JP2016036950A - 筆記具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 筆記芯の前端側を覆うホルダーを進退させるようにした筆記具において、該ホルダーが後退する際の作動音を緩和する。【解決手段】 軸筒10と、軸筒10の前側開口部11aに挿通されるとともに軸筒10の前端から前方へ突出するホルダー20と、ホルダー20の内周面に接して該ホルダー20に挿通されるとともに該ホルダー20の前端から前方へ突出するように支持された筆記芯30とを備え、ホルダー20を軸筒10に相対し進退させるようにした筆記具において、後退した際のホルダー20を受けて弾性変形する緩衝材33を設けた。【選択図】 図5

Description

本発明は、シャープペンシルや、ボールペン、サインペン、マーカーペン、修正ペン等、軸筒の前端から筆記部を突出させるようにした筆記具に関するものである。
従来、この種の発明には、特許文献1に記載されるもののように、軸筒(外軸1)と、該軸筒(外軸1)の前側開口部に挿通されるとともに該軸筒(外軸1)の前端から前方へ突出するホルダー(中軸2)と、該ホルダー(スライダー10)に挿通されるとともに該ホルダー(スライダー10)の前端から前方へ突出した筆記芯(芯ガイドパイプ5等)とを備えたシャープペンシルがある。
通常、前記のようなシャープペンシルでは、軸筒(外軸1)を適度な角度に傾けた状態で握られ、前方へ突出した鉛芯(芯20)が紙面に押し付けられて筆記が行われる。
このため、鉛芯(芯20)に対しては、軸方向の押圧力と、該軸方向に交差方向の押圧力が加わることになり、前記押圧力によって鉛芯(芯20)が折れてしまうおそれがある。
また、前記のようにして、ホルダーから突出した筆記芯(芯ガイドパイプ5等)の前側部分(鉛芯等)を損傷してしまうという問題は、シャープペンシルのみならず、ボールペン(特に先端チップが細長なニードルタイプのボールペン)や、サインペン、マーカーペン、修正ペン等についても起こり得ることである。
そこで、筆圧が大きすぎる場合に、前記ホルダーを前進させて該ホルダーによって前記筆記芯を保護し、通常の筆圧に戻った場合に前記ホルダーを後退させるような構造が提案されるが、このようにした構造では、後退する前記ホルダーが軸筒側の部材に当接して、耳障りな作動音を発生してしまうおそれがある。
また、上記従来技術では、不使用時にホルダー(中軸2)を軸筒(外軸1)内に没入する際に、耳障りな作動音を発生するおそれもある。
実公昭63−180283号公報
本発明は上記従来事情に鑑みてなされたものであり、その課題とする処は、筆記芯の前端側を覆うホルダーを進退させるようにした筆記具において、該ホルダーが後退する際の作動音を緩和することができる筆記具を提供することにある。
上記課題を解決するための一手段は、軸筒と、該軸筒の前側開口部に挿通されるとともに該軸筒の前端から前方へ突出するホルダーと、該ホルダーの内周面に接して該ホルダーに挿通されるとともに該ホルダーの前端から前方へ突出するように支持された筆記芯とを備え、前記ホルダーを前記軸筒に相対し進退させるようにした筆記具において、後退した際の前記ホルダーを受けて弾性変形する緩衝材を設けたことを特徴とする。
本発明は、以上のように構成されているので、筆記芯の前端側を覆うホルダーを進退させるようにした筆記具において、該ホルダーが後退する際の作動音を緩和することができる。
本発明に係る筆記具の一例を示す断面図である。 同筆記具の要部拡大斜視図である。 スライド筒の一例を示す半断面図である。 同スライド筒を前方から視た図である。 ホルダーから筆記芯を外した状態を示す半断面図である。 (a1)は図5における(a1)−(a1)線に沿う端面図、(a2)は図5における(a2)−(a2)線に沿う端面図である。 進退部材と軸筒との係合関係を示す平面図である。 同筆記具の前端側拡大断面図であり、(a)は通常の筆記状態を示し、(b)はホルダーが前進した状態を示す。なお、本図においては、(a)に対し移動した部分のみをハッチングして(b)に示している。 同筆記具について、ホルダーが前進した状態を示す全体断面図である。 同筆記具の要部断面図であり、(a)は通常状態を示し、(b)は筆記芯が後方へ押された状態を示す。なお、本図においては、(a)に対し移動した部分のみをハッチングして(b)に示している。 (a)〜(c)の各々にカム斜面の変形例を示す断面図である。 本発明に係る筆記具の他例を示す前端側拡大断面図であり、(a)は通常の筆記状態を示し、(b)はホルダーが前進した状態を示す。なお、本図においては、(a)に対し移動した部分のみをハッチングして(b)に示している。 本発明に係る筆記具の他例を示す要部断面図である。 本発明に係る筆記具の他例を示す要部断面図である。
本実施の形態の第一の特徴は、軸筒と、該軸筒の前側開口部に挿通されるとともに該軸筒の前端から前方へ突出するホルダーと、該ホルダーの内周面に接して該ホルダーに挿通されるとともに該ホルダーの前端から前方へ突出するように支持された筆記芯とを備え、前記ホルダーを前記軸筒に相対し進退させるようにした筆記具において、後退した際の前記ホルダーを受けて弾性変形する緩衝材を設けた。
この構成によれば、ホルダーが後退すると、該ホルダーは緩衝材に受けられ、該緩衝材が弾性変形する。よって、後退した際のホルダーが、軸筒側の部材に当接した際の作動音等を緩和することができる。
なお、前記「筆記芯」の具体例としては、鉛芯をホルダーに挿通して該ホルダーの前端から前方へ突出させるようにしたシャープペンシル用筆記芯(シャープペンシル用リフィールと呼称される場合もある)や、先端チップをホルダーに挿通して該ホルダーの前端から前方へ突出させるようにしたボールペン用筆記芯(ボールペン用リフィール)、ホルダーに挿通されるとともに該ホルダーの前端から筆記部を前方へ突出させるようにしたサインペンやマーカーペンの芯体、または修正ペン用筆記芯等が挙げられる。
