JP2009023865A - 模様付き結晶化ガラス物品及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数個の結晶性ガラス小体を互いに融着させると共に結晶化させた結晶化ガラス層Aと、該結晶化ガラス層Aの少なくとも片面に融着した状態で設けられ且つ結晶性ガラス板Bをその中心部まで結晶化させた結晶化ガラス層Bと、を含み、前記結晶化ガラス層Aが、主結晶としてβ−ウォラストナイトおよびディオプサイドから選択される少なくとも1種の結晶を含み、前記結晶化ガラス層Bが、主結晶としてβ−ウォラストナイトおよびディオプサイドから選択される少なくとも1種の結晶を含むと共に、その厚みが6mm以下であることを特徴とする模様付き結晶化ガラス物品。
【選択図】なし
Description
また、上述した結晶を含む結晶化ガラス物品の製造方法としては、(1)板状のガラスを熱処理することによって表面から内部へ結晶を析出・成長させる製造方法(例えば、特許文献1参照)や、(2)いわゆる「集積法」と呼ばれる製造方法;すなわち、溶融したガラスを水冷等の急冷処理によって結晶性ガラス小体とし、この結晶性ガラス小体を耐火性レンガ等からなる型枠に集積して熱処理することにより、結晶性ガラス小体を互いに融着一体化して結晶化する製造方法(例えば、特許文献2〜8参照)が知られている。
これらの製造方法を利用して製造された結晶化ガラス物品は、天然大理石模様などの模様を有する。
この状態を図面を用いてより詳細に説明する。図3は、上述したような板状のガラスを熱処理して得られた結晶化ガラス物品の断面構造の一例を示す模式断面図であり、図中、100は結晶化ガラス物品、110は結晶化ガラスマトリックス、120は結晶化しなかったガラスマトリックス、130は亀裂を表している。図3に示すように、表裏面や端面から内部へと成長・結晶化した結晶化ガラスマトリックスに囲まれた領域(板状ガラス物品の中心部)に結晶化しなかったガラスマトリックスが存在しており、このガラスマトリックス120内には亀裂130が生じている。
このため、上記(1)に示す製造方法により得られた結晶化ガラス物品は、外観上、観察される亀裂が見られないものの、内部に亀裂が存在するため、強度が不十分であった。
このような表面にピンホール欠陥を有する模様付きの結晶化ガラス物品を、例えば床材として利用した場合、時間が経つと共にピンホール部分が黒くなり、床面の美観が損なわれる。特に、模様付きの結晶化ガラス物品の色がホワイトや淡い色である場合は、床面の美観が著しく損なわれることになる。
<1>
複数個の結晶性ガラス小体を互いに融着させると共に結晶化させた結晶化ガラス層Aと、
該結晶化ガラス層Aの少なくとも片面に融着した状態で設けられ且つ結晶性ガラス板Bをその中心部まで結晶化させた結晶化ガラス層Bと、を含み、
前記結晶化ガラス層Aが、主結晶としてβ−ウォラストナイトおよびディオプサイドから選択される少なくとも1種の結晶を含み、
前記結晶化ガラス層Bが、主結晶としてβ−ウォラストナイトおよびディオプサイドから選択される少なくとも1種の結晶を含むと共に、その厚みが6mm以下であることを特徴とする模様付き結晶化ガラス物品である。
前記結晶化ガラス層Bが、前記結晶化ガラス層Aの両面に融着した状態で設けられていることを特徴とする<1>に記載の模様付き結晶化ガラス物品である。
前記結晶化ガラス層Aの30度〜380度における熱膨張係数と、前記結晶化ガラス層Bの30度〜380度における熱膨張係数と、の差の絶対値が、0〜10×10-7/℃の範囲内であることを特徴とする<1>又は<2>に記載の模様付き結晶化ガラス物品である。
1)複数個の結晶性ガラス小体を層状に集積した結晶性ガラス小体層と、該結晶性ガラス小体層表面に重ねて配置された結晶性ガラス板Bとを有する積層体、
2)結晶性ガラス板Bと、該結晶性ガラス板B表面に複数個の結晶性ガラス小体を層状に集積した結晶性ガラス小体層とを有する積層体、および、
3)第1の結晶性ガラス板Bと、該第1の結晶性ガラス板B表面に複数個の結晶性ガラス小体を層状に集積した結晶性ガラス小体層と、該結晶性ガラス小体層表面に重ねて配置された第2の結晶性ガラス板Bとを有する積層体、
からなる群より選択される少なくともいずれかの積層体を熱処理する熱処理工程を少なくとも含み、
前記熱処理工程において、前記結晶性ガラス小体同士および前記結晶性ガラス小体層と前記結晶性ガラス板Bとを互いに融着させると共に、前記結晶性ガラス小体および前記結晶性ガラス板Bを結晶化させることにより、
前記結晶性ガラス小体層中に、主結晶としてβ−ウォラストナイトおよびディオプサイドから選択される少なくとも1種の結晶を析出させ、且つ、前記結晶性ガラス板B中に、主結晶としてβ−ウォラストナイトおよびディオプサイドから選択される少なくとも1種の結晶を前記結晶性ガラス板Bの中心部にまで析出させることを特徴とする模様付き結晶化ガラス物品の製造方法である。
