JP2013525524A - 金属粒子を含有する希土イオンがドープされたランタンガラート発光材料及びその製造方法 - Google Patents

金属粒子を含有する希土イオンがドープされたランタンガラート発光材料及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】発光効率が高く、優れた発光性能を有し、励起されると発射光の純度及び輝度が高く、各種の発光器具に広範囲に応用できる金属粒子を含有する希土イオンがドープされたランタンガラート発光材料及びその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る金属粒子を含有する希土イオンがドープされたランタンガラート発光材料は、その一般式は、La1−xGaO:Ln,Mであり、Lnは希土イオンであり、Mは金属粒子であり、xの数値範囲は0.001〜0.1であり、yの数値範囲は0.00002〜0.01である。該金属粒子を含有する希土イオンがドープされたランタンガラート発光材料には、金属粒子を添加するので、同じ励起条件における発光性能が大きく向上され、且つ発射光の波長が変わらない。
【選択図】図1

Description

本発明は、発光材料に関するものであり、特に、金属粒子を含有する希土イオンがドープされたランタンガラート発光材料及びその製造方法に関するものである。
近年来、照明技術及び表示技術は、人々の日常生活において幅広く用いられる。しかし、現在、照明器具及び表示部品が使用されている青色蛍光材料は、殆んど硫化亜鉛及び希土イオンにより励起された酸化物系又は硫化物系の粉体である。硫化物系の蛍光粉は、発光輝度が高く且つ一定の導電性を有するが、大束電子ビームに衝撃される場合、分解しやすく、蛍光粉の発光効率を低下させた。一方、酸化物系の蛍光粉は、安定性が良いが、低圧電子ビームにより衝撃されると、発光効率が高くなく、且つ材料が何れも絶縁体であり、性能がさらに改善されるか又は高められる必要がある。それに、蛍光粉の平坦化工程の制御も難しく、下地との密着性も不十分であり、蛍光粉の使用効率及び使用寿命に直接に影響を与える。希土イオンがドープされたガリウム酸塩発光材料、特にガリウム酸ランタン(La1−xGaO:Ln)材料は、良好な青色光発光性能を持つ。しかしながら、それを如何に薄膜に成膜し、且つ製造される発光薄膜に優れた均一性、安定性及び密着性を付与することは、化学及び物理材料学分野における希土発光材料の重要な研究内容となっている。
従って、材料の不均一性、低安定性及び下地との密着性が弱いなどの欠点を克服するため、各種の発光器具に広く用いられることができるランタンガラート発光材料を製造することが望まれている。
上記の問題点に鑑み、本発明は、発光効率が高い金属粒子を含有する希土イオンがドープされたランタンガラート発光材料及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明に係る金属粒子を含有する希土イオンがドープされたランタンガラート発光材料は、その一般式が、La1−xGaO:Ln,Mである。ただし、Lnは希土イオンであり、Mは金属粒子であり、xの数値範囲は0.001〜0.1であり、yの数値範囲は0.00002〜0.01である。
また、上記の発光材料において、Lnは、Tm3+、Tb3+、Eu3+及びSm3+の中から選ばれる一種又は多種である。Mは、Ag、Au、Pt及びPd金属粒子から選ばれる何れか一種である。前記xの数値範囲は0.001〜0.08であり、yの数値範囲は0.00005〜0.007である。
本発明に係る金属粒子を含有する希土イオンがドープされたランタンガラート発光材料の製造方法は、以下のステップを含む。
ステップS01では、化学量論比に基づいて、ランタンイオンを源とする化合物、ガリウムイオンを源とする化合物及びLnを源とする化合物を選択してそれを原料とする。各原料化合物の化学量論比は、一般式La1−xGaO:Ln中の対応元素のモル比率に基づくものである。ただし、ここで、Lnは希土イオンであり、xの数値範囲は0.001〜0.1である。
