JP2016038468A - 感光性樹脂層のパターニング方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 感光性樹脂層を積層してフォトリソグラフィーによって一括パターニングする場合であっても、良好なパターニングをすること。【解決手段】 感光性樹脂層のパターニング方法であって、第1の樹脂を含有する第1の感光性樹脂層の上に、前記第1の樹脂とは異なる第2の樹脂と溶媒とを含有する第2の感光性樹脂層を積層させる積層工程と、前記第1の感光性樹脂層と前記第2の感光性樹脂層とを一括して露光及び現像することで前記第1の感光性樹脂層と前記第2の感光性樹脂層とをパターニングするパターニング工程と、を有し、前記第2の樹脂は前記第1の樹脂よりも前記溶媒に対する溶解性が高いことを特徴とする感光性樹脂層のパターニング方法。【選択図】 図2

Description

本発明は、感光性樹脂層のパターニング方法に関する。
フォトリソグラフィーによって感光性樹脂層をパターニングすることで、構造物を高精度に形成することができる。フォトリソグラフィーでは、感光性樹脂層をパターン露光し、加熱、現像する。このような感光性樹脂層のパターニングにおいて、感光性樹脂層を積層し、これを一括でパターニングすることがある。特許文献1には、下層である流路形成部材の層の上に、上層として撥水層を形成し、2層を積層してから一括でパターニングすることが記載されている。
特開2014−81440号公報
本発明者らの検討によれば、特許文献1に記載されているような積層した感光性樹脂層を、フォトリソグラフィーによって一括パターニングする場合、所望のパターニングが行えない場合があった。例えば、図2(c)に示すように、下層と上層との境界で段差が形成されたり、図2(d)に示すように下層と上層との境界で突起が形成されたりすることがあった。
従って、本発明は、感光性樹脂層を積層してフォトリソグラフィーによって一括パターニングする場合であっても、良好なパターニングをすることを目的とする。
上記課題を解決する本発明は、感光性樹脂層のパターニング方法であって、第1の樹脂を含有する第1の感光性樹脂層の上に、前記第1の樹脂とは異なる第2の樹脂と溶媒とを含有する第2の感光性樹脂層を積層させる積層工程と、前記第1の感光性樹脂層と前記第2の感光性樹脂層とを一括して露光及び現像することで前記第1の感光性樹脂層と前記第2の感光性樹脂層とをパターニングするパターニング工程と、を有し、前記第2の樹脂は前記第1の樹脂よりも前記溶媒に対する溶解性が高いことを特徴とする感光性樹脂層のパターニング方法である。
本発明によれば、感光性樹脂層を積層してフォトリソグラフィーによって一括パターニングする場合であっても、良好なパターニングをすることができる。
液体吐出ヘッドの製造方法を示す図である。 積層した感光性樹脂層を示す図である。
本発明は、下層である第1の感光性樹脂層と、上層である第2の感光性樹脂層とを積層し、これを一括して露光及び現像することで、フォトリソグラフィーによりパターニングを行うパターニング方法である。
第1の感光性樹脂層は、第1の樹脂を含有する。第1の樹脂は、多官能の光カチオン重合性基を有する光重合性樹脂であることが好ましい。また、常温(25℃)で固体である樹脂であることが好ましい。このような樹脂としては例えばエポキシ基を有するエポキシ樹脂が挙げられる。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。市販のエポキシ樹脂としては、ダイセル製「セロキサイド2021」、「GT−300シリーズ」、「GT−400シリーズ」、「EHPE−3150」(商品名)、三菱化学製「157S70」(商品名)、大日本インキ化学工業製「エピクロンN−695」「エピクロンN−865」(商品名)、日本化薬製「SU8」(商品名)、プリンテック製「VG3101」(商品名)、「EPOX−MKR1710)(商品名)、ナガセケムテックス製「デナコールシリーズ」等が挙げられる。第1の樹脂は、一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。第1の樹脂がエポキシ樹脂である場合、エポキシ当量は2000以下であることが好ましく、1000以下であることがより好ましい。エポキシ当量が2000以下であることにより、硬化反応の際に十分な架橋密度が得られ、硬化物のガラス転移温度が低下しにくく、高い密着性が得られる。また、第1の樹脂のエポキシ当量は50以上であることが好ましい。エポキシ当量は、JISK−7236により測定する。第1の樹脂としては、ネガ型レジストとして市販されている日本化薬製「SU−8シリーズ」、「KMPR−1000」(商品名)、東京応化工業製「TMMR S2000」、「TMMF S2000」(商品名)等を用いることもできる。