本発明の模様付き結晶化ガラス物品(以下、「結晶化ガラス物品」と略す場合がある)は、複数個の結晶性ガラス小体を互いに融着させると共に結晶化させた結晶化ガラス層Aと、該結晶化ガラス層Aの少なくとも片面に融着した状態で設けられ且つ結晶性ガラス板Bをその中心部まで結晶化させた結晶化ガラス層Bと、を含み、前記結晶化ガラス層Aが、主結晶としてβ−ウォラストナイトおよびディオプサイドから選択される少なくとも1種の結晶を含み、前記結晶化ガラス層Bが、主結晶としてβ−ウォラストナイトおよびディオプサイドから選択される少なくとも1種の結晶を含むと共に、その厚みが6mm以下であることを特徴とする。
これに加えて、結晶化ガラス層Aの少なくとも片面に、厚みが6mm以下の結晶化ガラス層Bが融着された状態で固定されている。この結晶化ガラス層Bは結晶性ガラス板Bをその中心部まで結晶化させたものであるが、厚みが6mm以下であるため不透明ではなく半透明である。このため、結晶化ガラス物品を結晶化ガラス層Bが設けられた側の面から見た場合、結晶化ガラス層Aに起因する模様を確認することができる。
このため、建築物の外装材や内装材、あるいは、家具やオフィイステーブルのトッププレート材等の用途に利用する場合に、本発明の結晶化ガラス物品を、結晶性ガラス板Bを利用して形成された面が人目に付く側となるように利用すれば、時間が経つと共にピンホール部分が黒くなることによって美観が損なわれるという問題が発生することもない。
なお、結晶化ガラス層Bは、結晶化ガラス層Aの両面に融着した状態で設けられていてもよい。この場合、両面ともにピンホール欠陥の無い結晶化ガラス物品を得ることができる。
一方、結晶化ガラス層Bの厚みの下限値は特に限定されるものではないが、1mm以上であることが好ましく、2mm以上であることがより好ましい。厚みが1mm未満の場合には、結晶性ガラス板Bを成形することが難しくなる場合がある。
また、結晶化ガラス物品の厚みも特に限定されるものではないが、結晶化ガラス物品の用途や目的に応じて適宜選択することができる。しかし、強度の確保や製造性・コスト等の実用上の観点からは8mm以上30mm以下の範囲内であることが好ましく、15mm以上25mm以下の範囲内であることがより好ましい。
これは、β−ウォラストナイトやディオプサイドは、結晶化により結晶性ガラス小体中に析出する際に、結晶性ガラス小体の表面から内部に向かって析出する性質を有し、このような特性により、結晶化ガラス層Aの表面に天然大理石模様などの模様が形成できるためである。
さらに、結晶化ガラス層Bも、主結晶としてβ−ウォラストナイトおよびディオプサイドから選択される少なくとも1種の結晶を含むことが必要である。これにより結晶化ガラス層Aと結晶化ガラス層Bとの熱膨張係数差を小さくすることができるため、後述する方法により結晶化ガラス物品を作製する際に、結晶化ガラス物品の破損を防ぐことができる。
熱膨張係数差が10×10-7/℃を超える場合には、後述する製造方法により結晶化ガラス物品の作製する際の徐冷の段階で、熱処理により結晶化すると共に互いに融着した結晶化ガラス層Aと結晶化ガラス層Bとの熱収縮量の差が大きくなり、結晶化ガラス物品が破損してしまう場合がある。また、本発明の結晶化ガラス物品をガスコンロなどが設置された台所などの一時的に高温に曝される場所の壁材等として利用する場合においても、結晶化ガラス物品が破損してしまう場合がある。
・昇温速度:20℃/min
・static force:10mN
・サンプル長さ:10mm
・加熱雰囲気:N2中
なお、結晶化ガラス層Cは、結晶性ガラス板Cをその中心部まで結晶化させたものであり、主結晶としてβ−ウォラストナイトおよびディオプサイドから選択される少なくとも1種の結晶を含むと共に、その厚みが6mm以下であれば特に限定されない。また、結晶化ガラス層Cの形成に用いる結晶性ガラス板Cのガラス組成は、結晶性ガラス板Bと同一であってもよく異なっていてもよい。
次に、本発明の結晶化ガラス物品の製造方法について説明する。
本発明の結晶化ガラス物品は、結晶化ガラス層Aとなりえる結晶性ガラス小体を用いて作製された結晶性ガラス板と、結晶化ガラス層Bとなりえる結晶性ガラス板とをそれぞれ準備して、両者を重ね合わせた状態で加熱してこれら2種類の結晶性ガラス板を互いに融着させることにより製造することも可能であるが、実用性やコストの面からは以下に説明する製造方法を利用して作製されることが好ましい。
なお、熱処理工程は、通常、図1に示すように、積層体を内壁に離型剤を塗布した耐火物型枠内に配置して実施する。
