JP2003246625A - 層状ガラス構造体及びその製造方法 - Google Patents

層状ガラス構造体及びその製造方法

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JP2003246625A
JP2003246625A JP2002048613A JP2002048613A JP2003246625A JP 2003246625 A JP2003246625 A JP 2003246625A JP 2002048613 A JP2002048613 A JP 2002048613A JP 2002048613 A JP2002048613 A JP 2002048613A JP 2003246625 A JP2003246625 A JP 2003246625A
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glass
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composition
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JP2002048613A
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Tomoyasu Ichiki
智康 一木
Koichi Hayashi
浩一 林
Makoto Hayakawa
信 早川
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Toto Ltd
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Toto Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B19/00Other methods of shaping glass
    • C03B19/06Other methods of shaping glass by sintering, e.g. by cold isostatic pressing of powders and subsequent sintering, by hot pressing of powders, by sintering slurries or dispersions not undergoing a liquid phase reaction
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C17/00Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating
    • C03C17/02Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with glass
    • C03C17/04Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with glass by fritting glass powder

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2層間に不純物が介在することなく、かつそ
れぞれの層として充分な厚さを確保しうる層状ガラス構
造体及びその製造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 分相組織を有するガラス構造物を、前記
分相組織を形成する2つの相のうちの融点が低い方の相
の融点より高い温度で焼成することを特徴とする層状ガ
ラス構造体の製造方法、好ましくは分相組織を有するガ
ラス構造物を粉砕して分相ガラス粉体を得、それを成形
した後に焼成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、層状ガラス構造体
及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラスの高機能化のための手法の1つと
して、特性の異なるガラスを複層化する手法がある。例
えば、波長選択透過性の異なる2種のガラスがあり、そ
の1方が耐久性に優れ、他方が赤外線吸収性の高けれ
ば、建築用ガラスとして極めて室内の冷暖房効率に優れ
た複層ガラスが得られるであろうし、その1方が耐久性
に優れ、他方が磁気シールド特性に極めて優れていれ
ば、乗物用ガラスとして外部からの電磁波の影響をキャ
ンセルし、計器類の誤動作を防止しうる複層ガラスが得
られると考えられる。このような複層ガラスの一般的な
作製方法としては、2枚の異なる特性を有するガラスを
接着剤により貼り合せる方法や、一方のガラス上に他方
のガラスを蒸着形成する方法等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、2枚の
異なる特性を有するガラスを接着剤により貼り合せる方
法では、その界面に接着剤等の不純物が挿入されるため
に、充分な特性が出ない場合がある。さらに、一方のガ
ラス上に他方のガラスを蒸着形成する方法では、蒸着で
きる膜厚がせいぜい1μm程度までであり、それ以上で
は時間がかかりすぎて現実的ではない。本発明は、上記
事情を鑑みて開発されたものであり、2層間に不純物が
介在することなく、かつそれぞれの層として充分な厚さ
を確保しうる層状ガラス構造体及びその製造方法を提供
することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明では、分相組織を
有するガラス構造物を、前記分相組織を形成する2つの
相のうちの融点が低い方の相の融点より高い温度で焼成
することを特徴とする層状ガラス構造体の製造方法を提
供する。
【0005】ここで、分相組織を有するガラスとは特定