第1の感光性樹脂層は、溶媒を含有していてもよいし、乾燥状態のフィルムであってもよい。第1の感光性樹脂層及び第2の感光性樹脂層の少なくとも一方は、光酸発生剤を含有することが好ましい。第1の感光性樹脂層が含有する光酸発生剤は、一般的なものを用いればよい。例えば、後述する第2の感光性樹脂層が含有する光酸発生剤として例示したものを用いることができる。
次に、第2の感光性樹脂層について説明する。第2の感光性樹脂層は、第2の樹脂と、溶媒とを含有する。
第2の樹脂は、多官能の光カチオン重合性基を有する光重合性樹脂であることが好ましく、第1の樹脂で挙げた樹脂と同様の樹脂を用いることが好ましい。但し、第1の樹脂とは異なる樹脂、即ち構造に違いがある樹脂を用いる。
第2の感光性樹脂層は、第1の感光性樹脂層の上に積層させて用いる。例えば、感光性樹脂層を積層してパターニングすることで液体吐出ヘッドを製造する場合、第2の感光性樹脂層は液体吐出ヘッドの表面を撥水性にする撥水層とすることができる。このとき、基板上に第1の感光性樹脂層を設け、その上に第2の感光性樹脂層を積層し、第2の感光性樹脂層を最表面とする。第2の感光性樹脂層を撥水層として用いる場合、第2の感光性樹脂層は、第2の樹脂及び溶媒に加え、パーフルオロポリエーテル基を有する加水分解性シラン化合物と、エポキシ基を有する加水分解性シラン化合物とを縮合させて得られる縮合物を含有することが好ましい。以下、第2の感光性樹脂層が撥水層である場合を例に説明する。
まず、縮合物について説明する。縮合物は、パーフルオロポリエーテル基を有する加水分解性シラン化合物と、エポキシ基を有する加水分解性シラン化合物とを縮合させて得られる縮合物である。
パーフルオロポリエーテル基とは、パーフルオロアルキル基と酸素原子からなるユニットが1つ以上連なった基である。具体的には、パーフルオロポリエーテル基(Rと表す)は下記式(5)で表される基であることが好ましい。式(5)中、()内で表される部分がそれぞれのユニットであり、そのユニットの数を示すo、p、q及びrで表される数をここでは繰り返し単位数と呼ぶ。
式(5)中、o、p、q及びrはそれぞれ0又は1以上の整数であり、o、p、q及びrの少なくとも一つは1以上の整数である。o、p、q又はrは、1から30の整数であることが好ましい。
パーフルオロポリエーテル基を有する加水分解性シラン化合物としては、特に限定されないが、下記式(1)、(2)、(3)及び(4)で表される化合物の少なくとも一種であることが好ましい。
式(1)、(2)、(3)及び(4)中、Rは式(5)で表されるパーフルオロポリエーテル基、Aは炭素数1から12の結合基である。さらに、Xは加水分解性置換基、YおよびRは非加水分解性置換基、Zは水素原子又はアルキル基、Qは2価又は3価の結合基である。ここでQが2価のときnおよびm=1、Qが3価のときnおよびm=2である。aは1から3の整数、mは1から4の整数である。
式(1)、(2)、(3)及び(4)中のXとしては、例えばハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、水素原子等が挙げられる。その中でも、加水分解反応により脱離した基がカチオン重合反応を阻害せず、反応性の制御がしやすいという観点から、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基が好ましい。非加水分解性置換基YおよびRとしては、炭素数1から20のアルキル基やフェニル基等が挙げられ、それぞれ同一の官能基でも異なる官能基でもよい。Zのアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられる。Qとしては、炭素原子、窒素原子等が挙げられる。Aの炭素数1から12の有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基等が挙げられる。また置換基を有するアルキル基でもよい。
式(1)、(2)、(3)及び(4)において、R内の繰り返し単位数は1から30の整数であることが好ましい。パーフルオロポリエーテル基の構造にもよるが、繰り返し単位数は3から20の整数であることがより好ましい。
式(1)、(2)、(3)及び(4)中のパーフルオロポリエーテル基であるRの平均分子量は、500以上5000以下であることが好ましく、500〜2000であることがより好ましい。Rの平均分子量が500以上であることにより、十分な撥水性が得られる。また、Rの平均分子量が5000以下であることにより、十分な溶媒への溶解性が得られる。なお、パーフルオロポリエーテル基は、その特性上、繰り返し単位数(式(1)中のo、p、q、r等)の異なるものの混合物である場合が多い。パーフルオロポリエーテル基の平均分子量とは、式(5)の繰り返し単位で示される部分の総和の分子量の平均を示す。
パーフルオロポリエーテル基を有するシラン化合物の好ましい具体例としては、下記式(9)、(10)、(11)、(12)及び(13)で表される化合物が挙げられる。