ここで上記(1)に示す積層体は、図1Aに示すように、壁面に(不図示の)離型剤が塗布された耐火物型枠10内に、複数個の結晶性ガラス小体を層状に集積することにより結晶性ガラス小体層12を形成した後、その上に結晶性ガラス板B14を配置することにより得られる(図中、積層体20A)。また、上記(2)に示す積層体は、図1Bに示すように、壁面に(不図示の)離型剤が塗布された耐火物型枠10内に、結晶性ガラス板14を配置した後、その上に複数個の結晶性ガラス小体を層状に集積することにより結晶性ガラス小体層12を形成することにより得られる(図中、積層体20B)。また、上記(3)に示す積層体は、図1Cに示すように、壁面に(不図示の)離型剤が塗布された耐火物型枠10内に、第1の結晶性ガラス板B14Aを配置した後、その上に複数個の結晶性ガラス小体を層状に集積することにより結晶性ガラス小体層12を形成し、更にその上に第2の結晶性ガラス板B14Bを配置することにより得られる(図中、積層体20C)。
まず、耐火物型枠内に積層体を形成する場合、耐火物型枠の底面形状よりも一回り小さい結晶性ガラス板Bを用いて、耐火物型枠の側壁面と数mmから十数mm程度の間隙が形成されるように配置し積層体を形成する。次に、積層体の端面部分と耐火物型枠の側壁面とに挟持されるように、積層体端面−耐火物型枠の側壁面の間隙部分に、結晶性ガラス板Cを配置する。そして、この状態で熱処理工程を実施すれば、端面に結晶化ガラス層Cが融着された結晶化ガラス物品を得ることができる。
また、上記以外の方法としては、耐火物型枠の側壁面に結晶性ガラス板Cを予め配置した後、積層体を形成し、その後に熱処理工程を実施してもよい。
図2に示す例では、耐火物型枠10内には、積層体20と、積層体20と耐火物型枠10の側壁面との間に挟持されるように結晶性ガラス板Cとが配置されている。なお、積層体20の層構成は、図1A〜図1Cに示した積層体20A〜20Cのいずれであってもよい。
なお、具体的な熱処理温度や熱処理時間は、結晶性ガラス小体や結晶性ガラス板Bの軟化点や、結晶性ガラス小体層や結晶性ガラス板Bの厚み等に応じて適宜選択される。
しかし、一般的には常温から60℃/hr〜600℃/hrの昇温速度で昇温させた後、好ましくは1030℃〜1130℃の範囲内、より好ましくは1050℃〜1100℃の範囲内の温度で、好ましくは0.5時間〜5時間程度熱処理した後、徐冷することが好ましい。
また、結晶性ガラス板Bの厚みは6mm以下であることが好ましく、5mm以下であることがより好ましく、4mm以下であることが更に好ましい。結晶性ガラス板Bの厚みが6mmを超えると、熱処理した場合に結晶性ガラス板Bの中心部まで結晶化させることができず、結晶化ガラス層Bの中心部に亀裂を有するガラスマトリックスが残留してしまうことがある。
例えば、結晶化ガラス層Bは、2枚以上の結晶性ガラス板Bを積層した状態で熱処理工程を経ることによって形成されたものであってもよく、2本以上の棒状の結晶性ガラス板Bを、結晶性ガラス小体層表面に隙間なく並べた状態で熱処理工程を経ることによって形成されたものであってもよい。
同様に、結晶性ガラス層Cについても、2枚以上の結晶性ガラス板Cを用いたり、2本以上の棒状の結晶性ガラス板Cを用い、熱処理工程を経ることによって形成することもできる。
本発明の結晶化ガラス物品の製造に用いられる結晶性ガラス小体や結晶性ガラス板B、結晶性ガラス板Cとしては、軟化点よりも高い温度で熱処理した場合、主結晶としてβ−ウォラストナイトやディオプサイドが、表面から内部へと析出する性質を有する表面結晶化タイプのガラス組成を有するガラス材料からなるものが用いられる。
上記条件を満たすガラス組成としては、以下の(1)〜(12)に示されるガラス組成が特に好ましい。
本ガラス組成からなるガラス材料は、軟化点以上の温度で熱処理されることにより主結晶としてβ―ウォラストナイトを析出することができる。
なお、上記着色性酸化物は、V2O5、Cr2O3、MnO2、Fe2O3、CoO、NiO、CuO等のガラス中に含有されることにより無色透明なガラス材料を着色する公知の金属酸化物から選択される少なくとも1種類を意味する(以下、下記ガラス組成(2)以降の説明においても同様)。
本ガラス組成からなるガラス材料は、軟化点以上の温度で熱処理されることにより主結晶としてβ―ウォラストナイトを析出することができる。
本ガラス組成からなるガラス材料は、軟化点以上の温度で熱処理されることにより主結晶としてβ―ウォラストナイトを析出することができる。
本ガラス組成からなるガラス材料は、軟化点以上の温度で熱処理されることにより主結晶としてβ―ウォラストナイトを析出することができる。
本ガラス組成からなるガラス材料は、軟化点以上の温度で熱処理されることにより主結晶としてβ―ウォラストナイトを析出することができる。
