JP2016037756A - 外装構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、下地4上に、平板部11,21の左右側縁を同方向へ折り曲げ、更にその先端を内側に折り返して側縁成形部12,12、22,22を設けて山側外装板1、谷側外装板2とし、これらを交互に配置させることにより山部と谷部とが連続して形成される外装構造であって、山側外装板1の平板部11の裏面に弾性を有する裏貼り材1bを添設させると共に下向き側縁成形部12の上向き折返し部分124を、谷側外装板2の上向き側縁成形部22の下向き折返し部分224に係合させたことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
また、前記第2の方法の問題点としては、ハゼ締めによる毛細管現象にて雨水が浸入する問題や、ハゼ締めすることにより施工に手間がかかる等が挙げられる。
なお、以下の説明において、山側外装板の下向き側縁成形部の上向き折返し部分を「上ハゼ」、谷側外装板の上向き側縁成形部の下向き折返し部分を「下ハゼ」という。なお、後述する図示実施例では、下向き側縁成形部自体を「上ハゼ」、上向き成形部自体を「下ハゼ」と説明している。
その際、まず上方からの押圧時には、山側外装板の左右側縁の下向き側縁成形部が弾性に抗して拡開状に外側へ広がる。
その後、その上向き折返し部分の先端が谷側外装板の上向き側縁成形部の下向き折返し部分の先端を越えた段階で、左右側縁の下向き側縁成形部が内側向きに閉じるように弾性回復するため、谷側外装板の上向き側縁部に対して外側から弾性的に嵌合する。
このような挙動は、仮に裏貼り材が存在しなくても、外装板を構成する金属面材の弾性により、ほぼ同様に行うことができる。しかし、本発明の外装構造のように、弾性を有する裏貼り材を山側外装板の裏面に介在させることにより、係合後にも、山側外装板を全体的に上方へ持ち上げる作用を果たすため、より安定な係合が行われる。また、このように裏貼り材の弾性を利用するので、裏貼り材自体は山側外装板の裏面に位置するため、表面側に露出することがないため、意匠性を低下させることもないし、裏貼り材の厚みや反発力が多少強くても、施工や外観に支障を生ずることもない。
即ち裏貼り材として、弾性及び気密性を有する材料を用いることにより、仮に予期せぬ原因で係合部分からの雨水等の侵入が起こったとしても、前述のように上方が開放する空間を排水路として雨水を排水することができるが、この排水路の上では、山側外装板の裏貼り材が谷側外装板に接していて隙間がなく、内部に風が吹き抜ける経路を塞ぐことになる。このように、風の吹き抜ける経路を塞ぐことにより、風が谷側外装板のハゼを超えることがなく、吹き込みが防止される。
これらの外装板としては、弾性的に係合させることができる金属面材を原材料として好ましいが、硬質樹脂板でもよい。また化粧性(意匠性)を有する(化粧材を兼ねる)金属面材を用いてもよく、例えば面板部が平坦状、或いは凹凸状などの成型を施したものでもよい。
即ち山側外装板では、左右側縁を折り下げ(=下向き側縁成形部)、更にその下端を内側に折り返して上ハゼ(=上向き折返し部分)とした構成となる。
また、谷側外装板では、左右側縁を折り上げ(=上向き側縁成形部)、更にその上端を内側に折り返して下ハゼ(=下向き折返し部分)とした構成となる。
なお、前述のように山側外装板の配設に際し、左右側縁の下向き側縁成形部が弾性に抗して拡開状に外側へ広がり、その後、内側向きに閉じるように弾性回復するためには、略水平状に配設される平板部に対して少なくとも直交状に下向き側縁成形部を折り下げておけばよいが、より確実な係合を目的として鉛直状から僅かに内側に向くように成形してもよい。
ここで面接触させる構成とは、配設状態において、前記下ハゼ(の下向き折返し部分)と前記上ハゼ(の上向き折返し部分)とがほぼ等しい傾斜角度に配されるばかりでなく、弾性の作用により、相互に圧接状に取り付けられている状態を指す。そのため、予め下ハゼ(の下向き折返し部分)は斜め下方へ向かって弾性(反発)が作用するように成形し、また予め上ハゼ(の上向き折返し部分)は斜め上方へ向かって弾性(反発)が作用するように成形することにより、両者を面接触状に圧接させることができる。また、弾性は、面接触となる構成であれば、上ハゼと下ハゼとの少なくとも一方にあればよい。