(式(9)中、sは1〜30の整数、mは1〜4の整数である。)

(式(10)中、tは1〜30の整数である。)

(式(11)中、eおよびfは1〜30の整数である。)

(式(12)中、gは1〜30の整数である。)

(式(13)中、Rはメチル基または水素原子、hは1〜30の整数である。)
式(9)〜式(13)において、s、t、e、f、g、hは繰り返し単位数であり、3〜20であることが好ましい。3よりも小さいと撥水性が低下する傾向があり、20よりも大きいと溶剤に対する溶解性が低下する。特にアルコール等の非フッ素系溶媒中で縮合反応を行う際には、3〜10であることが好ましい。
市販のパーフルオロポリエーテル基含有シラン化合物としては、ダイキン工業製「オプツールDSX」、「オプツールAES」、信越化学工業製「KY−108」、「KY−164」、住友スリーエム製「Novec1720」、ソルベイソレクシス製「フルオロリンクS10」等が挙げられる。
エポキシ基を有する加水分解性シラン化合物としては、下記式(6)で表される化合物であることが好ましい。
式(6)中、Rはエポキシ基を有する非加水分解性置換基、Rは非加水分解性置換基、Xは加水分解性置換基を示す。bは1から3の整数である。bは2または3であることが好ましく、3であることがより好ましい。
式(6)中、Rとしては、グリシドキシプロピル基、エポキシシクロヘキシルエチル基等が挙げられる。Rとしては、炭素数1〜20のアルキル基や、フェニル基等が挙げられる。Xとしては、ハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、水素原子等が挙げられる。その中でも、加水分解反応により脱離した基がカチオン重合反応を阻害せず、反応性を制御しやすい観点から、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基が好ましい。また、一部が加水分解によって水酸基になっていたり、脱水縮合によりシロキサン結合を形成していたりするものを用いてもよい。
式(6)で表されるエポキシ基を有する加水分解性シラン化合物のうち、Xがアルコキシ基のものとしては、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、グリシドキシプロピルジメチルメトキシシラン、グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン等が挙げられる。
エポキシ基を有する加水分解性シラン化合物は、一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
第1の感光性樹脂層との接着性、撥水層としての耐久性を得る観点から、エポキシ基を有する加水分解性シラン化合物の含有割合は、用いられる加水分解性シラン化合物のモル数の合計量を100mol%として計算した場合、20mol%以上80mol%以下であることが好ましく、30mol%以上70mol%以下であることがより好ましい。含有割合が20mol%以上である場合、塗膜の耐久性が高くなる。含有割合が80mol%以下の場合、エポキシ基の極性により撥水性の低下が起きることを抑制できる。
パーフルオロポリエーテル基を有する加水分解性シラン化合物と、エポキシ基を有する加水分解性シラン化合物とを縮合させて得られる縮合物は、さらにアルキル基またはアリール基を有する加水分解性シラン化合物を縮合させて得られる縮合物であることが好ましい。アルキル基またはアリール基を有する加水分解性シラン化合物とは、下記式(14)で表される化合物である。
式(14)中、Rはアルキル基またはアリール基、Xは加水分解性置換基である。aは1から3の整数である。Rとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。式(14)で表される加水分解性シラン化合物としては、具体的には、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリプロポキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン等が挙げられる。これらの式(14)で表される加水分解性シラン化合物は、一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
式(14)で表される加水分解性シラン化合物を含有させることで、縮合物の極性や架橋密度の制御が可能である。式(14)で表される加水分解性シラン化合物のような非カチオン重合性のシラン化合物を併用した場合、パーフルオロポリエーテル基やエポキシ基等の置換基の自由度が向上する。よってパーフルオロポリエーテル基の空気の界面側への配向、エポキシ基の重合、未反応のシラノール基の縮合等が促進される。また、アルキル基のような非極性基が存在すると、シロキサン結合の開裂が抑制され、撥水性、耐久性が向上するという点で好ましい。
