JP2016035564A - 硬化性樹脂組成物及びカラーフィルタ - Google Patents

硬化性樹脂組成物及びカラーフィルタ Download PDF

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Abstract

【課題】現像速度の更なる向上を達成でき、硬化性、硬化後の耐溶剤性、基板(基材)との密着性、耐熱性及び透明性等の各種物性を安定的に発揮できるとともに、保存安定性にも優れ、カラーフィルタ等の各種用途に有用な硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。また、このような硬化性樹脂組成物により形成される硬化物、並びに、該硬化物を用いたカラーフィルタ及び表示装置を提供することも目的とする。
【解決手段】(A)主鎖に環構造を有する重合体、(B)重合性化合物、(C)光重合開始剤、及び、(D)溶剤を含有する硬化性樹脂組成物であって、該重合体(A)は、所定の構造式で表される単量体とアクリル酸とを含む単量体混合物を重合して得られる、硬化性樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、硬化性樹脂組成物及びその用途(例えば、カラーフィルタ等)に関する。
熱や活性エネルギー線によって硬化しうる硬化性樹脂組成物は、例えば、光学部材や電機・電子機器等の各種用途への適用が種々検討され、各用途で要求される特性に優れた硬化性樹脂組成物の開発がなされている。具体的な用途の一例としてカラーフィルタが挙げられるが、カラーフィルタとは、液晶表示装置や固体撮像素子等を構成する主要部材であり、一般に、基板、少なくとも3原色(赤(R)・緑(G)・青(B))の画素、及び、それらを区切る樹脂ブラックマトリクス(BM)に加え、画素及び樹脂ブラックマトリクスを被覆・保護し、かつそれらの凹凸を平坦化するために設けられる保護膜等から構成されるものである。
通常、硬化性樹脂組成物を用いてカラーフィルタの画素形成を行う場合は、画素一色につき、(1)基板全面に硬化性樹脂組成物を塗布する塗布工程と、(2)塗布工程により形成されたレジスト膜に、フォトマスクを介してパターン露光して露光部を硬化させた後、硬化部を不溶化する露光工程と、(3)現像液により未露光部を除去した後、焼成(ベーク)によって露光部を更に硬化させる現像・焼成(ベーク)処理工程とを行い、これと同じ工程を各色で繰り返す手法が採用されている。近年では、生産性を高くするため、上記(3)の現像速度を速くすることが求められている。そこで、例えば、特許文献1〜3に記載の手法が提案されている。
特開2010−145719号公報 特開2010−270208号公報 特開2010−266740号公報
上述したように、特許文献1〜3等により、現像速度を速くするための手法が提案されている。だが、これらの手法をもってしても現像速度が未だ遅い傾向にある。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、現像速度の更なる向上を達成でき、硬化性、硬化後の耐溶剤性、基板(基材)との密着性、耐熱性及び透明性等の各種物性を安定的に発揮できるとともに、保存安定性にも優れ、カラーフィルタ等の各種用途に有用な硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。本発明はまた、このような硬化性樹脂組成物により形成される硬化物、並びに、該硬化物を用いたカラーフィルタ及び表示装置を提供することも目的とする。
本発明者等は、カラーフィルタ等の各種用途に有用な硬化性樹脂組成物について種々検討したところ、(A)主鎖に環構造を有する重合体、(B)重合性化合物、(C)光重合開始剤、及び(D)溶剤を含有する硬化性樹脂組成物とし、かつ該重合体(A)を、エーテルダイマーである特定の単量体とアクリル酸とを含む単量体混合物を重合して得られる重合体とすることで、アルカリ現像の際の現像時間を短縮することができ、より生産性の向上、製造コストの低減が可能となることを見いだした。通常、カラーフィルタ等の用途で使用されるアルカリ可溶性樹脂を得る際、酸基含有単量体としてアクリル酸よりもメタクリル酸を使用する方が多い。メタクリル酸を用いる方が、アルカリ可溶性樹脂の耐熱性が向上されるためである。だが本発明者等は、このような従来の技術常識に反して、重合体(A)を与える単量体の一成分として、アクリル酸を必須に用いることで、メタクリル酸を用いる場合よりも、アルカリ現像の際の現像時間を著しく短縮することができることを見いだした。
このような硬化性樹脂組成物は、カラーフィルタ用途に特に有用であり、中でも、カラーフィルタ用の画素を形成するための樹脂組成物として好適である。そのため、このような硬化性樹脂組成物から形成される硬化物、カラーフィルタ及び表示装置は、近年の高生産性や高性能化等の要望に充分に対応できるものとして光学分野や電機・電子分野で極めて有用なものとなることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、(A)主鎖に環構造を有する重合体、(B)重合性化合物、(C)光重合開始剤、及び、(D)溶剤を含有する硬化性樹脂組成物であって、該重合体(A)は、下記一般式(1)で表される単量体とアクリル酸とを含む単量体混合物を重合して得られる、硬化性樹脂組成物である。
Figure 2016035564
式(1)中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、又は、置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素基を表す。
本発明では、上記一般式(1)で表される単量体として、上記一般式(1)で表される単量体と水とを含むエーテルダイマー組成物を用いることが好ましく、その際、水の含有量は、該エーテルダイマー組成物の総量100質量%に対して0.1〜10質量%であることが好ましい。
上記単量体混合物は、更に、環状構造を有する単量体を含むことが好ましい。
上記重合体(A)は、重量平均分子量が5000〜50000、かつ酸価が50〜200mgKOH/gであることが好ましい。
本発明はまた、上記硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物でもある。
本発明は更に、基板上に、上記硬化物を有するカラーフィルタでもある。
本発明はそして、上記カラーフィルタを用いて構成される表示装置でもある。
本発明の硬化性樹脂組成物は、上述のような構成であるので、現像性が良好で、現像速度の更なる向上を達成でき、硬化性、硬化後の耐溶剤性、基板(基材)との密着性、耐熱性及び透明性等の各種物性を安定的に発揮できるとともに、保存安定性にも優れ、カラーフィルタ等の各種用途に有用なものである。したがって、このような硬化性樹脂組成物により形成される硬化物(硬化膜)を有するカラーフィルタ及び表示装置は、光学分野や電機・電子分野で非常に有用なものである。
以下に本発明を詳述する。以下に記載される本発明の個々の好ましい形態を2又は3以上組み合わせた形態も本発明の好ましい形態である。なお、範囲を表す「A〜B」は「A以上B以下」を意味する。
〔硬化性樹脂組成物〕
本発明の硬化性樹脂組成物(単に「樹脂組成物」とも称す)は、(A)主鎖に環構造を有する重合体、(B)重合性化合物、(C)光重合開始剤、及び、(D)溶剤を含むが、これら含有成分は、それぞれ1種又は2種以上を使用することができる。また、必要に応じて、更に、他の成分を1種又は2種以上含んでいてもよい。
本明細書では、(A)主鎖に環構造を有する重合体を「重合体(A)」又は「(A)成分」とも称し、(B)重合性化合物を「化合物(B)」又は「(B)成分」とも称し、(C)光重合開始剤を「(C)成分」とも称し、(D)溶剤を「(D)成分」とも称す。また、「(メタ)アクリル酸」とは、メタクリル酸とアクリル酸との両方を表現した表記である。
上記(A)〜(C)成分の含有割合は特に限定されないが、例えば、(A)成分100質量部に対して、(B)成分が20〜300質量部、(C)成分が5〜50質量部であることが好ましい。これにより、硬化性及び透明性がより高いものとなる。より好ましくは、(A)成分100質量部に対して、(B)成分が30〜200質量部、(C)成分が10〜50質量部であることである。また、(D)成分の含有割合は、例えば、(A)成分100質量部に対して、20〜5000質量部であることが好ましい。より好ましくは50〜2000質量部である。
以下に、(A)〜(E)成分等の含有成分について更に詳述する。
(A)主鎖に環構造を有する重合体
重合体(A)は、上記一般式(1)で表される単量体(「エーテルダイマー」とも称す)と、アクリル酸とを含む単量体混合物を重合して得られる重合体である。エーテルダイマーを用いることで、重合の際にこのエーテルダイマーが環化反応して、重合体の構成単位中にテトラヒドロピラン環構造(主鎖環構造)が形成されると推測される。このような重合体(A)を含む硬化性樹脂組成物は、耐熱性や表面硬度、密着性に優れ、また、例えばポストベイク(post-bake;熱処理)等の高温暴露後の経時変化がより抑制されて各種物性を安定して発現できる硬化物を与えることが可能になる。
上記重合体(A)の酸価(AV)は、50〜200mgKOH/gであることが好ましい。これにより、充分なアルカリ可溶性が発現され、現像性(現像速度)により優れる硬化物を与えることが可能になる。より好ましくは60〜180mgKOH/g、更に好ましくは70〜160mgKOH/g、特に好ましくは70〜150mgKOH/gである。
本明細書中、重合体の酸価は、後述する実施例に記載の方法により求めることができる。
上記重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は特に限定されないが、例えば、5000〜50000であることが好ましい。5000以上であることで、より充分な耐熱性を発現でき、また、50000以下であることで、硬化性樹脂組成物の粘度がより適切なものとなって、塗膜を形成しやすくなるため、現像性がより向上される。より好ましくは6000〜30000、更に好ましくは8000〜20000である。
