JP2016043341A - 排水処理方法及び排水処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】マグネシウムイオン、フッ化物イオンを含む排水処理において、フッ化物イオンを安定に除去すると共に、汚泥の発生量を抑えることが可能な排水処理方法及び排水処理装置を提供する。
【解決手段】マグネシウムイオン、フッ化物イオンを含有する排水にアルカリ剤を添加するアルカリ剤添加装置と、前記排水と前記アルカリ剤とを反応させ、生成したマグネシウム化合物含有析出物に前記フッ化物イオンを吸着させる処理槽10と、含む排水を前記マグネシウム化合物含有析出物を含む汚泥と処理水とに固液分離する固液分離槽14と、前記マグネシウム化合物含有析出物を含む排水のフッ化物イオン電極電位を測定するフッ化物イオン電極24と、フッ化物イオン電極24で測定されるフッ化物イオン電極電位が予め設定される目標値となるように、前記アルカリ剤添加装置の前記アルカリ剤の添加量を制御する制御部28と、を備える排水処理装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、マグネシウムイオン、フッ化物イオンを含有する排水の処理方法及び処理装置の技術に関する。
石炭火力発電等では、石炭を燃焼して発生する排ガスを浄化するための脱硫設備を設置して、水酸化マグネシウムや水酸化カルシウムを溶解させた水により、排ガス中の硫黄分や集塵機で除去しきれなかったばい塵等を除去している。硫黄分やばい塵を吸収した水は適宜脱硫設備から脱硫排水等として排出される。この脱硫排水には有害物質であるフッ化物イオンが含有されることも多く、発電に使用される石炭の産地・種類によっては排水基準(海域)15mg/Lを大きく超える値で存在することがある。したがって、フッ化物イオンを排水基準以下にまで処理してから、海洋等に放流する必要がある。なお、脱硫排水にはマグネシウムイオンが数千〜20000mg/L、硫酸イオンが数千〜60000mg/L程度共存する場合がある。一般には、水酸化マグネシウムを使用した脱硫設備から排出される脱硫排水のほうがマグネシウムイオン、硫酸イオンを多量に含有している。
現在、フッ化物イオンを含有する排水からフッ化物イオンを排水基準値以下にまで除去するための処理装置または処理方法が提案され、実用化されている。
例えば、特許文献1及び2には、フッ化物イオンを含有する排水にアルカリ剤やカルシウム剤等を添加し、排水のpHを概ね9以上にして水酸化マグネシウムを析出させ、この水酸化マグネシウムにフッ化物イオンを吸着させ、フッ化物イオンを水酸化マグネシウムの析出物と共に水から分離する方法が提案されている。この方法は、排水のpHを概ね9以上になるようにアルカリ剤等を添加し、固液分離するだけであるため、処理操作が容易である。また、ポリ塩化アルミニウムなどの無機凝集剤が不要であり、ヒ素や亜鉛などの重金属も除去可能である等の利点もある。
特開平11−267662号公報 特開2000−176241号公報
ところで、フッ化物イオンの除去性能は、排水中のフッ化物イオン濃度とアルカリ剤添加による水酸化マグネシウムの生成量に大きく依存する。すなわち、排水中のフッ化物イオン濃度が高いほど水酸化マグネシウムの生成量を多くする必要があるため、アルカリ剤の添加量も多くする必要がある。しかし、水酸化マグネシウムの生成量が多くなると、固液分離後の汚泥発生量が多くなり、また脱水性が悪く脱水ケーキの含水率も高くなるため、汚泥処分費が増大する。したがって、排水中のフッ化物イオン濃度に応じて必要最小限のアルカリ剤を添加して、フッ化物イオンを除去することが求められる。また、フッ化物イオンを含有する排水中の温度や排水中のマグネシウムイオン濃度によっては、同じアルカリ剤の添加量でも、水酸化マグネシウムの析出量が変わる場合があるため、排水性状によっては、フッ化物イオンの排水基準を満たすために必要なアルカリ剤の添加量を変える必要がある。
しかし、固液分離の前工程で、排水のpHが概ね9以上になるようアルカリ剤を添加する特許文献1〜2に記載の方法では、アルカリ剤の添加量を増やすほど水酸化マグネシウムの生成量が増えるが、その一方で、排水中の水酸化物イオンが水酸化マグネシウムの生成に使われてしまうため、アルカリ剤の添加量を増やしてもpHの変化は少ない。このため、排水のpHに基づいて、アルカリ剤の添加量を制御する場合には、排水中のフッ化物イオンを確実に除去できる高いpHを設定し、そのpHになるようにアルカリ剤を添加する必要があるが、この場合には、アルカリ剤の添加量が過大になるとともに、本来発生させる必要のない汚泥が発生するという問題がある。