本ガラス組成からなるガラス材料は、軟化点以上の温度で熱処理されることにより主結晶としてディオプサイドを析出することができる。
本ガラス組成からなるガラス材料は、軟化点以上の温度で熱処理されることにより主結晶としてβ―ウォラストナイトを析出することができる。
本ガラス組成からなるガラス材料は、軟化点以上の温度で熱処理されることにより主結晶としてディオプサイドを析出することができる。
本ガラス組成からなるガラス材料は、軟化点以上の温度で熱処理されることにより主結晶としてβ―ウォラストナイトを析出することができる。
本ガラス組成からなるガラス材料は、軟化点以上の温度で熱処理されることにより主結晶としてβ―ウォラストナイトを析出することができる。
本ガラス組成からなるガラス材料は、軟化点以上の温度で熱処理されることにより主結晶としてβ―ウォラストナイトを析出することができる。
本ガラス組成からなるガラス材料は、軟化点以上の温度で熱処理されることにより主結晶としてβ―ウォラストナイト及び/又はディオプサイドを析出することができる。
まず質量%でSiO2 65.1%、Al2O3 6.6%、CaO 12.0%、Na2O 3.3%、K2O 2.3%、BaO 4.1%、ZnO 6.6%の組成を有するように調合したガラス原料を1500℃で16時間溶融した。次いでこの溶融ガラスを水中で急冷して破砕し、乾燥後、分級し、粒径1〜3mmの結晶性ガラス小体を得た。この結晶性ガラス小体は、熱処理すると主結晶としてβ−ウォラストナイトを析出し、30〜380℃における熱膨張係数が65×10-7/℃の白色の結晶化ガラスとなる結晶性ガラスである。
その後、1時間に240℃の速度で昇温し、1100℃で1時間保持した後、室温まで約5時間かけて冷却することによって、複数個の結晶性ガラス小体が融着しながら結晶を析出してなる結晶化ガラス層Aの上に結晶性ガラス板Bが融着しながら結晶を析出してなる結晶化ガラス層Bが形成された結晶化ガラス物品を得た。
さらに、結晶化ガラス層Bの断面を肉眼で観察したところ、亀裂は発生していなかった。さらに断面を結晶化ガラス層Bの厚み方向に対して走査型電子顕微鏡で観察したところ、厚み方向全てにおいて結晶が析出していることが確認され、結晶化ガラス層Bはその中心部まで結晶化していることが判った。
まず質量%でSiO2 65.1%、Al2O3 6.6%、CaO 12.0%、Na2O 3.3%、K2O 2.3%、BaO 4.1%、ZnO 6.6%の組成を有するように調合したガラス原料を1500℃で16時間溶融した。次いでこの溶融ガラスを水中で急冷して破砕し、乾燥後、分級し、粒径1〜3mmの結晶性ガラス小体を得た。この結晶性ガラス小体は、熱処理すると主結晶としてβ−ウォラストナイトを析出し、30〜380℃における熱膨張係数が65×10-7/℃の白色の結晶化ガラスとなる結晶性ガラスである。
その後、1時間に240℃の速度で昇温し、1100℃で1時間保持した後、室温まで約5時間かけて冷却することによって、結晶性ガラス板が融着しながら結晶を析出してなる結晶化ガラス層Bの上に複数個の結晶性ガラス小体が融着しながら結晶を析出してなる結晶化ガラス層Aが形成された結晶化ガラス物品を得た。
さらに、結晶化ガラス層Bの断面を肉眼で観察したところ、亀裂は発生していなかった。さらに断面を結晶化ガラス層Bの厚み方向に対して走査型電子顕微鏡で観察したところ、厚み方向全てにおいて結晶が析出していることが確認され、結晶化ガラス層Bはその中心部まで結晶化していることが判った。
まず質量%でSiO2 62.2%、Al2O3 5.9%、CaO 13.0%、Na2O 4.5%、K2O 2.1%、Li2O 1.0%、BaO 6.0%、ZnO 5.2%、NiO 0.1%の組成を有するように調合したガラス原料を1450℃で16時間溶融し、次いでこの溶融ガラスを水中で急冷して破砕し、乾燥した後、分級し、粒径3〜7mmの結晶性ガラス小体を得た。この結晶性ガラス小体は、熱処理すると主結晶としてβ−ウォラストナイトを析出し、30〜380℃における熱膨張係数が69×10-7/℃であるベージュ色の結晶化ガラスとなる結晶性ガラスである。
その後、1時間に120℃の速度で昇温し、1050℃で2時間保持した後、室温まで約5時間かけて冷却することによって、複数個の結晶性ガラス小体が融着しながら結晶を析出してなる結晶化ガラス層Aの上に結晶性ガラス板Bが融着しながら結晶を析出してなる結晶化ガラス層Bが形成された結晶化ガラス物品を得た。
さらに、結晶化ガラス層Bの断面を肉眼で観察したところ、亀裂は発生していなかった。さらに断面を結晶化ガラス層Bの厚み方向に対して走査型電子顕微鏡で観察したところ、厚み方向全てにおいて結晶が析出していることが確認され、結晶化ガラス層Bはその中心部まで結晶化していることが判った。