式(14)で表される加水分解性シラン化合物を添加する場合、その含有割合は5mol%以上70mol%以下であることが好ましく、10mol%以上50mol%以下であることがより好ましい。
縮合物の調製に用いる各加水分解性シラン化合物の含有割合は、その使用形態に応じて適宜決定される。但し、パーフルオロポリエーテル基を有する加水分解性シラン化合物の含有割合は、用いられる加水分解性シラン化合物のモル数の合計量を100mol%として計算した場合、0.01mol%以上5mol%以下であることが好ましい。より好ましくは0.1mol%以上である。また、4mol%以下である。含有割合が0.01mol%以上である場合、撥水性が良好となる。また、5mol%以下であると、パーフルオロポリエーテル基を有する加水分解性シラン化合物の凝集、析出の発生を抑制でき、均一な溶液が得られやすくなる。
各加水分解性シラン化合物は、縮合させて縮合物として用いる。縮合反応は、水の存在下、溶媒中で加熱することにより、加水分解と縮合反応とを進行させることによって行われる。加水分解/縮合反応を温度、時間、濃度、pH等で適宜制御することで、所望の縮合物を得ることができる。縮合物は、水酸基、カルボニル基、エーテル結合等の酸素原子を有する極性溶媒中で合成される。具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ジグライム、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ジエチレングリコール等のグリコール類等の非フッ素系の極性溶媒が挙げられる。水を合成に用いるため、水の溶解性が高いアルコール類が最適である。また水分量制御の観点からは、加熱は100℃以下で行うことが好ましい。そのため、加熱還流で反応を行う場合には、沸点が50℃以上100℃以下である極性溶媒が好ましい。これらの極性溶媒は一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
反応に用いる水の添加量は、加水分解性シラン化合物の加水分解性置換基に対して、0.5当量以上3当量以下であることが好ましく、0.8当量以上2当量以下であることがより好ましい。水の添加量が0.5当量以上であることにより、十分な加水分解、縮合反応における反応速度が得られる。水の添加量が3当量以下であることにより、パーフルオロポリエーテル基を有する加水分解性シラン化合物の析出を抑制することができる。
第2の感光性樹脂層は、光酸発生剤を含有していることが好ましい。光酸発生剤は、光照射により塗膜中のエポキシ基、シラノール基を硬化させる。光酸発生剤を含有していることにより、第2の樹脂の硬化を促進させることができる。第2の感光性樹脂層が光酸発生剤を含有しておらず、第1の感光性樹脂層が光酸発生剤を含有している場合、第2の感光性樹脂層の硬化は第1の感光性樹脂層から供給される光酸発生剤により硬化が進む。但し、光酸発生剤の供給量が少なくなる場合があり、十分な撥水性能が得られないことがある。従って、第2の感光性樹脂層は光酸発生剤を含有していることが好ましい。尚、ここでいう「含有する」とは、第2の感光性樹脂層を塗布等により第1の感光性樹脂層の上に形成する前に、第2の感光性樹脂層を形成する塗工液等が含有していることを意味する。
光酸発生剤は、式(7)で表されるカチオン部構造と、式(8)で表されるアニオン部構造の1対1の組み合わせからなることが好ましい。
式(7)と式(8)の具体例を以下に挙げる。式(7)で表されるカチオン部構造の特徴は、酸素原子を複数個以上含有することに起因し、従来は困難であった光酸発生剤の吸収波長の長波長化が可能となることから、i線感光性を有している点である。一方、式(8)で表されるアニオン部構造の特徴は、i線の感光後、式(7)成分が分解し、式(8)の構造に起因する酸が発生することにより、その発生酸の作用により、エポキシ基のカチオン重合反応を開始、促進することができる点である。発生酸はエポキシ重合可能な化合物を十分に硬化する酸強度を有していることがより好ましい。エポキシ重合可能な化合物を十分に硬化する酸強度とは、ルイス酸においては六フッ化アンチモン酸以上の強酸であること、すなわちハメットの酸度関数−HO=18以上であることを意味する。ブレンステッド酸においては、ノナフルオロブタンスルホン酸以上の強酸であること、すなわちPKa=−3.57以上であることを意味する。式(7)の一例(左側)と式(8)の一例(右側)を以下に示す。
組成物中、式(7)で表されるカチオン部構造において、RからRは、それぞれ置換基を有してもよい炭素数1〜30の有機基を表す。但し、RからRの全構成原子中に、酸素原子を少なくとも2つ以上含有する。式(8)中、Dは炭素原子、窒素原子、リン原子、ホウ素原子、アンチモン原子から選ばれ、Eは−S(=O)−、フッ化アルキル基、−CF−O−、−CF−C(=O)−、−CF−C(=O)−O−、−CF−O−C(=O)−、単結合から選ばれる。Rはフッ素原子で置換してもよい炭素数1〜30の炭化水素基を表す。mとnは、Dが炭素原子の場合m+n=3、かつn=0〜2の整数、Dが窒素原子の場合m+n=2、かつn=0、1の整数を表す。また、Dがリン原子またはアンチモン原子の場合m+n=6、かつn=0〜6の整数、Dがホウ素原子の場合m+n=4、かつn=0〜3の整数を表す。
