JP2016033028A - 円筒形飲料用紙容器およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】蓋部材と胴部材の熱溶着において熱可塑性樹脂の溶融もしくは飛散による外観不良を起こすことがなく、またレトルト殺菌工程においても紙容器部材への熱水の浸水を起こすことのない、円筒形飲料用紙容器およびその製造方法を提供しようとするものである。【解決手段】紙を基材として容器外側になる面および容器内側になる面の両方の面が熱可塑性樹脂層からなる積層体で構成される、矩形の胴部材と円形の蓋部材とが、円筒形に丸められ熱溶着された円筒形胴部材の片方または両方の端部の積層体断面を蓋部材の外周部が包み込んで覆う形で成型され、蓋部材と円筒形胴部材とが熱溶着されていることを特徴とする円筒形飲料用紙容器である。【選択図】図1
Description
本発明は、食品や飲料の長期保存を目的としたレトルト殺菌処理可能な円筒形飲料用紙容器およびその製造方法に関する。
果汁飲料、野菜ジュース、お茶、コーヒーなどの液体飲料に対して紙容器は広く用いられている。飲料用紙容器の形状は円筒状のほか、三角錐、直方体、など紙を素材として形成できるさまざまな形状のものが商品化され販売されている。
飲料用紙容器は、印刷などの手法によってその表面に商品や会社のロゴなどのほか、内容物のイメージを写真や絵で表示したり、必要な情報表示を行うことが簡便であるだけでなく、使用後の廃棄物としての燃焼性や包装材料としての価格面でも優位性があり、現代の生活において不可欠な存在となっている。
実際に用いられている飲料用紙容器は、紙を基材とするが紙自体は耐水性が十分とはいえず、酸素や水蒸気に対してもガスバリア性はないため、プラスチック材料や耐水性、ガスバリア性を持った材料を複合、積層して用いられる。
また紙容器を立体に組み立てる際には、熱溶着などをするために、シーラントと呼ばれる熱溶着層が必要となる。例えば容器外側から熱可塑性樹脂、紙、熱可塑性樹脂、バリア材、熱可塑性樹脂、という構成を持つ積層体が用いられる例がある。
飲料用紙容器という観点からは、紙容器は単に入れ物である容器という機能に加えて、保存性が問題になることが多い。最近では飲料用紙容器を用いた商品が多様化しており、特にスープ類や汁粉飲料などの用途においても常温での保存性が要求されることもあり、そのためにはレトルト殺菌と容器のガスバリア性が必要とされる。
レトルト殺菌は、一般に加圧下で100℃を超えて湿熱殺菌を行うこととされ、例えば120℃で30分から60分という条件で行うこともある。それよりも低温であれば必要な時間は長くなり、高温であれば短時間での処理が可能になる。この処理によって、内容物の香りや味わいを大きく損なうことなく、常温での長期保存が可能になる。
レトルト殺菌の装置はバッチ式と連続式に大別され、バッチ式が多く用いられる。バッチ式も加熱蒸気を利用するタイプや加圧過熱水を利用する熱水式がある。連続式には、熱水シャワー式が普及しており、熱水式+シャワー式の複合型も増えつつある。
円筒形飲料用紙容器は円筒形に丸められた胴部材と、2枚の王冠状に成型された蓋部材によって構成される。2枚の蓋部材は胴部材に熱溶着されることにより円筒状飲料用紙容器の窪んだ天面、底面を形成する。蓋部材と胴部材の溶着は、王冠状に成型された蓋部材の外周部と内側に折り返した胴部材を加熱、加圧して行われる。
胴部材は胴部熱溶着部で熱溶着され円筒形を形作っており、その両端に蓋部材がそれぞれ熱溶着されている。上部の蓋は開口部を備え、密閉状態においてはシールなどでふさがれている。開封時にはストローをさしたり、シールをはがして開口部を露出して内容物を注ぎだしたり、開口部に直接口をつけて内容物の飲料を飲むこともできる。
