JP2008149222A - 温泉水中のフッ素イオン除去方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】温泉水の排水から、フッ素イオンや鉛・ヒ素・鉄・アルミニウム等のイオンの除去方法を提供する。
【解決手段】フッ素を含む温泉水に、フッ化カルシウム等のカルシウム塩を加えずに溶解性アルミ電極及び鉄電極を利用して電解処理を行い、発生した分離物質を除去することによりフッ素を除去することを特徴とする温泉水のフッ素イオン除去方法、或いは、カルシウムイオンの存在しない状態で、フッ素を含む温泉水を溶解性アルミ電極を利用して電解処理し、電解によって発生したアルミニウムイオンによりフッ素イオンを吸着させることにより温泉水中のフッ素を除去することを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】フッ素を含む温泉水に、フッ化カルシウム等のカルシウム塩を加えずに溶解性アルミ電極及び鉄電極を利用して電解処理を行い、発生した分離物質を除去することによりフッ素を除去することを特徴とする温泉水のフッ素イオン除去方法、或いは、カルシウムイオンの存在しない状態で、フッ素を含む温泉水を溶解性アルミ電極を利用して電解処理し、電解によって発生したアルミニウムイオンによりフッ素イオンを吸着させることにより温泉水中のフッ素を除去することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、温泉利用施設より排出される天然水由来のフッ素含有排水における、温泉水中のフッ素イオン濃度を低下させるためのフッ素イオン除去方法に関するものである。
フッ素は自然界に広く分布し、あらゆるものに微量に含まれる。土壌中にも広く分布し、自然水にも含まれる。水中のフッ素は、主に地質に由来し、花崗岩地帯などの井戸水や湧水に多く含まれる。
また、溶存物質、遊離炭酸、水素イオン、リチウムイオン、沃素イオン、フッ素イオン等の物質のうち、1つ以上を一定量以上有するものを温泉と定義されているように、温泉中にもフッ素を含むものがある。
また、溶存物質、遊離炭酸、水素イオン、リチウムイオン、沃素イオン、フッ素イオン等の物質のうち、1つ以上を一定量以上有するものを温泉と定義されているように、温泉中にもフッ素を含むものがある。
しかしながら、フッ素は一定の濃度を超えると人体に対して有害であることも知られており、使用済みの温泉水を直接河川に排水した場合には、水中生物に与える影響や、河川の汚染の原因となることが指摘されている。このため、温泉水を排水するに際してフッ素イオン濃度を低下させる処理を行うことが必要とされている。
従来、フッ素含有液の処理方法として、例えば特許文献1には、以下の手順で廃液中のフッ素を除去する技術が記載されている。
すなわち、特許文献1には、フッ素含有廃液にカルシウム源として塩化カルシウムを添加してフッ化カルシウムを生成し、次いで、前記塩化カルシウムによって供給される塩素イオン存在下の廃液に対して電気分解によってアルミニウムを溶解させて水酸化アルミニウムを生成し、前記フッ化カルシウムを水酸化アルミニウムに吸着させて沈殿分離するフッ素含有廃液の処理方法が提供されている。
すなわち、特許文献1には、フッ素含有廃液にカルシウム源として塩化カルシウムを添加してフッ化カルシウムを生成し、次いで、前記塩化カルシウムによって供給される塩素イオン存在下の廃液に対して電気分解によってアルミニウムを溶解させて水酸化アルミニウムを生成し、前記フッ化カルシウムを水酸化アルミニウムに吸着させて沈殿分離するフッ素含有廃液の処理方法が提供されている。
しかしながら、特許文献1に記載する方法には以下のような問題点があった。
すなわち、フッ素成分含有液にカルシウム塩を添加することによって、多量のスラッジが発生し、このスラッジを処理するために余分な手間と費用が必要となる。
また、工程やコストの観点からも、できるだけ少ない薬剤で、充分なフッ素成分を除去できる方法が求められる。