ステップS02では、上記の各原料化合物を混合して混合物を製造し、又は、各原料化合物を混合し溶解して混合溶液を製造する。
ステップS03では、上記ステップS02で得られた混合物または混合溶液を、水とエタノールとの混合溶液に入れて、金属粒子原料、錯化剤及び界面活性剤を順次添加してから、加熱撹拌してLa1−xGaO:Ln,Mのコロイドを得る。ここで、Mは金属粒子であり、yの数値範囲は0.00002〜0.01である。
ステップS04では、エージング(aging)した前記La1−xGaO:Ln,Mコロイドに対してコーティングを行い、数回のスピンコートおよび毎回コーティングをして薄膜を形成し、薄膜を乾燥させ、スピンコートにより成形された前記薄膜を焼結して、所望の金属粒子を含有する希土イオンがドープされたランタンガラート発光材料を得る。
また、本発明の製造方法において、前記ランタンイオンを源とする化合物、ガリウムイオンを源とする化合物及び希土イオンを源とする化合物は、金属酸化物、蓚酸塩及び炭酸塩の中の少なくとも一種であり、且つ分析用塩酸又は分析用硝酸で溶解する。
また、本発明の製造方法において、前記ランタンイオンを源とする化合物、前記ガリウムイオンを源とする化合物及び前記希土イオンを源とする化合物は、硝酸塩又は塩酸塩である。Lnは、Tm3+、Tb3+、Eu3+及びSm3+の中から選ばれる一種或いは多種である。
また、本発明の製造方法において、前記金属粒子原料は、Ag、Au、Pt又はPdのナノコロイド粒子であり、またはAgNO、HAuCl、HPtCl又はHPdClであり、その濃度の範囲が0.001mol/L〜0.1mol/Lである。前記水とエタノールとの体積比は、1:3〜1:8である。
また、本発明の製造方法において、前記錯化剤はクエン酸であり、前記界面活性剤はポリグリコールであり、前記クエン酸と原料中の前記金属粒子とのモル比率は、1:1〜5:1である。
また、本発明の製造方法には、ステップS03において、前記加熱撹拌の条件は、60℃〜80℃の水浴で2時間〜6時間を加熱撹拌してから、70℃〜150℃の温度で20時間〜48時間を加熱することによって、溶剤を揮発させる。
また、本発明の製造方法には、ステップS04において、3回〜10回をスピンコートし、且つ毎回塗布した後、薄膜を100℃〜150℃のオーブンに入れて5分間〜30分間を乾燥し、スピンコートにより成形された前記薄膜をプログラミング加熱炉の中に置いて、1℃〜5℃の加熱速度で700℃〜1200℃まで焼結し、且つ1時間〜3時間を保温する。
本発明は、希土イオンがドープされたランタンガラート発光材料に金属粒子を添加することによって、同じ励起条件でランタンガラート発光材料の発光性能が大きく向上され、且つ発射光の波長が変わらない。即ち、本発明の発光材料は、優れた発光性能を有し、励起されると高純度及び高輝度の光を発するので、各種の発光器具に広範囲に応用できる。
また、本発明の製造方法は、ドーピングが均一で、プロセスが簡単で、且つコストも低い。本発明の方法による発光薄膜材料は、優れた発光性能を持ち、発射光の純度及び輝度が高く、膜厚が均一で、且つ下地との密着性も良好であるので、発光材料の製造技術に広範囲に応用できる。
本発明に係る金属粒子を含有する希土イオンがドープされたランタンガラート発光材料の製造方法のフローチャートである。
以下、本発明の実施例及び図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳しく説明する。なお、以下の実施例はあくまで例示の目的であり、これらの実施例のみに限定されるものではない。
本発明に係る金属粒子を含有する希土イオンがドープされたランタンガラート発光材料は、その一般式が、La1−xGaO:Ln,Mである。式中に、Lnは希土イオンであり、Mは金属粒子であり、xの数値範囲は0.001〜0.1であり、yの数値範囲は0.00002〜0.01である。