そこで、本発明の目的は、マグネシウムイオン、フッ化物イオンを含む排水処理において、フッ化物イオンを安定に除去すると共に、汚泥の発生量を抑えることが可能な排水処理方法及び排水処理装置を提供することである。
本発明の排水処理方法は、マグネシウムイオン、フッ化物イオンを含有する排水にアルカリ剤を添加して、前記排水と前記アルカリ剤とを反応させ、生成したマグネシウム化合物含有析出物に前記フッ化物イオンを吸着させる処理工程と、前記処理工程で処理された前記マグネシウム化合物含有析出物を含む排水を前記マグネシウム化合物含有析出物を含む汚泥と処理水とに固液分離する固液分離工程と、フッ化物イオン電極により、前記マグネシウム化合物含有析出物を含む排水又は前記処理水のフッ化物イオン電極電位を測定する測定工程と、を備え、前記処理工程では、前記測定工程で測定されるフッ化物イオン電極電位が予め設定される目標値となるように、前記アルカリ剤の添加量を制御する排水処理方法である。
また、前記排水処理方法において、予め求めた水中のフッ化物イオン濃度、電気伝導率、フッ化物イオン電極電位の相関性に基づいて、前記マグネシウム化合物含有析出物を含む排水又は前記処理水の目標フッ化物イオン濃度、及び前記マグネシウム化合物含有析出物を含む排水又は前記処理水の電気伝導率から求められるフッ化物イオン電極電位を前記目標値として設定することが好ましい。
また、前記排水処理方法において、前記相関性は、下式(1)で表され、前記目標値は、下式(1)のフッ化物イオン濃度(F)に前記マグネシウム化合物含有析出物を含む排水又は前記処理水の目標フッ化物イオン濃度を当てはめ、下式(1)の電気伝導率(EC)に前記マグネシウム化合物含有析出物を含む排水又は前記処理水の電気伝導率を当てはめることにより設定されることが好ましい。
V=a×log(F)+b×log(EC)+c (1)
V:フッ化物イオン電極電位(mV)
F:フッ化物イオン濃度(mg/L)
EC:電気伝導率(mS/cm)
a,b,c:係数
また、本発明の排水処理装置は、マグネシウムイオン、フッ化物イオンを含有する排水にアルカリ剤を添加するアルカリ剤添加手段と、前記排水と前記アルカリ剤とを反応させ、生成したマグネシウム化合物含有析出物に前記フッ化物イオンを吸着させる処理手段と、前記処理手段で処理された前記マグネシウム化合物含有析出物を含む排水を前記マグネシウム化合物含有析出物を含む汚泥と処理水とに固液分離する固液分離手段と、前記マグネシウム化合物含有析出物を含む排水又は前記処理水のフッ化物イオン電極電位を測定するフッ化物イオン電極と、前記フッ化物イオン電極で測定されるフッ化物イオン電極電位が予め設定される目標値となるように、前記アルカリ剤添加手段の前記アルカリ剤の添加量を制御する制御部と、を備えることを特徴とする排水処理装置。
また、前記排水処理装置において、予め求めた水中のフッ化物イオン濃度、電気伝導率、フッ化物イオン電極電位の相関性に基づいて、前記マグネシウム化合物含有析出物を含む排水又は前記処理水の目標フッ化物イオン濃度、及び前記マグネシウム化合物含有析出物を含む排水又は前記処理水の電気伝導率から求められるフッ化物イオン電極電位が前記目標値として設定されることが好ましい。
また、前記排水処理装置において、前記相関性は、下式(1)で表され、前記目標値は、下式(1)のフッ化物イオン濃度(F)に前記マグネシウム化合物含有析出物を含む排水又は前記処理水の目標フッ化物イオン濃度を当てはめ、下式(1)の電気伝導率(EC)に前記マグネシウム化合物含有析出物を含む排水又は前記処理水の電気伝導率を当てはめることにより設定されることが好ましい。
V=a×log(F)+b×log(EC)+c (1)
V:フッ化物イオン電極電位(mV)
F:フッ化物イオン濃度(mg/L)
EC:電気伝導率(mS/cm)
a,b,c:係数
本発明によれば、マグネシウムイオン、フッ化物イオンを含む排水処理において、フッ化物イオンを安定に除去すると共に、汚泥の発生量を抑えることが可能な排水処理方法及び排水処理装置を提供することができる。
本実施形態に係る排水処理装置の構成の一例を示す模式図である。 本実施形態に係る排水処理装置の構成の他の一例を示す模式図である。 フッ化物イオン濃度及び塩濃度(電気伝導率)の異なる水のフッ化物イオン濃度、フッ化物イオン電極電位及び電気伝導率の相関性を示す図である。 実施例1で用意した各水の電気伝導率、フッ化物イオン濃度、フッ化物イオン電極電位の相関性を示す図である。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
