JP2016050248A - 深紫外発光材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】新規な深紫外発光材料を提供する。【解決手段】化学式、 (La1−xRx)GaO3で表されるランタン、ガリウムの酸化物からなり、式中、Rは、イットリア、ネオジウム、プラセオジウムなどの希土類元素であり、xは当該希土類元素の含有量であって0≦x≦1の関係にある数であり、LaGaO3に代表される200〜350nm域で発光する深紫外発光材料。【選択図】なし
Description
本発明は、深紫外域の波長の光を発光する新規な発光材料に関する。
紫外線は、照明、害虫駆除、樹脂の硬化などに広く使用されている。昨今は、特にその波長が200〜350nmの深紫外線や、200nm以下の真空紫外線への関心が高まっている。深紫外線は、殺菌・浄水・食品等の分野、各種医療分野、高密度記録分野、蛍光体と組み合わせた高演色発光ダイオード照明分野、光触媒と組み合わせた公害物質の分解分野での利用が期待され、既に一部は実用化されている。
現在、上記深紫外の光源、特に殺菌用光源として使用されているのは水銀ランプである。しかしながら、水銀ランプは人体に有害な水銀を使用しているため、無害で長寿命、高輝度な深紫外光源の開発が求められている。
その光源として、深紫外発光LEDではAlGaN系の窒化物半導体が主に研究され、すでに市販されている。しかし、このLEDは、点光源であり、殺菌などで求められる面光源として利用するためには多数並べる必要がある。また、高品質のAlGaN結晶の作製が困難なことから、発光強度、発光効率ともに低く、課題が残されている。
現在、上記深紫外の光源、特に殺菌用光源として使用されているのは水銀ランプである。しかしながら、水銀ランプは人体に有害な水銀を使用しているため、無害で長寿命、高輝度な深紫外光源の開発が求められている。
その光源として、深紫外発光LEDではAlGaN系の窒化物半導体が主に研究され、すでに市販されている。しかし、このLEDは、点光源であり、殺菌などで求められる面光源として利用するためには多数並べる必要がある。また、高品質のAlGaN結晶の作製が困難なことから、発光強度、発光効率ともに低く、課題が残されている。
一方、電子線励起によって蛍光体を発光させるフィールドエミッションランプや無機ELは、面発光可能であり殺菌用途に相応しい。特にフィールドエミッションランプでは、深紫外発光材料としてアルミン酸亜鉛粉末(ZnAl2O4)を用いたデバイスが報告されている。このデバイスは、この粉末を増粘剤と混合してペースト状にし、このペーストを塗布して蛍光体とするものである。従って、蛍光体中に残存した増粘剤が電子線照射により黒化物となるなどにより、発光特性に悪影響を及ぼすことが知られている(非特許文献1)。
深紫外域に相当するバンドギャップエネルギーを持つ材料として、Ga2O3がある。しかしながら、当該単結晶膜のバンドギャップエネルギー(4.8〜4.9eV)に相当する波長約260nmのバンド端発光については議論がある(非特許文献2)。
本願発明者らも、当該Ga2O3単結晶膜の発光に関して検討したが、260nm近傍での発光は観察されなかった(非特許文献3)。その他、深紫外発光する材料としては、電子線励起により発光するダイヤモンド、六方晶窒化ホウ素、窒化アルミニウムなどが知られている。
ランタン(La)を含むガリウム酸化物については、これまで数報の報告があるが、何れも超伝導用、燃料電池材料を目的としたものであり、発光特性に関しては何ら記載がない(特許文献1、2、非特許文献4)。
深紫外域に相当するバンドギャップエネルギーを持つ材料として、Ga2O3がある。しかしながら、当該単結晶膜のバンドギャップエネルギー(4.8〜4.9eV)に相当する波長約260nmのバンド端発光については議論がある(非特許文献2)。
本願発明者らも、当該Ga2O3単結晶膜の発光に関して検討したが、260nm近傍での発光は観察されなかった(非特許文献3)。その他、深紫外発光する材料としては、電子線励起により発光するダイヤモンド、六方晶窒化ホウ素、窒化アルミニウムなどが知られている。
ランタン(La)を含むガリウム酸化物については、これまで数報の報告があるが、何れも超伝導用、燃料電池材料を目的としたものであり、発光特性に関しては何ら記載がない(特許文献1、2、非特許文献4)。
丸田晃三 UVフィールドエミッションランプ、http://www.iwasaki.co.jp/tech_rep/technical/113/index2.html
尾沼猛儀ら、酸化ガリウムのCLスペクトルの温度依存性 第73回応用物理学会学術講演会、講演予稿集、13a-H7-8(2012秋)
向井章ら、カソードルミネッセンス法によるAl2xGa2-2xO3薄膜の発光特性評価 第73回応用物理学会学術講演会、講演予稿集、13a-H7-7(2012秋)
(社)日本セラミックス協会編、「環境調和型新材料シリーズ 燃料電池材料」4.3ペロブスカイト型酸化物系電解質(ガレート系),初版,日刊工業新聞社,2007年1月31日,p159-169
本願発明者らは、塊状或いは薄膜状で、電子線、電場、真空紫外線で励起することにより深紫外発光し、面光源として有用なフィールドエミッションランプや無機ELに用いられうる新規固体材料の探索を行った結果、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、
化学式、
(La1−xRx)GaO3
式中、Rは、Laを除く希土類元素から選ばれる少なくとも一種の元素であり、
xは、0≦x≦1の関係にある数
で表される酸化物からなることを特徴とする深紫外発光材料が提供される。