まず質量%でSiO2 62.0%、Al2O3 9.0%、CaO 9.0%、MgO 4.5%、BaO 4.6%、Na2O 5.0%、K2O 3.0%、B2O3 0.5%、P2O5 2.0%、Sb2O3 0.4%、CoO 0.05%の組成を有するように調合したガラス原料を1500℃で16時間溶融した。次いでこの溶融ガラスを水中で急冷して破砕し、乾燥後、分級し、粒径1〜3mmの結晶性ガラス小体を得た。この結晶性ガラス小体は、熱処理すると主結晶としてディオプサイドを析出し、30〜380℃における熱膨張係数が71×10-7/℃のグレー色の結晶化ガラスとなる結晶性ガラスである。
その後、1時間に120℃の速度で昇温し、1100℃で2時間保持した後、室温まで約5時間かけて冷却することによって、結晶性ガラス板が融着しながら結晶を析出してなる第1の結晶化ガラス層Bの上に複数個の結晶性ガラス小体が融着しながら結晶を析出してなる結晶化ガラス層Aが形成され、更にこの結晶化ガラス層Aの上に結晶性ガラス板が融着しながら結晶を析出してなる第2の結晶化ガラス層Bが形成された結晶化ガラス物品を得た。
さらに、2つの結晶化ガラス層Bの断面を肉眼で観察したところ、いずれの層でも亀裂は発生していなかった。さらに2つの結晶化ガラス層Bについて各々の断面を結晶化ガラス層Bの厚み方向に対して走査型電子顕微鏡で観察したところ、厚み方向全てにおいて結晶が析出していることが確認され、2つの結晶化ガラス層Bはその中心部まで結晶化していることが判った。
まず質量%でSiO2 60.0%、Al2O3 6.0%、CaO 7.6%、MgO 3.8%、BaO 3.5%、ZnO 6.5%、Na2O 3.8%、K2O 2.5%、Li2O 0.4%、B2O3 5.4%、As2O3 0.3%、NiO 0.2%の組成を有するように調合したガラス原料を1500℃で16時間溶融した。次いでこの溶融ガラスをフィルム状に成形した後、粉砕、分級し、粒径1〜3mmの結晶性ガラス小体を得た。この結晶性ガラス小体は、熱処理すると主結晶としてディオプサイドを析出し、30〜380℃における熱膨張係数が73×10-7/℃であるベージュ色の結晶化ガラスとなる結晶性ガラスである。
その後、1時間に120℃の速度で昇温し、1050℃で2時間保持した後、室温まで約5時間かけて冷却することによって、複数個の結晶性ガラス小体が融着しながら結晶を析出してなる結晶化ガラス層Aの上に結晶性ガラス板Bが融着しながら結晶を析出してなる結晶化ガラス層Bが形成された結晶化ガラス物品を得た。
さらに、結晶化ガラス層Bの断面を肉眼で観察したところ、亀裂は発生していなかった。さらに断面を結晶化ガラス層Bの厚み方向に対して走査型電子顕微鏡で観察したところ、厚み方向全てにおいて結晶が析出していることが確認され、結晶化ガラス層Bはその中心部まで結晶化していることが判った。
まず質量%でSiO2 62.0%、Al2O3 9.0%、CaO 9.0%、MgO 4.5%、BaO 4.6%、Na2O 5.0%、K2O 3.0%、B2O3 0.5%、P2O5 2.0%、Sb2O3 0.4%、CoO 0.05%の組成を有するように調合したガラス原料を1500℃で16時間溶融した。次いでこの溶融ガラスを水中で急冷して破砕し、乾燥後、分級し、粒径l〜3mmの結晶性ガラス小体を得た。この結晶性ガラス小体は、熱処理すると主結晶としてディオプサイドを析出し、30〜380℃における熱膨張係数が71×10-7/℃のグレー色の結晶化ガラスとなる結晶性ガラスである。
なお、ロールアウト法によって得られた結晶性ガラス板は、結晶化ガラス層Bの形成の他に、結晶化ガラス層Cの形成にも利用するため、各々の層のサイズに合わせて切断し、形状の異なる2種類の結晶性ガラス板を得た。
続いて、結晶性ガラス小体層と結晶性ガラス板とを積層してなる積層体と、耐火物型枠の側壁面との間に、厚みが3mmの結晶性ガラス板を板厚方向が耐火物型枠の底面と平行となるように押し込んで、図2に示すように、積層体の端面と耐火物型枠の側壁面との間に結晶性ガラス板を配置した。なお、この結晶性ガラス板は、積層体の端面全周に密接するように配置した。
その後、1時間に120℃の速度で昇温し、1050℃で1時間保持した後、室温まで約5時間かけて冷却することによって、複数個の結晶性ガラス小体が融着しながら結晶を析出してなる結晶化ガラス層Aの上に結晶性ガラス板Bが融着しながら結晶を析出してなる結晶化ガラス層Bが形成されると共に、結晶化ガラス層Aおよび結晶化ガラス層Bからなる積層体部分の端面全周に結晶性ガラス板Cが融着しながら結晶を析出してなる結晶化ガラス層Cが形成された結晶化ガラス物品を得た。
また、結晶化ガラス物品を、3mmの厚みを有する結晶化ガラス層Cが設けられた側の面から観察した場合も、結晶化ガラス層Bが設けられた側の面から観察した場合と同様の模様が確認された。
