JP2016041044A - 香味油 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】食用油脂に香味野菜と共に醤油を添加して、加熱して得られる香味油において、醤油の添加量が香味油原料全量に対する全窒素濃度として0.04〜0.22w/w%となる量とした香味油を得る。肉を焼くときに該香味油を使用し、さらに調味料で調味して肉料理を調製すると、従来の香味油に比べて肉料理の風味が向上する。
【選択図】なし
Description
(1)食用油脂に香味野菜と共に醤油を添加し、加熱して得られる香味油であって、該醤油の添加量が香味油原料全量に対する全窒素濃度として0.04〜0.22w/w%となる量である香味油。
(2)醤油が減圧濃縮して得られる醤油である上記(1)に記載の香味油。
(3)香味野菜がネギ又はタマネギである上記(1)又は(2)に記載の香味油。
(4)上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の香味油を使用した肉料理。
常法により電気透析膜で脱塩処理して得られた全窒素濃度1.8w/w%、食塩濃度5.4w/w%減塩醤油を、減圧濃縮装置の密閉タンク内に入れ、真空度を40mmHg、醤油の品温を40℃に設定して、減圧下で濃縮し、全窒素濃度3.2w/w%、食塩濃度9.6w/w%の減圧濃縮醤油を調製した。
コーンサラダ油(日本食品化工社製)1000gに長ネギみじん切り300gと共に下記表1に記載の量になるように上記減圧濃縮醤油を添加して120℃になるまで加熱した後、30℃以下になるまで放冷し、ろ紙で濾過して長ネギ抽出残渣を取り除いて香味油を得た。
濃口醤油(キッコーマン食品社製)400ml、みりん(キッコーマン食品社製)20ml、清酒(キッコーマン食品社製)10ml、昆布エキス(キッコーマン食品社製)5ml、ぶどう糖果糖液糖(昭和産業社製)100g及び上白糖(大日本明治製糖社製)250gに水を加えて総量を1000mlにして撹拌混合して調味液を調製した。
すき焼用の鉄製の鍋を加熱し、前記香味油を加熱した鍋に引いて、食べやすいように適当な大きさに切った米国産牛肉薄切り500gを広げて両面を焼いた。ここで前記調味液300gを注いで牛肉になじませ、さらに1分間加熱して調理した牛肉について官能評価を行った。
試料を4名のパネルに供し、上記調理した牛肉を食し、表1に示した項目について官能評価を行った。絶対評価として「強い(又は良い)」を4、「やや強い(又はやや良い)」を3、「やや弱い(又はやや悪い)」を2、「弱い(又は悪い)」を1として4段階で評価した。評点の平均値を表1に示した。
常法により、濃口醤油(キッコーマン食品社製)をナノ濾過膜による膜濃縮装置で濃縮し、全窒素濃度1.6w/w%、食塩濃度13.6w/w%の膜濃縮醤油を調製した。
常法により、濃口醤油(キッコーマン食品社製)に賦形剤として加工澱粉を添加して噴霧乾燥し、全窒素濃度3.1w/w%、食塩濃度36.5w/w%の粉末醤油を調製した。
前記実施例1と同様に、コーンサラダ油(日本食品化工社製)1000gに長ネギみじん切り300gと共に濃縮方法の違う各種濃縮醤油をそれぞれ添加して120℃になるまで加熱した後、30℃以下になるまで放冷し、ろ紙で濾過して長ネギ抽出残渣を取り除いて香味油を得た。各種濃縮醤油の添加量は香味油原料全体に対する全窒素濃度として0.04w/w%となる量とした。
食べやすいように適当な大きさに切った、米国産牛肉薄切り500g、長ネギ200g、豆腐300g、しらたき190g、春菊60g及びしめじ90gを具材として用意した。すき焼用の鉄製の鍋を加熱し、上記濃縮方法の異なる濃縮醤油を使用した香味油16gを加熱した鍋に引いて、米国産牛肉薄切りを広げて両面を焼いた。ここで、実施例1で調製した調味液300gを注いで牛肉になじませ、牛肉以外の上記具材を入れて10分間加熱してすき焼を調理した。
試料を4名のパネルに供し、上記すき焼の調理で調理した牛肉を溶き卵につけて食し、表2に示した項目について官能評価を行った。絶対評価として「強い(又は良い)」を4、「やや強い(又はやや良い)」を3、「やや弱い(又はやや悪い)」を2、「弱い(又は悪い)」を1として4段階で評価した。評点の平均値を表2に示した。
コーンサラダ油(日本食品化工社製)1000gに長ネギみじん切り300gと共に実施例1で調製した減圧濃縮醤油15gを添加して120℃になるまで加熱した後、30℃以下になるまで放冷し、ろ紙で濾過して長ネギ抽出残渣を取り除き、実施例3の香味油を得た。実施例3の香味油に使用した減圧濃縮醤油の添加量は、香味油原料全体に対する全窒素濃度として0.04w/w%となる量である。また、減圧濃縮醤油を濃口醤油(キッコーマン食品社製)とした以外は実施例3の香味油と同様にして、対照例3の香味油を得た。対照例3の香味油に使用した濃口醤油の添加量は、香味油原料全体に対する全窒素濃度として0.02w/w%となる量である。
上記実施例3の香味油10gを国産牛もも肉(約5cm×7cm×0.8cm)200gに絡めて、240℃に設定したホットプレート(松下電器産業社製、NF−HY70−H型)で3分30秒間焼いた後、市販の焼肉のたれ(キッコーマン食品社製)50gをかけて絡め、さらに1分間加熱して、実施例3Aの焼肉を得た。また、上記実施例3の香味油に替えて対照例3の香味油を使用し、同様に調理して対照例3aの焼肉を得た。