円筒形液体用紙容器は内容物を充填してのち、例えば熱水シャワー式レトルト殺菌を行
う場合には、円筒形飲料用紙容器の天面は蓋部材が窪んだ状態となっているために、熱水が溜まることが避けられない。
う場合には、円筒形飲料用紙容器の天面は蓋部材が窪んだ状態となっているために、熱水が溜まることが避けられない。
溜まった熱水は、蓋部の窪みに円筒形に丸められた胴部材の断面が露出している場合には、レトルト殺菌の工程中にその断面から浸水する恐れがある。熱水が浸水した場合には紙基材の膨潤や変色などの外観不良となるばかりでなく胴部材のラミネート強度や、熱溶着強度に影響を及ぼす恐れもある。
また、2枚の蓋部材と胴部材の熱溶着方法は、各々または片方の熱溶着箇所に熱風を吹きかけ熱可塑性樹脂を軟化、溶融させ、そこにもう一方の被溶着物をすばやく挿入、加圧する熱風加熱方式や、バリア材としてアルミニウム箔を用いている場合には誘導加熱方式によって熱溶着する方法が知られている。しかしながら、熱風加熱方式は溶けた熱可塑性樹脂が飛散し、異物不良あるいは外観不良となる場合がある。
本発明はかかる状況に鑑み、蓋部材と胴部材の熱溶着において熱可塑性樹脂の溶融もしくは飛散による異物不良あるいは外観不良を起こすことがなく、またレトルト殺菌工程においても紙容器部材への熱水の浸水を起こすことのない、円筒形飲料用紙容器およびその製造方法を提供しようとするものである。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、紙を基材として容器外側になる面および容器内側になる面の両方の面が熱可塑性樹脂層からなる積層体で構成される矩形の胴部材と円形の蓋部材とが、円筒形に丸められ熱溶着された円筒形胴部材の片方または両方の端部の積層体断面を蓋部材の外周部が包み込んで覆う形で成型され、蓋部材と円筒形胴部材とが熱溶着されていることを特徴とする円筒形飲料用紙容器である。
また、請求項2に記載の発明は、前記蓋部材の容器外側になる面の熱可塑性樹脂層が、容器内側になる面の熱可塑性樹脂層より融点が高いことを特徴とする請求項1に記載の円筒形飲料用紙容器である。
また、請求項3に記載の発明は、前記胴部材の容器外側になる面および容器内側になる面の両方の面における熱可塑性樹脂層が、ポリプロピレン樹脂からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の円筒形飲料用紙容器である。
また請求項4に記載の発明は、前記蓋部材の容器外側になる面の熱可塑性樹脂層が、ポリエチレンテレフタレート樹脂からなり、前記蓋部材の容器内側になる面の熱可塑性樹脂層が、ポリプロピレン樹脂からなることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の円筒形飲料用紙容器である。
また、請求項5に記載の発明は、紙を基材として容器外側になる面及び容器内側になる面の両方の面が熱可塑性樹脂からなる積層体を用いて構成される矩形の胴部材と円形の蓋部材を用いて、矩形の胴部材の一方の端部を他方の端部と重ね合わせ熱溶着して円筒形胴部材を作り、蓋部材は外周を折り返し王冠状に成型して、円筒形胴部材の片方または両方の端部の開口部に挿入し、さらに蓋部材の外周を円筒形胴部材の外側に折り返して、円筒形胴部材の片方または両方の端部で露出している積層体断面を蓋部材の外周部が包み込んで覆う形に成型し、さらに折り返し部を加熱、加圧して蓋部材と円筒形胴部材とを熱溶着させることを特徴とする円筒形飲料用紙容器の製造方法である。
本発明によれば、蓋部材と胴部材の熱溶着において熱可塑性樹脂の溶融もしくは飛散による異物不良あるいは外観不良を起こすことがなく、またレトルト殺菌工程においても紙容器部材への熱水の浸水を起こすことのない、円筒形飲料用紙容器およびその製造方法を提供することが可能になる。