また、本発明の発光材料において、Lnは、Tm3+、Tb3+、Eu3+及びSm3+の中から選ばれる一種又は多種である。Mは、Ag、Au、Pt及びPd金属粒子から選ばれる一種である。前記xの数値範囲は0.001〜0.08であり、前記yの数値範囲は0.00005〜0.007である。
図1に示したように、本発明に係る金属粒子を含有する希土イオンがドープされたランタンガラート発光材料の製造方法は、以下のステップを含む。
ステップS01では、化学量論比に基づいて、ランタンイオンを源とする化合物、ガリウムイオンを源とする化合物及びLnを源とする化合物を適量に選ぶ。各原料化合物の化学量論比は、一般式La1−xGaO:Ln中の相応元素のモル比率に基づくものである。Lnは希土イオンであり、xの数値範囲は0.001〜0.1である。
ステップS02では、上記各原料化合物を混合して混合物を製造し、または原料化合物を混合し溶解して混合溶液を製造する。
ステップS03では、ステップS02で得られた混合物または混合溶液を水とエタノールとの混合溶液に入れて、金属粒子原料、錯化剤及び界面活性剤を順次添加してから、加熱撹拌してLa1−xGaO:Ln,Mのコロイドを得る。ここで、Mは金属粒子であり、yの数値範囲は0.00002〜0.01である。
ステップS04では、エージングした前記La1−xGaO:Ln,Mコロイドに対してコーティングを行い、数回スピンコートし、且つ毎回コーティングして薄膜を形成し、前記薄膜を乾燥させて、スピンコートにより成形された前記薄膜を焼結して、所望の金属粒子を含有する希土イオンがドープされたランタンガラート発光材料を得る。
また、ステップS01において、前記ランタンイオンを源とする化合物、ガリウムイオンを源とする化合物及び希土イオンを源とする化合物は、金属酸化物、蓚酸塩及び炭酸塩の中の少なくとも一種である。Lnは、Tm3+、Tb3+、Eu3+及びSm3+の中から選ばれる一種又は多種である。前記金属酸化物の原料は、La、Ga、Tm、Eu、Sm又はTbであってもよい。前記塩酸塩系原料は、LaCl、GaCl、TmCl、TbCl、EuCl又はSmClであってもよい。前記硝酸塩系原料は、La(NO、Ga(NO、Tm(NO、Tb(NO、Eu(NO又はSm(NOであってもよい。前記炭酸塩系原料は、La3+、Ga3+、Tm3+、Eu3+、Tb3+又はSm3+の炭酸塩であってもよい。前記蓚酸塩系原料は、La3+、Ga3+、Tm3+、Eu3+、Tb3+又はSm3+の蓚酸塩であってもよい。
また、ステップS02において、もし上記のランタンイオンを源とする化合物、ガリウムイオンを源とする化合物及び希土イオンを源とする化合物は、金属酸化物、蓚酸塩及び炭酸塩であれば、分析用塩酸又は分析用硝酸で(濃度14.4mol/L〜15.2mol/LのHNO65質量%〜68質量%;濃度11.7mol/LのHCL 36質量%〜37質量%)上記金属酸化物、蓚酸塩及び炭酸塩を溶解する。ステップS02において、15℃〜100℃の加熱条件で各源とする化合物を溶解する。
また、ステップS03において、前記金属粒子原料は、Ag、Au、Pt又はPdのナノコロイド粒子であり、またはAgNO、HAuCl、HPtCl又はHPdCl等の水及びエタノールに溶解できる塩類であり、その濃度範囲が0.001mol/L〜0.1mol/Lである。前記水とエタノールとの体積比は、1:3〜1:8である。前記錯化剤は、良質な純クエン酸であり、該クエン酸と原料中の金属粒子とのモル比率は、1:1〜5:1である。前記界面活性剤は、分析用ポリグリコールであり、且つ分子量が6000、8000、10000又は20000である。前記混合溶液に添加した後のポリグリコールの濃度は、0.05g/mL〜0.20g/mLである。前記加熱撹拌工程については、60℃〜80℃の水浴中で2時間〜6時間を加熱撹拌してから、70℃〜150℃の温度で20時間〜48時間を加熱して溶剤を揮発させて、La1−xGaO:Ln,Mコロイドを得る。
また、ステップS04において、3回〜10回をスピンコートし、且つ毎回塗布した後、薄膜を100℃〜150℃のオーブンに入れて5分間〜30分間を乾燥し、スピンコートにより成形された前記薄膜をプログラミング加熱炉の中に置いて、1℃〜5℃の加熱速度で700℃〜1200℃まで焼結し、且つ1時間〜3時間を保温して、膜厚100nm〜2μmのランタンガラート発光材料を得る。