このような点において、特許文献1のように「フッ化カルシウムの添加が必要とされる技術」ではない新たなフッ素イオン除去方法が必要とされていた。
すなわち、フッ素成分含有液にカルシウム塩を添加することによって、多量のスラッジが発生し、このスラッジを処理するために余分な手間と費用が必要となる。
また、工程やコストの観点からも、できるだけ少ない薬剤で、充分なフッ素成分を除去できる方法が求められる。
このような点において、特許文献1のように「フッ化カルシウムの添加が必要とされる技術」ではない新たなフッ素イオン除去方法が必要とされていた。
上記の問題を解決するため、本願に係る発明は、以下の特徴を有する。
本発明の温泉水中のフッ素イオン除去方法は、
フッ素イオンを含む温泉水に溶解性アルミ電極と鉄電極を浸漬し、前記両電極間で電解処理を行い、温泉水にフッ化カルシウム等のカルシウム塩を加えることなしに温泉水からの分離物を形成することによって、温泉水中のフッ素イオンを除去することを特徴とする。
フッ素イオンを含む温泉水に溶解性アルミ電極と鉄電極を浸漬し、前記両電極間で電解処理を行い、温泉水にフッ化カルシウム等のカルシウム塩を加えることなしに温泉水からの分離物を形成することによって、温泉水中のフッ素イオンを除去することを特徴とする。
また、本発明の温泉水中のフッ素イオン除去方法は、
カルシウムイオンの存在しない状態で、フッ素イオンを含む温泉水を溶解性アルミ電極を利用して電解処理し、電解によって発生したアルミニウムイオンをフッ素イオンに吸着させることにより、温泉水中のフッ素イオンを除去することを特徴とする。
カルシウムイオンの存在しない状態で、フッ素イオンを含む温泉水を溶解性アルミ電極を利用して電解処理し、電解によって発生したアルミニウムイオンをフッ素イオンに吸着させることにより、温泉水中のフッ素イオンを除去することを特徴とする。
上記のようなフッ素イオン除去方法において、前記電解処理を行った後に、温泉水中にpH調整剤を添加して中性付近の状態に調整し、次いで発生した分離物を分離することが好ましく、前記電解処理を行った後に高分子凝集剤を添加し、分離物を沈降させて除去することが望ましい。
本発明の温泉水中のフッ素イオン除去方法によれば、
より少ない薬剤でフッ素成分を温泉水中から充分に除去でき、温泉排水中のフッ素イオン濃度を低下させることができる。
また、処理後のスラッジも少量であり処理が容易であるため、余分なコストもかからない。
本発明の温泉水中のフッ素イオン除去方法は、簡易な装置で実施可能な方法である。
本発明のフッ素イオン除去方法によってフッ素が除去された温泉水は、直接河川に排水しても、人体や水中環境に悪影響を与えることがなく安全性が高い。
より少ない薬剤でフッ素成分を温泉水中から充分に除去でき、温泉排水中のフッ素イオン濃度を低下させることができる。
また、処理後のスラッジも少量であり処理が容易であるため、余分なコストもかからない。
本発明の温泉水中のフッ素イオン除去方法は、簡易な装置で実施可能な方法である。
本発明のフッ素イオン除去方法によってフッ素が除去された温泉水は、直接河川に排水しても、人体や水中環境に悪影響を与えることがなく安全性が高い。
以下、本発明の温泉水のフッ素イオン除去方法について詳細に説明する。
本発明の温泉水中のフッ素イオン除去方法は、
フッ素イオンを含む温泉水にフッ化カルシウム等のカルシウム塩を加えずに、溶解性アルミ電極及び鉄電極を利用して電解処理を行い、発生した分離物を除去することによりフッ素を除去することを特徴とする。
或いは、カルシウムイオンの存在しない状態で、フッ素イオンを含む温泉水を溶解性アルミ電極を利用して電解処理し、電解によって発生したアルミニウムイオンがフッ素イオンに吸着することにより温泉水中のフッ素イオンを除去することを特徴とする。
本発明の温泉水中のフッ素イオン除去方法は、
フッ素イオンを含む温泉水にフッ化カルシウム等のカルシウム塩を加えずに、溶解性アルミ電極及び鉄電極を利用して電解処理を行い、発生した分離物を除去することによりフッ素を除去することを特徴とする。
