画面DIにおいて入力された製造開始時刻である。図7に示す例では、製造開始時刻として「午後3:15」が表示され、現在時刻として「午後2:15」が表示され、製造開始時刻までの時間として「1時間」が表示されている。また、図7に示す表示画面DIには、予約キャンセルボタンCBが表示され、ユーザーが予約キャンセルボタンCBを選択する操作を行うと、予約製造の受け付けはキャンセル(解除)される。
図7に示すような表示画面DIを表示することで、製造開始時刻と製造開始時刻までの
残り時間とをユーザー知らせることができ、ユーザーにとって予期せぬタイミングでシート製造装置100が始動することを防止することができる。
また、入力された量のシートを製造するのに必要な原料や添加剤、収容可能量が不足している状態において、製造・予約実行ボタンSBが選択する操作が行われた場合には、予約製造を受け付けた上で、原料や添加剤の補充、収容部36の清掃や交換をユーザーに促す通知を表示する表示画面DI(図8)に遷移してもよいし、予約製造を受け付けずに、予約製造が受け付けられないことを通知する表示画面DI(図9)に遷移してもよい。図8に示す例では、添加剤が不足していることを示す通知が表示されており、更に、指定時刻(図8に示す例では、「午後2:55」)までに添加剤を補充することを要求する通知が表示されている。ここで、入力された製造完了時刻に基づき算出された製造開始時刻と添加剤の残量(或いは、原料の残量、収容可能量)とに基づいて、添加剤が無くなる時刻(或いは、原料が無くなる時刻、収容可能量が0となる時刻)を予測し、予測した時刻を指定時刻として表示してもよいし、入力された製造完了時刻に基づき算出された製造開始時刻を指定時刻として表示してもよいし、入力された製造開始時刻を指定時刻として表示してもよい。また、即時の製造開始が選択された場合には、現在時刻と添加剤の残量(或いは、原料の残量、収容可能量)とに基づいて、添加剤が無くなる時刻(或いは、原料が無くなる時刻、収容可能量が0となる時刻)を予測し、予測した時刻を指定時刻として表示してもよい。
3.処理
次に、本実施形態のシート製造装置100における処理の一例について、図10、図11のフローチャートを用いて説明する。図10は、入力された量のシートの製造が可能であるか否かを判断する処理の一例を示すフローチャートである。
表示画面DI(図3〜図6)において、製造・予約実行ボタンSBを選択する操作が行われた場合、制御部140は、表示画面DIにおいて入力されたシートの枚数Xを取得する(ステップS10)。
次に、制御部140は、原料検出部110で検出された原料の残量aを取得し(ステップS12)、原料の残量aに基づいて製造可能枚数A(第1の量)を算出する(ステップS14)。ここで、分級部30における回収比率(分級部30に導入される解繊物の量に対する第2分級物(色材等)の量の比)をRcとすると、製造可能枚数Aは、下式により求めることができる。
A=a×(1−Rc)
例えば、検出された原料の残量aが100枚であり、回収比率Rcが0.1であるとすると、A=100×0.9=90(枚)と算出される。ここでは、1枚の原料(単票シート)の坪量及びサイズと、製造される1枚のシートの坪量及びサイズがそれぞれ等しいことを前提としている。また、回収比率Rcは固定値であってもよいし変動値であってもよい。例えば、原料に含まれる色材の比率を光学式のセンサー等により検出して、検出結果に基づき回収比率Rcを推定してもよい。
次に、制御部140は、製造可能枚数Aが入力枚数X以上であるか否かを判断し(ステップS16)、入力枚数X以上である場合(ステップS16のY)には、ステップS20に移行する。製造可能枚数Aが入力枚数X未満である場合(ステップS16のN)には、A枚の製造に要する時間TAを算出する(ステップS18)。ここで、シート製造装置100の初期動作に要する時間をTIとし、シート1枚の製造に要する時間をTDとすると、時間TAは、下式により求めることができる。
A=TI+TD×A
次に、制御部140は、残量検出部120で検出された添加剤の残量bを取得し(ステップS20)、添加剤の残量bに基づいて製造可能枚数B(第2の量)を算出する(ステップS22)。ここで、添加剤の添加比率(製造されるシート1枚当たりの重量に占める添加剤の重量の比)をRaとし、製造されるシート1枚当たりの重量をSpとすると、製造可能枚数Bは、下式により求めることができる。なお、重量Spは、表示画面DIにおいて入力されたシートの種別に応じて決定される。
