JP2016035564A - 硬化性樹脂組成物及びカラーフィルタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)主鎖に環構造を有する重合体、(B)重合性化合物、(C)光重合開始剤、及び、(D)溶剤を含有する硬化性樹脂組成物であって、該重合体(A)は、所定の構造式で表される単量体とアクリル酸とを含む単量体混合物を重合して得られる、硬化性樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
上記単量体混合物は、更に、環状構造を有する単量体を含むことが好ましい。
上記重合体(A)は、重量平均分子量が5000〜50000、かつ酸価が50〜200mgKOH/gであることが好ましい。
本発明は更に、基板上に、上記硬化物を有するカラーフィルタでもある。
本発明はそして、上記カラーフィルタを用いて構成される表示装置でもある。
本発明の硬化性樹脂組成物(単に「樹脂組成物」とも称す)は、(A)主鎖に環構造を有する重合体、(B)重合性化合物、(C)光重合開始剤、及び、(D)溶剤を含むが、これら含有成分は、それぞれ1種又は2種以上を使用することができる。また、必要に応じて、更に、他の成分を1種又は2種以上含んでいてもよい。
以下に、(A)〜(E)成分等の含有成分について更に詳述する。
重合体(A)は、上記一般式(1)で表される単量体(「エーテルダイマー」とも称す)と、アクリル酸とを含む単量体混合物を重合して得られる重合体である。エーテルダイマーを用いることで、重合の際にこのエーテルダイマーが環化反応して、重合体の構成単位中にテトラヒドロピラン環構造(主鎖環構造)が形成されると推測される。このような重合体(A)を含む硬化性樹脂組成物は、耐熱性や表面硬度、密着性に優れ、また、例えばポストベイク(post-bake;熱処理)等の高温暴露後の経時変化がより抑制されて各種物性を安定して発現できる硬化物を与えることが可能になる。
本明細書中、重合体の酸価は、後述する実施例に記載の方法により求めることができる。
本明細書中、重量平均分子量は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
以下、重合体(A)の原料成分や重合方法について更に説明する。
(i)エーテルダイマー
上記エーテルダイマーは、上記一般式(1)で表される化合物である。使用されるエーテルダイマーは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
なお、ここでの単量体混合物中のエーテルダイマーの含有割合は、エーテルダイマーの正味の量を意味する。すなわち、後述するようにエーテルダイマーとしてこれと水とを含むエーテルダイマー組成物を用いる場合でも、このうちのエーテルダイマーのみの量を、上記好ましい範囲に設定することが好適である。
以下、これらの溶媒の具体例を記載する。
メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール等のモノアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;グリセリン等の多価アルコール類;等。
テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシブタノール等のグリコールモノエーテル類;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル類;等。
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のグリコールモノエーテルのエステル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のアルキルエステル類;等。
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類等。
ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類等。
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類等。
アセトニトリル、プロビオニトリル、 ベンゾニトリル等。
ジメチルスルホキシド等。
なお、晶析とは、液相等から結晶を析出させることを意味する。
上記単量体混合物中のアクリル酸の含有割合は、重合体の酸価が上述の好ましい範囲内となるように設定することが好適である。例えば、単量体混合物の総量100質量%に対し、7質量%以上であることが好ましく、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは13質量%以上である。また、30質量%以下であることが好ましく、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。