図1は、本実施形態に係る排水処理装置の構成の一例を示す模式図である。図1に示す排水処理装置1は、連続式の排水処理装置であり、処理槽10、凝集剤反応槽12、固液分離槽14、を備える。また、排水処理装置1は、アルカリ剤タンク16、アルカリ剤供給ライン18、電磁バルブ19を有するアルカリ剤添加装置(アルカリ剤添加手段)、凝集剤タンク20、凝集剤供給ライン22を有する凝集剤添加装置を備える。また、排水処理装置1は、フッ化物イオン電極24、電気伝導率計26、制御部28を備えている。フッ化物イオン電極24、電気伝導率計26は、処理槽10に設置されている。また、処理槽10及び凝集剤反応槽12には、撹拌機(30,32)が設置されている。
処理槽10には排水ライン34aが接続されている。処理槽10と凝集剤反応槽12との間、凝集剤反応槽12と固液分離槽14との間は、排水ライン(34b,34c)により接続されている。固液分離槽14には処理水ライン36及び汚泥排出ライン38が接続されている。アルカリ剤供給ライン18の一端は処理槽10に接続され、他端はアルカリ剤タンク16に接続されている。凝集剤供給ライン22の一端は凝集剤反応槽12に接続され、他端は凝集剤タンク20に接続されている。
図1の制御部28は、プログラムを演算するCPU、プログラムや演算結果を記憶するROMおよびRAMから構成されるマイクロコンピュータと電子回路等で構成されている。図1の制御部28は、フッ化物イオン電極24、電気伝導率計26、及び電磁バルブ19と電気的に接続されており、フッ化物イオン電極24により測定されるフッ化物イオン電極電位や、電気伝導率計26により測定される電気伝導率のデータが入力される。また、図1の制御部28は、フッ化物イオン電極24から入力されるフッ化物イオン電極電位が予め設定される目標値となるように、電磁バルブ19の開閉度を調節する等して、アルカリ剤添加装置から供給されるアルカリ剤の添加量を制御する機能を有している。制御部28による具体的な制御については、後述する。
本実施形態に係る排水処理装置1の動作の一例について説明する。
本実施形態の処理対象排水は、マグネシウムイオン、フッ化物イオンを含有する排水であれば特に制限されるものではないが、上記排水としては例えば、排煙脱硫排水等が挙げられる。排煙脱硫排水は、例えば、排ガス中の硫黄酸化物を水酸化マグネシウム等のマグネシウム系吸収剤で、吸収除去する排煙脱硫装置から排出される排水である。
マグネシウムイオン、フッ化物イオンを含有する排水(以下、原水と称する場合がある)は、排水ライン34aを通り処理槽10に供給される。そして、制御部28により、電磁バルブ19が開放され、アルカリ剤タンク16内のアルカリ剤がアルカリ剤供給ライン18から処理槽10に供給される。この際、処理槽10内では、マグネシウム水酸化物(Mg(OH)等)やマグネシウム酸化物(MgO等)等のマグネシウム化合物を含む析出物が生成され、その生成された析出物に主にフッ化物イオンが吸着される(処理工程)。
処理槽10で処理されたマグネシウム化合物含有析出物を含む排水は、処理槽10の排出口から排水ライン34bへ排出される。この際、フッ化物イオン電極24及び電気伝導率計26によりマグネシウム化合物含有析出物を含む排水のフッ化物イオン電極電位及び電気伝導率が測定される(測定工程)。それらの値がデータとして、制御部28に送信される。そして、制御部28によるアルカリ剤の添加量の制御が、以下のようにして行われる。
一般的に、フッ化物イオン電極電位は、フッ化物イオン濃度の対数と線形相関がある。そして、目標値は、処理水のフッ化物イオン濃度をどの範囲とするかによって適宜設定されるものであるが、例えば、後述するように排水基準(15mg/L)に基づいて設定されることが好ましい。したがって、フッ化物イオン電極24により測定されたフッ化物イオン電極電位が目標値より高い場合には、処理槽10で処理された排水中のフッ化物イオン濃度が排水基準より高いことを示しているため、制御部28により、電磁バルブ19の開放度を上げて、アルカリ剤の添加量を増加させる。また、フッ化物イオン電極24により測定されたフッ化物イオン電極電位が目標値より低い場合には、排水中のフッ化物イオンが排水基準を満たすために必要なアルカリ剤の添加量を超えているため、制御部28により、電磁バルブ19の開放度を下げて、アルカリ剤の添加量を減少させる。このようなアルカリ剤の添加量の制御により、排水基準を満たすために必要なアルカリ剤が添加されるため、フッ化物イオンを安定に処理しながら、マグネシウム化合物含有析出物の発生量、すなわち汚泥発生量を抑えることが可能となる。