本発明は、希土イオンがドープされたランタンガラート発光材料に金属粒子を添加することによって、同じ励起条件でランタンガラート発光材料の発光性能が大きく向上され、且つ発射光の波長が変わらない。本発明の発光材料は、優れた発光性能を有し、励起されると、発射光の純度及び輝度が高いので、各種の発光器具に広範囲に応用できる。
また、本発明の製造方法は、ドーピングが均一で、プロセスが簡単で、且つコストも低い。本発明の方法による発光薄膜材料は、優れた発光性能を持ち、発射光の純度及び輝度が高く、膜厚が均一で、且つ下地との密着性も良好であるので、発光材料の製造技術に広範囲に応用できる。
以下、実施例を挙げて、本発明の金属粒子を含有する希土イオンがドープされたランタンガラート発光材料の異なる構成及びその製造方法について詳細に説明する。
(実施例1)
室温下で、6.4286gのLa(NO・6HO、及び6.4556gのGa元素16.2%を含有するGa(NO・XHOを正確に秤量して、それを容器の中に置く。それから、それに50mlの体積比が3:1のエタノールと水との混合溶液を入れて、60℃の水浴撹拌条件で1.5mlの濃度が0.1mol/LのTm3+溶液、0.15mlの濃度が0.01mol/LのAgNO溶液、11.5284gのクエン酸及び5gのポリグリコール10000を添加して、さらに4時間撹拌した後、均一透明な前駆体溶液を得る。
次に、製造したLa0.99GaO:Tm0.01,Ag0.0001溶液を70℃のオーブンの中に入れて48時間エージングさせて、La0.99GaO:Tm0.01,Ag0.0001ゲルを得て、それに対して6回スピンコートし、且つ毎回塗布した後、得た薄膜を120℃のオーブンに入れて15分間(min)を乾燥する。
最後に、スピンコートにより成形された薄膜をプログラミング加熱炉に置いて3℃の加熱速度で1000℃まで焼結し且つ3時間(h)保温して、膜厚が1μmmの発光薄膜材料La0.99GaO:Tm0.01,Ag0.0001を得る。この方法による発光薄膜材料は、電子ビームにより励起されると、青色光を発する。
(実施例2)
室温下で、0.8064gのLa及び0.4686gのGaを正確に秤量し且つそれを濡らしてから、4.1mlの塩酸及び1mlの脱イオン水を用いて、15℃の撹拌条件下で前記原料を容器の中に溶解する。冷却した後、それに50mlの体積比が3:1のエタノールと水との混合溶液を入れて、60℃の水浴撹拌条件で、0.5mlの濃度が0.1mol/LのTm3+溶液、2.5mlの濃度が0.001mol/LのAgナノコロイド粒子溶液、4.8035gのクエン酸及び5gのポリグリコール6000を添加して、さらに4時間撹拌した後、均一透明な前駆体ゾルを得る。
次に、製造したLa0.99GaO:Tm0.01,Ag0.0005溶液を150℃のオーブンに入れて20時間エージングさせて、La0.99GaO:Tm0.01,Ag0.0005ゲルを得てから、それに対して6回スピンコートし、且つ毎回塗布した後、薄膜を100℃のオーブンに入れて30分間(min)乾燥する。
最後に、スピンコートにより成形された薄膜をプログラミング加熱炉に置いて5℃の加熱速度で1200℃まで焼結し且つ2時間(h)保温して、膜厚が1μmの発光薄膜材料La0.99GaO:Tm0.01,Ag0.0005を得る。この方法による発光薄膜材料は、電子ビームにより励起されると、青色光を発する。
(実施例3)
室温下で、2.1537gのLa(NO・6HO、及び2.1519gのGa元素16.2%を含有するGa(NO・XHOを正確に秤量して、それを容器の中に置く。次に、それに50mlの体積比が8:1のエタノールと水との混合溶液を入れて、70℃の水浴撹拌条件下で0.25mlの濃度が0.1mol/LのTb3+溶液、0.25mlの濃度が0.001mol/LのAgナノコロイド粒子溶液、0.9607gのクエン酸及び5gのポリグリコール8000を添加して、さらに4時間撹拌した後、均一透明な前駆体ゾルを得る。