本明細書中、重量平均分子量は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
上記重合体(A)は、上記エーテルダイマーとアクリル酸とを含む単量体混合物を重合して得られる重合体(「ベースポリマー」とも称す)であってもよいし、後述するように、当該ベースポリマーの側鎖に二重結合を導入した重合体(側鎖に二重結合を有する重合体、又は、側鎖二重結合含有重合体とも称す)であってもよい。このような側鎖二重結合含有重合体も、本発明でいう重合体(A)に包含するものとする。より好ましくは、感光性や硬化性、耐熱分解性等の観点から、側鎖二重結合含有重合体である。
以下、重合体(A)の原料成分や重合方法について更に説明する。
−重合体(A)の原料成分(単量体等)−
(i)エーテルダイマー
上記エーテルダイマーは、上記一般式(1)で表される化合物である。使用されるエーテルダイマーは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
上記一般式(1)中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、又は、置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素基を表す。置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素基としては特に限定されないが、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、t−アミル、ステアリル、ラウリル、2−エチルヘキシル等の直鎖状又は分岐状のアルキル基;フェニル等のアリール基;シクロヘキシル、t−ブチルシクロヘキシル、ジシクロペンタジエニル、トリシクロデカニル、イソボルニル、アダマンチル、2−メチル−2−アダマンチル等の脂環式基;1−メトキシエチル、1−エトキシエチル等のアルコキシで置換されたアルキル基;ベンジル等のアリール基で置換されたアルキル基;等が挙げられる。これらの中でも特に、メチル、エチル、シクロヘキシル、ベンジル等のような、酸や熱で脱離しにくい1級又は2級炭素を有する基であることが、耐熱性の点で好ましい。また、炭化水素基の炭素数は、好ましくは1〜12、より好ましくは1〜8である。なお、R及びRは、同種の基であってもよいし、異なる基であってもよい。
上記エーテルダイマーとして具体的には、例えば、ジメチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジエチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(n−プロピル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(イソプロピル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(n−ブチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(イソブチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(t−ブチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(t−アミル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(ステアリル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(ラウリル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(2−エチルヘキシル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(1−メトキシエチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(1−エトキシエチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジベンジル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジフェニル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジシクロヘキシル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(t−ブチルシクロヘキシル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(ジシクロペンタジエニル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(トリシクロデカニル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(イソボルニル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジアダマンチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(2−メチル−2−アダマンチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート等が挙げられる。これらの中でも特に、ジメチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジエチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジシクロヘキシル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、及び/又は、ジベンジル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエートが好ましい。
上記重合体(A)を与える単量体混合物中のエーテルダイマーの含有割合は特に限定されないが、単量体混合物の総量100質量%に対し、2質量%以上であることが好ましい。これにより、透明性や耐熱性等の塗膜性能により優れる硬化性樹脂組成物が得られる。また、60質量%以下であることが好ましい。これにより、重合の際、低分子量のものをより容易に得ることができる他、ゲル化を充分に抑制することも可能になる。より好ましくは2〜60質量%、更に好ましくは5〜55質量%、特に好ましくは5〜50質量%である。
なお、ここでの単量体混合物中のエーテルダイマーの含有割合は、エーテルダイマーの正味の量を意味する。すなわち、後述するようにエーテルダイマーとしてこれと水とを含むエーテルダイマー組成物を用いる場合でも、このうちのエーテルダイマーのみの量を、上記好ましい範囲に設定することが好適である。
本発明では、上記一般式(1)で表される単量体(エーテルダイマー)として、上記一般式(1)で表される単量体と水とを含む組成物(これを「エーテルダイマー組成物」とも称す)を用いることが好ましい。この場合、エーテルダイマー組成物中の水の含有量は、エーテルダイマー組成物の総量100質量%に対し0.1〜10質量%であることが好適である。これにより、上記エーテルダイマーの貯蔵安定性が向上され、得られる重合体(A)及び硬化性樹脂組成物の貯蔵安定性も向上されることになる。また、この範囲では、高温での貯蔵安定性も低温での貯蔵安定性も向上される。水の含有量は、エーテルダイマー組成物の総量100質量%に対し、より好ましくは0.3〜10質量%、更に好ましくは0.5〜7質量%、特に好ましくは0.7〜5質量%、最も好ましくは1〜3質量%である。
上記エーテルダイマー組成物において使用される水としては特に限定されないが、純水が好ましい。コスト面を考慮すると、より好ましくは、一般的に使用されているイオン交換樹脂を通したイオン交換水である。
上記エーテルダイマー組成物において、上記一般式(1)で表される単量体(エーテルダイマー)の含有量は特に限定されないが、例えば、エーテルダイマー組成物の総量100質量%に対し、10〜70質量%であることが好ましい。この範囲内にあると、エーテルダイマーの貯蔵安定性がより向上される他、重合体(A)中の主鎖環構造の含有量がより適切なものとなって、硬化性樹脂組成物の耐熱性及び透明性がより向上する。より好ましくは15〜40質量%、更に好ましくは20〜30質量%である。
上記エーテルダイマー組成物は、上記一般式(1)で表される単量体と水とに加えて、更に、安定剤、及び/又は、非水系溶媒を含むことが好適である。これにより、貯蔵安定性がより向上する。なお、エーテルダイマー組成物に含まれる各含有成分は、それぞれ1種又は2種以上を使用することができる。
上記安定剤は、ラジカル重合や酸化劣化を防止する機能を有する化合物である。例えば、通常、重合禁止剤又は酸化防止剤として使用される化合物を用いることができ、特に限定されるものではない。具体的には、フェノール系化合物、有機酸銅塩、フェノチアジン類、ホスファイト類、チオエーテル類、ヒンダードアミン系化合物、アスコルビン酸類、チオシアン酸塩類、チオ尿素誘導体、亜硝酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、ヒドロキシルアミン誘導体、N−オキシル化合物等が挙げられる。これらの中でも、着色や相溶性等の点で、環構造を有するヒドロキシ基含有化合物が好ましく、より好ましくはフェノール系化合物である。具体的には、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、メトキノン、6−t−ブチル−2,4−キシレノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メトキシフェノール、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)等が挙げられる。また、N−オキシル化合物も好ましく、具体的には、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルの誘導体、中でも4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル等が挙げられる。