次に、処理槽10から排出された排水は、フッ化物イオンが吸着されたマグネシウム化合物含有析出物と共に、凝集剤反応槽12に供給される。そして、凝集剤供給ライン22に設置されたバルブ(不図示)を開放する等して、凝集剤タンク20内の凝集剤が凝集剤供給ライン22から凝集剤反応槽12に供給される。凝集剤反応槽12では、フッ化物イオンが吸着された析出物がフロック化される。そして、凝集剤反応槽12内の排水は、フロック化された析出物(フッ化物イオンが吸着された析出物)と共に固液分離槽14に供給され、固液分離槽14内で、フッ化物イオンが吸着された析出物を含む汚泥と処理水とに固液分離され、処理水は処理水ライン36から系外へ排出され、汚泥は汚泥排出ライン38から系外へ排出される(固液分離処理工程)。
図2は、本実施形態に係る排水処理装置の構成の他の一例を示す模式図である。図2に示す排水処理装置2において、図1に示す排水処理装置1と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。図2に示す排水処理装置2は、バッチ式の処理装置であり、1槽式の反応槽40を備えている。図2に示す反応槽40は、排水とアルカリ剤とを反応させ、生成したマグネシウム化合物含有析出物にフッ化物イオンを吸着させる処理手段としての機能と、マグネシウム化合物含有析出物を含む排水をマグネシウム化合物含有析出物を含む汚泥と処理水とに固液分離する固液分離手段としての機能を兼ねている。
反応槽40には排水ライン34a、処理水ライン36及び汚泥排出ライン38が接続されている。また、アルカリ剤供給ライン18の一端は反応槽40に接続され、他端はアルカリ剤タンク16に接続されている。凝集剤供給ライン22の一端は反応槽40に接続され、他端は凝集剤タンク20に接続されている。
本実施形態に係る排水処理装置2の動作の一例について説明する。
原水は、排水ライン34aを通り反応槽40に供給される。そして、制御部28により、電磁バルブ19が開放され、アルカリ剤タンク16内のアルカリ剤がアルカリ剤供給ライン18から反応槽40に供給される。この際、反応槽40内では、マグネシウム水酸化物(Mg(OH)等)やマグネシウム酸化物(MgO等)等のマグネシウム化合物を含む析出物が生成され、その生成された析出物に主にフッ化物イオンが吸着される(処理工程)。
フッ化物イオン電極24及び電気伝導率計26によりマグネシウム化合物含有析出物を含む排水のフッ化物イオン電極電位及び電気伝導率が測定される(測定工程)。それらの値がデータとして、制御部28に送信される。そして、制御部28によるアルカリ剤の添加量の制御が、以下のようにして行われる。
フッ化物イオン電極24により測定されるフッ化物イオン電極電位が目標値に達するまで、制御部28により、電磁バルブ19を開放させてアルカリ剤の添加を継続し、フッ化物イオン電極24により測定されるフッ化物イオン電極電位が目標値に達した際に、制御部28により、電磁バルブ19を閉じて、アルカリ剤の添加を停止させる。このようなアルカリ剤の添加量の制御により、排水基準を満たすために必要なアルカリ剤が添加されるため、フッ化物イオンを安定に処理しながら、マグネシウム化合物含有析出物の発生量、すなわち汚泥発生量を抑えることが可能となる。
次に、凝集剤供給ライン22に設置されたバルブ(不図示)を開放する等して、凝集剤タンク20内の凝集剤が凝集剤供給ライン22から反応槽40に供給される。そして、反応槽40では、フッ化物イオンが吸着された析出物がフロック化される。その後、反応槽40を所定時間静置させ、反応槽40内で、フッ化物イオンが吸着された析出物を含む汚泥と処理水とに固液分離され、処理水は処理水ライン36から系外へ排出され、汚泥は汚泥排出ライン38から系外へ排出される(固液分離処理工程)。
以下に、各処理工程の詳細を説明する。
<処理工程>
処理工程で使用されるアルカリ剤添加装置は、原水にアルカリ剤を添加することができる装置構成であれば、アルカリ剤タンク16、アルカリ剤供給ライン18、電磁バルブ19を有するアルカリ剤添加装置に制限されるものではない。例えば、アルカリ剤タンク16、アルカリ剤供給ライン18、アルカリ剤供給ライン18等に設置される吐出ポンプ等から構成されていてもよい。このような装置構成の場合には、制御部28により吐出ポンプの稼働・停止、出力の増減等が行われ、アルカリ剤の添加量が制御される。
処理工程で使用されるアルカリ剤としては、排水中のマグネシウムイオンをマグネシウム化合物として析出させることができるものであれば特に制限されるものではないが、例えば、水酸化カルシウム、または水酸化ナトリウム等が挙げられる。これらの中では、フッ素除去率の点で、水酸化カルシウムを用いることが好ましい。水酸化カルシウムを使用することで、カルシウムイオンが、フッ化物イオンと結合して、フッ化カルシウムとして析出する。また、水酸化物イオンがマグネシウムイオンと結合して、水酸化マグネシウムとして析出し、水酸化マグネシウムの析出物がフッ化物イオンを吸着する。このため、水酸化カルシウムは、水酸化ナトリウムと比較して、フッ素除去率を向上させることが可能となる。なお、排水中のマグネシウムは、通常マグネシウム塩の形態として含まれるため、マグネシウムイオンの対イオンとして、例えば硫酸イオン等も存在するが、水酸化カルシウムを用いる場合、カルシウムイオンが硫酸イオン等と結合して、硫酸カルシウム等も析出する。