さらに、結晶化ガラス層Bの断面を肉眼で観察したところ、亀裂は発生していなかった。さらに断面を結晶化ガラス層Bの厚み方向に対して走査型電子顕微鏡で観察したところ、厚み方向全てにおいて結晶が析出していることが確認され、結晶化ガラス層Bはその中心部まで結晶化していることが判った。この結果は、結晶化ガラス層Cについても同様であった。
まず質量%でSiO2 62.2%、Al2O3 5.9%、CaO 13.0%、Na2O 4.5%、K2O 2.1%、Li2O 1.0%、BaO 6.0%、ZnO 5.2%、NiO 0.1%の組成を有するように調合したガラス原料を1450℃で16時間溶融した。次いでこの溶融ガラスを水中で急冷して破砕し、乾燥した後、分級し、粒径3〜7mmの結晶性ガラス小体を得た。この結晶性ガラス小体は、熱処理すると主結晶としてβ−ウォラストナイトを析出し、30〜380℃における熱膨張係数が69×10-7/℃であるベージュ色の結晶化ガラスとなる結晶性ガラスである。
なお、ロールアウト法によって得られた結晶性ガラス板は、結晶化ガラス層Bの形成の他に、結晶化ガラス層Cの形成にも利用するため、各々の層のサイズに合わせて切断し、形状の異なる2種類の結晶性ガラス板を得た。
なお、上記2枚の結晶性ガラス板は、耐火物型枠よりも一回り小さいサイズのものを用い、結晶性ガラス板の4辺各々と、耐火物型枠の側壁面との距離が2mmとなるように結晶性ガラス小体からなる層上下面にそれぞれ配置した。
続いて、結晶性ガラス小体層と結晶性ガラス板とを積層してなる積層体と、耐火物型枠の側壁面との間に、厚みが2mmの結晶性ガラス板を板厚方向が耐火物型枠の底面と平行となるように押し込んで、図2に示すように、積層体の端面と耐火物型枠の側壁面との間に結晶性ガラス板を配置した。なお、この結晶性ガラス板は、積層体の端面全周に密接するように配置した。
その後、1時間に180℃の速度で昇温し、1050℃で2時間保持した後、室温まで約5時間かけて冷却することによって、結晶性ガラス板が融着しながら結晶を析出してなる第1の結晶化ガラス層Bの上に複数個の結晶性ガラス小体が融着しながら結晶を析出してなる結晶化ガラス層Aが形成され、この結晶化ガラス層Aの上に結晶性ガラス板が融着しながら結晶を析出してなる第2の結晶化ガラス層Bが形成され、更に、結晶化ガラス層Aの両面に第1および第2の結晶化ガラス層Bが設けられてなる積層体部分の端面全周に結晶性ガラス板Cが融着しながら結晶を析出してなる結晶化ガラス層Cが形成された結晶化ガラス物品を得た。
また、結晶化ガラス物品を、2mmの厚みを有する結晶化ガラス層Cが設けられた側の面から観察した場合も、結晶化ガラス層Bが設けられた側の面から観察した場合と同様の模様が確認された。なお、結晶化ガラス層Bと結晶化ガラス層Cとの界面に沿った部分には、この界面と直交する方向に筋が伸びた縞模様が観察された。
さらに、結晶化ガラス層Bの断面を肉眼で観察したところ、亀裂は発生していなかった。さらに断面を結晶化ガラス層Bの厚み方向に対して走査型電子顕微鏡で観察したところ、厚み方向全てにおいて結晶が析出していることが確認され、結晶化ガラス層Bはその中心部まで結晶化していることが判った。この結果は、結晶化ガラス層Cについても同様であった。
まず質量%でSiO2 65.1%、Al2O3 6.6%、CaO 12.0%、Na2O 3.3%、K2O 2.3%、BaO 4.1%、ZnO 6.6%の組成を有するように調合したガラス原料を1500℃で16時間溶融した。次いでこの溶融ガラスを水中で急冷して破砕し、乾燥後、分級し、粒径1〜3mmの結晶性ガラス小体を得た。この結晶性ガラス小体は、熱処理すると主結晶としてβ−ウォラストナイトを析出し、30〜380℃における熱膨張係数が65×10-7/℃の白色の結晶化ガラスとなる結晶性ガラスである。
その後、1時間に240℃の速度で昇温し、1100℃で1時間保持した後、室温まで約5時間かけて冷却することによって、複数個の結晶性ガラス小体が融着しながら結晶を析出してなる結晶化ガラス層Aの上に複数の棒状の結晶性ガラス板Bが融着しながら結晶を析出してなる結晶化ガラス層Bが形成された結晶化ガラス物品を得た。
さらに、結晶化ガラス層Bの断面を肉眼で観察したところ、亀裂は発生していなかった。さらに断面を結晶化ガラス層Bの厚み方向に対して走査型電子顕微鏡で観察したところ、厚み方向全てにおいて結晶が析出していることが確認され、結晶化ガラス層Bはその中心部まで結晶化していることが判った。
まず質量%でSiO2 65.1%、Al2O3 6.6%、CaO 12.0%、Na2O 3.3%、K2O 2.3%、BaO 4.1%、ZnO 6.6%の組成を有するように調合したガラス原料を1500℃で16時間溶融した。次いでこの溶融ガラスを水中で急冷して破砕し、乾燥後、分級し、粒径1〜3mmの結晶性ガラス小体を得た。この結晶性ガラス小体は、熱処理すると主結晶としてβ−ウォラストナイトを析出し、30〜380℃における熱膨張係数が65×10-7/℃の白色の結晶化ガラスとなる結晶性ガラスである。