上記安定剤は、1種だけを使用してもよく、2種以上を併用してもよいが、エーテルダイマーの貯蔵安定性を最も向上できることから、フェノール系化合物とN−オキシル化合物を併用することが特に好ましい。フェノール系化合物/N−オキシル化合物の質量割合としては、15/1〜5/1であることが好ましい。より好ましくは10/1〜7/1、更に好ましくは8/1の割合である。
上記エーテルダイマー組成物において、安定剤の含有量は特に限定されないが、例えば、エーテルダイマー組成物の総量100質量%に対し、0.001〜1質量%であることが好ましい。この範囲にあると、貯蔵安定性がより向上されるとともに、貯蔵中の着色や重合性低下がより充分に抑制される。より好ましくは0.002〜0.1質量%、更に好ましくは0.003〜0.05質量%である。
上記非水系溶媒は、エーテルダイマー、水及び安定剤を均一溶解できる有機溶媒であれば、限定されない。具体的には、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒 、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、芳香族系溶媒、アミド系溶媒、ニトリル系溶媒及びスルホキシド系溶媒からなる群より選択される少なくとも1種の溶媒であることが好ましい。
以下、これらの溶媒の具体例を記載する。
(アルコール系溶媒)
メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール等のモノアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;グリセリン等の多価アルコール類;等。
(エーテル系溶媒)
テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシブタノール等のグリコールモノエーテル類;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル類;等。
(エステル系溶媒)
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のグリコールモノエーテルのエステル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のアルキルエステル類;等。
(ケトン系溶媒)
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類等。
(芳香族系溶媒)
ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類等。
(アミド系溶媒)
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類等。
(ニトリル系溶媒)
アセトニトリル、プロビオニトリル、 ベンゾニトリル等。
(スルホキシド系溶媒)
ジメチルスルホキシド等。
上記非水系溶媒の種類及び量は、硬化性樹脂組成物の目的又は用途、エーテルダイマー組成物の製造条件、重合体(A)や硬化性樹脂組成物の製造条件等に応じて適宜選択すればよい。例えば、本発明の硬化性樹脂組成物をレジスト用途に使用する場合は、非水系溶媒として、レジストを構成する溶媒(「レジスト用溶媒」とも称す)と同一のものを使用することが好ましい。この場合、レジストを調製する際に非水系溶媒を除去しなくても使用できるので、工程を簡略化できる。レジスト用溶媒として具体的には、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、乳酸エチル等のエステル系溶媒;シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル系溶媒;等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、酢酸メチル、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン等の、除去が容易な低沸点溶媒も好ましい。
また例えば、重合中の溶液粘度を下げて分子量制御等を容易にする観点からは、メタノール、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール系溶媒を用いることが好ましい。中でも、本発明の硬化性樹脂組成物をレジスト用途に使用する場合は、除去の容易なメタノール、エタノール、イソプロパノール等の低沸点のアルコール系溶媒がより好ましい。
したがって、特に、本発明の硬化性樹脂組成物を、カラーフィルター用レジストのようなアルカリ現像型ネガレジスト用樹脂組成物として使用する場合、非水系溶媒として、上述したレジスト用溶媒とアルコール系溶媒との混合溶媒を用いることが好ましい。
上記エーテルダイマー組成物において、非水系溶媒の含有量は特に限定されないが、例えば、エーテルダイマー組成物の総量100質量%に対し、20〜90質量%であることが好ましい。これにより、エーテルダイマー及び水をより均一に溶解することができる他、重合体(A)中の主鎖環構造の含有量がより適切なものとなって、硬化性樹脂組成物の耐熱性及び透明性がより向上する。より好ましくは50〜85質量%、更に好ましくは55〜75質量%である。
上記エーテルダイマー組成物を製造する方法として好ましくは、エーテルダイマー、水、安定剤、及び、非水系溶媒を、それぞれ上述した好適な含有割合になるように、均一に混合することである。
ここで、上記エーテルダイマー(すなわち上記一般式(1)で表される単量体)の製造方法は、特に限定されないが、α−ヒドロキシメチルアクリル酸エステルを3級アミン触媒で脱水2量化した後、不純物(触媒や副反応生成物等)を除去する方法が好ましい。これにより、対称形のエーテルダイマーを高収率、高純度で得ることができる。不純物を除去する方法としては、抽出、晶折、蒸留等の公知の精製方法を適宜選択できる。だが、高純度のエーテルダイマーを高収率で得られることから、晶折を採用することが好ましい。
なお、晶析とは、液相等から結晶を析出させることを意味する。
特に、エーテルダイマー組成物の安定性向上、及び、後の重合時のゲル化防止の観点から、エーテルダイマー組成物の総量100質量%に対し、重合性不飽和二重結合を含む副反応生成物(架橋性化合物、エステルダイマー、3量体等)が0.001質量%以下となるまで除去することが好ましい。より好ましくは、検出限界以下まで除去することである。また、着色防止の観点から、エーテルダイマー組成物の総量100質量%に対し、3級アミン触媒を0.01質量%以下となるまで除去することが好ましい。より好ましくは0.001質量%以下、更に好ましくは0.0005質量%以下まで除去することである。
(ii)アクリル酸
上記単量体混合物中のアクリル酸の含有割合は、重合体の酸価が上述の好ましい範囲内となるように設定することが好適である。例えば、単量体混合物の総量100質量%に対し、7質量%以上であることが好ましく、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは13質量%以上である。また、30質量%以下であることが好ましく、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。
(iii)他の酸基含有単量体
本発明では、酸基を有する単量体(「酸基含有単量体」と称す)として、アクリル酸を必須に用いるが、必要に応じて、アクリル酸以外の酸基含有単量体(「他の酸基含有単量体」を原料として用いてもよい。すなわち上記単量体混合物は、更に、他の酸基含有単量体を1種又は2種以上含んでもよい。酸基としては、アルカリ水と中和反応する官能基であればよい。具体的には、例えば、カルボキシル基、フェノール性水酸基、カルボン酸無水物基、リン酸基、スルホン酸基等が挙げられる。なお、酸基として、これらの1種のみを有していてもよいし、2種以上有していてもよい。中でも、カルボキシル基及び/又はカルボン酸無水物基が好ましく、カルボキシル基がより好ましい。
上記他の酸基含有単量体としては、例えば、メタクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、ビニル安息香酸等の不飽和モノカルボン酸類;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和多価カルボン酸類;コハク酸モノ(2−アクリロイルオキシエチル)、コハク酸モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)等の、不飽和基とカルボキシル基との間が鎖延長されている不飽和モノカルボン酸類;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和酸無水物類;ライトエステルP−1M(共栄社化学製)等のリン酸基含有不飽和化合物;等が挙げられる。これらの中でも、汎用性、入手性等の観点から、カルボン酸系単量体(不飽和モノカルボン酸類、不飽和多価カルボン酸類、不飽和酸無水物類)を用いることが好適である。より好ましくは、反応性、アルカリ可溶性等の点で、不飽和モノカルボン酸類を用いることが好ましく、このうち特に好ましくはメタクリル酸である。
上記他の酸基含有単量体の使用量は、アクリル酸や上記エーテルダイマーに由来する作用効果が充分に発揮される限り特に限定されるものではない。例えば、アクリル酸100質量部に対し、0〜50質量部とすることが好ましい。より好ましくは0〜30質量部、更に好ましくは0〜10質量部、特に好ましくは0〜5質量部である。