また、アルカリ剤として、水酸化カルシウムと水酸化ナトリウムの両方を使用してもよいが、水酸化カルシウムと水酸化ナトリウムとを同時に添加すると、水酸化カルシウムが溶解し難くなるため、水酸化カルシウムを添加して排水と反応させる処理槽と水酸化ナトリウムを添加して排水と反応させる処理槽とに分けることが望ましい。
また、処理工程における排水とアルカリ剤との反応時間は、マグネシウム化合物を含む析出物を十分に析出させる時間が確保されていれば特に制限されるものではないが、例えば、10分〜60分の範囲とすることが好ましい。反応時間が10分未満であれば、マグネシウム化合物を含む析出物の生成が十分に行われずに固液分離処理工程に移行するため、フッ化物イオンの除去率が低下する場合があり、60分を超えると、大きな容量の処理槽10が必要となるため、実用上好ましくない場合がある。また、マグネシウム化合物を含む析出物の生成効率の点で、処理槽10内に撹拌機30を設置し、排水とアルカリ剤とを撹拌しながら反応させることが好ましい。
アルカリ剤の添加量は、フッ化物イオン電極24で測定されたフッ化物イオン電極電位が予め設定される目標値となるように制御される。ここで、目標値は例えば、以下のようにして設定される。まず、処理工程により得られる排水中のフッ化物イオン濃度の目標値を設定する。この目標値は、排水基準(15mg/L)以下の範囲で設定されればよい。そして、試験的に処理対象となる原水に対して、上記処理工程を実施しながら、処理工程により得られる排水のフッ化物イオン濃度を測定する。フッ化物イオン濃度の測定は、JIS K0102で定められるランタン-アリザリンコンプレキソン吸光光度法に基づいて実施される。そして、処理工程により得られる排水のフッ化物イオン濃度が、上記設定した目標値に達した際の当該排水中のフッ化物イオン電極電位を、フッ化物イオン電極により計測する。そして、このフッ化物イオン電極電位を目標値として設定する。そして、上記のようにして設定したフッ化物イオン電極電位の目標値を制御部28に記憶させておき、実際の処理工程で得られた排水のフッ化物イオン電極電位が、目標値となるように、アルカリ剤の添加量が調整される。なお、添加量の調整は上記説明した通りである。
一般的に、フッ化物イオン電極電位は、フッ化物イオン濃度の対数と線形相関があるが、排水中に硫酸マグネシウム等を初めとする塩濃度の高い排水と、塩濃度の低い排水とでは、同じフッ化物イオン濃度でも、排水のフッ化物イオン電極電位が異なる場合がある。なお、脱硫排水や当該排水を処理工程により処理した排水中には、最大で80000mg/Lの塩が含まれる場合がある。したがって、本実施形態の排水処理において、処理対象となる原水中の塩濃度が高い場合や流入する原水の塩濃度が変動するような場合には、フッ化物イオン電極電位の目標値を以下の方法で設定することが好ましい。
まず、マグネシウムイオン、フッ化物イオン含有排水に対して上記処理工程を試験的に実施する。そして、生成した析出物を除いた上澄水またはろ過水を得る。この水に、既知量のフッ素イオンや既知量の純水(イオンをほとんど含まない水)を加えて、フッ化物イオン濃度及びマグネシウム塩濃度などの異なる複数の水を調製する。フッ化物イオン濃度や塩濃度(電気伝導率)の異なる複数の水のフッ化物イオン濃度、フッ化物イオン電極電位及び電気伝導率を測定し、それらの相関性を得る。
図3は、フッ化物イオン濃度及び塩濃度(電気伝導率)の異なる水のフッ化物イオン濃度、フッ化物イオン電極電位及び電気伝導率の相関性を示す図である。なお、通常、図3のフッ化物イオン濃度は対数で表される。図3では、直線A、B、Cの順で塩濃度の高い排水である。そして、水中の塩濃度は電気伝導率と比例関係にあるので、直線A、B、Cの順で電気伝導率の高い排水となる。そして、図3に示すように、電気伝導率が高くなるほど、同じフッ化物イオン濃度でも、フッ化物イオン電極により測定される排水のフッ化物イオン電極電位は高い値を示す。
図3に示すフッ化物イオン濃度、フッ化物イオン電極電位及び電気伝導率の相関性は、以下に示す相関式として表されることが望ましい。なお、これらの相関性は必ずしも下式で表す必要なく、例えば、電気伝導率(EC)、フッ化物イオン濃度(F)、フッ化物イオン電極電位の相関性をまとめたテーブルを使用しても良いし、図3に示すグラフをしようしてもよい。いずれにしろ、任意の電気伝導率(EC)、及びフッ化物イオン濃度(F)に対するフッ化物イオン電極電位(V)を読み取ることができればよい。