第二の特徴としては、前記ホルダーに、軸筒後方へ突出して前記緩衝材を部分的に押圧する突起を設けた。
この構成によれば、後退した際のホルダーの突起により、緩衝材を局部的に大きく弾性変形させることができ、ひいては、作動音をより効果的に低減することができる。
第三の特徴は、前記ホルダーを前記緩衝材を介して受ける部位に、軸方向前方へ突出して前記緩衝材を部分的に押圧する突起を設けた。
この構成によれば、ホルダーを受ける部位の突起により、緩衝材を局部的に大きく弾性変形させることができ、ひいては、作動音をより効果的に低減することができる。
第四の特徴としては、前記ホルダーを軸筒に対し後方へ付勢するように、ホルダー付勢部材を設けた。
この構成によれば、ホルダーをホルダー付勢部材の付勢力によって後退させることができ、この後退による当接音を前記緩衝材によって緩和することができる。
第五の特徴としては、前記筆記芯が軸筒に支持され、軸筒と前記ホルダーの間には、前記ホルダーに加わる軸筒径外方向の力により前記ホルダーを軸筒及び前記筆記芯に相対し前進させる運動方向変換機構が具備されている。
この構成によれば、筆記芯におけるホルダーから突出した部分に、筆圧等により軸筒径外方向の力が加わり、該力がホルダーに加わると、ホルダーが軸筒及び筆記芯に相対し前進し、筆記芯の前側を覆い保護する。このため、筆記芯の損傷等を防ぐことができる。
なお、前記「運動方向変換機構」の具体例としては、前記ホルダーの軸筒径外方向の運動を軸筒前進方向の運動に変換するようにカム斜面(傾斜面)を用いた態様や、前記ホルダーの軸筒径外方向の運動を軸筒前進方向の運動に変換するようにリンク部材を用いた態様等が挙げられる。
第六の特徴として、前記運動方向変換機構は、軸筒と前記ホルダーとのうちの少なくとも一方に、カム斜面を設け、前記ホルダーを、前記カム斜面を介して軸筒に進退可能に係合してなり、前記カム斜面は、前記ホルダーに加わる軸筒径外方向の力により前記一方に対する他方に摺接して前記ホルダーを前進させるように傾斜している。
この構成によれば、ホルダーから前方へ突出した筆記芯に対し軸筒径外方向の力が加わり、この力がホルダーに加わると、前記カム斜面が前記一方に対する他方に摺接して前記ホルダーが筆記芯に相対し前進する。
なお、前記「軸筒と前記ホルダーとのうちの少なくとも一方に、カム斜面を設け、前記ホルダーを、前記カム斜面を介して軸筒に進退可能に係合してなり」という構成には、前方へ向かって拡径するカム斜面を前記ホルダーの外周面に設け、このカム斜面を介して前記ホルダーを軸筒の前側開口部に進退可能に係合した態様や、前方へ向かって拡径するカム斜面を軸筒の前側開口部に設け、このカム斜面を介して前記ホルダーを軸筒の前側開口部に進退可能に係合した態様、後方へ向かって拡径するカム斜面を前記ホルダーの後端部に設け、このカム斜面を介して前記ホルダーを軸筒の前端縁に進退可能に係合した態様等を含む。
また、前記「カム斜面」には、直線状の傾斜面(図8参照)や、凸曲面状の傾斜面(図11(a)参照)、凹曲面状の傾斜面(図11(b)参照)、断続的な傾斜面(図11(c)参照)等を含む。
第七の特徴としては、軸筒内に、前方側を縮径する段部と、該段部よりも後方側で前方へ向かって拡径する筆記芯支持傾斜面とを備え、前記筆記芯の外周部に、径外方向へ突出する筆記芯支持部を備え、前記筆記芯支持部を、軸筒内で前記段部と前記筆記芯支持傾斜面の間に設けるとともに、後方及び軸筒径方向へ微動可能にした。
第八の特徴としては、前記ホルダーと前記筆記芯支持部との間に、前記緩衝材を設けた。
次に、上記特徴を有する好ましい実施例を、図面に基づいて詳細に説明する。
なお、本明細書中、軸筒軸方向とは、軸筒の中心線の延びる方向を意味する。また、「前」とは、軸筒軸方向の一方側であって筆記部の先端方向を意味する。また、「後」とは、軸筒軸方向の前記一方側に対する逆方向側を意味する。また、「軸筒径方向」とは、軸筒軸方向に対し直交する方向を意味する。また、「軸筒径外方向」とは、前記軸筒径方向に沿って軸筒中心から離れる方向を意味する。「軸筒径内方向」とは、前記軸筒径方向に沿って軸筒中心へ近づく方向を意味する。
この筆記具1は、図1及び図2に示すように、軸筒10と、該軸筒10の前側開口部11aに挿通されるとともに該軸筒10の前端から前方へ突出したホルダー20と、該ホルダー20に鉛芯31を挿通させて該ホルダー20の前端から前方へ突出させる筆記芯30と、筆記芯30の筆記芯支持部32g20に対し後方から当接するとともに軸筒10に対し所定量進退可能な進退部材40と、該進退部材40を軸筒10に対し前方へ付勢する筆記芯付勢部材50とを具備している。
なお、本実施例において、筆記芯30は、鉛芯31を含む複数の部材からなるものであり、鉛芯31のみを示すものではない。
軸筒10は、図示例によれば、前側軸筒11の後端側に、螺合や嵌合、接着等の接続手段によって後側軸筒12を接続し固定してなり、前端側を先細り状にした略長尺筒状に形成される。
この軸筒10の他例としては、1つの筒体からなる態様や、筒体の先端側に別体の先口を接続した態様、3つ以上の筒体からなる態様等とすることが可能である。
この軸筒10の先端側には、後述するホルダー20を挿通し前方へ突出させるための前側開口部11aが設けられる。この前側開口部11aは、その後側の部分よりも軸筒10内周面を縮径しており、この縮径部分の内側の後端面により、ホルダー付勢部材13の前端を受けている。
