JP2016037423A - 結晶化ガラス、及び結晶化ガラスの製造方法 - Google Patents

結晶化ガラス、及び結晶化ガラスの製造方法 Download PDF

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Tetsuya Okumura
哲也 奥村
晋作 西田
Shinsaku Nishida
晋作 西田
雅弘 岸村
Masahiro Kishimura
雅弘 岸村
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Abstract

【課題】表面の明度のばらつきを抑制することのできる結晶化ガラスの製造方法を提供する。【解決手段】結晶化ガラスの製造方法は、所定の粒径範囲にある第1の結晶性ガラス小体10を用いて、耐熱性型枠K内に第1の結晶性ガラス層11を形成する第1積層工程と、第1の結晶性ガラス小体10と粒径範囲が等しく、粒径分布が異なる第2の結晶性ガラス小体12を用いて、第1の結晶性ガラス層11の上に第2の結晶性ガラス層14を形成する第2積層工程と、耐熱性型枠Kに形成された第1の結晶性ガラス層11及び第2の結晶性ガラス層14からなる積層物15を加熱処理して、結晶性ガラス小体を融着一体化させるとともに結晶化させる結晶化工程とを有する。【選択図】図2

Description

本発明は、例えば、建築物の内外装材として利用可能な結晶化ガラス、及び結晶化ガラスの製造方法に関する。
特許文献1及び特許文献2に記載されるように、結晶化ガラスは、化学的耐久性、機械的強度、熱衝撃強度に優れ、天然大理石のような模様を呈するという性質を有し、また表面に汚れが付着し難いという性質を有するガラスであり、近年、建材製品として使用されるケースが増えている。結晶化ガラスは、例えば、以下のような集積法により製造される。
先ず、ガラス原料を溶融させて溶融ガラスとする。この溶融ガラスを水中に投入して水砕した後、乾燥及び分級して結晶性ガラス小体を得る。この結晶性ガラス小体を耐熱性型枠に充填した後、焼成炉等を用いて加熱処理を行う。この加熱処理により、結晶性ガラス小体は互いに融着して一体化するとともに、結晶性ガラス小体の表面(粒界面)側から結晶性ガラス小体の内部に向かって結晶(β−ウォラストナイト)が析出する。そして、加熱処理を継続して行うことで、結晶が更に成長して、一体化した結晶性ガラス小体の表面に天然大理石様パターンが形成される。また、製造される結晶化ガラスに特定の色を付与する場合には、結晶性ガラス小体を耐熱性型枠に充填する際に、結晶性ガラス小体に対して、付与したい色に応じた着色顔料を混合することで得ることができる。
特開2013−155063号公報 特開2014−040340号公報
ところで、白や黒等の有色の結晶化ガラスを製造する場合において、製造された結晶化ガラスの表面の明度に大きなばらつきが生じることがあった。本発明者らは、鋭意研究の結果、上記明度のばらつきが結晶性ガラス小体の粒径のばらつき、及び粒径分布のばらつきに起因するものであることを見出した。
図3(a),(b)は、上記の集積法により有色の結晶化ガラスを製造した場合において、結晶性ガラス小体の粒径と、得られた結晶化ガラスの明度(L値)との関係を示すグラフである。図3(a)のグラフは、結晶性ガラス小体に着色顔料を混合せずに白色の結晶化ガラスを製造した場合において、結晶性ガラス小体の粒径と、得られた結晶化ガラスの明度(L値)との関係を示すものであり、同グラフに示すように、結晶性ガラス小体の粒径Dが小さくなるにしたがって、結晶化ガラスの明度(L値)が高くなる傾向がある。この傾向は、結晶性ガラス小体の粒径が小さくなるほど、結晶性ガラス小体の比表面積が大きくなって結晶化度が増大することに起因するものであると考えられる。
