JP2016055333A - 曲げ金属条材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】FCC(面心立方格子)構造を有する金属条材の熱間曲げ加工にあたって部材表層部に亀裂が生じることを簡便かつ十分に防ぐ。
【解決手段】FCC構造を有する金属条材の熱間曲げ加工のときに、予め定められた結晶粒径と許容引張ひずみとの関係に基づいて金属条材の結晶粒径に対応する許容引張ひずみを算出し、金属条材の曲げ外周側の条材表層部の引張ひずみを前記算出された許容引張ひずみより小さくする引張ひずみ低減処理(金属条材に材軸方向の圧縮力を加えるか又は曲げ半径を大きくする)を、金属条材を塑性変形させるときに実施する。許容引張ひずみyは、結晶粒径をxとして式〔y=2.59×105×x-2.95〕により算出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、曲げ金属条材の製造方法に係り、特に、面心立方格子(Face-centered Cubic/FCC)構造を有する金属条材を熱間曲げ加工するときに部材表層部に生じることがある割れを防ぐ技術に関する。
面心立方格子(Face-centered Cubic/以下「FCC」と言う)構造を有する金属条材、例えばオーステナイト系合金からなる金属管は、発電用ボイラの蒸気管などのような厚肉の耐高温高圧部材として、発電所や各種のプラント、工場などの産業施設において今日使用されている。
これらの金属条材(本発明の対象部材は管に限られないが、以下、典型的な態様として管を例にとって説明する)は、規格化され予め所定形状になされたエルボやベンド等の異形管が使用される一方で、施工対象に応じて直線状の管を曲げ加工した管(「曲げ管」と言う)も、様々な曲率・管路形状への要求に柔軟に対応できることから広範に使用されている。
かかる曲げ管を製造するには、一般に、加工対象である直線状の金属管の一部を誘導加熱コイル等によって環状に加熱するとともに、クランプアームによって金属管の誘導加熱コイルより前端側(管先端側)を把持しながら誘導加熱コイルに向けて金属管を押し進める。クランプアームは、支軸を中心として旋回し金属管の進路を弧状に規制するもので、このようなクランプアームによって金属管を把持しながら推進させることで、誘導加熱コイルによって加熱された部分に曲げモーメントが加わり、弧を描くように金属管を連続的に塑性変形させることが出来る。
また、このような金属条材の曲げ加工に関連する技術を開示するものとして、下記特許文献がある。
特開2014− 34725号公報 特開2002−178042号公報 特開2013−158830号公報
ところで、FCC構造材料は熱間曲げ加工のときに部材表層部に微細な割れ(亀裂)が生じやすく、これを防ぐため上記特許文献のような提案が従来からなされている。
例えば特許文献1に記載の発明は、Ni、CrおよびWなどの成分を含むオーステナイト系合金部材について、外表面から5mm深さまでの領域における最高硬さHV0.1(max)と、部材の平均結晶粒径d(μm)とが、式〔HV0.1≦(−1/6)×d+300〕を満すように管理すれば熱間曲げ加工時に亀裂が生じることを防ぐことが出来るとする。
ところが、本願発明者らが上記条件を満たすような部材、すなわち、平均結晶粒径d=500μmで硬度180HVであり、〔180≦(−1/6)×500+300=216.7〕となる同様の部材を調製して曲げ試験を行ったところ、部材表層部に亀裂が観察されるものがあり、特許文献1記載の発明では亀裂の発生を必ずしも完全に防ぐことが出来ないことが確認された。
また、特許文献3記載の発明は、Ni基合金またはFe−Ni基合金からなる超合金部材を加熱炉内で1175℃以上1250℃未満の温度で加熱した後に(加工硬化層消失工程)曲げ加工を行うことで、部材表層の粒界割れを防止する。しかしながら、本願発明者らが同様の熱処理(1200℃まで加熱)を施した後に熱間曲げを行ったところ、部材表層部の割れを防ぐことは出来なかった。またこの文献記載の発明(特許文献2記載の発明も同様)では、曲げ加工前に熱処理と言う別工程が必要となり、加工工程が増える難もある。