本発明では、酸基を有する単量体(「酸基含有単量体」と称す)として、アクリル酸を必須に用いるが、必要に応じて、アクリル酸以外の酸基含有単量体(「他の酸基含有単量体」を原料として用いてもよい。すなわち上記単量体混合物は、更に、他の酸基含有単量体を1種又は2種以上含んでもよい。酸基としては、アルカリ水と中和反応する官能基であればよい。具体的には、例えば、カルボキシル基、フェノール性水酸基、カルボン酸無水物基、リン酸基、スルホン酸基等が挙げられる。なお、酸基として、これらの1種のみを有していてもよいし、2種以上有していてもよい。中でも、カルボキシル基及び/又はカルボン酸無水物基が好ましく、カルボキシル基がより好ましい。
上記単量体混合物はまた、環状構造を有する単量体を含むことが好ましい。すなわち上記単量体混合物は、更に、環状構造を有する単量体を含むことが好適である。環状構造を有する単量体は、1種又は2種以上を使用することができる。
上記重合体(A)を得るための単量体混合物はまた、必要に応じて、上記エーテルダイマー及び/又はアクリル酸等と共重合可能なその他の単量体(「他の単量体」とも称す)を含んでもよい。他の単量体は、1種又は2種以上を使用することができる。
上記重合体(A)は、上述した単量体混合物を重合して得られる。重合反応の方法は特に限定されず、従来公知の各種重合方法を採用することができる。中でも、ラジカル重合機構に基づく重合方法が、工業的にも有利であるため好ましい。また、重合濃度や重合温度は、使用する単量体の種類や比率、目標とする重合体の分子量によっても異なるが、好ましくは、重合温度を40〜150℃、重合濃度を20〜50質量%に設定することであり、より好ましくは、重合温度を60〜130℃、重合濃度を30〜45%に設定することである。
なお、ここでの酸基含有単量体の含有量とは、側鎖に反応性二重結合(重合性二重結合)を導入するために消費される量を上乗せしたものである。
重合開始剤としては特に限定されないが、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物;2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等のアゾ化合物;が挙げられる。これら重合開始剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
重合性化合物(B)は、重合性の基を有する化合物を意味する。好ましくは、重合性二重結合を有する化合物である。
光重合開始剤(C)としては特に限定されないが、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン、オリゴ{2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン}、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプピオニル)ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン等のアセトフェノン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド等のベンゾフェノン類;2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロリド等のチオキサントン類;等の他、フェニルグリオキシリックメチルエステル、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキシド等が挙げられる。これらの中でも、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジルー2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1等のα−アミノケトン系光重合開始剤が好ましい。
溶剤(D)としては特に限定されないが、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール−t−ブチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ブチルジグリコールアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のエステル類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のアルコール類;トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;クロロホルム;ジメチルスルホキシド;等が挙げられる。これらの中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、及び/又は、プロピレングリコールモノメチルエーテルが好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物はまた、上述した(A)〜(D)成分の他に、本発明に効果を損なわない範囲で、例えば、染料、顔料等の着色剤、水酸化アルミニウム、タルク、クレー、硫酸バリウム等の充填材、消泡剤、カップリング剤、レベリング剤、増感剤、現像助剤、離型剤、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、重合抑制剤、増粘剤、分散剤等の公知の添加剤(「(E)他の成分」又は「(E)成分」とも称す)を含有するものであってもよい。
