JP2012201552A - 結晶化ガラス物品及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】一体感があり、漏水を生じるような隙間がなく、角張った屈曲角部にも施工可能であり、更なる軽量化を図ることができる結晶化ガラス物品とその製造方法を提供する。
【解決手段】結晶化ガラス物品10は、互いに融着した複数のガラス小領域同士の界面から内部に向けて針状結晶が析出した結晶化ガラスよりなる第一焼結体11と、同様な結晶化ガラスよりなる第二焼結体12と、を備え、第一焼結体11が、第二焼結体12の一の面の一部に融着一体化されてなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、建築物の内外装材及び装飾材などに好適な結晶化ガラス物品とその製造方法に関する。
近年、建築物の内外装材及び装飾材などに、大理石等の代わりに、光沢がよく、寸法の自由度が高い天然大理石様結晶化ガラスの壁材が使用されている。
例えば、特許文献1には、天然大理石様結晶化ガラスが開示されており、特許文献2には、非晶質ガラスと天然大理石様結晶化ガラスとが積層されてなる模様入り結晶化ガラス物品が開示されている。
従来、結晶化ガラス製の壁材を使用して建築物の壁面を構成する場合、建築物の角部においては、平板の壁材同士をつき合わせて貼り付けたり(特許文献3)、平板壁材を円弧状に曲げ加工した湾曲壁材(特許文献4、5)を貼り付けたりしている。
しかしながら、従来の結晶化ガラス製壁材を使用した場合、壁面の角部において、壁材が不連続になって一体感がなく、また、壁材同士のつき合わせ部分に漏水が生じるおそれがある難点があった。また、角張った角部には、湾曲加工品を使用することができない難点があった。また、これら結晶化ガラス製壁材には更なる軽量化が求められていた。
特開2009−073726号公報 特開2009−173526号公報 特開昭63−107832号公報 特開平5−116973号公報 特開2000−327349号公報
本発明は、従来の結晶化ガラス製壁材に上記のような難点があったことに鑑みて為されたもので、一体感があり、漏水を生じるような隙間がなく、角張った屈曲角部にも施工可能であり、更なる軽量化を図ることができる結晶化ガラス物品とその製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、互いに融着した複数のガラス小領域同士の界面から内部に向けて針状結晶が析出した結晶化ガラスよりなる第一焼結体と、互いに融着した複数のガラス小領域同士の界面から内部に向けて針状結晶が析出した結晶化ガラスよりなる第二焼結体とを備え、
前記第一焼結体が、前記第二焼結体の一の面の一部に融着一体化されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記第一焼結体の一部が、前記第二焼結体の一の面の一部に埋設されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記第一焼結体及び前記第二焼結体が平板形状を成し、該第一焼結体の平板面と該第二焼結体の平板面とが垂直を成していることを特徴とする。
また、本発明は、前記第一焼結体の端部が、前記第二焼結体の端部に融着一体化されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記結晶化ガラスが、質量%でSiO 45〜75%、Al 1〜15%、CaO 5〜25%、ZnO 0〜15%、BaO 0〜15%、MgO 0〜2%、SrO 0〜2%、KO 0〜5%、NaO 0.5〜10%、B 0.05〜5%、LiO 0〜2%、Sb 0〜1%、As 0〜1%の組成を含有し、主結晶としてβ−ウォラストナイトが析出するものであることを特徴とする。
