JP2011105357A - 易開封性包装袋 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フィルムを貼り合わせたシール部に、開封の始点となる微小な切込みが複数設けられた易開封部を有する易開封性包装袋において、前記シール部の易開封部の近傍にエンボス部を設け、該エンボス部の周縁と易開封部の加工領域の周縁との最短距離を少なくともエンボス部の高さ分だけ離したことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
この課題を解決する手段として、従来からシール部の外端縁に微小な切り込みや傷を複数形成する技術が提案されている(特許文献1、2参照)。
一方、手触りで易開封部の位置を確認可能とするために、易開封部を挟むように一対のエンボス部を設ける技術が知られている(特許文献3参照)。
しかし、微小な切り込みの近くにエンボス加工を行うと、エンボス加工の際に生じる樹脂材料の引き込みによって、微小な切り込みが拡張してしまい、開封強度が過度に低下し、意図せずに開封してしまうおそれがある。そこで、易開封加工前にエンボス加工を行うことが考えられるが、エンボス加工によってフィルムの平滑度が損なわれたり、わずかながら波打つので、正確な易開封加工が困難となったり、安定した易開封性が得られなかったりするおそれがあった。
前記シール部の易開封部の近傍にエンボス部を設け、該エンボス部の周縁と易開封部の加工領域の周縁との最短距離を少なくともエンボス部の高さ分だけ離したことを特徴とする。
1.エンボス部は、易開封部を引き裂き方向と直交方向から挟むように複数設けられること、
2.エンボス部は、易開封部の引き裂き方向の収納部側端縁を通り、開封方向に対して
直交する方向の端縁から延長される延長線上に設けられること、
が好ましい。
エンボス加工時の切り込みへの影響は、エンボス部の引き込み量によるが、どの程度離しておけばよいのか、一定値に決めることができない。本発明は、引き込み量はエンボス部の張り出し高さに依存することに着目し、エンボス部を、易開封部の加工領域からエンボス部の高さ分だけ離したものである。このようにすれば、エンボス部の形状、寸法に関わらず、切り込みへの影響を可及的に小さくすることができる。
また、複数のエンボス部によって易開封部を挟むようにしておけば、易開封部の位置を確実に確認することができる。
さらに、エンボス部を、易開封部の加工領域の開封方向の収納部側の側縁を延長した延長線上に設けておけば、易開封部への影響を一層小さくすることができる。
図1は本発明の実施例に係る易開封性包装袋を示している。
この易開封性包装袋10は長方形状の平パウチで、一対のフィルムの重ね合わされた左右の側辺部、底辺部を所定の幅で熱溶着して側辺シール部12、12及び底辺シール部13が設けられた構成となっている。上辺部については、内容物を充填した後、熱溶着して上辺シール部14が形成され、側辺シール部12,12、底辺シール部13及び上辺シール部14によって、内容物の収納部15が密閉される。
包装袋を構成するフィルムとしては、熱溶着可能な熱可塑性樹脂からなる単層フィルムでもよいし、溶着面を熱可塑性樹脂とする積層フィルムでもよく、熱溶着可能な種々の材料が適用可能である。
この実施例では、側辺シール部12の上端から所定長さ分だけ幅が広い幅広部121となっており、この幅広部121に易開封部2が設けられている。収納部15との境界となる幅広部121の内側縁と幅狭部122の内側縁は、傾斜辺123を介して接続されている。
開封方向は、側辺シール部12に対して直交方向であり、上辺シール部14に対して平行方向である。図示例では、開封方向として、一点鎖線によって開封予定線Xを描いている。この開封予定線Xは仮想線であり、特にミシン目などの加工線があるわけではなく、この線上に沿って開封されるわけではない。もちろん、開封予定線Xに沿って弱め線等を形成しておいてもよい。
ル部12の長手方向に所定間隔を隔てて複数列、この実施例では5列設けられた構成となっている。図示例では、開封予定線Xを中央の切り込み列20に合わせて描いているが、開封はいずれかの切り込み列20から開始されるもので中央の切り込み列20とは限らない。
aによって構成される切込み列が複数列設けられる構成でもよい。また、このように切り込み20aが縦横に整然と配列されている必要はなく、易開封部2が、複数の微小な切り込み20aを有する構成であればよい。
これらの切り込み20aは、側辺シール部12を貫通する構成でもよいし、貫通していなくてもよい。開封のきっかけとなる初期破断部を手指で形成可能な構成となっていればよい。また、切り込み20aのうち、最も側辺シール部12の外端縁寄りのものについては、側辺シール部12の外端縁に達していることが好適であるが、外端縁に届いていなくてもよい。
ール部12の表面から半球状凸部31の頂部までの高さである。張り出した半球状凸部31の半径をrとすると、図示例では、エンボス部3の高さhがほぼ半径rと等しくなっているが、異なっていてもよい。一方、半球状凹部32の深さdは半球状凸部31の高さhとほぼ同一で、半径r′は半球状凸部31の半径rよりエンボス部3の肉厚の分だけ小さい。
易開封部2の加工領域Wは、図示例では、5列の切り込み列20を構成するすべての切り込み20aを取り囲むように、各切り込み列20の開封方向端部を結ぶ線分を内側辺w1、開封方向と直交方向の両端に位置する切り込み列20の各切り込み20aを結ぶ線分を端辺w2、各切り込み列20の外側の端部を結ぶ線分を外側辺w3とすると、これらで内側辺w1、端辺w2、w2および外側辺w3で囲まれる四角形状の領域である。外側辺w3は側辺シール部12の外側辺である。