円筒形飲料用紙容器に用いる積層体は、紙を基材として容器外側になる面および容器内側になる面の両方の面が熱可塑性樹脂層からなる積層体で構成されていることが必要である。
円筒形飲料用紙容器を構成する部材は、積層体を用いた矩形の胴部材と2枚の円形の蓋部材が必要である。矩形の胴部材の一方の端部を他方の端部と重ね合わせ熱溶着して円筒形胴部材を作り円筒形胴部材の両端を2枚の蓋部材でそれぞれ覆って熱溶着し容器の天面、底面を形成する。
胴部材円筒状に加工するためには胴部材の一方の端部と他方の端部を重ね合わせて熱溶着を行うが、このとき胴部材の表面と裏面が接触してそれぞれの面に設けてある熱可塑性樹脂が熱溶着されシーラントとして機能する。また、蓋材と胴部材との溶着においても、蓋材と胴部材が接触する面のそれぞれの表面に熱可塑性樹脂があることでシーラントとして機能する。
図1は、円筒形飲料用紙容器の斜視図である。胴部材(1)は円筒形に丸められ、胴部熱溶着部(3)で熱溶着されている。両端部には蓋部材(2)が熱溶着されて円筒形飲料用紙容器(10)の天面および底面を形成し、天面には内容物を充填あるいは取り出すための開口部(4)が設けられている。開口部は充填後シールされ、内容物を取り出す際に開封される。
図2(a)は円筒形飲料用紙容器の既存形状の蓋部の部分断面模式図である。既存形状において存在する胴部材端部断面露出部(6)は、図2(b)に示す本発明による新規形状では、王冠状に成型された蓋部材(2)が外側に折り返され、胴部材の端部の積層体断面を蓋部材の外周部が包み込んで覆う形で成型され、蓋部材と胴部材とが熱溶着され蓋部熱溶着部(5)となる。
このため本発明による新規形状では、レトルト殺菌工程において熱水が溜まる場合においても蓋部分の窪みに胴部材端部断面露出部(6)がないため浸水の恐れがない。
レトルト殺菌工程において、熱水が溜まる恐れがあるのは天面の窪みであるから、本発明による新規形状の蓋部の成型、熱溶着は少なくとも天面に施す必要があり、底面は既存形状のままでもかまわない。ただしレトルト殺菌工程で容器の天地が一定でないあるいは反転することがある場合には、胴部材の両方の端部において本発明による新規形状を採用する必要がある。
図3は本発明に係る胴部材および蓋部材の材料構成の例を示す部分断面模式図である。まず胴部材については、紙基材(22)、に熱可塑性樹脂であるポリプロピレン(23)が積層されている。紙基材は坪量が200g〜500g/m2の範囲、密度0.6〜1.1g/cm3の範囲の板紙を使用することができ、ミルク原紙、カード紙などを使用することができる。
熱可塑性樹脂からなるポリプロピレン(21)は容器外側になる面に配置され、熱溶着のシーラントとなる。ポリプロピレン(21)は押し出し機による方法で形成してもフィルムを用いて貼り合せるのでもかまわない。フィルムを用いる場合には紙基材と接着層を介して貼り合せられ、接着剤は特に限定するものではないが、2液硬化型のウレタン接着剤が耐熱性や接着強度の点で好ましい。
円筒形飲料用紙容器に印刷を施す場合には、ポリプロピレン(21)の容器外側の面に設けてもよく、その反対側の面にあらかじめ印刷を施しておくのでもよい。あるいは紙基材の容器外側に向いた面に印刷したものを用いてもかまわない。
紙基材の反対側(容器内側に向いた面)にはポリプロピレン(23)が配置されており、これはフィルムを貼り合せて設けられ、積層体全体の剛性や強度を保つために配置される。貼りあわせに用いる接着剤は特に限定するものではないが、2液硬化型ウレタン接着剤が耐熱性や接着強度の点で好ましい。
