JP2016033419A - 断熱板および真空断熱材の製造方法 - Google Patents

断熱板および真空断熱材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】割れや膨れ等の欠陥が生じることを抑制しつつ高い生産性で断熱板を製造でき、成形装置のメンテナンスも容易で低コストである断熱板の製造方法および真空断熱材の製造方法の提供。【解決手段】粉体を含む断熱材材料Mを、上型10と断熱材材料Mの間および下型12と断熱材材料Mの間の両方に断熱材材料Mと接するように多孔質シート32、34を介在させた状態でプレス成形して断熱板を得る成形工程を有する、断熱板の製造方法。また、該断熱板の製造方法により断熱板を得る工程と、得られた断熱板を外袋内に減圧封入する工程とを有する、真空断熱材の製造方法。【選択図】図4

Description

本発明は、断熱板および真空断熱材の製造方法に関する。
住宅、ビル等の高断熱化や、自動車のドアや屋根における遮熱、断熱によって冷暖房エネルギーを削減するために、真空断熱材等の断熱材が広く使用されている。断熱材としては、例えば、シリカ等の粉体を含む断熱材材料が板状に成形された断熱板が挙げられる。
断熱板の製造方法としては、成形装置を用いて、粉体を含む断熱材材料を上下から板状にプレス成形(一軸成形)して断熱板を得る方法が知られている。具体的には、例えば、成形空間を形成する成形型内で一対の成形板により、粉体を含む断熱材材料を上下から板状にプレス成形して断熱板を得る方法が挙げられる(特許文献1、2)。
しかし、該方法では、粉体の流動性が悪いため、プレス成形時に断熱材材料中の空気が抜けにくく、特に断熱板の中央部において圧縮された空気が断熱板内部に残存しやすい。そのため、圧力解放時にその圧縮された空気が膨張することで、断熱板に割れが生じたり、膨れが生じて密度が目標値よりも低くなったりする問題がある。該問題は、特に0.15〜0.35g/cmという低密度で比較的強度の低い断熱板を製造する際に起きやすい。
プレス時間を長くして徐々にプレス圧を高めれば、プレス成形時に断熱材材料中の空気を充分に抜くことができる。しかし、この方法では生産性が大きく低下する。
プレス成形時に断熱材材料中の空気を効率良く抜く方法として、成形空間を形成する成形型内で断熱材材料を上下からプレス成形する一対の成形板に、板の厚み方向に貫通する複数の排気孔を形成する方法が提案されている(特許文献3)。該方法では、プレス成形時に断熱材材料中の空気が成形板の排気孔を通じて効率良く抜ける。
特開2014−94563号公報 特開2014−94564号公報 特開2014−95471号公報
しかし、特許文献3の方法は、既存の成形装置を使用できないため設備コストが高くなる。また、排気孔の断熱材材料側の開口部が粉体によって閉塞する等の不具合が起きやすく、成形装置のメンテナンスも煩雑である。
本発明は、割れや膨れ等の欠陥が生じることを抑制しつつ高い生産性で断熱板を製造でき、成形装置のメンテナンスも容易で低コストである断熱板の製造方法、および該断熱板の製造方法により得られた断熱板を用いる真空断熱材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の[1]〜[10]の構成を有する断熱板および真空断熱材の製造方法を提供する。
[1]粉体を含む断熱材材料を、上型および下型を備える成形装置により板状にプレス成形する成形工程を有する断熱板の製造方法であって、
前記上型と前記断熱材材料の間および前記下型と前記断熱材材料の間のいずれか一方もしくは両方に、前記断熱材材料と接するように多孔質シートを介在させた状態でプレス成形を行う、断熱板の製造方法。
[2]前記上型および前記下型のいずれか一方もしくは両方が、前記断熱材材料との間に介在する前記多孔質シートと接しており、かつ前記多孔質シートと接する型面に溝が形成されている、[1]の断熱板の製造方法。
[3]前記多孔質シートと接する型面に形成されている溝の深さと幅の比(溝深さ/溝幅)が0.1以上である、[2]に記載の断熱板の製造方法。
[4]前記上型および前記下型のいずれか一方もしくは両方が、前記断熱材材料との間に介在する前記多孔質シートと接しており、かつ少なくとも前記多孔質シートと接する部分が多孔質体である、[1]〜[3]のいずれかに記載の断熱板の製造方法。
[5]前記上型および前記下型のいずれか一方もしくは両方が、前記断熱材材料との間に介在する前記多孔質シートと接しており、かつ前記成形工程で板状にプレス成形される断熱材材料の厚み方向に多数の貫通穴が形成されている、[4]の断熱板の製造方法。
[6]前記断熱材材料がさらにバインダを含む、[1]〜[5]のいずれかの断熱板の製造方法。
[7]前記断熱材材料がさらに繊維を含む、[1]〜[6]のいずれかの断熱板の製造方法。
[8]密度が0.15〜0.35g/cmの断熱板を得る、[1]〜[7]のいずれかの断熱板の製造方法。
[9]前記断熱板が真空断熱材の芯材である、[1]〜[8]のいずれかの断熱板の製造方法。
[10]前記[9]の断熱板の製造方法により断熱板を得る工程と、得られた断熱板を外袋内に減圧封入する工程とを有する、真空断熱材の製造方法。
本発明の断熱板の製造方法によれば、割れや膨れ等の欠陥が生じることを抑制しつつ高い生産性で断熱板を製造でき、成形装置のメンテナンスも容易で低コストである。
本発明の真空断熱材の製造方法によれば、断熱板に割れや膨れ等の欠陥が生じることを抑制しつつ高い生産性で真空断熱材を製造できる。
本発明の断熱板の製造方法に用いる成形装置の一例を示した断面図である。 図1の成形装置における下型の側壁部近傍の拡大断面図である。 図1の成形装置を用いた断熱板の製造方法における成形工程を示した断面図である。 図1の成形装置を用いた断熱板の製造方法における成形工程を示した断面図である。 他の成形装置を用いた断熱板の製造方法における成形工程を示した断面図である。 他の成形装置を用いた断熱板の製造方法における成形工程を示した断面図である。 他の成形装置を用いた断熱板の製造方法における成形工程を示した断面図である。 他の成形装置を用いた断熱板の製造方法における成形工程を示した断面図である。 他の成形装置を用いた断熱板の製造方法における成形工程を示した断面図である。 他の成形装置を用いた断熱板の製造方法における成形工程を示した断面図である。 他の成形装置を用いた断熱板の製造方法における成形工程を示した断面図である。
以下の用語の定義は、本明細書および特許請求の範囲にわたって適用される。
「多孔質シート」とは、多数の細孔を有し、実質的に断熱材材料が該細孔を通じて内部を通り抜けず、かつ空気が該細孔を通じて内部を通り抜けることが可能な通気性を有するシート状の多孔質体を意味する。