また、図3(b)のグラフは、結晶性ガラス小体にニッケル系の黒色の着色顔料を混合して、黒色の結晶化ガラスを製造した場合において、結晶性ガラス小体の粒径と、得られた結晶化ガラスの明度(L値)との関係を示すものである。同グラフに示すように、結晶性ガラス小体の粒径Dが小さくなるにしたがって、結晶化ガラスの明度(L値)が低くなる傾向がある。この傾向は、結晶性ガラス小体の粒径が小さくなるほど、黒色の着色顔料と結晶性ガラス小体との反応が進行して、結晶性ガラス小体の結晶化が阻害されることに起因するものであると考えられる。
図3(c)は、粒径を0.5〜1.8mmの範囲に揃えた結晶性ガラス小体を用いて、図3(b)と同様の黒色の結晶化ガラスを製造した場合において、結晶性ガラス小体の粒径分布、具体的には、結晶性ガラス小体に占める小粒子(粒径1.0mm以下)の質量割合と、得られた結晶化ガラスの明度(L値)との関係を示すグラフである。同グラフに示すように、結晶性ガラス小体に占める小粒子の割合が大きい粒径分布になるにしたがって、結晶化ガラスの明度(L値)が低くなる傾向がある。
本発明は上記の知見に基づいてなされたものであり、その目的とするところは、表面の明度のばらつきを抑制できる結晶化ガラス、及びその結晶化ガラスの製造方法を提供することにある。
本発明の結晶化ガラスの製造方法は、所定の粒径範囲にある第1の結晶性ガラス小体を用いて、耐熱性型枠内に第1の結晶性ガラス層を形成する第1積層工程と、前記第1の結晶性ガラス小体と粒径範囲が等しく、粒径分布が異なる第2の結晶性ガラス小体を用いて、前記第1の結晶性ガラス層の上に第2の結晶性ガラス層を形成する第2積層工程と、前記耐熱性型枠に形成された、前記第1の結晶性ガラス層及び前記第2の結晶性ガラス層からなる積層物を加熱処理して、結晶性ガラス小体を融着一体化させるとともに結晶化させる結晶化工程とを有する。
上記構成によれば、結晶性ガラス小体の粒径及び粒径分布に起因する表面の明度のばらつきを抑制できる結晶化ガラスを得ることができる。
本発明の結晶化ガラスの製造方法においては、多数の結晶性ガラス小体から所定の粒径範囲にある結晶性ガラス小体を選別する第1選別工程と、前記第1選別工程において得られた結晶性ガラス小体について、前記第1選別工程により得られる製品単位毎に、所定の粒径分布を有する主製品単位と、前記所定の粒径分布を有しない副製品単位とに選別する第2選別工程とを有し、前記主製品単位を、前記第1の結晶性ガラス小体及び前記第2の結晶性ガラス小体の一方として用いるとともに、前記副製品単位を、前記第1の結晶性ガラス小体及び前記第2の結晶性ガラス小体の他方として用いることが好ましい。
ところで、結晶化ガラスを工業的規模で製造する場合には、その原料となる結晶性ガラス小体が大量に製造される。こうした結晶性ガラス小体は、その製品単位(ロット)毎に管理されて、その後の結晶化ガラスの製造に用いられる。ここで、同じ製品単位を原料として製造される結晶化ガラス同士を比較すると、粒径範囲及び粒径分布が略等しい結晶性ガラス小体から製造されていることから、その表面の明度に大きなばらつきは生じ難い。一方、異なる製品単位の結晶性ガラス小体から製造された結晶化ガラス同士を比較すると、製品単位毎に結晶性ガラス小体の粒径分布が異なっていることから、その表面の明度にバラつきが生じやすい。
上記構成によれば、結晶性ガラス小体の製品単位毎に、結晶性ガラス小体の粒径範囲及び粒径分布に応じて結晶化ガラスの製造に利用されるため、原料として用いた結晶性ガラス小体の製品単位が異なることに起因する結晶化ガラス同士の表面の明度のばらつきを抑制できる。
また、本発明の結晶化ガラスは、所定の粒径範囲にある第1の結晶性ガラス小体により形成される第1の結晶性ガラス層と、前記第1の結晶性ガラス小体と粒径範囲が等しく、粒径分布が異なる第2の結晶性ガラス小体により形成される第2の結晶性ガラス層とが積層された積層物を結晶化させてなる。