V=a×log(F)+b×log(EC)+c
V:フッ化物イオン電極電位(mV)
F:フッ化物イオン濃度(mg/L)
EC:電気伝導率(mS/cm)
a,b,c:係数
上記相関式を制御部28に記憶させる。そして、上記相関式のフッ化物イオン濃度Fが、排水基準(15mg/L)以下の範囲で設定される規定値として、作業者等により制御部28に入力される。そして、実際の処理工程により得られる排水の電気伝導率が電気伝導率計26によって測定され、その測定値が制御部28に入力される。これにより、上記相関式からフッ化物イオン電極電位が求められ、この電極電位が目標値として設定される。そして、実際の処理工程で得られた排水の電極電位が、当該目標値となるように、アルカリ剤の添加量が制御される。原水中の塩濃度は、増減する場合があるため、定期的に電気伝導率を測定し、目標値を更新することが好ましい。
本実施形態の目標値は、上記のように設定した目標値のみに限定されず、上記のように設定した目標値を基準に、好ましくは±2mVの範囲として設定される場合、より好ましくは±1mVの範囲として設定される場合も含まれる。
<測定工程>
本実施形態では、処理工程で処理された排水のフッ化物イオン電極電位を測定する場合を説明したが、固液分離工程で処理された処理水のフッ化物イオン電極電位を測定してもよい。また、処理工程で処理された排水のフッ化物イオン電極電位の計測箇所は、処理槽10(反応槽40)内に限られず、排水ライン34b又は凝集剤反応槽12内等が挙げられる。また、固液分離工程で処理された処理水のフッ化物イオン電極電位の計測箇所は、固液分離槽14内、処理水ライン36等が挙げられる。これらの計測箇所の中では、応答よくアルカリ剤添加量を制御することができる点で、処理槽10(反応槽40)内の排水出口付近にフッ化物イオン電極24を設置して、排水出口から排出される排水のフッ化物イオン電極電位を測定することが好ましい。フッ化物イオン電極電位の測定間隔は、特に制限されるものではないが、例えば、処理工程の反応時間の1/10〜1/3程度が望ましい。
フッ化物イオン電極24は、作用電極と比較電極を備え、水中のフッ化物イオン濃度に応じて作用電極と比較電極との間に一定の起電力を生じ、この起電力をフッ化物イオン電極電位として検出することがでるものであればよい。作用電極は、例えばフッ化ランタンなどを感応膜とするイオン電極であり、比較電極は、銀―塩化銀電極等である。また、これらを一体化した複合電極を用いても良い。
また、本実施形態では、処理工程で処理された排水の電気伝導率を測定する場合を説明したが、固液分離工程で処理された処理水の電気伝導率を測定してもよい。電気伝導率の計測箇所は、フッ化物イオン電極電位の計測箇所と同じであり、応答よくアルカリ剤添加量を制御することができる点で、処理槽10(反応槽40)内の排水出口付近に電気伝導率計26を設置して、排水出口から排出される排水の電気伝導率を測定することが好ましい。電気伝導率の測定間隔は、特に制限されるものではないが、例えば、処理工程の反応時間の1/10〜1/3程度が望ましい。
電気伝導率計26は、水中のイオン総量を電気抵抗の逆数(mS/cm)として測定することができるものであればよい。電気伝導率計26は、例えば、一対の電極、交流電源を備え、交流電源で、一般に周波数1kHzの交流電圧を印加し、電極間の電気抵抗を測定するもの等が挙げられる。
<固液分離処理工程>
固液分離処理工程では、処理工程後の排水に、凝集剤を添加し、排水中の析出物をフロック化させた後、固液分離処理を行うことが望ましい。凝集剤は、従来公知の無機凝集剤や高分子凝集剤等が用いられるが、例えばポリアクリルアミド等の有機ポリマー等が好ましい。凝集処理時間は、汚泥のフロック化のために、例えば、5分以上60分以下であることが好ましい。凝集処理時間が、60分を超えると、フロックが破壊される場合がある。また、汚泥のフロック化を促進させる等の点で、凝集剤反応槽12内に撹拌機32を設置し、排水と凝集剤とを撹拌させることが好ましい。なお、凝集処理は省略してもよい。
本実施形態の固液分離処理では、排水からフッ化物イオンを吸着した析出物を沈降分離して、該析出物を含む汚泥と処理水とに分離する沈殿槽を例に説明したが、フッ化物イオンを吸着した析出物を含む汚泥と処理水とに分離するものであれば、これに限定されるものではなく、例えば、膜ろ過装置等であってもよい。沈殿槽の形状、膜ろ過装置の膜の形状・膜材質等は特に制限されるものではない。固液分離された析出物を含む汚泥は系外に排出され、例えば、濃縮・脱水して廃棄処分される。
各排水処理装置では、例えば、フッ化物イオン濃度50〜300mg/L、マグネシウムイオン濃度2000〜80000mg/Lの範囲の排水に対して、フッ化物イオンを排水基準以下(15mg/L以下)とすることが可能である。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例)
