JP2016034242A - 酢飯 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 有機酸カルシウムまたは動物性カルシウムを溶解した醸造酢を一定量使用して容易な方法で酢飯を炊飯することで、従来の限定された米の用途を超えて料理の種類を広範囲に拡大できるのは、食生活上有意な技術の提供となる。
【選択図】 なし
Description
出願人はこれまで、動物性由来のカルシウムを醸造酢に溶解しこれを食品に使用することで細菌の増殖を抑制して腐敗や食中毒を防止できることを発見した。
散布と攪拌そして冷却の手間と時間をかけ、またこれには多少の経験と技術及び用具が前提となり、大量の調理を行う業務分野においてもまた少量の家庭用の調理にいてもその製法は同様である。
市場にある醸造酢は米その他の穀物、コーン、りんご果汁、アルコールなどを原料として製造し、酸濃度4.3から4.5%のものが広く製造販売され、また酸濃度10%から15%の食品加工の業務用がある。酸化カルシウムを醸造酢に溶解するにはこれら醸造酢の酸濃度や原料の種類は問わず、また加熱による揮発抑制の効果もすべて同様にある。なかでも酸化カルシウムの原料としての動物性カルシウムは食習慣もあり食味は良好で食品との親和性があり安全性も高い。
ここで、醸造酢に溶解する酸化カルシウムが0.004mol未満の場合は酸味が弱いという問題が生じた。また、醸造酢に溶解する酸化カルシウムが0.12molを超えると酸味が強いという問題が生じた。一方、醸造酢に溶解する酸化カルシウムが0.004mol/Lから0.142mol/Lの場合は、食味、食感、保存性等において優れた特性が得られた。
この醸造酢を使用した水または食品は弱酸性域であり温度や振動あるいは圧力などの変化に対してpH値を維持する緩衝能を有している。
ここで、緩衝能のある水がpH5.7未満の場合は酸味が過剰という問題があった。また、緩衝能のある水がpH6.3を超える場合は酸味を呈味しないという問題があった。緩衝能のある水がpH5.7からpH6.3の場合は、食味、食感、保存性等において優れた特性が得られた。
貝殻を構成する炭酸カルシウムは温度845℃以上の加熱で酸化カルシウムに分子の変換となるが実施例の試料は1250℃にて焼成し粉末としたものを使用し、これを酸濃度4.5%から15%の醸造酢に溶解しこれを使用する。また貝殻のほか卵殻、珊瑚殻、魚骨または有機酸のカルシウム塩も使用できる。
実施例では醸造酢の酸化カルシウムのmol濃度について酸化カルシウムの質量56.07gmolを56gmolと省略し計算した。
醸造酢の酸度は1%から4.3%、10%、15%まであって、これに酸化カルシウムを溶解する量は実施例にある各酸度の量に応じて溶解する濃度の上限があるが、溶解量の範囲内では用途や調味により濃度を任意に選択でき、選択した酸化カルシウムを溶解した醸造酢の所定を炊飯用の水に全量に添加し緩衝能をもつ炊飯水としこれで酢飯を炊飯する。濃度と使用量を任意に選択することで広範囲な調味と用途が可能であり寿司のほか海鮮丼あるいは弁当類など使用の範囲を拡大できる。
醸造酢の生産においては所定の酸度を上廻る酸度のものを醸造し加水により酸度を調整し規格の製品としている。
従来の酢飯の製法では炊飯用の加水量は精米重量1に対して1.4倍である。これは飯米1合分320gに対して合わせ酢を25から40ml使用するため酢飯を水分過剰としないための水量であるが、当試料を添加した炊飯水での炊飯では精米の吸水性が向上するので1.6倍量としまた使用する試料の醸造酢の量は含まない。
炊飯試験は精米600gを加水量1.6倍の960gを炊飯用水としこれに試料を添加し、浸漬時間を30分間とし、IH加熱常圧方式の炊飯器を使用した。各試料は浸漬時の炊飯用水に加えるが水溶性であり直ちに拡散する。試料を使用して炊飯した酢飯は飯櫃などの容器に移し替えるなどの作業は通常の飯米の扱い方と同様である。
酸化カルシウムのmol濃度の表示は小数点4位以下省略した。