この前側開口部11aは、図示例によれば、軸筒軸心と略平行な円筒状の孔の内周面であり、その前端縁の部分には、ホルダー20のカム斜面20aとの摩擦抵抗を軽減するために凸部11bが設けられる。
また、軸筒10内周面において、ホルダー20よりも後側(詳細にはバネ受け部21よりも後側)には、前方側を縮径する環状の段部11cが設けられる。この段部11cは、後述する筆記芯30の突起32g21を前方から受け、筆記芯30全体の前方への移動を規制する。
また、軸筒10内周面において、段部11cよりも後側には、前方側を縮径する環状の段部11nが設けられる。この段部11nは、後述する進退部材40の前端を前方から受けるように当接して、進退部材40の前方への移動を規制する。
また、軸筒10の周壁には、軸筒径外方向へ凹むとともに軸筒軸方向へ延設された凹部12aが設けられ、この凹部12aには、進退部材40が所定量進退するように係合されている。
この凹部12aは、図7に示すように、後側軸筒12の周壁の前端側に、該周壁を貫通する平面視矩形状の孔を設け、該孔を含む後側軸筒12の前端側を、前側軸筒11内に挿入する。該凹部12aの軸筒軸方向の長さは、進退部材40を所定量進退可能なように適宜に設定される。
ホルダー付勢部材13は、図示例によれば、中心側にホルダー20を遊挿した圧縮コイルバネであり、バネ受け部21を介してホルダー20を後方へ付勢している。
なお、このホルダー付勢部材13の他例としては、エラストマー樹脂やゴム等の弾性体を用いた態様や、板バネ等の弾性体を用いた態様、ホルダー付勢部材13をその後方から引っ張る引張バネを用いた態様とすることが可能である。
ホルダー20は、軸筒10及び筆記芯30に相対し前進した前進位置と、その前進前の初期位置との間で進退するように、該ホルダー20外周部のカム斜面20aを介して前側開口部11a(詳細には凸部11b)に進退可能に係合している。
そして、ホルダー20は、前記初期位置(図8(a)参照)では、環状のカム斜面20aを軸筒10の前側開口部11aに全周にわたって接触させることで、前側開口部11aに対し軸筒径方向へ移動不能に嵌り合う。また、ホルダー20は、カム斜面20aよりも後側の部分の外径を前側開口部11a内径よりも小さくしているため、前記前進位置(図8(b)参照)では、前記前側開口部11aに対し軸筒径方向へ移動可能な遊びを有する状態で嵌り合う。
また、このホルダー20の後端側には、後述するバネ受け部21が一体に固定される。これらホルダー20及びバネ受け部21は、軸筒10内のホルダー付勢部材13によって軸筒後方へ付勢されて、前記前進位置から後退した際に、弾性材料からなる緩衝材33によって受けられる。
詳細に説明すれば、このホルダー20は、前側開口部11aを前後方向へ貫通する略円筒状の部材であり、その外周部分に、前側開口部11aの前端縁(詳細には凸部11b)に摺接する環状のカム斜面20aを有する。
このカム斜面20aは、前方へ向かって拡径する円錐面状に形成され、前側開口部11a(詳細には凸部11b)に摺接するように配置されて、ホルダー20に加わる軸筒径外方向の力により該ホルダー20を軸筒10及び筆記芯30に相対し前進させる運動方向変換機構を構成する。
そして、ホルダー20におけるカム斜面20aよりも前側の部分は、図示例によれば縮径される。
また、ホルダー20の内部には、カム斜面20aよりも前側で鉛芯31の外周面に摺接可能な鉛芯摺動孔20bと、該鉛芯摺動孔20bよりも後側で拡径されるとともに筆記芯30に摺接可能な筆記芯摺動孔20cとを有する。
鉛芯摺動孔20bは、鉛芯31の外周面に接触又は近接するように、鉛芯31の外径よりも若干大きい内径に形成された孔であり、ホルダー20の前端部から後方へ延びて筆記芯摺動孔20c内に連通している。
筆記芯摺動孔20cは、筆記芯30の前端側の外周面に接触又は近接するように、筆記芯30前端側の前側保持部32g1の外径よりも若干大きい内径に形成された孔である。
なお、図示例の筆記芯摺動孔20cは、前側保持部32g1の外周面形状に沿って、前方へ縮径する段付き状に形成されるが、この筆記芯摺動孔20cの他例としては、筆記芯30の前端側に摺接して進退するようにすれば、段のない円筒状とすることも可能である。
上記構成のホルダー20は、外周のカム斜面20aを介して軸筒10の前側開口部11aに進退可能に係合するとともに、軸筒10内に挿入される。そして、軸筒10内において、ホルダー20の後端側の外周面には、バネ受け部21が嵌合等の接続手段により接続固定されている。
バネ受け部21は、ホルダー20の後端側の外径よりも大きい外径を有するとともに軸筒10内周面に対し隙間を有する筒状の部材であり、その前端側の環状段部を、ホルダー付勢部材13の後端に当接させ、該ホルダー付勢部材13により後方へ付勢されるとともに、後方側から緩衝材33によって受けられる。
このバネ受け部21は、前記隙間により、軸筒軸心に対し若干傾くことが可能である(図9参照)。
バネ受け部21の後端部には、軸筒後方へ突出して前記緩衝材を部分的に押圧する突起21aが、周方向に一定間隔を置いて複数設けられる(図5及び図6(a1)参照)。
また、緩衝材33は、ゴムやエラストマー樹脂等の弾性材料からなる環状の部材であり、後に詳述する保持筒32gの外周に環状に嵌め合せられ、バネ受け部21の後端面と、筆記芯支持部32g20の前端面との間に挟まれて弾性変形する。
なお、図示例の緩衝材33は、特に好ましい態様として、前記材料のOリングを用いているが、他例としては、スポンジ状の合成樹脂発泡体等を用いることも可能である。
さらに、緩衝材33の他例としては、ホルダー付勢部材13よりも弾発力の弱いコイルスプリングを用いることも可能である。