或いは、カルシウムイオンの存在しない状態で、フッ素イオンを含む温泉水を溶解性アルミ電極を利用して電解処理し、電解によって発生したアルミニウムイオンがフッ素イオンに吸着することにより温泉水中のフッ素イオンを除去することを特徴とする。
通常、水の電気分解においては、以下のような以下のような反応式のもと、陽極に酸素、陰極に水素が発生している。
陽極 2H2O → O2↑ +4H+ + 4e−
陰極 4H+ +4e− → 2H2↑
陽極 2H2O → O2↑ +4H+ + 4e−
陰極 4H+ +4e− → 2H2↑
一方、陽極にアルミニウム板を使用した場合、陽極にアルミイオンが発生する(酸素とアルミのイオン化傾向により水酸化アルミとなる。)。
一方、陰極には水素が発生する。
陽極 2Al → 2Al3++6e−
(2Al+6H2O→2Al(OH)3+6H+ +6e−)
陰極 6H+ +6e− → 3H2↑
一方、陰極には水素が発生する。
陽極 2Al → 2Al3++6e−
(2Al+6H2O→2Al(OH)3+6H+ +6e−)
陰極 6H+ +6e− → 3H2↑
通常、温泉水中のフッ素は、フッ素イオン(F−)となって存在している。消石灰、塩化カルシウムなどのカルシウム塩を加え難溶性のフッ化カルシウムを生成させて凝集沈殿処理する方法は、カルシウム塩法、石灰中和法などどして一般的に知られている。
本発明において、温泉水中からフッ素イオン(F−)が除去される機構は完全には明らかではないが、電解によって陽極に発生したアルミイオンがフッ素イオンに吸着し、浮遊物質、懸濁物質、分離物質等(これらを本発明において分離物という)となり、水酸化アルミニウムの凝集効果により凝集し沈降したり、或いは陰極で発生した水素が凝集物に付着し水面に浮上(SS=Suspended solid)するものと考えられる。
そこで、この沈降・浮上した物質を回収することにより排水中のフッ素イオン濃度を低下させることが可能になる。
そこで、この沈降・浮上した物質を回収することにより排水中のフッ素イオン濃度を低下させることが可能になる。
次に、本発明の一実施の形態であるフッ素イオン除去方法について説明する。
図1は、実施の形態のフッ素イオン除去方法を実施するためのフッ素除去装置を示す概略説明図である。
温泉地から採取した原水は、原水導入管1を経て電解槽2、2’に導入される。電解槽は単槽でも良いが、図に示すように複槽(2,2’)としても良く、更に多くの槽(2,2',2"・・・)を設けてもよい。電極25は、陽極として溶解性アルミニウム板、陰極として鉄板を使用する。
電気分解の際の通電時間としては、温泉水の性質等により、フッ素物質を含有した分離物が充分発生する通電時間を選択する必要があるが、通常の温泉水においては、10〜30分程度の処理で充分な浮遊物質が発生すると考えられる。
図1は、実施の形態のフッ素イオン除去方法を実施するためのフッ素除去装置を示す概略説明図である。
温泉地から採取した原水は、原水導入管1を経て電解槽2、2’に導入される。電解槽は単槽でも良いが、図に示すように複槽(2,2’)としても良く、更に多くの槽(2,2',2"・・・)を設けてもよい。電極25は、陽極として溶解性アルミニウム板、陰極として鉄板を使用する。
電気分解の際の通電時間としては、温泉水の性質等により、フッ素物質を含有した分離物が充分発生する通電時間を選択する必要があるが、通常の温泉水においては、10〜30分程度の処理で充分な浮遊物質が発生すると考えられる。
なお、電気分解の際に発生する分離物は、上述したとおりアルミイオンがフッ素イオンに吸着し、水酸化アルミニウムの凝集効果により凝集したものと考えられる。これら分離物により、場合によっては温泉水の排水が乳白色、乳濁色となる場合もある。
通常、温泉水は採取場所によってpHが異なり、強アルカリ性から強酸性に至るまで多様である。フッ素イオンの凝集は系のpHに強く影響を受けるため、電解処理時の温泉水のpHは中性付近に調整することが好ましい。
具体的にはpH5.8以上8.6未満程度に調整することが好ましい。pH調整剤としては、温泉水の性質によって通常の中和剤の中から選択可能であるが、温泉水が強酸性の場合には、水酸化ナトリウム溶液、温泉水が強アルカリ性の場合には希硫酸溶液等を使用してpHを調整することができる。