「バインダ付きヒュームドシリカ」とは、多孔質シリカ、繊維等の他の成分と混合する前のヒュームドシリカの表面に予めバインダが付与されたものを意味する。なお、ヒュームドシリカとは、アモルファスかつ球状で、細孔のない一次粒子からなるシリカ微粒子を意味する。ヒュームドシリカは、例えば、四塩化ケイ素を気化し、高温の水素炎中で気相反応を行う方法により得られる。
「輻射抑制材」とは、赤外光を反射(散乱)するか、または赤外光を一旦吸収してその吸収による温度上昇分を再放射する際に等方的に放射して赤外光の方向性を乱すことで、輻射伝熱を抑える粒子を意味する。
「繊維長D30」とは、個数基準で求めた繊維長分布の全個数を100%とした累積個数分布曲線において30%となる点の繊維長を意味する。また、「繊維長D90」とは、個数基準で求めた繊維長分布の全個数を100%とした累積個数分布曲線において90%となる点の繊維長を意味する。繊維長分布は、光学顕微鏡で観察した写真において無作為に50本以上の繊維の長さを測定して得られる頻度分布および累積個数分布曲線で求められる。
[第1実施形態]
本発明の断熱板の製造方法は、粉体を含む断熱材材料を、上型および下型を備える成形装置により板状にプレス成形して断熱板を得る成形工程を有する方法である。以下、本発明の断熱板の製造方法の一例として、図1および図2に例示した成形装置1を用いる場合について説明する。
(成形装置)
成形装置1は、断熱材材料を板状にプレス成形するための装置であって、図1に示すように、上型10と、下型12と、を有する。
上型10の型面10aは、平面状になっている。
下型12は、底部12aと、底部12aの周縁部から周囲を囲うように立ち上がる側壁部12bとを有する。下型12における底部12aおよび側壁部12bの内側に凹部12cが形成されている。下型12の凹部12cの平面形状は、上型10の平面形状とほぼ同等になっている。また、下型12の凹部12cの開口の大きさが、上型10の型面10aの大きさよりもわずかに大きくなっている。
下型12の凹部12cの平面形状および上型10の型面10aの形状は、目的とする断熱板の形状に応じて決定される。
成形装置1では、上型10が下型12の凹部12cの内部に上方から入り込んで、凹部12cの内部に充填された断熱材材料を上下から板状にプレス成形できるようになっている。このように、成形装置1では、上型10が雄型、下型12が雌型の関係になっている。
成形装置1では、上型10が下型12の凹部12c内に入り込んだときに、上型10と下型12の側壁部12bとの間にクリアランス16が形成されるようになっている。これにより、プレス成形時には、断熱材材料中の空気は上型10と下型12の側壁部12bとのクリアランス16から抜け出ることが可能になっている。
また、成形装置1では、下型12の底部12aと側壁部12bとの間にもわずかに隙間18が存在する。そのため、プレス成形時には、断熱材材料中の空気は下型12の底部12aと側壁部12bの隙間18からも抜け出ることが可能になっている。
上型10が下型12の凹部12c内に入り込んだときの上型10と下型12の側壁部12bとのクリアランス16の距離d1(図2)は、0.1〜3mmが好ましく、0.2〜2mmがより好ましい。前記距離d1が前記下限値以上であれば、断熱材材料中の空気が上型10と下型12の側壁部12bとのクリアランス16を通じて成形装置1外に抜け出やすくなる。前記距離d1が前記上限値以下であれば、プレス成形時に上型10と下型12の側壁部12bとのクリアランス16から断熱材材料が漏れ出すことを抑制しやすい。
上型10および下型12としては、材質として特殊なものは使用しない。例えば、プレス成形で一般的に使用される金型を採用できる。また、型の材質として金属のほかに樹脂等を使用してもよい。
(断熱材材料)
本発明の断熱板の製造方法に用いる断熱材材料は粉体を含む。また、より高強度な断熱板を得やすい点では、断熱材材料には粉体に加えて繊維およびバインダのいずれか一方もしくは両方が含まれていることが好ましい。
(粉体)
粉体としては、断熱板に通常用いられる公知の粉体を使用できる。具体的には、ヒュームドシリカ、多孔質シリカ、輻射抑制材等が挙げられる。粉体としては、充分な強度を有する断熱板が得られやすい点から、ヒュームドシリカを含むことが好ましい。
粉体は、1種のみでもよく、2種以上でもよい。
ヒュームドシリカは極めて微細な粉末であるため、粒の大きさを表す指標としては通常比表面積が用いられる。
ヒュームドシリカの比表面積は、50〜400m/gが好ましく、100〜350m/gがより好ましく、200〜300m/gが特に好ましい。ヒュームドシリカの比表面積が前記下限値以上であれば、優れた断熱性能が得られやすい。ヒュームドシリカの比表面積が前記上限値以下であれば、粒子の表面にバインダを付けやすい。
本発明における比表面積は、窒素吸着法(BET法)により測定される。
ヒュームドシリカの具体例としては、例えば、アエロジル200(比表面積200m/g、日本アエロジル株式会社製)、アエロジル300(比表面積300m/g、日本アエロジル株式会社製)、CAB−O−SIL M−5(比表面積200m/g、キャボットジャパン株式会社製)、CAB−O−SIL H−300(比表面積300m/g、キャボットジャパン株式会社製)、レオロシールQS30(比表面積300m/g、株式会社トクヤマ製)等が挙げられる。
ヒュームドシリカは、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
多孔質シリカの比表面積は、100〜800m/gが好ましく、200〜750m/gがより好ましく、300〜700m/gが特に好ましい。多孔質シリカの比表面積が前記下限値以上であれば、優れた断熱性能が得られやすい。多孔質シリカの比表面積が前記上限値以下であれば、バインダを用いた場合に多孔質シリカに吸収されるバインダ量を少なくできる。そのため、添加するバインダ量が少なくてもより低い圧力で断熱板を成形できる。その結果、断熱板の密度を低くでき、優れた断熱性能が得られやすくなる。
多孔質シリカの気孔率は、60〜90%が好ましく、65〜85%がより好ましく、70〜80%が特に好ましい。多孔質シリカの気孔率が前記下限値以上であれば、固体の熱伝導を少なくできるため、優れた断熱性能が得られやすい。多孔質シリカの気孔率が前記上限値以下であれば、成形時に多孔質シリカ粒子がつぶれにくく、多孔性が維持されるために優れた断熱性能が得られやすい。
気孔率は、窒素吸着法(BJH法)により測定される。
多孔質シリカの平均粒子径は、レーザー回折散乱法やコールターカウンター法などにより、体積基準で測定された場合において、1〜300μmが好ましく、2〜150μmがより好ましく、3〜100μmが特に好ましい。多孔質シリカの平均粒子径が前記下限値以上であれば、高い気孔率を有する多孔質シリカが得られやすく、優れた断熱性能が得られやすい。多孔質シリカの平均粒子径が前記上限値以下であれば、断熱板の密度が高くなりすぎず、優れた断熱性能が得られやすい。
