JP2016049978A - 易開封構造を備えた袋包装体及びそれを製造する包装機 - Google Patents

易開封構造を備えた袋包装体及びそれを製造する包装機 Download PDF

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Abstract

【課題】横シール部の領域を必要最小限に抑え、袋内に収容する包装物の量を多くし、横シールの開封を手早く行い且つ開封に要する力も小さくて済む易開封構造を備える袋包装体及びその易開封構造を備えた袋包装体を製造する袋包装体製造用包装機を提供する。
【解決手段】横シール部5は、筒端縁部8の外側縁において非シール部9を残すように形成されている第1横シール部分15aと、外側縁8に沿って形成されている第2横シール部分15bとにおいて一定幅にシールされているので、横シール部5の領域が必要最小限に抑えられて横シールに要する熱量も少なくて済み、袋2内に収容できる包装物3の量が増え、横シール部5の開封を手早く行い且つ開封に要する力も小さくて済むものとなる。横シール部5の開封がシール面積の小さい尖端15c,15cに集中するので、開封開始の際に大きな開封力を要せず、その後の一定幅の横シール部5の開封も容易になる。
【選択図】図1

Description

この発明は、横シール部によって筒端縁部が封鎖された新規な易開封構造を備えた袋包装体及びその易開封構造を備えた袋包装体を製造する袋包装体製造用包装機に関する。
従来、袋包装体の一形態として、センターシール部で筒状に形成された包装材に包装物としての製品を収容し、両筒端縁部をヒートシールして横ヒートシート部を形成したピロー袋包装体がある。ピロー袋包装体は、通常、熱溶着性のウェッブ状包装材の側縁端部をセンターシーラによって溶着することによりウェッブ状包装材を筒状包装材に形成し、筒状包装材の内部に包装物を収容し、横ヒートシーラによって袋の筒端縁部を熱溶着して封鎖することにより連続して製造される。シール部は、一般に素手で最初の切り込みを形成するのが困難であるため、鋏等の道具を用いなければ袋包装体を開封するのが難しい。
ヒートシールされた袋を開封しやすくするため、一部を破断した包装体を示す図7に描かれているように、熱溶着されたシール部にVノッチ、Iノッチ、又は波形等を切り込んで易開封構造を形成することが行われている。即ち、図7(a)には、易開封構造の一つとして、袋51内に包装物52を収容した袋包装体50aのシール部53に外周縁からV字状に切り込んで形成されたVノッチ54が示されている。また、図7(b)には、別の易開封構造として、袋包装体50bのシール部53にその端縁から切れ目を切り込んで形成されたIノッチ55が示されている。図7(c)には、更に別の易開封構造として、袋包装体50cのシール部53の端縁に波形56を形成しておき、いずれかの波形56の谷から切り裂くことで開封し易くした構造が示されている。また、袋包装体50a〜50cを製袋充填包装機等で製造する場合には、Vノッチ54、Iノッチ55、波形56等の易開封構造は、通常、袋包装体50a〜50cの上部に横方向に延びて形成されるシール部53に形成されることが多く、その場合、切り裂き方向は、袋包装体50a〜50cの上下方向になる。
しかしながら、上記の開封構造は、いずれも袋を切り裂くことによる易開封構造であり、どの袋包装体でも同じように開封することは難しい。即ち、Vノッチ、Iノッチ又は波形の先端から袋の包装材に切り進んでいっても、切り裂きは必ずしも真っ直ぐではなく斜めに進み、その結果、包装物を取り出すことができる程度に広い開口が形成されない、或いは必要以上に開口して袋としての機能を損なうことがある。ノッチについては、通常、袋包装体について1箇所のみ設けられているので、開封に失敗すると、再度、Vノッチ、Iノッチから開封することはできない。波形の易開封構造の場合には、別の箇所から開封を試みることは可能であるが、包装体としての見栄えが悪く、必ずしも開封に成功するとは限らない。開封に失敗すると鋏等の道具を利用せざるを得なくなり、袋包装体の開封に手間取ることがある。更に、切り裂き方向は、通常、袋包装体の上下方向になるので、横方向に開封しようとしても困難であることが多い。包装材を両側で摘んでシール部の溶着面を内側から剥がすことで開封することもあるが、開封に大きな力を要する、或いは開封が急激に進行して包装物が袋から飛び出す等の不具合もある。更にまた、同じ製品であっても、例えば、1回の取出し量が選択できるように、開封開口の広さや開封で生じた開口の方向を消費者等のユーザの選択に応じて変更できる開封形態が望まれることもある。
本出願人は、上記のVノッチ、Iノッチ、波形等の開封構造が必ずしも常に中の包装物を取り出せる程度にまで十分開封するに至らないのは、袋包装体の開封が開封方向を定めることの困難な包装材の切り裂きに依存していることに起因しているとの知見に基づき、袋包装体の開封を包装材の切り裂きに依存するのではなく、センターシール部を利用した引剥がしにより熱溶着した包装材の溶着面を開封し易くするという易開封構造の工夫によって、開封形態もニーズに応じて選択できる易開封構造を備えた袋包装及びそうした袋包装体製造用包装機を得ることについて、既に特許を取得している(特許文献1参照)。
即ち、この易開封構造を備えた袋包装体は、包装物を収容した筒状包装材の側端縁部に形成されたセンターシール部と、当該センターシール部と協働して前記包装物を内部に収容する袋を形成するため前記筒状包装材の筒端縁部に形成された横シール部とを備え、前記横シール部は、前記筒端縁部の前記センターシール部と交差する一部において当該筒端縁部の外側縁から内側に向かって広がる非シール部を残し、且つ当該非シール部との境界が前記外側縁から内側に向かって窪んだ凹状のシール輪郭で定められるように前記非シール部と前記袋の内部との間をシールして封鎖する状態で形成されており、前記センターシール部の筒内側シール境界線は、前記非シール部となっている前記筒端縁部の互いに向かい合う内面のうち一方の内面に現れるように形成されていることを特徴としている。