即ちこの空間とは、山側外装板の上ハゼに形成される隅部空間であり、その形状や大きさについては特に限定するものではなく、毛細管現象を防止するものであれば、どのようなものでもよい。
即ち、上ハゼは、上向き折返し片のみで形成される構成でも、後述する図示実施例のように、上向き折返し片と山側当接面とからなる構成でもよく、下ハゼは、下向き折返し片のみで形成される構成でも、後述する図示実施例のように、下向き折返し片との先端を更に折り返した谷側当接面とからなる構成でもよい。このように山側当接面、谷側当接面は何れか一方のみを設けてもよいし、両方を設けてもよい。そのため、面接触は、上向き折返し片と下向き折返し片とが面接触する態様、上向き折返し片と谷側当接面とが面接触する態様、山側当接面と下向き折返し片とが面接触する態様、山側当接面と谷側当接面とが面接触する態様とが想定される。
即ち例えば上ハゼが上向き折返し片のみで形成される場合には、上向き折返し片が面接触させる部分となるため、折り下げ片にも影響が生じてしまう。しかし、上ハゼが上向き折返し片と山側当接面とで形成される場合、山側当接面が面接触させる部分であるため、折り下げ片には殆ど影響なく、上向き折返し片に対して山側当接面が拡開する方向へ弾性反発するように成形すればよいため、成形が容易である。
即ち谷側当接面と山側当接面とが弾性的に面接触することになるため、係合部分自体の大きさが大きくなるため、毛細管現象が防止される大きさの空間を形成し易い。しかも、この場合の面接触は、相互にクッション性を有する面接触となるため、負圧作用時における上ハゼの上方への移動が確実に且つ容易になる。
このように保持部材を用いる場合には、保持部材に対する上ハゼ、下ハゼの係合を採用して取り付けているため、ビス穴からの雨水の浸入や毛細管現象による雨水の浸入を生ずることなく、施工性にも優れており、さらに負圧作用時の強度や水密性にも十分に配慮した外装構造である。
また、この保持部材への外装板の取付けについては、谷側外装板の下ハゼを、保持部材の折返し部の内側へ収容されるように直接的に係合させると共に、山側外装板の上ハゼの上端が、谷側外装板の下ハゼの下端に当接するように弾性的に係合すればよい。要するに谷側外装板は保持部材に対して直接的に係合させるものであり、山側外装板は、保持部材に対して間接的に、即ち谷側外装板を介して係合させるものである。
このような断熱材は、パネルとしての強度を向上する効果をも奏する。
また、この断熱材としては、例えば合成樹脂製ボートに限らず木製ボードでもよく、また単層でも複層でもよく、異なる材質の複層構成でもよい。そのため、難燃性、不燃性等の機能性ボード材を用いてもよく、また厚み等についても何等制限がなく、どのような断熱材を用いてもよい。
また、裏貼り材の弾性を利用して係合させる構成であるため、外装板同士が強固に且つ安定に取り付けられるものとなり、施工性にも優れている。
さらに、この係合部分の下方に上方が開放する空間を形成した場合には、従来のハゼ締め方式のように毛細管現象にて雨水が浸入しない。即ち係合部分の下方に設けた上方が開放する空間が、毛細管現象を防止する上、該空間が排水路として機能し、万が一浸入した雨水もこの排水路にて流下させることができる。
また、負圧がかかった際にも、山側外装板の上ハゼの先端が下ハゼとの面接触を維持したまま(毛細管現象を防止した状態で)、深く上方へ移動して谷側外装板の下ハゼと接近して接触するため、吹き込みが生ずる隙間がなくなり、吹き込みを防止でき、高い水密性を確保することができる。
より詳しくは、図2(b)に示すように上ハゼ12は、配設時に略垂直状に配される折り下げ片121と上向き折返し片122とその先端の内側に折り返した下向き片である山側当接面123とからなる。即ちこの第1実施例における上向き折返し部分124は、上向き折返し片122と山側当接面123とからなる。また、前記裏貼り材1bは、平板部11の長さ方向に亘って略同一厚みに形成されている。