上記実施例3の香味油10gを国産豚ロース肉(約14cm×9cm×0.5cm)200gに絡めて、240℃に設定したホットプレート(松下電器産業社製、NF−HY70−H型)で4分30秒間焼いた後、市販の生姜焼きのたれ(キッコーマン食品社製)50gをかけて絡め、さらに1分間加熱して、実施例3Bの生姜焼きを得た。また、上記実施例3の香味油に替えて対照例3の香味油を使用し、同様に調理して対照例3bの生姜焼きを得た。
上記実施例3の香味油10gを国産若鳥もも肉(約7cm×4cm×2cm)200gに絡めて240℃に設定したホットプレート(松下電器産業社製、NF−HY70−H型)で15分間焼いた後、市販のてりやきのたれ(キッコーマン食品社製)50gをかけて絡め、さらに1分間加熱して、実施例3Cの照り焼きを得た。また、上記実施例3の香味油に替えて対照例3の香味油を使用し、同様に調理して対照例3cの照り焼きを得た。
実施例3Aの焼肉、実施例3Bの生姜焼き、及び、実施例3Cの照り焼きを評価した。評価はそれぞれ、対照例3aの焼肉、対照例3bの生姜焼き、及び、対照例3cの照り焼きに比べて「弱い」を1、「やや弱い」を2、「差が無い」を3、「やや強い」を4、「強い」を5として評点をつけ、4名のパネルの点数の平均を各試料の評点とした。
香味野菜が異なる香味油についても、本発明の効果が得られることを確認するため、原料にタマネギを使用したタマネギ香味油を調製して評価した。
コーンサラダ油(日本食品化工社製)1000gにタマネギみじん切り300gと共に実施例1で調製した減圧濃縮醤油15gを添加して120℃になるまで加熱した後、30℃以下になるまで放冷し、ろ紙で濾過してタマネギ抽出残渣を取り除き、実施例4のタマネギ香味油を得た。実施例4のタマネギ香味油に使用した減圧濃縮醤油の添加量は、香味油原料全体に対する全窒素濃度として0.04w/w%となる量である。また、減圧濃縮醤油を濃口醤油(キッコーマン食品社製)とした以外は実施例4のタマネギ香味油と同様にして、対照例4のタマネギ香味油を得た。対照例4のタマネギ香味油に使用した濃口醤油の添加量は、香味油原料全体に対する全窒素濃度として0.02w/w%となる量である。
上記実施例4のタマネギ香味油を使用して実施例1と同様に牛肉の調理を行い、対照例4のタマネギ香味油で調理した牛肉を対照として評価した。その結果、実施例4のタマネギ香味油で調理した牛肉は、対照例4のタマネギ香味油で調理した牛肉に比べて熟成感があり、良好な風味であった。
Claims (4)
- 食用油脂に香味野菜と共に醤油を添加し、加熱して得られる香味油であって、該醤油の添加量が香味油原料全量に対する全窒素濃度として0.04〜0.22w/w%となる量である香味油。
- 醤油が減圧濃縮して得られる醤油である請求項1に記載の香味油。
- 香味野菜がネギ又はタマネギである請求項1又は2に記載の香味油。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の香味油を使用した肉料理。
Priority Applications (1)
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JP2014165911A JP2016041044A (ja) | 2014-08-18 | 2014-08-18 | 香味油 |
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JP2014165911A JP2016041044A (ja) | 2014-08-18 | 2014-08-18 | 香味油 |
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Family Applications (1)
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JP2014165911A Pending JP2016041044A (ja) | 2014-08-18 | 2014-08-18 | 香味油 |
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JP (1) | JP2016041044A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018121633A (ja) * | 2017-02-03 | 2018-08-09 | キッコーマン株式会社 | 畜肉加熱調理用組成物、畜肉入りレトルト食品、畜肉入りレトルト食品の加熱臭抑制方法、及び畜肉入りレトルト食品の製造方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04311364A (ja) * | 1991-04-08 | 1992-11-04 | Kanebo Ltd | 調味油の製造法 |
JP2010268702A (ja) * | 2009-05-19 | 2010-12-02 | Kikkoman Corp | 濃縮醤油 |
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2014
- 2014-08-18 JP JP2014165911A patent/JP2016041044A/ja active Pending
Patent Citations (2)
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JPH04311364A (ja) * | 1991-04-08 | 1992-11-04 | Kanebo Ltd | 調味油の製造法 |
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