上記構成によれば、結晶性ガラス小体の粒径及び粒径分布に起因する表面の明度のばらつきを抑制できる結晶化ガラスとすることができる。
本発明の結晶化ガラス、及び結晶化ガラスの製造方法によれば、表面の明度のばらつきを抑制することができる。
結晶化ガラスの製造方法における選別工程の説明図。 (a)〜(c)は、結晶化ガラスの製造方法における積層工程の説明図。 (a),(b)は、結晶性ガラス小体の粒径と結晶化ガラスの明度との関係を示すグラフ、(c)は、結晶性ガラス小体の粒径分布と結晶化ガラスの明度との関係を示すグラフ。
以下、集積法による有色の結晶化ガラスの製造方法の一実施形態について図面を参照して説明する。
[結晶性ガラス小体の作製工程]
本実施形態の結晶化ガラスの製造方法は、結晶化ガラスの材料となる小粒径の結晶性ガラス小体を作製する作製工程を有する。作製工程においては、先ず、調合されたガラス原料をガラス溶融炉にて1000〜1600℃の温度で10〜30時間程度溶融させる。次いで、溶融ガラスを水中に投入して水砕した後、これを乾燥すること、また必要に応じて水砕後にロールクラッシャー等による破砕を更に行うことにより、多数の結晶性ガラス小体が得られる。
結晶性ガラスとしては、SiO:50〜75質量%、Al:1〜15質量%、CaO:6〜18質量%、LiO:0.1〜5質量%、B:0〜1.5質量%、ZnO:2.5〜12質量%、BaO:0〜12質量%、NaO+KO:0.1〜15質量%、As+Sb:1質量%以下、SrO+MgO:2質量%以下、Fe+NiO+CoO+MnO+CuO:0〜12質量%、TiO+ZrO:1.5質量%以下の組成を有するものを用いることができる。このような組成を有する結晶性ガラスを用いることで、加熱処理を施すことにより、結晶化度が1〜30%程度であり、軟化しながら表面から内部に向かって針状のβ−ウォラストナイト等の結晶が析出して半透光性の結晶化ガラスが得やすくなる。
[結晶性ガラス小体の選別工程]
本実施形態の結晶化ガラスの製造方法は、結晶性ガラス小体の選別工程を有する。図1に示すように、選別工程は、上記作製工程において得られた結晶性ガラス小体から、所定の粒径条件を満たす2種類の結晶性ガラス小体を選別する工程であり、第1選別工程及び第2選別工程の2つの工程を有している。
(第1選別工程)
第1選別工程は、作製工程において得られた結晶性ガラス小体を分級することにより所定の粒径範囲にある結晶性ガラス小体を得る工程である。結晶性ガラス小体の分級は、篩を用いて、所定の最小粒径D1未満の小粒子、及び所定の最大粒径D2を超える大粒子を排除することにより行われるものであり、これにより所定の粒径範囲(最小粒径D1以上最大粒径D2以下)を有する結晶性ガラス小体が得られる。
最小粒径D1は、例えば、0.3mmであることが好ましく、0.5mmであることがより好ましい。また、最大粒径D2は、例えば、2.0mmであることが好ましく、1.8mmであることがより好ましい。なお、図1においては、最小粒径D1を0.5mm、最大粒径D2を1.8mmとして、0.5〜1.8mmの粒径範囲にある結晶性ガラス小体を得る場合について示している。
図1に示すように、結晶化ガラスを工業規模で生産する場合においては、第1選別工程は、上記作製工程から連続して行われる。そして、上記作製工程及び上記第1選別工程にて得られた結晶性ガラス小体を一つの製品単位(ロット)として管理がなされ、以降の工程においては、製品単位毎に結晶性ガラス小体が使用される。
(第2選別工程)
図1における製品単位A〜Cの例に示すように、第1選別工程において得られた結晶性ガラス小体の各製品単位は、その粒径範囲(D1〜D2)は同じであるものの、その粒径分布は、製品単位毎に様々である。第2選別工程は、粒径分布の異なる各製品単位について、製品単位毎に、所定の粒径分布を有する主製品単位と、所定の粒径分布を有しない副製品単位とに選別する工程である。各製品単位の粒径分布は、その一部を抽出して、これを分析することにより確認することができる。また、上記粒径分布は、質量基準の粒径分布(例えば、製品単位に占める、特定の粒径範囲にある結晶性ガラス小体の質量割合)として設定することができる。
