JP2016036950A - 筆記具 - Google Patents
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Abstract
Description
このため、鉛芯(芯20)に対しては、軸方向の押圧力と、該軸方向に交差方向の押圧力が加わることになり、前記押圧力によって鉛芯(芯20)が折れてしまうおそれがある。
また、前記のようにして、ホルダーから突出した筆記芯(芯ガイドパイプ5等)の前側部分(鉛芯等)を損傷してしまうという問題は、シャープペンシルのみならず、ボールペン(特に先端チップが細長なニードルタイプのボールペン)や、サインペン、マーカーペン、修正ペン等についても起こり得ることである。
また、上記従来技術では、不使用時にホルダー(中軸2)を軸筒(外軸1)内に没入する際に、耳障りな作動音を発生するおそれもある。
この構成によれば、ホルダーが後退すると、該ホルダーは緩衝材に受けられ、該緩衝材が弾性変形する。よって、後退した際のホルダーが、軸筒側の部材に当接した際の作動音等を緩和することができる。
この構成によれば、後退した際のホルダーの突起により、緩衝材を局部的に大きく弾性変形させることができ、ひいては、作動音をより効果的に低減することができる。
この構成によれば、ホルダーを受ける部位の突起により、緩衝材を局部的に大きく弾性変形させることができ、ひいては、作動音をより効果的に低減することができる。
この構成によれば、ホルダーをホルダー付勢部材の付勢力によって後退させることができ、この後退による当接音を前記緩衝材によって緩和することができる。
この構成によれば、筆記芯におけるホルダーから突出した部分に、筆圧等により軸筒径外方向の力が加わり、該力がホルダーに加わると、ホルダーが軸筒及び筆記芯に相対し前進し、筆記芯の前側を覆い保護する。このため、筆記芯の損傷等を防ぐことができる。
この構成によれば、ホルダーから前方へ突出した筆記芯に対し軸筒径外方向の力が加わり、この力がホルダーに加わると、前記カム斜面が前記一方に対する他方に摺接して前記ホルダーが筆記芯に相対し前進する。
なお、前記「軸筒と前記ホルダーとのうちの少なくとも一方に、カム斜面を設け、前記ホルダーを、前記カム斜面を介して軸筒に進退可能に係合してなり」という構成には、前方へ向かって拡径するカム斜面を前記ホルダーの外周面に設け、このカム斜面を介して前記ホルダーを軸筒の前側開口部に進退可能に係合した態様や、前方へ向かって拡径するカム斜面を軸筒の前側開口部に設け、このカム斜面を介して前記ホルダーを軸筒の前側開口部に進退可能に係合した態様、後方へ向かって拡径するカム斜面を前記ホルダーの後端部に設け、このカム斜面を介して前記ホルダーを軸筒の前端縁に進退可能に係合した態様等を含む。
また、前記「カム斜面」には、直線状の傾斜面(図8参照)や、凸曲面状の傾斜面(図11(a)参照)、凹曲面状の傾斜面(図11(b)参照)、断続的な傾斜面(図11(c)参照)等を含む。
なお、本明細書中、軸筒軸方向とは、軸筒の中心線の延びる方向を意味する。また、「前」とは、軸筒軸方向の一方側であって筆記部の先端方向を意味する。また、「後」とは、軸筒軸方向の前記一方側に対する逆方向側を意味する。また、「軸筒径方向」とは、軸筒軸方向に対し直交する方向を意味する。また、「軸筒径外方向」とは、前記軸筒径方向に沿って軸筒中心から離れる方向を意味する。「軸筒径内方向」とは、前記軸筒径方向に沿って軸筒中心へ近づく方向を意味する。
なお、本実施例において、筆記芯30は、鉛芯31を含む複数の部材からなるものであり、鉛芯31のみを示すものではない。
この軸筒10の他例としては、1つの筒体からなる態様や、筒体の先端側に別体の先口を接続した態様、3つ以上の筒体からなる態様等とすることが可能である。
この前側開口部11aは、図示例によれば、軸筒軸心と略平行な円筒状の孔の内周面であり、その前端縁の部分には、ホルダー20のカム斜面20aとの摩擦抵抗を軽減するために凸部11bが設けられる。
また、軸筒10内周面において、段部11cよりも後側には、前方側を縮径する環状の段部11nが設けられる。この段部11nは、後述する進退部材40の前端を前方から受けるように当接して、進退部材40の前方への移動を規制する。
この凹部12aは、図7に示すように、後側軸筒12の周壁の前端側に、該周壁を貫通する平面視矩形状の孔を設け、該孔を含む後側軸筒12の前端側を、前側軸筒11内に挿入する。該凹部12aの軸筒軸方向の長さは、進退部材40を所定量進退可能なように適宜に設定される。
