JP2016043451A - 研磨工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の多孔質研磨パッドおよび金属定盤上の研磨面におけるスラリーの保持力を向上させて、効果的に作用させることにより研磨に寄与する研磨剤(砥粒)を増加させるとともに、基材における常温付近での機械的物性値の変化を小さくすることにより、更に優れた研磨特性を有する研磨工具を提供する。
【解決手段】エポキシ樹脂またはエポキシ樹脂とウレタン樹脂の混合樹脂、多孔質の基礎材または金属製の基礎材にエポキシ樹脂或いはエポキシ樹脂とウレタン樹脂の混合樹脂を塗布または含浸・硬化させた基材を有するとともに、前記基材を硬化成形する硬化剤として、前記基材に親水基を有して硬化成形することのできる硬化剤を用いる。
【選択図】図2

Description

本発明は、工作物との間に研磨剤を含有するスラリーを供給しながら前記工作物を相対的に移動させて工作物を高精度に研磨する研磨工具に関するものである。
従来、レンズ、半導体デバイス用シリコンウエハ、液晶ディスプレイ用ガラス基盤、ハードディスク用ガラス基盤、アルミ基盤等のような工作物の表面および端面はきわめて高度な平滑度および平坦度を求められることから工作物との間に研磨剤を含有するスラリーを供給しながら工作物を相対的に移動させて工作物を高精度に研磨する研磨工具が用いられているが、これらの研磨は高精度であるばかりか同時に研磨時間短縮による製造効率の向上が求められており、少なくとも表面に高分子材料で作られた多孔質の研磨面を有する研磨工具および金属製定盤が広く用いられている。
そして、前記工作物の表面および端面に研磨加工を行うために用いられる研磨工具としては、例えば、ウレタン樹脂もしくはエポキシ樹脂やエポキシ樹脂とウレタン樹脂の混合樹脂から成る多孔質研磨パッド、繊維を絡合して構成した不織布タイプの研磨パッド、不織布の繊維基材にポリウレタン樹脂またはエポキシ樹脂を含浸して硬化させたウレタンまたはエポキシ含浸不織布タイプの研磨パッド(例えば、特許文献1参照)、繊維により構成される不織布やフィルムから成る基材上にウレタン樹脂またはエポキシ樹脂溶液を塗布し、これを凝固処理して多数の気泡を有する多孔質の銀面層を形成させ、該銀面層の表面を研削して多孔質の研磨層であるナップ層を形成したスエードタイプの研磨パッド(例えば、特許文献2参照)、精密研磨前の粗研磨用として鋳鉄定盤等がこれまで用いられており、例えば、前記研磨パッドを回転可能な研磨定盤の上に貼り付け、該研磨パッドに研磨ヘッドに支持された被研磨物を押し当てた状態で、研磨パッド上に研磨剤である砥粒が分散された研磨スラリーを供給しながら、研磨定盤および研磨ヘッドを相対的に回転させることにより研磨を行う。
ところで、特許文献1に示されている不織布の繊維基材にポリウレタン樹脂を含浸して硬化させた不織布タイプの研磨パッドや特許文献2に示されている繊維基材上にウレタン樹脂で形成されるナップ層を設けたスエードタイプの研磨パッド等を含めて前記従来の研磨パッドを用いて被研磨物としてレンズ等の光学ガラスや液晶ディスプレイ用ガラス基盤の表面を研磨する際には、研磨能率を上げるために研磨剤として酸化セリウムが主に使用されているが、セリウムのようなレアアース(希少金属)は、特定産出国への依存度が高いため、使用量を軽減させることが求められている。
そこで、本発明者らは、先にエポキシ樹脂により形成した多孔質研磨パッドや基材上にエポキシ樹脂を塗布した研磨パッド等を発明した(例えば、特許文献3および特許文献4)。これらの研磨パッドは、研磨剤(砥粒)に対する保持力を高めることにより研磨能率を向上させることができる。