また、本発明は、耐火性の型枠内に、互いに融着した複数のガラス小領域同士の界面から内部に向けて針状結晶が析出した結晶化ガラスよりなる第一焼結体を、その融着予定部分を露出させ、他の部分を耐火物で覆った状態で配置し、軟化点より高い温度で熱処理すると軟化変形しながら表面から内部に向かって針状結晶が析出する性質を有する複数の結晶性ガラス小体を、該融着予定部分に接触させた状態で該型枠内に集積する集積工程と、
前記結晶性ガラス小体同士を融着させつつ針状結晶を析出させることにより前記第一焼結体を融着一体化させる熱処理工程と、を有することを特徴とする。
また、本発明は、前記集積工程において、前記第一焼結体の融着予定部分を前記耐火物から突出させることを特徴とする。
また、本発明は、前記結晶性ガラス小体が、着色剤として、遷移金属酸化物であるCoO、Co、NiO、Fe、MnO、SnO、ZrOの何れかの無機顔料を含むことを特徴とする。
本発明に係る結晶化ガラス物品によれば、第一焼結体と第二焼結体とが融着一体化されているため、一体感があり、漏水を生じるような隙間がなく、角張った屈曲角部にも施工でき、更なる軽量化を図ることができる。
また、本発明に係る結晶化ガラス物品の製造方法は、上記結晶化ガラス物品を効率良く製造することが可能となる。
第一実施形態の結晶化ガラス物品の全体斜視図である。 第一実施形態の結晶化ガラス物品の製造方法を説明する概略断面図である。 本発明に係る結晶化ガラス物品の製造方法の他の実施形態を説明する概略断面図である。 第二実施形態の結晶化ガラス物品の全体斜視図である。 第二実施形態の結晶化ガラス物品の製造方法を説明する概略断面図である。
「第一実施形態」
第一実施形態の結晶化ガラス物品10は、図1に示すように、第一焼結体11と第二焼結体12とが融着一体化されて構成されている。第一焼結体11及び第二焼結体12は、平板形状を成しており、第一焼結体11の端部11aが、第二焼結体12の一の平板面12aの端部12bに融着一体化されている。そして、結晶化ガラス物品10の意匠面となる第一焼結体11の一の平板面11bと、同じく意匠面となる第二焼結体12の他の平板面12cとは垂直を成している。つまり、結晶化ガラス物品10は、平板形状の第一焼結体11が、平板形状の第二焼結体12の一の平板面12aの端部12bにおいて第二焼結体12の厚み方向へ突出して横断面L字形状に形成されている。
第一焼結体11は、複数のガラス小領域が互いに融着し、ガラス小領域同士の界面から内部に向けて主結晶として針状のβ−ウォラストナイトが析出した結晶化ガラスにより構成されている。主結晶としてディオプサイドの針状結晶がガラス小領域同士の界面から内部に向けて析出した結晶化ガラスにより第一焼結体11を構成してもよい。
第二焼結体12もまた、複数のガラス小領域が互いに融着し、ガラス小領域同士の界面から内部に向けて主結晶として針状のβ−ウォラストナイトが析出した結晶化ガラスにより構成されている。第二焼結体12は、第一焼結体11と同じ結晶化ガラスや基本的なガラス成分が同じか類似の成分で構成される結晶化ガラスであればよく、融着一体化された接合面に接合強度を下げる割れが生じないものであればよい。また、意匠面のデザインを考慮して模様違いの結晶化ガラス、色違いの結晶化ガラス等で構成されていてもよい。
このように第一実施形態の結晶化ガラス物品10は、第一焼結体11と第二焼結体12とが融着一体化されており、結晶化ガラス物品10の意匠面となる第二焼結体12の平板面12cの端縁部から直角方向に第一焼結体11の平板面11bが隙間なく延在しているので、例えば建築物の角張った屈曲角部において見栄えが不連続になることもなく、漏水を生じるおそれもなくなる。
本発明に係る結晶化ガラス物品において、結晶化ガラスは、質量%でSiO 45〜75%、Al 1〜15%、CaO 5〜25%、ZnO 0〜15%、BaO 0〜15%、MgO 0〜2%、SrO 0〜2%、KO 0〜5%、NaO 0.5〜10%、B 0.05〜5%、LiO 0〜2%、Sb 0〜1%、As 0〜1%の組成を含有し、主結晶としてβ−ウォラストナイトを析出するものであることが、大理石様の外観及び十分な強度を実現する上で好ましい。
結晶化ガラスの各成分の含有量を限定した理由を以下に述べる。