この易開封構造を備えた袋包装体によれば、一方でセンターシール部を摘み、他方で非シール部として残されているセンターシール部に対向する側の筒端縁部を摘んで両者を開くことで、横シール部は非シール部に現れている筒内側シール境界線の両側方で、同じく非シール部の内面に現れているシール輪郭からその両側方に向かって開封される。また、センターシール部の筒内側シール境界線が非シール部となる筒端縁部の互いに向かい合う内面のうち一方(即ち、センターシール部が形成される側)の内面に延びる状態に形成されているので、最初に、当該内面に表れているセンターシール部の筒内側シール境界線から開封開始して、センターシール部としてシールされている側端縁部を両側に開くことにより、その開き力がセンターシール部の長手方向一側のシール端部に集中して作用し、センターシール部の端部が開封され、開封されたセンターシール部を起点に開封の向きを横方向として横シール部を開封することが可能である。更に、センターシール部を、開封された端部から開封の向きをそのシール長手方向として、そのままセンターシール部の長手方向に沿って徐々に引き剥がして開封することも可能である。
この易開封構造を備えた袋包装体においては、Vノッチ、Iノッチ、波形等の開封方向を定めることが困難な包装材の切り裂きによる易開封構造ではなく、センターシール部を利用した引剥がしにより包装材の溶着面を開封する易開封構造が採用されるので、鋏等の道具を利用しなくても開封の失敗を少なくし、袋包装体の開封を迅速且つ容易に行うことができ、更に、袋包装体の筒端縁部を横方向及び縦方向にも開封可能として、消費者等のユーザの好みに応じた開封態様を提供可能な包装体の易開封構造及びそれを袋包装体製造用包装機が提供される。
しかしながら、上記の易開封構造を備えた袋包装体では、上下の筒端縁部5a,6aをそれぞれシールすることで成る横シール部は、非シール部を残している部分も残していない部分も、袋包装体の外側縁から一定の距離までシールがされている。即ち、横シール部の袋内側のシール輪郭線は直線状であるので、横シール部の非シール部を残していない部分では、充分すぎるシール幅を持つ。したがって、かかる易開封構造を備えた袋包装体は、余剰のシール幅を持っていることに起因して、横シールに要する熱量が多くなるばかりでなく、袋内に包装物を収容する容積が少なくなっており、更に開封の際にシールを剥がすのにも長い開封時間と大きな開封力を要している。
特許第5068405号公報
そこで、横シール部によって筒端縁部が封鎖された易開封構造を備える袋包装体及びその易開封構造を備えた袋包装体を製造する袋包装体製造用包装機において、横シール部の形に着目して、上記のような問題点の改善を図る点で解決すべき課題がある。
この発明の目的は、上記課題を解決することであり、横シール部によって筒端縁部が封鎖された易開封構造を備える袋包装体及びその易開封構造を備えた袋包装体を製造する袋包装体製造用包装機において、横シールの領域を必要最小限に抑えて、横シールに要する熱量を少なくし、袋内に収容できる包装物の量を多くし、更に横シールの開封を手早く行い且つ開封に要する力も小さくて済むようにすることである。
上記の課題を解決するため、この発明による易開封構造を備えた袋包装体は、包装物を内部に収容する袋を形成するため筒状包装材の筒端縁部に横シール部が形成されており、前記横シール部は、前記筒端縁部の外側縁の一部において当該外側縁から内側に向って非シール部を残すように一定幅でシールして形成されている第1横シール部分と、前記第1横シール部分の端部と接続し且つ前記筒端縁部の外側縁の残部において当該外側縁に沿って前記一定幅と同等のシール幅でシールして形成されている第2横シール部分とを備えており、前記非シール部を形成する重なる包装材を引き離すことで前記横シール部を開封する開封力が、前記第1横シール部分と前記第2横シール部分とが接続する尖端に集中して作用することを特徴としている。
この易開封構造を備えた袋包装体によれば、横シール部は、筒端縁部の外側縁において、非シール部を残すように形成されている第1横シール部分においても、非シール部を残さないように外側縁に沿って形成されている第2横シール部分においても、シールされた一定幅を持つので、横シールの領域が必要最小限に抑えられて横シールに要する熱量も少なくて済み、袋内の容積が増えるので収容できる包装物の量を多くし、更に横シールの開封を手早く行い且つ開封に要する力も小さくて済むものとなる。また、袋のシール部の開封が横シール部の特有の領域、即ち、可及的にシール面積の小さい尖端状のシール領域から始められることで、開封力が尖端状のシール領域に集中するので、開封の開始に際して大きな開封力を要しない。そして、一旦、尖端状のシール領域から開封が開始されると、横シール部の開封は一定幅の各横シール部分に順次広がるように進行するので、袋の開封が容易になる。
この易開封構造を備えた袋包装体において、前記第1横シール部分の形状は、V字状、U字状又は蟻溝形状に形成されており、前記尖端を、前記第1横シール部分の前記V字状、前記U字状又は前記蟻溝形状に対応してそれぞれ鈍角、直角又は鋭角に尖らせることができる。
この場合、前記第1横シール部分の前記外側縁から最も内側に離れた底部分は、中央で最も窪むように鈍角で交差する緩やかな傾斜シール部分とすることができる。