また、筆記芯30は、鉛芯31と該鉛芯31を繰出し可能に保持する鉛芯繰出し機構32とを有するシャープペンシル用筆記芯であり、繰り出される鉛芯31をホルダー20に挿通するように軸筒10内に配置されている。
鉛芯31は、長尺円柱状の周知のシャープペンシル用鉛芯である。
鉛芯繰出し機構32は、鉛芯31を内在するとともに軸筒10内で所定量進退するように保持された芯タンク32aと、該芯タンク32aの前端に接続されて挟持した鉛芯31を前進して開放するチャック32bと、該チャック32bに対し後方側へ外れるように嵌り合うクラッチリング32cと、チャック32bよりも前方側で鉛芯を緩く保持する芯ブレーカ32dと、チャック32bと芯ブレーカ32dとの間に位置するとともに鉛芯31を挿通した状態で進退可能なスライド筒32eと、該スライド筒32eを後方へ付勢するスライド筒付勢部材32fと、これらチャック32b、クラッチリング32c、芯ブレーカ32d、スライド筒32e及びスライド筒付勢部材32f等を内在する保持筒32gと、該保持筒32gに対し芯タンク32aを後方へ付勢する芯タンク付勢部材32hとを備える。
芯タンク32aは、複数の鉛芯31を収納可能な長尺円筒状に形成され、その後端部を、軸筒10の後端開口部の近くに配置している。この芯タンク32aは、弾性的に撓ることが可能なように合成樹脂材料から成型されている。
この芯タンク32aの後端には、鉛芯31を軸筒10後方から芯タンク32a内へ導く鉛芯導入管32iが接続される。そして、該鉛芯導入管32iの後部側には、鉛芯導入管32iの後端開口部を塞ぐ消しゴム32jと、該消しゴム32jを後方から覆うノックキャップ32kとが、それぞれ着脱可能に接続されている。ノックキャップ32kの後端側は、ノック操作が可能なように軸筒10の後端から後方へ突出している。
また、芯タンク32aの前端には、接続部材32mが一体的に接続される。
接続部材32mは、芯タンク32aの前端に固定されて鉛芯31を挿通する略筒状の部材であり、その前端にチャック32bの後端側を固定するとともに、前後方向の中央側の鍔部分により芯タンク付勢部材32hの後端を受けている。
なお、他例としては、この接続部材32mを省き、芯タンク32aの前端側に直接的にチャック32b後端側を接続するとともに、芯タンク付勢部材32hの後端を芯タンク32aの前端縁によって直接的に受ける構成とすることも可能である。
チャック32bは、弾性的に撓むことが可能な合成樹脂材料又は金属材料から形成され、鉛芯31の周囲に位置するように同芯状に配置された複数(例えば2〜4程度)の爪部を備え、これら爪部を軸筒径内方向へ撓ませることで鉛芯31を後退不能に挟持し、これら爪部を弾性的に復元することで鉛芯31を解放する。
このチャック32bは、前記爪部を含む前端側部分が、保持筒32g内に挿入される。前記爪部の前端側は、その外径部分が後側部分よりも拡径している。
クラッチリング32cは、略円筒状の部材であり、後述する保持筒32gの内周面に対し所定量進退するように係合している。
このクラッチリング32cは、チャック32bの複数の爪部に対し後方側から嵌り合って、前記複数の爪部を閉じた状態に保持し、チャック32bと共に前進した際に、保持筒32gに係止されて、前記複数の爪部から相対的に後方へ外れる。
なお、前記チャック32b及びクラッチリング32cは、周知構造のものとすることが可能である。
芯ブレーカ32dは、合成ゴムやエラストマー樹脂等の弾性体からなる円筒状部材であり、保持筒32gの前端側内部に進退不能に嵌合され、内部に挿通される鉛芯31を弾性的に把持する。
スライド筒32eは、外周面の段部によりスライド筒付勢部材32fの後端を受けるとともに、中心部に鉛芯31を遊挿する略円筒状の部材であり、スライド筒付勢部材32fにより後方へ付勢されて、チャック32bの前端に当接している。このスライド筒32eの内周面は、全周にわたり連続する円筒状であって、且つ鉛芯31の外周面に近接又は接触する内径に形成される。
また、このスライド筒32eの後端側は、その前側よりも拡径されており、その拡径部分32e1には、芯粉を逃がすための芯粉逃がし溝32e2が形成される。
芯粉逃がし溝32e2は、拡径部分32e1の周壁を軸方向へ貫通するようにして、軸方向へ連続しており、図4に示すように、スライド筒32eの周方向に一定間隔を置いて複数設けられる。このスライド筒32eの幅及び深さは、芯粉を軸方向へ移動させるように適宜に設定される。
周方向に隣り合う芯粉逃がし溝32e2の間は、縦リブ状に形成され、この縦リブ状の部分の前端側には、前方斜め軸芯方向へ傾斜する面取り部32e11が設けられる。この面取り部32e11は、スライド筒32eが進退する際に、保持筒32g内周面との摩擦抵抗を軽減する。また、前記拡径部分32e1の前端面は、スライド筒付勢部材32fの後端座部を受ける受部として機能する。
また、図3中、符号32e3は、スライド筒付勢部材32fの後端側内周面に嵌り合うリブである。
スライド筒付勢部材32fは、鉛芯31の周囲に環状に位置する圧縮コイルバネであり、その前端を保持筒32g内に係止するとともに、後端をスライド筒32eに当接させている。
このスライド筒付勢部材32fの他例としては、エラストマー樹脂やゴムからなる弾性体や、スライド筒32eを後方へ引っ張るようにした引張バネ等とすることも可能である。
保持筒32gは、ホルダー20内に進退可能に挿入された前側保持部32g1と、該前側保持部32g1の後端側に一体的に接続された後側保持部32g2とから一体に構成される。
なお、本実施例では、特に生産性の良好な態様として、保持筒32gを前記のように複数部材から構成したが、他例としては、これらを一体の部材から構成することも可能である。
前側保持部32g1は、前方側を縮径した段部を有する略筒状に形成され、前端側と後端側の外周面をそれぞれホルダー20の内面に摺接させて、ホルダー20の筆記芯摺動孔20cに挿入されている。