バリア層(24)は、酸素や水蒸気を対象としたガスバリア性を目的として設けられ、アルミニウム箔などの金属箔のほか、無機酸化物蒸着層を有するポリエチレンテレフタレートフィルムや、延伸ポリプロピレンフィルムなどが使用できる。フィルムの厚みは6μm〜25μmの範囲が好ましい。このバリア層を設けることによって、レトルト殺菌後内容物の常温での長期保存が可能になる。
無機酸化物としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、カルシウム、カリウム、錫、ナトリウム、ホウ素、チタン、鉛、ジルコニウム、イットリウムなどの金属の酸化物を使用することができる。中でも生産性、価格の面からは酸化ケイ素、酸化マグネシウムが好ましい。無機酸化物蒸着面の向きは容器外側、容器内側どちらでもかまわない。
バリア層と他の層との貼り合せに際しては、接着剤は特に限定するものではないが2液硬化型のウレタン接着剤が、耐熱性や接着強度の点で好ましい。
熱可塑性樹脂からなるポリプロピレン(25)は容器内側となる面に配置され、熱溶着のシーラントとなる。ポリプロピレン(25)は押し出し機による方法で形成してもフィルムを用いて貼り合わせるのでもかまわない。フィルムを用いる場合には紙基材と接着層を介して貼り合せられ、接着剤は特に限定するものではないが、2液硬化型のウレタン接
着剤が耐熱性や接着強度の点で好ましい。
着剤が耐熱性や接着強度の点で好ましい。
図3に示した例では、胴部材においては容器外側になる面も容器内側になる面も熱溶着に使われる面であるために、どちらの表面も熱溶着層としてポリプロピレン(21)、ポリプロピレン(25)が使われている。
一方蓋部材においては容器外側となる面はシール金型が接触するものの、溶融して熱溶着される面ではないので、容器内側になる面の熱可塑性樹脂であるポリプロピレン(25)に比べて融点が高いポリエチレンテレフタレート(26)を熱可塑性樹脂として用いることができる。
また蓋部材において紙基材(22)とバリア層(24)との間にもポリエチレンテレフタレート(27)を用いることができ、耐熱性を向上させることができる。これらのポリエチレンテレフタレートはフィルムを用いて接着剤を介して積層することができる。接着剤は特に指定するものではないが、例えば2液型のウレタン接着剤であれば、強度や耐熱性の点でより好ましい。
ポリプロピレンに比べて融点の高いポリエチレンテレフタレートを使用することによって、蓋部材と胴部材の熱溶着を妨げることなく、容器外側になる面の熱可塑性樹脂が熱によって溶融、飛散することによる異物不良あるいは外観不良の発生を回避することが可能になる。
図4は本発明に係る円筒形飲料用紙容器の蓋部の折り返し加工の部分断面模式図である。折り返し金型には、円筒形端部外周に沿った形で窪みが設けてあるために折り返し金型を王冠型に成型した蓋部材(2)に押しつけることによって、蓋部材(2)の外周部は再度外側に折り曲げられる。
これによって蓋部材(2)の外周部分によって胴部材(1)の端部断面は蓋部材の外周部で包み込まれた状態となり、さらに蓋部材(2)と胴部材(1)とが熱溶着され蓋部熱溶着部が作られることにより固定され、レトルト殺菌工程の浸水から保護される。
図5は本発明に係る円筒形飲料用紙容器の蓋部の熱溶着加工の部分断面模式図である。周辺部を外側に折り曲げられた蓋部材(2)に、胴部材(1)の端部断面が包み込まれた状態でシール金型による熱溶着が行われ蓋部熱溶着部が作られる。
この熱溶着は、蓋部材の容器外側になる面にシール金型が接触して行われる。したがって容器外側になる面の熱可塑性樹脂の融点を容器内側になる面の熱可塑性樹脂より高くしておくことによって、蓋部材と胴部材の熱溶着を妨げることなく、容器外側になる面の熱可塑性樹脂が熱によって溶融、飛散することによる異物不良あるいは外観不良の発生を回避することが可能になる。