このようにFCC構造材料における従来の割れ防止技術は十分なものとは言えず、割れ防止をより完全かつ簡便に図ることが出来る新たな技術の提供が望まれる。
したがって、本発明の目的は、FCC構造を有する金属条材の熱間曲げ加工にあたって部材表層部に亀裂が発生することを簡便かつ十分に防ぐことを可能とする点にある。
前記課題を解決し目的を達成するため、本発明に係る曲げ金属条材の製造方法は、面心立方格子構造を有する金属条材の一部を環状に加熱すると共に、前記金属条材の加熱部近傍位置を把持可能で且つ当該把持部から一定距離隔てた支軸を中心として旋回可能なクランプアームによって前記金属条材を把持し、前記金属条材を材軸方向へ推進させることにより前記クランプアームによる把持部を旋回させ前記金属条材の少なくとも一部が弧を描いて湾曲するように案内することにより前記金属条材の加熱部に曲げモーメントを加えて当該金属条材の少なくとも一部を連続的に湾曲状態に塑性変形させる曲げ金属条材の製造方法であって、予め定められた結晶粒径と許容引張ひずみとの関係に基づいて、前記金属条材の結晶粒径に対応する許容引張ひずみを算出し、当該金属条材の曲げ外周側の条材表層部の引張ひずみを前記算出された許容引張ひずみより小さくする引張ひずみ低減処理を、前記金属条材を塑性変形させるときに実施する。
本発明では、加工対象である金属条材の一部を環状に加熱しながら曲げモーメントを加えることにより連続的に塑性変形させるが、加工にあたって予め結晶粒径と許容引張ひずみとの関係(後の実施形態の説明において述べる割れ感受性マップ)に基づいて当該加工対象である金属条材の許容引張ひずみを算出しておき、曲げ加工中に生じる引張ひずみがこの許容引張ひずみより小さな値になるように引張ひずみ低減処理を加工を行うときに実施する。
引張ひずみ低減処理の具体的態様としては、例えば、金属条材の推進中にクランプアームを引き戻す方向へ力をかけることにより金属条材に材軸方向の圧縮力を加える。加工中にこのような圧縮力を付加すれば、加工に伴う引張ひずみを低減させ、これを許容引張ひずみ内に抑えることが可能となる。なお、このような圧縮力をかけることなく単純に条材に曲げモーメントを加えて曲げ加工することを「単純曲げ」と称するのに対して、材軸方向に圧縮力をかけながら曲げ加工することを「圧縮曲げ」と称する。
金属条材に圧縮力をかける方法は特に問わない。例えば、金属条材の推進によるクランプアームの回転とは逆方向にクランプアームを回転させるようにクランプアームに対して外力(クランプアームを引き戻す力)をかけても良いし、クランプアームの回転軸(支軸)に逆回転力をかけても良い。また、当該回転軸に対して制動をかけたり、他の方法によっても構わない。
また、引張ひずみ低減処理として、上記圧縮力をかけることに代えて、あるいは圧縮力をかけることに加えて、金属条材の曲げ半径を大きくしても良い。曲げ半径を大きくすれば金属条材に生じる引張ひずみは小さくなるから、当該処理を行うことで引張ひずみを低減させて許容引張ひずみ内に抑えることが出来る。
前記結晶粒径と許容引張ひずみとの関係は、後に実施形態の説明において図面を参照して述べるように例えば次式からなり、曲げ加工により生じる引張ひずみを下記式から算出される許容引張ひずみyより小さくする。なお、同式においてxは結晶粒径(平均粒径)を、yは許容引張ひずみをそれぞれ示す。
y=2.59×105×x-2.95
本発明に言う面心立方格子(Face-centered Cubic/「FCC」と言う)構造を有する金属条材とは、言い換えればオーステナイト系合金からなる金属条材であり、材料としては例えばニッケル基合金からなる金属条材が含まれる。また、金属条材とは、典型的には管状部材(金属管/中空部材)であるが、これに限られず、様々な断面形状を有する棒状部材(中実部材)なども本発明に言う金属条材に含まれる。