なお、このホルダー付勢部材13の他例としては、エラストマー樹脂やゴム等の弾性体を用いた態様や、板バネ等の弾性体を用いた態様、ホルダー付勢部材13をその後方から引っ張る引張バネを用いた態様とすることが可能である。
そして、ホルダー20は、前記初期位置(図8(a)参照)では、環状のカム斜面20aを軸筒10の前側開口部11aに全周にわたって接触させることで、前側開口部11aに対し軸筒径方向へ移動不能に嵌り合う。また、ホルダー20は、カム斜面20aよりも後側の部分の外径を前側開口部11a内径よりも小さくしているため、前記前進位置(図8(b)参照)では、前記前側開口部11aに対し軸筒径方向へ移動可能な遊びを有する状態で嵌り合う。
また、このホルダー20の後端側には、後述するバネ受け部21が一体に固定される。これらホルダー20及びバネ受け部21は、軸筒10内のホルダー付勢部材13によって軸筒後方へ付勢されて、前記前進位置から後退した際に、弾性材料からなる緩衝材33によって受けられる。
このカム斜面20aは、前方へ向かって拡径する円錐面状に形成され、前側開口部11a(詳細には凸部11b)に摺接するように配置されて、ホルダー20に加わる軸筒径外方向の力により該ホルダー20を軸筒10及び筆記芯30に相対し前進させる運動方向変換機構を構成する。
そして、ホルダー20におけるカム斜面20aよりも前側の部分は、図示例によれば縮径される。
なお、図示例の筆記芯摺動孔20cは、前側保持部32g1の外周面形状に沿って、前方へ縮径する段付き状に形成されるが、この筆記芯摺動孔20cの他例としては、筆記芯30の前端側に摺接して進退するようにすれば、段のない円筒状とすることも可能である。
このバネ受け部21は、前記隙間により、軸筒軸心に対し若干傾くことが可能である(図9参照)。
さらに、緩衝材33の他例としては、ホルダー付勢部材13よりも弾発力の弱いコイルスプリングを用いることも可能である。
この芯タンク32aの後端には、鉛芯31を軸筒10後方から芯タンク32a内へ導く鉛芯導入管32iが接続される。そして、該鉛芯導入管32iの後部側には、鉛芯導入管32iの後端開口部を塞ぐ消しゴム32jと、該消しゴム32jを後方から覆うノックキャップ32kとが、それぞれ着脱可能に接続されている。ノックキャップ32kの後端側は、ノック操作が可能なように軸筒10の後端から後方へ突出している。
接続部材32mは、芯タンク32aの前端に固定されて鉛芯31を挿通する略筒状の部材であり、その前端にチャック32bの後端側を固定するとともに、前後方向の中央側の鍔部分により芯タンク付勢部材32hの後端を受けている。
なお、他例としては、この接続部材32mを省き、芯タンク32aの前端側に直接的にチャック32b後端側を接続するとともに、芯タンク付勢部材32hの後端を芯タンク32aの前端縁によって直接的に受ける構成とすることも可能である。
このチャック32bは、前記爪部を含む前端側部分が、保持筒32g内に挿入される。前記爪部の前端側は、その外径部分が後側部分よりも拡径している。
このクラッチリング32cは、チャック32bの複数の爪部に対し後方側から嵌り合って、前記複数の爪部を閉じた状態に保持し、チャック32bと共に前進した際に、保持筒32gに係止されて、前記複数の爪部から相対的に後方へ外れる。
なお、前記チャック32b及びクラッチリング32cは、周知構造のものとすることが可能である。
また、このスライド筒32eの後端側は、その前側よりも拡径されており、その拡径部分32e1には、芯粉を逃がすための芯粉逃がし溝32e2が形成される。
周方向に隣り合う芯粉逃がし溝32e2の間は、縦リブ状に形成され、この縦リブ状の部分の前端側には、前方斜め軸芯方向へ傾斜する面取り部32e11が設けられる。この面取り部32e11は、スライド筒32eが進退する際に、保持筒32g内周面との摩擦抵抗を軽減する。また、前記拡径部分32e1の前端面は、スライド筒付勢部材32fの後端座部を受ける受部として機能する。
また、図3中、符号32e3は、スライド筒付勢部材32fの後端側内周面に嵌り合うリブである。
このスライド筒付勢部材32fの他例としては、エラストマー樹脂やゴムからなる弾性体や、スライド筒32eを後方へ引っ張るようにした引張バネ等とすることも可能である。