SiOは、表面から内部に向かって針状結晶として析出するβ−ウォラストナイトの成分であり、SiOの含有量が75%より高いとガラスの溶融温度が高くなるとともに、粘度が増大して熱処理時の流動性が悪くなる傾向になる。一方、45%より少ないと成型時の失透性が強くなる傾向になる。SiOの含有量は45〜75%であることが好ましい。
Alは、失透を抑制する成分であり、その含有量が15%より多いとガラスの溶解性が悪くなるとともに異種結晶(例えば、アノーサイト)が析出し熱処理時の流動性が悪くなる傾向になる。一方、Alが1%より少ないと失透性が強くなり化学的耐久性も低下する傾向になる。Alの含有量は1〜15%であることが好ましい。
CaOは、β−ウォラストナイトの成分であり、その含有量が25%よりも多いと失透性が強くなり成形が困難となる傾向になり、また、β−ウォラストナイト結晶の析出量が多くなり過ぎて所望の表面平滑性が得難くなる。一方、CaOが5%より少ないとβ−ウォラストナイトの析出量が少なくなり過ぎて機械的強度が低下する傾向になる。CaOの含有量は9〜11%であることが好ましい。
ZnOは、結晶化時のガラスの流動性を促進するために添加する成分である。ZnOの含有量が15%より多いとβ−ウォラストナイト結晶が析出し難くなる傾向になる。ZnOの含有量は0〜15%であることが好ましい。
BaOも、ZnOと同様、ガラスの流動性を促進する効果を示す成分である。BaOが15%より多いとβ−ウォラストナイト結晶の析出量が少なくなる傾向になる。BaOの含有量は0〜15%であることが好ましい。
MgO及びSrOも、ZnOと同様、ガラスの流動性を促進する効果を示す成分である。含有量が2%より多いと異種結晶が析出し、所望の平滑性が得難い傾向になる。MgO及びSrOの含有量は0〜2%であることが好ましい。
NaOは、結晶性ガラスの粘性を低下させるアルカリ成分であり、その含有量が10%よりも多いと科学的耐久性が悪くなり、かつ膨張係数が高くなる傾向になり、好ましくない。0.5%より少ないとガラスの粘性が増大して溶解性や流動性が悪くなる傾向になる。NaOの含有量は、0.5〜10%であることが好ましい。
Oは、結晶性ガラスの粘性を低下させるアルカリ成分であり、その含有量が5%より多いと化学的耐久性が低下する傾向になる。KOの含有量は0〜5%であることが好ましい。
は、結晶化ガラスの熱膨張係数を変化させずに結晶性ガラスの粘性を低下させる成分であり、その含有量が0.05%より少ないと、ガラスの流動性が悪くなり、表面平滑性が得られない傾向になる。一方、Bが5%より多いと異種結晶が析出し、所望の特性が得られなくなる傾向になる。Bの含有量は0.2〜0.4%であることが好ましい。
LiOは、結晶化速度を速める効果と流動性を促進する効果を示す成分であり、その含有量が2%を超えると、化学的耐久性が低下し、粘性が低下し過ぎるために発泡し易くなるだけでなく、膨張係数が高くなる傾向になり、好ましくない。LiOの含有量は、0〜2%であることが好ましい。
Sb及びAsは、清澄剤として機能する成分であるが、その含有量が1%を超えることは環境衛生上好ましくない。Sb及びAsの含有量は0〜1%であることが好ましい。
次に、本実施形態の結晶化ガラス物品10の製造方法について説明する。
まず、従来公知の集積法によって、互いに融着した複数のガラス小領域同士の界面から内部に向けて針状結晶が析出した結晶化ガラスよりなる平板状の第一焼結体11を作製する。
次いで、図2に示すように、耐火性の型枠2内に、第一焼結体11をその融着予定部分11cを露出させ、他の部分を耐火物3及び型枠2の内壁で覆った状態で配置する。そして、軟化点より高い温度で熱処理すると軟化変形しながら表面から内部に向かって針状結晶が析出する性質を有する複数の結晶性ガラス小体Aを、第一焼結体11の融着予定部分11cに接触させた状態で型枠2内に集積する。型枠2の内面及び耐火物3には予め、離型剤として、アルミナ粉が塗布され、アルミナペーパが敷かれている。