の組成領域内において、高温で均質な状態にある融液が
液相線以下の温度まで過冷却された際、準安定不混和領
域において熱力学的要求に応じて2つの相に分かれて生
じる組織である。
【0006】本発明では、組成Xが不混和領域内で組成
Aと組成Bに分かれた分相組織を有するガラスを再度昇
温した。その結果、2層状のガラス構造体であって、一
方の層は前記分相組織のうちの融点が低い方の相の組成
からなる非晶質体であり、他方の層は前記分相組織のう
ちの融点が低い方の相の組成からなる非晶質体と前記分
相組織のうちの融点が高い方の相の組成からなる結晶質
体若しくは非晶質体との混合物からなることを特徴とす
る層状ガラス構造体を作製できることを見出した。
【0007】以下に、そのメカニズムを説明する。組成
Aの結晶化温度をTx(A)、融点をTm(A)、組成
Bの結晶化温度をTx(B)、融点をTm(B)とし、
組成Aが組成Bより低融点としたとき、一般的にTx
(A)<Tx(B)<Tm(A)<Tm(B)という関
係となる。このとき、この分相ガラスはTm(A)以下
の温度では組成A、Bともに固相、Tm(A)とTm
(B)の間の温度では組成Aは液相、組成Bは固相の固
液共存相、Tm(B)以上では組成A,Bともに液相の
状態になる。今、目的の形状にて作製された分相ガラス
を昇温してTm(A)以上になったとき、組成Aは固相
から液相となり一方組成Bは固相のままである。この状
態において液相が適度な粘性が得られかつ移動に十分な
時間が得られたとき、分相ガラスの表面エネルギーを小
さくする作用から、組成Aからなる液相が表面に移動し
広がることで層を形成し、表面に組成Aからなる層構造
を持つ被膜構造物を得ることができる。Tm(B)以上
に昇温した場合では、分相ガラス体内は組成A、組成B
ともに液相となるが、その融液の粘性差により同様に組
成Aからなる層を表面に形成することができるのであ
る。
【0008】このとき得られる層の厚みは表面に移動す
る液相量に依存し、それは各分相ガラスの組成に対して
焼成条件(温度、時間)、分相ガラスの分相形状、大き
さなどにより制御できる。またこのとき得られる被膜構
造物の母材は、取り残された組成Aからなる液相と、移
動が起こらない組成Bからなる固相もしくは液相の混合
体から形成され、結果として表面に形成される層と同じ
組成Aからなる非晶物もしく結晶物と組成Bからなる非
晶物もしく結晶物の混合体となる。
【0009】この手法は、特殊な装置を必要とせず一般
的な焼成工程において層の形成をするもので、分相ガラ
スの分相の大きさ、また焼成条件を制御することによ
り、幅広い層の厚みを持つ被膜構造物を得ることが可能
である。また、材料の自発的な機能による層形成である
ため、層と母材の界面の接合性も高く、層の剥離等の問
題は極めて起こりにくい。
【0010】また、本発明では、分相組織を有するガラ
ス構造物をガラスを粉砕して分相ガラス粉体を作製する
工程と、前記分相ガラス粉体を成形し分相ガラス粉体成
形体を作製する工程と、前記分相組織を形成する2つの
相のうちの融点が低い方の相の融点より高い温度で前記
分相ガラス粉末成形体を焼成する工程と、を含むことを
特徴とする層状ガラス構造体の製造方法を提供する。基
本的な層の構成プロセスは同じであるが、この工程を用
いることで、より自由度のある形状の構造物を得ること
ができ、かつ成形体内には分相ガラス粉体間に空間が存
在するため、Tm(A)以上の温度でより積極的に液相
の移動を制御することができる。
【0011】本発明では、請求項1又は2に記載の製造
方法にて作製される2層状のガラス構造体であって、一
方の層は前記分相組織のうちの融点が低い方の相の組成
からなる非晶質体であり、他方の層は前記分相組織のう
ちの融点が低い方の相の組成からなる非晶質体と前記分
相組織のうちの融点が高い方の相の組成からなる結晶質
体若しくは非晶質体との混合物からなることを特徴とす
る層状ガラス構造体を提供する。本作製方法によると、
一方の層の組成は前述した理由から、分相の2つの相の
うち融点が低い方の相の組成となる。分相ガラスからな
る構造物をTm(A)以上の温度で膜を形成した後、冷
却速度を制御することでその形成された膜を結晶質にし
たり非晶質にしたりと制御することが可能であるが、均
一な厚みの層を形成することができる点や、用途の一つ
として期待される防汚部材として作製する際にはその表
面が平滑であるのが望ましいため、非晶質で作製するこ
とが好ましい。他方の層は、前記分相の2つの相のうち
融点が低い方の相の組成からなる非晶質体と、融点が高
い方の相の組成からなる非晶質もしくは結晶質の混合
体、もしくは融点が高い方の相の組成からなる均一な非
晶質体もしくは結晶質体からなるようにする。前述の通
り、一方の層と同じ組成Aからなる非晶質もしくは結晶
質と組成Bからなる非晶質もしく結晶質の混合体、およ
び組成Bからなる非晶質もしく結晶質から構成すること
ができるが、このように一方の層とは違う構成の構造体
から他方の層を形成することで、表面に要求される機能
とは違う、例えば機械的強度の向上、着色、異なる光学
屈折率の付与などの機能を与えることができる。。
【0012】本発明の好ましい態様においては、被膜構
造物の表面に形成されている層の組成にNa、K、Li
などの1価のアルカリ金属を含むようにする。こうする
ことで、作製される被膜構造物を防汚部材として活用す
る際にその表面に存在するNa、K、Liなどの1価の
アルカリ金属による効果により、自浄作用を与えること
ができる。
【発明の実施の形態】
【0013】図1の実施態様の層状ガラス構造体を製造
する1つの方法は、ガラス原料を溶解し均一化した後、
図2に示すような凹型に流し込み、冷却速度を制御する
ことで目的とする形状、大きさの分相組織をもつ分相ガ
ラス体を作製し、この分相組織のうちの融点が低い方の
相の融点より高い温度で前記分相ガラス体を型に入れた
まま焼成する。また、凹型に流し込み得られた分相ガラ
ス体を型からはずし、平板状の型の上で焼成すること