式(7)で表されるカチオン部構造の好ましい具体例を以下に挙げる。
式(7)で表されるカチオン部構造中、特に好ましくは、RからRに含まれる酸素原子の少なくとも1つは環状カルボニル基である構造であり、具体例として、上記(b1−17)〜(b1−30)が挙げられる。
本発明の組成物中、式(8)で表されるアニオン部構造において、Dは炭素原子、窒素原子、リン原子、ホウ素原子、アンチモン原子から選ばれる。また、Eは−S(=O)−、フッ化アルキル基、−CF−O−、−CF−C(=O)−、−CF−C(=O)−O−、−CF−O−C(=O)−、単結合から選ばれる。Rはフッ素原子で置換してもよい炭素数1〜30の炭化水素基を表す。mとnは、Dが炭素原子の場合、m+n=3、かつn=0〜2の整数、Dが窒素原子の場合、m+n=2、かつn=0または1の整数を表す。また、Dがリン原子またはアンチモン原子の場合、m+n=6、かつn=0〜6の整数、Dがホウ素原子の場合、m+n=4、かつn=0〜3の整数を表す。
式(8)で表されるアニオン部構造の好ましい具体例を以下に挙げる。
式(8)で表されるアニオン部構造の中でも、Dがリン原子である構造が好ましく、上記(b2−11)〜(b2−18)の構造が好ましい。
市販の光酸発生剤としては、例えば、サンアプロ製「CPI−410S」(商品名)、ADEKA製「SP−172」(商品名)等が挙げられる。光酸発生剤は、単独又は2つ以上の組み合わせで使用することができる。また、第2の感光性樹脂層の光酸発生剤の含有割合は、一般に全固形分中の0.01質量部以上20質量部以下、より好ましくは0.1質量部以上10質量部以下である。第2の感光性樹脂層の光酸発生剤の含有割合を0.01質量部以上20質量部以下にすることで、第1の感光性樹脂層と第2の感光性樹脂層との間で段差をつきにくくすることができる。
第1の感光性樹脂層及び第2の感光性樹脂層は、例えば、塗工液をスピンコーター、ダイコーター、スリットコーター、スプレーコーター等の塗布装置にて塗工することで形成することができる。また、ディップコートで形成することもできる。第2の感光性樹脂層を撥水層とする場合、縮合物を含む溶液の縮合物の含有割合は、0.1質量%以上50質量%以下であることが好ましく、1質量%以上30質量%以下であることがより好ましい。縮合物の含有割合が0.1質量%以上50質量%以下であれば、良好な撥水性、耐久性が得られ、第2の感光性樹脂層の表面全体で均一な撥水性が得られる。
第2の感光性樹脂層の厚みは、50nm以上10000nm以下であることが好ましく、80nm以上5000nm以下であることがより好ましい。膜厚が50nmより小さいと、均一な撥水性が得られにくく、耐久性が不十分な場合がある。また膜厚が10000nmよりも厚いと、表面のみでなくパターン断面に撥水性が発現しやすくなる。第1の感光性樹脂層の厚みは、特に限定されるものではなく、5000nm以上であることが好ましい。
第1の感光性樹脂層及び第2の感光性樹脂層を形成した後に、光照射を行い、必要に応じて光または熱によって硬化させる。硬化反応に、エポキシ基のカチオン重合と、熱によるシラン(シラノール基)の縮重合を用いることで、薄膜でも高い耐久性を発現することができる。
第2の感光性樹脂層の第2の樹脂がエポキシ樹脂で、さらに第2の感光性樹脂層が光酸発生剤を含有している場合、微細なパターンを形成することができる。光によるパターニングを行った場合には、現像処理等を経た後で、さらに強い光照射や加熱が必要となる。適切な光照射や加熱の処理を行い、未反応の基を十分に硬化させ、耐久性の高い層を得ることができる。
第2の感光性樹脂層は、溶媒を含有している。この溶媒は、第2の感光性樹脂層が縮合物を含有している場合、縮合物の縮合反応を行う際に用いた溶媒であることが好ましい。溶媒は第2の樹脂を溶解するものであり、複数種類の溶媒を用いてもよい。
ここで、第2の感光性樹脂層が含有する溶媒は、第1の感光性樹脂層の第1の樹脂よりも、第2の感光性樹脂層の第2の樹脂を溶解しやすい溶媒である。言い換えると、第2の樹脂は、第1の樹脂よりも、第2の感光性樹脂層が含有する溶媒に対する溶解性が高い。このような構成とすることで、第1の感光性樹脂層と第2の感光性樹脂層との間で互いに溶解が起こりづらくなる。よって、高精度なパターニングを行うことができる。また、第2の感光性樹脂層が撥水層の場合、縮合物の第1の感光性樹脂層との相溶を制御しつつ、パターン端部まで撥水層を形成することができる。第1の樹脂と第2の樹脂との間で、第2の感光性樹脂層が含有する溶媒に対する溶解性が同じ、或いは第1の樹脂の方が高い場合には、第1の感光性樹脂層と第2の感光性樹脂層との境界付近の形状が崩れたり、塗布分布のムラが発生したりする場合がある。