なお、「固形分総量」とは、硬化物を形成する成分(硬化物の形成時に揮発する溶媒等を除く)の総量を意味する。
C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185等のイエロー系ピグメント;C.I.ピグメントレッド1、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド177等のレッド系ピグメント;C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6等のブルー系ピグメント;C.I.ピグメントバイオレット23:19等のバイオレット系ピグメント;ピグメントグリーン7、ピグメントグリーン36等のグリーン系ピグメント。
本発明の硬化性樹脂組成物は、透明性及び耐熱性等の各種物性に優れており、例えば、レジスト材料、各種コーティング剤、塗料等の用途に用いることができる。好ましい用途としては、液晶表示装置や固体撮像素子等に用いられるカラーフィルタ、インキ、印刷版、プリント配線板、半導体素子、フォトレジスト等の、各種の光学部材や電機・電子機器等が挙げられる。
本発明のカラーフィルタは、硬化樹脂層が基板上に設けられてなるカラーフィルタにおいて、該硬化樹脂層を与える樹脂組成物が、上述した本発明の硬化性樹脂組成物であるものである。カラーフィルタを構成する部材は、具体的には、3原色(RGB)画素、樹脂ブラックマトリックス、保護膜及び柱状スペーサー等があるが、本発明のカラーフィルタは、該カラーフィルタを構成する部材の少なくとも1つが、上記硬化性樹脂組成物を硬化して形成されたものであればよい。
1)顔料を含む硬化性樹脂組成物を、透明基板上に、公知のコート法でコート(塗工)し、乾燥し、塗膜を作製する。
ここで、透明基板としては、ガラス(好ましくは無アルカリガラス)や透明プラスチックが挙げられる。公知のコート法としては、スピンコート法、スプレー法等が挙げられるが、スピンコート法が好ましい。乾燥条件に関し、乾燥温度は室温〜120℃が好ましく、より好ましくは60〜100℃である。乾燥時間は10秒〜60分が好ましく、より好ましくは30秒〜10分である。また、常圧又は真空下で加熱乾燥することが好ましい。
ここで、光とは、可視光のみならず、紫外線、X線、電子線等の放射線をも意味するが、紫外線が最も好ましい。紫外線源としては、一般に高圧水銀ランプが好適に使用される。
本発明のカラーフィルタは、表示装置に好適に適用することができる。近年では、表示装置等の技術の進歩に伴い、使用される各部材に対しても更に高度な性能が強く要望されているが、本発明のカラーフィルタを用いれば、このようなニーズに充分に対応できる程度に、各種表示装置の表示品位や撮像品位の信頼性を充分に高めることができる。このように本発明のカラーフィルタを用いて構成される表示装置もまた、本発明の1つである。
各物性等の評価は、下記のようにして行った。
ポリスチレンを標準物質とし、テトラヒドロフランを溶離液として、HLC−8220GPC(東ソー社製)、カラム:TSKgel SuperHZM−M(東ソー社製)によるGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法にて重量平均分子量を測定した。
重合体溶液1gにアセトン4gを加えて溶解させた溶液を、常温で自然乾燥させ、更に5時間減圧乾燥(160℃/5mmHg)した後、デシケータ内で放冷し、重量を測定した。そして、重量減少量から、重合体溶液の不揮発分を算出し、これを重合体濃度とした。
樹脂溶液3gを精秤し、アセトン90gと水10gとの混合溶媒に溶解し、0.1規定のKOH水溶液を滴定液として用いて、自動滴定装置(平沼産業社製、商品名:COM−555)により、重合体溶液の酸価を測定し、溶液の酸価と溶液の固形分とから固形分1g当たりの酸価を求めた。
硬化性樹脂組成物を、10cm角のガラス基板上にスピンコータにより塗布し、オーブン中90℃で3分間乾燥した。乾燥後、塗膜から100μmの距離のところに20μmラインアンドスペースのパターンフォトマスクを配置して2.0kWの超高圧水銀ランプを装着したUVアライナ(TME−150RNS、TOPCON社製)によって100mJ/cm2の強度(365nm照度換算)で紫外線を照射した。紫外線照射後、塗布膜に0.05%の水酸化カリウム水溶液をスピン現像機にて10〜60秒の条件で散布し、未露光部を溶解、除去し、残った露光部を純水で10秒間水洗することにより現像した。 現像後に20μmラインアンドスペースの形成をレーザー顕微鏡(VK−9700、キーエンス社製)で確認し、未露光部が完全に除去される最短の時間で現像速度を評価した。