なお、本実施例では、特に生産性の良好な態様として、保持筒32gを前記のように複数部材から構成したが、他例としては、これらを一体の部材から構成することも可能である。
この前側保持部32g1の内部には、上記したチャック32bの前端側、クラッチリング32c、芯ブレーカ32d、スライド筒32e及びスライド筒付勢部材32fが挿入されている。
この前側保持部32g1の内周面には、クラッチリング32cを後方側から受ける後側当接部32g11と、前方へ移動した際の同クラッチリング32cを前側から受ける前側当接部32g12とが設けられる。図示例によれば、後側当接部32g11は、後側保持部32g2の前端部である。また、前側当接部32g12は、前側保持部32g1の前部側を縮径してなる段部である。
また、後側保持部32g2の前端部は、前側保持部32g1に接続固定され、後側保持部32g2の後端部は、芯タンク付勢部材32hの前端を受けている。
詳細に説明すれば、この筆記芯支持部32g20は、軸筒10内の段部11cに対し後方から当接可能な突起32g21と、該突起32g21よりも後側で進退部材40の筆記芯支持傾斜面41に対し前方から当接可能な当接部32g22とを有する。
詳細に説明すれば、突起32g21は、図2及び図6(a2)に示すように、後側保持部32g2の外周部に、軸筒周方向に間隔を置いて複数(図示例によれば4つ)設けられる。各突起32g21は、軸筒径外方向へ突出している。軸筒10内周面と各突起32g21との間には、筆記芯30の軸筒径方向への移動を可能にする隙間が確保される。すなわち、複数の突起32g21は、その外径が、軸筒10内径よりも小さく設定されている。
この筆記芯支持傾斜面41は、鉛芯繰出し機構32側の当接部32g22に摺接して、ホルダー20及び鉛芯繰出し機構32の傾き運動を容易にする。
係合突起43は、軸筒10側の複数の凹部12aにそれぞれ対応するように、複数(図示例によれば2つ)設けられる。各係合突起43は、図7に示すように、進退部材40の周壁に形成されるU字状の切欠きの内側部分に設けられている。この構成によれば、係合突起43を軸筒径方向へ弾性的に容易に撓ませることができ、ひいては、図7に示すように、進退部材40を後側軸筒12内へ挿入して、係合突起43を凹部12a内に係止する作業を容易にすることができる。
各係合突起43は、凹部12a内で前後方向へ移動可能であり、通常状態では、後述する筆記芯付勢部材50の付勢力により凹部12a内の前端寄りに保持されている。
この筆記芯付勢部材50の弾発力は、筆記芯30が所定の筆圧以上の後方への力により後退するように、適宜に設定される。
先ず、鉛芯31を突出させるには、ノックキャップ32kに押圧力が加わると、保持筒32gが筆記芯支持部32g20を段部11cに当接させて前進不能になり、この状態で、芯タンク32aの前進に伴い、チャック32bが鉛芯31を挟持して前進し、鉛芯31の前端側が芯ブレーカ32dによって弾性的に挟持され、さらに、その前進の途中でクラッチリング32cが保持筒32g(詳細には、前側当接部32g12)に係止されて外れ、チャック32bが軸筒径外方向へ開放する。
そして、前記押圧力が除去されると、チャック32bが、後退しクラッチリング32cに嵌ることで狭まり、鉛芯31を再度挟持する。これらの動作が、ノック操作により繰り返されて、鉛芯31は前進し、ホルダー20の前端から突出する。
鉛芯31における芯ブレーカ32dとスライド筒32eの間の部分が、スライド筒32eによって覆い保護されるため、当該筆記具1の落下等によって鉛芯31が折れたり、折れた鉛芯や、残芯となった鉛芯等が、芯ブレーカ32dとチャック32bとの間に詰まったりするようなことを防ぐことができる。
なお、前記芯粉は、最終的には、鉛芯31外周の隙間を通り、鉛芯31と共にホルダー20の前方へ排出されることが期待される。
そして、筆記芯30を構成する鉛芯31の前端側が、前進したホルダー20によって覆われて保護される(図8(b)参照)。
この後退の際、ホルダー20と一体のバネ受け部21は、その後端部を、緩衝材33に当接させる。緩衝材33は、後方側から筆記芯支持部32g20によって受けられているため、弾性的に収縮する。このため、ホルダー20が軸筒10の前側開口部11aに当接する際の衝撃音を緩和することができる。