この保持部材3は、図2(c)に示すように下端に下地4への固定部31を有する起立部32と、該起立部32の上端を外側へ折返した折返し部33と、を有する構成である。
前記固定部31は、略水平状に延在し、凹部311に上方から固定具(二点鎖線にて示す)を打ち込んで下地4に固定する。
また、前記折返し部33は、外側を向くように配設され、殆ど全ての図面では左側に向くように形成され、図3(b)にて右方に配されている保持部材3では、折返し部33は右側に向くように配設されている。
なお、この第1実施例では、前述のように上ハゼ12は、折り下げ片121と上向きの折返し片122とその先端の内側に折り返した山側当接面123とからなり、下ハゼ22は、折り上げ片221と下向きの折返し片222とその先端を内側に折り返した山側当接面223とからなる構成であるため、上ハゼ12と下ハゼ22との面接触は、具体的には山状当接面123と谷状当接面223との面接触である。
また、前記山側外装板1の裏面、即ち左右に隣接する前記谷側外装板2,2間には、断面略矩形状の断熱材5を配した構成とした。
まず、下地4上に、所定間隔にて前記構成の保持部材3を固定する。
この工程の際には、予め谷側外装板2の寸法に応じて保持部材3を取り付けるが、配設する谷側外装板2に折返し部33が向くように保持部材3を配設し、その固定部31には固定具3bを上方から打ち込んで下地4(躯体4d)に固定する。
この工程にて、谷側外装板2の配設は、隣接する保持部材3,3間に谷側外装板2を落とし込むように配設すればよい。
ここで弾性に抗して行われる裏貼り材1bの薄肉化と、上ハゼ12,12の拡開とは、上向き折返し片122の上端が下ハゼ21,21の下向き折返し片222の下端を過ぎるまで行われ、図中に示した隙間Xを形成するまで行われる。
このように山側外装板1を上方から下方へ押圧するだけの簡易な操作にて、弾性的に係合(嵌合)させて取り付けることができるため、施工性が極めて優れている。
この図4(b)に示すように、係合部分(123,223)の下方に上方が開放する空間13を形成したので、該空間13が毛細管現象を防止する上、該空間13が排水路として機能し、万が一、浸入した雨水もこの排水路(13)にて流下させることができる。
また、「面接触」とは、前述のように上ハゼ12に形成した山側当接面123と下ハゼ22に形成した谷側当接面223とが面接触して係合するものであり、従来のハゼ締め式のような密接状の係合が決して行われない構成である。
さらに、山側外装板1の裏面に取り付けた気密性を有する裏貼り材1bにより、風雨が吹き込む経路を塞いでいる。そのため、図中に点線で示す矢印のように、水が内部に浸入するためには、裏貼り材1bや下ハゼ22を越えて吹き上げられなければならないため、防水性が高いものである。
即ち図5(a)には、従来のビス止め仕様を示したが、太線にて示すように山側外装板6の表面を伝う雨水Wが、この山側外装板6の側縁成形部62と谷側外装板6'の側縁成形部62'との重合部分に側方から打ち込んだ固定ビス7のビス穴から浸入してしまう。
また、図5(b)には、従来のハゼ締め仕様を示したが、やはり太線にて示すように山側外装板8の表面を伝う雨水Wが、谷側外装板8'と吊子9とのハゼ締め部分から毛細管現象により内部に浸入してしまう。即ちこの仕様における係合は、図5(c)に拡大して示すように上ハゼ82に設けた上向き折返し片821と下ハゼ83に設けた下向き折返し片831とが密接状に係合して吊子9の係合部92に係合させているため、毛細管現象が生じ,内部への雨水の浸入を生じてしまう。
なお、これらの従来の仕様において、仮に止水性に優れたシール材を使用してビス穴やハゼ締め部の水密性を向上したとしても、シール材の経年劣化にて雨水の浸入が生じてしまう。