B=b/(Sp×Ra)
例えば、検出された添加剤の残量bが240gであり、添加比率Raが0.1であり、製造されるシート1枚当たりの重量Spが80gであるとすると、B=240/8=30(枚)と算出される。ここで、重量Spは、入力されたシートの種別(厚さ、サイズ)に応じて設定される。
次に、制御部140は、製造可能枚数Bが入力枚数X以上であるか否かを判断し(ステップS24)、入力枚数X以上である場合(ステップS24のY)には、ステップS28に移行する。製造可能枚数Bが入力枚数X未満である場合(ステップS24のN)には、B枚の製造に要する時間TBを算出する(ステップS26)。
次に、制御部140は、収容量検出部130で検出された収容可能量cを取得し(ステップS28)、収容可能量cに基づいて製造可能枚数C(第3の量)を算出する(ステップS30)。ここで、分級部30における回収比率をRcとし、原料1枚当たりの重量をSmとすると、製造可能枚数Cは、下式により求めることができる。
C=c/(Sm×Rc)
例えば、検出された収容可能量cが320gであり、回収比率Rcが0.1であり、原料1枚当たりの重量Smが80gであるとすると、C=320/8=40(枚)と算出される。
次に、制御部140は、製造可能枚数Cが入力枚数X以上であるか否かを判断し(ステップS32)、入力枚数X以上である場合(ステップS32のY)には、ステップS36に移行する。製造可能枚数Cが入力枚数X未満である場合(ステップS32のN)には、C枚の製造に要する時間TCを算出する(ステップS34)。
次に、制御部140は、製造可能枚数Aが入力枚数X未満であるか、製造可能枚数Bが入力枚数X未満であるか、又は製造可能枚数Cが入力枚数X未満であるかを判断し(ステップS36)、A、B、Cの少なくとも1つがX未満である場合(ステップS36のY)には、原料、添加剤或いは収容可能量が不足していることを示す通知を表示する制御を行う(ステップS38)。すなわち、制御部140は、AがX未満である場合には、原料が不足している旨の通知(及び、原料の補充を促す通知)を表示し、BがX未満である場合には、添加剤が不足している旨の通知(及び、添加剤の補充を促す通知)を表示し、CがX未満である場合には、収容可能量が不足している旨の通知(及び、収容部36の清掃や交換を促す通知)を表示する制御を行う。また、制御部140は、AがX未満である場合には、製造開始時刻(又は、現在時刻)と時間TAとに基づき原料が無くなる時刻を算出して指定時刻として表示し、BがX未満である場合には、製造開始時刻(又は、現在時刻)と時間TBとに基づき添加剤が無くなる時刻を算出して指定時刻として表示し、CがX未満である場合には、製造開始時刻(又は、現在時刻)と時間TCとに基づき収容可能量が0となる時刻を算出して指定時刻として表示してもよい。
図11は、入力された量のシートを入力された製造完了時刻までに製造を完了させる処
理の一例を示すフローチャートである。
表示画面DI(図3、図5、図6)において、製造・予約実行ボタンSBを選択する操作が行われた場合、制御部140は、表示画面DIにおいて入力されたシートの枚数Xを取得する(ステップS40)。次に、制御部140は、表示画面DIにおいて入力された製造完了時刻TRを取得し(ステップS42)、X枚の製造に要する時間TOを算出する(ステップS44)。ここで、シート製造装置100の初期動作に要する時間をTIとし、シート1枚の製造に要する時間をTDとし、シート製造装置100の停止動作に要する時間をTTとすると、時間TOは、下式により求めることができる。なお、時間TDは、表示画面DIにおいて入力されたシートの種別に応じて設定される。
O=TI+TD×X+TT
次に、制御部140は、下式により製造開始時刻TSを算出する(ステップS46)。
S=TR−TO
次に、制御部140は、現在時刻Tを取得し(ステップS48)、現在時刻Tが製造開始時刻TSに達したか否かを判断し(ステップS50)、現在時刻Tが製造開始時刻TSに達していない場合(ステップS50のN)には、ステップS48に移行する。現在時刻Tが製造開始時刻TSに達した又は超えた場合(ステップS50のY)には、制御部140は、シート製造装置100の各部の駆動を制御して、枚数Xのシートの製造を開始させる(ステップS52)。
4.変形例
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