多孔質シリカの具体例としては、例えば、M.S.GELやサンスフェア(いずれもAGCエスアイテック株式会社製)等が挙げられる。
多孔質シリカは、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
輻射抑制材としては、例えば、金属粒子(アルミニウム粒子、銀粒子、金粒子等)、無機粒子(グラファイト、カーボンブラック、炭化ケイ素、酸化チタン、酸化スズ、チタン酸カリウム等)等が挙げられる。
輻射抑制材は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
(バインダ)
断熱板を低密度にしても充分な強度が得られやすい点、粉体同士、および粉体と粉体以外の成分とが接着されることで粉体が多孔質シートの細孔内に侵入しにくくなる点から、断熱材材料にはバインダが含まれることが好ましい。特に粉体としてヒュームドシリカを使用し、予め該ヒュームドシリカの表面にバインダを付与してバインダ付きヒュームドシリカとすることが好ましい。ヒュームドシリカの表面に付与されたバインダによって、成形時の圧力が低くても、バインダ付きヒュームドシリカ同士、またはバインダ付きヒュームドシリカと他の材料(多孔質シリカ、繊維等)が互いに接着される。
多孔質シリカにバインダを付与しても、バインダが多孔質シリカに吸収されてしまうためにバインダによる効果は得られにくい。
バインダとしては、有機バインダであってもよく、無機バインダであってもよい。なかでも、バインダとしては、熱伝導性が低く、優れた断熱性が得られやすい点から、無機バインダが好ましい。
無機バインダとしては、例えば、ケイ酸ナトリウム、リン酸アルミニウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム等が挙げられる。なかでも、優れた断熱性が得られやすい点から、ケイ酸ナトリウムが特に好ましい。
バインダは、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
(繊維)
断熱材材料に繊維が含まれると、高強度な断熱板が得られやすい。また、粉体が絡み合った繊維内に取り込まれて塊が形成されることで、粉体が多孔質シートの細孔内に侵入しにくくなる。
繊維としては、真空断熱材に通常使用される繊維が使用でき、例えば、樹脂繊維、無機繊維が挙げられる。なかでも、断熱板を真空断熱材の芯材とする場合に真空下でのアウトガスが少なく、真空度の低下による断熱性の低下を抑制しやすい点、および耐熱性に優れる点から、無機繊維が好ましい。
繊維は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
無機繊維としては、例えば、アルミナ繊維、ムライト繊維、シリカ繊維、グラスウール、グラスファイバー、ロックウール、スラグウール、炭化ケイ素繊維、カーボン繊維、シリカアルミナ繊維、シリカアルミナマグネシア繊維、シリカアルミナジルコニア繊維、シリカマグネシアカルシア繊維等が挙げられる。
使用する繊維の繊維長D30は、100μm以上が好ましく、200μm以上がより好ましい。繊維長D30が前記下限値以上であれば、断熱板に割れが生じることを抑制しやすい。
使用する繊維の繊維長D90は、20mm以下が好ましく、10mm以下がより好ましい。繊維長D90が前記上限値以下であれば、繊維同士が過度に絡まりにくいために粉体と均一に混合しやすく、繊維による効果が得られやすい。
繊維の太さ(直径)は、繊維による固体伝熱の増大を抑制できる点から、10μm以下が好ましい。また、繊維の太さ(直径)は、断熱板に割れが生じることを抑制しやすい点から、1μm以上が好ましい。
(粉体、バインダ、繊維の割合)
粉体(100質量%)中のヒュームドシリカの割合は、50〜100質量%が好ましく、70〜100質量%がより好ましく、80〜100質量%が特に好ましい。ヒュームドシリカの割合が前記下限値以上であれば、強度の高い断熱板が得られやすい。
粉体(100質量%)中の多孔質シリカの割合は、0〜50質量%が好ましく、0〜30質量%がより好ましく、0〜20質量%が特に好ましい。多孔質シリカの割合が多いほど、断熱性能に優れた断熱板が得られやすい。多孔質シリカの割合が前記上限値以下であれば、強度の高い断熱板が得られやすい。
粉体が予め表面にバインダを付与したバインダ付きヒュームドシリカと多孔質シリカを含む場合、バインダ付与前のヒュームドシリカの質量Mと多孔質シリカの質量Mとの比M/Mは、50/50以上が好ましく、70/30以上がより好ましく、80/20以上が特に好ましい。前記比M/Mが前記下限値以上であれば、より低密度で優れた断熱性能を有し、かつ充分な強度を有する断熱板が得られやすい。
粉体が輻射抑制材を含む場合、粉体(100質量%)中の輻射抑制材の割合は、3〜30質量%が好ましく、5〜25質量%がより好ましく、10〜20質量%が特に好ましい。輻射抑制材の割合が前記下限値以上であれば、輻射抑制材の効果が得られやすい。輻射抑制材の割合が前記上限値以下であれば、輻射抑制材による固体伝熱の増大を抑制できるため、優れた断熱性能が得られやすい。
バインダの割合は、予め表面にバインダを付与したバインダ付きヒュームドシリカを使用する場合、バインダ付与前のヒュームドシリカ100質量部に対して、0.1〜15質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましく、1〜4質量部が特に好ましい。前記バインダの割合が前記下限値以上であれば、より低密度で優れた断熱性能を有し、かつ充分な強度を有する断熱板が得られやすい。前記バインダの割合が前記上限値以下であれば、バインダによる固体伝熱の増大を抑制できるため、断熱性能の低下を抑制しやすい。
また、ヒュームドシリカ、バインダおよびそれ以外の成分(多孔質シリカ、繊維等)を同時に混合する場合等、予め表面にバインダを付与したバインダ付きヒュームドシリカを使用しない場合のバインダの割合は、粉体100質量部に対して、0.1〜15質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましく、1〜4質量部が特に好ましい。バインダの割合が前記下限値以上であれば、より低密度で優れた断熱性能を有し、かつ充分な強度を有する断熱板が得られやすい。バインダの割合が前記上限値以下であれば、バインダによる固体伝熱の増大を抑制できるため、断熱性能の低下を抑制しやすい。
繊維の割合は、粉体100質量部に対して、1〜30質量部が好ましく、2〜20質量部がより好ましく、4〜10質量部が特に好ましい。繊維の割合が前記下限値以上であれば、高強度な断熱板が得られやすい。繊維の割合が前記上限値以下であれば、繊維による固体伝熱の増大を抑制できるため、断熱性能の低下を抑制しやすい。
(製造方法)
本実施形態の断熱板の製造方法としては、例えば、以下の混合工程、成形工程および熱処理工程を有する方法が挙げられる。