しかも、前記後退の際、バネ受け部21は、周方向に分割配置された突起21aを、緩衝材33に対し当接させる。また、筆記芯支持部32g20も、周方向に分割配置された突起32g21を緩衝材33に圧接する。したがって、緩衝材33を、周方向において局部的に大きく収縮させることができ、前記衝撃音を効果的に低減することができる。
また、ホルダー付勢部材13の付勢力は、鉛芯31に対する通常の交差方向の筆圧ではホルダー20が前進せず、且つ鉛芯31に対する交差方向の筆圧により鉛芯31が折れてしまう前にホルダー20が前進するように適宜に設定されている。
そして、芯タンク32aは、後端側の鉛芯導入管32iを軸筒内周面に当接させることで弾性的に撓む。このような筆記芯30全体の回動により、ホルダー20は、傾動するようにして、スムーズに径外方向へ移動しながら前進する。
なお、前記回動の際、ホルダー20から接続部材32mまでの軸筒軸方向の範囲は、略直線状に維持される。このため、前記範囲が曲がって鉛芯31が折れるようなことはない。また、鉛芯31における接続部材32mから後方へ突出する部分は、図9に示すように、接続部材32mよりも内径の大きい芯タンク32a内の空間に位置するため、鉛芯31が芯タンク32a内周面との接触により折れるようなこともない。
突出した鉛芯31を被筆記面Pに対し垂直に強く押し付ける等して、鉛芯31が後方への押圧力を受けた場合には、図1及び図10(a)(b)に示すように、前記押圧力は、先ず、鉛芯31を後退不能に挟持しているチャック32bに加わる。そして、チャック32bに加わった押圧力は、クラッチリング32c及び保持筒32g等を介して進退部材40に伝達し、進退部材40が筆記芯付勢部材50の付勢力に抗して後退する。
したがって、鉛芯31は、図10に示すように、ホルダー20内に没入し、前記押圧力による損傷等から免れる。
軸筒10’は、上記軸筒10と同様に、単数もしくは複数の筒体から構成され、その前端側の縮径された開口部に、前方へ向かって拡径する環状のカム斜面11a’を有する。
ホルダー20’は、カム斜面11a’を介して軸筒10’の前側開口部に進退可能に係合するとともに、軸筒10’内のホルダー付勢部材13によって軸筒後方へ付勢され、ホルダー付勢部材13の付勢力に抗して前進した状態では軸筒径方向へ移動可能である。
すなわち、ホルダー20’は、上記ホルダー20に対し、上記カム斜面20aを軸筒10’前側開口部のカム斜面11a’に置換し、ホルダー20’の外周面に環状突起20a’を設けた構成になっている。環状突起20a’は、カム斜面11a’に摺接するように配置される。
図12(a)(b)に示す筆記具2によれば、上述した筆記具1と略同様に、ホルダー20’から前方へ突出した筆記芯30の鉛芯31に、被筆記面Pから交差方向の反力(筆圧)が加わり、この反力が通常の筆圧範囲よりも大きい場合には、この反力を受けて、ホルダー20’は、該ホルダー20’の環状突起20a’を、軸筒10’の前側開口部のカム斜面11a’に滑らせて軸筒径外方向へ移動しながら前進する。
よって、この筆記具2によっても、ホルダー20’から突出した鉛芯31を、前進するホルダー20’によって覆い保護することができる。
また、チャック32b及びスライド筒32eの進退により発生する芯粉を、スライド筒32e外周の芯粉逃がし溝32e2(図3参照)によって軸方向へ逃がし、芯粉固着による動作不良を低減することができる。
さらに、ホルダー20’の後退の際、ホルダー20’と一体的に後退するバネ受け部21が、緩衝材33へ当接し、緩衝材33が弾性的に収縮する。このため、ホルダー20’及びバネ受け部21の後退による作動音を低減することができる。
例えば、ニードル状(換言すれば長尺円筒状)のボールペンチップを有するボールペン用筆記芯を上記筆記芯30として用いた場合には、そのボールペンチップの前記ニードル状の部分をホルダー20に挿通し、その前端部をホルダー20(又は20’)前端から前方へ突出させ、軸筒10内では、前記ボールペン用筆記芯を、上記筆記芯30と同様にして傾動可能に支持すればよい。
図13に示す筆記具3は、ホルダー20”の後端側に、軸筒10”の前端縁に遊嵌する環状の凹部を設け、この凹部内の径外方向側の面を、前方へ向かって縮径するカム斜面23”としている。ホルダー20”の前端側には、鉛芯31を覆うようにしてパイプ状の保護管22”が固定されている。
この筆記具3によれば、上述した実施例と同様に、筆記芯30前端の鉛芯31を介してホルダー20”に交差方向の力が加わると、カム斜面23”が軸筒10”の前端縁で滑って、ホルダー20”及び保護管22”が前進する(図13の二点鎖線参照)。すなわち、カム斜面23”は、該カム斜面23”に加わる軸筒径外方向の力によりホルダー20”を前進させる運動方向変換機構として機能する。