特開平10−249737号公報 特開2010−149259号公報 特開2012−101298号公報 特開2012−121115号公報
しかしながら、このような研磨パッドの分野では、研磨時間を短縮して製造効率を高めるために、更なる研磨特性の向上が求められている。
また、従来の多孔質エポキシ樹脂研磨パッドにおいて、スラリー保持力を向上させ研磨特性を向上させることが可能となったが、従来のアミン系硬化剤を用いて硬化成形させた基材におけるガラス転移点が常温付近に存在するため、研磨加工時に機械的物性が変化し、研磨特性を低下させる原因となりうる。
そこで、本発明は、前記従来の多孔質研磨パッドおよび金属定盤上の研磨面におけるスラリーの保持力を向上させて、効果的に作用させることにより研磨に寄与する研磨剤(砥粒)を増加させるとともに、基材における常温付近での機械的物性値の変化を小さくすることにより、更に優れた研磨特性を有する研磨工具を提供することを課題とする。
前記課題を解決するためになされた本発明である研磨工具は、エポキシ樹脂またはエポキシ樹脂とウレタン樹脂の混合樹脂、多孔質の基礎材または金属製の基礎材にエポキシ樹脂或いはエポキシ樹脂とウレタン樹脂の混合樹脂を塗布または含浸・硬化させた基材を有するとともに、前記基材を硬化成形する硬化剤として、前記基材に親水基を有して硬化成形することのできる硬化剤を用いることを特徴とする。
本発明は基材に用いられるエポキシ樹脂等の硬化成形に際して従来のアミン系硬化剤に変えて、硬化成形後の樹脂に親水基を有することのできる硬化剤を用いることにより、多孔質研磨パッドおよび金属定盤上のスラリーの保持を効果的に作用させることを可能として研磨に寄与する研磨剤(砥粒)を増加させることおよび従来のアミン系硬化剤を用いて硬化成形させた基材における常温付近での機械的物性値の変化を小さくすることで研磨特性の向上を可能とした。
本発明において、基材に親水基を有することのできる硬化剤としては、アミド系の硬化剤であり(請求項2)、研磨工具の基材としてのエポキシ樹脂またはエポキシ樹脂とウレタン樹脂の混合樹脂のD硬度は15〜65の範囲に有り(請求項3)、基材であるエポキシ樹脂またはエポキシ樹脂とウレタン樹脂の混合樹脂に、ステンレス・チタン・アルミニウム等の金属製或いはポリエステル・ナイロン・ポリイミド等の樹脂製の短繊維や前記金属製或いは樹脂製の繊維をメッシュ状に織り込んだもの、または前記金属製或いは樹脂製の長繊維の不織布が含有されている研磨工具(請求項4)においても効果的である。また、研磨工具の基材の気孔率が5〜70%であり、形成された気孔径が5〜500μmであること(請求項5)、研磨工具の基材の表面に、格子状の溝が形成されていること(請求項6)も好ましい結果をもたらす。
本発明である研磨工具は、基材として用いられるエポキシ樹脂およびエポキシ樹脂とウレタン樹脂の混合樹脂の硬化成形に、親水基を有する樹脂を硬化成形できる親和性の高いアミド系硬化剤を用いることにより、基材と水系のスラリーとの親和性が高まり、研磨パッド上のスラリー保持を効果的に作用させ、研磨に寄与する研磨剤(砥粒)が増加することにより研磨特性が大きく向上する。
また、親水基を有する樹脂を硬化成形可能なアミド系硬化剤を用いて硬化成形することにより、従来の研磨パッドに用いられていたエポキシ樹脂およびエポキシ樹脂とウレタン樹脂の混合樹脂と比較し、常温付近にあったガラス転移点が40℃以上まで上昇するため
、常温付近での機械的物性値の変化が小さくなる。