(iv)環状構造を有する単量体
上記単量体混合物はまた、環状構造を有する単量体を含むことが好ましい。すなわち上記単量体混合物は、更に、環状構造を有する単量体を含むことが好適である。環状構造を有する単量体は、1種又は2種以上を使用することができる。
上記環状構造を有する単量体としては、例えば、N置換マレイミド系単量体;(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸1−アダマンチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル等の環状構造含有(メタ)アクリル酸エステル系単量体;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;等が挙げられる。
上記N置換マレイミド系単量体としては、例えば、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド、N−ドデシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−ナフチルマレイミド、p−メチルベンジルマレイミド、p−ブチルベンジルマレイミド、p−ヒドロキシベンジルマレイミド、o−クロロベンジルマレイミド、o−ジクロロベンジルマレイミド、p−ジクロロベンジルマレイミド等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。中でも、透明性の観点から、N−フェニルマレイミド、N−ベンジルマレイミドが好ましく、特にN−ベンジルマレイミドが好適である。
上記N−ベンジルマレイミドとしては、例えば、ベンジルマレイミド;p−メチルベンジルマレイミド、p−ブチルベンジルマレイミド等のアルキル置換ベンジルマレイミド;p−ヒドロキシベンジルマレイミド等のフェノール性水酸基置換ベンジルマレイミド;o−クロロベンジルマレイミド、o−ジクロロベンジルマレイミド、p−ジクロロベンジルマレイミド等のハロゲン置換ベンジルマレイミド;等が挙げられる。
上述した環状構造を有する単量体の中でも、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、スチレン及び/又はビニルトルエンが、透明性が良好で、耐熱性を損ないにくい点で好ましい。
上記単量体混合物中の環状構造を有する単量体の含有割合は特に限定されないが、単量体混合物の総量100質量%に対し、60質量%以下であることが好ましい。中でも、耐熱性や硬度、色材分散性、現像速度、透明性等の観点から、2〜60質量%とすることが好ましい。より好ましくは2〜50質量%、更に好ましくは3〜40質量%である。
(v)他の単量体
上記重合体(A)を得るための単量体混合物はまた、必要に応じて、上記エーテルダイマー及び/又はアクリル酸等と共重合可能なその他の単量体(「他の単量体」とも称す)を含んでもよい。他の単量体は、1種又は2種以上を使用することができる。
上記他の単量体としては、例えば、重合時に環状構造を形成する単量体(但し、上記一般式(1)で表される単量体を除く。)が挙げられる。例えば、α−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレート系単量体が挙げられる。中でも、アルキル−(α−アリルオキシメチル)アクリレート系単量体が好ましい。その他、アルキル−(α−メタリルオキシメチル)アクリレート系単量体等も好ましい。
上記他の単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸メチル2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル等の(メタ)アクリル酸エステル類;ブタジエン、イソプレン等のブタジエン又は置換ブタジエン化合物;エチレン、プロピレン、塩化ビニル、アクリロニトリル等のエチレン又は置換エチレン化合物;酢酸ビニル等のビニルエステル類;等が挙げられる。これらの中でも、(メタ)アクリル酸メチル及び/又は(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルが、透明性が良好で、耐熱性を損ないにくい点で好ましい。これら共重合可能な他の単量体は、1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
上記他の単量体の含有割合は、例えば、カラーフィルタ用レジストに用いる場合、単量体混合物の総量100質量%に対し、0〜80質量%であることが好ましい。より好ましくは1〜80質量%であり、この範囲にあると、耐熱着色性、無機系化合物分散性により一層優れる樹脂組成物を得ることができる。更に好ましくは5〜75質量%、特に好ましくは10〜70質量%である。
−重合方法−
上記重合体(A)は、上述した単量体混合物を重合して得られる。重合反応の方法は特に限定されず、従来公知の各種重合方法を採用することができる。中でも、ラジカル重合機構に基づく重合方法が、工業的にも有利であるため好ましい。また、重合濃度や重合温度は、使用する単量体の種類や比率、目標とする重合体の分子量によっても異なるが、好ましくは、重合温度を40〜150℃、重合濃度を20〜50質量%に設定することであり、より好ましくは、重合温度を60〜130℃、重合濃度を30〜45%に設定することである。
上記重合に溶媒を用いる場合には、溶媒としては、通常のラジカル重合反応で使用される溶媒を用いればよい。好ましくは、硬化性樹脂組成物に含まれる溶媒、すなわち(D)成分として使用される化合物を用いることであり、これにより、硬化性樹脂組成物の調製が容易になる。具体的には、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のエステル類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類;トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;クロロホルム;ジメチルスルホキシド;等が挙げられる。これら溶媒は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
特に、単量体混合物の総量100質量%に対する酸基含有単量体の総含有量が30質量%を超える場合には、重合体の析出を防止するために、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶媒と、プロピレングリコールモノメチルエーテルやイソプロパノール等のアルコール系溶媒との混合溶媒を用いることが好ましい。
なお、ここでの酸基含有単量体の含有量とは、側鎖に反応性二重結合(重合性二重結合)を導入するために消費される量を上乗せしたものである。
上記重合には、必要に応じて、通常用いられる重合開始剤を用いてもよい。
重合開始剤としては特に限定されないが、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物;2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等のアゾ化合物;が挙げられる。これら重合開始剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記重合開始剤の使用量は、用いる単量体の組み合わせや、反応条件、目標とする重合体の分子量等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、単量体混合物の総量100質量部に対し、0.1〜15質量部とすることが好ましい。これにより、ゲル化することなく重量平均分子量が好ましい範囲(例えば、数千〜数万)の重合体を容易に得ることができる。より好ましくは0.5〜10質量部である。
上記重合にはまた、分子量調整のために、必要に応じて、通常用いられる連鎖移動剤を用いてもよい。連鎖移動剤としては、例えば、n−ドデシルメルカプタン、メルカプトプロピオン酸、メルカプト酢酸、メルカプト酢酸メチル等のメルカプタン系連鎖移動剤、α−メチルスチレンダイマー等が挙げられる。好ましくは、連鎖移動効果が高く、残存モノマーを低減でき、入手も容易な、n−ドデシルメルカプタン及び/又はメルカプトプロピオン酸である。
連鎖移動剤を使用する場合、その使用量は、用いる単量体の組み合わせや、反応条件、目標とする重合体の分子量等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、単量体混合物の総量100質量部に対し、0.1〜15質量部とすることが好ましい。これにより、ゲル化することなく重量平均分子量が好ましい範囲(例えば、数千〜数万)の重合体を容易に得ることができる。より好ましくは0.5〜10質量部である。特に本発明では、重合体(A)の重量平均分子量は5000〜5万であることが好ましいが、このような低分子量の重合体を得るのに、連鎖移動剤の使用量を、単量体混合物の総量100質量部に対して1〜8質量部とすることが特に好ましい。
ここで、上記重合体(A)は、側鎖に重合性二重結合を含むことが好ましい。側鎖に重合性二重結合を持たせることにより、熱や光で硬化させることができる。そのため、より耐熱分解性が向上するほか、感光性樹脂組成物としたときの光に対する感度が向上し、より少ない光で硬化し、かつ硬化後の機械強度も高くなる。側鎖に重合性二重結合を導入する方法としては、酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合を含む化合物(好ましくは、エポキシ基、オキサゾリン基及び水酸基からなる群より選択される少なくとも1種と重合性不飽和二重結合とを含む化合物)を付加させる方法が挙げられる。重合性不飽和二重結合としては、得られる重合体の反応性の点から、(メタ)アクリロイル基有する二重結合が好ましく挙げられる。