混合工程:粉体および必要に応じて使用する他の材料を混合し、撹拌して断熱材材料を得る。
成形工程:成形装置1を用いて、上型10と断熱材材料の間および下型12と断熱材材料の間の両方に、前記断熱材材料と接するように多孔質シートを介在させた状態で前記断熱材材料を板状にプレス成形する。
熱処理工程:前記成形工程で得られた断熱板を熱処理して乾燥させる。
(混合工程)
例えば、粉体、繊維およびバインダを用いる場合、それらの各成分の混合方法としては、例えば、V型混合機、撹拌機付きのブレンダ等を使用する方法が挙げられる。なかでも、各成分の分散性が良好になる点から、撹拌機付きブレンダのような高速撹拌装置を用いる方法が好ましい。
ヒュームドシリカ、多孔質シリカおよびバインダを併用する場合、予め表面にバインダを付与してバインダ付きヒュームドシリカを得た後に、該バインダ付きヒュームドシリカと多孔質シリカを混合することが好ましい。これにより、バインダが多孔質シリカに吸収されることを抑制できるため、バインダの使用量を低減できる。
なお、バインダを混合する時期は特に限定されず、例えば、ヒュームドシリカと多孔質シリカと繊維とバインダを同時に混合してもよい。
バインダは溶媒に溶解してバインダ液として混合することが好ましい。バインダ液に使用する溶媒としては、特に限定されず、例えば、水、エタノール等が挙げられる。
バインダ液(100質量%)中のバインダの割合は、4〜60質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましい。バインダの割合が前記範囲内であれば、粉体へのバインダの付与が容易になる。バインダ液としては、ケイ酸ナトリウムの水溶液である水ガラスが特に好ましい。
バインダ液はスプレーコート等によって粉体や繊維に塗布してもよい。
(成形工程)
例えば、図3に示すように、成形装置1における下型12の凹部12c内の底にトレイ30を設置し、トレイ30上に多孔質シート32を設置した後、下型12の凹部12c内における多孔質シート32上に断熱材材料Mを充填し、さらにその上に多孔質シート34を配置する。
成形工程でトレイ30を用いることで、プレス成形後に得られた断熱板をトレイ30上に載せた状態で次工程へと搬送できる。そのため、断熱板が低密度であっても搬送時に断熱板に破損が生じにくくなりハンドリング性が良好になる。
トレイ30としては、プレス成形時の圧力に耐え得るものであればよく、例えば、アルミニウム製トレイ等が挙げられる。
多孔質シート32は、通気性を有し、プレス成形時の圧力に耐え得るものであればよく、例えば、ガラスクロス、金属メッシュ等が挙げられる。
多孔質シート32の平面形状は、目的とする断熱板の平面形状に対応する形状とすればよい。
多孔質シート32の厚さは、0.05〜0.5mmが好ましく、0.1〜0.3mmがより好ましい。多孔質シート32の厚さが前記下限値以上であれば、プレス成形時に断熱材材料中の空気が多孔質シート内を通じて抜けやすく、高い生産性で高品質な断熱板を製造することが容易になる。多孔質シート32の厚さが前記上限値以下であれば、製品の板厚の制御が容易になる。
多孔質シート32としてガラスクロスを使用する場合、ガラスクロス密度(1m当たりの質量)は、250〜700g/mが好ましく、300〜600g/mがより好ましい。ガラスクロス密度が前記下限値以上であれば、粉体の通過を抑えやすい。ガラスクロス密度が前記上限値以下であれば、空気抜き効果が充分に得られやすい。
多孔質シート32として金属メッシュを使用する場合、金属メッシュのmesh数は、15〜400meshが好ましく、20〜300meshがより好ましい。金属メッシュのmesh数が前記下限値以上であれば、粉体の通過を抑えやすい。金属メッシュのmesh数が前記上限値以下であれば、空気抜き効果を充分に得やすい。
なお、前記mesh数は1インチ中に存在する網目の個数を意味する。
多孔質シート34としては、通気性を有し、プレス成形時の圧力に耐え得るものであればよく、例えば多孔質シート32で挙げたものと同じものが挙げられ、好ましい態様も同じである。
次いで、上型10を下降させることで、図4に示すように、上型10と断熱材材料の間および下型12と断熱材材料の間の両方に断熱材材料Mと接するように多孔質シート32、34を介在させた状態で断熱材材料Mを板状にプレス成形する。
この例では、上型10と断熱材材料Mの間に断熱材材料Mと接するように多孔質シート34が存在することで、プレス成形時に断熱材材料M中の空気が多孔質シート34内を通って、上型10と下型12の側壁部12bとのクリアランス16まで辿り着きやすい。そのため、板状にプレス成形される断熱材材料Mの周縁部だけでなく中央部からも、空気が多孔質シート34内を通じてクリアランス16から装置外に容易に抜け出る。また、下型12と断熱材材料Mの間に断熱材材料Mと接するように多孔質シート32が存在することで、プレス成形時に断熱材材料M中の空気が多孔質シート32内を通って、下型12の底部12aと側壁部12bの隙間18まで辿り着きやすい。そのため、板状にプレス成形される断熱材材料Mの周縁部だけでなく中央部からも、空気が多孔質シート32内を通じて隙間18から装置外に容易に抜け出る。
このように、短時間のプレス成形でも断熱材材料Mから空気を効率良く抜くことができる。
プレス成形時の圧力は、断熱材材料Mの組成、目標とする断熱板の厚み等に応じて適宜設定すればよい。
プレス時間は、生産性向上のため、得られる断熱板に割れや膨れ等の不具合が生じない範囲内であれば、極力短時間とすることが好ましい。
(熱処理工程)
成形工程で得られた断熱板を熱処理して乾燥させることで、断熱板内に残存する溶媒が揮発し、バインダによって粉体同士や粉体と繊維とがより良好に接着される。
断熱板を熱処理する方法としては、特に限定されず、例えば、定温乾燥機、電気炉等で加熱する方法等が挙げられる。
断熱板の密度は、0.15〜0.35g/cmが好ましく、0.17〜0.30g/cmがより好ましい。断熱板の密度が前記下限値以上であれば、断熱板のハンドリング性が良好になる。また、真空断熱材とする場合において、断熱板を外袋内に減圧封入する際に断熱材材料が飛散しにくい。断熱板の密度が前記上限値以下であれば、優れた断熱性能が安定して得られやすい。
(作用効果)
特許文献1、2のような従来の断熱板の製造方法では、断熱材材料を板状にプレス成形する際に断熱材材料の周縁部の空気は抜けるものの、断熱材材料の中央部の空気が抜けにくいために、特に断熱板の中央部で割れや膨れが発生する問題がある。
これに対して、本実施形態の断熱板の製造方法では、上型10と断熱材材料Mの間および下型12と断熱材材料Mの間の両方に、断熱材材料Mと接するように多孔質シート32、34を介在させた状態でプレス成形を行う。そのため、短時間のプレス成形でも、断熱材材料Mの中央部分からも多孔質シート32、34を通じて空気が装置外に抜けやすく、割れや膨れの発生を抑制しつつ高い生産性で断熱板を製造できる。