本発明による研磨工具の実施の形態を示す斜視図(多孔質研磨パッド)。 本発明による研磨工具において使用される好ましい硬化剤における成分構造式の一部。 本発明による研磨工具における実施の形態についての研磨パッドの動的粘弾性の比較図。 研磨工具として研磨パッドを用いた本発明における実施例の外観を示す写真。 図4に示した実施例における研磨パッドの表面光学顕微鏡写真。 図4に示した実施例における研磨パッドの接触角を比較例とともに示した比較図。 図4に示した実施例における研磨パッドの回転速度と研磨効率との関係図。 図4に示した実施例における研磨パッドの砥粒濃度と研磨能率の関係図。 図4に示した実施例における研磨パッドの工作物及び定盤の回転数と研磨特性の関係図。 研磨工具としてスエードパッドを用いた本発明における実施例の拡大断面概略図。 研磨工具としてラップ工具を用いた本発明の実施例における拡大断面概略図。 研磨工具として金属繊維含有ラップ工具を用いた本発明の実施例を示す拡大断面概略図。 図12に示した実施例における研磨パッド表面の共焦点顕微鏡写真。
次に、本発明の研磨工具についての一例である多孔質エポキシ樹脂研磨パッドを用いた実施の形態に基づき、図面を参照して説明する。
図1は回転式の研磨台に取り付けられて使用される本発明の研磨パッドの好ましい実施の形態を示すものであり、符号1は親水基を有する樹脂を硬化成形できる硬化剤であるアミド系硬化剤を用いて硬化させた多孔質エポキシ樹脂研磨パッドであり、薄形円柱形の多孔質である基材2に直径が0.001〜3mmの多数の気孔3が形成されている。
更に詳しく説明すると、本実施の形態は、例えば基材として熱硬化性エポキシ樹脂と、発泡剤との混合物に、図2に示すような構造のアミド系硬化剤を加え、金型内で発泡させ硬化させた後、離型し、室温で二次乾燥して製造する。その後、所定厚にスライスして薄いシート状の製品にする。尚、多孔質エポキシ樹脂研磨パッドの作製方法は、これに限定されるものではなく、従来公知の種々の方法を用いることができる。
多孔質エポキシ樹脂研磨パッドの基材であるエポキシ樹脂またはエポキシ樹脂とウレタン樹脂の混合樹脂を親水基を有する樹脂を硬化成形できるアミド系硬化剤を用いて硬化成形することにより、研磨スラリーとの親和性を高め、砥粒の保持力を向上させるとともに、研磨剤に対する滞留性を改善することができる。これにより、多孔質エポキシ樹脂研磨パッドを用いて研磨加工を行う際に、研磨パッドに保持された砥粒が被研磨物との相対的な回転に伴って、被研磨物に引きずられて動いてしまうことを抑制するとともに、研磨パッドの回転に伴う遠心力によって研磨スラリーが排除されるのを抑制することができるので、研磨能率を向上させることができる。
また、基材をエポキシ樹脂またはエポキシ樹脂とウレタン樹脂の混合樹脂をアミド系硬
化剤を用いて硬化成形して作製した多孔質エポキシ樹脂研磨パッドの場合、既存のアミン系硬化剤を用いて硬化させた多孔質エポキシ樹脂研磨パッドと比較し、ガラス転移点が上昇するため安定した研磨加工を行うことができる。これは、図3に示した動的粘弾性の比較図からもわかるように、常温付近にガラス転移点が存在すると、研磨加工時に研磨パッドの機械的物性値が大きく変化し、研磨パッドと被加工物との密着性が不安定となるため、安定した研磨加工に支障をきたす恐れがあるためである。
多孔質研磨パッド
100℃で予熱して粘度を低下させたビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量230〜270)100.0gに対して、アミノ基を含むエポキシ樹脂硬化剤(ポロオキシプロピレンジアミン 活性水素当量514)69.0gおよびアミド基とアミノ基を含むエポキシ樹脂硬化剤(ポリアミノアミド アミン価535)を24.5g添加した。また、研磨パッドに気孔を形成する為に、発泡剤(永和化成製 セルラーD)及び発泡助剤(永和化成製、セルベーストM3)を添加した。