で、図3に示すような側面にも層を持つ構造体を得るこ
ともできる。
【0014】図1の実施態様の層状ガラス構造体を製造
する他の方法は、ガラス原料を溶解し均一化した後、冷
却速度を制御することで目的とする形状、大きさの分相
組織をもつ分相ガラスを作製し、この分相ガラスを粉砕
し図2に示すような凹型にて成形し分相ガラス粉体成形
体を得る。その後、この分相組織のうちの融点が低い方
の相の融点より高い温度で分相ガラス粉末成形体を型に
入れたまま焼成する。また、凹型に成形して得られた分
相ガラス粉体成形体を型からはずし、平板状の型の上で
焼成することで、図3に示すような側面にも層を持つ構
造体を得ることもできる。
【0015】分相を形成させる他の方法として、ガラス
原料を溶解し均一化した後、対象とする構造物の形状に
て急冷し、再度液相線以下の温度にて熱処理する工程を
用いてもよい。また、目的とする分相の大きさ、不混和
領域での冷却速度を変えるもしくは液相線以下での熱処
理温度および時間を制御することで得ることができる。
【0016】前記ガラス粉体を成形して層状ガラス構造
体を作製する場合、その成形体の充填率を高くする方が
好ましい。これは、充填率が低い場合は構造体を緻密に
するための制御を考慮する必要があり、層の厚み等の制
御に支障を来すからである。
【0017】
【実施例】金属酸化物のモル比でSiO2:Li2O=
86:14になるように、SiO2粉、LiCO3粉を
100g秤量し、乳鉢にてよく混合した試料を白金るつ
ぼに入れ、電気炉内にて1650℃で1時間溶解した
後、金型に流し込み空冷にて20×10×5mmの分相
ガラス体を作製した。これをフッ酸にてエッチングして
走査型電子顕微鏡(JEOL、JSM−6340)にて
観察した。その結果を図4に示す。この分相ガラス体を
破砕、粉砕し示差熱分析(理学機器株式会社、Ther
mo Plus TG8120)をおこなった。その結
果、分相した2つのガラスのうち、融点が低い方のガラ
スは結晶化温度が500℃、融点が1030℃、融点が
高い方のガラスは結晶化温度が800℃、融点が155
0℃であることがわかった。この結果を基に、前記分相
ガラス体と同一条件で作製したものを電気炉にて110
0℃に昇温し1H熱処理を行い、空冷にて冷却を行っ
た。このようにして得られた試料の表面近傍の断面を実
体顕微鏡(Nikon、SMZ1500)にて観察をお
こなった。その結果を図5に示す。表面に約30μmの
ガラス層が形成され、内部が結晶質と非晶質の混合した
構造を持つものであることが観察された。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、2層間に不純物が介在
することなく、かつそれぞれの層として充分な厚さを確
保しうる層状ガラス構造体及びその製造方法を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の態様を示す図である。
【図2】 本発明の一実施の態様における一製造過程を
示した図である。
【図3】 本発明の他の実施の態様における一製造過程
を示した図である。
【図4】 本発明の実施例において作製された分相ガラ
スのSEM写真である。
【図5】 本発明の実施例において作製された試料の実
体顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 早川 信 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 Fターム(参考) 4G014 AH00 4G062 AA01 AA11 BB01 CC10 DA07 DB01 DC01 DD01 DE01 DF01 EA04 EB01 EC01 ED01 EE01 EF01 EG01 FA01 FA10 FB01 FC01 FD01 FE01 FF01 FG01 FH01 FJ01 FK01 FL01 GA01 GA10 GB01 GC01 GD01 GE01 HH01 HH03 HH05 HH07 HH09 HH11 HH13 HH15 HH17 HH20 JJ01 JJ03 JJ05 JJ07 JJ10 KK01 KK03 KK05 KK07 KK10 MM01 NN12 NN33 QQ01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分相組織を有するガラス構造物を、前記
    分相組織を形成する2つの相のうちの融点が低い方の相
    の融点より高い温度で焼成することを特徴とする層状ガ
    ラス構造体の製造方法。
  2. 【請求項2】 分相組織を有するガラス構造物をガラス
    を粉砕して分相ガラス粉体を作製する工程と、前記分相
    ガラス粉体を成形し分相ガラス粉体成形体を作製する工
    程と、前記分相組織を形成する2つの相のうちの融点が
    低い方の相の融点より高い温度で前記分相ガラス粉末成
    形体を焼成する工程と、を含むことを特徴とする層状ガ
    ラス構造体の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の製造方法にて作
    製される2層状のガラス構造体であって、一方の層は前
    記分相組織のうちの融点が低い方の相の組成からなる非
    晶質体であり、他方の層は前記分相組織のうちの融点が
    低い方の相の組成からなる非晶質体と前記分相組織のう
    ちの融点が高い方の相の組成からなる結晶質体若しくは
    非晶質体との混合物からなることを特徴とする層状ガラ
    ス構造体。
  4. 【請求項4】 前記分相組織のうちの融点が低い方の相
    の組成からなる非晶質体には、Na、K、Liなどの1
    価のアルカリ金属が含まれていることを特徴とする請求
    項3に記載の層状ガラス構造体。
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