具体的には、図3(c)のグラフに示すように、使用する結晶性ガラス小体における、特定の粒径範囲にある結晶性ガラス小体の占める質量割合を変化させて結晶化ガラスを製造し、特定の粒径範囲にある結晶性ガラス小体の質量割合と、得られた結晶化ガラスの明度との関係を求める。そして、結晶化ガラスの明度差が所定の範囲内(好ましくは1.5以下の範囲、より好ましくは0.5以下の範囲)を所定の粒径分布として設定する。
なお、図3(c)のグラフは、上で述べたとおり、0.5〜1.8mmの粒径範囲にある結晶性ガラス小体を用いて結晶化ガラスを製造した場合における、1.0mm以下の粒径範囲にある結晶性ガラス小体の質量割合と、得られた結晶化ガラスの明度(L値)との関係を示すグラフである。この場合には、例えば、1.0mm以下の粒径範囲にある結晶性ガラス小体の質量割合が30〜50質量%の範囲を所定の粒径分布として設定することが好ましい。
そして、図1に示すように、第1選別工程において得られた結晶性ガラス小体の製品単位毎に、所定の粒径分布を有するものであるか否かを判定し、所定の粒径分布を有する主製品単位と、所定の粒径分布を有しない副製品単位とに選別する。なお、図1は、「1.0mm以下の粒径範囲にある結晶性ガラス小体の質量割合X(斜線部分の面積)が30〜50質量%の範囲である粒径分布」を所定の粒径分布として設定した場合について示している。したがって、上記質量割合Xが50質量%を超える製品単位A、及び上記質量割合Xが30質量%未満である製品単位Cは副製品単位となり、上記質量割合Xが30〜50質量%の範囲にある製品単位Bは主製品単位となる。
[結晶性ガラス小体の積層工程]
本実施形態の結晶化ガラスの製造方法は、上記選別工程において選別された結晶性ガラス小体を積層して積層物を形成する積層工程を有する。
図2(a),(b)に示すように、積層工程においては、先ず、所定の粒径分布を有しない副製品単位の結晶性ガラス小体を第1の結晶性ガラス小体10とし、この第1の結晶性ガラス小体10を耐熱性型枠K内に平らに敷き詰める。これにより、耐熱性型枠K内に第1の結晶性ガラス小体10からなる第1の結晶性ガラス層11が形成される(第1積層工程)。なお、第1の結晶性ガラス層11の厚さは特に限定されるものではなく、製造される結晶化ガラスの厚さに応じて適宜、設定すればよい。
次いで、図2(b),(c)に示すように、所定の粒径分布を有する主製品単位の結晶性ガラス小体を第2の結晶性ガラス小体12とし、この第2の結晶性ガラス小体12に無機顔料13を混合した混合物を、耐熱性型枠K内の第1の結晶性ガラス層11の上に平らに敷き詰める。これにより、第1の結晶性ガラス層11の上に第2の結晶性ガラス小体12及び無機顔料13からなる第2の結晶性ガラス層14が形成される(第2積層工程)。なお、第2の結晶性ガラス層14の厚さは、例えば、2mm以上であることが好ましく、5mm以上であることがより好ましい。
また、無機顔料13としては、結晶性ガラスの製造に用いられる金属酸化物等の公知の無機顔料を用いることができる。具体的には、ニッケル、コバルト、鉄の複合酸化物等の黒色の無機顔料や、ジルコン、バナジウムの複合酸化物等の青色の無機顔料や、コバルト、アルミ、錫、カルシウム、シリカ、クロムの複合酸化物等の紫色の無機顔料等を用いることができる。なお、無機顔料13は、第2の結晶性ガラス層14のみでなく、第1の結晶性ガラス小体10と混合させて、第1の結晶性ガラス層11にも用いてもよい。