そして、熱処理工程として、型枠2ごと加熱炉に入れて加熱し、結晶性ガラス小体A同士を融着させつつ針状結晶を析出させることにより、平板形状の第二焼結体12を形成しつつ第一焼結体11を融着一体化させる。こうして本実施形態の結晶化ガラス物品10が製造される。
本発明に係る結晶化ガラス物品の製造方法において、第一焼結体11の融着予定部分11cは、第二焼結体12と融着一体化されたとき十分な接合強度を実現できる寸法、清浄度であればよい。また、第一焼結体11の他の部分を保護する耐火物3としては、ムライト製、ムライト・コージエライト製の耐熱結晶化ガラス等の熱処理温度に耐え得るものであれば使用可能である。耐火物3の形状は、厚板状、角棒状等、第一焼結体11の形状に合ったものを、単体又は組み合わせて用いればよい。
また、図3に示すように、集積工程において、第一焼結体11の融着予定部分11cを耐火物4から突出させてもよい。このことで、結晶化ガラス物品において、第一焼結体11の端部11aを第二焼結体12の一の平板面12aに埋設して融着一体化させることができ、第一焼結体11と第二焼結体12との接合強度を向上させることができる。
また、本発明に係る結晶化ガラス物品の製造方法において、着色剤として、遷移金属酸化物のCoO、Co、NiO、Fe、MnO、SnO、ZrOの何れかの無機顔料を含むガラス小体と、先に焼結した第一焼結体11とを融着一体化させることが、第二焼結体12と熱履歴が異なる第一焼結体11との色調を容易に調整することができ、意匠面の色調を調整できる点で好ましい。
本発明では、着色剤が、遷移金属酸化物のCoO、Co、NiO、Fe、MnO、SnO、ZrOの何れかを含む無機顔料よりなることが、ガラスの流動性を阻害しない点で好ましい。この着色剤が、CoO、又はCoの場合、青色を呈し、NiOの場合、黄土色を呈し、Feの場合、赤褐色を呈し、MnOの場合、乳白色を呈し、SnOの場合、ピンク色を呈し、ZrOの場合、白色を呈するものになる。また、これらの着色剤を組み合わせることで、様々な色を呈する結晶化ガラス物品を得ることができる。さらに、他の酸化物着色剤と組み合わせて用いると、多くの彩色が可能となる。
「第二実施形態」
第二実施形態の結晶化ガラス物品20は、図4に示すように、複数の第一焼結体21と一つの第二焼結体22とが融着一体化されて構成されている。第一焼結体21は角棒形状を成し、第二焼結体22は平板形状を成しており、複数の第一焼結体21の各端部21aが互いに所定間隔をあけて、平板形状の第二焼結体22の一の平板面22aに融着一体化されている。そして、結晶化ガラス物品20の意匠面となる第二焼結体22の他の平板面22bと各第一焼結体21の平板面とは垂直を成している。つまり、結晶化ガラス物品20は、複数の角棒形状の第一焼結体21が、平板形状の第二焼結体22の一の平板面22aにおいて第二焼結体22の厚み方向へ突出して横断面櫛型に形成されている。
このように第二実施形態の結晶化ガラス物品20は、第二焼結体22の一の平板面22aに複数の第一焼結体21がリブ状に融着一体化されているので、結晶化ガラス物品20全体の軽量化を図りながら強度を向上させることができる。
次に、第二実施形態の結晶化ガラス物品20の製造方法について説明する。
まず、従来公知の集積法によって、互いに融着した複数のガラス小領域同士の界面から内部に向けて針状結晶が析出した結晶化ガラスよりなる複数の角棒状の第一焼結体21を準備する。
次いで、図5に示すように、耐火性の型枠5内に、複数の第一焼結体21を、各融着予定部分21bを露出させ、他の部分を複数の耐火物6及び型枠5の内壁で覆った状態で配置する。そして、軟化点より高い温度で熱処理すると軟化変形しながら表面から内部に向かって針状結晶が析出する性質を有する複数の結晶性ガラス小体Aを、各第一焼結体21の融着予定部分21bに接触させた状態で型枠5内に集積する。型枠5の内面及び耐火物6には予め、離型剤として、アルミナ粉が塗布され、アルミナペーパが敷かれている。