第1横シール部分の形状がV字状である場合のように、横シール部の開封の最後にまで要する力が実質的に変わらないと、開封の初期からの勢いを付けて、そのまま開封が完了してしまうことがある。また、第1横シール部分の形状がU字状又は蟻溝形状である場合のように、第1横シール部分の底部分が真横に延びているときには、シール部の開封の終わりの段階でシール部の開封に要する力がそれまでと比べて急に大きくなり、開封し辛いことがある。そのような場合には、大きな力で袋を開封しているので、開封の終わりにシール部の開封が急激に進行する。
第1横シール部分の底部分を、鈍角で交差する緩やかな傾斜シール部分とすることで、開封の最終段階で要する開封力は、それまでの開封に要する力よりも適度に大きくなり、開封する者に開封の最終段階になったことを知覚させるとともに、過度の開封力を要しないことで、シール部の開封が急激に進行することがなくなる。また、開封者は、開封の最終段階になったことが自覚できるので、開封の勢いを以て包装物が袋内から急に飛び出すこともなくすことができる。
この易開封構造を備えた袋包装体において、前記筒状包装材の側端縁部に形成されており且つ前記横シール部と交差することで協働して前記袋の内部との間を封鎖するセンターシール部が備わっており、前記センターシール部の筒内側シール境界線を、前記非シール部となっている前記筒端縁部の互いに向かい合う内面のうち一方の内面に現れるように形成するものとすることができる。袋包装体において横シール部と交差するセンターシール部を形成する場合、センターシール部が非シール部に現れるように形成することで、開封の際にセンターシール部を摘んで横シール部の開封の助けにすることができる。
また、この発明による易開封構造を備えた袋包装体製造用包装機は、包装物を収容した袋を形成するため筒状包装材の筒端縁部に横シール部を形成する横ヒートシーラを備え、前記横ヒートシーラは、前記筒端縁部の一部において当該筒端縁部の外側縁から内側に向かって広がる非シール部を残すための溝部と、前記非シール部との境界を前記外側縁から内側に向かって窪んだ凹状のシール輪郭で定めるように前記袋を封鎖する状態に前記筒端縁部をシールする横シール面とを有しており、前記横シール面は、前記横シール部が、前記筒端縁部の外側縁の一部において当該外側縁から内側に向って前記非シール部を残すように一定幅でシールして形成されている第1横シール面部分と、前記第1横シール面部分の端部と接続し且つ前記筒端縁部の外側縁の残部において当該外側縁に沿って前記一定幅と同等のシール幅でシールして形成されている第2横シール面部分とから成り、且つ前記第1横シール面部分と前記第2横シール面部分とが尖端で接続するように、形成されていることを特徴としている。
更に、この発明による易開封構造を備えた袋包装体製造用包装機は、ウェッブ状包装材の側端縁部にセンターシール部を形成して前記ウェッブ状包装材を筒状包装材に成形するセンターシーラと、前記センターシール部と協働して内部に包装物を収容した前記筒状包装材に横方向のシールを施して前記包装物を収容した袋包装体と後続する袋とを形成するため前記筒状包装材の筒端縁部に横シール部を形成する横ヒートシーラ部とを備え、前記横ヒートシーラは、前記筒端縁部の前記センターシール部と交差する一部において当該筒端縁部の外側縁から内側に向かって広がる非シール部を残すための溝部と、前記非シール部との境界を前記外側縁から内側に向かって窪んだ凹状のシール輪郭で定めるように前記袋を封鎖する状態に前記筒端縁部をシールする横シール面とを有しており、前記横シール面は、前記横シール部が、前記筒端縁部の外側縁の一部において当該外側縁から内側に向って前記非シール部を残すように一定幅でシールして形成されている第1横シール面部分と、前記第1横シール面部分の端部と接続し且つ前記筒端縁部の外側縁の残部において当該外側縁に沿って前記一定幅と同等のシール幅でシールして形成されている第2横シール面部分とから成り、且つ前記第1横シール面部分と前記第2横シール面部分とが尖端で接続するように、形成されており、前記溝部は、前記横ヒートシーラにおいて、前記センターシール部の筒内側シール境界線が前記非シール部となる前記筒端縁部の互いに向かい合う内面のうち一方の内面に現れる状態に形成されるように、配置されていることを特徴としている。
この発明による易開封構造を備えた袋包装体製造用包装機によれば、横ヒートシーラによって筒状包装材の筒端縁部に横シール部を形成することで、上記した易開封構造を備えた袋包装体が製造される。即ち、袋包装体製造用包装機は、袋包装体の易開封構造に対応した特有の横シール面を備えている横ヒートシーラを用いることで、そうした易開封構造を備える袋包装体を製造することができる。センターシール部によってウェッブ状包装材を筒状包装材に成形する袋包装体製造用包装機においては、センターシーラによって形成されるセンターシール部に対して、横シール部が筒端縁部の外側縁から内側に向かって残される非シール部において交差するように、センターシーラと上記特有のシール面を備える横ヒートシーラとが配置され且つ動作され、そうしたセンターシール部と横シール部とを備えた易開封構造を備えた袋包装体が製造される。
この発明による易開封構造が備わる袋包装体は、上記のように、横シール部は、筒端縁部の外側縁において、非シール部を残すように形成されている第1横シール部分においても、非シール部を残さないように外側縁に沿って形成されている第2横シール部分においても、シールされた一定幅を持つので、横シールの領域が必要最小限に抑えられて横シールに要する熱量も少なくて済み、袋内の容積が増えるので収容できる包装物の量を多くし、更に横シールの開封を手早く行い且つ開封に要する力も小さくて済むものとなる。また、袋のシール部の開封に際しては、非シール部として残されている筒端縁部を摘むなど非シール部を利用して袋包装体を開封することができ、特に、袋包装体の開封を横シール部の特有の領域、即ち、可及的にシール面積の小さい尖端状のシール領域から始めることで、開封力が尖端状のシール領域に集中するので、開封の開始に際して大きな開封力を要しない。そして、一旦、尖端状のシール領域から開封が開始されると、横シール部の開封は一定幅の各横シール部分に順次広がるように進行するので、各シール部の溶着面の剥がれがたやすく進行して、鋏等の道具を利用しなくても袋包装体を迅速且つ容易に開封することができる。