上記材料において、
1)発光材料が、薄膜であること
2)発光材料が、単結晶であること
が好適である。
化学式、
(La1−xRx)GaO3
式中、Rは、Laを除く希土類元素から選ばれる少なくとも一種の元素であり、
xは、0≦x≦1の関係にある数
で表される酸化物からなることを特徴とする深紫外発光材料が提供される。
上記材料において、
1)発光材料が、薄膜であること
2)発光材料が、単結晶であること
が好適である。
本発明により、フィールドエミッションランプや、無機ELなどの大面積面光源として有用な、深紫外発光材料が提供される。この結果、既存の水銀ランプの代替が可能となり、医療・浄水・食品分野における殺菌に有用である。
〔深紫外発光材料〕
本発明の深紫外発光材料は、ランタン、ガリウム及び必要に応じて希土類元素を含む酸化物であって、下記化学式で表される化合物からなる。
(La1−xRx)GaO3
上記式において、Rは、Laを除く希土類元素から選ばれる少なくとも一種の元素である。具体的には、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、ネオジウム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、またはルテチウム(Lu)である。これら希土類元素の中で、Y、Luは希土類由来のf-f遷移を起こさないため、Pr、Nd、Ceはf-f遷移を起こすが化合物がペロブスカイト構造を保つため、Gd、Erは化合量が少量であればペロブスカイト構造を保つと考えられるため好適である。これら希土類元素は一種でも複数であってもよい。
xは、希土類元素Rの含有量を示し、零または1以下の数であり、後述する製造方法の記載から明らかなように、任意の数に制御して任意の化学組成の酸化物とすることができる。そして、希土類元素Rの種類と化学組成が決まれば、それぞれ固有の発光スペクトルを持つ深紫外光を発する。例えば、xが零の場合であるペロブスカイト型構造をもつLaGaO3単結晶薄膜は、電子線照射により、200〜350nmの波長で発光する。吸収スペクトルから見積もったLaGaO3のバンドギャップは約5.0eVであり、後述するカソードルミネッセンス(CL)のピークエネルギーが4.8eVであったことから、バンド間遷移に帰属する発光であると推察される。
xが零を超えて1以下の場合は、RGaO3の結晶構造により結晶相が異なる。RGaO3がペロブスカイト型構造のときはx全域にわたってLaGaO3とRGaO3との混晶体(La1−xRx)GaO3である。一方、RGaO3がペロブスカイト型構造以外のときは、xが小さい領域では混晶体を維持できるが、xが大きいとペロブスカイト型構造以外の相が現れ混合物となる。
本発明の深紫外発光材料は、ランタン、ガリウム及び必要に応じて希土類元素を含む酸化物であって、下記化学式で表される化合物からなる。
(La1−xRx)GaO3
上記式において、Rは、Laを除く希土類元素から選ばれる少なくとも一種の元素である。具体的には、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、ネオジウム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、またはルテチウム(Lu)である。これら希土類元素の中で、Y、Luは希土類由来のf-f遷移を起こさないため、Pr、Nd、Ceはf-f遷移を起こすが化合物がペロブスカイト構造を保つため、Gd、Erは化合量が少量であればペロブスカイト構造を保つと考えられるため好適である。これら希土類元素は一種でも複数であってもよい。
xは、希土類元素Rの含有量を示し、零または1以下の数であり、後述する製造方法の記載から明らかなように、任意の数に制御して任意の化学組成の酸化物とすることができる。そして、希土類元素Rの種類と化学組成が決まれば、それぞれ固有の発光スペクトルを持つ深紫外光を発する。例えば、xが零の場合であるペロブスカイト型構造をもつLaGaO3単結晶薄膜は、電子線照射により、200〜350nmの波長で発光する。吸収スペクトルから見積もったLaGaO3のバンドギャップは約5.0eVであり、後述するカソードルミネッセンス(CL)のピークエネルギーが4.8eVであったことから、バンド間遷移に帰属する発光であると推察される。
xが零を超えて1以下の場合は、RGaO3の結晶構造により結晶相が異なる。RGaO3がペロブスカイト型構造のときはx全域にわたってLaGaO3とRGaO3との混晶体(La1−xRx)GaO3である。一方、RGaO3がペロブスカイト型構造以外のときは、xが小さい領域では混晶体を維持できるが、xが大きいとペロブスカイト型構造以外の相が現れ混合物となる。
形状は、塊状或いは薄膜状とすることができる。薄膜状の酸化物は、製法上任意の化学組成にしやすいこと、並びに大面積化が可能であること、更に原料の使用量が極小であることから好適である。
結晶性も特に限定されず、非晶質、多結晶、単結晶の何れでもよく、使用目的や使用環境に応じて選択される。特に、単結晶であると、欠陥や粒界が少なく、それらによる非輻射再結合や深い準位からの発光を抑えることができるため有利である。
結晶構造は一般にペロブスカイト型構造となる。当該酸化物は、無色ないしはわずかに着色した透明な固体であり、良好な化学的安定性を有しており、通常の使用においては短期間での性能の劣化は認められない。
結晶性も特に限定されず、非晶質、多結晶、単結晶の何れでもよく、使用目的や使用環境に応じて選択される。特に、単結晶であると、欠陥や粒界が少なく、それらによる非輻射再結合や深い準位からの発光を抑えることができるため有利である。