また、本実施形態の断熱板の製造方法は、既存の成形装置により多孔質シート32、34を設置するだけで実現できる。また、たとえ多孔質シート32、34が粉体で閉塞したとしても、多孔質シート32、34を交換するだけでよいため、特許文献3のように成形板に形成した排気孔が閉塞した場合に比べてメンテナンスも容易である。そのため、本実施形態の断熱板の製造方法によれば低コストで簡便に断熱板を製造できる。
[第2実施形態]
本発明の断熱板の製造方法では、より効率良く断熱材材料から空気が抜けやすい点から、上型および下型のいずれか一方もしくは両方が、断熱材材料との間に介在する多孔質シートと接しており、かつ該多孔質シートと接する型面に溝が形成されている成形装置を用いることが好ましい。該多孔質シートと接する面に溝が形成されていることにより、予期せぬ効果としてシートの使用回数を延ばすことが可能であることが判明した。詳細な理由が不明だが、以下のように推測している。
前述のように、多孔質シートは粉体と接した状態で加圧されるために、徐々に気孔中に粉体が残留して気孔を閉塞していく。成形型に溝がない場合は、多孔質シートを通して空気を外部に逃がすため、気孔中に粉体が残留して気孔が閉塞されていくと、特に中央付近の粉体中から出た空気がシート内を通過しにくくなるため、成形体が変形したり、割れたりし易くなることがあった。しかし、成形型に溝が設けられていると、中央付近であっても空気の透過距離が短くて済むため、空気が逃げやすく、そのために成形性が維持できたものと考えられる。
以下、この実施形態の具体例として、図5に例示した成形装置2を用いる場合について説明する。図5における図4と同じ部分は同符号を付して説明を省略する。
(成形装置)
成形装置2は、上型10の代わりに、型面10aに複数の溝20が形成された上型10Aを備える以外は、成形装置1と同じである。上型10Aは、型面10aに複数の溝20が形成されている以外は、上型10と同じである。
より効率良く断熱材材料から空気が抜けやすい点から、溝20は上型10Aの型面10aの全面に形成されていることが好ましい。また、複数の溝20の形態としては、格子状が好ましい。また、溝20の両端は上型10Aの型面10aの縁まで達していることが好ましい。
溝20のピッチは、50mm以下が好ましく、40mm以下がより好ましい。溝20のピッチが前記上限値以下であれば、空気抜きの効果が充分に得られる。溝20のピッチは加工の手間がゆるす限り小さくすることが好ましい。
溝20の深さは、0.1〜2.5mmが好ましく、0.2〜1.0mmがより好ましく、0.5〜1mmがさらに好ましい。溝20の深さが前記下限値以上であれば、空気抜きの効果が得られやすい。溝20の深さが前記上限値以下であれば、上型10Aと多孔質シート34との噛み込みが少なく、多孔質シート34を容易に引き離せる。
溝20の幅は、1〜10mmが好ましく、2〜8mmがより好ましい。溝20の幅が前記下限値以上であれば、空気抜きの効果が充分に得られるとともに、溝20に多孔質シート34が噛み込むことを抑制しやすい。溝20の幅が前記上限値以下であれば、空気抜きのために溝20を形成した効果が充分に得られやすい。
溝の深さと幅の比(溝深さ/溝幅)は0.1以上であることが好ましい。溝深さと幅の比が0.1よりも小さいと、成形中に溝の壁面に多孔質シートが密着することがあるため、充分な空気抜きの効果が得られなくなることがある。
上型10Aの型面10aに溝20を形成する方法としては、特に限定されず、例えば、一般的な機械加工や放電加工による方法等が挙げられる。
(製造方法)
本実施形態の断熱板の製造方法としては、例えば、以下の混合工程、成形工程および熱処理工程を有する方法が挙げられる。
混合工程:粉体および必要に応じて使用する他の材料を混合し、撹拌して断熱材材料を得る。
成形工程:成形装置2を用いて、上型10Aと断熱材材料の間および下型12と断熱材材料の間の両方に、前記断熱材材料と接するように多孔質シートを介在させた状態で前記断熱材材料を板状にプレス成形する。
熱処理工程:前記成形工程で得られた断熱板を熱処理して乾燥させる。
混合工程および熱処理工程は、第1実施形態と同様に行える。また、成形工程は、成形装置2を用いる以外は第1実施形態と同様に行える。
(作用効果)
本実施形態では、上型10Aの型面10aに複数の溝20が形成されているため、プレス成形時に断熱材材料M側から型面10a側に多孔質シート34を通り抜けた空気が、溝20を通って上型10と下型12の側壁部12bとのクリアランス16まで辿り着く。これにより、成形装置1を用いる場合に比べて断熱材材料M中の空気がさらに装置外に抜けやすくなる。そのため、短時間のプレス成形であっても、より効率良く断熱材材料M中の空気が抜けるため、割れや膨れの発生を抑制しつつ、より高い生産性で断熱板を製造できる。
また、本実施形態の断熱板の製造方法では、上型10Aの型面10a側に多孔質シート34が配置されるため、上型10Aの型面10aに形成された溝20が粉体で閉塞することが抑制される。また、たとえ多孔質シート32、34が粉体で閉塞したとしても、多孔質シート32、34を交換するだけでよいため、特許文献3のように成形板に形成した排気孔が閉塞した場合に比べてメンテナンスも容易である。
[第3実施形態]
本発明の断熱板の製造方法では、より効率良く断熱材材料から空気が抜けやすい点から、上型および下型のいずれか一方もしくは両方が、断熱材材料との間に介在する多孔質シートと接しており、かつ少なくとも該多孔質シートと接する部分が多孔質体である成形装置を用いることが好ましい。
以下、この実施形態の具体例として、図6に例示した成形装置3を用いる場合について説明する。図6における図4と同じ部分は同符号を付して説明を省略する。
(成形装置)
成形装置3は、上型10の代わりに、型面10aからその反対側の型面10bまで、板状にプレス成形される断熱材材料Mの厚み方向に多数の貫通穴22が形成された上型10Bを備える以外は、成形装置1と同じである。上型10Bは、複数の貫通穴22が形成されている以外は、上型10と同じである。上型10Bは、貫通穴22が多数形成されていることで多孔質体となっている。
より効率良く断熱材材料から空気が抜けやすい点から、貫通穴22は上型10Bの型面10aの全面に均一に形成されていることが好ましい。
貫通穴22のピッチは、10〜100mmが好ましく、15〜80mmがより好ましい。貫通穴22のピッチが前記下限値以上であれば、上型10Bの強度を充分に確保しやすい。貫通穴22のピッチが前記上限値以下であれば、空気抜きの効果が充分に得られやすい。
貫通穴22の穴径(直径)は、0.1〜3.0mmが好ましく、0.3〜2.0mmがより好ましい。貫通穴22の穴径が前記下限値以上であれば、粉体による貫通穴22の閉塞を防止しやすい。貫通穴22の穴径が前記上限値以下であれば、断熱板表面および真空断熱材表面の凸凹が1mm以下に抑えられる。