なお、本実施形態のシート製造装置100又はシート製造方法によって製造されるシートSは、少なくとも上述の繊維を原料とし、シート状にしたものを主に指す。しかしシート状ものに限定されず、ボード状、ウェブ状、又は凹凸を有する形状であってもよい。本明細書におけるシートとは、紙と不織布に分類できる。紙は、例えば、パルプや古紙を原料としシート状に成形した態様などを含み、筆記や印刷を目的とした記録紙や、壁紙、包装紙、色紙、画用紙、ケント紙などを含む。不織布は、紙より厚いものや低強度のものであり、一般的な不織布、繊維ボード、ティッシュペーパー、キッチンペーパー、クリーナー、フィルター、液体吸収材、吸音体、緩衝材、マットなどを含む。
上記実施形態では、完了時間や開始時間として時刻(製造完了時刻、製造開始時刻)を入力する場合について説明したが、完了時間や開始時間として日時(翌日以降の日時を含む)を入力可能に構成してもよい。また、予約製造を設定可能(製造完了時刻や製造開始時刻を入力可能)なモードと、予約製造を設定不能(即時の製造開始のみ選択可能)なモードとを切り替え可能に構成してもよい。
また、上記実施形態では、単票の原料を供給部に積載する場合について説明したが、シュレッダーなどで粗粉砕された原料(細片)を供給部に積載するように構成してもよい。この場合、原料検出部は、供給部に積載された原料の重量や積載高さを検出する。また、この場合、粗砕部は不要である。
また、上記実施形態では、単票のシートを製造する場合について説明したが、連続シートを製造するように構成してもよい。この場合、制御部は、製造可能なシートの量として、連続シートの長さを算出する。
また、上記実施形態では、乾式のシート製造装置に適用した場合について説明したが、本発明を湿式のシート製造装置に適用してもよい。この場合、残量検出部は、添加剤の残量として、インク等の色材を除去する界面活性剤や漂白剤、離解促進剤等の残量を検出する。例えば、制御部は、図12に示すように、検出された添加剤の残量(図12に示す例では、界面活性剤の残量と漂白剤の残量)を表示画面DIに表示させる制御を行ってもよい。
1 ホッパー、2,3,4,5 管、6 ホッパー、7,8 管、9 ホッパー、10 供給部、12 粗砕部、14 粗砕刃、20 解繊部、22 導入口、24 排出口、30 分級部、31 導入口、32 円筒部、33 逆円錐部、34 下部排出口、35 上部排出口、36 収容部、37 導入口、40 選別部、42 導入口、44 排出口、45 第1ウェブ形成部、46 メッシュベルト、47 張架ローラー、48 吸引部、50 混合部、52 添加物供給部(添加部)、54 管、56 ブロアー、60 堆積部、62 導入口、70 第2ウェブ形成部、72 メッシュベルト、74 張架ローラー、76 サクション機構、78 調湿部、80 シート形成部、82 第1結着部、84 第2結着部、86 加熱ローラー、90 切断部、92 第1切断部、94 第2切断部、96 排出部、100 シート製造装置、102 製造部、110 原料検出部、120 残量検出部、130 収容量検出部、140 制御部、150 記憶部、160 表示部(出力部)、170 通信部(出力部)、180 受付部、S シート、V ウェブ、W ウェブ

Claims (8)

  1. 繊維を含む原料を用いてシートを製造するシート製造装置であって、
    製造するシートの量の入力と、製造を完了させる完了時間の入力とを受け付ける受付部と、
    前記量のシートを製造するのに要する時間を取得し、当該時間と前記完了時間とに基づいて製造開始時間を決定し、当該製造開始時間にシートの製造を開始させる制御部と、
    前記原料の量を検出する原料検出部と、
    前記原料に添加剤を添加する添加部と、
    前記添加剤の残量を検出する残量検出部と、を有し、
    前記量のシートを前記完了時間までに製造し、
    前記制御部は、
    前記原料検出部の検出結果に基づいて前記シート製造装置で製造可能なシートの第1の量を取得し、前記残量検出部の検出結果に基づいて前記シート製造装置で製造可能なシートの第2の量を取得し、前記第1の量と前記第2の量と前記受付部に入力された前記製造するシートの量とを比較し、前記第1の量又は前記第2の量が前記受付部に入力された前記製造するシートの量よりも小さいことを表す情報を出力部から出力させることを特徴とするシート製造装置。
  2. 前記受付部は、