円筒形飲料用紙容器の製造方法は、以下の手順による。
まず、胴部材は紙基材に容器外側となる面の熱可塑性樹脂層として例えばポリプロピレン層を形成する。これは押し出し機による方法で形成しても、フィルムを用いて接着剤を介して貼り合せるのでもよい。貼りあわせに用いる接着剤は特に限定するものではないが、2液硬化型ウレタン接着剤が耐熱性や接着強度の点で好ましい。この積層体を積層体Aとする。
まず、胴部材は紙基材に容器外側となる面の熱可塑性樹脂層として例えばポリプロピレン層を形成する。これは押し出し機による方法で形成しても、フィルムを用いて接着剤を介して貼り合せるのでもよい。貼りあわせに用いる接着剤は特に限定するものではないが、2液硬化型ウレタン接着剤が耐熱性や接着強度の点で好ましい。この積層体を積層体Aとする。
バリア層としてはアルミニウム箔などの金属箔を用いることもでき、また無機酸化物の蒸着フィルムを用いることもできる。
無機酸化物としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、カルシウム、カリウム、錫、ナトリウム、ホウ素、チタン、鉛、ジルコニウム、イットリウムなどの金属の酸化物を使用することができる。中でも生産性、価格の面からは酸化ケイ素、酸化マグネシウムが好ましい。無機酸化物蒸着面の向きは容器外側、容器内側どちらでもかまわない。
バリア層の紙基材側には例えばポリプロピレンフィルムを配置し、これは積層体の剛性、強度の向上を目的とする。バリア層の容器内側の面には、シーラント層として例えばポリプロピレン層を設ける。この層は押し出し機で設けることもでき、フィルムを用いて接着剤を介した貼り合わせで設けることもできる。紙基材及びフィルムの貼りあわせには、接着剤を特に指定するものではないが、2液硬化型ウレタン接着剤を用いることが好ましい。この積層体を積層体Bとする。
積層体AとBとを接着剤を介して積層して胴部材用の積層体として、所定の大きさの矩形に打ち抜いて胴部材とする。接着剤は特に限定するものではないが、2液硬化型ウレタン接着剤が耐熱性や接着強度の点で好ましい。
次に蓋部材は紙基材に容器外側となる面の熱可塑性樹脂層として例えばポリエチレンテレフタレート層を用いることができる。これは押し出し機による方法でもよいが、フィルムを用いて接着剤を介して貼り合せることが生産性の点で好ましい。貼りあわせに用いる接着剤は特に限定するものではないが、2液硬化型ウレタン接着剤が耐熱性や接着強度の点で好ましい。この積層体を積層体Cとする。
バリア層としてはアルミニウム箔などの金属箔を用いることもできまた、無機酸化物の蒸着フィルムを用いることもできる。
無機酸化物としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、カルシウム、カリウム、錫、ナトリウム、ホウ素、チタン、鉛、ジルコニウム、イットリウムなどの金属の酸化物を使用することができる。中でも生産性、価格の面からは酸化ケイ素、酸化マグネシウムが好ましい。無機酸化物蒸着面の向きは容器外側、容器内側どちらでもかまわない。
バリア層の紙基材側には例えばポリエステルフィルムを配置することができ、これは積層体の剛性、強度の向上を目的とする。
バリア層の容器内側の面には、シーラント層として例えばポリプロピレン層を設ける。この層は押し出し機で設けることもでき、フィルムを用いて接着剤を介した貼り合わせで設けることもできる。接着剤は特に指定するものではないが、2液硬化型ウレタン接着剤を用いることが好ましい。この積層体を積層体Dとする。