上記エポキシ基、オキサゾリン基及び水酸基からなる群より選択される少なくとも1種と重合性不飽和二重結合とを含む化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アリルアルコール等の水酸基と二重結合とを有する化合物;(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基と二重結合とを有する化合物; ビニルオキサゾリン、イソプロペニルオキサゾリン等のオキサゾリン基と二重結合とを有する化合物;等が挙げられる。これらの中でも、反応性が高く、かつ反応のコントロールがしやすいうえ、入手が容易で、しかもラジカル重合性二重結合だけでなく同時に水酸基も導入できる点から、(メタ)アクリル酸グリシジル、及び/又は、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチルが好ましい。
上記酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合を含む化合物の付加量は、ベースポリマーを構成する単量体混合物の総量100質量部に対して、好ましくは2〜50質量部である。当該化合物の付加量がこの範囲にあることで、硬化性樹脂組成物の硬化性がより高まり、硬化後の強度がより充分なものとなる他、得られる重合体(側鎖二重結合含有重合体)の保存安定性がより向上され、また、硬化性樹脂組成物の硬化物において着色が充分に抑制される。より好ましくは2〜45質量部、更に好ましくは5〜40質量部、特に好ましくは7〜30質量部である。
上記ベースポリマー中の酸基の一部に、酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合を含む化合物(特に好ましくは(メタ)アクリル酸グリシジル等)を付加する方法は、公知の方法を採用すればよく、特に限定されない。例えば、反応温度は60℃〜140℃が好ましい。また、トリエチルアミンやジメチルベンジルアミン等のアミン化合物;塩化テトラエチルアンモニウム等のアンモニウム塩;臭化テトラフェニルホスホニウム等のホスホニウム塩、ジメチルホルムアミド等のアミド化合物;等の公知の触媒を使用することが好ましい。
上記二重結合の導入の結果、得られる重合体(A)(この場合、重合体(A)は側鎖二重結合含有重合体となる。)の二重結合当量(二重結合1molあたりの分子量(g)を意味する)は、好ましくは300〜4000g/molである。二重結合当量がこの範囲にあると、光に対する感度が高くなって現像性がより向上される他、硬化時の着色がより抑制され、また、保存安定性や溶媒に対する溶解性がより向上される。より好ましくは400〜3000g/mol、更に好ましくは500〜2000g/molである。
二重結合当量は、分子中に含まれる二重結合量の尺度となるものであり、同じ分子量の化合物であれば、二重結合当量の数値が大きいほど二重結合の導入量が少なくなる。二重結合当量は、重合体や二重結合を導入する化合物の仕込み量から計算できる。滴定及び元素分析、NMR、IR等の各種分析や示差走査熱量計法を用いて測定することもできる。
(B)重合性化合物
重合性化合物(B)は、重合性の基を有する化合物を意味する。好ましくは、重合性二重結合を有する化合物である。
上記化合物(B)の分子量(原子量換算量(炭素原子の質量数を12.01とする)を意味する)は、700以下であることが好ましく、より好ましくは650以下、更に好ましくは600以下である。また、二重結合当量が150以下であることが好ましく、より好ましくは140以下、更に好ましくは110以下である。これらの下限は特に限定されず、硬化が可能な範囲であればよい。
これらの中でも、優れた画素を形成できる点からは、比較的分子量が小さく、かつ二重結合当量が小さい化合物が好ましい。例えば、(ジ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。すなわち上記化合物(B)は、多官能(メタ)アクリレート化合物が好適である。中でも、得られる硬化性樹脂組成物の感度の点からは、分子量が250を超えるエチレン性化合物を使用することが好ましい。このような化合物としては、特に、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、及び/又は、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が好ましい。これらを使用すると、バランスのよい組成物が得られるため好ましい。
(C)光重合開始剤
光重合開始剤(C)としては特に限定されないが、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン、オリゴ{2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン}、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプピオニル)ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン等のアセトフェノン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド等のベンゾフェノン類;2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロリド等のチオキサントン類;等の他、フェニルグリオキシリックメチルエステル、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキシド等が挙げられる。これらの中でも、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジルー2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1等のα−アミノケトン系光重合開始剤が好ましい。
具体的な商品としては、例えば、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン(IRGACURE(登録商標)907;BASFジャパン社製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1(IRGACURE369;BASFジャパン社製)が挙げられる。
(D)溶剤
溶剤(D)としては特に限定されないが、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール−t−ブチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ブチルジグリコールアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のエステル類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のアルコール類;トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;クロロホルム;ジメチルスルホキシド;等が挙げられる。これらの中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、及び/又は、プロピレングリコールモノメチルエーテルが好ましい。
(E)他の成分
本発明の硬化性樹脂組成物はまた、上述した(A)〜(D)成分の他に、本発明に効果を損なわない範囲で、例えば、染料、顔料等の着色剤、水酸化アルミニウム、タルク、クレー、硫酸バリウム等の充填材、消泡剤、カップリング剤、レベリング剤、増感剤、現像助剤、離型剤、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、重合抑制剤、増粘剤、分散剤等の公知の添加剤(「(E)他の成分」又は「(E)成分」とも称す)を含有するものであってもよい。
上記(E)成分の使用量は、目的や用途に応じて適宜設定すればよいが、例えば、硬化性樹脂組成物の固形分総量100質量%に対し、0.01〜70質量%であることが好ましい。より好ましくは0.1〜60質量%、更に好ましくは0.3〜50質量%である。
なお、「固形分総量」とは、硬化物を形成する成分(硬化物の形成時に揮発する溶媒等を除く)の総量を意味する。
上記着色剤としては、種々の有機又は無機着色剤を1種又は2種以上用いることができる。有機着色剤としては、有機顔料、染料、天然色素等を用いることができる。
上記有機顔料の具体例としては、例えば、特開2015−42697号公報の段落番号0103〜0107に記載された、C.I.ピグメントイエロー1、138等の黄色顔料;C.I.ピグメントオレンジ1等の橙色顔料;C.I.ピグメントバイオレット1等の紫色顔料;C.I.ピグメントレッド1等の赤色顔料;C.I.ピグメントブルー1等の青色顔料;C.I.ピグメントグリーン1、58等の緑色顔料;C.I.ピグメントブラウン5等の褐色顔料;アニリンブラック、カーボンブラック、ランプブラック、ボーンブラック、黒鉄、チタンブラック、C.I.ピグメントブラック1等の黒色顔料;C.I.ピグメントホワイト1等の白色顔料;等が挙げられる。但し、本発明の色材はこれらのみに限定されるものではない。また、顔料は単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。「C.I.」はカラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists発行)を意味し、数字はカラーインデックスナンバーを意味する。
上記有機顔料としては特に、下記のようなカラーインデックス(C.I.)番号が付されているものが好適である。