発泡剤及び発泡助剤は同量添加し、添加量は2.5〜4.1gの範囲で変化させた。これらの材料を混合した後、攪拌を行い金型に注型した。その後、加熱を行い樹脂での硬化と発泡を行った。加熱温度150℃で3時間保持した。
図4に製作した研磨パッドの外観図を示す。また、図5は研磨パッド表面の光学顕微鏡写真であり、発泡剤を添加することにより研磨パッド表面に多数の気孔が形成されている様子が確認できる。
図6に本実施例1により作製した本発明である多孔質エポキシ樹脂研磨パッド、市販されている一般的な多孔質ウレタン樹脂研磨パッド及び従来のアミン系硬化剤により硬化成形した多孔質エポキシ樹脂研磨パッドの上に、液量70μLの研磨スラリーを滴下して接触角を測定したスラリー接触角の比較図を示す。前記実施例に示した本発明品の接触角は95.9°、市販されている一般的な多孔質ウレタン樹脂研磨パッドの接触角は109.5°、従来の多孔質エポキシ樹脂研磨パッドは98.8°を示した。接触角は角度が低いほど、スラリーとの親和性が高いことから、本実施例の研磨パッドが他の従来例と比較してスラリーとの親和性が高いことが確認できる。
次に、本実施例1の研磨パッドと酸化セリウム砥粒を用いてガラスの研磨実験を行った。表1に研磨実験条件を示す。
作製した各研磨パッドは表面に凹凸が存在するため、研磨機上において切削(フェイシング)を行った。工作物にはソーダガラスを用い、研磨圧力は20kPa,研磨パッド及び工作物の回転速度は90rpmとした。また、砥粒には平均粒径1.2μmの酸化セリウム(昭和電工製SHOROX A−10)を用い、純水中に分散させた。比較のために市販されている一般的な多孔質ウレタン樹脂研磨パッド(九重電気製 NFP−05 砥粒無配合)及び従来の多孔質エポキシ樹脂研磨パッド(九重電気製 EPO 05 砥粒無配合)を用い、同様な条件で研磨試験を行った。研磨加工後の表面粗さは白色式干渉顕微鏡(ZYGO New View 7300)により評価し、研磨能率は研磨前後の工作物の質量差により評価した。
図7に、一般的な多孔質ウレタン樹脂研磨パッド及び従来のアミン系硬化剤により硬化形成した多孔質エポキシ樹脂研磨パッド、本発明の実施例1であるアミド系硬化剤を硬化成形に用いた多孔質エポキシ樹脂研磨パッドの研磨能率及び加工後工作物仕上げ面粗さ(表面粗さ)の関係を示す。本発明の実施例1は、一般的な多孔質ウレタン樹脂研磨パッドと比較して約4倍の研磨能率が得られ、また従来の多孔質エポキシ樹脂研磨パッドと比較しても約1.6倍の研磨能率が得られた。加工後工作物の仕上げ面粗さ(表面粗さ)については、一般的な多孔質ウレタン樹脂研磨パッドと比較し約1.5倍向上することが確認でき、また従来の多孔質エポキシ樹脂研磨パッドと比較しても同等の仕上げ面粗さ(表面粗さ)を得られることが確認された。これらのことから、従来市販の一般的な多孔質ウレタン樹脂研磨パッドと比較した場合、高い研磨能率を有しながら仕上げ面粗さ(表面粗さ)も向上することが確認され、また従来の多孔質エポキシ樹脂研磨パッドと比較しても、同等の仕上げ面粗さ(表面粗さ)を有しながら研磨能率を向上させることが確認された。