1つの貫通穴22の型面10a側の開口面積は、型面10aの総面積(貫通穴の開口面積も含む)に対して、0.01〜0.5%が好ましく、0.03〜0.3%がより好ましい。前記開口面積が前記下限値以上であれば、空気抜きの効果が得られやすい。前記開口面積が前記上限値以下であれば、上型10Bの強度を充分に確保しやすい。
上型10Bに貫通穴22を形成する方法としては、特に限定されず、例えば、一般的な機械や放電加工による穴開け加工等が挙げられる。
(製造方法)
本実施形態の断熱板の製造方法としては、例えば、以下の混合工程、成形工程および熱処理工程を有する方法が挙げられる。
混合工程:粉体および必要に応じて使用する他の材料を混合し、撹拌して断熱材材料を得る。
成形工程:成形装置3を用いて、上型10Bと断熱材材料の間および下型12と断熱材材料の間の両方に、前記断熱材材料と接するように多孔質シートを介在させた状態で前記断熱材材料を板状にプレス成形する。
熱処理工程:前記成形工程で得られた断熱板を熱処理して乾燥させる。
混合工程および熱処理工程は、第1実施形態と同様に行える。また、成形工程は、成形装置3を用いる以外は第1実施形態と同様に行える。
(作用効果)
本実施形態では、上型10Bに複数の貫通穴22が形成されているため、プレス成形時に断熱材材料M側から型面10a側に多孔質シート34を通り抜けた空気が、貫通穴22を通じて装置外に抜け出る。そのため、成形装置1を用いる場合に比べて断熱材材料M中の空気がさらに装置外に抜けやすくなる。そのため、短時間のプレス成形であっても、より効率良く断熱材材料M中の空気が抜けるため、割れや膨れの発生を抑制しつつ、より高い生産性で断熱板を製造できる。
また、本実施形態の断熱板の製造方法では、上型10Bの型面10a側に多孔質シート34が配置されるため、上型10Bに形成された貫通穴22が粉体で閉塞することが抑制される。また、たとえ多孔質シート32、34が粉体で閉塞したとしても、多孔質シート32、34を交換するだけでよいため、特許文献3のように成形板に形成した排気孔が閉塞した場合に比べてメンテナンスも容易である。
[第4実施形態]
また、本発明の断熱板の製造方法は、上型における下型側の型面に溝を形成する場合、例えば、図7に例示した成形装置4を用いる方法としてもよい。図7における図4と同じ部分は同符号を付して説明を省略する。
成形装置4は、上型10の代わりに、上型本体10c、および上型本体10cにおける下型12側に設けられ、下型12側の面に複数の溝20が形成された溝切板10dを有する上型10Cを備える以外は成形装置1と同じである。
図7に示すように、上型10Cと断熱材材料Mの間および下型12と断熱材材料Mの間の両方に、断熱材材料Mと接するように多孔質シート32、34を介在させた状態で断熱材材料Mを板状にプレス成形することで、割れや膨れ等の欠陥が生じることを抑制しつつ高い生産性で断熱板を製造できる。
[第5実施形態]
また、本発明の断熱板の製造方法は、図8に例示した成形装置5を用いる方法であってもよい。図8における図4と同じ部分は同符号を付して説明を省略する。
成形装置5は、下型12の代わりに、底部12aの上側の型面12dにおける側壁部12bの内側に複数の溝24が形成された下型12Aを備えている以外は、成形装置1と同じである。
複数の溝24の態様としては、溝20と同じ態様が挙げられ、好ましい態様も同じである。
図8に示すように、上型10と断熱材材料Mの間および下型12Aと断熱材材料Mの間の両方に、断熱材材料Mと接するように多孔質シート32、34を介在させた状態で断熱材材料Mを板状にプレス成形することで、割れや膨れ等の欠陥が生じることを抑制しつつ高い生産性で断熱板を製造できる。
成形装置5を用いる方法では、プレス成形時に断熱材材料M側から型面12d側に多孔質シート32を通り抜けた空気が、溝24を通って下型12の底部12aと側壁部12bの隙間18まで辿り着く。これにより、成形装置1を用いる場合に比べて断熱材材料M中の空気がさらに装置外に抜けやすくなる。そのため、短時間のプレス成形であっても、より効率良く断熱材材料M中の空気が抜けるため、割れや膨れの発生を抑制しつつ、より高い生産性で断熱板を製造できる。
[第6実施形態]
また、本発明の断熱板の製造方法は、図9に例示した成形装置6を用いる方法であってもよい。図9における図4、図5および図8と同じ部分は同符号を付して説明を省略する。
成形装置6は、上型10の代わりに、成形装置2と同様に型面10aに複数の溝20が形成された上型10Aを備え、下型12の代わりに、成形装置5と同様に型面12dに複数の溝24が形成された下型12Aを備える以外は、成形装置1と同じである。
図9に示すように、上型10Aと断熱材材料Mの間および下型12Aと断熱材材料Mの間の両方に、断熱材材料Mと接するように多孔質シート32、34を介在させた状態で断熱材材料Mを板状にプレス成形する。これにより、プレス成形時に断熱材材料中の空気が抜けやすくなる。
また、プレス成形時に断熱材材料M側から型面10a側に多孔質シート34を通り抜けた空気が、溝20を通って上型10と下型12の側壁部12bとのクリアランス16まで辿り着く。また、プレス成形時に断熱材材料M側から型面12d側に多孔質シート32を通り抜けた空気が、溝24を通って下型12の底部12aと側壁部12bとの隙間18まで辿り着く。このように、成形装置1を用いる場合に比べて断熱材材料M中の空気がさらに装置外に抜けやすいため、割れや膨れ等の欠陥が生じることを抑制しつつ高い生産性で断熱板を製造できる。
[第7実施形態]
また、本発明の断熱板の製造方法は、上型が雄型、下型が雌型の関係となっている成形装置を用いる方法には限定されない。例えば、図10及び図11に例示した成形装置7を用いる方法であってもよい。
成形装置7は、図10に示すように、上型40と、下型50とを備える。上型40は、成形板42と、成形板42を下方に押し込んで加圧する加圧部44とを有する。下型50は、底部52と、底部52の周縁部から周囲を囲うように立ち上がる側壁部54と、底部52および側壁部54の内側に形成される凹部50a内に配置される成形板56と、底部52を貫通し、凹部50a内で成形板56を上方に押し込んで加圧する加圧部58と、を有する。
プレス成形時には、上型40の成形板42は下型50の凹部50a内には入らず、成形板42の面42aが下型50の側壁部54の上面に当接するようになっている。
成形装置7を用いる断熱板の製造方法では、図10に示すように、下型50の成形板56上に多孔質シート64を配置し、その上に断熱材材料Mを充填した後、さらにその上に多孔質シート62を配置する。その後、図11に示すように、加圧部58により成形板56を上方に押し上げつつ、加圧部44により成形板42を押し下げ、上型40の成形板42と断熱材材料Mとの間および下型50の成形板56と断熱材材料Mとの間の両方に多孔質シート62、64を介在させた状態でプレス成形を行う。これにより、断熱材材料M中の空気が多孔質シート62、64を通じて装置外に抜けやすくなり、割れや膨れの発生を抑制しつつ、高い生産性で断熱板を製造できる。