次に、製造したLa0.995GaO:Tb0.005,Ag0.00005溶液を70℃のオーブンに入れて48時間エージングさせて、La0.995GaO:Tb0.005,Ag0.00005ゲルを得てから、それに対して3回スピンコートして、且つ毎回コーティングした後に、得た薄膜を150℃のオーブンに入れて5分間乾燥する。
最後に、スピンコートにより成形された薄膜をプログラミング加熱炉に置いて1℃の加熱速度で700℃まで焼結し且つ3時間保温して、膜厚が100nmの発光薄膜材料La0.995GaO:Tb0.005,Ag0.00005を得る。この方法による発光薄膜材料は、電子ビームにより励起されると、青白い光を発する。
(実施例4)
室温下で、2.3213gのLa及び1.4058gのGaを正確に秤量し且つそれを濡らしてから、3.1mlの濃硝酸及び3mlの脱イオン水を用いて100℃の撹拌条件下で前記原料を容器の中に溶解する。冷却した後、それに50mlの体積比が3:1のエタノールと水との混合溶液を入れて、65℃の水浴撹拌条件で、0.75mlの濃度が1mol/LのTb3+溶液、1.05mlの濃度が0.1mol/LのHPdCl溶液、5.7642gのクエン酸及び10gのポリグリコール10000を添加して、さらに4時間撹拌した後、均一透明な前駆体ゾルを得る。
次に、製造したLa0.95GaO:Tb0.05,Pd0.007溶液を60℃のオーブンに入れて40時間エージングさせて、La0.95GaO:Tb0.05,Pd0.007ゲルを得てから、それに対して10回スピンコートして、且つ毎回コーティングした後、得た薄膜を120℃のオーブンに入れて15分間乾燥する。
最後に、スピンコートにより成形された薄膜をプログラミング加熱炉に置いて4℃の加熱速度で1200℃まで焼結し且つ1時間保温して、膜厚が2mmの発光薄膜材料La0.95GaO:Tb0.05,Pd0.007を得る。この方法による発光薄膜材料は、電子ビームにより励起されると、緑色光を発する。
(実施例5)
室温下で、7.9481gのLaCl・6HO及び4.4081gのGaClを正確に秤量して、それを容器の中に置く。それから、それに50mlの体積比が4:1のエタノールと水との混合溶液を入れて、60℃の水浴撹拌条件で2.5mlの濃度が1mol/LのTb3+溶液、2.5mlの濃度が0.1mol/LのHAuCl溶液、5.7642gのクエン酸及び2.5gのポリグリコール10000を添加して、さらに6時間撹拌した後、均一透明な前駆体ゾルを得る。
次に、製造したLa0.90GaO:Tb0.10,Au0.01溶液を70℃のオーブンに入れて40時間エージングさせて、La0.90GaO:Tb0.10,Au0.01ゲルを得てから、それに対して6回スピンコートして、且つ毎回コーティングした後、得た薄膜を100℃のオーブンに入れて20分間乾燥する。
最後に、スピンコートにより成形された薄膜をプログラミング加熱炉に置いて3℃の加熱速度で1000℃まで焼結し且つ2時間保温して、膜厚が1μmの発光薄膜材料La0.90GaO:Tb0.10,Au0.01を得る。この方法による発光薄膜材料は、電子ビームにより励起されると、緑色光を発する。
(実施例6)
室温下で、6.4610gのLa(NO・6HO、及び6.4556gのGa元素16.2%を含有するGa(NO・XHOを正確に秤量して、それを容器の中に置く。それから、それに50mlの体積比が4:1のエタノールと水との混合溶液を入れて、70℃の水浴撹拌条件下で0.75mlの濃度が0.1mol/LのSm3+溶液、7.5mlの濃度が0.001mol/LのPtナノコロイド粒子溶液、5.7642gのクエン酸及び5gのポリグリコール20000を添加して、さらに3時間を撹拌した後、均一透明な前駆体ゾルを得る。
次に、製造したLa0.995GaO:Sm0.005,Pt0.0005溶液を70℃のオーブンに入れて42時間エージングさせて、La0.995GaO:Sm0.005,Pt0.0005ゲルを得てから、それに対して10回スピンコートして、且つ毎回コーティングした後、得た薄膜を120℃のオーブンに入れて15分間乾燥する。