その後、1時間に240℃の速度で昇温し、1100℃で1時間保持した後、室温まで約5時間かけて冷却することによって、複数個の結晶性ガラス小体が融着しながら結晶を析出してなる結晶化ガラス層Aの上に積層された2枚の結晶性ガラス板Bが融着しながら結晶を析出してなる結晶化ガラス層Bが形成された結晶化ガラス物品を得た。
さらに、結晶化ガラス層Bの断面を肉眼で観察したところ、亀裂は発生していなかった。さらに断面を結晶化ガラス層Bの厚み方向に対して走査型電子顕微鏡で観察したところ、厚み方向全てにおいて結晶が析出していることが確認され、結晶化ガラス層Bはその中心部まで結晶化していることが判った。
まず質量%でSiO2 65.1%、Al2O3 6.6%、CaO 12.0%、Na2O 3.3%、K2O 2.3%、BaO 4.1%、ZnO 6.6%の組成を有するように調合したガラス原料を1500℃で16時間溶融した。次いでこの溶融ガラスを水中で急冷して破砕し、乾燥後、分級し、粒径1〜3mmの結晶性ガラス小体を得た。この結晶性ガラス小体は、熱処理すると主結晶としてβ−ウォラストナイトを析出し、30〜380℃における熱膨張係数が65×10-7/℃の白色の結晶化ガラスとなる結晶性ガラスである。
その後、1時間に120℃の速度で昇温し、1100℃で2時間保持した後、室温まで約5時間かけて冷却することによって、複数個の結晶性ガラス小体が融着しながら結晶を析出してなる結晶化ガラス層Aの上に結晶性ガラス板Bが融着しながら結晶を析出してなる結晶化ガラス層Bが形成された結晶化ガラス物品を得た。
なお、結晶化ガラス層Bが透明感がなくて白色を呈しているのは、熱処理した際に結晶性ガラス板Bの表面から内部側へと結晶が成長するのではなく、結晶性ガラス板B中の位置を問わず同時に結晶が成長するためである。また、上記結晶性ガラス小体のみを用いてほぼ同様の熱処理条件にて集積法により作製した結晶化ガラス物品を観察すると天然大理石模様が現出していた。このことから、結晶化ガラス層Bが、透明または半透明であったならば、天然大理石模様が確認できたものと推定される。
また、結晶化ガラス層Aと結晶化ガラス層Bとを各々別々にX線回折により測定した結果、結晶化ガラス層Aには主結晶としてβ−ウォラストナイトが析出しており、結晶化ガラス層Bには主結晶としてフォルステライトが析出していた。
まず質量%でSiO2 65.1%、Al2O3 6.6%、CaO 12.0%、Na2O 3.3%、K2O 2.3%、BaO 4.1%、ZnO 6.6%の組成を有するように調合したガラス原料を1500℃で16時間溶融した。次いでこの溶融ガラスを水中で急冷して破砕し、乾燥後、分級し、粒径1〜3mmの結晶性ガラス小体を得た。この結晶性ガラス小体は、熱処理すると主結晶としてβ−ウォラストナイトを析出し、30〜380℃における熱膨張係数が65×10-7/℃の白色の結晶化ガラスとなる結晶性ガラスである。
なお、ロールアウト法によって得られた結晶性ガラス板は、結晶化ガラス層Bの形成の他に、結晶化ガラス層Cの形成にも利用するため、各々の層のサイズに合わせて切断し、形状の異なる2種類の結晶性ガラス板を得た。
なお、上記2枚の結晶性ガラス板は、耐火物型枠よりも一回り小さいサイズのものを用い、結晶性ガラス板の4辺各々と、耐火物型枠の側壁面との距離が2mmとなるように結晶性ガラス小体からなる層上下面にそれぞれ配置した。
続いて、結晶性ガラス小体層と結晶性ガラス板とを積層してなる積層体と、耐火物型枠の側壁面との間に、厚みが2mmの結晶性ガラス板を板厚方向が耐火物型枠の底面と平行となるように押し込んで、図2に示すように、積層体の端面と耐火物型枠の側壁面との間に結晶性ガラス板を配置した。なお、この結晶性ガラス板は、積層体の端面全周に密接するように配置した。
その後、1時間に120℃の速度で昇温し、1050℃で2時間保持した後、室温まで約5時間かけて冷却することによって、結晶性ガラス板が融着しながら結晶を析出してなる第1の結晶化ガラス層Bの上に複数個の結晶性ガラス小体が融着しながら結晶を析出してなる結晶化ガラス層Aが形成され、この結晶化ガラス層Aの上に結晶性ガラス板が融着しながら結晶を析出してなる第2の結晶化ガラス層Bが形成され、更に、結晶化ガラス層Aの両面に第1および第2の結晶化ガラス層Bが設けられてなる積層体部分の端面全周に結晶性ガラス板Cが融着しながら結晶を析出してなる結晶化ガラス層Cが形成された結晶化ガラス物品を得た。