結晶構造は一般にペロブスカイト型構造となる。当該酸化物は、無色ないしはわずかに着色した透明な固体であり、良好な化学的安定性を有しており、通常の使用においては短期間での性能の劣化は認められない。
〔深紫外発光材料の製造方法1−塊状物〕
本発明に使用する酸化物を構成する元素の酸化物粉末、即ち、La203、Ga203およびR203(Rは、La以外の希土類元素)の各粉末を用意し、目的とする酸化物の化学組成に応じて混合する。混合体は、酸化雰囲気中で、1700〜2200℃に加熱し溶融し徐冷することにより、目的の酸化物とする。これら原料粉末は、混合後焼結或いは溶融固化させて用いてもよい。各原料の純度は、不純物による発光特性への影響を抑制するために、99.99%以上であることが好ましい。
単結晶体とするためには、チョコラルスキー法による引き上げ法、ブリッジマン法による引き下げ法など、通常の結晶育成方法が制限なく採用される。
本発明に使用する酸化物を構成する元素の酸化物粉末、即ち、La203、Ga203およびR203(Rは、La以外の希土類元素)の各粉末を用意し、目的とする酸化物の化学組成に応じて混合する。混合体は、酸化雰囲気中で、1700〜2200℃に加熱し溶融し徐冷することにより、目的の酸化物とする。これら原料粉末は、混合後焼結或いは溶融固化させて用いてもよい。各原料の純度は、不純物による発光特性への影響を抑制するために、99.99%以上であることが好ましい。
単結晶体とするためには、チョコラルスキー法による引き上げ法、ブリッジマン法による引き下げ法など、通常の結晶育成方法が制限なく採用される。
〔深紫外発光材料の製造方法2−薄膜〕
公知の方法、例えばパルスレーザー堆積法により任意の化学組成の薄膜を製造できる。パルスレーザー堆積法とは、特開2011−55898号公報等に記載れている通り、ターゲットと称される原料物質にパルスレーザーを照射して昇華させ、この昇華物を基板上に堆積させて均一な薄膜を作製する物理的気相成長法である。
本発明において用いる基板は、目的の酸化物と格子定数がほぼ等しいストロンチウムチタン酸化物(SrTi03)基板、ランタンアルミネート(LaAl03)基板、スピネル(MgAl2O4)基板などが好適に用いられる。
ターゲットとしては、LaGa03、RGa03、または(La1−xRx)GaO3の焼結体または単結晶が用いられる。更にそれらのターゲットに対してGaを過剰にした混合焼結体を用いることもできる。
ターゲットとしてLaGa03及びRGa03を用いて任意組成の(La1−xRx)GaO3薄膜を製造する場合は、一層成長させる間に上記ターゲットを切り替える。このとき、各ターゲットに照射するパルス数を調整することにより目的組成を実現し、各層に対して同じ切り替え操作を繰り返して薄膜を製造する。即ち、LaGa03にP1パルス照射した後、ターゲットをRGa03に切り替えP2パルス照射して一層成長させた後、再びLaGa03にP1パルス照射した後、ターゲットをRGa03に切り替えP2パルス照射して更に一層成長させることを必要に応じて繰り返す。このときLaGa03に照射するレーザーのパルス数P1とRGa03に照射するレーザーのパルス数P2とにより、得られる薄膜の組成を制御する。
得られる薄膜は、発光効率や光の再吸収などの観点から、平均厚みが50nm〜1μmとすることが好ましい。面積は、大きいほど大面積の発光が可能なるので有利である。
薄膜の結晶性は、大面積化の観点からは、非晶質または多結晶であることが好ましく、発光効率や発光強度の観点からは、多結晶、特に単結晶であることが好ましい。その結晶は上述のようにxに依存し,xが小さな領域ではペロブスカイト型構造である。
公知の方法、例えばパルスレーザー堆積法により任意の化学組成の薄膜を製造できる。パルスレーザー堆積法とは、特開2011−55898号公報等に記載れている通り、ターゲットと称される原料物質にパルスレーザーを照射して昇華させ、この昇華物を基板上に堆積させて均一な薄膜を作製する物理的気相成長法である。
本発明において用いる基板は、目的の酸化物と格子定数がほぼ等しいストロンチウムチタン酸化物(SrTi03)基板、ランタンアルミネート(LaAl03)基板、スピネル(MgAl2O4)基板などが好適に用いられる。
ターゲットとしては、LaGa03、RGa03、または(La1−xRx)GaO3の焼結体または単結晶が用いられる。更にそれらのターゲットに対してGaを過剰にした混合焼結体を用いることもできる。
ターゲットとしてLaGa03及びRGa03を用いて任意組成の(La1−xRx)GaO3薄膜を製造する場合は、一層成長させる間に上記ターゲットを切り替える。このとき、各ターゲットに照射するパルス数を調整することにより目的組成を実現し、各層に対して同じ切り替え操作を繰り返して薄膜を製造する。即ち、LaGa03にP1パルス照射した後、ターゲットをRGa03に切り替えP2パルス照射して一層成長させた後、再びLaGa03にP1パルス照射した後、ターゲットをRGa03に切り替えP2パルス照射して更に一層成長させることを必要に応じて繰り返す。このときLaGa03に照射するレーザーのパルス数P1とRGa03に照射するレーザーのパルス数P2とにより、得られる薄膜の組成を制御する。
得られる薄膜は、発光効率や光の再吸収などの観点から、平均厚みが50nm〜1μmとすることが好ましい。面積は、大きいほど大面積の発光が可能なるので有利である。
薄膜の結晶性は、大面積化の観点からは、非晶質または多結晶であることが好ましく、発光効率や発光強度の観点からは、多結晶、特に単結晶であることが好ましい。その結晶は上述のようにxに依存し,xが小さな領域ではペロブスカイト型構造である。