最後に、スピンコートにより成形された薄膜をプログラミング加熱炉に置いて5℃の加熱速度で1000℃まで焼結し且つ2時間保温して、膜厚が2μmの発光薄膜材料La0.995GaO:Sm0.005,Pt0.0005を得る。この方法による発光薄膜材料は、電子ビームにより励起されると、オレンジ色の光を発する。
(実施例7)
室温下で、0.8137gのLa及び0.4686gのGaを正確に秤量し且つそれを濡らしてから、1.1mlの濃硝酸及び1mlの脱イオン水を用いて50℃の撹拌条件で前記原料を容器の中に溶解する。冷却した後、それに50mlの体積比が3:1のエタノールと水との混合溶液を入れて、70℃の水浴撹拌条件下で、0.5mlの濃度が0.01mol/LのSm3+溶液、0.1mlの濃度が0.001mol/LのAuナノコロイド粒子溶液、5.7642gのクエン酸及び5gのポリグリコール8000を添加して、さらに4時間撹拌した後、均一透明な前駆体ゾルを得る。
次に、製造したLa0.999GaO:Sm0.001,Au0.00002溶液を60℃のオーブンに入れて48時間エージングさせて、La0.999GaO:Sm0.001,Au0.00002ゲルを得てから、それに対して4回スピンコートして、且つ毎回コーティングした後、得た薄膜を120℃のオーブンに入れて15分間乾燥する。
最後に、スピンコートにより成形された薄膜をプログラミング加熱炉に置いて4℃の加熱速度で1000℃まで焼結し且つ3時間保温して、膜厚が800nmの発光薄膜材料La0.999GaO:Sm0.001,Au0.00002を得る。この方法による発光薄膜材料は、電子ビームにより励起されると、オレンジ色の光を発する。
(実施例8)
室温下で、8.1270gのLaCl・6HO及び4.4018gのGaCl原料を正確に秤量して、それを容器の中に置く。それから、それに50mlの体積比が4:1のエタノールと水との混合溶液を入れて、70℃の水浴撹拌条件下で2mlの濃度が1mol/LのEu3+溶液、1.25mlの濃度が0.1mol/LのHPtCl溶液、5.7642gのクエン酸及び5gのポリグリコール10000を添加して、さらに4時間撹拌した後、均一透明な前駆体ゾルを得る。
次に、製造したLa0.92GaO:Eu0.08,Pt0.005溶液を70℃のオーブンに入れて48時間エージングさせて、La0.92GaO:Eu0.08,Pt0.005ゲルを得てから、それに対して8回スピンコートして、且つ毎回コーティングした後、得た薄膜を120℃のオーブンに入れて20分間乾燥する。
最後に、スピンコートにより成形された薄膜をプログラミング加熱炉に置いて5℃の加熱速度で1000℃まで焼結し且つ2時間保温して、膜厚が1.5μmの発光薄膜材料La0.92GaO:Eu0.08,Pt0.005を得る。この方法による発光薄膜材料は、電子ビームにより励起されると、赤色光を発する。
(実施例9)
室温下で、5.8456gのLa(NO・6HO及び6.4556gのGa元素16.2%を含有するGa(NO・XHOを正確に秤量して、それを容器の中に置く。それから、それに50mlの体積比が4:1のエタノールと水との混合溶液を入れて、80℃の水浴撹拌条件下で0.75mlの濃度が1mol/LのTb3+溶液、0.75mlの濃度が1mol/LのEu3+溶液、1.05mlの濃度が0.1mol/LのAgNO溶液、5.7642gのクエン酸及び5gのポリグリコール20000を添加して、さらに2時間撹拌した後、均一透明な前駆体ゾルを得る。
次に、製造したLa0.9GaO:Tb0.05,Eu0.05,Ag0.007溶液を60℃のオーブンに入れて36時間エージングさせて、La0.9GaO:Tb0.05,Eu0.05,Ag0.007ゲルを得てから、それに対して6回スピンコートして、且つ毎回コーティングした後、得た薄膜を120℃のオーブンに入れて15分間を乾燥する。