この前側保持部32g1の内部には、上記したチャック32bの前端側、クラッチリング32c、芯ブレーカ32d、スライド筒32e及びスライド筒付勢部材32fが挿入されている。
この前側保持部32g1の内周面には、クラッチリング32cを後方側から受ける後側当接部32g11と、前方へ移動した際の同クラッチリング32cを前側から受ける前側当接部32g12とが設けられる。図示例によれば、後側当接部32g11は、後側保持部32g2の前端部である。また、前側当接部32g12は、前側保持部32g1の前部側を縮径してなる段部である。
後側保持部32g2の内部には、その前側に、チャック32bの基端側が固定されるとともに、後側に、接続部材32mの前端側が進退可能に挿入されている。
また、後側保持部32g2の前端部は、前側保持部32g1に接続固定され、後側保持部32g2の後端部は、芯タンク付勢部材32hの前端を受けている。
また、後側保持部32g2の後部側の外周部には、径外方向へ突出する筆記芯支持部32g20が一体に接続され、該筆記芯支持部32g20よりも前側に、上述した緩衝材33が環状に嵌め合せられている。
筆記芯支持部32g20は、軸筒10内で、段部11cと筆記芯支持傾斜面41に接した状態で、後方及び軸筒径方向へ微動可能である。
詳細に説明すれば、この筆記芯支持部32g20は、軸筒10内の段部11cに対し後方から当接可能な突起32g21と、該突起32g21よりも後側で進退部材40の筆記芯支持傾斜面41に対し前方から当接可能な当接部32g22とを有する。
突起32g21は、筆記芯30を、軸筒10に対し前進不能であって且つホルダー20の前進に伴う傾動により、軸筒径方向へ移動するように、軸筒10に係合している。
詳細に説明すれば、突起32g21は、図2及び図6(a2)に示すように、後側保持部32g2の外周部に、軸筒周方向に間隔を置いて複数(図示例によれば4つ)設けられる。各突起32g21は、軸筒径外方向へ突出している。軸筒10内周面と各突起32g21との間には、筆記芯30の軸筒径方向への移動を可能にする隙間が確保される。すなわち、複数の突起32g21は、その外径が、軸筒10内径よりも小さく設定されている。
また、当接部32g22は、突起32g21よりも後側に、突起32g21と一体に設けられ、後述する進退部材40前端の筆記芯支持傾斜面41に摺接する凸曲状に形成される。
よって、前記構成によれば、筆記芯30全体が、図9に示すように、突起32g21及び当接部32g22を支点にして、その前側の部分を軸筒径方向の一方へ回動させることが可能であり、この回動の際、前記支点の後側の部分は軸筒径方向の反対側へ回動する。
さらに、前記構成の筆記芯支持部32g20によれば、複数の突起32g21が、それぞれ、緩衝材33を局部的に押圧するため、その押圧部分における緩衝材33の弾性変形を比較的大きくすることができる。
また、進退部材40は、その中心側に筆記具1を遊挿する略円筒状の部材である。この進退部材40の前端面の内径寄りには、前方へ向かって略円錐面状に拡径する筆記芯支持傾斜面41が形成される。
この筆記芯支持傾斜面41は、鉛芯繰出し機構32側の当接部32g22に摺接して、ホルダー20及び鉛芯繰出し機構32の傾き運動を容易にする。
また、進退部材40の外周面には、筆記芯付勢部材50の前端を受ける段部42が設けられ、該段部42よりも後側に、軸筒10側の凹部12aに対し進退可能に係合する係合突起43が設けられる。段部42は、前側を拡径させる環状の段部である。
係合突起43は、軸筒10側の複数の凹部12aにそれぞれ対応するように、複数(図示例によれば2つ)設けられる。各係合突起43は、図7に示すように、進退部材40の周壁に形成されるU字状の切欠きの内側部分に設けられている。この構成によれば、係合突起43を軸筒径方向へ弾性的に容易に撓ませることができ、ひいては、図7に示すように、進退部材40を後側軸筒12内へ挿入して、係合突起43を凹部12a内に係止する作業を容易にすることができる。
各係合突起43は、凹部12a内で前後方向へ移動可能であり、通常状態では、後述する筆記芯付勢部材50の付勢力により凹部12a内の前端寄りに保持されている。
筆記芯付勢部材50は、進退部材40の外周部に環状に装着され、その前端を進退部材40外周の段部42に当接させるとともに、その後端を、後側軸筒12前端である段部12bに当接させて、進退部材40を前方へ付勢している。
この筆記芯付勢部材50の弾発力は、筆記芯30が所定の筆圧以上の後方への力により後退するように、適宜に設定される。
なお、筆記具1には、上記した4つの付勢部材が設けられるが、これら付勢部材の付勢力は、小さい順に、スライド筒付勢部材32f、ホルダー付勢部材13、筆記芯付勢部材50、芯タンク付勢部材32hとなっている。
次に、上記構成の筆記具1について、その特徴的な作用効果を詳細に説明する。
先ず、鉛芯31を突出させるには、ノックキャップ32kに押圧力が加わると、保持筒32gが筆記芯支持部32g20を段部11cに当接させて前進不能になり、この状態で、芯タンク32aの前進に伴い、チャック32bが鉛芯31を挟持して前進し、鉛芯31の前端側が芯ブレーカ32dによって弾性的に挟持され、さらに、その前進の途中でクラッチリング32cが保持筒32g(詳細には、前側当接部32g12)に係止されて外れ、チャック32bが軸筒径外方向へ開放する。
そして、前記押圧力が除去されると、チャック32bが、後退しクラッチリング32cに嵌ることで狭まり、鉛芯31を再度挟持する。これらの動作が、ノック操作により繰り返されて、鉛芯31は前進し、ホルダー20の前端から突出する。