    製造するシートの種別の入力を受け付け、
    前記制御部は、
    前記種別の前記量のシートを製造するのに要する時間を取得し、当該時間と前記完了時間とに基づいて製造開始時間を決定し、当該製造開始時間にシートの製造を開始させることを特徴とする請求項に記載のシート製造装置。
  3. 前記制御部は、
    少なくとも前記製造開始時間を含む情報を出力部から出力させることを特徴とする請求項又はに記載のシート製造装置。
  4. 繊維を含む原料を用いてシートを製造するシート製造装置であって、
    製造するシートの量の入力と、製造を開始させる開始時間の入力とを受け付ける受付部と、
    前記開始時間に前記量のシートの製造を開始させる制御部と、
    前記原料の量を検出する原料検出部と、
    前記原料に添加剤を添加する添加部と、
    前記添加剤の残量を検出する残量検出部と、を有し、
    前記制御部は、
    前記原料検出部の検出結果に基づいて前記シート製造装置で製造可能なシートの第1の量を取得し、前記残量検出部の検出結果に基づいて前記シート製造装置で製造可能なシートの第2の量を取得し、前記第1の量と前記第2の量と前記受付部に入力された前記製造するシートの量とを比較し、前記第1の量又は前記第2の量が前記受付部に入力された前記製造するシートの量よりも小さいことを表す情報を出力部から出力させることを特徴とするシート製造装置。
  5. 前記制御部は、
    前記量のシートを製造するのに要する時間を取得し、当該時間と前記開始時間とに基づいて製造完了時間を決定し、当該製造完了時間を出力部から出力させることを特徴とする請求項に記載のシート製造装置。
  6. 前記原料のうち前記シートの製造に使われなかった少なくとも一部を収容する収容部と、
    前記収容部に収容できる量を検出する収容量検出部と、を更に有し、
    前記制御部は、
    前記収容量検出部の検出結果に基づいて前記シート製造装置で製造可能なシートの第3の量を取得し、前記第1の量と前記第2の量と前記第3の量と前記受付部に入力された前記製造するシートの量とを比較し、前記第1の量又は前記第2の量又は前記第3の量が前記受付部に入力された前記製造するシートの量よりも小さいことを表す情報を前記出力部から出力させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のシート製造装置。
  7. 繊維を含む原料を用いてシートを製造するシート製造方法であって、
    製造するシートの量の入力と、製造を完了させる完了時間の入力とを受け付ける受付工程と、
    前記量のシートを製造するのに要する時間を取得し、当該時間と前記完了時間とに基づいて製造開始時間を決定し、当該製造開始時間にシートの製造を開始させる制御工程と、を有し、
    前記量のシートを前記完了時間までに製造し、
    前記制御工程では、
    前記原料の量を検出する原料検出部の検出結果に基づいてシート製造装置で製造可能なシートの第1の量を取得し、前記原料に添加される添加剤の残量を検出する残量検出部の検出結果に基づいてシート製造装置で製造可能なシートの第2の量を取得し、前記第1の量と前記第2の量と前記受付工程で入力された前記製造するシートの量とを比較し、前記第1の量又は前記第2の量が前記受付工程で入力された前記製造するシートの量よりも小さいことを表す情報を出力部から出力させることを特徴とするシート製造方法。
  8. 繊維を含む原料を用いてシートを製造するシート製造方法であって、
    製造するシートの量の入力と、製造を開始させる開始時間の入力とを受け付ける受付工程と、
    前記開始時間に前記量のシートの製造を開始させる制御工程と、を有し、
    前記制御工程では、
    前記原料の量を検出する原料検出部の検出結果に基づいてシート製造装置で製造可能なシートの第1の量を取得し、前記原料に添加される添加剤の残量を検出する残量検出部の検出結果に基づいてシート製造装置で製造可能なシートの第2の量を取得し、前記第1の量と前記第2の量と前記受付工程で入力された前記製造するシートの量とを比較し、前記第1の量又は前記第2の量が前記受付工程で入力された前記製造するシートの量よりも小さいことを表す情報を出力部から出力させることを特徴とするシート製造方法。
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