よって、鉛芯31の前端側を前進する保護管22”によって覆い保護することができる。
また、上述した筆記具1,2と略同様のメカニズムにより、芯粉を芯粉逃がし溝32e2(図3参照)によって軸方向へ逃がし、芯粉固着による動作不良を低減することができる上、ホルダー20”及びバネ受け部21が後退する際の作動音を、緩衝材33によって低減することができる。
図14に示す筆記具4は、上記筆記具1から進退部材40を省き、筆記芯付勢部材50を筆記芯付勢部材50’に置換したものである。
筆記芯付勢部材50’は、前方へ向かって徐々に径を小さくした圧縮コイルスプリングであり、後端が後側軸筒12前端に受けられた状態で、前端を筆記芯支持部32g20に当接させることで、筆記芯30を直接前方へ付勢している。
よって、図14に示す筆記具4によっても、鉛芯31に後方への過剰な押圧力が加わった際に、筆記芯30を筆記芯付勢部材50’の付勢力に抗して後退させて、鉛芯31が折れるのを防ぐことができる。
また、上述した筆記具1,2と略同様のメカニズムにより、芯粉を芯粉逃がし溝32e2によって軸方向へ逃がし、芯粉固着による動作不良を低減することができる上、ホルダー20及びバネ受け部21が後退する際の作動音を、緩衝材33によって低減することができる。
10,10’,10”:軸筒
11c:段部
11a:前側開口部
13:ホルダー付勢部材
20,20’,20”:ホルダー
20a,11a’,21”:カム斜面
21:バネ受け部
30:筆記芯
31:鉛芯
32:鉛芯繰出し機構
32a:芯タンク
32b:チャック
32c:クラッチリング
32d:芯ブレーカ
32e:スライド筒
32e1:拡径部分
32e2:芯粉逃がし溝
32f:スライド筒付勢部材
32g:保持筒
32g1:前側保持部
32g2:後側保持部
32g12:前側当接部
32g20:筆記芯支持部
32g22:当接部
32h:芯タンク付勢部材
33:緩衝材
40:進退部材
50:筆記芯付勢部材
Claims (8)
- 軸筒と、該軸筒の前側開口部に挿通されるとともに該軸筒の前端から前方へ突出するホルダーと、該ホルダーの内周面に接して該ホルダーに挿通されるとともに該ホルダーの前端から前方へ突出するように支持された筆記芯とを備え、前記ホルダーを前記軸筒に相対し進退させるようにした筆記具において、
後退した際の前記ホルダーを受けて弾性変形する緩衝材を設けたことを特徴とする筆記具。 - 前記ホルダーに、軸筒後方へ突出して前記緩衝材を部分的に押圧する突起を設けたことを特徴とする請求項1記載の筆記部。
- 前記ホルダーを前記緩衝材を介して受ける部位に、軸方向前方へ突出して前記緩衝材を部分的に押圧する突起を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の筆記具。
- 前記ホルダーを軸筒に対し後方へ付勢するように、ホルダー付勢部材を設けたことを特徴とする請求項1乃至3何れか1項記載の筆記具。
- 前記筆記芯が軸筒に支持され、
軸筒と前記ホルダーの間には、前記ホルダーに加わる軸筒径外方向の力により前記ホルダーを軸筒及び前記筆記芯に相対し前進させる運動方向変換機構が具備されていることを特徴とする請求項1乃至4何れか1項記載の筆記具。 - 前記運動方向変換機構は、軸筒と前記ホルダーとのうちの少なくとも一方に、カム斜面を設け、前記ホルダーを、前記カム斜面を介して軸筒に進退可能に係合してなり、
前記カム斜面は、前記ホルダーに加わる軸筒径外方向の力により前記一方に対する他方に摺接して前記ホルダーを前進させるように傾斜していることを特徴とする請求項5記載の筆記具。 - 軸筒内に、前方側を縮径する段部と、該段部よりも後方側で前方へ向かって拡径する筆記芯支持傾斜面とを備え、
前記筆記芯の外周部に、径外方向へ突出する筆記芯支持部を備え、
前記筆記芯支持部を、軸筒内で前記段部と前記筆記芯支持傾斜面の間に設けるとともに、後方及び軸筒径方向へ微動可能にしたことを特徴とする請求項1乃至6何れか1項記載の筆記具。 - 前記ホルダーと前記筆記芯支持部との間に、前記緩衝材を設けたことを特徴とする請求項7記載の筆記具。
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