そして、前記チャック32bの前進の際には、チャック32bに押されて、鉛芯31を覆い保護するスライド筒32eも、スライド筒付勢部材32fの付勢力に抗して前進する。
鉛芯31における芯ブレーカ32dとスライド筒32eの間の部分が、スライド筒32eによって覆い保護されるため、当該筆記具1の落下等によって鉛芯31が折れたり、折れた鉛芯や、残芯となった鉛芯等が、芯ブレーカ32dとチャック32bとの間に詰まったりするようなことを防ぐことができる。
また、チャック32b及びスライド筒32eの進退が繰り返されると、チャック32b及びスライド筒32eと鉛芯31との摺接により若干の芯粉が発生する場合があるが、この芯粉は、スライド筒32eの外周部に溜まるようなことなく、スライド筒32e外周の芯粉逃がし溝32e2によって軸方向の前方又は後方へ逃がされる。よって、前記芯粉が、スライド筒32eの外周部で固着して、スライド筒32eの進退動作や、該スライド筒32eを押動するチャック32bの進退動作等に支障をきたすようなことを防ぐことができる。
なお、前記芯粉は、最終的には、鉛芯31外周の隙間を通り、鉛芯31と共にホルダー20の前方へ排出されることが期待される。
また、軸筒10を傾けて被筆記面Pに押し付けた通常の筆記状態においては、図8(a)に示すように、ホルダー20から前方へ突出した筆記芯30の鉛芯31に対し、被筆記面Pから、該鉛芯31に交差する方向(換言すれば、軸筒径方向)の反力(筆圧)を受ける。この際、この反力が通常の筆圧範囲よりも大きい場合には、この反力を受けて、ホルダー20は、該ホルダー20のカム斜面20aを前側開口部11a(詳細には凸部11b)に摺接させて軸筒径外方向へ移動しながら、ホルダー付勢部材13の付勢力に抗して前進する。この前進の際、鉛芯31を含む筆記芯30は、ホルダー20及び鉛芯繰出し機構32と共に傾くようにして軸筒径方向へ移動する。
そして、筆記芯30を構成する鉛芯31の前端側が、前進したホルダー20によって覆われて保護される(図8(b)参照)。
また、鉛芯31が被筆記面Pから離れて、前記反力が除去されると、ホルダー20が、ホルダー付勢部材13の付勢力によって後退し、初期位置に戻される。
この後退の際、ホルダー20と一体のバネ受け部21は、その後端部を、緩衝材33に当接させる。緩衝材33は、後方側から筆記芯支持部32g20によって受けられているため、弾性的に収縮する。このため、ホルダー20が軸筒10の前側開口部11aに当接する際の衝撃音を緩和することができる。
しかも、前記後退の際、バネ受け部21は、周方向に分割配置された突起21aを、緩衝材33に対し当接させる。また、筆記芯支持部32g20も、周方向に分割配置された突起32g21を緩衝材33に圧接する。したがって、緩衝材33を、周方向において局部的に大きく収縮させることができ、前記衝撃音を効果的に低減することができる。
なお、他例としては、図示例以外の突起を緩衝材33に当接させる構成や、前記突起21aや前記突起32g21を省いて、平坦状の面を緩衝材33に当接させる構成等とすることも可能である。
また、ホルダー付勢部材13の付勢力は、鉛芯31に対する通常の交差方向の筆圧ではホルダー20が前進せず、且つ鉛芯31に対する交差方向の筆圧により鉛芯31が折れてしまう前にホルダー20が前進するように適宜に設定されている。
また、前記前進時の筆記芯30全体の動きを説明すれば、筆記芯30は、図9に示すように、突起32g21及び当接部32g22を支点にした前側の部分を、軸筒径方向の一方(図9によれば上方)へ回動させながら、その後方側の部分(芯タンク32a等)を軸筒径方向の他方へ回動させる。
そして、芯タンク32aは、後端側の鉛芯導入管32iを軸筒内周面に当接させることで弾性的に撓む。このような筆記芯30全体の回動により、ホルダー20は、傾動するようにして、スムーズに径外方向へ移動しながら前進する。
なお、前記回動の際、ホルダー20から接続部材32mまでの軸筒軸方向の範囲は、略直線状に維持される。このため、前記範囲が曲がって鉛芯31が折れるようなことはない。また、鉛芯31における接続部材32mから後方へ突出する部分は、図9に示すように、接続部材32mよりも内径の大きい芯タンク32a内の空間に位置するため、鉛芯31が芯タンク32a内周面との接触により折れるようなこともない。
次に、鉛芯31に対し軸筒軸方向の押圧力を受けた場合の動作について詳細に説明する。
突出した鉛芯31を被筆記面Pに対し垂直に強く押し付ける等して、鉛芯31が後方への押圧力を受けた場合には、図1及び図10(a)(b)に示すように、前記押圧力は、先ず、鉛芯31を後退不能に挟持しているチャック32bに加わる。そして、チャック32bに加わった押圧力は、クラッチリング32c及び保持筒32g等を介して進退部材40に伝達し、進退部材40が筆記芯付勢部材50の付勢力に抗して後退する。
したがって、鉛芯31は、図10に示すように、ホルダー20内に没入し、前記押圧力による損傷等から免れる。
なお、上記実施例によれば、ホルダー20のカム斜面20aを断面直線状の傾斜面としたが、カム斜面の他例としては、断面凸曲面状の傾斜面(図11(a)参照)、断面凹曲面状の傾斜面(図11(b)参照)、断続的な傾斜面(図11(c)参照)等とすることが可能である。
次に、本発明に係る筆記具における特徴部分の変形例について説明する。なお、以下に示す変形例は、上記筆記具1に対し一部を変更したものであるため、主にその変更部分について詳細に説明し、筆記具1と略同様の部分については、筆記具1と同一の符号を付けて重複する詳細説明を省略する。
図12(a)(b)に示す筆記具2は、軸筒10’の前側開口部にカム斜面11a’を設けている。このカム斜面11a’は、ホルダー20’に加わる軸筒径外方向の力により、該ホルダー20’を摺接させ前進させる運動方向変換機構を構成する。