図8は、一般的な多孔質ウレタン樹脂研磨パッド及び従来のアミン系硬化剤により硬化形成した多孔質エポキシ樹脂研磨パッド、本発明の実施例であるアミド系硬化剤を硬化成形に用いた多孔質エポキシ樹脂研磨パッドの砥粒濃度と研磨能率の関係を示すものであり、砥粒濃度は0.1、0.5、1、3、5wt%にそれぞれ変更し研磨試験を実施した。一般的な多孔質ウレタン樹脂研磨パッド及び従来のアミン系硬化剤により硬化形成した多孔質エポキシ樹脂研磨パッドでは、砥粒濃度が低くなるに従って研磨能率が低下するが、本発明の研磨パッドは砥粒濃度が0.5wt%で飽和していることが分かる。これは、砥粒の保持力が向上したため、低砥粒濃度でも高い研磨能率が得られた結果である。
図9に、一般的な多孔質ウレタン樹脂研磨パッド及び従来のアミン系硬化剤により硬化形成した多孔質エポキシ樹脂研磨パッド、本発明の実施例1であるアミド系硬化剤を硬化成形に用いた多孔質エポキシ樹脂研磨パッドの回転数と研磨特性の関係を示す。工作物および定盤回転数をそれぞれ60、90、120rpmに変更し研磨試験を実施した。従来の多孔質エポキシ樹脂研磨パッド及び本発明の研磨パッドは、どの回転数においても一般的な多孔質ウレタン樹脂研磨パッドより研磨能率が高いことが判る。また、従来の多孔質エポキシ樹脂研磨パッドおよび本発明の研磨パッドの比較においても、本発明の研磨パッドはどの回転数においても高い研磨能率を示した。高い回転数になるほど作用する遠心力が増加し、スラリーが研磨領域から掃き出されるため砥粒の滞留性が低下するが、本発明の研磨パッドは砥粒の保持力が向上されているため、どの回転域でも砥粒が滞留したことにより高い研磨能率が得られた結果である。
これは、本発明である基材にアミド系硬化剤を用いて硬化成形し作製した多孔質エポキシ樹脂研磨パッドが、従来市販されている基材にウレタン樹脂を用いた多孔質ウレタン樹脂研磨パッドおよび基材にアミン系硬化剤により硬化形成したエポキシ樹脂を用いた従来の多孔質エポキシ樹脂研磨パッドよりも、基材であるエポキシ樹脂の親和性を高めたことにより、研磨パッド上のスラリー保持を効果的に作用させ、研磨に寄与する研磨材(砥粒
)を増やし研磨特性を大きく向上させた結果である。
また、本発明であるアミド系硬化剤を用いて硬化成形されたエポキシ樹脂およびエポキシ樹脂とウレタン樹脂の混合樹脂を、不織布パッドおよびスエードパッドへの塗布または含浸・硬化、本発明である前記樹脂を塗布又は含浸させた金属製或いは樹脂製のメッシュを用いたラップ工具、金属製或いは樹脂製の短繊維や繊維をメッシュ状に織り込んだものまたは長繊維の不織布を含有した樹脂を塗布または含浸・硬化させたラップ工具における樹脂部分等へ用いることも可能であり、本実施例1と同様な効果が期待できる。
スエードパッド
本発明であるアミド系硬化剤を用いて硬化成形されたエポキシ樹脂およびエポキシ樹脂とウレタン樹脂の混合樹脂を、図10に示すように基材4と該基材4上の厚さ方向に形成された細長い縦穴(ナップ)5が多数形成されたナップ層6が設けられた所謂スエードタイプの研磨パッドのナップ層6に塗布または含浸・硬化し、樹脂層が形成されたものである。
基材4は、例えば繊維により構成される不織布、該不織布にウレタン樹脂等を含浸させたウレタン含浸不織布、又は樹脂フィルム等からなるものである。ナップ層6は、この基材4上にウレタン樹脂を例えばジメチルホルムアミド等の水溶性有機溶媒に溶解させたウレタン樹脂溶液を塗布し、これを水中で処理し、湿式凝固して多孔質銀面層を形成し、水洗乾燥後に該銀面層表面を研削することにより形成される。
研磨パッド7では、このナップ層6に対して、本発明であるアミド系硬化剤を用いて硬化成形されたエポキシ樹脂およびエポキシ樹脂とウレタン樹脂の混合樹脂を溶剤に分散させた分散液等をスプレー塗布やスピンコータ塗布等の従来公知の塗布方法を用いて塗布することにより、ナップ層6の表面および縦穴5内に本発明の前記樹脂の樹脂膜8が形成される。これにより、縦穴5による構造的なグリップ力に加えて、前記樹脂膜により得られる保持力によって研磨剤を保持することができるので、研磨特性を向上させることができる。