以上説明したように、本発明の断熱板の製造方法においては、上型と断熱材材料の間および下型と断熱材材料の間のいずれか一方もしくは両方に、断熱材材料と接するように多孔質シートを介在させた状態でプレス成形を行うため、プレス成形時に断熱材材料中の空気が抜けやすい。その結果、割れや膨れ等の欠陥が生じることを抑制しつつ高い生産性で断熱板を製造できる。また、本発明の断熱板の製造方法によれば、0.15〜0.3g/cmという低密度の断熱板を製造する場合でも、割れや膨れ等の欠陥が生じることを充分に抑制しつつ、高い生産性で断熱板を製造できる。
また、本発明の断熱板の製造方法は、既存の成形装置の流用も可能であり、成形装置のメンテナンスも容易である。
本発明の断熱板の製造方法は、真空断熱材の芯材として用いる断熱板の製造方法として特に有効である。また、本発明の製造方法で得られる断熱板は、そのまま断熱材として用いるものであってもよい。
[他の実施形態]
なお、本発明の断熱板の製造方法は、前記した形態には限定されない。
例えば、成形装置1を用いる成形工程において、多孔質シート34を用いない方法としてもよい。該方法においても、下型と断熱材材料の間に多孔質シートを介在させた状態でプレス成形を行うため、割れや膨れ等の欠陥が生じることを抑制しつつ高い生産性で断熱板を製造できる。
また、成形装置1〜3を用いる成形工程において、多孔質シート32を用いない方法としてもよい。該方法においても、上型と断熱材材料の間に多孔質シートを介在させた状態でプレス成形を行うため、割れや膨れ等の欠陥が生じることを抑制しつつ高い生産性で断熱板を製造できる。
また、トレイ30を用いない方法としてもよい。
成形装置4を用いる場合においても、下型12と断熱材材料の間に多孔質シート32を配置せずにプレス成形する方法としてもよい。
また、成形装置5において、上型10と断熱材材料Mの間に多孔質シート34を設けずにプレス成形する方法としてもよい。
また、本発明の断熱板の製造方法は、成形装置7において、上型40の成形板42と断熱材材料Mとの間および下型50の成形板56と断熱材材料Mとの間のいずれか一方の多孔質シートを設けずにプレス成形する方法としてもよい。
また、上型および下型のいずれか一方もしくは両方が、断熱材材料との間に介在する多孔質シートと接しており、かつ該多孔質シートと接する部分が多孔質体である成形装置を用いる態様とする場合、成形装置は成形装置3には限定されない。
例えば、下型に多数の貫通穴を形成して多孔質体とした成形装置を用い、下型における該貫通穴を形成した型面と接するように多孔質シートを設ける方法としてもよい。
また、上型および下型のいずれか一方または両方における全体、または多孔質シートと接する側を部分的に、多孔質セラミックスからなる多孔質体とした成形装置を用いてもよい。多孔質セラミックスの材質としては、アルミナ、炭化ケイ素等が挙げられる。
また、本発明の断熱板の製造方法は、例えばバインダ液を用いない場合等は、熱処理工程を有さない方法であってもよい。
[真空断熱材の製造方法]
本発明の真空断熱材の製造方法は、本発明の断熱板の製造方法により断熱板を得る工程と、得られた断熱板を外袋内に減圧封入する工程を有する方法である。本発明の真空断熱材の製造方法は、本発明の断熱板の製造方法により得られた断熱板を利用する以外は、公知の方法を採用できる。
断熱板を得る工程は前記したとおりである。
真空断熱材を得る工程では、例えば、断熱板を外袋内に収納し、減圧条件下において該外袋を密封した後、大気圧条件に戻して、真空断熱材を得る。具体的には、例えば、以下の方法が挙げられる。
2枚のフィルムを重ね合わせて予め3辺がシールしてある外袋内に断熱板を収納し、ヒートシール機能が付いた真空チャンバー内に設置し、該真空チャンバーの内部を減圧する。チャンバー内が所定の圧力に減圧された後に、外袋の開放された残りの1辺をヒートシールして密封し、その後にチャンバー内を大気圧条件に戻す。
なお、断熱板を外袋内に収納した後、外袋内の空気を吸い出して外袋の内部を減圧しつつ、ヒートシール等で外袋を密封することで、断熱板を外袋内に減圧封入する方法を採用してもよい。
(外袋)
外袋は、気密性を有し、断熱板を減圧封入できるものであればよい。外袋としては、例えば、ガスバリアフィルムからなる袋等が挙げられる。ガスバリアフィルムは、真空断熱材に使用される公知のものを制限なく使用できる。
外袋の大きさおよび形状は、特に限定されず、断熱板の大きさおよび形状に合わせて適宜決定すればよい。
真空断熱材における外袋内の真空度は、優れた断熱性能が得られ、また真空断熱材の寿命が長くなる点から、1×10Pa以下が好ましく、1×10Pa以下がより好ましい。
(作用効果)
本発明の真空断熱材の製造方法によれば、本発明の断熱板の製造方法により断熱板を製造し、該断熱板を用いて真空断熱材を製造するため、断熱板に割れや膨れ等の欠陥が生じることを抑制しつつ高い生産性で真空断熱材を製造できる。
なお、本発明の真空断熱材の製造方法では、通気性を有する内袋内に断熱板を収納した状態で外袋内に減圧封入して真空断熱材を得る方法としてもよい。
内袋としては、通気性を有し、芯材を形成する粉体が減圧封入の際に漏れないようにできるものであればよく、例えば、紙材、不織布等からなる袋等が挙げられる。
内袋の大きさおよび形状は、特に限定されず、断熱板の大きさおよび形状に合わせて適宜決定すればよい。
内袋を使用する場合の真空断熱材の製造方法としては、断熱板を内袋内に収納した状態で外袋内に減圧封入する以外は、前記した方法と同様の方法を採用できる。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。例1〜7は実施例であり、8〜11は比較例である。
[断熱板の評価]
(割れの有無)
得られた断熱板を目視で確認し、割れの有無を判定した。
(締りの評価)
得られた断熱板を目視で確認し、断熱板の締りについて以下の基準で評価した。
○(良好):断熱板の表面に膨れが見られない。
×(不良):断熱板の表面に膨れが見られる。
(品質判定)
○:断熱板に割れも膨れも見られない。
△:断熱板に割れが見られないが、断熱板の表面に膨れが見られる。
×:断熱板に割れが見られる。
[例1]
粉体としてヒュームドシリカ(商品名「アエロジル300」、比表面積300m/g、日本アエロジル株式会社製。)90質量部および多孔質シリカの(商品名「M.S.GEL」、AGCエスアイテック株式会社製)10質量部と、無機繊維としてシリカマグネシアカルシア繊維(商品名「スーパーウール」、D30:227μm、D90:902μm、新日本サーマルセラミックス株式会社製)10質量部と、けい酸ソーダ3号(AGCエスアイテック株式会社製)の3.4質量部(固形分換算にて1.3質量部)をイオン交換水25.0質量部で希釈したバインダ液とをブレンダによって混合して断熱材材料を得た。