なお、図2(b),(c)における拡大図は、第1の結晶性ガラス層11を形成する第1の結晶性ガラス小体10、及び第2の結晶性ガラス層14を形成する第2の結晶性ガラス小体12について、それぞれの粒径分布の違いを示すイメージ図であり、実際の状態を反映したものではない。
[結晶性ガラス小体の結晶化工程]
本実施形態の結晶化ガラスの製造方法は、結晶性ガラス小体の結晶化工程を有する。結晶化工程は、耐熱性型枠Kに形成された第1の結晶性ガラス層11及び第2の結晶性ガラス層14からなる積層物15を加熱処理して、積層物15を構成する第1の結晶性ガラス小体10及び第2の結晶性ガラス小体12を融着一体化させるとともに結晶化させる工程である。
第1の結晶性ガラス小体10及び第2の結晶性ガラス小体12は、加熱処理を施されることによって、互いに融着して一体化するとともに、その表面(粒界面)側から内部に向かって結晶(β−ウォラストナイト)を析出させる。そして、加熱処理を継続して行うことで、結晶が更に成長して、一体化した結晶性ガラス小体の表面に天然大理石様パターンが形成される。その結果、積層物15は、その表面に無機顔料に基づく着色がなされた天然大理石様パターンを有する結晶化ガラスとなる。そして、結晶化ガラスは、冷却処理が施された後、耐熱性型枠Kから取り出されて結晶化ガラス物品として利用される。
なお、結晶化工程における加熱処理(加熱後の冷却処理も含む)としては、集積法による結晶化ガラスの製造に用いられる公知の加熱処理、例えば、特許文献1及び特許文献2に記載されるローラーハースキルン等の加熱装置を用いた加熱処理を採用することができる。
次に、本実施形態の作用及び効果について記載する。
(1)結晶化ガラスの製造方法は、所定の粒径範囲にある第1の結晶性ガラス小体10を用いて、耐熱性型枠K内に第1の結晶性ガラス層11を形成する第1積層工程と、第1の結晶性ガラス小体10と粒径範囲が等しく、粒径分布が異なる第2の結晶性ガラス小体12を用いて、第1の結晶性ガラス層11の上に第2の結晶性ガラス層14を形成する第2積層工程と、耐熱性型枠Kに形成された第1の結晶性ガラス層11及び第2の結晶性ガラス層14からなる積層物15を加熱処理して、積層物15を構成する第1の結晶性ガラス小体10及び第2の結晶性ガラス小体12を融着一体化させるとともに結晶化させる結晶化工程とを有する。そして、第2の結晶性ガラス層14を形成する第2の結晶性ガラス小体12として、所定の粒径分布を有する結晶性ガラス小体(主製品単位)を用いるとともに、第1の結晶性ガラス層11を形成する第1の結晶性ガラス小体10として、所定の粒径分布を有しない結晶性ガラス小体(副製品単位)を用いている。
上記構成によれば、第2の結晶性ガラス層14を形成する第2の結晶性ガラス小体12の粒径範囲及び粒径分布が揃えられている。そのため、製造された結晶化ガラスの第2の結晶性ガラス層14側の表面については、結晶性ガラス小体の粒径及び粒径分布に起因する明度のばらつきが抑制されて、同表面の明度の均一化を図ることができる。
また、所定の粒度分布を有する第2の結晶性ガラス小体12のみを用いて結晶化ガラスを製造した場合には、条件を満たさず使用できない結晶性ガラス小体が多く発生することにより、結晶化ガラスの原料コストが増大してしまう。そこで、本実施形態においては、所定の粒径範囲にあり、且つ所定の粒径分布を有しない結晶性ガラス小体(副製品単位)を、第1の結晶性ガラス層11を形成するための第1の結晶性ガラス小体10、即ち、結晶化ガラスの厚さを確保するための結晶性ガラス小体として利用している。これにより、粒径範囲のみを調整した結晶性ガラス小体を用いて結晶化ガラスを製造する場合と同程度の原料コストにて結晶化ガラスを製造することができる。
(2)結晶化ガラスの製造方法は、多数の結晶性ガラス小体から所定の粒径範囲にある結晶性ガラス小体を選別する第1選別工程と、第1選別工程において得られた結晶性ガラス小体について、第1選別工程により得られる製品単位毎に、所定の粒径分布を有する主製品単位と、所定の粒径分布を有しない副製品単位とに選別する第2選別工程とを有している。そして、主製品単位を第2の結晶性ガラス小体12として用いるとともに、副製品単位を、第1の結晶性ガラス小体10として用いている。