以下に実施例を記述するが、当該技術の利用範囲は広く多種多様な食品に使用できることから以下の実施例には限定されない。酸化カルシウムのmol濃度の表示は小数点4位以下は省略した。
また酸度に対応する溶解量を試験するため、この醸造酢に酸化カルシウム7gを投入し溶解の状態を観察すると、投入後間もなくカルシウム結晶が析出し沈殿した。これのpHは7.8であり、食味は明らかなアルカリ性のものであり、酸化カルシウムの投入量が酸度15%の溶解限度を超えると水酸化カルシウムに変化しアルカリ性水溶液となり本試験の目的には不適であった。
この醸造酢1Lに酸化カルシウムを8.4gの0.15mol濃度相当を加えると、酸化カルシウムは溶解の途中から析出と沈殿が発生しpH8.1にて水酸化カルシウムを生成しアルカリ性水溶液となった。
醸造酢の酸度20%では酸化カルシウムは0.14molまでが濃度の上限であることを確認した。
試験区1〜3では、それぞれ上述した実施例1〜3で得た醸造酢を使用した。
各区とも精米は600gで炊飯水は白飯のみ精米重量の1.4倍の840mlとし、対照区と試験区はすべて精米量600g炊飯水はこれの1.6倍の960mlとし、試験区の炊飯水には該当する試料を添加し炊飯水に溶解させて炊飯した。
対照1は酸濃度4.5%の米酢8%、対照2は同酸度10%のアルコール原料の醸造酢4%、対照3は対照1と同2を各3%を混合し6%とし、試験区1は試料3の米酢を8%、試験区2は試料2の醸造酢10%を4%試験区3は試料2と同3の各3%を混合して6%として試験区の試料を用意した。
試験区2及び試験区3も試験区1とほぼ同様の経過となった。
これに対して試験区1及び2と3では水蒸気の状況から揮発を抑制していることが確認できた。食味については試食の結果、白飯は硬めであり対照1と2はいずれも水っぽい食感であり、白飯と対照1と2及び3の酸味と食味、pH値、そして試料1と2及び3は揮発を抑制し酸味成分を保持した酢飯の酸味、食味、pH値でもこれを確認できた。
飯米及び酢飯の比較試験:
精米の重量に対し試料2を6重量%使用し、つぎに試料3に砂糖10%、食塩6%、液状昆布エキス0.5各重量%を加えた試料4を用意し同じく精米重量に対し6重量%を加水量1.6倍の炊飯用水に添加し炊飯し酢飯を作り、これを寿司に加工して食味を試験した。寿司の喫食経験のあるパネラー12名により試食し官能評価の結果を表3に記載する。
これまでの合わせ酢で作る酢飯では、1食の飯米の量を320gとし、これに合わせ酢20から40mlを使用するがこれには糖類と共に食塩を1.8gから3gを使用している。実施例の試料7の食塩量6重量%は酢飯320gで約0.44gである。
表4.酢飯1食320g中の食塩量:
この結果、成形しまたは容器に収納した酢飯を冷凍し冷凍保存を経過しても酢飯として提供することが確認できた。
試験には試料2と同4を使用した酢飯を充てた。
◎7〜15の間は酢飯に適している範囲内であり8から13は省略、
○酸味が食味として適している、
△酢の味は薄く酢飯には不適、
▲異味、渋味とえぐ味の混合した味、
味覚器官の舌の味蕾は、甘味と酸味の感受性の幅がその他の味覚より狭く一定以上の味覚は全く別の味覚として官能することが知られており、試験の結果は使用量の範囲は5重量%から17重量%であることを確認した。
また酢飯については、品温と味覚の関係で品温が30℃前後では甘味が優先し、15℃以下では甘味が低下し酸味が上回ることから、試食を実施するのは炊飯後飯櫃に収納してから3時間から4時間前後の酸味と甘味の均衡のとれた酢飯を供した。これは氷菓製品での糖類使用量例などで知られている。
これは調理の仕上げに際し料理にかけて食味を向上するために使用するもので、水に醤油、砂糖、醸造酢、みりんなどの調味料とでん粉を使用して粘液状の餡として料理にかけるもので、とくに醸造酢の調味効果が大きく大半の餡かけに使用している。これまではすべて調理の際に作って使用することから時間あるいは手間や経験の有無によりこの調味の利用に制約があった。
この餡かけを容易に利用するため請求項1あるいは請求項2の醸造酢を使用してその他の調味料とでん粉を水に加えて加熱加工し保存容器に収納して容易に使用できる。