なお、結晶化ガラス層Bや結晶化ガラス層Cは透明感がなくて白色を呈しているのは、熱処理した際に結晶性ガラス板Bや結晶性ガラス板Cの表面から内部側へと結晶が成長するのではなく、結晶性ガラス板Bや結晶性ガラス板C中の位置を問わず同時に結晶が成長するためである。また、上記結晶性ガラス小体のみを用いてほぼ同様の熱処理条件にて集積法により作製した結晶化ガラス物品を観察すると天然大理石模様が現出していた。このことから、結晶化ガラス層Bや結晶化ガラス層Cが、透明または半透明であったならば、天然大理石模様が確認できたものと推定される。
また、結晶化ガラス層A、結晶化ガラス層Bおよび結晶化ガラス層Cを各々別々にX線回折により測定した結果、結晶化ガラス層Aには主結晶としてβ−ウォラストナイトが析出しており、結晶化ガラス層Bおよび結晶化ガラス層Cには主結晶としてフォルステライトが析出していた。
実施例3で用いた結晶性ガラス小体を離型剤を塗布した耐火物型枠内に層状となるように集積した。集積した結晶性ガラス小体の厚みは約18mm程度であった。集積した結晶性ガラス小体からなる層の表面を平らにした。
その後、1時間に120℃の速度で昇温し、1100℃で2時間保持した後、室温まで約5時間かけて冷却することによって、複数個の結晶性ガラス小体が融着しながら結晶を析出してなる結晶化ガラス層のみからなる結晶化ガラス物品を得た。
実施例1で用いた結晶性ガラス板作製用のガラス原料を1500℃で16時間溶融した。次いでこの溶融ガラスをロールアウト法によって板状に成形し、10mmの厚みを有する結晶性ガラス板を得た。この結晶性ガラス板は、熱処理すると主結晶としてβ−ウォラストナイトを析出し、30〜380℃における熱膨張係数が65×10-7/℃の白色の結晶化ガラスとなる結晶性ガラスである。
このようにして得られた結晶化ガラス物品は約10mmの厚みを有していた。次に、結晶化ガラス物品の両面を軽く研磨した後、結晶化ガラス物品の表面を観察したところ、天然大理石様が確認できた。また、結晶化ガラス物品をX線回折により測定した結果、主結晶としてβ−ウォラストナイトが析出していた。
12 結晶性ガラス小体層
14、14A、14B 結晶性ガラス板B
16 結晶性ガラス板C
20、20A、20B、20C 積層体
100 結晶化ガラス物品
110 結晶化ガラスマトリックス
120 結晶化しなかったガラスマトリックス
130 亀裂
Claims (4)
- 複数個の結晶性ガラス小体を互いに融着させると共に結晶化させた結晶化ガラス層Aと、
該結晶化ガラス層Aの少なくとも片面に融着した状態で設けられ且つ結晶性ガラス板Bをその中心部まで結晶化させた結晶化ガラス層Bと、を含み、
前記結晶化ガラス層Aが、主結晶としてβ−ウォラストナイトおよびディオプサイドから選択される少なくとも1種の結晶を含み、
前記結晶化ガラス層Bが、主結晶としてβ−ウォラストナイトおよびディオプサイドから選択される少なくとも1種の結晶を含むと共に、その厚みが6mm以下であることを特徴とする模様付き結晶化ガラス物品。 - 前記結晶化ガラス層Bが、前記結晶化ガラス層Aの両面に融着した状態で設けられていることを特徴とする請求項1に記載の模様付き結晶化ガラス物品。
- 前記結晶化ガラス層Aの30度〜380度における熱膨張係数と、前記結晶化ガラス層Bの30度〜380度における熱膨張係数と、の差の絶対値が、0〜10×10-7/℃の範囲内であることを特徴とする請求項1又は2に記載の模様付き結晶化ガラス物品。
- 1)複数個の結晶性ガラス小体を層状に集積した結晶性ガラス小体層と、該結晶性ガラス小体層表面に重ねて配置された結晶性ガラス板Bとを有する積層体、
2)結晶性ガラス板Bと、該結晶性ガラス板B表面に複数個の結晶性ガラス小体を層状に集積した結晶性ガラス小体層とを有する積層体、および、
3)第1の結晶性ガラス板Bと、該第1の結晶性ガラス板B表面に複数個の結晶性ガラス小体を層状に集積した結晶性ガラス小体層と、該結晶性ガラス小体層表面に重ねて配置された第2の結晶性ガラス板Bとを有する積層体、
からなる群より選択される少なくともいずれかの積層体を熱処理する熱処理工程を少なくとも含み、
前記熱処理工程において、前記結晶性ガラス小体同士および前記結晶性ガラス小体層と前記結晶性ガラス板Bとを互いに融着させると共に、前記結晶性ガラス小体および前記結晶性ガラス板Bを結晶化させることにより、
前記結晶性ガラス小体層中に、主結晶としてβ−ウォラストナイトおよびディオプサイドから選択される少なくとも1種の結晶を析出させ、且つ、前記結晶性ガラス板B中に、主結晶としてβ−ウォラストナイトおよびディオプサイドから選択される少なくとも1種の結晶を前記結晶性ガラス板Bの中心部にまで析出させることを特徴とする模様付き結晶化ガラス物品の製造方法。
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