また、この発明による易開封構造を備えた袋包装体製造用包装機は、上記のように、内部に包装物を収容する袋の筒端縁部に横シールを施すヒートシーラが、筒端縁部の一部において当該筒端縁部の外側縁から内側に向かって広がる非シール部を残すための溝部と、非シール部との境界を外側縁から内側に向かって窪んだ凹状のシール輪郭で定めるように袋を封鎖する状態に筒端縁部をシールする横シール面とを有しており、横シール面は、横シール部が、筒端縁部の外側縁の一部において当該外側縁から内側に向って非シール部を残すように一定幅でシールして形成されている第1横シール面部分と、当該第1横シール面部分の端部と接続し且つ筒端縁部の外側縁の残部において当該外側縁に沿って前記一定幅と同等のシール幅でシールして形成されている第2横シール面部分とから成り、且つ第1横シール面部分と第2横シール面部分とが尖端で接続するように、形成されているので、非シール部を残すようにヒータブロックに溝を形成するなどして、ヒートシーラのシール面構造を工夫するのみで、横シール部の開封が尖端から開始される易開封構造を備える袋包装体を製造することができる。
図1(a)はこの発明による易開封構造を備えた袋包装体の一実施例を示す正面図、同(b)は(a)に示した袋包装体の一部を拡大して示す斜視図である。 図1に示す易開封構造を備えた袋包装体の開封の様子を示す斜視図であり、(a)は開封開始状態を、また(b)は開封状態を示す斜視図である。 図1に示す易開封構造を備えた袋包装体の図2よりも更に開封の進んだ様子(a)及び(b)を示す斜視図である。 この発明による易開封構造を備えた袋包装体の別の実施例を、その一部を拡大して示す斜視図である。 この発明による易開封構造を備えた袋包装体の更に別の実施例を、その一部を拡大して示す斜視図である。 この発明による易開封構造を備えた袋包装体製造用包装機を製袋充填包装機に適用した一実施例の概要を示す斜視図である。 Vノッチ、Iノッチ、又は波形等を切り込んで形成された従来の易開封構造を示す図である。
以下、図面に基づいて、本発明による易開封構造を備えた袋包装体及びその易開封構造を備えた袋包装体製造用包装機の実施例について説明する。図1(a)はこの発明による易開封構造を備えた袋包装体の一実施例を説明する正面図、同(b)は(a)に示した袋包装体の易開封構造を含む一部を拡大して示す斜視図である。
図1に示す易開封構造を備えた袋包装体1は、通常のピロー袋包装体の一例である。袋包装体1は、例えば少なくとも袋2の内面となる側にシール層を有する熱溶着性の包装材から形成された袋2に包装物3を収容して構成されている。袋2は、包装材を筒状に形成するために両側端縁部4a,4bをヒートシールすることで形成されたセンターシール部4と、上下の筒端縁部5a,6aをそれぞれシールすることで形成された横シール部5,6とを備えている。センターシール部4と横シール部5,6とは、協働して、包装物3を収容する袋2の内部を外部から封鎖・遮断している。センターシール部4は、両側端縁部4a,4bを封筒貼りにシールして形成してもよいが、密封性の向上の観点からすると合掌状にシールすることにより形成するのが好ましい。
袋包装体1の易開封構造7は、上側の筒端縁部5aを閉鎖している横シール部5に適用されている。袋2の上側の筒端縁部5aは、偏平に潰されて、その中央部において形成されているセンターシール部4と交差した状態にある。横シール部5は、筒端縁部5aの袋幅方向中央部分において外側縁8から内側に向かってセンターシール部4と交差する状態に広がる非シール部9を残した状態で、筒端縁部5aを一定の狭い幅でシールすることにより形成されている。この実施例においては、非シール部9は、筒端縁部5aの袋幅方向中央部において、外側縁8から内側に向かって凸状にシールされない状態で残される態様で広がっている。横シール部5を形成することで、非シール部9との境界がシール輪郭10となっている。横シール部5は、筒端縁部5aの袋幅方向中央部分である非シール部9が残されている部分においてシール輪郭10に沿って形成された横シール部分(第1横シール部分)15aと、筒端縁部5aの袋幅方向両外側(非シール部9を残さない)部分では外側縁8に沿って形成された横シール部分(第2横シール部分)15b,15bとから成っている。横シール部分15a及び横シール部分15b,15bは筒端縁部5aを一定の狭い幅で連続してシールしていることにより、横シール部5は袋2の内外の間を封鎖・遮断している。横シール部分15aは、その両端が尖端15c,15cにおいて、横シール部分15b,15bに対して交差する態様で接続している。
図1(b)に示されているように、非シール部9となっている筒端縁部5aの互いに向かい合う内面のうち一方(センターシール部4が形成される側)の内面は、センターシール部4の筒内側の境界を定めている筒内側シール境界線4fが現れるように形成されることになる。なお、横シール部5について一定の狭い幅というのは、厳密な意味で一定の幅というのではなく、例えば、非シール部9の凹状の深さに比べて充分浅い深さに対応するような狭い幅であればよい。また、包装材には、包装体に応じて、非シール部9を袋2の表裏両側から摘んで開封するというような特定の開封形態を推奨する場合には、筒端縁部5aの非シール部9に対応して非シール部9それ自体、又は非シール部9に近い袋胴部に印刷等から成る開封指示用矢印等から成る目印11,12を形成することが好ましい。