攪拌装置、温度センサー、冷却管を付した反応器に、α−ヒドロキシメチルアクリル酸メチル(RHMA−M)を450.0部、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(DABCO)を13.5部、p−メトキシフェノール(MEHQ)を0.9部仕込み、攪拌しながら、90℃まで昇温した。内温が85℃に到達してから、反応器内が常圧の状態で、90±5℃を維持しながら9時間反応させた。反応液温が40℃以下になったのを確認した後にメタノール(MeOH)355.0部を加えて希釈した(条件:常圧、35±5℃)。このMeOH希釈液を、水1485.0部を含む異なる反応器に滴下し、RHMAエーテルダイマーを結晶化させた(条件:常圧、30℃以下)。その後、得られたRHMAエーテルダイマーを含むスラリーを加圧ろ過器を用いてろ過した(条件:常圧〜0.1MPa、15℃以下)後、このろ過ケーキを水で洗浄した(条件:常圧〜0.1MPa、常温)。洗浄では1回につき380.0部の水を用いて3回洗浄を繰り返した。
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備し、他方、モノマー滴下槽として、ジメチル−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート(以下「MD」と称する)20質量部、メタクリル酸シクロヘキシル(以下「CHMA」と称する)30質量部、メタクリル酸メチル(以下「MMA」と称する)24質量部、アクリル酸(以下「AA」と称する)26質量部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(商品名「パーブチルO」、日本油脂製;以下「PBO」と称する)2質量部をよく攪拌混合したものを準備し、連鎖移動剤滴下槽として、n−ドデカンチオール(以下「n−DM」と称する)3.5質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下「PGMEA」と称する)32質量部をよく攪拌混合したものを準備した。
反応槽にPGMEA128質量部を仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー滴下槽及び連鎖移動剤滴下槽から滴下を開始した。滴下は、温度を90℃に保ちながら、それぞれ135分間かけて行った。滴下が終了してから60分後に昇温を開始して反応槽を110℃とし、3時間110℃を維持した。一旦室温まで内温を冷却した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=5/95(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、メタクリル酸グリシジル(以下「GMA」と称する)28部、6−t−ブチル−2,4−キシレノール0.10部、トリエチルアミン(以下「TEA」と称する)0.4部を仕込み、そのまま110℃で12時間反応させた。その後、PGMEA96部を加えて室温まで冷却し、濃度が33%の樹脂溶液1を得た。この樹脂溶液1中の(A)成分(重合体(A))の重量平均分子量及び酸価を表1に示す。
合成例1で得た樹脂溶液1、30部を50mlガラス製スクリュー瓶に入れて密閉し、25℃に調整した恒温槽の中に12ヶ月保管した。12ヶ月後に取り出し、質量平均分子量を測定したところ16500でまた、スクリュー瓶にはゲル物は見られず、貯蔵安定性は良好であった。
メタクリル酸シクロヘキシルにかえて、メタクリル酸ベンジル(以下「BzMA」と称する)を使用したこと以外は、樹脂溶液1の合成と同様の操作を行い、濃度が33%の樹脂溶液2を得た。この樹脂溶液2中の(A)成分(重合体(A))の重量平均分子量及び酸価を表1に示す。
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備し、他方、モノマー滴下槽として、MD20質量部、CHMA30質量部、MMA32.6質量部、AA17.4質量部、PBO3質量部をよく攪拌混合したものを準備し、連鎖移動剤滴下槽として、n−DM4.5質量部、PGMEA32質量部をよく攪拌混合したものを準備した。
反応槽にPGMEA128質量部を仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー滴下槽及び連鎖移動剤滴下槽から滴下を開始した。滴下は、温度を90℃に保ちながら、それぞれ135分間かけて行った。滴下が終了してから60分後に昇温を開始して反応槽を110℃とし、3時間110℃を維持した。一旦室温まで内温を冷却した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=5/95(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、GMA8.3部、6−t−ブチル−2,4−キシレノール 0.10部、TEA0.4部を仕込み、そのまま110℃で12時間反応させた。その後、PGMEA58部を加えて室温まで冷却し、濃度が33%の樹脂溶液3を得た。この樹脂溶液3中の(A)成分(重合体(A))の重量平均分子量及び酸価を表1に示す。