純水に、石炭灰、フッ化ナトリウム、硫酸マグネシウムを添加して、表1に示す組成の模擬排水1を作製した。湯浴中のビーカに、この排水各500mLに水酸化カルシウムスラリーをカルシウム濃度換算で1800mgCa/L添加し、湯浴で水温を保持したまま攪拌機で撹拌し15分間反応させ、反応後の処理水の水質を確認した。表1に処理水の水質をまとめた。フッ化物イオン濃度は、ランタン-アリザリンコンプレキソン吸光光度法で測定した値である。以下のフッ化物イオン濃度の測定も同じである。
処理水及び処理水を5Cのろ紙でろ過したろ過水に、純水を適量添加し、電気伝導率の異なる4つの水を用意した。この4つの水の電気伝導率は、15.4mS/cm、17.9mS/cm、20.6mS/cm、24.2mS/cmであった。さらに、この4つの水に、フッ化物イオンを添加していき、排水のフッ化物イオン濃度及びフッ化物イオン電極電位を測定した。そして、各水の電気伝導率、フッ化物イオン濃度、フッ化物イオン電極電位の相関性を図4にまとめた。フッ化物イオン電極電位は東亜ディーケーケー製ELCP81型複合フッ化物イオン電極を用いて測定した。なお、フッ化部イオン電極の計測値を、フッ化物イオン電極電位値として表示するために、フッ化物イオン電極に、東亜ディーケーケー製FBM100型の変換器を取り付けた。電気伝導率は、東亜ディーケーケー製CM−21P電気伝導率計を用いた。
図4の相関性から、下記の相関式を得た。
V=−52.25×log(F)+55.9×log(EC)+79.6 (1)
V:フッ化物イオン電極電位(mV)
F:フッ化物イオン濃度(mg/L)
EC:電気伝導率(mS/cm)
フッ化物イオン濃度の目標値をフッ化物イオンの排水基準(海域)15mg/Lとして、上式(1)から、さらに下式(2)を得た。
V=55.9×log(EC)+18.1 (2)
次に、実際の排水処理を行うために、純水に、石灰石、フッ化ナトリウム、硫酸マグネシウムを添加して、表2に示す組成の模擬排水2を作製した。
この排水1000mLを容器に採取し、該排水中にフッ化物イオン電極及び電気伝導率計を浸漬させた。排水に水酸化カルシウムを添加して、排水と水酸化カルシウムを反応させると共に、フッ化物イオン電極及び電気伝導率計により、排水の電極電位及び電気伝導率を所定の間隔で測定した。測定した電気伝導率を上式(2)に当てはめ、電極電位の目標値を求めた。
そして、フッ化物イオン電極で測定されるフッ化物イオン電極電位が目標値となるまで、水酸化ナトリウムスラリーを添加した。その結果、水酸化カルシウムスラリーの添加量は、カルシウム濃度換算で2500mgCa/Lであった。水酸化ナトリウムスラリーの添加を停止した後、15分、排水の沈降分離を行った。沈降分離後の上澄み水を処理水として、処理水中のフッ化物イオン濃度、pH、電気伝導率及びフッ化物イオン電極電位を測定した。また、沈殿した汚泥を採取し、発生固形物量(SS)を求めた。これらの測定結果を、処理水質として表3にまとめた。
ランタン-アリザリンコンプレキソン吸光光度法で測定した処理水中のフッ化物イオン濃度は14.6mg/Lであり、処理目標値を満たしていた。そして、汚泥発生量に相当するSS(発生固形物量)は、9800mg/Lであった。
(比較例)
表2に示す模擬排水に水酸化カルシウムスラリーをカルシウム濃度換算で1500〜3400mgCa/L添加して、排水と水酸化カルシウムを反応させた。反応後、15分、排水の沈降分離を行った。沈降分離後の上澄み水を処理水として、処理水中のフッ化物イオン濃度、pH及び電気伝導率を測定した。また、沈殿した汚泥を採取し、発生固形物量(SS)を求めた。これらの測定結果を、処理水質として表4にまとめた。
表4から、水酸化カルシウムスラリーの添加量をカルシウム濃度換算で2500mgCa/L以上とすることで、処理水のフッ化物イオン濃度を排水基準値(15mg/L)以下となることが分かる。しかし、水酸化カルシウムスラリーの添加量が2200mgCa/Lから2800mgCa/Lの範囲では、処理水のpHは9.4と変化していなかった。すなわち、処理水のpHが9.4となるように、水酸化カルシウムスラリーを添加しても、処理水のフッ化物イオン濃度が排水基準値を満たさない場合があると言える。したがって、処理水のフッ化物イオン濃度が排水基準値を満たすようにするためには、処理水のpHが9.5になるように、水酸化カルシウムスラリーを添加しなければならないが、その場合、水酸化カルシウムスラリーの添加量は3100mgCa/L以上となり、実施例の1.2倍以上となる。また、SS(汚泥発生量)は12700mg/L以上となり、実施例の1.3倍以上となることが確認された。このことから、実施例のように、処理水のフッ化物イオン電極電位が目標値となるようにアルカリ剤の添加量を制御する方が、比較例のように、処理水のpHが目標pHとなるようにアルカリ剤の添加量を制御するより、フッ化物イオンを安定に処理することが可能となり、また、汚泥発生量も抑えることが可能となる。