本発明に係る曲げ金属条材の製造方法によれば、FCC構造を有する金属条材の熱間曲げ加工にあたって部材表層部に亀裂が発生することをより簡便かつ良好に防ぐことが出来る。
本発明の他の目的、特徴および利点は、図面に基づいて述べる以下の本発明の実施の形態の説明により明らかにする。なお、各図中、同一の符号は、同一又は相当部分を示す。
図1は、結晶粒径と許容引張ひずみとの関係を示す線図である。 図2は、金属管の円周位置と引張ひずみとの関係を示す線図である。 図3は、金属管の円周位置を示す断面図である。 図4は、本発明の一実施形態に係る曲げ金属条材の製造方法(初期状態)を模式的に示す平面図である。 図5は、前記実施形態に係る曲げ金属条材の製造方法(曲げ加工中の状態)を模式的に示す平面図である。
図1は結晶粒径と許容引張ひずみとの関係を示す線図(「割れ感受性マップ」と称する)であり、発明者が曲げ加工を行ったFCC構造を有する材料からなる複数の金属管についてそれらの結晶粒径と加工に伴って発生した引張ひずみを測定するとともに、曲げ加工により割れが発生したか判定を行い、これらのデータを横軸に結晶粒径を、縦軸に引張ひずみをとってプロットしたものである。
図1から分かるように結晶粒径と割れ発生の有無には相関関係が認められ、結晶粒径が大きくなるほど引張ひずみが小さくても割れが発生している。図1中の曲線は、割れが発生するか否かの境界を示すもので、この曲線(特に結晶粒径xが100μm〜400μmの範囲において)より引張ひずみが小さい領域Aでは加工に伴って割れは発生せず、この曲線より引張ひずみが大きな領域Bでは加工に伴って割れが発生している。また、当該曲線は、金属管の結晶粒径を「x」、引張ひずみを「y」とすると下記式1で表される。なお、結晶粒径xは、JIS G 0551「鋼−結晶粒度の顕微鏡試験方法」に準拠した方法で測定を行った平均粒径である。
y=2.59×105×x-2.95 …(式1)
したがって、本発明の一実施形態に係る曲げ金属条材の製造方法(金属管の曲げ加工方法)では、予め加工対象である金属管の結晶粒径xを測定し、上記式1により許容引張ひずみyを算出して、加工により生じる引張ひずみがこの許容引張ひずみyより小さな値になるように曲げ加工を行うときに引張ひずみ低減処理(具体的方法は後に述べる)を実施する。
一方、金属管を曲げ加工する場合、円周方向の位置によって引張ひずみの大きさが異なる。図3は曲げ加工された金属管の断面を示すものであるが、同図に示すように時計回りに円周方向の位置(円周位置)として金属管の上端を0°、右端を90°、下端を180°、左端を270°と定義すると、各円周位置における引張ひずみは、図2に示すように曲げ外周側である90°位置(右端)で最大となり、曲げ内周側である270°位置(左端)で最小となる。なお、当該金属管は左方向に水平に曲げ加工しており(後述の図5参照)、図3に示すように金属管の右側が曲げ外周側となって肉厚が減少している。
また図2は、結晶粒径350μmの金属管を4種類の方法で曲げ加工した結果(円周位置と引張ひずみの関係)を示すものである。すなわち、(1)3DRで単純曲げ、(2)4DRで単純曲げ、(3)3DRで圧縮曲げ、(4)前記(3)より大きな圧縮力をかけながら3DRで圧縮曲げをそれぞれ行った。なお、「3DR」とは、金属管の呼称管径Dの3倍の曲げ半径R(図4〜図5参照)で曲げ加工することを意味する。「4DR」とは、同様に金属管の呼称管径Dの4倍の曲げ半径Rで曲げ加工することを示す。
図2から分かるように、曲げ外周側(45°、90°および135°位置)で大きな引張ひずみが生じ、右端(90°位置)で引張ひずみが最大となっている。なお、前記図1の各加工事例の引張ひずみは、その大きさが最大となる金属管の曲げ外周側(図3の90°の円周位置)の値を示している。また、(1)3DR曲げと(2)4DR曲げを比較すると明らかなように、曲げ半径が大きいと引張ひずみは小さくなる。さらに、(3)小さな圧縮力をかけた3DR曲げと(4)大きな圧縮力をかけた3DR曲げを比較すると分かるように、大きな圧縮力を付与すると引張ひずみをより低減させることが出来る。なお、図2においてマイナスの引張ひずみ(曲げ内周側/例えば225°位置、270°位置等)は圧縮ひずみが生じていることを示している。