〔深紫外発光デバイス〕
本発明の深紫外発光材料は、薄膜状にして電子線、電場、真空紫外線で励起することにより深紫外域で発光し、面光源として有用なフィールドエミッションランプや無機ELに用いられる。
例えば、本発明の深紫外発光材料は、石英、石英ガラス、サファイア、フッ化ガラス、フッ化カルシウムなどの深紫外光を透過する基板上に薄膜状に形成し、電界電子放出型の電子銃などの電子線源、陽極と組み合わせて真空室内に配備することにより、フィールドエミッションランプとすることができる。
また、電極間に当該深紫外発光材料を挟み、100〜200V程度の交流電場をかけることにより、無機ELとすることができる。
更に、真空紫外線を発生するキセノン等の含有ガスが充填されたガス放電ランプの内表面に当該深紫外発光材料を含む被膜を設け、ガス放電ランプとすることができる。
本発明の深紫外発光材料は、薄膜状にして電子線、電場、真空紫外線で励起することにより深紫外域で発光し、面光源として有用なフィールドエミッションランプや無機ELに用いられる。
例えば、本発明の深紫外発光材料は、石英、石英ガラス、サファイア、フッ化ガラス、フッ化カルシウムなどの深紫外光を透過する基板上に薄膜状に形成し、電界電子放出型の電子銃などの電子線源、陽極と組み合わせて真空室内に配備することにより、フィールドエミッションランプとすることができる。
また、電極間に当該深紫外発光材料を挟み、100〜200V程度の交流電場をかけることにより、無機ELとすることができる。
更に、真空紫外線を発生するキセノン等の含有ガスが充填されたガス放電ランプの内表面に当該深紫外発光材料を含む被膜を設け、ガス放電ランプとすることができる。
〔カソードルミネッセンス測定〕
カソードルミネッセンスの測定方法、並びに測定装置は公知であり、例えば、特開2011−60555に装置の基本構造が詳細に説明されている。また、株式会社堀場製作所や日本電子株式会社から装置が市販されている。
特に、この装置に、測定試料に電子線を照射して発生する特性X線を検出して測定試料の元素分析が可能なエネルギー分散型X線分光器を組み合わせたものは、同一箇所の元素分析結果と発光結果とを対応付けることができるため、特に後述のコンポジションスプレッド薄膜の評価に極めて有用である。
カソードルミネッセンスの測定方法、並びに測定装置は公知であり、例えば、特開2011−60555に装置の基本構造が詳細に説明されている。また、株式会社堀場製作所や日本電子株式会社から装置が市販されている。
特に、この装置に、測定試料に電子線を照射して発生する特性X線を検出して測定試料の元素分析が可能なエネルギー分散型X線分光器を組み合わせたものは、同一箇所の元素分析結果と発光結果とを対応付けることができるため、特に後述のコンポジションスプレッド薄膜の評価に極めて有用である。
〔コンポジションスプレッド薄膜〕
コンポジションスプレッド薄膜とは、例えば二元系の場合は二種の化合物からなる薄膜であって、一端はある化合物100%からなり、他端は別の化合物100%とからなり、その間は、両化合物が連続的に組成傾斜するように、コンビナトリアル手法で作製された膜である。この膜の任意の場所における物性(発光スペクトル)とその場所の化学組成が分析できるので、組成の変化と発光スペクトルの推移との関連性が極めて短時間に効率的に把握できる。従来は、所望の化学組成の化合物を一つ一つ作製し、各々を分析していたので、物質探索研究においては大変手間が掛かり非効率であった。
このコンポジションスプレッド薄膜は、前出のパルスレーザー堆積装置を用いて作製される。二元系の場合は、例えば二種のターゲットを用意して、一層成長する間に、ターゲットを切り替える。このとき、各ターゲットのアブレーション中に基板を覆うマスクを組成傾斜方向に移動させることにより一端はある化合物100%、他端は別の化合物100%にすることができる。そして、各層に対して同じターゲット切り替えとマスク操作を繰り返すことでコンポジションスプレッド薄膜が作製される。即ち、最初マスクで基板全体を覆っておき、マスクを組成傾斜方向(一端から他端方向)に移動させて基板を露出させながらある化合物のターゲットにあるパルス数P1のパルスレーザーを照射し、照射終了後再びマスクで基板全体を覆い、今度はマスクを反対方向(他端から一端方向)に移動させて基板を露出させながら別の化合物のターゲットにあるパルス数P2のパルスレーザーを照射して一層成長させることを必要に応じて繰り返す。マスクを移動させて、基板の一端から他端までの露出時間を連続的に変化させることで、堆積する化合物の量を制御することができる。
コンポジションスプレッド薄膜とは、例えば二元系の場合は二種の化合物からなる薄膜であって、一端はある化合物100%からなり、他端は別の化合物100%とからなり、その間は、両化合物が連続的に組成傾斜するように、コンビナトリアル手法で作製された膜である。この膜の任意の場所における物性(発光スペクトル)とその場所の化学組成が分析できるので、組成の変化と発光スペクトルの推移との関連性が極めて短時間に効率的に把握できる。従来は、所望の化学組成の化合物を一つ一つ作製し、各々を分析していたので、物質探索研究においては大変手間が掛かり非効率であった。