具体的にはpH5.8以上8.6未満程度に調整することが好ましい。pH調整剤としては、温泉水の性質によって通常の中和剤の中から選択可能であるが、温泉水が強酸性の場合には、水酸化ナトリウム溶液、温泉水が強アルカリ性の場合には希硫酸溶液等を使用してpHを調整することができる。
電解処理後の温泉水は、オーバーフロー受3にて電解処理時に発生した分離物と分離される。次いで温泉水は中和槽4へ導かれ、攪拌機42により攪拌されつつ、pH調整装置44により、上述の水酸化ナトリウムや、希硫酸水溶液等のpH調整剤を添加される。
なお、この時点においてのpH調整は必ずしも必須ではなく、温泉水の性質や、電解後の温泉水の状態によって適宜選択導入されるものである。
従って、温泉水の状態によっては、中和槽4自体を省略した装置によりフッ素イオンを除去することも可能である。
なお、この時点においてのpH調整は必ずしも必須ではなく、温泉水の性質や、電解後の温泉水の状態によって適宜選択導入されるものである。
従って、温泉水の状態によっては、中和槽4自体を省略した装置によりフッ素イオンを除去することも可能である。
その後、温泉水はポンプ5により引き上げられ、流入管6を経て分離物を沈降させるための沈降槽7へと流入する。
この沈降槽7内において、温泉水は一定の時間静置され、分離物を沈降させた後除去する。
分離物の沈降時間は、温泉水中の分離物の量にもよるが、多量の分離物を沈降させるには長時間を要する。
一方、水酸化アルミニウムの凝集効果により、分離物が比較的大きな塊(フロック)となっている場合には、比較的短時間で沈降させることができる。
平均的には、10〜40分程度で目に見える程度の分離物はほぼ全て沈降させることができる。
この沈降槽7内において、温泉水は一定の時間静置され、分離物を沈降させた後除去する。
分離物の沈降時間は、温泉水中の分離物の量にもよるが、多量の分離物を沈降させるには長時間を要する。
一方、水酸化アルミニウムの凝集効果により、分離物が比較的大きな塊(フロック)となっている場合には、比較的短時間で沈降させることができる。
平均的には、10〜40分程度で目に見える程度の分離物はほぼ全て沈降させることができる。
なお、この時点で沈降時間に長時間要する場合には、必要に応じて高分子凝集剤を添加して浮遊物の凝集を促すこともできる。
高分子凝集剤は、一般的に知られたアクリルアミド系、ポリメタクリル酸系、ポリアクリル酸系、ポリアミジン系のもの等を使用することができ、沈降時間を短縮させることができる。
高分子凝集剤を添加した後は、攪拌機(図示せず)により全体的に攪拌した後、静置沈降させ、分離物は排出口9を通って脱水排出される。
一方、分離物を除去処理した後の温泉水排水は放流管8を通って放流される。
本発明のフッ素イオン除去方法において、温泉水中のフッ素イオン(F−)は上記除去した分離物に吸着させているため、排水される温泉水中のフッ素イオン濃度を大幅に低下させることができる。
高分子凝集剤は、一般的に知られたアクリルアミド系、ポリメタクリル酸系、ポリアクリル酸系、ポリアミジン系のもの等を使用することができ、沈降時間を短縮させることができる。
高分子凝集剤を添加した後は、攪拌機(図示せず)により全体的に攪拌した後、静置沈降させ、分離物は排出口9を通って脱水排出される。
一方、分離物を除去処理した後の温泉水排水は放流管8を通って放流される。
本発明のフッ素イオン除去方法において、温泉水中のフッ素イオン(F−)は上記除去した分離物に吸着させているため、排水される温泉水中のフッ素イオン濃度を大幅に低下させることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限られるものではない。
実施例においては、表1に示す数種類の温泉水を採取し、下述の条件で電解装置による電解処理を行い、原水(処理前の温泉水)及び電解後の処理水(処理後の温泉水)の調査、分析を行った。