割れについては、引張ひずみが0.8%より小さい領域A((1)〜(4)の各金属管について引張ひずみが0.8%より小さい円周位置)では割れは認められなかったが、引張ひずみが0.8%より大きい領域B、すなわち、圧縮力をかけることなく3DRおよび4DR曲げを行った金属管(図2の(1),(2))の45°、90°および135°位置や、小さな圧縮力をかけながら3DR曲げを行った金属管(図2の(3))の90°位置には割れが認められた。また、より大きな圧縮力をかけながら3DR曲げを行った金属管(図2の(4))では、いずれの円周位置においても割れは認められなかった。
したがって本実施形態の製造方法(曲げ加工方法)では、引張ひずみが最大となる曲げ外周側(この例の場合、90°の円周位置である右端)における引張ひずみを前記割れ感受性マップ(図1)の許容引張ひずみyより小さな値に低減させる引張ひずみ低減処理を施す。この引張ひずみ低減処理としては、本実施形態では加工中に金属管の材軸方向に圧縮力をかける。圧縮力をかける方法は特に問わないことは既に述べたとおりであるが、その具体的方法の一例を以下に述べる。
図4から図5は、本発明の一実施形態に係る曲げ金属条材の製造方法(金属管の曲げ加工方法)を実施する曲げ加工装置を示すものである。これらの図に示すようにこの装置は、加工対象である金属管11の一部を環状に加熱する誘導加熱コイル12(以下単に「コイル」と称することがある)と、コイル12に向け金属管11を推進する推進機構14と、金属管11の前方部分を把持する前方クランプ33を有するとともに金属管11の推進に伴い支軸32を中心として回動することにより金属管11に曲げモーメントを付与するクランプアーム31と、金属管11の推進と反対方向の力である引戻力を発生して金属管11に圧縮力を付与する圧縮機構21とを備えている。
なお、前記図3同様、図4および図5に前後左右上下の方向を示しており、本実施形態はこれらの方向に基づいて説明を行う。また、図中符号Cは、金属管の中心線を、符号Dは金属管の直径を、符号Rは金属管の曲げ半径をそれぞれ示している。
金属管11を推進させる推進機構14は、金属管11の後部を把持する後方クランプ15と、この後方クランプ15を通じて金属管11に前方への推進力を付与する推進駆動部16とを有する。推進駆動部16は、例えば油圧シリンダにより構成する。
一方、金属管11に圧縮力をかける圧縮機構21は、クランプアーム31の下端部に固定されクランプアーム31の支軸32を中心としてクランプアーム31と一緒に回転する(矢印P4参照)スプロケット24と、このスプロケット24と噛み合うチェーン23と、チェーン23を金属管11の推進方向と逆方向(後方)へ引っ張る引戻力P5を発生する圧縮駆動部22とを有する。圧縮駆動部22は、例えば油圧シリンダにより構成すれば良い。
なお、これら推進機構14および圧縮機構21は、特定の構造に限定されるものではなく、本発明における推進機構14は金属管11を推進可能なものであれば、また、圧縮機構21は金属管11に対して圧縮力を付与可能なものあれば、それぞれ如何なるものであっても良く、図示した構造に限定されない。
金属管11を加熱する誘導加熱コイル12は、クランプアーム31の後方に配置し、コイル12に電力を供給する電源を含む駆動部(図示せず)によって駆動する。また、曲げ加工直後に金属管11を冷却できるように冷却水を噴射可能な冷却機構(冷却機構自体は図示しないが、当該冷却機構から噴射される冷却水を図5において符号10で示した)をコイル12と一体に設けてあり、加工時にはコイル12の直ぐ前方の金属管11の表面に向け冷却水10を吹き付け、加熱され曲げられた金属管11を冷却する。なお、図中符号13は、金属管11を案内するガイドローラを示している。
加工にあたっては、金属管11の後部を後方クランプ15によって、金属管11の前部を前方クランプ33によってそれぞれ把持し、後方クランプ15を介して油圧シリンダ16により金属管11を前方へ推進する(矢印P1参照)。