軸筒10’は、上記軸筒10と同様に、単数もしくは複数の筒体から構成され、その前端側の縮径された開口部に、前方へ向かって拡径する環状のカム斜面11a’を有する。
ホルダー20’は、カム斜面11a’を介して軸筒10’の前側開口部に進退可能に係合するとともに、軸筒10’内のホルダー付勢部材13によって軸筒後方へ付勢され、ホルダー付勢部材13の付勢力に抗して前進した状態では軸筒径方向へ移動可能である。
すなわち、ホルダー20’は、上記ホルダー20に対し、上記カム斜面20aを軸筒10’前側開口部のカム斜面11a’に置換し、ホルダー20’の外周面に環状突起20a’を設けた構成になっている。環状突起20a’は、カム斜面11a’に摺接するように配置される。
図12(a)(b)に示す筆記具2によれば、上述した筆記具1と略同様に、ホルダー20’から前方へ突出した筆記芯30の鉛芯31に、被筆記面Pから交差方向の反力(筆圧)が加わり、この反力が通常の筆圧範囲よりも大きい場合には、この反力を受けて、ホルダー20’は、該ホルダー20’の環状突起20a’を、軸筒10’の前側開口部のカム斜面11a’に滑らせて軸筒径外方向へ移動しながら前進する。
よって、この筆記具2によっても、ホルダー20’から突出した鉛芯31を、前進するホルダー20’によって覆い保護することができる。
また、チャック32b及びスライド筒32eの進退により発生する芯粉を、スライド筒32e外周の芯粉逃がし溝32e2(図3参照)によって軸方向へ逃がし、芯粉固着による動作不良を低減することができる。
さらに、ホルダー20’の後退の際、ホルダー20’と一体的に後退するバネ受け部21が、緩衝材33へ当接し、緩衝材33が弾性的に収縮する。このため、ホルダー20’及びバネ受け部21の後退による作動音を低減することができる。
なお、上記実施例によれば、ホルダー20(又は20’)が、軸筒径外方向へ移動しながら前進するようにして傾動する際、その後端側で、芯タンク32aが軸筒10との当接により撓むようにしたが(図9参照)、他例としては、接続部材32mに対し芯タンク32aを揺動可能に接続するようにしてもよい。この他例は、例えば、接続部材32mの後端側と芯タンク32aの前端側との一方と他方に、遊びを有する状態で軸筒径方向に嵌り合う凹部と凸部を設ければよい。
また、上記実施例によれば、筆記芯30をシャープペンシル用筆記芯(シャープペンシル用リフィールと呼称される場合もある)としたが、他例としては、筆記芯30を、ボールペン用筆記芯(ボールペン用リフィール)や、サインペンの筆記芯、マーカーペンの筆記芯、修正ペンの筆記芯とすることも可能である。
例えば、ニードル状(換言すれば長尺円筒状)のボールペンチップを有するボールペン用筆記芯を上記筆記芯30として用いた場合には、そのボールペンチップの前記ニードル状の部分をホルダー20に挿通し、その前端部をホルダー20(又は20’)前端から前方へ突出させ、軸筒10内では、前記ボールペン用筆記芯を、上記筆記芯30と同様にして傾動可能に支持すればよい。
なお、筆記芯30をシャープペンシル用筆記芯以外の筆記芯とした場合、該筆記芯の前端部がホルダー20(又は20’)前端から没入不能に突出した態様と、該筆記芯の前端部がホルダー20(又は20’)前端から出没する態様との双方が可能である。
また、上記実施例によれば、カム斜面を軸筒の前端側開口部とホルダーとのうちの一方のみに設けたが、他例としては、双方に設けて、カム斜面同士の摺接によりホルダーが前進する態様とすることも可能である。
また、上記実施例によれば、カム斜面を、ホルダー20の外周面や、軸筒10の前側開口部に設けたが、他例としては、図13に示すように、カム斜面をホルダー20”の後端部に設けた態様とすることも可能である。
図13に示す筆記具3は、ホルダー20”の後端側に、軸筒10”の前端縁に遊嵌する環状の凹部を設け、この凹部内の径外方向側の面を、前方へ向かって縮径するカム斜面23”としている。ホルダー20”の前端側には、鉛芯31を覆うようにしてパイプ状の保護管22”が固定されている。
この筆記具3によれば、上述した実施例と同様に、筆記芯30前端の鉛芯31を介してホルダー20”に交差方向の力が加わると、カム斜面23”が軸筒10”の前端縁で滑って、ホルダー20”及び保護管22”が前進する(図13の二点鎖線参照)。すなわち、カム斜面23”は、該カム斜面23”に加わる軸筒径外方向の力によりホルダー20”を前進させる運動方向変換機構として機能する。
よって、鉛芯31の前端側を前進する保護管22”によって覆い保護することができる。
また、上述した筆記具1,2と略同様のメカニズムにより、芯粉を芯粉逃がし溝32e2(図3参照)によって軸方向へ逃がし、芯粉固着による動作不良を低減することができる上、ホルダー20”及びバネ受け部21が後退する際の作動音を、緩衝材33によって低減することができる。
また、上記実施例によれば、筆記芯30の筆記芯支持部32g20と筆記芯付勢部材50の間に進退部材40を介在したが、図14に示す筆記具4のように、進退部材40を省くことも可能である。
図14に示す筆記具4は、上記筆記具1から進退部材40を省き、筆記芯付勢部材50を筆記芯付勢部材50’に置換したものである。
筆記芯付勢部材50’は、前方へ向かって徐々に径を小さくした圧縮コイルスプリングであり、後端が後側軸筒12前端に受けられた状態で、前端を筆記芯支持部32g20に当接させることで、筆記芯30を直接前方へ付勢している。
よって、図14に示す筆記具4によっても、鉛芯31に後方への過剰な押圧力が加わった際に、筆記芯30を筆記芯付勢部材50’の付勢力に抗して後退させて、鉛芯31が折れるのを防ぐことができる。