実施例においては、表1に示す数種類の温泉水を採取し、下述の条件で電解装置による電解処理を行い、原水(処理前の温泉水)及び電解後の処理水(処理後の温泉水)の調査、分析を行った。
(実施例1)
表1に示すように、温泉水A(秋田県にて採取、無色透明、無臭、水温21.9℃)について、原水のpH測定実験を行った。測定には、(株)東興化学研究所製pHメータ(TPX-90i)を使用した。得られたpH値は、pH1.43であった。
次に、原水が強酸性であったため、苛性ソーダによってpH5.93となるまでpH調整を行った。pH調整後の水温は23.3℃であり、乳濁色の処理液が得られた。
表1に示すように、温泉水A(秋田県にて採取、無色透明、無臭、水温21.9℃)について、原水のpH測定実験を行った。測定には、(株)東興化学研究所製pHメータ(TPX-90i)を使用した。得られたpH値は、pH1.43であった。
次に、原水が強酸性であったため、苛性ソーダによってpH5.93となるまでpH調整を行った。pH調整後の水温は23.3℃であり、乳濁色の処理液が得られた。
次いで、中和処理を行った液に電極板を投入し、電圧3.0V、電流3.5Aにおいて電解処理を行った。電極板は、溶解アルミニウム及び鉄を使用した。通電時間は20分間とした。
電解処理終了後、分離物の凝集促進のため、高分子凝集剤(ダイヤフロック、(株)ダイヤニトリックス社製)を注入し、約10分間放置した。
約10分後、乳濁色の分離物が沈降し、処理液の上澄みが無色透明の状態となった。そこで、この無色透明の上澄み液を採取し、電解処理前の原水と共に、鉛・ヒ素・フッ素・鉄・アルミニウムについての分析を行った。分析方法は、JIS K0102の方法を用いた。結果は表1に示す通りである。
電解処理終了後、分離物の凝集促進のため、高分子凝集剤(ダイヤフロック、(株)ダイヤニトリックス社製)を注入し、約10分間放置した。
約10分後、乳濁色の分離物が沈降し、処理液の上澄みが無色透明の状態となった。そこで、この無色透明の上澄み液を採取し、電解処理前の原水と共に、鉛・ヒ素・フッ素・鉄・アルミニウムについての分析を行った。分析方法は、JIS K0102の方法を用いた。結果は表1に示す通りである。
(実施例2)
表1に示すように、温泉水B(東京都にて採取、無色透明、無臭、水温27.8℃)について、原水のpH測定実験を行った。測定には、(株)東興化学研究所製pHメータ(TPX-90i)を使用した。得られたpH値は、pH8.8であった。
表1に示すように、温泉水B(東京都にて採取、無色透明、無臭、水温27.8℃)について、原水のpH測定実験を行った。測定には、(株)東興化学研究所製pHメータ(TPX-90i)を使用した。得られたpH値は、pH8.8であった。
次に、原水中に電極板を投入し、電圧10V、電流1.1Aにおいて電解処理を行った。電極板は、溶解アルミニウム及び鉄を使用した。通電時間は30分間とした。
電解終了後、即座に処理液を採取しその後ろ過し処理水1(表1の実施例No.2の1)とした。次いで、前記処理水の残水を70分間放置し分離物を自然沈降させた後に上澄み液を採取し、処理水2(表1の実施例No.2の2)とした。
これら温泉水Bの原水、温泉水Bの処理水1、温泉水Bの処理水2について、フッ素についての分析を行った。分析方法は、JIS K0102の方法を用いた。結果は表1に示す通りである。
電解終了後、即座に処理液を採取しその後ろ過し処理水1(表1の実施例No.2の1)とした。次いで、前記処理水の残水を70分間放置し分離物を自然沈降させた後に上澄み液を採取し、処理水2(表1の実施例No.2の2)とした。
これら温泉水Bの原水、温泉水Bの処理水1、温泉水Bの処理水2について、フッ素についての分析を行った。分析方法は、JIS K0102の方法を用いた。結果は表1に示す通りである。
(実施例3)
温泉水Bを、溶解アルミニウム及び鉄の電極板で20分間電解処理した後、希硫酸水溶液でpH調整を行いpH6.7とした。その後、10分間放置し、分離物を自然沈降させた後に上澄み液を採取した以外は実施例2と同様とした。その結果は表1に示すとおりである。