このコンポジションスプレッド薄膜は、前出のパルスレーザー堆積装置を用いて作製される。二元系の場合は、例えば二種のターゲットを用意して、一層成長する間に、ターゲットを切り替える。このとき、各ターゲットのアブレーション中に基板を覆うマスクを組成傾斜方向に移動させることにより一端はある化合物100%、他端は別の化合物100%にすることができる。そして、各層に対して同じターゲット切り替えとマスク操作を繰り返すことでコンポジションスプレッド薄膜が作製される。即ち、最初マスクで基板全体を覆っておき、マスクを組成傾斜方向(一端から他端方向)に移動させて基板を露出させながらある化合物のターゲットにあるパルス数P1のパルスレーザーを照射し、照射終了後再びマスクで基板全体を覆い、今度はマスクを反対方向(他端から一端方向)に移動させて基板を露出させながら別の化合物のターゲットにあるパルス数P2のパルスレーザーを照射して一層成長させることを必要に応じて繰り返す。マスクを移動させて、基板の一端から他端までの露出時間を連続的に変化させることで、堆積する化合物の量を制御することができる。
〔組成分析〕
作製した薄膜の組成分析は、電子プローブマイクロアナライザー(EPMA)により分析することができる。具体的には、電子線照射により発生した各元素に由来する特性X線をSEMに付属のエネルギー分散型検出器により検出し、検出した該X線強度に係数を掛けて測定位置の組成を算出する。なお、カソードルミネッセンス測定時の測定位置情報とEPMAによる組成分析時の測定位置情報とにより、カソードルミネッセンス測定結果と薄膜組成とを対応づけることができる。
作製した薄膜の組成分析は、電子プローブマイクロアナライザー(EPMA)により分析することができる。具体的には、電子線照射により発生した各元素に由来する特性X線をSEMに付属のエネルギー分散型検出器により検出し、検出した該X線強度に係数を掛けて測定位置の組成を算出する。なお、カソードルミネッセンス測定時の測定位置情報とEPMAによる組成分析時の測定位置情報とにより、カソードルミネッセンス測定結果と薄膜組成とを対応づけることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。また、実施例の中で説明されている特徴の組み合わせすべてが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
実施例1(高結晶LaGaO3薄膜)
SrTi03基板(5mm×10mm)上に、パルスレーザー堆積装置(パスカル株式会社製 ST−LMBE)を使用して、LaGaO3薄膜を形成した。ターゲットはLaGaO3焼結体を用いた。成膜条件はパルスレーザーとしてKrFエキシマレーザ(248nm)、繰り返し周波数10Hz、エネルギー密度1 J/cm2、酸素分圧10mTorr、基板温度850℃とした。得られた薄膜の厚みは、240nmであり、(002)対称反射のロッキングカーブ半値幅が72arcsecであったことから、高い結晶性の単結晶薄膜であった。
この薄膜のCLスペクトルを、検出器として光電子増倍管を使用し、測定時間は10sec/nm、測定波長間隔は1nm、回折格子は1200gr/mmで測定した。その結果を図1に示す。図1から明白なように、200〜350nmの間に深紫外の発光が確認された。
SrTi03基板(5mm×10mm)上に、パルスレーザー堆積装置(パスカル株式会社製 ST−LMBE)を使用して、LaGaO3薄膜を形成した。ターゲットはLaGaO3焼結体を用いた。成膜条件はパルスレーザーとしてKrFエキシマレーザ(248nm)、繰り返し周波数10Hz、エネルギー密度1 J/cm2、酸素分圧10mTorr、基板温度850℃とした。得られた薄膜の厚みは、240nmであり、(002)対称反射のロッキングカーブ半値幅が72arcsecであったことから、高い結晶性の単結晶薄膜であった。
この薄膜のCLスペクトルを、検出器として光電子増倍管を使用し、測定時間は10sec/nm、測定波長間隔は1nm、回折格子は1200gr/mmで測定した。その結果を図1に示す。図1から明白なように、200〜350nmの間に深紫外の発光が確認された。
実施例2(LaGaO3とYGaO3とのコンポジションスプレッド薄膜)
SrTi03基板上に、パルスレーザー堆積装置を使用して、LaGaO3とYGaO3とのコンポジションスプレッド薄膜を形成した。なお基板中央に7mm幅で組成傾斜させた。ターゲットはLaGaO3焼結体とYGaO3焼結体を用いた。成膜条件はパルスレーザーとしてKrFエキシマレーザ(248nm)、繰り返し周波数10Hz、エネルギー密度1 J/cm2、酸素分圧10mTorr、基板温度850℃とした。一層につきLaGaO3側が30パルス、YGaO3側が65パルスとなるようにしてコンポジションスプレッド膜を作製した。得られた薄膜の厚みは、220nmであり、x=0.35までペロブスカイト構造の薄膜であった。この薄膜とCLスペクトル測定点を模式的に図2に示す。
コンポジションスプレッド薄膜の両端(Laリッチ端及びYリッチ端)の2点とその間を4等分した3点の計5点についてCL測定した。測定時間は10sec/nm、測定波長間隔は1nm、回折格子は1200gr/mm、検出器は光電子増倍管を使用した。その結果を図3に示す。図3から、Laがリッチな組成(測定点1,2,3)では、200〜350にブロードな発光ピークが確認され、Yがリッチな組成(測定点4,5)となるにつれ、発光ピーク強度が強くなり、200〜300nmと317nmの二つの発光ピークが生じていることが理解できる。以下に、EPMAによる、各測定点におけるLaGaO3とYGaO3との組成割合を示す。
(La1−xYx)GaO3
測定点1 x=0.10
2 x=0.25
3 x=0.41
4 x=0.59
5 x=0.78