ここで、醸造酢に溶解する酸化カルシウムが0.004mol未満の場合は酸味が弱いという問題が生じた。また、醸造酢に溶解する酸化カルシウムが0.12molを超えると酸味が強いという問題が生じた。一方、醸造酢に溶解する酸化カルシウムが0.004mol/Lから0.142mol/Lの場合は、食味、食感、保存性等において優れた特性が得られた。
この醸造酢を使用した水または食品は弱酸性域であり温度や振動あるいは圧力などの変化に対してpH値を維持する緩衝能を有している。
醸造酢の酸度は1%から4.3%、10%、15%まであって、これに酸化カルシウムを溶解する量は実施例にある各酸度の量に応じて溶解する濃度の上限があるが、溶解量の範囲内では用途や調味により濃度を任意に選択でき、選択した酸化カルシウムを溶解した醸造酢の所定量を炊飯用の水に全量に添加し緩衝能をもつ炊飯水としこれで酢飯を炊飯する。濃度と使用量を任意に選択することで広範囲な調味と用途が可能であり寿司のほか海鮮丼あるいは弁当類など使用の範囲を拡大できる。
醸造酢の生産においては所定の酸度を上廻る酸度のものを醸造し加水により酸度を調整し規格の製品としている。
酸化カルシウムのmol濃度の表示は小数点4位以下省略した。
以下に実施例を記述するが、当該技術の利用範囲は広く多種多様な食品に使用できることから以下の実施例には限定されない。
ここで、醸造酢に溶解する酸化カルシウムが0.004mol未満の場合は酸味が弱いという問題が生じた。また、醸造酢に溶解する酸化カルシウムが0.12molを超えると酸味が強いという問題が生じた。一方、醸造酢に溶解する酸化カルシウムが0.004mol/Lから0.142mol/Lの場合は、食味、食感、保存性等において優れた特性が得られた。
この醸造酢を使用した水または食品は弱酸性域であり温度や振動あるいは圧力などの変化に対してpH値を維持する緩衝能を有している。
ここで、緩衝能のある水がpH5.7未満の場合は酸味が過剰という問題があった。また、緩衝能のある水がpH6.3を超える場合は酸味を呈味しないという問題があった。緩衝能のある水がpH5.7からpH6.3の場合は、食味、食感、保存性等において優れた特性が得られた。
Claims (5)
- 醸造酢に0.004mol/Lから0.142mol/Lとなるように酸化カルシウムを溶解し、この醸造酢を炊飯水に使用して製造され、醸造酢の揮発成分の揮発を抑制した酢飯。
- 前記醸造酢を使用してpH5.7からpH6.3の緩衝能のある水を得て、当該水を炊飯用水として、精米重量の1.5倍から1.65倍使用して炊飯したpH5.8からpH6.4の酢飯。
- 前記酸化カルシウムとして、酢酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、貝殻、珊瑚殻、魚骨、卵殻の1種あるいは2種以上を選択し使用する
請求項1または請求項2に記載の酢飯。 - 前記醸造酢に対して砂糖を3%から15%、食塩を1%から12%、醤油を2%から8%各重量%を1種あるいは2種以上を使用し、またステビアを0.01%から0.1%、エリスリトールを0.5%から6%、アスパルテームを0.03%から0.5%、ラクチトースを0.5%から2%各重量%を1種あるいは2種以上を使用し、あるいは昆布、鰹節、椎茸を材料としまたはこれらの抽出物を成分とする調味料の1種または2種以上を0.1%から1.2%各重量%を使用した請求項1〜3のいずれかに記載の酢飯。
- 使用時に解凍可能なように、容器に収容され、あるいは成形され、−10℃から同−45℃にて冷凍され、−5℃から−25℃で保存された請求項1〜4のいずれかに記載の酢飯。
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JP2019041994A (ja) * | 2017-08-31 | 2019-03-22 | アース製薬株式会社 | 酢酸刺激臭抑制方法 |
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