金属管11が前方へ推進されると(矢印P2参照)、この推進力P2を受けてクランプアーム31は支軸32を中心として水平に回動し(矢印P3参照)、金属管11を把持している前方クランプ33は支軸32を中心として弧を描くように旋回する。これに伴い、前方クランプ33により把持された金属管11には曲げモーメントが加わり、コイル12によって加熱された部分が次々と曲げられて金属管11が連続的に弧状に塑性変形される(図5参照)。
一方、金属管11の推進に伴うクランプアーム31の回動により、スプロケット24が回転してチェーン23が巻き取られるが、これに抗する力(後方への引戻力)P5を圧縮駆動部22によってチェーン23及びスプロケット24を介してクランプアーム31にかける。これにより、金属管11に対して材軸方向の圧縮力を付与し、曲げ加工中に金属管11に発生する引張ひずみを低減して割れの発生を防ぐ。なお、当該圧縮力の付与により、割れ発生防止に加え、金属管11の曲げ外周側の減肉(肉厚が薄くなること)を抑制することも可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の範囲内で種々の変更を行うことができることは当業者に明らかである。
例えば、前記実施形態では、引張ひずみ低減処理として金属管11に圧縮力をかけたが、これに代え、またはこれと共に、曲げ半径Rを大きくしても良い。具体的には、前記図4に示した前方クランプ33はクランプアーム31に沿って左右方向に位置を変更すること(矢印S参照)が可能であり(推進機構14やコイル12、ガイドローラ13も前方クランプ33の位置変更に対応してその位置を変更可能である)、前方クランプ33をクランプアーム31に沿って右方へ移動させ、支軸32からより遠い位置において加工すべき金属管11を把持するようにすれば、曲げ半径Rを大きくすることが出来る。
C 金属管の中心線
D 金属管の直径
R 曲げ半径
11 金属条材(金属管)
12 誘導加熱コイル
13 ガイドローラ
14 推進機構
15 後方クランプ
16 推進駆動部
21 圧縮機構
22 圧縮駆動部
23 チェーン
24 スプロケット
31 クランプアーム
32 支軸
33 前方クランプ

Claims (4)

  1. 面心立方格子構造を有する金属条材の一部を環状に加熱すると共に、
    前記金属条材の加熱部近傍位置を把持可能で且つ当該把持部から一定距離隔てた支軸を中心として旋回可能なクランプアームによって前記金属条材を把持し、
    前記金属条材を材軸方向へ推進させることにより前記クランプアームによる把持部を旋回させ前記金属条材の少なくとも一部が弧を描いて湾曲するように案内することにより前記金属条材の加熱部に曲げモーメントを加えて当該金属条材の少なくとも一部を連続的に湾曲状態に塑性変形させる
    曲げ金属条材の製造方法であって、
    予め定められた結晶粒径と許容引張ひずみとの関係に基づいて、前記金属条材の結晶粒径に対応する許容引張ひずみを算出し、
    当該金属条材の曲げ外周側の条材表層部の引張ひずみを前記算出された許容引張ひずみより小さくする引張ひずみ低減処理を、前記金属条材を塑性変形させるときに実施する
    ことを特徴とする曲げ金属条材の製造方法。
  2. 前記引張ひずみ低減処理は、前記金属条材の推進中に前記クランプアームを引き戻す方向へ力をかけることにより前記金属条材に材軸方向の圧縮力を加える処理である
    請求項1に記載の曲げ金属条材の製造方法。
  3. 前記引張ひずみ低減処理は、前記金属条材の曲げ半径を大きくする処理である
    請求項1または2に記載の曲げ金属条材の製造方法。
  4. 前記結晶粒径と許容引張ひずみとの関係は、結晶粒径をx、許容引張ひずみをyとすると、
    y=2.59×105×x-2.95
    である請求項1から3のいずれか一項に記載の曲げ金属条材の製造方法。
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