SrTi03基板上に、パルスレーザー堆積装置を使用して、LaGaO3とYGaO3とのコンポジションスプレッド薄膜を形成した。なお基板中央に7mm幅で組成傾斜させた。ターゲットはLaGaO3焼結体とYGaO3焼結体を用いた。成膜条件はパルスレーザーとしてKrFエキシマレーザ(248nm)、繰り返し周波数10Hz、エネルギー密度1 J/cm2、酸素分圧10mTorr、基板温度850℃とした。一層につきLaGaO3側が30パルス、YGaO3側が65パルスとなるようにしてコンポジションスプレッド膜を作製した。得られた薄膜の厚みは、220nmであり、x=0.35までペロブスカイト構造の薄膜であった。この薄膜とCLスペクトル測定点を模式的に図2に示す。
コンポジションスプレッド薄膜の両端(Laリッチ端及びYリッチ端)の2点とその間を4等分した3点の計5点についてCL測定した。測定時間は10sec/nm、測定波長間隔は1nm、回折格子は1200gr/mm、検出器は光電子増倍管を使用した。その結果を図3に示す。図3から、Laがリッチな組成(測定点1,2,3)では、200〜350にブロードな発光ピークが確認され、Yがリッチな組成(測定点4,5)となるにつれ、発光ピーク強度が強くなり、200〜300nmと317nmの二つの発光ピークが生じていることが理解できる。以下に、EPMAによる、各測定点におけるLaGaO3とYGaO3との組成割合を示す。
(La1−xYx)GaO3
測定点1 x=0.10
2 x=0.25
3 x=0.41
4 x=0.59
5 x=0.78
実施例3(LaGaO3とNdGaO3とのコンポジションスプレッド薄膜)
実施例2と同様にして、LaGaO3とNdGaO3とのコンポジションスプレッド薄膜を形成した。なお基板中央に7mm幅で組成傾斜させた。ターゲットとしてLaGaO3とGa2O3の混合体(Ga/La=2)の焼結体とNdGaO3とGa2O3の混合体(Ga/Nd=2)の焼結体とを用いた。成膜条件はパルスレーザーとしてKrFエキシマレーザ(248nm)、繰り返し周波数4Hz、エネルギー密度1 J/cm2、酸素分圧0.1mTorr、基板温度800℃とした。一層につきLaGaO3側が58パルス、NdGaO3側が49パルスとなるようにしてコンポジションスプレッド膜を作製した。得られた薄膜の厚みは、約220nmであり、ペロブスカイト型構造を有する薄膜であった。
コンポジションスプレッド薄膜の両端(Laリッチ端及びNdリッチ端)の2点とその間を4等分した3点の計5点についてCL測定した。測定時間は5sec/nm、測定間隔は1nm、回折格子は1200gr/mm、検出器は光電子増倍管を使用した。
図4に、各測定点における発光スペクトルを示す。200〜320nmに深紫外発光スペクトルが確認できた。以下に、EPMAによる、各測定点におけるLaGaO3とNdGaO3との組成割合を示す。特にx=0.11〜0.42の中間組成で強度が大きくなり,混晶による発光強度増大を確認した。
(La1−xNdx)GaO3
測定点1 x=0.11
2 x=0.26
3 x=0.42
4 x=0.60
5 x=0.79
実施例2と同様にして、LaGaO3とNdGaO3とのコンポジションスプレッド薄膜を形成した。なお基板中央に7mm幅で組成傾斜させた。ターゲットとしてLaGaO3とGa2O3の混合体(Ga/La=2)の焼結体とNdGaO3とGa2O3の混合体(Ga/Nd=2)の焼結体とを用いた。成膜条件はパルスレーザーとしてKrFエキシマレーザ(248nm)、繰り返し周波数4Hz、エネルギー密度1 J/cm2、酸素分圧0.1mTorr、基板温度800℃とした。一層につきLaGaO3側が58パルス、NdGaO3側が49パルスとなるようにしてコンポジションスプレッド膜を作製した。得られた薄膜の厚みは、約220nmであり、ペロブスカイト型構造を有する薄膜であった。
コンポジションスプレッド薄膜の両端(Laリッチ端及びNdリッチ端)の2点とその間を4等分した3点の計5点についてCL測定した。測定時間は5sec/nm、測定間隔は1nm、回折格子は1200gr/mm、検出器は光電子増倍管を使用した。
図4に、各測定点における発光スペクトルを示す。200〜320nmに深紫外発光スペクトルが確認できた。以下に、EPMAによる、各測定点におけるLaGaO3とNdGaO3との組成割合を示す。特にx=0.11〜0.42の中間組成で強度が大きくなり,混晶による発光強度増大を確認した。
(La1−xNdx)GaO3
測定点1 x=0.11
2 x=0.26
3 x=0.42
4 x=0.60
5 x=0.79
実施例4(LaGaO3とPrGaO3とのコンポジションスプレッド薄膜)
実施例2と同様にして、LaGaO3とPrGaO3とのコンポジションスプレッド薄膜を形成した。なお基板中央に7mm幅で組成傾斜させた。ターゲットとしてLaGaO3とGa2O3の混合体(Ga/La=2)の焼結体とPrGaO3とGa2O3の混合体(Ga/Pr=2)の焼結体を用いた。成膜条件はパルスレーザーとしてKrFエキシマレーザ(248nm)、繰り返し周波数4Hz、エネルギー密度1 J/cm2、酸素分圧0.1mTorr、基板温度800℃とした。一層につきLaGaO3側が58パルス、PrGaO3側が74パルスとなるようにしてコンポジションスプレッド膜を作製した。得られた薄膜の厚みは、約220nmであり、ペロブスカイト型構造を有する薄膜であった。
CL測定は実施例3と同様に行った。
図5に、各測定点における発光スペクトルを示す。230〜350nmに深紫外発光スペクトルが確認できた。以下に、EPMAによる、各測定点におけるLaGaO3とPrGaO3との組成割合を示す。
(La1−xPrx)GaO3
測定点1 x=0.07
2 x=0.22
3 x=0.40
4 x=0.56
5 x=0.69