袋包装体1は、横シール部5の横シール部分15b,15bが、必要最小限のシール幅に形成されているので、特許文献1に記載のように非シール部9の深さ以上のシール幅に形成されるものと比較して、袋2内の包装物の収容空間を広く確保することができる。また、シール加熱の領域も必要最小限の広さで済むので、シール用ヒータの加熱等の包装機の運転費用も軽減することができる。更に、横シール部5を、非シール部9を残して、一定の狭い幅でシールして形成しているので、後述するように、横シール部5の開封に際して、開封開始時の開封力及びその後の開封力を小さいものとすることができ、また、手早く開封することを可能にしている。
図1に示す易開封構造7を備えたピロー袋包装体1の開封の様子が、図2及び図3に拡大斜視図として示されている。図2の(a)は図1に示したピロー袋包装体の開封開始の状態を示す図、図2の(b)は(a)から開封が進んだ状態を示す図である。また、図3の(a)は図2の(b)から更に開封が進んだ状態を示す図であり、図3の(b)はピロー袋包装体の開封が完了した状態を示す図である。
ピロー袋包装体1の開封は、先ず、センターシール部4を摘むのに利用する一方で、筒端縁部5aにシールせずに残されて形成されている非シール部9をそのセンターシール部4に対向する部分で摘み、両側に開くことで開始される(図2(a))。非シール部9等の包装材に印刷された開封指示用の目印11,12に従って開封することで、開封を間違った仕方で行うことがないように案内することができる。非シール部9を両側に開くことで、横シール部5の開封力は、横シール部分15aと横シール部分15b,15bとが交差する部分、詳細には、シール輪郭10が外側縁8と交差する尖端15c,15cに作用する。尖端15c,15cは点状の非常に狭い領域であるので、開封力は尖端15c,15cに集中して作用し、横シール部5は尖端15c,15cから剥がれ始める。
引き続いて開封力を作用させることによって、横シール部5は、尖端15c,15cから、シール輪郭10に沿って形成された横シール部分15aを非シール部9の凹状奥に向って、そして外側縁8に沿って形成された横シール部分15b,15bを各袋側端に向って、それぞれ剥離が次々に進行する。図3(a)は、開封の先端が、横シール部分15aではシール輪郭10の底辺に到達し、横シール部分15b,15bでは各袋側端に到達した状態を示している。そして、図3(b)は、横シール部分15aを完全に開封し、横シール部分15b,15bの殆どを開封した状態を示している。このように、ピロー袋包装体1の筒端縁部5aを開封することができ、包装物3(図1)については、開封された横シール部5を通して取り出すことができる。
図1〜図3に示す実施例については、種々の変更を施すことは自明である。例えば、非シール部9の幅や深さについては図示の態様意外のものに変更可能であり、横シール部5,6に形成されるシール目13についても、横シール方向に沿うように形成するにしても、シール目間隔は適宜に変更可能である。横シール部分15a、15b,15bのシール幅については、既に記載したように、非シール部9の深さと比べて充分幅狭であれば、図示のような態様以外のものに変更可能である。更に、横シール部分15b,15bについては、外側縁8の限界まで形成する必要はなく、若干の未シール縁部を残してもよい。また、センターシール部4は、当初より袋体又は筒状包装材を用いることで、必ずしも設ける必要はなく、設ける場合もその位置をセンター位置に限る必要はなく、センター位置以外の位置に形成される縦シール部としてよい。
図4には、この発明による易開封構造を備えた袋包装体の横シール部5(換言すれば、非シール部9)の形状を変更した別の実施例が示されている。図4においては、図面の簡素化のため、センターシール部4が描かれていない。また、図4に示す各実施例において、図1〜図3に示す実施例と同等の部分・部位には、図1〜図3に用いた符号と同じ符号を付しているので、再度の詳細な説明を省略する。
図4(a)に示すピロー包装体1aにおいては、非シール部19aが逆三角形状に形成されている。横シール部5のうち、非シール部19aを縁取るように形成される横シール部分(第1横シール部分)15aは、V字状のシール部分、即ち、傾斜して延びる二つのシール部分16a,16aから成っている。両シール部分16a,16aは、逆三角形状の非シール部19aの頂点に対応して、交点17aで接続している。横シール部分15aの傾斜したシール部分16a,16aと外側縁8に沿って形成されている横シール部分(第2横シール部分)15b,15bとは、鈍角を以て交差する尖端15c,15cで接続している。尖端15c,15cから開始された横シール部5の開封は、各尖端15cの両側においてシール部分16a,16aとシール部分15b,15bとを進行し、一方では交点17aに至り他方では袋2aの各側端に到達して、袋2aの横シール部5が開封される。
図4(b)に示すピロー包装体1bにおいては、非シール部19bが四角形状に形成されている。横シール部5のうち、四角形状の非シール部19bを縁取るように形成される横シール部分(第1横シール部分)15aは、U字状のシール部分、即ち、二つの縦に延びるシール部分16b,16bと、非シール部19bの底辺に対応して横に延びていて両シール部分16b,16bを接続するシール部分17bから成っている。横シール部分15aのシール部分16b,16bと外側縁8に沿って形成されている横シール部分(第2横シール部分)15b,15bとは、直角を以て交差する尖端15c,15cで接続されている。尖端15c,15cから開始された横シール部5の開封は、各尖端15cの両側においてシール部分16b,16bとシール部分15b,15bとを進行して、一方ではシール部分17bを開封し他方では袋2aの各側端に到達するに至って、袋2bの横シール部5が開封される。