図4(c)に示すように吹き上げ風等に起因する負圧が作用すると、図中に白抜き矢印にて示すように通常は水平状の平板部11,21を上方へ引っ張り上げるような力(負圧)が作用し、上方に凸状に変形させる現象が生じる。その際、谷側外装板2の下ハゼ22は負圧作用以前から保持部材3に当接しているため、山側外装板1の上ハゼ12に上方へ引っ張られる力(負圧)が作用し、ハッチング矢印にて示すようにその山側当接面123が下ハゼ22の谷側当接面223に当接しつつ上方へ滑るように引っ張り上げられ、山側当接面123と上向き折返し片122の上端が、谷側外装板2の折り上げ片221に当接する。また、上ハゼ12の下方からの押圧により引き上げられる下ハゼ22は、その上方に位置する裏貼り材1bを圧縮状に押圧する。
このように負圧作用時には、負圧が作用していない状態よりも上ハゼ12と下ハゼ22とがむしろ深く係合して外れ難くなる。
このようにハゼ12,22が縦壁(折り上げ片221,折り下げ片121)に接することで2つの独立した空間13,23が発生し、毛細管現象による水の侵入が防止される。
また、係合部分123,223の下方の空間13は上方が塞がれ、一方、係合部分123,223の上方に位置する空間23は負圧作用以前には下方が開放しているが、負圧が作用すると前述のように下方が塞がれ、隙間がなくなり、風雨の吹き込みが防止される。しかも、前述のように裏貼り材1bは、下ハゼ22の下向き折返し片222から圧縮状に押圧されているので、水が内部に浸入する隙間がないため、極めて防水性が高い。
また、図6(b)には、従来のハゼ締め仕様における負圧作用時を示しているが、ハゼ締めの一部が負圧による引っ張り作用で解除されており、しかも前述のように上ハゼ82に設けた上向き折返し片821と下ハゼ83に設けた下向き折返し片831とが密接状に係合して吊子9の係合部92に係合しているため、毛細管現象が生じてしまうし、この状態では、到底所定の特性は得られない。
また、前記図4(c)にて説明したように、負圧が作用した際には、山側当接面123と上向き折返し片122の上端が、谷側外装板2の折り上げ片221に当接し、山側外装板1の折り下げ片121が、下ハゼ22の谷側当接面223と下向き折返し片222との下端に当接するが、通常の敷設状態では、折り上げ片221と上向き折返し部分124、折下片121と下向き折返し部分224は、接触していない。即ち少なくとも折り下げ片221と上向き折返し片124が接触していないことで、通常時の雨水の吸い込みを防止することができる(開放した下向き空間となるため、吹きつけたられた雨水が溜まることなく自然に流下する)。
11 平板部
12 下向き側縁成形部(上ハゼ)
121 折り下げ片
122 上向き折返し片
123 山側当接面
124 上向き折返し部分
13 上方が開放する空間
2 谷側外装板
21 平板部
22 上向き側縁成形部(下ハゼ)
221 折り上げ片
222 下向き折返し片
223 谷側当接面
224 下向き折返し部分
23 下方が開放する空間
3 保持部材
31 固定部
32 起立部
33 折返し部
4 下地
5 断熱材
6,6' (ビス止め仕様の)外装板
7 固定ビス
8,8' (ハゼ締め仕様の)外装板
82 上ハゼ
821 上向き折返し片
83 下ハゼ
831 下向き折返し片
9 吊子
92 係合部
Claims (3)
- 下地上に、平板部の左右側縁を同方向へ折り曲げ、更にその先端を内側に折り返して側縁成形部を設けて山側外装板、谷側外装板とし、交互に配置させることにより山部と谷部とが連続して形成される外装構造であって、
前記山側外装板の平板部の裏面に弾性を有する裏貼り材を添設させると共に下向き側縁成形部の上向き折返し部分を、谷側外装板の上向き側縁成形部の下向き折返し部分に係合させたことを特徴とする外装構造。 - その下端に下地への固定部を有する起立部と、該起立部の上端を外側へ折返した折返し部と、を有する保持部材を下地上に固定し、谷側外装板の上向き側縁成形部の下向き折返し部分が前記保持部材の折返し部の内側に係合していることを特徴とする請求項1に記載の外装構造。
- 山側外装板の裏面に断熱材を配設していることを特徴とする請求項1又は2に記載の外装構造。
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