ラップ工具
本発明であるアミド系硬化剤を用いて硬化成形されたエポキシ樹脂およびエポキシ樹脂とウレタン樹脂の混合樹脂を、図11に示すように定盤9上に塗布または含浸・硬化し、樹脂膜8が形成されたものである。
定盤9は、SUSや鋳鉄等で形成されており、必要に応じて溝加工が施されている。この定盤面に対して、本発明であるアミド系硬化剤を用いて硬化成形されたエポキシ樹脂およびエポキシ樹脂とウレタン樹脂の混合樹脂を溶剤に分散させた分散液等をスプレー塗布やスピンコータ塗布等の従来公知の塗布方法を用いて塗布することにより、本発明の前記樹脂の樹脂膜8が形成される。形成された前記樹脂膜により得られる保持力によって研磨剤を保持することができるので、研磨特性を向上させることができる。
金属短繊維含有ラップ工具
主剤であるビスフェノールA型エポキシ樹脂、直径50μm・長さ2500μmの金属短繊維及びアミド系硬化剤を混合した後、攪拌を行い金型へ注型し硬化成形を行った。図12は作製したラップ工具の拡大断面概略図、図13は表面の共焦点顕微鏡写真である。
本実施例4では金属短繊維10を配合したアミド系硬化剤を用いて硬化成形されたエポキシ樹脂およびエポキシ樹脂とウレタン樹脂の混合樹脂を金型に注型することにより基材4が形成され、前記基材4を定盤9へ取り付け、定盤9と工作物(図示せず)を相対的に移動させて工作物を研磨する。形成された前記基材4により得られる従来に増して付与される保持力によって研磨剤を保持することができるので、研磨特性を向上させることができる。
1 研磨パッド(基材)、 2 多孔質体、 3 気孔
4 基材、 5 縦穴(ナップ)、 6 ナップ層
7 研磨パッド、 8 樹脂膜、 9 定盤
10 金属短繊維

Claims (6)

  1. 多孔質のエポキシ樹脂からなる基材、多孔質のエポキシ樹脂とウレタン樹脂の混合樹脂からなる基材、多孔質の基礎材または金属製の基礎材にエポキシ樹脂或いはエポキシ樹脂とウレタン樹脂の混合樹脂を塗布または含浸・硬化させた基材を、工作物との間に研磨剤を含有するスラリーを供給しながら前記工作物を相対的に移動させて前記工作物を研磨する研磨工具であって、前記各基材を構成する樹脂が硬化成形後に親水基を有する硬化剤を用いて硬化成形されていることを特徴とする研磨工具。
  2. 前記硬化剤がアミド系硬化剤であることを特徴とする請求項1に記載の研磨工具。
  3. 前記研磨工具の基材に用いられるエポキシ樹脂またはエポキシ樹脂とウレタン樹脂の混合樹脂のD硬度が15〜65°であることを特徴とする請求項1、2に記載の研磨工具。
  4. 前記研磨工具の基材に用いられるエポキシ樹脂またはエポキシ樹脂とウレタン樹脂の混合樹脂に、金属製或いは樹脂製の繊維が含有されていることを特徴とする請求項1、2、3に記載の研磨工具。
  5. 前記研磨工具の基材に用いられるエポキシ樹脂またはエポキシ樹脂とウレタン樹脂の混合樹脂の気孔率が5〜70%であり、形成された気孔径が5〜500μmであることを特徴とする請求項1、2、3、4に記載の研磨工具。
  6. 前記研磨工具の基材の表面に格子状の溝が形成されていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5に記載の研磨工具。
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