図4(c)に示すピロー包装体1cにおいては、非シール部19cが、下底の方が上底よりも広がった台形状に形成されている。横シール部5のうち、台形状の非シール部19cを縁取るように形成されている横シール部分(第1横シール部分)15aは、蟻溝状のシール部分、即ち、二つの裾広がりに傾斜して延びるシール部分16c,16cと、非シール部19cの台形底辺に対応して横に延びていて両シール部分16c,16cを接続するシール部分17cから成っている。裾広がりに傾斜して延びるシール部分16c,16cと外側縁8に沿って形成されている横シール部分(第2横シール部分)15b,15bとは、鋭角で以て交差する尖端15c,15cで接続されている。尖端15c,15cから開始された横シール部5の開封は、各尖端15cの両側においてシール部分16c,16cとシール部分15b,15bとを進行して、一方ではシール部分17cを開封し他方では袋2aの各側端に到達するに至ったとき、袋2cの横シール部5が開封される。尖端15c,15cは鋭角に尖っているので、開封開始時の開封力が尖端15c,15cに一層集中して開封を開始し易くなっている。なお、蟻溝については、片側のみが裾広がりに傾斜した半蟻溝状とすることもできる。
図4に示す各実施例においては、尖端15c,15cは鈍角状、直角状又は鋭角状に尖っているが、いずれも、尖っていることによって、非シール部19a,19b,19cに作用する開封力は、開封開始時には尖端15c,15cに集中し、横シール部5の開封開始を容易に行うことができる。また、横シール部5は、横シール部分15a及び横シール部分15b,15bを通して、一定の狭い幅でシールして形成しているので、その後に続行される横シール部5の開封に際しても開封に要する開封力を小さくし、それゆえ手早く開封することができる。更に、いずれの実施例においても、袋2a,2b,2c内の包装物の収容空間を広く確保することができる。
図5には、図4に示した袋包装体の横シール部5(換言すれば、非シール部9)の形状を更に変更した実施例が示されている。図5においても、図面の簡素化のため、センターシール部4が描かれていない。また、図5に示す各実施例において、図4に示す実施例と同等の部分・部位には、図4に用いた符号と同じ符号を付しているので、再度の詳細な説明を省略する。
図5(a)は、図4(a)に示した例の変形例である。図4(a)に示した逆三角形状に形成されている非シール部19aを縁取るようにV字状に形成される横シール部分(第1横シール部分)15aにおいて、傾斜したシール部分16a,16aが、図5(a)に示す例では、尖端15c,15cからは急な傾斜角で傾斜するシール部分16a,16aと、次に折れ曲がって緩やかな傾斜角で傾斜するシール部分18a,18aとから成るように、二段階に傾斜されて形成されている。シール部分16a,16aとシール部分18a,18aとによって縁取られるように五角形状の非シール部29aがシールされずに残される。シール部分18a,18aは交点20aで交差し接続しており、この例では、交点20aは非シール部29a側に鈍角を以て交差している。
図5(b)は、図4(b)に示した例の変形例である。図4(b)に示した四角形状に形成されている非シール部19bを縁取るようにU字状に形成される横シール部分(第1横シール部分)15aにおいて、非シール部19bの底辺に対応して横に延びているシール部分17bが、図5(b)に示す例では、袋2bの内部側に向って傾斜したシール部分18b,18bで形成されている。縦に延びるシール部分16b,16bとともに傾斜したシール部分18b,18bによって、筒端縁部5aには非シール部29bがシールされずに残される。非シール部29bは、野球のホームベースのような五角形状を呈している。シール部分18b,18bは交点20bで交差し接続しており、この例では、交点20bは非シール部29b側に鈍角を以て交差している。
図5(c)は、図4(c)に示した例の変形例である。図4(c)に示した台形状に形成されている非シール部19cを縁取るように蟻溝状に形成される横シール部分(第1横シール部分)15aにおいて、非シール部19bの底辺に対応して横に延びているシール部分17cが、図5(c)に示す例では、袋2cの内部側に向って傾斜したシール部分18c,18cで形成されている。裾広がり延びるシール部分16c,16cとともに傾斜したシール部分18c,18cによって、筒端縁部5aには五角形状の非シール部29cがシールされずに残される。シール部分18c,18cは交点20cで交差し接続しており、この例では、交点20cは非シール部29c側に鈍角を以て交差している。
図5に示す各例では、尖端15c,15cから開封開始された横シール部分(第1横シール部分)15aの開封は、シール部分16a,16a、16b,16b又は16c,16cを進行した後、傾斜したシール部分18a,18a、18b,18b又は18c,18cを順次進行して、鈍角の交点20a,20b又は20cに至る。図4に示す各例では、同じ傾斜のシール部分16a,16aまたは横方向に延びるシール部分17b,17cを開封することになるので、開封に力が入りすぎている場合には、斜めに延びるシール部分16a,16の開封が急に交点17aに至って勢いよく開封されるケース、或いは横に延びるシール部分17b,17cについてはシールを横切る方向に開封する、即ち、開封線が長くなるためになかなか開封できずにいて最後に最後に勢いよく開封されるというケースもあり得る。これに対して図5に示す例では、開封に対するシール部分の抵抗感が、傾斜したシール部分18a,18a、18b,18b又は18c,18cに移行することで変化する。その変化は不連続であり充分ではあるが過大ではないので、開封しようとする者に開封完了までにあと僅かであることを知らせることができる。開封者は、こうした開封抵抗感の変化を知覚してスムーズに且つ手早く開封を終了させることができる。なお、傾斜したシール部分18a,18a、18b,18b又は18c,18cについては、緩やかな傾斜であることに代えて、開封抵抗感の変化が不連続ではなくなるが、袋2a〜2cの内側に向って凸状となる連続した曲線(例えば円弧状)にしてもよい。