C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185等のイエロー系ピグメント;C.I.ピグメントレッド1、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド177等のレッド系ピグメント;C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6等のブルー系ピグメント;C.I.ピグメントバイオレット23:19等のバイオレット系ピグメント;ピグメントグリーン7、ピグメントグリーン36等のグリーン系ピグメント。
上記染料としては、例えば、特開2010−9033号公報、特開2010−211198号公報、特開2009−51896号公報、特開2008−50599号公報に記載されている有機染料を使用することができる。中でも、アゾ系染料、アントラキノン系染料、フタロシアニン系染料、キノンイミン系染料、キノリン系染料、ニトロ系染料、カルボニル系染料、メチン系染料等が好ましい。
上記有機着色剤(色材とも称す)の含有割合(すなわち有機着色剤の合計割合)は、目的や用途に応じて適宜設定することができるが、当該色材の含有割合の好ましい範囲は、硬化性樹脂組成物の固形分総量100質量%に対し、3〜70質量%である。より好ましくは5〜60質量%、更に好ましくは10〜50質量%である。また、特に、顔料の含有割合は、(A)成分100質量部に対して、1〜500質量部であることが好ましく、より好ましくは10〜200質量部である。
上記無機着色剤としては、無機顔料及び/又は体質顔料が好適である。例えば、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、チタンブラック、合成鉄黒、カーボンブラック等が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物の調製方法は特に限定されず、従来公知の混合方法や精製方法を採用できる。なお、得られた硬化性樹脂組成物は、フィルター等によって、濾過処理をして微細なゴミを除去することが好ましい。
〔硬化性樹脂組成物の用途〕
本発明の硬化性樹脂組成物は、透明性及び耐熱性等の各種物性に優れており、例えば、レジスト材料、各種コーティング剤、塗料等の用途に用いることができる。好ましい用途としては、液晶表示装置や固体撮像素子等に用いられるカラーフィルタ、インキ、印刷版、プリント配線板、半導体素子、フォトレジスト等の、各種の光学部材や電機・電子機器等が挙げられる。
中でも特に、(A)成分が酸基を有するため、本発明の硬化性樹脂組成物は、カラーフィルタや光導波路等を作製するためのアルカリ現像型のネガ型レジスト材料等として好適に用いることができる。また、(A)成分の構造中にテトラヒドロピラン環構造を有するために良好な顔料分散性をも発揮することができることから、カラーフィルタ用硬化性樹脂組成物として好適に用いることができる。特に本発明では、(A)成分として、アクリル酸に由来する構成単位とテトラヒドロピラン環構造とを有する重合体を用いることによって、現像速度の著しい向上を達成でき、それゆえ、カラーフィルタ用途に極めて有用なものである。したがって、基板上に本発明の硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物を有するカラーフィルタは、透明性や耐熱性等の各種物性にも優れるのみならず、生産性にも極めて優れるものといえる。このようなカラーフィルタは、本発明の1つである。
本発明の硬化性樹脂組成物は、上述のとおりカラーフィルタの原材料、又は、光導波路の原材料として用いることが好適であるが、これらの他、各種表示装置における保護膜(カラーフィルター用保護膜、タッチパネル式表示装置用保護膜等)や、絶縁膜(タッチパネル式表示装置用絶縁膜等)として用いることも好適である。
<カラーフィルタ>
本発明のカラーフィルタは、硬化樹脂層が基板上に設けられてなるカラーフィルタにおいて、該硬化樹脂層を与える樹脂組成物が、上述した本発明の硬化性樹脂組成物であるものである。カラーフィルタを構成する部材は、具体的には、3原色(RGB)画素、樹脂ブラックマトリックス、保護膜及び柱状スペーサー等があるが、本発明のカラーフィルタは、該カラーフィルタを構成する部材の少なくとも1つが、上記硬化性樹脂組成物を硬化して形成されたものであればよい。
上記カラーフィルタにおいて、3原色(RGB)画素、樹脂ブラックマトリックス、保護膜及び/又は柱状スペーサーとなる硬化樹脂層は、上記硬化性樹脂組成物によって形成されていることが好ましい。また、RGB画素を形成する場合の硬化性樹脂組成物は、赤・緑・青の各3原色の顔料を含む。樹脂ブラックマトリックスを形成する場合の硬化性樹脂組成物は、黒色の顔料を含む。保護膜又は柱状スペーサーを形成する場合の硬化性樹脂組成物は、顔料を含まなくてもよい。なお、顔料を含む場合には、分散剤をも含有させることが好ましい。
上記カラーフィルタは、例えば、次のようにして作製することができる。
1)顔料を含む硬化性樹脂組成物を、透明基板上に、公知のコート法でコート(塗工)し、乾燥し、塗膜を作製する。
ここで、透明基板としては、ガラス(好ましくは無アルカリガラス)や透明プラスチックが挙げられる。公知のコート法としては、スピンコート法、スプレー法等が挙げられるが、スピンコート法が好ましい。乾燥条件に関し、乾燥温度は室温〜120℃が好ましく、より好ましくは60〜100℃である。乾燥時間は10秒〜60分が好ましく、より好ましくは30秒〜10分である。また、常圧又は真空下で加熱乾燥することが好ましい。
2)その後、所望のパターン形状に応じた開口部を設けたフォトマスク(パターニングフィルム)を、上記1)で得た塗膜の上に、接触状態で又は非接触状態で載せ、光を照射し、硬化させる。
ここで、光とは、可視光のみならず、紫外線、X線、電子線等の放射線をも意味するが、紫外線が最も好ましい。紫外線源としては、一般に高圧水銀ランプが好適に使用される。
3)上記2)の光照射後、溶剤、水又はアルカリ水溶液等で現像を行う。これらの中でも、アルカリ水溶液が、環境への負荷が少なく高感度の現像を行うことができるため好ましい。アルカリ水溶液中のアルカリ成分としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、及び/又は、炭酸ナトリウム等が好ましい。アルカリ成分の濃度は、アルカリ水溶液100質量%中、0.01〜5質量%であることが好ましい。アルカリ成分の濃度がこの範囲内であると、上記(A)成分の溶解性がより向上され、現像性(現像速度)をより高めることができる。より好ましくは0.05〜3質量%、更に好ましくは0.1〜1質量%である。アルカリ水溶液には、界面活性剤を添加してもよい。
4)以上の1)〜3)の工程を、黒色顔料を含む硬化性樹脂組成物を用いて行い、基板上に樹脂ブラックマトリックスを形成する。
5)次に、硬化性樹脂組成物の顔料を赤(R)、緑(G)、青(B)と順次変えて、上記1)〜3)の工程を繰り返し行い、R、G、Bの画素を形成して、RGB画素を作製する。
6)次に、基板上に形成されたRGB画素の保護や表面平滑性を向上させる目的で、必要に応じて、保護膜を形成する。
7)上記カラーフィルタが液晶表示装置用カラーフィルタである場合には、更に、柱状スペーサーを形成することが好ましい。柱状スペーサーは、スペーサーを形成すべき面に、硬化性樹脂組成物を所望のスペーサーの高さとなるような厚みに塗工し、上記1)〜3)の工程を経て作製することができる。
ここで、カラーフィルタを作製する際には、各部材の作成時に、現像後加熱(ポストベーク)して硬化を更に進行させ、かつ溶媒が残存している場合はこれを完全に除去させることが好ましい。ポストベークの際の温度は120〜300℃が好ましい。この温度に設定すると、画素の着色及び熱分解による塗膜の平滑性低下をより充分に抑制することができる他、硬化がより進行して塗膜強度がより高まる。より好ましくは150〜250℃、更に好ましくは180〜230℃である。ポストベークは、各部材形成における現像後(各部材作成時における上記3)の後)に行ってもよいし、全ての部材を形成した後に行ってもよい。
<表示装置>
本発明のカラーフィルタは、表示装置に好適に適用することができる。近年では、表示装置等の技術の進歩に伴い、使用される各部材に対しても更に高度な性能が強く要望されているが、本発明のカラーフィルタを用いれば、このようなニーズに充分に対応できる程度に、各種表示装置の表示品位や撮像品位の信頼性を充分に高めることができる。このように本発明のカラーフィルタを用いて構成される表示装置もまた、本発明の1つである。
上記表示装置としては特に限定されないが、例えば、液晶表示装置、固体撮像素子、タッチパネル式表示装置等が好適である。タッチパネル式表示装置としては、特に、静電容量方式のものが好ましい。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」をそれぞれ意味し、また、「v/v」は体積比を意味する。
各物性等の評価は、下記のようにして行った。
1、重量平均分子量
ポリスチレンを標準物質とし、テトラヒドロフランを溶離液として、HLC−8220GPC(東ソー社製)、カラム:TSKgel SuperHZM−M(東ソー社製)によるGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法にて重量平均分子量を測定した。
2、重合体溶液中の重合体濃度
重合体溶液1gにアセトン4gを加えて溶解させた溶液を、常温で自然乾燥させ、更に5時間減圧乾燥(160℃/5mmHg)した後、デシケータ内で放冷し、重量を測定した。そして、重量減少量から、重合体溶液の不揮発分を算出し、これを重合体濃度とした。
3、酸価
樹脂溶液3gを精秤し、アセトン90gと水10gとの混合溶媒に溶解し、0.1規定のKOH水溶液を滴定液として用いて、自動滴定装置(平沼産業社製、商品名:COM−555)により、重合体溶液の酸価を測定し、溶液の酸価と溶液の固形分とから固形分1g当たりの酸価を求めた。
4、現像性評価