温泉水Bを、溶解アルミニウム及び鉄の電極板で20分間電解処理した後、希硫酸水溶液でpH調整を行いpH6.7とした。その後、10分間放置し、分離物を自然沈降させた後に上澄み液を採取した以外は実施例2と同様とした。その結果は表1に示すとおりである。
本発明によれば、温泉水中のフッ素イオン濃度を低下させることができる。本発明の温泉水のフッ素イオン除去方法は、一般的にフッ素成分の除去に使用されているカルシウム塩を使用することなく、最低限の薬剤及び装置で実施可能な方法である。
本発明の方法によりフッ素が除去された温泉水排水は、人体にも安全性の高いものとすることができる。
また、本発明の方法の実施により、鉛、ヒ素、鉄、アルミニウム等の排水中の濃度を同時に低下させることが可能であった。
従って、本発明にかかる方法は温泉排水中の複数の有害物質濃度を低下させるのも有効な方法であると考えられる。
本発明の方法によりフッ素が除去された温泉水排水は、人体にも安全性の高いものとすることができる。
また、本発明の方法の実施により、鉛、ヒ素、鉄、アルミニウム等の排水中の濃度を同時に低下させることが可能であった。
従って、本発明にかかる方法は温泉排水中の複数の有害物質濃度を低下させるのも有効な方法であると考えられる。
1 原水導入管
2 電解槽
2’電解槽
25 電極
3 オーバーフロー受
4 中和槽
42 攪拌機
44 pH調整装置
5 ポンプ
6 流入管
7 沈降槽
8 放流管
9 排出口
2 電解槽
2’電解槽
25 電極
3 オーバーフロー受
4 中和槽
42 攪拌機
44 pH調整装置
5 ポンプ
6 流入管
7 沈降槽
8 放流管
9 排出口
Claims (4)
- フッ素イオンを含む温泉水に溶解性アルミ電極と鉄電極を浸漬し、前記両電極間で電解処理を行い、温泉水にフッ化カルシウム等のカルシウム塩を加えることなしに温泉水からの分離物を形成することによって、温泉水中のフッ素イオンを除去することを特徴とする温泉水中のフッ素イオン除去方法。
- カルシウムイオンの存在しない状態で、フッ素イオンを含む温泉水を溶解性アルミ電極を利用して電解処理し、電解によって発生したアルミニウムイオンをフッ素イオンに吸着させることにより、温泉水中のフッ素イオンを除去することを特徴とする温泉水中のフッ素イオン除去方法。
- 前記電解処理を行った前後に、温泉水中にpH調整剤を添加して中性付近の状態に調整し、次いで発生した分離物を分離することを特徴とする、請求項1に記載の温泉水中のフッ素イオン除去方法。
- 前記電解処理を行った後に高分子凝集剤を添加し、分離物を沈降させて除去することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の温泉水中のフッ素イオン除去方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006337648A JP2008149222A (ja) | 2006-12-14 | 2006-12-14 | 温泉水中のフッ素イオン除去方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010137177A (ja) * | 2008-12-12 | 2010-06-24 | Takasago Thermal Eng Co Ltd | 水処理装置および水処理方法 |
KR101032620B1 (ko) | 2010-12-23 | 2011-05-06 | 엘아이지엔설팅주식회사 | 전기화학 방식을 이용한 불소 함유 폐수의 처리방법 |
CN110015781A (zh) * | 2019-04-30 | 2019-07-16 | 山东双科矿山科技有限公司 | 一种煤矿井水的高效除氟方法 |
-
2006
- 2006-12-14 JP JP2006337648A patent/JP2008149222A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
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