次に、図6には、この発明による易開封構造を備えた袋包装体製造用包装機の一実施例が示されている。図6は袋包装体製造用包装機の概略を示す斜視図である。図6に示すように、袋包装体製造用包装機は、ピロー袋包装体1を連続して形成することができる製袋充填包装機Mに適用されている。製袋充填包装機Mにおいて、センターシール部4を形成する縦ヒートシーラ37は、一対の縦ヒータブロック38,39を備えており、図示しないアクチュエータによって互いに接近・離間する動作をする。縦ヒートシーラ37は、接近時にウェッブ状包装フィルム(図示せず)の両側端縁部4a,4bを挟み込んで単位ピロー袋包装体1の長さに対応した合掌状のセンターシール部4を形成し、包装物3が投入される充填筒49の周囲に筒状包装フィルムFtを形成する。
製袋充填包装機Mにおいて、適用された横ヒートシーラ40は、熱溶着性の包装材としての筒状包装フィルムFtから先行して形成され且つ包装物が充填された袋部B1に横シール部5を形成してピロー袋包装体1を製造すると同時に、筒状包装フィルムFtに底部となる横シール部6を形成することによって後続する袋部B2を形成する。横ヒートシーラ40は、互いに対向した二つの横ヒータブロック41,42を備えており、横ヒータブロック41,42は、包装物3の充填及び筒状包装フィルムFtの送りに同期して、図示しないアクチュエータによって互いに接近又は離反するように駆動され、接近時に、筒状包装フィルムFtを両側から挟み付けて溶着する。
各横ヒータブロック41,42は、一部を破断して示すように、ヒータ43,43、ヒートパイプ44,44、測温体45,45、及び筒状包装フィルムFtを加熱・加圧するヒータ面としての一対の下横ヒートシーラ部46,46と一対の上横ヒートシーラ部47,47を備えている。下横ヒートシーラ部46は、先行して形成され内部に包装物3を収容した状態にある袋2の開口端部をシールし横シール部5を形成することでピロー袋包装体1を製造する横ヒートシーラ部であり、上横ヒートシーラ部47は、下横ヒートシーラ部46に隣接して配置されており、包装材の端部に横シール部6を形成することで後続の袋部B2を形成する横ヒートシーラ部である。アクチュエータや各横ヒータブロック41,42の内部構造は、公知のもので良くこれ以上詳細な説明を省略する。横ヒートシーラ40には、先行して製造されたピロー袋包装体1と後続して形成される袋B2とを切断するため、切断用又はミシン目用のカッタ等の切断具を組み込むことができる。
各横ヒータブロック41,42において、下横ヒートシーラ部46のシール面46a(一方のみ図示)の中央上部には、凹状のシール輪郭10の外側に残される非シール部9を形成すべく、筒状包装フィルムFtの一部を押圧しない溝部48(横ヒータブロック41側でのみ示す。横ヒータブロック42側でも同様)が形成されている。このように構成されている下横ヒートシーラ部46によれば、溝部48によって押圧されない袋B1の筒端縁部5aには、熱溶着されないままの包装材から成る非シール部9が残されて形成されるが、非シール部9と袋部B1の内部との間においては筒端縁部5aをヒートシールして封鎖している。即ち、下横ヒートシーラ部46のシール面46aは、溝部48の周りに形成されており横シール部分(第1横シール部分)15aをシール成形する帯状の第1横シール面部分49aと、第1横シール面部分49aの両側から横方向に延びており横シール部分(第2横シール部分)15b,15bをシール成形する帯状の第2横シール面部分49b,49bとを備えており、第1横シール面部分49aと第2横シール面部分49b,49bとが尖端で接続している。このように、横ヒートシーラ40の構造を工夫することによって、易開封用構造7として外側縁から内側に向かって凸状に広がる非シール部9が形成される。この実施例では、上横ヒートシーラ部47,47はピロー袋の底シール部を形成する通常のバー状のヒートシーラであるが、袋包装体1の底側端部にも易開封構造7を適用する場合には、上横ヒートシーラ部47,47のシール面47a(一方のみ図示)にも下横ヒートシーラ部46,46と同様な溝48を形成することができる。溝部48は、横ヒートシーラ40において、センターシール部4の筒内側シール境界線4fが非シール部9となっている筒端縁部5aの互いに向かい合う内面のうち一方の内面に現れるように、配置されている。なお、この横ヒータブロック41,42は、図1に示す横シール部5を有する易開封構造7を備えた袋包装体1を製造する例として示されたものであるが、図4及び図5に示す横シール部5の例についても同様にして横ヒータブロックの構造を定めることができる。
この発明による易開封構造を備えた袋包装体製造用包装機は、製袋充填包装機Mに適用した例を示したが、製袋充填包装機Mは、図示のような縦型の製袋充填包装機のみならず、横型のピロー包装機にも適用可能である。更に、製袋充填包装機Mに限らず、予め個々に製作された袋に包装物3を充填した後に、開口端部となっている筒端縁部5aをシールして個別に袋包装体を製造する包装機にも適用可能であることは勿論である。また、袋包装体においては非シール部9の形状について、また包装機においては縦ヒートシーラ37や横ヒートシーラ40の具体的な構造等について、本発明の要旨を変更しない範囲において、種々の変更を施すことができることは明らかである。