そして、熱処理工程として、型枠5ごと加熱炉に入れて加熱し、結晶性ガラス小体A同士を融着させつつ針状結晶を析出させることにより、平板形状の第二焼結体22を形成しつつ複数の第一焼結体21を融着一体化させる。こうして第二実施形態の結晶化ガラス物品20が製造される。
以上、本実施形態の結晶化ガラス物品とその製造方法について説明したが、本発明はその他の形態でも実施することができる。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内で、当業者の知識に基づいて種々の改良、修正、変形を加えた態様で実施し得るものである。また、同一の作用又は効果が生じる範囲内でいずれかの発明特定事項を他の技術に置換した形態で実施してもよく、また、一体に構成されている発明特定事項を複数の部材から構成してもよく、複数の部材から構成されている発明特定事項を一体に構成した形態で実施してもよい。
第一実施形態の結晶化ガラス物品10の実施例について、図1及び図2を参照しながら説明する。
まず、質量%でSiO 60%、Al 6.5%、B 0.5%、CaO 10%、ZnO 6.5%、BaO 11%、NaO 3%、KO 2%、Sb 0.5%の組成となるように調合したガラス原料混合物を1400〜1500℃で16時間溶融した。次いで、公知の水砕法により粒径5mm以下の結晶性ガラス小体Aを作製した。この結晶性ガラス小体Aは、軟化点(約800℃)より高い温度で熱処理すると、軟化変形しながらβ−ウォラストナイトを主結晶として析出し、結晶化度が約15%、厚さ1mmにおける平均透過率が50%の乳白色の透光性を有する結晶化ガラスとなるものである。
次いで、結晶性ガラス小体Aを焼成後の厚みで15mmになるように重量を秤量し、アルミナ粉が塗布されたムライト製の型枠内に集積した後、1090℃で2時間熱処理し、厚み15mmの平板状の白色の結晶化ガラスを得た。この結晶化ガラスの平板を幅100mmに切断して第一焼結体11を得た。
この第一焼結体11を、図2に示すように、アルミナペーパが敷き詰められた耐火物よりなる型枠2の内壁に沿って垂直に立て、ムライト製の耐火物3で挟んで融着予定部分11cを清浄にしてその上に結晶性ガラス小体Aを敷き詰めた。
そして、型枠2ごと焼成炉に入れて、約1100℃で焼成すると、結晶性ガラス小体Aと第一焼結体11が融着一体化してL型の結晶化ガラス物品10が得られた。
得られたL型の結晶化ガラス物品10は、図1に示すように、意匠面となる第二焼結体12の平板面12cの端縁部から直角方向に延在する第一焼結体11の平板面11bとによって、所謂「ピン角」と呼ばれる角張ったコーナー部分が形成されており、かつ、コーナー部分の白色度及び色座標の色調に殆ど差異がなくその外観が連続しているものであった。また、L型の結晶化ガラス物品10の第二焼結体12部分を固定し、第一焼結体11の先端部に荷重を加えた固定部分の曲げ強度は、250kg/cmと、壁面を構成するための建材として十分な実用強度を有するものであった。
比較例として、第一焼結体11を配置する代わりに、結晶性ガラス小体AのみをL型に集積して結晶化ガラス物品を焼成した。この場合、第一焼結体11の相当部位に充填した結晶性ガラス物品Aが互いに融着して隙間がなくなって収縮し、結晶化ガラス物品のL型の角部が直角にならず鈍角になった。これは、型枠2内において、結晶性ガラス小体Aの集積深さが、耐火物3が配置された部分と他の部分とで大きく異なることになるため、熱処理時に結晶性ガラス小体Aの嵩の減り方が大きく異なるからである。
第二実施形態の結晶化ガラス物品20の実施例について、図4及び図5を参照しながら説明する。
まず、上述した実施例1で用いた結晶性ガラス小体Aを焼成後の厚みで15mmになるように重量を秤量し、アルミナ粉が塗布されたムライト製の型枠内に集積した後、1090℃で2時間熱処理し、厚み15mmの平板状の白色の結晶化ガラスを得た。この結晶化ガラスの平板を幅15mmに切断して複数の第一焼結体21を得た。
