JP7000907B2 - 二相ステンレス鋼管の口絞り加工方法及び二相ステンレス鋼管を生産する方法 - Google Patents
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Tf ≧ 4.4To-2680 (1)
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Tf = 4.4To-2680
Tf ≧ 4.4To-2680 (1)
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加熱工程では、二相ステンレス鋼管の素管の端部を加熱装置により加熱する。加熱する方法は特に限定されないが、通常、インダクションヒータ、ガス加熱等で行われる。素管の端部は、素管の端面から所定の長さの領域を意味する。要するに、素管の端部は、口絞り部に相当する。素管の端部を加熱することにより材料の加工性が向上するため、高強度の二相ステンレス鋼管であっても、口絞り加工できる。
口絞り加工工程は、加熱工程後に実施される。口絞り加工工程では、加熱された素管の端部を口絞り加工する。より具体的には、素管の端部を口絞り加工装置で圧下し、縮径する。口絞り加工装置はたとえば、プレス装置、スウェージング装置等である。
Tf ≧ 4.4To-2680 (1)
σ相の析出は、素管の温度以外にも、素管の温度の保持時間にも依存する。たとえば、二相ステンレス鋼管の素管をあるσ相析出温度に加熱し、その温度を保持したとする。加熱後所定時間は素管にσ相は析出しないが、所定時間を過ぎると素管にσ相が析出する。この所定時間は素管の温度によって変化する。そのため、実操業では、予め口絞り加工する素管の材料のσ相析出温度域を調査し、それに基づいて口絞り加工前後の素管の温度を制御し、σ相の析出を抑制している。
本実施形態の口絞り加工方法は、二相ステンレス鋼管の素管の端部の口絞り加工を対象とする。以下、本実施形態の二相ステンレス鋼について説明する。以下の説明において、各成分元素の含有量の「%」は「質量%」を意味する。
炭素(C)は、鋼中のオーステナイト相を安定化する。一方、C含有量が高すぎれば、粗大な炭化物が析出しやすくなり、鋼の耐食性、特に耐SCC性が低下する。したがって、C含有量は0.008~0.03%である。
シリコン(Si)は、任意元素である。Siは、鋼を脱酸する。Siはさらに、鋼の耐食性を高める。Si含有量が高すぎれば、オーステナイト組織の安定性が低下し、かつ、延性が低下する。したがって、Si含有量は0~1%である。
マンガン(Mn)は、鋼を脱酸するとともに、オーステナイト組織を安定化させる。また、Mnは、σ相の析出を抑制しつつ、鋼の強度を高める。一方、Mn含有量が高すぎれば、鋼の耐食性が低下する。したがって、Mn含有量は、0.1~2%である。
クロム(Cr)は鋼の耐食性を高める。一方、Cr含有量が高すぎれば、σ相に代表される金属間化合物が顕著に析出し、鋼の熱間加工性を低下する。したがって、Cr含有量は20~35%である。
ニッケル(Ni)はオーステナイト組織を安定化させる。Niはさらに、鋼の耐食性を高める。一方、Ni含有量が高すぎれば、二相ステンレス鋼中のフェライト相の割合が減少する。さらに、σ相に代表される金属間化合物が顕著に析出する。したがって、Ni含有量は3~10%である。
モリブデン(Mo)は、任意元素である。Moは、鋼の耐食性及び強度を高める。一方、Mo含有量が高すぎれば、σ相に代表される金属間化合物が顕著に析出する。したがって、Mo含有量は0~5%である。
タングステン(W)は、任意元素である。Wは、鋼の耐食性を高める。一方、W含有量が高すぎれば、σ相に代表される金属間化合物が顕著に析出する。したがって、W含有量は0~6%である。
銅(Cu)は、任意元素である。Cuはオーステナイト組織を安定化させる。Cuはさらに、フェライト相及びオーステナイト相の境界におけるσ相の生成を抑制する。Cuはさらに、鋼の強度を高める。一方、Cu含有量が高すぎれば、鋼の熱間加工性が低下する。したがって、Cu含有量は0~3%である。
窒素(N)は、オーステナイト組織を安定化させる。Nは、二相ステンレス鋼の熱的安定性、強度及び耐食性を高める。一方、N含有量が高すぎれば、溶接欠陥であるブローホールが発生しやすくなる。さらに、溶接時の熱影響により粗大な窒化物が生成し、鋼の靭性及び耐食性が低下する。したがって、N含有量は0.15~0.40%である。