1,1a,1b,1c ピロー包装体
2,2a,2b,2c,B1,B2 袋 3 包装物(製品)
4,24a,24b センターシール部
4a,4b 側端縁部 4f 筒内側シール境界線
5 横シール部 5a 筒端縁部
6 横シール部 7 易開封構造
8 外側縁 9 非シール部
10 シール輪郭
11,11a,12,12a 開封案内目印タブ
13 シール目
15a 第1横シール部分 15b,15b 第2横シール部分
16a,16b,16c シール部分
17a 交点 17b,17c シール部分
18 シール部分
19a,19b,19c 非シール部
20a,20b,20c 交点
29a,29b,29c 非シール部
37 縦ヒートシーラ
38,39 縦ヒータブロック
40 横ヒートシーラ
41,42 横ヒータブロック 43,43 ヒータ
44,44 ヒートパイプ 45,45 測温体
46,46 下横ヒートシーラ部 46a シール面
47.47 上横ヒートシーラ部 47a シール面
48 溝部
49a 第1横シール面部分 49b,49b 第2横シール面部分
Ft 筒状の包装材 M 製袋充填包装機

Claims (6)

  1. 包装物を内部に収容する袋を形成するため筒状包装材の筒端縁部に横シール部が形成されており、
    前記横シール部は、前記筒端縁部の外側縁の一部において当該外側縁から内側に向って非シール部を残すように一定幅でシールして形成されている第1横シール部分と、前記第1横シール部分の端部と接続し且つ前記筒端縁部の外側縁の残部において当該外側縁に沿って前記一定幅と同等のシール幅でシールして形成されている第2横シール部分とを備えており、
    前記非シール部を形成する重なる包装材を引き離すことで前記横シール部を開封する開封力が、前記第1横シール部分と前記第2横シール部分とが接続する尖端に集中して作用すること
    を特徴とする易開封構造を備えた袋包装体。
  2. 前記第1横シール部分の形状は、V字状、U字状又は蟻溝形状に形成されており、前記尖端は、前記第1横シール部分の前記V字状、前記U字状又は前記蟻溝形状に対応してそれぞれ鈍角、直角又は鋭角に尖っていること
    を特徴とする請求項1に記載の易開封構造を備えた袋包装体。
  3. 前記第1横シール部分の前記外側縁から最も内側に離れた底部分は、中央で最も窪むように鈍角で交差する緩やかな傾斜シール部分となっていること
    を特徴とする請求項2に記載の易開封構造を備えた袋包装体。
  4. 前記筒状包装材の側端縁部に形成されており且つ前記横シール部と交差することで協働して前記袋の内部との間を封鎖するセンターシール部を備えており、
    前記センターシール部の筒内側シール境界線は、前記非シール部となっている前記筒端縁部の互いに向かい合う内面のうち一方の内面に現れるように形成されていること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の易開封構造を備えた袋包装体。
  5. 包装物を収容した袋を形成するため筒状包装材の筒端縁部に横シール部を形成する横ヒートシーラを備え、
    前記横ヒートシーラは、前記筒端縁部の一部において当該筒端縁部の外側縁から内側に向かって広がる非シール部を残すための溝部と、前記非シール部との境界を前記外側縁から内側に向かって窪んだ凹状のシール輪郭で定めるように前記袋を封鎖する状態に前記筒端縁部をシールする横シール面とを有しており、
    前記横シール面は、前記横シール部が、前記筒端縁部の外側縁の一部において当該外側縁から内側に向って前記非シール部を残すように一定幅でシールして形成されている第1横シール面部分と、前記第1横シール面部分の端部と接続し且つ前記筒端縁部の外側縁の残部において当該外側縁に沿って前記一定幅と同等のシール幅でシールして形成されている第2横シール面部分とから成り、且つ前記第1横シール面部分と前記第2横シール面部分とが尖端で接続するように、形成されていること
    を特徴とする易開封構造を備えた袋包装体製造用包装機。
  6. ウェッブ状包装材の側端縁部にセンターシール部を形成して前記ウェッブ状包装材を筒状包装材に成形するセンターシーラと、前記センターシール部と協働して内部に包装物を収容した前記筒状包装材に横方向のシールを施して前記包装物を収容した袋包装体と後続する袋とを形成するため前記筒状包装材の筒端縁部に横シール部を形成する横ヒートシーラ部とを備え、
    前記横ヒートシーラは、前記筒端縁部の前記センターシール部と交差する一部において当該筒端縁部の外側縁から内側に向かって広がる非シール部を残すための溝部と、前記非シール部との境界を前記外側縁から内側に向かって窪んだ凹状のシール輪郭で定めるように前記袋を封鎖する状態に前記筒端縁部をシールする横シール面とを有しており、
    前記横シール面は、前記横シール部が、前記筒端縁部の外側縁の一部において当該外側縁から内側に向って前記非シール部を残すように一定幅でシールして形成されている第1横シール面部分と、前記第1横シール面部分の端部と接続し且つ前記筒端縁部の外側縁の残部において当該外側縁に沿って前記一定幅と同等のシール幅でシールして形成されている第2横シール面部分とから成り、且つ前記第1横シール面部分と前記第2横シール面部分とが尖端で接続するように、形成されており、
    前記溝部は、前記横ヒートシーラにおいて、前記センターシール部の筒内側シール境界線が前記非シール部となる前記筒端縁部の互いに向かい合う内面のうち一方の内面に現れる状態に形成されるように、配置されていること
    を特徴とする易開封構造を備えた袋包装体製造用包装機。
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