図5に示すように、6つの第一焼結体21を、アルミナペーパが敷き詰められた耐火物よりなる型枠5に垂直に立て、ムライト製の耐火物6で挟んで融着予定部分21bを清浄にしてその上に結晶性ガラス小体Aを敷き詰めた。
そして、型枠5ごと焼成炉に入れて、約1100℃で焼成すると、結晶性ガラス小体Aと第一焼結体11が融着一体化して断面櫛型の結晶化ガラス物品20が得られた。
得られた櫛型の結晶化ガラス物品20は、図4に示すように、意匠面となる第二焼結体22の平板面22bに対して各第一焼結体21の平板面が垂直を成していた。また、櫛型の結晶化ガラス物品20の第二焼結体22部分を固定し、第一焼結体21の先端部に荷重を加えた固定部分の曲げ強度は、250kg/cm以上となり、壁面を構成するための建材として十分な実用強度を有するものであった。
本発明によれば、建築用に好適な結晶化ガラス物品を製造することができる。
10、20 結晶化ガラス物品
11、21 第一焼結体
11a、21a 端部
11b 平板面
11c、21b 融着予定部分
12、22 第二焼結体
12a、22a 平板面
12b 端部
12c、22b 平板面
2、5 型枠
3、4、6 耐火物
A 結晶性ガラス小体

Claims (8)

  1. 互いに融着した複数のガラス小領域同士の界面から内部に向けて針状結晶が析出した結晶化ガラスよりなる第一焼結体と、互いに融着した複数のガラス小領域同士の界面から内部に向けて針状結晶が析出した結晶化ガラスよりなる第二焼結体と、を備え、
    前記第一焼結体が、前記第二焼結体の一の面の一部に融着一体化されていることを特徴とする結晶化ガラス物品。
  2. 前記第一焼結体の一部が、前記第二焼結体の一の面の一部に埋設されていることを特徴とする請求項1に記載の結晶化ガラス物品。
  3. 前記第一焼結体及び前記第二焼結体が平板形状を成し、該第一焼結体の平板面と該第二焼結体の平板面とが垂直を成していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の結晶化ガラス物品。
  4. 前記第一焼結体の端部が、前記第二焼結体の端部に融着一体化されていることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の結晶化ガラス物品。
  5. 前記結晶化ガラスが、質量%でSiO 45〜75%、Al 1〜15%、CaO 5〜25%、ZnO 0〜15%、BaO 0〜15%、MgO 0〜2%、SrO 0〜2%、KO 0〜5%、NaO 0.5〜10%、B 0.05〜5%、LiO 0〜2%、Sb 0〜1%、As 0〜1%の組成を含有し、主結晶としてβ−ウォラストナイトが析出するものであることを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の結晶化ガラス物品。
  6. 耐火性の型枠内に、互いに融着した複数のガラス小領域同士の界面から内部に向けて針状結晶が析出した結晶化ガラスよりなる第一焼結体を、その融着予定部分を露出させ、他の部分を耐火物で覆った状態で配置し、軟化点より高い温度で熱処理すると軟化変形しながら表面から内部に向かって針状結晶が析出する性質を有する複数の結晶性ガラス小体を、該融着予定部分に接触させた状態で該型枠内に集積する集積工程と、
    前記結晶性ガラス小体同士を融着させつつ針状結晶を析出させることにより前記第一焼結体を融着一体化させる熱処理工程と、
    を有することを特徴とする結晶化ガラス物品の製造方法。
  7. 前記集積工程において、前記第一焼結体の融着予定部分を前記耐火物から突出させることを特徴とする請求項6に記載の結晶化ガラス物品の製造方法。
  8. 前記結晶性ガラス小体が、着色剤として、遷移金属酸化物であるCoO、Co、NiO、Fe、MnO、SnO、ZrOの何れかの無機顔料を含むことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の結晶化ガラス物品の製造方法。
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