準備工程では、上述した二相ステンレス鋼の素管を準備する。素管は継目無鋼管である。マンネスマン製法、ユジーン製法等により製造された二相ステンレス鋼管の素管を所定の長さに切断し、口絞り加工用の二相ステンレス鋼管の素管を得る。
加熱工程は、上述した本実施形態の口絞り加工方法の加熱工程と同じである。そのため、詳細な説明は省略する。
口絞り加工工程は、上述した本実施形態の口絞り加工方法の口絞り加工ステップと同じである。そのため、詳細な説明は省略する。すなわち、本実施形態の二相ステンレス鋼管を生産する方法の加熱工程及び口絞り加工工程では、上述した本実施形態の口絞り加工方法を実施する。口絞り加工工程後、素管を常温まで冷却する。冷却方法はたとえば、常温での放冷である。
冷却された素管に対し冷間引抜加工を実施する。これにより、所定の寸法に縮径された二相ステンレス鋼管が得られる。
種々変更して口絞り加工を実施した。具体的には、二相ステンレス鋼管の素管の端部を加熱した(加熱工程)。その後、加熱された素管の端部を2回から10回の範囲で口絞り加工した(口絞り加工工程)。加熱工程では、加熱炉を制御し、素管の端部を約670℃~約800℃の範囲の種々の温度に加熱した。口絞り加工工程では、1回当たりの加工量を変化させて口絞り回数を2回から10回の間で変化させ、口絞り加工開始から口絞り加工終了までの時間を3分から15分の間で変化させることにより、口絞り加工終了時の素管の端部の温度を約420℃~約720℃の範囲の種々の温度に変化させた。そして、口絞り加工後、素管の割れの有無を目視観察及びミクロ組織観察により確認した。
本実施例で用いた二相ステンレス鋼の組成を表1に示す。口絞り加工条件を表2に示す。
(外径加工度(%))=(1-(口絞り加工後の素管の端部の外径)/(口絞り加工前の素管の端部の外径))×100
試験結果を、図1に示す。図1を参照して、口絞り加工開始時の素管の温度Toが800℃であれば、素管に割れが発生した。口絞り加工開始時の素管の温度Toが800℃の試験での素管を観察すると、σ相の析出が観察された。また、σ相は素管の温度が高温になると析出しやすくなる。すなわち、口絞り加工開始時の素管の温度Toが800℃以上であれば、σ相析出温度域であることが分かった。
2:素管
3:ダイス
4:グリッパ
5:ダイス
6:キャリッジ
7:移動装置
8:アプローチ部
9:ベアリング部
10:口絞り部
Claims (2)
- 質量%で、C:0.008~0.03%、Si:0~1%、Mn:0.1~2%、Cr:20~35%、Ni:3~10%、Mo:0~5%、W:0~6%、Cu:0~3%、及び、N:0.15~0.40%、を含有し、残部はFe及び不純物からなる二相ステンレス鋼の素管の端部の口絞り加工方法であって、
前記素管の端部を650℃以上、800℃未満に加熱する工程と、
口絞り加工終了時の前記端部の温度Tfが、400℃以上、かつ、口絞り加工開始時の前記端部の温度Toに対して式(1)を満たして前記加熱された端部を口絞り加工する工程と、を備える口絞り加工方法であって、
前記口絞り加工開始時から前記口絞り加工終了時までが、15分以内であり、
前記口絞り加工する工程では、1回又は複数回の口絞り加工を行い、前記端部の外径加工度が32%以下である、口絞り加工方法。
Tf ≧ 4.4To-2680 (1) - 質量%で、C:0.008~0.03%、Si:0~1%、Mn:0.1~2%、Cr:20~35%、Ni:3~10%、Mo:0~5%、W:0~6%、Cu:0~3%、及び、N:0.15~0.40%、を含有し、残部はFe及び不純物からなる二相ステンレス鋼の素管を準備する工程と、
前記素管の端部を650℃以上、800℃未満に加熱する工程と、
口絞り加工終了時の前記端部の温度Tfが、400℃以上、かつ、口絞り加工開始時の前記端部の温度Toに対して式(1)を満たして前記加熱された端部を口絞り加工する工程と、
前記口絞り加工された素管を冷間引抜加工する工程と、を備える二相ステンレス鋼管を生産する方法であって、
前記口絞り加工開始時から前記口絞り加工終了時までが、15分以内であり、
前記口絞り加工する工程では、1回又は複数回の口絞り加工を行い、前記端部の外径加工度が32%以下である、二相ステンレス鋼管を生産する方法。
Tf ≧ 4.4To-2680 (1)
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