この易開封部2の加工領域領Wの周縁から、最短距離でエンボス部3の高さh分だけ離れた位置を結んだ線を仮想の限界線Zとすると、仮想限界線Zは、加工領域Wの内側辺w1と平行な内側辺z1と、加工領域Wの各端辺w2,w2と平行の端辺z2、z2、加工領域の端辺w2と内側辺w1との角部を中心として半径hで描いた四分の一の円弧部z4、z4とによって構成される角丸のコ字形状で示される。
もっとも、エンボス部3の位置は、加工領域Wの内側辺w1の延長線と側辺シール部12の外側辺の間の領域であって、加工領域Wの端辺w2から少なくとも仮想限界線Zの端
辺z2まで離間させた位置に設けてもよいし、加工領域Wの内側辺w1の延長線と側辺シール部12の内側辺の間の領域において、少なくとも仮想限界線Zの円弧部z4まで離間させた位置に設けてもよい。また、図2(A)に示すように、加工領域Wの端辺w2の延長線上に設けてもよいし、加工領域Wの内側辺w1から少なくとも仮想限界線Zまで離間させた位置に設けてもよい。
要するに、エンボス部3、3は、加工領域Wの周縁とエンボス部3の周縁との最短距離Sが少なくともエンボス部3の突出高さh分だけ離れた仮想離間線Zよりも外側に設ければよい。
エンボス部3の高さは、下限は0.3mmあれば指先で十分感じ取ることができ、上限については側辺シール部12の幅にも依存するが、3mm程度は安定して加工できる。
また、本発明においては、エンボス部3の位置から、易開封部2が判断できるので、易開封部2の切り込み20aが微小であっても開封位置が分かりやすい。
エンボス加工時の切り込みへの影響はエンボス部3の引き込み量によるが、本発明では、少なくともエンボス部3の高さ分だけ離間させているので、エンボス部3の高さに関わらず、切り込み10aに対するエンボス加工の影響を可及的に小さくすることができる。
エンボス加工時の切り込み20aへの影響は、エンボス部3の引き込み量によるが、どの程度離しておけばよいのか、一定値に決めることができない。本発明は、引き込み量はエンボス部3の張り出し高さに依存することに着目し、エンボス部3を、易開封部2の加工領域Wからエンボス部3の高さ分だけ離したものである。エンボス加工においては、大部分は張り出す部分の延伸によって加工され、引き込み量は小さく、エンボス部3の高さ分だけ離れた位置では材料の流動は実質的に無い。したがって、エンボス部3の形状、寸法に関わらず、エンボス加工時の材料の引き込みの影響により切り込み20aが開くおそれはなく、開封強度の低下を防止することができる。
上記実施例では、エンボス部3を半球状とした例について説明したが、種々の形状を選択可能である。以下の説明では、上記実施例と異なる点についてのみ説明するものとし、同一の構成部分については同一の符号を付して説明を省略する。
図2(B)は、エンボス部203を所定幅で線状に張り出したビード形状としたものである。エンボス部203の長手方向両端部は円弧形状に丸くなっている。
この例でも、エンボス部203の周縁と易開封部20の加工領域Wの周縁との最短距離が、少なくともエンボス部203の高さ分だけ離間させたものである。
図示例では、エンボス部203は、長手方向が開封方向と平行で加工領域Wの端辺w2と平行に向けられており、加工領域Wの側辺w1の延長線よりもエンボス部203は収納
部15側に偏移しており、エンボス部203の端部が加工領域Wの角部と最短距離となるように配置されている。
このように側辺シール部12の外側辺に開く構成としておけば、図2(D)に示すように、側辺シール部12の外側辺がつながれた状態で複数の包装袋を一度に成形する場合、各包装袋のエンボス部203及び易開封部2をつないだ状態で一度に成形することができる。
このように4箇所のエンボス部303を設ければ、触感による確認がより明確になる。もちろん、エンボス部303の数は任意である。
さらに、図2(F)は、異形のエンボス部403であり、ビード部を、Z字形状、あるいはS字形状に、ジグザグ状に形成したものである。この場合も、エンボス部403の付け根位置から加工領域Wの周縁までの最短距離が、少なくともエンボス部403の突出高さ程度離間させて形成している。この場合も、形状に特徴があるので、触感による確認がより明確になる。
エンボス部の形状としては、これらの実施例に限定されるものではなく、その他種々の形状を採用することができる。
また、易開封部が一つのエンボス部に対して、開封方向の両側にあれば、一つであっても、いずれの側にも易開封部が存在するので、容易に開封することができる。
易開封部の加工領域について上記各実施例では四角形状としているが、収納部側に向かって幅狭となる三角形、台形、階段ピラミッドのような形状、あるいは略楕円形状などでもよい。
20 切り込み列、20a 微小切り込み
10 易開封性包装袋
11 フィルム
12 側辺シール部
13 底辺シール部
14 上辺シール部
15 収納部
3,203,303,403 エンボス部
31 半球状凸部
32 半球状凹部
r 半径
h 突出高さ
S エンボス部と加工領域間の最短距離
W 加工領域
w1 内側辺(収納部側)
w2 端辺
w3 外側辺
X 開封予定線
Z 仮想限界線
Claims (3)
- フィルムを貼り合わせたシール部に、開封の始点となる微小な切込みが複数設けられた易開封部を有する易開封性包装袋において、
前記シール部の易開封部の近傍にエンボス部を設け、該エンボス部の周縁と易開封部の加工領域の周縁との最短距離を少なくともエンボス部の高さ分だけ離したことを特徴とする易開封性包装袋。 - エンボス部は、易開封部を引き裂き方向と直交方向から挟むように複数設けられることを特徴とする請求項1に記載の易開封性包装袋。
- エンボス部は、易開封部の引き裂き方向の収納部側端縁を通り、開封方向に対して直交する方向の端縁から延長される延長線上に設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の易開封性包装袋。
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