溶解性の基準の一つに、溶解度パラメータ(以下、SP値)が挙げられる。SP値の差が0.5以内であればよく溶解することに加え、SP値が大きいほど溶解力および極性が高いことが知られている。従って、第2の感光性樹脂層が含有する溶媒としては、第1の樹脂のSP値よりも、第2の樹脂のSP値に近い溶媒を用いる。溶媒のSP値は一般に知られるSmallの計算式等から算出することができる。また、樹脂のSP値はFedorsの計算式等から算出することができる。
以下、液体吐出ヘッドを製造する例を用い、感光性樹脂層のフォトリソグラフィーによるパターニング方法を説明する。
まず、図1(a)に示すように、シリコン基板1を用意する。シリコン基板1の表面側には、TaSiN等からなるエネルギー発生素子2が形成されている。さらに、流路の型材3が形成されている。型材3は、例えばポジ型感光性樹脂で形成されている。ポジ型感光性樹脂としては、光分解型の樹脂が好ましく、具体的にはポリメチルイソプロペニルケトン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルグルタルイミド等が挙げられる。特には、ポリメチルイソプロペニルケトンが好ましい。ポジ型感光性樹脂からなる型材3の形成方法としては、例えば、ポジ型感光性樹脂を適宜溶媒に溶解し、スピンコート法により基板等に塗布する。その後、ベークにより溶媒を蒸発させ、パターニングを行う。パターニングする方法としては、ポジ型感光性樹脂を感光可能な活性エネルギー線を必要に応じてマスクを介して照射し、パターン露光する。その後、露光部を溶解可能な溶媒等を用いて現像することで、型材3を形成する。
次に、図1(b)に示すように、型材3を覆うように第1の感光性樹脂層4を形成する。第1の感光性樹脂層4の形成方法としては、例えば、第1の感光性樹脂層4の形成材料(第1の感光性樹脂層)を適宜溶媒に溶解し、この溶液をスピンコート法にて基板1及び型材3上に塗布する方法が挙げられる。溶媒を使用する場合、型材3を溶解しにくい溶媒を選択して使用することが好ましい。
次に、図1(c)に示すように、第1の感光性樹脂層4の上に、第2の感光性樹脂層5を積層させる。この積層工程によって、第1の感光性樹脂層4と第2の感光性樹脂層5とが積層する。この例では、第2の感光性樹脂層5が撥水層となる。第2の感光性樹脂層5は、例えば第2の感光性樹脂層5の形成材料(第2の感光性樹脂)を適宜溶媒に溶解し、この溶液をスピンコート法やスリットコート法にて第1の感光性樹脂層4上に塗布することで形成する。
次に、図1(d)に示すように、第1の感光性樹脂層4と第2の感光性樹脂層5とを一括して露光する。露光は、例えば遮光領域7を有するマスク6を用い、紫外線8を照射することで行う。紫外線8としては例えば波長365nmのi線を用いる。尚、図1(d)では、第1の感光性樹脂層4及び第2の感光性樹脂層5がネガ型感光性樹脂の例を示している。
次に、図1(e)に示すように、第1の感光性樹脂層4と第2の感光性樹脂層5とを一括して加熱する。加熱によって、第1の感光性樹脂層4及び第2の感光性樹脂層5の硬化反応が促進され、露光部の反応が急激に進み、後の現像工程での耐性が向上する。このとき、第1の感光性樹脂層4と第2の感光性樹脂層5との間に、場合によってはエポキシ基の反応でエーテル結合が生成する。また、第1の感光性樹脂層4と第2の感光性樹脂層5との間では、水酸基とシラノール基との脱水縮合反応も進行することもある。その結果、第1の感光性樹脂層4と第2の感光性樹脂層5との間には強固な結合が形成され、密着性が向上する。
さらに、図1(f)に示すように、第1の感光性樹脂層4及び第2の感光性樹脂層5を一括して現像する。これによって、吐出口9が形成され、第1の感光性樹脂層4及び第2の感光性樹脂層5が一括してパターニングされる。現像液は、第1の感光性樹脂層4及び第2の感光性樹脂層5が現像できる液ならよく、例えばメチルイソブチルケトンやキシレン、これらの混合液等が用いられる。現像後、イソプロパノール等でリンス処理を行う。
次に、図1(g)に示すように、シリコン基板1にTMAH等によるエッチングを行い、供給口10を形成する。さらに型材3をアセト酢酸エチル等により除去し、液体の流路11を形成する。
最後にエネルギー発生素子2を駆動させるための電気的接合、液体供給のための供給部材等の接続を行い、液体吐出ヘッドが製造される。