硬化性樹脂組成物を、10cm角のガラス基板上にスピンコータにより塗布し、オーブン中90℃で3分間乾燥した。乾燥後、塗膜から100μmの距離のところに20μmラインアンドスペースのパターンフォトマスクを配置して2.0kWの超高圧水銀ランプを装着したUVアライナ(TME−150RNS、TOPCON社製)によって100mJ/cmの強度(365nm照度換算)で紫外線を照射した。紫外線照射後、塗布膜に0.05%の水酸化カリウム水溶液をスピン現像機にて10〜60秒の条件で散布し、未露光部を溶解、除去し、残った露光部を純水で10秒間水洗することにより現像した。 現像後に20μmラインアンドスペースの形成をレーザー顕微鏡(VK−9700、キーエンス社製)で確認し、未露光部が完全に除去される最短の時間で現像速度を評価した。
モノマー合成例1(エーテルダイマー組成物の合成)
攪拌装置、温度センサー、冷却管を付した反応器に、α−ヒドロキシメチルアクリル酸メチル(RHMA−M)を450.0部、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(DABCO)を13.5部、p−メトキシフェノール(MEHQ)を0.9部仕込み、攪拌しながら、90℃まで昇温した。内温が85℃に到達してから、反応器内が常圧の状態で、90±5℃を維持しながら9時間反応させた。反応液温が40℃以下になったのを確認した後にメタノール(MeOH)355.0部を加えて希釈した(条件:常圧、35±5℃)。このMeOH希釈液を、水1485.0部を含む異なる反応器に滴下し、RHMAエーテルダイマーを結晶化させた(条件:常圧、30℃以下)。その後、得られたRHMAエーテルダイマーを含むスラリーを加圧ろ過器を用いてろ過した(条件:常圧〜0.1MPa、15℃以下)後、このろ過ケーキを水で洗浄した(条件:常圧〜0.1MPa、常温)。洗浄では1回につき380.0部の水を用いて3回洗浄を繰り返した。
このようにして得たRHMAエーテルダイマーのケーキに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)184.0部添加し溶解させた(条件:常圧、60℃)。これを、RHMAエーテルダイマーを含む油層と水層に分液し、水層を除去した(条件:常圧、60℃)。油層は412.5部、除去した水層は141.9部であった。油層(RHMAエーテルダイマーとPGMEAを含有する溶液)に、PGMEA(5200.0部)、MEHQ0.049部、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(4H−TEMPO)0.006部を添加して組成物(エーテルダイマー組成物)932.5部を得た。なお、副反応生成物の架橋性化合物(エステルダイマー、3量体)は検出限界以下の量であった。各組成を、ガスクロマトグラフィー、カールフィッシャー水分計、分光光度計により分析した。分析結果を以下に示す。
<エーテルダイマー組成物の分析結果>ジメチル−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート(MD):25.0質量%水:1.3質量%PGMEA:73.7質量%MEHQ:53ppm4H−TEMPO:6ppm
後述の合成例1〜9では、MDとして、上記のようにして得たエーテルダイマー組成物を用いた。合成例1〜9に記載のMDの使用量は、MDの正味の量である。
合成例1(樹脂溶液1の合成)
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備し、他方、モノマー滴下槽として、ジメチル−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート(以下「MD」と称する)20質量部、メタクリル酸シクロヘキシル(以下「CHMA」と称する)30質量部、メタクリル酸メチル(以下「MMA」と称する)24質量部、アクリル酸(以下「AA」と称する)26質量部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(商品名「パーブチルO」、日本油脂製;以下「PBO」と称する)2質量部をよく攪拌混合したものを準備し、連鎖移動剤滴下槽として、n−ドデカンチオール(以下「n−DM」と称する)3.5質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下「PGMEA」と称する)32質量部をよく攪拌混合したものを準備した。
反応槽にPGMEA128質量部を仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー滴下槽及び連鎖移動剤滴下槽から滴下を開始した。滴下は、温度を90℃に保ちながら、それぞれ135分間かけて行った。滴下が終了してから60分後に昇温を開始して反応槽を110℃とし、3時間110℃を維持した。一旦室温まで内温を冷却した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=5/95(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、メタクリル酸グリシジル(以下「GMA」と称する)28部、6−t−ブチル−2,4−キシレノール0.10部、トリエチルアミン(以下「TEA」と称する)0.4部を仕込み、そのまま110℃で12時間反応させた。その後、PGMEA96部を加えて室温まで冷却し、濃度が33%の樹脂溶液1を得た。この樹脂溶液1中の(A)成分(重合体(A))の重量平均分子量及び酸価を表1に示す。
合成例1で得た樹脂溶液1、30部を50mlガラス製スクリュー瓶に入れて密閉し、25℃に調整した恒温槽の中に12ヶ月保管した。12ヶ月後に取り出し、質量平均分子量を測定したところ16500でまた、スクリュー瓶にはゲル物は見られず、貯蔵安定性は良好であった。
合成例2(樹脂溶液2の合成)
メタクリル酸シクロヘキシルにかえて、メタクリル酸ベンジル(以下「BzMA」と称する)を使用したこと以外は、樹脂溶液1の合成と同様の操作を行い、濃度が33%の樹脂溶液2を得た。この樹脂溶液2中の(A)成分(重合体(A))の重量平均分子量及び酸価を表1に示す。
合成例3(樹脂溶液3の合成)
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備し、他方、モノマー滴下槽として、MD20質量部、CHMA30質量部、MMA32.6質量部、AA17.4質量部、PBO3質量部をよく攪拌混合したものを準備し、連鎖移動剤滴下槽として、n−DM4.5質量部、PGMEA32質量部をよく攪拌混合したものを準備した。
反応槽にPGMEA128質量部を仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー滴下槽及び連鎖移動剤滴下槽から滴下を開始した。滴下は、温度を90℃に保ちながら、それぞれ135分間かけて行った。滴下が終了してから60分後に昇温を開始して反応槽を110℃とし、3時間110℃を維持した。一旦室温まで内温を冷却した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=5/95(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、GMA8.3部、6−t−ブチル−2,4−キシレノール 0.10部、TEA0.4部を仕込み、そのまま110℃で12時間反応させた。その後、PGMEA58部を加えて室温まで冷却し、濃度が33%の樹脂溶液3を得た。この樹脂溶液3中の(A)成分(重合体(A))の重量平均分子量及び酸価を表1に示す。
合成例4(樹脂溶液4の合成)
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備し、他方、モノマー滴下槽として、MD20質量部、CHMA30質量部、MMA36.6質量部、AA13.4質量部、PBO1.5質量部をよく攪拌混合したものを準備し、連鎖移動剤滴下槽として、n−DM2.7質量部、PGMEA32質量部をよく攪拌混合したものを準備した。
反応槽にPGMEA128質量部を仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー滴下槽及び連鎖移動剤滴下槽から滴下を開始した。滴下は、温度を90℃に保ちながら、それぞれ135分間かけて行った。滴下が終了してから60分後に昇温を開始して反応槽を110℃とし、3時間110℃を維持し反応させた。その後、PGMEA41部を加えて室温まで冷却し、濃度が33%の樹脂溶液4を得た。この樹脂溶液4中の(A)成分(重合体(A))の重量平均分子量及び酸価を表1に示す。
合成例5(樹脂溶液5の合成)
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備し、他方、モノマー滴下槽として、MD20質量部、CHMA30質量部、MMA30.7質量部、AA19.3質量部、PBO2質量部をよく攪拌混合したものを準備し、連鎖移動剤滴下槽として、n−DM5質量部、PGMEA32質量部をよく攪拌混合したものを準備した。
反応槽にPGMEA128質量部を仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー滴下槽及び連鎖移動剤滴下槽から滴下を開始した。滴下は、温度を90℃に保ちながら、それぞれ135分間かけて行った。滴下が終了してから60分後に昇温を開始して反応槽を110℃とし、3時間110℃を維持し反応させた。その後、PGMEA45部を加えて室温まで冷却し、濃度が33%の樹脂溶液5を得た。この樹脂溶液5中の(A)成分(重合体(A))の重量平均分子量及び酸価を表1に示す。
合成例6(樹脂溶液6の合成)
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備し、他方、モノマー滴下槽として、MD20質量部、CHMA30質量部、MMA19質量部、メタクリル酸(以下「MAA」と称する)31質量部、PBO2質量部をよく攪拌混合したものを準備し、連鎖移動剤滴下槽として、n−DM4質量部、PGMEA32質量部をよく攪拌混合したものを準備した。