1,2 排水処理装置、10 処理槽、12 凝集剤反応槽、14 固液分離槽、16 アルカリ剤タンク、18 アルカリ剤供給ライン、19 電磁バルブ、20 凝集剤タンク、22 凝集剤供給ライン、24 フッ化物イオン電極、26 電気伝導率計、28 制御部、30,32 撹拌機、34a 排水ライン、34b 排水ライン、34c 排水ライン、36 処理水ライン、38 汚泥排出ライン、40 反応槽。

Claims (6)

  1. マグネシウムイオン、フッ化物イオンを含有する排水にアルカリ剤を添加して、前記排水と前記アルカリ剤とを反応させ、生成したマグネシウム化合物含有析出物に前記フッ化物イオンを吸着させる処理工程と、
    前記処理工程で処理された前記マグネシウム化合物含有析出物を含む排水を前記マグネシウム化合物含有析出物を含む汚泥と処理水とに固液分離する固液分離工程と、
    フッ化物イオン電極により、前記マグネシウム化合物含有析出物を含む排水又は前記処理水のフッ化物イオン電極電位を測定する測定工程と、を備え、
    前記処理工程では、前記測定工程で測定されるフッ化物イオン電極電位が予め設定される目標値となるように、前記アルカリ剤の添加量を制御することを特徴とする排水処理方法。
  2. 予め求めた水中のフッ化物イオン濃度、電気伝導率、フッ化物イオン電極電位の相関性に基づいて、前記マグネシウム化合物含有析出物を含む排水又は前記処理水の目標フッ化物イオン濃度、及び前記マグネシウム化合物含有析出物を含む排水又は前記処理水の電気伝導率から求められるフッ化物イオン電極電位を前記目標値として設定することを特徴とする請求項1記載の排水処理方法。
  3. 前記相関性は、下式(1)で表され、前記目標値は、下式(1)のフッ化物イオン濃度(F)に前記マグネシウム化合物含有析出物を含む排水又は前記処理水の目標フッ化物イオン濃度を当てはめ、下式(1)の電気伝導率(EC)に前記マグネシウム化合物含有析出物を含む排水又は前記処理水の電気伝導率を当てはめることにより設定されることを特徴とする請求項2記載の排水処理方法。
    V=a×log(F)+b×log(EC)+c (1)
    V:フッ化物イオン電極電位(mV)
    F:フッ化物イオン濃度(mg/L)
    EC:電気伝導率(mS/cm)
    a,b,c:係数
  4. マグネシウムイオン、フッ化物イオンを含有する排水にアルカリ剤を添加するアルカリ剤添加手段と、
    前記排水と前記アルカリ剤とを反応させ、生成したマグネシウム化合物含有析出物に前記フッ化物イオンを吸着させる処理手段と、
    前記処理手段で処理された前記マグネシウム化合物含有析出物を含む排水を前記マグネシウム化合物含有析出物を含む汚泥と処理水とに固液分離する固液分手段と、
    前記マグネシウム化合物含有析出物を含む排水又は前記処理水のフッ化物イオン電極電位を測定するフッ化物イオン電極と、
    前記フッ化物イオン電極で測定されるフッ化物イオン電極電位が予め設定される目標値となるように、前記アルカリ剤添加手段の前記アルカリ剤の添加量を制御する制御部と、を備えることを特徴とする排水処理装置。
  5. 予め求めた水中のフッ化物イオン濃度、電気伝導率、フッ化物イオン電極電位の相関性に基づいて、前記マグネシウム化合物含有析出物を含む排水又は前記処理水の目標フッ化物イオン濃度、及び前記マグネシウム化合物含有析出物を含む排水又は前記処理水の電気伝導率から求められるフッ化物イオン電極電位が前記目標値として設定されることを特徴とする請求項4記載の排水処理装置。
  6. 前記相関性は、下式(1)で表され、前記目標値は、下式(1)のフッ化物イオン濃度(F)に前記マグネシウム化合物含有析出物を含む排水又は前記処理水の目標フッ化物イオン濃度を当てはめ、下式(1)の電気伝導率(EC)に前記マグネシウム化合物含有析出物を含む排水又は前記処理水の電気伝導率を当てはめることにより設定されることを特徴とする請求項5記載の排水処理装置。
    V=a×log(F)+b×log(EC)+c (1)
    V:フッ化物イオン電極電位(mV)
    F:フッ化物イオン濃度(mg/L)
    EC:電気伝導率(mS/cm)
    a,b,c:係数
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