この液体吐出ヘッドを、吐出口9が開口している面と対向する位置から見た図が、図2(a)である。図2(a)に示すように、第2の感光性樹脂層5の内部に吐出口9が開口している。液体吐出ヘッドの吐出口9の側面部分を、図1と同じ断面で見たのが図2(b)である。本発明では、第1の樹脂を含有する第1の感光性樹脂層4と第2の樹脂を含有する第2の感光性樹脂層5に関して、第2の樹脂は第1の樹脂よりも第2の感光性樹脂が含有する溶媒に対する溶解性が高い。この結果、第2の感光性樹脂層5が第1の感光性樹脂層4と相溶しにくくなる。従って、図2(b)に示すように、下層である第1の感光性樹脂層4と上層である第2の感光性樹脂層5との境界12が平らになり、一括露光及び現像によって良好なパターニングが行える。しかしこれらの層が相溶してしまう場合には、図2(c)に示すように、下層である第1の感光性樹脂層4と上層である第2の感光性樹脂層5との境界12で段差が形成されることがある。或いは、図2(d)に示すように、下層である第1の感光性樹脂層4と上層である第2の感光性樹脂層5との境界12で突起が形成されることがある。
本発明では、第1の感光性樹脂層4と第2の感光性樹脂層5との感度を近くすることが好ましい。感度が近いことで、一括の露光及び現像によって第1の感光性樹脂層4と第2の感光性樹脂層5とのパターニング位置を揃えることができる。第1の感光性樹脂層4と第2の感光性樹脂層5とが相溶してしまうと、仮に感度を揃えたとしても相溶した部分でそれぞれの層に最適な構成(適切な光酸発生剤の種類、含有量等)ではなくなる可能性が高く、上述したように境界の部分で段差や窪みが形成されることがある。従って、本発明では、第2の感光性樹脂層が含有する第2の樹脂を、第1の感光性樹脂層が含有する第1の樹脂よりも、第2の感光性樹脂層が含有する溶媒に対する溶解性を高くし、両者の相溶を抑制する。
<実施例1>
シリコン基板を用意し、シリコン基板1の上に第1の感光性樹脂層を形成した。まず、第1の樹脂として光重合性樹脂(商品名:157S70、三菱化学製)100質量部と、光酸発生剤(商品名:CPI−410S、サンアプロ製)3質量部とを、溶媒であるプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(以下、PGMEA)80質量部に溶解させ、塗工液を得た。この塗工液をシリコン基板上にスピンコートにより膜厚10μmとなるように塗布し、90℃で5分間加熱処理して、第1の感光性樹脂層を形成した。
次に、加水分解性シラン化合物からなる縮合物を調製した。まず、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン12.53g(0.045mol)、メチルトリエトキシシラン8.02g(0.0225mol)、フェニルトリメトキシシラン4.46g(0.0225mol)、下記式(15)で表される化合物0.96g(0.726mmol)、水5.93g及びエタノール15.15g、ハイドロフルオロエーテル3.83g(商品名:HFE7200、住友スリーエム製)を、冷却管を備えるフラスコ内で、室温で5分間撹拌した。その後、24時間加熱還流することによって、縮合物を調製した。
式(15)で表される化合物は混合物であり、gは3から10の整数である。
このようにして調製した縮合物を1質量部と、第2の樹脂を5.9質量部と、光酸発生剤0.1質量部とを溶媒で希釈して、塗工液を100質量部調製した。第2の樹脂としては、光重合性樹脂(商品名:EHPE−3150、ダイセル製)を用いた。光酸発生剤としては、CPI−410S(商品名、サンアプロ製)を用いた。溶媒は、エタノール:2−ブタノール:PGMEAの比が質量比で17:3:1となるように調合したものを用いた。塗工液を第1の感光性樹脂層上にスリットコーターを用いて塗布し、90℃で加熱処理した。このようにして、第1の感光性樹脂層上に第2の感光性樹脂層を積層させた。第2の感光性樹脂層の膜厚は、加熱後で0.5μmであった。
積層した第1の感光性樹脂層及び第2の感光性樹脂層に、マスクを用いて一括露光、加熱、及び現像を行った。露光はi線にて行い、マスクの遮光領域を直径20μmの円形状とした。加熱は90℃で4分間とした。現像はMIBKとキシレンとの混合液で行い、さらにイソプロパノールでリンス処理を行った。最後に200℃で1時間加熱して第1の感光性樹脂層及び第2の感光性樹脂層を硬化させた。このようにして、第1の感光性樹脂層及び第2の感光性樹脂層を貫通する、底面の直径が20μmの円柱形状のパターンを形成した。
<実施例2>
第2の感光性樹脂層に関して、第2の樹脂をEP4000S(商品名、ADEKA製)とし、光酸発生剤の含有量を0.2質量部とした以外は、実施例1と同様の方法でパターンを形成した。
<実施例3>
第2の感光性樹脂層に関して、第2の樹脂をEX−321L(商品名、ナガセケムテックス製)とし、光酸発生剤の含有量を0.2質量部とした以外は、実施例1と同様の方法でパターンを形成した。
<実施例4>
第2の感光性樹脂層に関して、光酸発生剤をSP172(商品名、ADEKA製)とし、光酸発生剤の含有割合を0.2質量部とした以外は、実施例1と同様の方法でパターンを形成した。
<実施例5〜9>
第2の感光性樹脂層に関して、各加水分解性シラン化合物からなる縮合物と第2の樹脂と光酸発生剤の含有割合を表1に示した値とした以外は、実施例1と同様の方法でパターンを形成した。