結晶化ガラスを工業的規模で製造する場合には、その原料となる結晶性ガラス小体が大量に製造される。こうした結晶性ガラス小体は、その製品単位(ロット)毎に管理されて、その後の結晶化ガラスの製造に用いられる。ここで、同じ製品単位を原料として製造される結晶化ガラス同士を比較すると、粒径範囲及び粒径分布が略等しい結晶性ガラス小体から製造されていることから、その表面の明度に大きなばらつきは生じ難い。一方、異なる製品単位の結晶性ガラス小体から製造された結晶化ガラス同士を比較すると、製品単位毎に結晶性ガラス小体の粒径分布が異なっていることから、その表面の明度にバラつきが生じやすい。
上記構成によれば、結晶性ガラス小体の製品単位毎に、結晶性ガラス小体の粒径範囲及び粒径分布に応じて結晶化ガラスの製造に利用されるため、原料として用いた結晶性ガラス小体の製品単位が異なることに起因する結晶化ガラス同士の表面の明度のばらつきを抑制できる。また、上記構成によれば、結晶性ガラス小体の粒径分布を調整する作業を行うことなく、所定の粒径分布を有する結晶性ガラス小体(主製品単位)と、所定の粒径分布を有しない結晶性ガラス小体(副製品単位)とを得ることができる。
(3)第2の結晶性ガラス層14を形成する際に、第2の結晶性ガラス小体12に混合する無機顔料として、黒色の着色顔料を用いている。
結晶化ガラスの表面における明度のばらつきは、結晶化ガラスの色調が淡色である場合よりも濃色である場合、特に黒色である場合により顕著なものになる。そのため、本実施形態の結晶化ガラスの製造方法による明度のばらつき抑制は、黒色の着色顔料を用いて黒色の結晶化ガラスを製造する場合に特に有効である。
(4)結晶性ガラスとして、加熱処理を施すことにより、結晶化度が1〜30%程度であり、軟化しながら表面から内部に向かって針状のβ−ウォラストナイト等の結晶が析出して半透光性の結晶化ガラスが得られるものを用いている。この場合には、結晶化ガラスに対して、第2の結晶性ガラス小体に混合された無機顔料に基づく着色を好適に施すことができる。
なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 選別工程において、第2選別工程に代えて、結晶性ガラス小体の粒径分布を調整する調整工程を行ってもよい。以下に調整工程の一例を記載する。先ず、第1選別工程により得られた結晶性ガラス小体を二分割し、一方の結晶性ガラス小体を第1の結晶性ガラス小体とする。また、他方の結晶性ガラス小体について、粒径が特定粒径よりも小さい小粒子群と特定粒径以上の大粒子群とに分級し、これらの小粒子群と大粒子群とを任意の割合で混合して、所定の粒径分布を有する結晶性ガラス小体を得る。この粒径分布が調整された結晶性ガラス小体を第2の結晶性ガラス小体とする。
・ 第2の結晶性ガラス層14の形成位置は、第1の結晶性ガラス層11の直上に限定されるものではなく、第1の結晶性ガラス層11と第2の結晶性ガラス層14との間に他の層が介在してもよい。上記他の層としては、例えば、第1選別工程において排除された結晶性ガラス小体(所定の最小粒径D1未満の小粒子、及び所定の最大粒径D2を超える大粒子)からなる層や、第1の結晶性ガラス層11と第2の結晶性ガラス層14との混合を防止するための仕切材(例えば、特許文献1参照。)が挙げられる。
・ 上記実施形態では、結晶化ガラスにおける第2の結晶性ガラス層14側の表面について、その明度のばらつきを抑制するようにしていたが、結晶化ガラスにおける第1の結晶性ガラス層11側の表面について、その明度のばらつきを抑制する構成としてもよい。具体的には、第1の結晶性ガラス層11を形成する第1の結晶性ガラス小体10として、所定の粒径分布を有する結晶性ガラス小体(主製品単位)を用いるとともに、第2の結晶性ガラス層14を形成する第2の結晶性ガラス小体12として、所定の粒径分布を有しない結晶性ガラス小体(副製品単位)を用いる構成とする。