実施例2と同様にして、LaGaO3とPrGaO3とのコンポジションスプレッド薄膜を形成した。なお基板中央に7mm幅で組成傾斜させた。ターゲットとしてLaGaO3とGa2O3の混合体(Ga/La=2)の焼結体とPrGaO3とGa2O3の混合体(Ga/Pr=2)の焼結体を用いた。成膜条件はパルスレーザーとしてKrFエキシマレーザ(248nm)、繰り返し周波数4Hz、エネルギー密度1 J/cm2、酸素分圧0.1mTorr、基板温度800℃とした。一層につきLaGaO3側が58パルス、PrGaO3側が74パルスとなるようにしてコンポジションスプレッド膜を作製した。得られた薄膜の厚みは、約220nmであり、ペロブスカイト型構造を有する薄膜であった。
CL測定は実施例3と同様に行った。
図5に、各測定点における発光スペクトルを示す。230〜350nmに深紫外発光スペクトルが確認できた。以下に、EPMAによる、各測定点におけるLaGaO3とPrGaO3との組成割合を示す。
(La1−xPrx)GaO3
測定点1 x=0.07
2 x=0.22
3 x=0.40
4 x=0.56
5 x=0.69
実施例5(LaGaO3とGdGaO3とのコンポジションスプレッド薄膜)
実施例2と同様にして、LaGaO3とGdGaO3とのコンポジションスプレッド薄膜を形成した。なお基板中央に7mm幅で組成傾斜させた。ターゲットとしてLaGaO3焼結体とGdGaO3焼結体を用いた。成膜条件はパルスレーザーとしてKrFエキシマレーザ(248nm)、繰り返し周波数4Hz、エネルギー密度1 J/cm2、酸素分圧1mTorr、基板温度650℃とした。一層につきLaGaO3側が32パルス、GdGaO3側が69パルスとなるようにしてコンポジションスプレッド膜を作製した。得られた薄膜の厚みは、約220nmであった。
CL測定は実施例3と同様に行った。
図6に、各測定点における発光スペクトルを示す。220〜340nmに深紫外発光スペクトルが確認できた。以下に、EPMAによる、各測定点におけるLaGaO3とGdGaO3との組成割合を示す。特にx=0.26〜0.77の中間組成でGdによる特異な遷移構造を確認した。
(La1−xGdx)GaO3
測定点1 x=0
2 x=0.26
3 x=0.50
4 x=0.77
5 x=0.94
実施例2と同様にして、LaGaO3とGdGaO3とのコンポジションスプレッド薄膜を形成した。なお基板中央に7mm幅で組成傾斜させた。ターゲットとしてLaGaO3焼結体とGdGaO3焼結体を用いた。成膜条件はパルスレーザーとしてKrFエキシマレーザ(248nm)、繰り返し周波数4Hz、エネルギー密度1 J/cm2、酸素分圧1mTorr、基板温度650℃とした。一層につきLaGaO3側が32パルス、GdGaO3側が69パルスとなるようにしてコンポジションスプレッド膜を作製した。得られた薄膜の厚みは、約220nmであった。
CL測定は実施例3と同様に行った。
図6に、各測定点における発光スペクトルを示す。220〜340nmに深紫外発光スペクトルが確認できた。以下に、EPMAによる、各測定点におけるLaGaO3とGdGaO3との組成割合を示す。特にx=0.26〜0.77の中間組成でGdによる特異な遷移構造を確認した。
(La1−xGdx)GaO3
測定点1 x=0
2 x=0.26
3 x=0.50
4 x=0.77
5 x=0.94
実施例6(LaGaO3とErGaO3とのコンポジションスプレッド薄膜)
実施例2と同様にして、LaGaO3とErGaO3とのコンポジションスプレッド薄膜を形成した。なお基板中央に7mm幅で組成傾斜させた。ターゲットとしてLaGaO3とGa2O3の混合体(Ga/La=2)の焼結体とErGaO3とGa2O3の混合体(Ga/Er=2)の焼結体を用いた。成膜条件はパルスレーザーとしてKrFエキシマレーザ(248nm)、繰り返し周波数4Hz、エネルギー密度1 J/cm2、酸素分圧0.1mTorr、基板温度800℃とした。一層につきLaGaO3側が58パルス、ErGaO3側が172パルスとなるようにしてコンポジションスプレッド膜を作製した。得られた薄膜の厚みは、約220nmであった。
CL測定は実施例3と同様に行った。
図7に、各測定点における発光スペクトルを示す。220〜340nmに深紫外発光スペクトルが確認できた。以下に、EPMAによる、各測定点におけるLaGaO3とErGaO3との組成割合を示す。
(La1−xErx)GaO3
測定点1 x=0
2 x=0.06
3 x=0.27
4 x=0.47
5 x=0.67
実施例2と同様にして、LaGaO3とErGaO3とのコンポジションスプレッド薄膜を形成した。なお基板中央に7mm幅で組成傾斜させた。ターゲットとしてLaGaO3とGa2O3の混合体(Ga/La=2)の焼結体とErGaO3とGa2O3の混合体(Ga/Er=2)の焼結体を用いた。成膜条件はパルスレーザーとしてKrFエキシマレーザ(248nm)、繰り返し周波数4Hz、エネルギー密度1 J/cm2、酸素分圧0.1mTorr、基板温度800℃とした。一層につきLaGaO3側が58パルス、ErGaO3側が172パルスとなるようにしてコンポジションスプレッド膜を作製した。得られた薄膜の厚みは、約220nmであった。
CL測定は実施例3と同様に行った。
図7に、各測定点における発光スペクトルを示す。220〜340nmに深紫外発光スペクトルが確認できた。以下に、EPMAによる、各測定点におけるLaGaO3とErGaO3との組成割合を示す。
(La1−xErx)GaO3
測定点1 x=0
2 x=0.06
3 x=0.27
4 x=0.47
5 x=0.67
実施例7(LaGaO3とLuGaO3とのコンポジションスプレッド薄膜)