反応槽にPGMEA128質量部を仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー滴下槽及び連鎖移動剤滴下槽から滴下を開始した。滴下は、温度を90℃に保ちながら、それぞれ135分間かけて行った。滴下が終了してから60分後に昇温を開始して反応槽を110℃とし、3時間110℃を維持した。一旦室温まで内温を冷却した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=5/95(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、GMA28部、6−t−ブチル−2,4−キシレノール 0.10部、TEA0.4部を仕込み、そのまま110℃で12時間反応させた。その後、PGMEA96部を加えて室温まで冷却し、濃度が33%の樹脂溶液6を得た。この樹脂溶液6中の重合体の重量平均分子量及び酸価を表1に示す。
合成例7(樹脂溶液7の合成)
メタクリル酸シクロヘキシルにかえて、メタクリル酸ベンジル(以下「BzMA」と称する)を使用したこと以外は、樹脂溶液6の合成と同様の操作を行い、濃度が33%の樹脂溶液7を得た。この樹脂溶液7中の重合体の重量平均分子量及び酸価を表1に示す。
合成例8(樹脂溶液8の合成)
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備し、他方、モノマー滴下槽として、MD20質量部、CHMA30質量部、MMA44質量部、MAA16質量部、PBO1.5質量部をよく攪拌混合したものを準備し、連鎖移動剤滴下槽として、n−DM3質量部、PGMEA32質量部をよく攪拌混合したものを準備した。
反応槽にPGMEA128質量部を仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー滴下槽及び連鎖移動剤滴下槽から滴下を開始した。滴下は、温度を90℃に保ちながら、それぞれ135分間かけて行った。滴下が終了してから60分後に昇温を開始して反応槽を110℃とし、3時間110℃を維持し反応させた。その後、PGMEA40部を加えて室温まで冷却し、濃度が33%の樹脂溶液8を得た。この樹脂溶液8中の重合体の重量平均分子量及び酸価を表1に示す。
合成例9(樹脂溶液9の合成)
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備し、他方、モノマー滴下槽として、MD20質量部、CHMA30質量部、MMA27質量部、MAA23質量部、PBO2質量部をよく攪拌混合したものを準備し、連鎖移動剤滴下槽として、n−DM5.6質量部、PGMEA32質量部をよく攪拌混合したものを準備した。
反応槽にPGMEA128質量部を仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー滴下槽及び連鎖移動剤滴下槽から滴下を開始した。滴下は、温度を90℃に保ちながら、それぞれ135分間かけて行った。滴下が終了してから60分後に昇温を開始して反応槽を110℃とし、3時間110℃を維持し反応させた。その後、PGMEA44部を加えて室温まで冷却し、濃度が33%の樹脂溶液9を得た。この樹脂溶液9中の重合体の重量平均分子量及び酸価を表1に示す。
合成例10(樹脂溶液10の合成)
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備し、他方、モノマー滴下槽として、MD10質量部、CHMA73質量部、MAA17質量部、PBO2質量部をよく攪拌混合したものを準備し、連鎖移動剤滴下槽として、n−DM14質量部、PGMEA32質量部をよく攪拌混合したものを準備した。
反応槽にPGMEA128質量部を仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー滴下槽及び連鎖移動剤滴下槽から滴下を開始した。滴下は、温度を90℃に保ちながら、それぞれ135分間かけて行った。滴下が終了してから60分後に昇温を開始して反応槽を110℃とし、3時間110℃を維持し反応させた。その後、PGMEA44部を加えて室温まで冷却し、濃度が35%の樹脂溶液10を得た。この樹脂溶液10中の重合体の重量平均分子量及び酸価を表1に示す。
Figure 2016035564
作製例1(顔料分散体1の作製)
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート12.9部、分散剤としてディスパロンDA−7301を0.4部、色材としてC.I.ピグメントグリーン58を2.25部、及び、C.I.ピグメントイエロー138を1.5部混合し、ペイントシェーカーにて3時間分散することで顔料分散体1を得た。
実施例1
樹脂溶液1を2.0部、重合性化合物としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを0.70部、光重合開始剤としてイルガキュア369(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)を0.35部、顔料分散体1を8.5部、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート6.57部を混合し、硬化性樹脂組成物1を得た。この硬化性樹脂組成物1をガラス基板上にスピンコートし、前記条件で現像性評価(現像時間の測定)を行った。
実施例2〜5、比較例1〜5
表2に示す配合としたこと以外は実施例1と同様にして、硬化性樹脂組成物2〜10を各々得た後、現像時間を各々測定した。結果を表2に示す。
なお、表2中の各成分の配合量は、固形分量である。
Figure 2016035564
表2の結果より、下記のことが確認された。
実施例1〜5で得た硬化性樹脂組成物は、本発明の(A)〜(D)成分を全て含む。特に実施例1〜5で用いた樹脂溶液1〜5はいずれも、(A)成分として、上記一般式(1)で表される単量体とアクリル酸とを含む単量体混合物を重合して得られる重合体を含んでいる。一方、比較例1〜5で用いた樹脂溶液6〜10はいずれも、酸基含有単量体としてアクリル酸ではなくメタクリル酸を用いて得た重合体を含む点で、樹脂溶液1〜5と相違する。特に樹脂溶液1(実施例1)と樹脂溶液6(比較例1)とは、含まれる重合体が、酸基含有単量体の種類(アクリル酸又はメタクリル酸)以外はほぼ同じ組成からなり、重量平均分子量及び酸価も同じものである。樹脂溶液2(実施例2)と樹脂溶液7(比較例2)、樹脂溶液4(実施例4)と樹脂溶液8(比較例3)、及び、樹脂溶液5(実施例5)と樹脂溶液9(比較例4)についても同様のことがいえる。この相違の下、実施例1、2、4、5と比較例1、2、3、4とをそれぞれ比較すると、これらは同様の条件で硬化物を得て現像性評価を行った例であるが、比較例1〜4に対して実施例1、2、4及び5では、現像速度が大幅に短縮されていることが明らかである。また、使用する樹脂溶液に含まれる樹脂(重合体)の重量平均分子量を小さくすること、及び/又は、酸価を高くすることで、現像時間が短くなる傾向を確認できた。
ここで、現像速度が早い傾向にある分子量が1万、酸価が150の樹脂(重合体)を使用した実施例5(樹脂溶液5:アクリル酸系樹脂)と、比較例4(樹脂溶液9:メタクリル酸系樹脂)とを比較すると、実施例5では現像時間が15秒となり、比較例4(現像時間:35秒)より大幅に短縮されている。
以上のことから、樹脂の単量体原料としてアクリル酸を使用することの優位性を確認できた。
また、上記実施例で調整した組成及び物性について、本明細書中に記載された好ましい範囲内において有利な効果を奏することが確認できた。
なお、表には示していないが、実施例で得た硬化物はいずれも、基板との密着性、耐熱性、耐溶剤性及び透明性等の各種物性にも優れるものであった。また、実施例で得た硬化性樹脂組成物はいずれも、硬化性にも優れるものであった。また、実施例で得た硬化性樹脂組成物それぞれについて、貯蔵安定性(40℃×1ヶ月で試験)を評価したところ、いずれも沈殿物やゲル物等は生じなかったことから、貯蔵安定性に優れることを確認した。
本発明の硬化性樹脂組成物により形成される硬化物を含む表示装置用部材及び表示装置は、光学分野や電機・電子分野で好適に使用できる。

Claims (7)

  1. (A)主鎖に環構造を有する重合体、(B)重合性化合物、(C)光重合開始剤、及び、(D)溶剤を含有する硬化性樹脂組成物であって、
    該重合体(A)は、下記一般式(1)で表される単量体とアクリル酸とを含む単量体混合物を重合して得られることを特徴とする硬化性樹脂組成物。
    Figure 2016035564
    式(1)中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、又は、置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素基を表す。
  2. 前記一般式(1)で表される単量体として、前記一般式(1)で表される単量体と水とを含むエーテルダイマー組成物を用い、
    該水の含有量は、エーテルダイマー組成物の総量100質量%に対し0.1〜10質量%であることを特徴とする請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 前記単量体混合物は、更に、環状構造を有する単量体を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 前記重合体(A)は、重量平均分子量が5000〜50000、かつ酸価が50〜200mgKOH/gであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物を硬化してなることを特徴とする硬化物。
  6. 基板上に、請求項5に記載の硬化物を有することを特徴とするカラーフィルタ。
  7. 請求項6に記載のカラーフィルタを用いて構成されることを特徴とする表示装置。
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