積層体CとDとを接着剤を介して積層して蓋部材用の積層体として、所定の大きさの円形に打ち抜いて蓋部材とする。接着剤は特に限定するものではないが、2液硬化型ウレタン接着剤が耐熱性や接着強度の点で好ましい。
蓋部材は二箇所を本発明による蓋部分とする場合には2枚用意する。一箇所を本発明による蓋部分とする場合には1枚用意して、もう1枚は胴部材と同様の層構成の積層体を打ち抜いて用意する。
このようにして用意した胴部材は矩形の胴部材の一方の端部を他方の端部と重ね合わせ
熱溶着して円筒形胴部材を作る。一方で蓋部材は外周を折り返し王冠状に成型して、円筒形胴部材の片方または両方の端部の開口部に挿入する。
熱溶着して円筒形胴部材を作る。一方で蓋部材は外周を折り返し王冠状に成型して、円筒形胴部材の片方または両方の端部の開口部に挿入する。
さらに蓋部材の外周を円筒形胴部材の外側に折り返して、円筒形胴部材両端で露出している片方または両方の積層体断面を蓋部材の外周部が包み込んで覆う形に成型し、さらに折り返し部を加熱、加圧して蓋部材と円筒形胴部材とを熱溶着させる。
片方の端部だけを本発明による蓋部分の図2(b)に示す新規形状とする場合には、もう片方の胴部材端部は、胴部材と同様の層構成の積層体を用いた蓋部材を用いて、図2(a)に示す既存形状の蓋部の形状に溶着加工してもよい。この場合にはレトルト殺菌工程において本発明による蓋部分が常に上になるようにレトルト殺菌を行う必要がある。
このようにして本発明による円筒形飲料用紙容器を作成することができる。
胴部材の構成は以下のとおりである。(図3に示した胴部材の構成)
容器外側より、ポリプロピレン/紙基材/ポリプロピレン/バリア層/ポリプロピレンの順に配置された積層体である。
容器外側より、ポリプロピレン/紙基材/ポリプロピレン/バリア層/ポリプロピレンの順に配置された積層体である。
蓋部材の構成は以下のとおりである。(図3に示した胴部材の構成)
容器外側より、ポリエチレンテレフタレート/紙基材/ポリエチレンテレフタレート/バリア層/ポリプロピレンの順に配置された積層体である。
胴部材、蓋部材ともにポリプロピレンはいずれもフィルムを用いて2液硬化型のウレタン接着剤で貼りあわせて積層した。
容器外側より、ポリエチレンテレフタレート/紙基材/ポリエチレンテレフタレート/バリア層/ポリプロピレンの順に配置された積層体である。
胴部材、蓋部材ともにポリプロピレンはいずれもフィルムを用いて2液硬化型のウレタン接着剤で貼りあわせて積層した。
2枚の蓋部材はそれぞれ円形の外側を折り返し、胴部材との溶着を行うための折り返しの高さを10mm〜20mmの高さに成型する。円筒状に丸められ熱溶着された胴部材に成型した蓋部材を、折り返し部分を5mm〜10mm残して挿入する。
さらに蓋部材を折り返すための溝を有した折り返し金型によって外側に折り返しを行い、170℃に加熱されたシール金型で折り返し部分を1〜5秒挟んで溶着させ、円筒形飲料用紙容器を作成した。
本発明によって蓋部材と胴部材の熱溶着において熱可塑性樹脂の溶融もしくは飛散による外観不良を起こすことがなく、またレトルト殺菌工程においても紙容器部材への熱水の浸水を起こすことのない、円筒形飲料用紙容器およびその製造方法を提供することが可能になる。
これは蓋部材、および胴部材の材料構成において、耐熱性の高い材料構成であることに加えて、シールバー熱溶着においてはシールバーに直接触れる層と熱溶着のシーラント層の間に融点の差をつけて、熱溶着に支障をきたすことなく熱溶着時の異物不良、外観不良を防止することができるものである。
本発明による蓋部分の形状は、レトルト殺菌工程の熱水シャワーの熱水が蓋部分の窪みに溜まっても、胴部材端部断面が熱水に接触することなく、また蓋部材によって保護されているために、胴部材および蓋部材への浸水がなくレトルト殺菌可能な円筒形飲料用紙容器を実現したものである。