実施例2と同様にして、LaGaO3とLuGaO3とのコンポジションスプレッド薄膜を形成した。なお基板中央に7mm幅で組成傾斜させた。ターゲットとしてLuGaO3とGa2O3の混合体(Ga/La=2)の焼結体とLuGaO3とGa2O3の混合体(Ga/Lu=2)の焼結体を用いた。成膜条件はパルスレーザーとしてKrFエキシマレーザ(248nm)、繰り返し周波数4Hz、エネルギー密度1 J/cm2、酸素分圧0.1mTorr、基板温度800℃とした。一層につきLaGaO3側が58パルス、LuGaO3側が206パルスとなるようにしてコンポジションスプレッド膜を作製した。得られた薄膜の厚みは、約220nmであった。
CL測定は実施例3と同様に行った。
図8に、各測定点における発光スペクトルを示す。220〜330nmに深紫外発光スペクトルが確認できた。以下に、EPMAによる、各測定点におけるLaGaO3とLuGaO3との組成割合を示す。x=0.10以上でLuによる輝線が観察された。
(La1−xLux)GaO3
測定点1 x=0
2 x=0.03
3 x=0.10
4 x=0.22
5 x=0.41
実施例2と同様にして、LaGaO3とLuGaO3とのコンポジションスプレッド薄膜を形成した。なお基板中央に7mm幅で組成傾斜させた。ターゲットとしてLuGaO3とGa2O3の混合体(Ga/La=2)の焼結体とLuGaO3とGa2O3の混合体(Ga/Lu=2)の焼結体を用いた。成膜条件はパルスレーザーとしてKrFエキシマレーザ(248nm)、繰り返し周波数4Hz、エネルギー密度1 J/cm2、酸素分圧0.1mTorr、基板温度800℃とした。一層につきLaGaO3側が58パルス、LuGaO3側が206パルスとなるようにしてコンポジションスプレッド膜を作製した。得られた薄膜の厚みは、約220nmであった。
CL測定は実施例3と同様に行った。
図8に、各測定点における発光スペクトルを示す。220〜330nmに深紫外発光スペクトルが確認できた。以下に、EPMAによる、各測定点におけるLaGaO3とLuGaO3との組成割合を示す。x=0.10以上でLuによる輝線が観察された。
(La1−xLux)GaO3
測定点1 x=0
2 x=0.03
3 x=0.10
4 x=0.22
5 x=0.41
実施例8(NdGaO3薄膜)
実施例1と同様に、SrTi03基板上にNdGaO3薄膜を形成した。ターゲットはNdGaO3とGa2O3の混合体(Ga/Nd=2)の焼結体を用いた。成膜条件はパルスレーザーとしてKrFエキシマレーザ(248nm)、繰り返し周波数4Hz、エネルギー密度1 J/cm2、酸素分圧0.1mTorr、基板温度800℃とした。得られた薄膜の厚みは、約200nmであり、ペロブスカイト型構造を有する薄膜であった。
この薄膜のCLスペクトルを、検出器として光電子増倍管を使用し、測定時間は10sec/nm、測定波長間隔は1nm、回折格子は1200gr/mmで測定した。
図9に発光スペクトルを示す。220〜340nmに深紫外発光スペクトルが確認できた。
実施例1と同様に、SrTi03基板上にNdGaO3薄膜を形成した。ターゲットはNdGaO3とGa2O3の混合体(Ga/Nd=2)の焼結体を用いた。成膜条件はパルスレーザーとしてKrFエキシマレーザ(248nm)、繰り返し周波数4Hz、エネルギー密度1 J/cm2、酸素分圧0.1mTorr、基板温度800℃とした。得られた薄膜の厚みは、約200nmであり、ペロブスカイト型構造を有する薄膜であった。
この薄膜のCLスペクトルを、検出器として光電子増倍管を使用し、測定時間は10sec/nm、測定波長間隔は1nm、回折格子は1200gr/mmで測定した。
図9に発光スペクトルを示す。220〜340nmに深紫外発光スペクトルが確認できた。
実施例9(PrGaO3薄膜)
実施例1と同様に、SrTi03基板上にPrGaO3薄膜を形成した。ターゲットはPrGaO3とGa2O3の混合体(Ga/Pr=2)の焼結体を用いた。成膜条件はパルスレーザーとしてKrFエキシマレーザ(248nm)、繰り返し周波数4Hz、エネルギー密度1 J/cm2、酸素分圧0.1mTorr、基板温度800℃とした。得られた薄膜の厚みは、約200nmであった。
この薄膜のCLスペクトルを、検出器として光電子増倍管を使用し、測定時間は10sec/nm、測定波長間隔は1nm、回折格子は1200gr/mmで測定した。
図10に発光スペクトルを示す。200〜340nmに深紫外発光スペクトルが確認できた。
実施例1と同様に、SrTi03基板上にPrGaO3薄膜を形成した。ターゲットはPrGaO3とGa2O3の混合体(Ga/Pr=2)の焼結体を用いた。成膜条件はパルスレーザーとしてKrFエキシマレーザ(248nm)、繰り返し周波数4Hz、エネルギー密度1 J/cm2、酸素分圧0.1mTorr、基板温度800℃とした。得られた薄膜の厚みは、約200nmであった。
この薄膜のCLスペクトルを、検出器として光電子増倍管を使用し、測定時間は10sec/nm、測定波長間隔は1nm、回折格子は1200gr/mmで測定した。
図10に発光スペクトルを示す。200〜340nmに深紫外発光スペクトルが確認できた。
Claims (3)
- 化学式、
(La1−xRx)GaO3
式中、Rは、Laを除く希土類元素から選ばれる少なくとも一種の元素であり、
xは、0≦x≦1の関係にある数
で表される酸化物からなることを特徴とする深紫外発光材料。 - 発光材料が薄膜であることを特徴とする請求項1に記載の深紫外発光材料。
- 発光材料が、単結晶であることを特徴とする請求項1または2に記載の深紫外発光材料。
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