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備し、他方、モノマー滴下槽として、MD20質量部、CHMA30質量部、MMA36.6質量部、AA13.4質量部、PBO1.5質量部をよく攪拌混合したものを準備し、連鎖移動剤滴下槽として、n−DM2.7質量部、PGMEA32質量部をよく攪拌混合したものを準備した。
反応槽にPGMEA128質量部を仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー滴下槽及び連鎖移動剤滴下槽から滴下を開始した。滴下は、温度を90℃に保ちながら、それぞれ135分間かけて行った。滴下が終了してから60分後に昇温を開始して反応槽を110℃とし、3時間110℃を維持し反応させた。その後、PGMEA41部を加えて室温まで冷却し、濃度が33%の樹脂溶液4を得た。この樹脂溶液4中の(A)成分(重合体(A))の重量平均分子量及び酸価を表1に示す。
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備し、他方、モノマー滴下槽として、MD20質量部、CHMA30質量部、MMA30.7質量部、AA19.3質量部、PBO2質量部をよく攪拌混合したものを準備し、連鎖移動剤滴下槽として、n−DM5質量部、PGMEA32質量部をよく攪拌混合したものを準備した。
反応槽にPGMEA128質量部を仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー滴下槽及び連鎖移動剤滴下槽から滴下を開始した。滴下は、温度を90℃に保ちながら、それぞれ135分間かけて行った。滴下が終了してから60分後に昇温を開始して反応槽を110℃とし、3時間110℃を維持し反応させた。その後、PGMEA45部を加えて室温まで冷却し、濃度が33%の樹脂溶液5を得た。この樹脂溶液5中の(A)成分(重合体(A))の重量平均分子量及び酸価を表1に示す。
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備し、他方、モノマー滴下槽として、MD20質量部、CHMA30質量部、MMA19質量部、メタクリル酸(以下「MAA」と称する)31質量部、PBO2質量部をよく攪拌混合したものを準備し、連鎖移動剤滴下槽として、n−DM4質量部、PGMEA32質量部をよく攪拌混合したものを準備した。
反応槽にPGMEA128質量部を仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー滴下槽及び連鎖移動剤滴下槽から滴下を開始した。滴下は、温度を90℃に保ちながら、それぞれ135分間かけて行った。滴下が終了してから60分後に昇温を開始して反応槽を110℃とし、3時間110℃を維持した。一旦室温まで内温を冷却した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=5/95(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、GMA28部、6−t−ブチル−2,4−キシレノール 0.10部、TEA0.4部を仕込み、そのまま110℃で12時間反応させた。その後、PGMEA96部を加えて室温まで冷却し、濃度が33%の樹脂溶液6を得た。この樹脂溶液6中の重合体の重量平均分子量及び酸価を表1に示す。
メタクリル酸シクロヘキシルにかえて、メタクリル酸ベンジル(以下「BzMA」と称する)を使用したこと以外は、樹脂溶液6の合成と同様の操作を行い、濃度が33%の樹脂溶液7を得た。この樹脂溶液7中の重合体の重量平均分子量及び酸価を表1に示す。
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備し、他方、モノマー滴下槽として、MD20質量部、CHMA30質量部、MMA44質量部、MAA16質量部、PBO1.5質量部をよく攪拌混合したものを準備し、連鎖移動剤滴下槽として、n−DM3質量部、PGMEA32質量部をよく攪拌混合したものを準備した。
反応槽にPGMEA128質量部を仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー滴下槽及び連鎖移動剤滴下槽から滴下を開始した。滴下は、温度を90℃に保ちながら、それぞれ135分間かけて行った。滴下が終了してから60分後に昇温を開始して反応槽を110℃とし、3時間110℃を維持し反応させた。その後、PGMEA40部を加えて室温まで冷却し、濃度が33%の樹脂溶液8を得た。この樹脂溶液8中の重合体の重量平均分子量及び酸価を表1に示す。
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備し、他方、モノマー滴下槽として、MD20質量部、CHMA30質量部、MMA27質量部、MAA23質量部、PBO2質量部をよく攪拌混合したものを準備し、連鎖移動剤滴下槽として、n−DM5.6質量部、PGMEA32質量部をよく攪拌混合したものを準備した。