また積層体中にはガスバリア層を有しているために、レトルト殺菌された内容物が常温での長期間保存に耐える円筒形飲料用紙容器である。
1・・・胴部材
2・・・蓋部材
3・・・胴部熱溶着部
4・・・開口部
5・・・蓋部熱溶着部
6・・・胴部材端部断面露出部
10・・・円筒形飲料用紙容器
21・・・ポリプロピレン
22・・・紙基材
23・・・ポリプロピレン
24・・・バリア層
25・・・ポリプロピレン
26・・・ポリエチレンテレフタレート
27・・・ポリエチレンテレフタレート
2・・・蓋部材
3・・・胴部熱溶着部
4・・・開口部
5・・・蓋部熱溶着部
6・・・胴部材端部断面露出部
10・・・円筒形飲料用紙容器
21・・・ポリプロピレン
22・・・紙基材
23・・・ポリプロピレン
24・・・バリア層
25・・・ポリプロピレン
26・・・ポリエチレンテレフタレート
27・・・ポリエチレンテレフタレート
Claims (5)
- 紙を基材として容器外側になる面および容器内側になる面の両方の面が熱可塑性樹脂層からなる積層体で構成される矩形の胴部材と円形の蓋部材とからなり、
胴部材が円筒形に丸められ熱溶着された円筒形胴部材の片方または両方の端部の積層体断面を、蓋部材の外周部が包み込んで覆う形で成型され、
蓋部材と円筒形胴部材とが熱溶着されていることを特徴とする円筒形飲料用紙容器。 - 前記蓋部材の容器外側になる面の熱可塑性樹脂層が、容器内側になる面の熱可塑性樹脂層より融点が高いことを特徴とする請求項1に記載の円筒形飲料用紙容器。
- 前記胴部材の容器外側になる面および容器内側になる面の両方の面における熱可塑性樹脂層が、ポリプロピレン樹脂からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の円筒形飲料用紙容器。
- 前記蓋部材の容器外側になる面の熱可塑性樹脂層が、ポリエチレンテレフタレート樹脂からなり、前記蓋部材の容器内側になる面の熱可塑性樹脂層が、ポリプロピレン樹脂からなることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の円筒形飲料用紙容器。
- 紙を基材として容器外側になる面及び容器内側になる面の両方の面が熱可塑性樹脂からなる積層体を用いて構成される矩形の胴部材と円形の蓋部材を用いて、
矩形の胴部材の一方の端部を他方の端部と重ね合わせ熱溶着して円筒形胴部材を作り、
蓋部材は外周を折り返し王冠状に成型して、円筒形胴部材の片方または両方の端部の開口部に挿入し、
さらに蓋部材の外周を円筒形胴部材の外側に折り返して、円筒形胴部材の片方または両方の端部で露出している積層体断面を蓋部材の外周部が包み込んで覆う形に成型し、
さらに折り返し部を加熱、加圧して蓋部材と円筒形胴部材とを熱溶着させることを特徴とする円筒形飲料用紙容器の製造方法。
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2014
- 2014-07-31 JP JP2014156358A patent/JP2016033028A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019031306A (ja) * | 2017-08-08 | 2019-02-28 | 凸版印刷株式会社 | 自立性包装袋 |
JP7009824B2 (ja) | 2017-08-08 | 2022-02-10 | 凸版印刷株式会社 | 自立性包装袋 |
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