・ 第1の結晶性ガラス層11の下側に、第2の結晶性ガラス小体12を用いて第3の結晶性ガラス層を形成し、第1の結晶性ガラス小体10により形成される第1の結晶性ガラス層11の上下両側に、第2の結晶性ガラス小体12により形成される層を有する積層物15とする。この場合には、結晶化ガラスにおける上下両側の表面について、その明度のばらつきを抑制できる。
・ 上記実施形態では、第2選別工程において、結晶性ガラス小体を選別するための粒径分布として、質量基準の粒径分布を採用していたが、体積基準の粒径分布を採用してもよい。
上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について以下に記載する。
(イ)前記第1の結晶性ガラス小体及び前記第2の結晶性ガラス小体は、加熱処理が施されることにより軟化しながら表面から内部に向かって針状のβ−ウォラストナイト等の結晶を析出させる性質を有する結晶性ガラス小体である前記結晶化ガラスの製造方法。
(ロ)前記第2の結晶性ガラス層は、前記第2の結晶性ガラス小体と無機顔料との混合物により形成される前記結晶化ガラスの製造方法。
(ハ)前記無機顔料は、黒色の無機顔料であり、前記所定の粒径範囲は、0.5mm以上1.8mm以下であり、前記所定の粒径分布は、粒径が0.5mm以上1.0mm以下の結晶性ガラス小体の占める質量割合が30%以上50%以下である前記結晶化ガラスの製造方法。
(二)前記第2の結晶性ガラス層により形成されるガラス表面には、前記第2の結晶性ガラス小体に混合された無機顔料に基づく着色が施されている前記結晶化ガラス。
A,B,C…製品単位、K…耐熱性型枠、10…第1の結晶性ガラス小体、11…第1の結晶性ガラス層、12…第2の結晶性ガラス小体、13…無機顔料、14…第2の結晶性ガラス層、15…積層物。

Claims (3)

  1. 所定の粒径範囲にある第1の結晶性ガラス小体を用いて、耐熱性型枠内に第1の結晶性ガラス層を形成する第1積層工程と、
    前記第1の結晶性ガラス小体と粒径範囲が等しく、粒径分布が異なる第2の結晶性ガラス小体を用いて、前記第1の結晶性ガラス層の上に第2の結晶性ガラス層を形成する第2積層工程と、
    前記耐熱性型枠に形成された、前記第1の結晶性ガラス層及び前記第2の結晶性ガラス層からなる積層物を加熱処理して、結晶性ガラス小体を融着一体化させるとともに結晶化させる結晶化工程とを有することを特徴とする結晶化ガラスの製造方法。
  2. 多数の結晶性ガラス小体から所定の粒径範囲にある結晶性ガラス小体を選別する第1選別工程と、
    前記第1選別工程において得られた結晶性ガラス小体について、前記第1選別工程により得られる製品単位毎に、所定の粒径分布を有する主製品単位と、前記所定の粒径分布を有しない副製品単位とに選別する第2選別工程とを有し、
    前記主製品単位を、前記第1の結晶性ガラス小体及び前記第2の結晶性ガラス小体の一方として用いるとともに、前記副製品単位を、前記第1の結晶性ガラス小体及び前記第2の結晶性ガラス小体の他方として用いることを特徴とする請求項1に記載の結晶化ガラスの製造方法。
  3. 所定の粒径範囲にある第1の結晶性ガラス小体により形成される第1の結晶性ガラス層と、前記第1の結晶性ガラス小体と粒径範囲が等しく、粒径分布が異なる第2の結晶性ガラス小体により形成される第2の結晶性ガラス層とが積層された積層物を結晶化させてなることを特徴とする結晶化ガラス。
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