最後に、スピンコートにより成形された薄膜をプログラミング加熱炉に置いて3℃の加熱速度で1000℃まで焼結し且つ3時間保温して、膜厚が1μmの発光薄膜材料La0.9GaO:Tb0.05,Eu0.05,Ag0.007を得る。この方法による発光薄膜材料は、電子ビームにより励起されると、白色光を発する。
(実施例10)
室温下で、1.5964gのLa及び0.9372gのGaを正確に秤量し且つそれを濡らしてから、2mlの濃硝酸及び2mlの脱イオン水を用いて80℃の撹拌条件下で前記原料を容器の中に溶解する。冷却した後、それに50mlの体積比が3:1のエタノールと水との混合溶液を入れて、60℃の水浴撹拌条件で、1mlの濃度が0.1mol/LのTb3+溶液、1mlの濃度が0.1mol/LのSm3+溶液、1mlの濃度が0.01mol/LのHAuCl溶液、5.7642gのクエン酸及び5gのポリグリコール10000を添加して、さらに6時間撹拌した後、均一透明な前駆体ゾルを得る。
次に、製造したLa0.98GaO:Tb0.01,Sm0.01,Au0.001溶液を70℃のオーブンに入れて48時間エージングさせて、La0.98GaO:Tb0.01,Sm0.01,Au0.001ゲルを得てから、それに対して8回スピンコートして、且つ毎回コーティングした後、得た薄膜を120℃のオーブンに入れて15分間を乾燥する。
最後に、スピンコートにより成形された薄膜をプログラミング加熱炉に置いて3℃の加熱速度で1200℃まで焼結し且つ1時間保温して、膜厚が1.5mmの発光薄膜材料La0.98GaO:Tb0.01,Sm0.01,Au0.001を得る。この方法による発光薄膜材料は、電子ビームにより励起されると、白色光を発する。
(実施例11)
室温下で、2.3213gのLa及び1.4058gのGaを正確に秤量してから、3.1mlの濃硝酸及び3mlの脱イオン水を用いて15℃の撹拌条件下で前記原料を容器の中に溶解する。冷却した後、それに50mlの体積比が3:1のエタノールと水との混合溶液を入れて、65℃の水浴撹拌条件で、0.675mlの濃度が1mol/LのTb3+溶液、0.75mlの濃度が0.1mol/LのSm3+溶液、1.05mlの濃度が0.01mol/LのPdナノコロイド粒子溶液、5.7642gのクエン酸及び10gのポリグリコール10000を添加して、さらに4時間撹拌した後、均一透明な前駆体ゾルを得る。
次に、製造したLa0.95GaO:Tb0.045,Sm0.005,Pd0.0007溶液を70℃のオーブンに入れて40時間をエージングさせて、La0.95GaO:Tb0.045,Sm0.005,Pd0.0007ゲルを得てから、それに対して4回スピンコートして、且つ毎回コーティングした後、得た薄膜を120℃のオーブンに入れて15分間乾燥する。
最後に、スピンコートにより成形された薄膜をプログラミング加熱炉に置いて5℃の加熱速度で1000℃まで焼結し且つ1時間保温して、膜厚が800nmの発光薄膜材料La0.95GaO:Tb0.045,Sm0.005,Pd0.0007を得る。この方法による発光薄膜材料は、電子ビームにより励起されると、白色光を発する。
上記の説明は、本発明の好適な実施例に関するものであり、本発明はそれに限定されず、本発明の主旨範囲内にある様々な修正や等価変換や変更などは、全て本発明の保護範囲内のものである。

Claims (10)

  1. 金属粒子を含有する希土イオンがドープされたランタンガラート発光材料であって、
    前記金属粒子を含有する希土イオンがドープされたランタンガラート発光材料は、その一般式がLa1−xGaO:Ln,Mである、
    (ただし、Lnは希土イオンであり、Mは金属粒子であり、xの数値範囲は0.001〜0.1であり、yの数値範囲は0.00002〜0.01である)
    ことを特徴とする金属粒子を含有する希土イオンがドープされたランタンガラート発光材料。
  2. 前記希土イオンLnは、Tm3+、Tb3+、Eu3+及びSm3+の中から選ばれる一種又は多種であり、前記金属粒子Mは、Ag、Au、Pt及びPd金属粒子の中の何れか一種であることを特徴とする請求項1に記載の金属粒子を含有する希土イオンがドープされたランタンガラート発光材料。