また、上述した筆記具1,2と略同様のメカニズムにより、芯粉を芯粉逃がし溝32e2によって軸方向へ逃がし、芯粉固着による動作不良を低減することができる上、ホルダー20及びバネ受け部21が後退する際の作動音を、緩衝材33によって低減することができる。
なお、上記運動方向変換機構(例えばカム斜面20a等)は、ホルダーに加わる軸筒径外方向の力により該ホルダーを軸筒及び筆記芯に相対し前進させる構成であれば、図示例以外の構造とすることも可能である。
また、上記実施例によれば、特に好ましい態様としてスライド筒32eの外周の芯粉逃がし溝32e2を複数(図示例によれば6つ)設けたが、他例としては、芯粉逃がし溝32e2を単数としたり、図示例以外の数にしたりすることも可能である。
また、上記実施例によれば、特に鉛芯を逃がす作用を効果的に発揮する態様として、スライド筒32eの後部側における保持筒32gとの摺接面に、芯粉逃がし溝32e2を設けたが、他例としては、スライド筒32eの前部側(詳細には、図3における拡径部分32e1よりも前側の部分)にも、前記芯粉逃がし溝32e2に連続して前方へ貫通する溝を設けるようにしてもよい。
また、上記実施例によれば、ホルダー20,20’又は20”を進退させるようにしたシャープペンシルに対し、スライド筒32e及び芯粉逃がし溝32e2を設けたが、他例としては、前記ホルダーを有さないタイプのシャープペンシル(例えば、特開2010-201813公報、2010-094954公報に記載の発明)や、多機能筆記具のシャープペン用リフィール(例えば、特開2008-126596公報に記載の発明)等において、芯ブレーカとチャックとの間に上記スライド筒32eを設けるようにしてもよい。
また、上記実施例における緩衝材33は、例えば、実公昭63-180283号公報に記載の発明において中軸(2)と押し部(3a)との間に設けることも可能である。さらに、緩衝材33は、筆記芯を覆うホルダーが軸筒に相対し進退するようにした他の態様の筆記具(ボールペンやサインペン等を含む)において、後退する前記ホルダーに押圧されて収縮するように設けることが可能である。
また、上記実施例によれば、ホルダー20と一体的なバネ受け部21を緩衝材33によって受けるようにしたが、他例としては、ホルダー20とバネ受け部21を一体の部材として構成し、この一体部材を緩衝材33によって受けるようにした態様や、上記構成からバネ受け部21を省くとともにホルダー20の後端側の外周にホルダー付勢部材13を受ける突起を形成し、このホルダー20を緩衝材33によって直接受けるようにした態様等とすることも可能である。
1,2,3,4:筆記具
10,10’,10”:軸筒
11c:段部
11a:前側開口部
13:ホルダー付勢部材
20,20’,20”:ホルダー
20a,11a’,21”:カム斜面
21:バネ受け部
30:筆記芯
31:鉛芯
32:鉛芯繰出し機構
32a:芯タンク
32b:チャック
32c:クラッチリング
32d:芯ブレーカ
32e:スライド筒
32e1:拡径部分
32e2:芯粉逃がし溝
32f:スライド筒付勢部材
32g:保持筒
32g1:前側保持部
32g2:後側保持部
32g12:前側当接部
32g20:筆記芯支持部
32g22:当接部
32h:芯タンク付勢部材
33:緩衝材
40:進退部材
50:筆記芯付勢部材

Claims (8)

  1. 軸筒と、該軸筒の前側開口部に挿通されるとともに該軸筒の前端から前方へ突出するホルダーと、該ホルダーの内周面に接して該ホルダーに挿通されるとともに該ホルダーの前端から前方へ突出するように支持された筆記芯とを備え、前記ホルダーを前記軸筒に相対し進退させるようにした筆記具において、
    後退した際の前記ホルダーを受けて弾性変形する緩衝材を設けたことを特徴とする筆記具。
  2. 前記ホルダーに、軸筒後方へ突出して前記緩衝材を部分的に押圧する突起を設けたことを特徴とする請求項1記載の筆記部。
  3. 前記ホルダーを前記緩衝材を介して受ける部位に、軸方向前方へ突出して前記緩衝材を部分的に押圧する突起を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の筆記具。
  4. 前記ホルダーを軸筒に対し後方へ付勢するように、ホルダー付勢部材を設けたことを特徴とする請求項1乃至3何れか1項記載の筆記具。
  5. 前記筆記芯が軸筒に支持され、
    軸筒と前記ホルダーの間には、前記ホルダーに加わる軸筒径外方向の力により前記ホルダーを軸筒及び前記筆記芯に相対し前進させる運動方向変換機構が具備されていることを特徴とする請求項1乃至4何れか1項記載の筆記具。
  6. 前記運動方向変換機構は、軸筒と前記ホルダーとのうちの少なくとも一方に、カム斜面を設け、前記ホルダーを、前記カム斜面を介して軸筒に進退可能に係合してなり、
    前記カム斜面は、前記ホルダーに加わる軸筒径外方向の力により前記一方に対する他方に摺接して前記ホルダーを前進させるように傾斜していることを特徴とする請求項5記載の筆記具。
  7. 軸筒内に、前方側を縮径する段部と、該段部よりも後方側で前方へ向かって拡径する筆記芯支持傾斜面とを備え、
    前記筆記芯の外周部に、径外方向へ突出する筆記芯支持部を備え、
    前記筆記芯支持部を、軸筒内で前記段部と前記筆記芯支持傾斜面の間に設けるとともに、後方及び軸筒径方向へ微動可能にしたことを特徴とする請求項1乃至6何れか1項記載の筆記具。
  8. 前記ホルダーと前記筆記芯支持部との間に、前記緩衝材を設けたことを特徴とする請求項7記載の筆記具。
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