反応槽にPGMEA128質量部を仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー滴下槽及び連鎖移動剤滴下槽から滴下を開始した。滴下は、温度を90℃に保ちながら、それぞれ135分間かけて行った。滴下が終了してから60分後に昇温を開始して反応槽を110℃とし、3時間110℃を維持し反応させた。その後、PGMEA44部を加えて室温まで冷却し、濃度が33%の樹脂溶液9を得た。この樹脂溶液9中の重合体の重量平均分子量及び酸価を表1に示す。
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備し、他方、モノマー滴下槽として、MD10質量部、CHMA73質量部、MAA17質量部、PBO2質量部をよく攪拌混合したものを準備し、連鎖移動剤滴下槽として、n−DM14質量部、PGMEA32質量部をよく攪拌混合したものを準備した。
反応槽にPGMEA128質量部を仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー滴下槽及び連鎖移動剤滴下槽から滴下を開始した。滴下は、温度を90℃に保ちながら、それぞれ135分間かけて行った。滴下が終了してから60分後に昇温を開始して反応槽を110℃とし、3時間110℃を維持し反応させた。その後、PGMEA44部を加えて室温まで冷却し、濃度が35%の樹脂溶液10を得た。この樹脂溶液10中の重合体の重量平均分子量及び酸価を表1に示す。
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート12.9部、分散剤としてディスパロンDA−7301を0.4部、色材としてC.I.ピグメントグリーン58を2.25部、及び、C.I.ピグメントイエロー138を1.5部混合し、ペイントシェーカーにて3時間分散することで顔料分散体1を得た。
樹脂溶液1を2.0部、重合性化合物としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを0.70部、光重合開始剤としてイルガキュア369(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)を0.35部、顔料分散体1を8.5部、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート6.57部を混合し、硬化性樹脂組成物1を得た。この硬化性樹脂組成物1をガラス基板上にスピンコートし、前記条件で現像性評価(現像時間の測定)を行った。
表2に示す配合としたこと以外は実施例1と同様にして、硬化性樹脂組成物2〜10を各々得た後、現像時間を各々測定した。結果を表2に示す。
なお、表2中の各成分の配合量は、固形分量である。
実施例1〜5で得た硬化性樹脂組成物は、本発明の(A)〜(D)成分を全て含む。特に実施例1〜5で用いた樹脂溶液1〜5はいずれも、(A)成分として、上記一般式(1)で表される単量体とアクリル酸とを含む単量体混合物を重合して得られる重合体を含んでいる。一方、比較例1〜5で用いた樹脂溶液6〜10はいずれも、酸基含有単量体としてアクリル酸ではなくメタクリル酸を用いて得た重合体を含む点で、樹脂溶液1〜5と相違する。特に樹脂溶液1(実施例1)と樹脂溶液6(比較例1)とは、含まれる重合体が、酸基含有単量体の種類(アクリル酸又はメタクリル酸)以外はほぼ同じ組成からなり、重量平均分子量及び酸価も同じものである。樹脂溶液2(実施例2)と樹脂溶液7(比較例2)、樹脂溶液4(実施例4)と樹脂溶液8(比較例3)、及び、樹脂溶液5(実施例5)と樹脂溶液9(比較例4)についても同様のことがいえる。この相違の下、実施例1、2、4、5と比較例1、2、3、4とをそれぞれ比較すると、これらは同様の条件で硬化物を得て現像性評価を行った例であるが、比較例1〜4に対して実施例1、2、4及び5では、現像速度が大幅に短縮されていることが明らかである。また、使用する樹脂溶液に含まれる樹脂(重合体)の重量平均分子量を小さくすること、及び/又は、酸価を高くすることで、現像時間が短くなる傾向を確認できた。
以上のことから、樹脂の単量体原料としてアクリル酸を使用することの優位性を確認できた。
Claims (7)
- 前記一般式(1)で表される単量体として、前記一般式(1)で表される単量体と水とを含むエーテルダイマー組成物を用い、
該水の含有量は、エーテルダイマー組成物の総量100質量%に対し0.1〜10質量%であることを特徴とする請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。 - 前記単量体混合物は、更に、環状構造を有する単量体を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記重合体(A)は、重量平均分子量が5000〜50000、かつ酸価が50〜200mgKOH/gであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物を硬化してなることを特徴とする硬化物。
- 基板上に、請求項5に記載の硬化物を有することを特徴とするカラーフィルタ。
- 請求項6に記載のカラーフィルタを用いて構成されることを特徴とする表示装置。
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