  3. 前記xの数値範囲は0.001〜0.08であり、前記yの数値範囲は0.00005〜0.007であることを特徴とする請求項1に記載の金属粒子を含有する希土イオンがドープされたランタンガラート発光材料。
  4. 金属粒子を含有する希土イオンがドープされたランタンガラート発光材料の製造方法であって、
    化学量論比に基づいて、ランタンイオンを源とする化合物、ガリウムイオンを源とする化合物及びLnを源とする化合物を選び原料として、前記原料化合物の前記化学量論比は、一般式La1−xGaO:Ln中の対応元素のモル比率に基づくものである(ここで、前記Lnは希土イオンであり、前記xの数値範囲は0.001〜0.1である)ステップS01と、
    前記各原料化合物を混合して混合物を製造し、または前記各原料化合物を溶解して混合溶液を製造するステップS02と、
    前記ステップS02で得られた混合物または混合溶液を、水とエタノールとの混合溶液の中に入れて、金属粒子原料、錯化剤及び界面活性剤を順次に添加してから、加熱撹拌してLa1−xGaO:Ln,Mのコロイドを得る(ここで、Mは金属粒子であり、yの数値範囲は0.00002〜0.01である)ステップS03と、
    エージングした前記La1−xGaO:Ln,Mコロイドに対してコーティングを行い、数回スピンコートし、且つ毎回塗布して薄膜を形成した後、薄膜を乾燥させ、前記スピンコートにより成形された薄膜を焼結して、金属粒子を含有する希土イオンがドープされたランタンガラート発光材料を得るステップS04と、
    を含む、ことを特徴とする金属粒子を含有する希土イオンがドープされたランタンガラート発光材料の製造方法。
  5. 前記ランタンイオンを源とする化合物、前記ガリウムイオンを源とする化合物及び前記希土イオンを源とする化合物は、金属酸化物、蓚酸塩及び炭酸塩の中の少なくとも一種であり、且つ分析用塩酸又は分析用硝酸で溶解することを特徴とする請求項4に記載の金属粒子を含有する希土イオンがドープされたランタンガラート発光材料の製造方法。
  6. 前記ランタンイオンを源とする化合物、前記ガリウムイオンを源とする化合物及び前記希土イオンを源とする化合物は、硝酸塩又は塩酸塩であり、前記Lnは、Tm3+、Tb3+、Eu3+及びSm3+の中の一種又は多種であることを特徴とする請求項4に記載の金属粒子を含有する希土イオンがドープされたランタンガラート発光材料の製造方法。
  7. 前記金属粒子原料は、Ag、Au、Pt若しくはPdのナノコロイド粒子であり、又はAgNO、HAuCl、HPtCl若しくはHPdClであり、その濃度の範囲が0.001mol/L〜0.1mol/Lであり、前記水とエタノールとの体積比は、1:3〜1:8であることを特徴とする請求項4に記載の金属粒子を含有する希土イオンがドープされたランタンガラート発光材料の製造方法。
  8. 前記錯化剤はクエン酸であり、前記界面活性剤は、ポリグリコールであり、前記クエン酸と前記金属粒子とのモル比率は、1:1〜5:1であることを特徴とする請求項4に記載の金属粒子を含有する希土イオンがドープされたランタンガラート発光材料の製造方法。
  9. 前記ステップS03において、前記加熱撹拌の条件は、60℃〜80℃の水浴の中に2時間〜6時間を加熱撹拌してから、70℃〜150℃の温度で20時間〜48時間を加熱して溶剤を揮発させることを特徴とする請求項4に記載の金属粒子を含有する希土イオンがドープされたランタンガラート発光材料の製造方法。
  10. 前記ステップS04において、3回〜10回をスピンコートし、且つ毎回塗布した後、薄膜を100℃〜150℃のオーブンに入れて5分間〜30分間を乾燥して、スピンコートにより成形された前記薄膜をプログラミング加熱炉の中に置いて、1℃〜5℃の加熱速度で700℃〜1200℃まで焼結し、且つ1時間〜3時間を保温することを特徴とする請求項4に記載の金属粒子を含有する希土イオンがドープされたランタンガラート発光材料の製造方法。
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