<実施例10>
第1の感光性樹脂層が含有する第1の樹脂をVG3101(商品名、プリンテック製)とした。これ以外は、実施例1と同様の方法でパターンを形成した。
<実施例11>
第1の感光性樹脂層が含有する第1の樹脂をN865(商品名、大日本インキ化学工業製)とした。これ以外は、実施例1と同様の方法でパターンを形成した。
<比較例1>
第1の感光性樹脂層が含有する第1の樹脂をEHPE−3150(商品名、ダイセル製)とした。これ以外は、実施例1と同様の方法でパターンを形成した。
<比較例2>
第1の感光性樹脂層が含有する第1の樹脂と、第2の感光性樹脂層が含有する第2の樹脂とを入れ替えた。これ以外は実施例1と同様の方法でパターンを形成した。
<評価>
円柱形状のパターンを形成した位置で切断を行い、断面の形状を走査型電子顕微鏡(商品名;S−4300、日立ハイテクノロジーズ製)を用いて観察した。この結果を以下の基準で評価した。
A:図2(b)のように第1の感光性樹脂層4と第2の感光性樹脂層5との境界12が直線となっており良好にパターニングされているもの。
B:図2(c)のように階段形状となっているか、図2(d)のように突起が形成されているもの。
以上の結果を表1に示す。
実施例1〜11では、第2の感光性樹脂層が含有する第2の樹脂は、第1の感光性樹脂層が含有する第1の樹脂よりも、第2の感光性樹脂層が含有する溶媒に対する溶解性が高い。この結果、良好なパターン形状が得られている。
一方、比較例1では、第2の樹脂と第1の樹脂とが同じ樹脂であり、第2の感光性樹脂が含有する溶媒に対しても溶解性は同じである。この結果、良好なパターン形状が得られていない。比較例2では、第2の感光性樹脂層が含有する第2の樹脂は、第1の感光性樹脂層が含有する第1の樹脂よりも、第2の感光性樹脂層が含有する溶媒に対する溶解性が低い。この結果、良好なパターン形状が得られていない。

Claims (7)

  1. 感光性樹脂層のパターニング方法であって、
    第1の樹脂を含有する第1の感光性樹脂層の上に、前記第1の樹脂とは異なる第2の樹脂と溶媒とを含有する第2の感光性樹脂層を積層させる積層工程と、
    前記第1の感光性樹脂層と前記第2の感光性樹脂層とを一括して露光及び現像することで前記第1の感光性樹脂層と前記第2の感光性樹脂層とをパターニングするパターニング工程と、を有し、
    前記第2の樹脂は前記第1の樹脂よりも前記溶媒に対する溶解性が高いことを特徴とする感光性樹脂層のパターニング方法。
  2. 前記第2の感光性樹脂層は光酸発生剤を含有する請求項1に記載の感光性樹脂層のパターニング方法。
  3. 前記第1の感光性樹脂層は光酸発生剤を含有する請求項1または2に記載の感光性樹脂層のパターニング方法。
  4. 前記第1の樹脂は多官能の光カチオン重合性基を有する光重合性樹脂である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の感光性樹脂層のパターニング方法。
  5. 前記第2の樹脂は多官能の光カチオン重合性基を有する光重合性樹脂である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の感光性樹脂層のパターニング方法。
  6. 前記第2の感光性樹脂層は、パーフルオロポリエーテル基を有する加水分解性シラン化合物と、エポキシ基を有する加水分解性シラン化合物とを縮合させて得られる縮合物を含有する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の感光性樹脂層のパターニング方法。
  7. 前記第2の感光性樹脂層が含有する光酸発生剤が、下記式(7)で表されるカチオン部構造と、下記式(8)で表されるアニオン部構造を含む光酸発生剤である請求項1乃至6のいずれかに記載の感光性樹脂層のパターニング方法。


    (式(7)中、RからRは、それぞれ置換基を有してもよい炭素数1〜30の有機基を表す。但し、RからRの全構成原子中に、酸素原子を少なくとも2つ以上含有する。式(8)中、R4は、フッ素原子で置換してもよい炭素数1から30の炭化水素基を表す。Dは炭素原子、窒素原子、リン原子、ホウ素原子、アンチモン原子から選ばれ、Eは−S(=O)−、フッ化アルキル基、−CF−O−、−CF−C(=O)−、−CF−C(=O)−O−、−CF−O−C(=O)−、単結合から選ばれる。Rはフッ素原子で置換してもよい炭素数1〜30の炭化水素基を表す。mとnは、Dが炭素原子の場合m+n=3、かつn=0〜2の整数、Dが窒素原子の場合m+n=2、かつn=0、1の整数を表す。また、Dがリン原子またはアンチモン原子の場合m+n=6、かつn=0〜6の整数、Dがホウ素原子の場合m+n=4、かつn=0〜3の整数を表す。)
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