図1に例示した成形装置1の下型12の凹部12cの底にトレイ30(アルミニウム製トレイ)を設置し、その上に多孔質シート32としてガラスクロス#470(モリマーエスエスピー社製)を設置し、得られた断熱材材料を884g投入した。次いで、断熱材材料上に多孔質シート34としてガラスクロス#470(モリマーエスエスピー社製)を配置し、上型10を下降させ、圧力45t、プレス時間10分の条件で、密度が0.22g/cm、サイズ縦500mm×横500mm×厚さ13mmとなるように断熱材材料をプレス成形して板状の断熱板を得た。
[例2]
プレス時間を5分に変更した以外は例1と同様にして断熱板を作製した。
[例3]
成形装置として、図5に例示したような、型面10aに格子状の溝20(ピッチ:20mm、深さ:1.5〜2mm、幅:2mm、溝深さ/溝幅=0.75〜1)が形成された上型10Aを備える成形装置2を用い、下型12の凹部12cの底に設置したトレイ30上に多孔質シート32を設けずに、成形条件を表1に示すように変更した以外は、例1と同様にして断熱板を作製した。
[例4]
成形装置として、図7に例示したような、格子状の溝20(ピッチ:20mm、深さ:0.5mm、幅:3mm、溝深さ/溝幅=0.17)が形成された溝切板10dが上型本体10cの下型12側の表面に設けられた上型10Cを備える成形装置4を用い、成形条件を表1に示すように変更した以外は、例1と同様にして断熱板を作製した。
[例5]
例3と同じ成形装置を用い、多孔質シート32、34としてガラスクロス#470の代わりに金属メッシュ(縦30mesh×横150mesh、株式会社バンテック社製)を用い、成形条件を表1に示すように変更した以外は、例1と同様にして断熱板を作製した。
[例6]
例4と同じ成形装置を用い、多孔質シート32、34としてガラスクロス#470の代わりに金属メッシュ(縦30mesh×横150mesh、株式会社バンテック社製)を用い、成形条件を表1に示すように変更した以外は、例1と同様にして断熱板を作製した。
[例7]
成形装置として、図6に例示したような、型面10aから型面10bまで貫通する複数の貫通穴22(ピッチ:20mm、穴径(直径):1mm)が形成された上型10Bを備える成形装置3を用い、下型12の凹部12cの底に設置したトレイ30上に多孔質シート32を設けずに、成形条件を表1に示すように変更した以外は、例1と同様にして断熱板を作製した。
[例8〜11]
多孔質シート32、34を用いず、成形条件を表1に示すように変更した以外は、例1と同様にして断熱板を作製した。
各例の成形条件および評価結果を表1に示す。
Figure 2016033419
表1に示すように、上型と断熱材材料の間および下型と断熱材材料の間のいずれか一方もしくは両方に、断熱材材料と接するように多孔質シートを介在させてプレス成形を行った例1〜7では、短時間で割れや膨れのない良好な品質の断熱板が得られた。特に上型における多孔質シートに接する型面に溝を設けた例3〜6では、極めて短時間で良好な品質の断熱板が得られた。
一方、多孔質シートを用いなかった例8、9では、割れや膨れのない良好な品質の断熱板が得られたものの、プレス時間が長く、生産性が劣っていた。
多孔質シートを用いずにプレス時間を20分にした例10では、得られた断熱板に膨れが見られた。
多孔質シートを用いずにプレス時間を15分にした例11では、得られた断熱板に割れが見られた。
本発明の製造方法で製造される断熱板および真空断熱材は、省エネルギー化が求められる、保温や保冷、断熱が必要な箇所に適用できる。具体的には、例えば住宅およびビルの壁・屋根・床・配管、太陽光・熱設備等の住設分野;恒温槽、湯沸かし器、温水タンク、炊飯器、冷蔵庫、冷凍庫、保冷庫・保冷タンク、自動販売機、クーラーボックス、保冷カバー、防寒服等の保温・保冷分野;ノートパソコン、液晶プロジェクター、コピー機、バッテリー、燃料電池等の電気・電子機器、半導体製造装置等の産業機器分野;自動車、バス、トラック、保冷車、列車、貨物車、船舶等の移動体分野;プラントの配管等に適用が可能である。
1〜6 成形装置
10、10A〜10C、40 上型
12、12A、50 下型
32、34、62、64 多孔質シート
16 クリアランス
18 隙間
20、24 溝
22 貫通穴
42、56 成形板

Claims (10)

  1. 粉体を含む断熱材材料を、上型および下型を備える成形装置により板状にプレス成形する成形工程を有する断熱板の製造方法であって、
    前記上型と前記断熱材材料の間および前記下型と前記断熱材材料の間のいずれか一方もしくは両方に、前記断熱材材料と接するように多孔質シートを介在させた状態でプレス成形を行う、断熱板の製造方法。
  2. 前記上型および前記下型のいずれか一方もしくは両方が、前記断熱材材料との間に介在する前記多孔質シートと接しており、かつ前記多孔質シートと接する型面に溝が形成されている、請求項1に記載の断熱板の製造方法。
  3. 前記多孔質シートと接する型面に形成されている溝の深さと幅の比(溝深さ/溝幅)が0.1以上である、請求項2に記載の断熱板の製造方法。
  4. 前記上型および前記下型のいずれか一方もしくは両方が、前記断熱材材料との間に介在する前記多孔質シートと接しており、かつ少なくとも前記多孔質シートと接する部分が多孔質体である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の断熱板の製造方法。
  5. 前記上型および前記下型のいずれか一方もしくは両方が、前記断熱材材料との間に介在する前記多孔質シートと接しており、かつ前記成形工程で板状にプレス成形される断熱材材料の厚み方向に多数の貫通穴が形成されている、請求項4に記載の断熱板の製造方法。
  6. 前記断熱材材料がさらにバインダを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の断熱板の製造方法。
  7. 前記断熱材材料がさらに繊維を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の断熱板の製造方法。
  8. 密度が0.15〜0.35g/cmの断熱板を得る、請求項1〜7のいずれか一項に記載の断熱板の製造方法。
  9. 前記断熱板が真空断熱材の芯材である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の断熱板の製造方法。
  10. 請求項9に記載の断熱板の製造方法により断熱板を得る工程と、得られた断熱板を外袋内に減圧封入する工程とを有する、真空断熱材の製造方法。
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