JP2016029480A - ヒータ、及びこれを備えた画像加熱装置 - Google Patents

ヒータ、及びこれを備えた画像加熱装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 電力の消費が抑制されたヒータを提供する。
【解決手段】 ヒータ(600)は、電気接点(641、651、661)を備えた基板(610)と、基板上に並ぶ電極(642、652、662)及び発熱体(620)と、電極(652)と電気接点(651)を接続する配線(650)と、電極(662a)と電気接点(661a)を接続する配線(660a)と、電極(662b)と電気接点(661b)を接続する配線(660b)と、を有し、非発熱部Dにおいて配線(640)の断面積は電極(642b〜642f、652、662)の断面積より大きい。
【選択図】 図4

Description

本発明はシート上の画像を加熱するヒータ、及びこれを備えた画像加熱装置に関する。この画像加熱装置は、例えば、複写機、プリンタ、ファックス、及びこれらの機能を複数備えた複合機等の画像形成装置に用いられる。
従来より、画像形成装置では、シート上にトナーの画像を形成して、これを定着装置(画像加熱装置)により加熱、加圧することでシートに画像を定着させている。このようにして用いる定着装置において、昨今では、可撓性を有する薄肉のベルトの内面にヒータを当接させてベルトに熱を与える方式の定着装置が提案されている(特許文献1)。このような定着装置は構成が低熱容量であるため、定着のための温度の立ち上げを素早く行うことができる。
また、特許文献1には、シートの幅サイズに応じて発熱体(ヒータ)の発熱領域の幅サイズを変更する定着装置の構成が開示されている。図12は、に記載の定着装置の回路図である。この定着装置は、図12に示すように、電極1027(1027a〜1027f)を基板1021の長手方向に並べて備えており、各電極から抵抗発熱層1025(1025a〜1025e)に通電することで抵抗発熱層1025を発熱させている。
また、この定着装置では、各電極が基板上に形成された配線層1029(1029a、1029b)に接続されている。詳細には、電極1027bと電極1027dに接続された配線層1029bは基板の長手方向一端へと延びている。電極1027cと電極1027eに接続された配線層1029aは基板の長手方向他端へと延びている。また、基板の長手方向の一端において、電極1027aと配線層1029bはそれぞれ配線部材に接続可能となっている。基板の長手方向の他端において、電極1027fと配線層1029aはそれぞれ配線部材に接続可能となっている。詳細には、基板の長手方向両端部では、各配線を保護する為の絶縁層が設けられておらず、配線層1029a、1029b及び電極1027a、1027fが露出した状態となっている。そのため、配線層1029a、1029b及び電極1027a、1027fの露出した部位に配線部材が接触することで、発熱体1006は電源供給回路に接続される。電源供給回路は、交流電源とスイッチ1033(1033a、1033b、1033c、1033d)を備えており、スイッチ1033のオン・オフの組み合わせによって各配線の接続パターンを変化させる。つまり、配線層1029a、1029bはそれぞれ、電源供給回路内の接続パターンに応じて電源端子1031a側か電源端子1031b側のいずれかに接続される。このような構成により、特許文献1に記載の定着装置は、シートの幅サイズに応じて抵抗発熱層1025の発熱領域の幅サイズを変化させている。つまり、この定着装置は、シートが通過しない領域における発熱体の発熱が抑制されているため定着に不要な発熱が少なく、エネルギー(電力)効率に優れた構成となっている。
特開2012−37613号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発熱体1006は、電力効率の点において更なる改善の余地がある。なぜならば、特許文献1に記載されているように基板上に配線層を有する発熱体1006は、発熱層1025に供給するための電力の一部を配線層1029においてジュール熱として消費してしまうからである。ここで、配線層1029bは、配線部材と接続するために、発熱層1025aよりも基板の長手方向の外側に延びている。発熱体1006のうち発熱層1025aよりも基板の長手方向の外側は定着処理に用いられる領域ではないため、この領域において配線層1029bの発熱は定着処理に寄与しない。そのため、配線層1029bは、電力の浪費を招いていた。
そのため、発熱層よりも長手方向の外側において配線層の電力消費を抑えることのできる発熱体が望まれる。
本発明の目的は、電力の消費が抑制されたヒータを提供することである。
本発明の目的は、電力の消費が抑制された画像加熱装置を提供することである。
本発明は、一方の端子と他方の端子を備えた給電部と、シート上の画像を加熱するエンドレス状のベルトと、を有する定着装置に用いられ前記ベルトに当接してこれを加熱するヒータにおいて、基板と、前記基板上に設けられ前記一方の端子に電気的に接続可能な第1の電気接点と、前記基板上に設けられ前記他方の端子に電気的に接続可能な複数の第2の電気接点と、前記第1の電気接点に電気的に接続されており前記基板上において前記基板の長手方向に沿って延びる配線部と、前記配線部を介して前記第1の電気接点に電気的に接続された第1の電極部と、前記第2の電気接点に電気的に接続された第2の電極部とを備える複数の電極部あって前記第1の電極部と前記第2の電極部が前記基板の長手方向に所定の間隔をあけて交互に並べて設けられた複数の電極部と、前記複数の電極部のうちの隣合う発熱部の間に設けられ隣合う発熱部を電気的に接続する複数の発熱部であって、隣合う発熱部からの給電により発熱する複数の発熱部と、を有し、前記複数の発熱部よりも前記長手方向の前記第1の電気接点側における前記配線の断面積は、前記複数の電極部のうち前記複数の発熱部の間に位置する電極部の断面積よりも広いことを特徴とするものである。
本発明によれば電力の消費が抑制されたヒータを提供できる。
実施例1における画像形成装置の断面図である。 実施例1における画像加熱装置の断面図である。 実施例1における画像加熱装置の正面図である。 実施例1におけるヒータの構成図である。 実施例1における画像加熱装置の構成関係を説明する説明図である。 (a)は、ヒータ600に用いる発熱方式を説明する説明図であり、(b)は、ヒータ600に用いる発熱領域の切り替え方式を説明する説明図である。 電極部での温度低下を説明するための図である。 コネクタについて説明する説明図である。 コンタクト端子について説明する説明図である。 実施例2における画像加熱装置の構成関係を説明する説明図である。 実施例1の変形例におけるヒータの構成図である。 従来例のヒータの回路図である。
以下、本発明に係る実施の形態について、実施例を挙げて詳細に説明する。なお、以下の実施例では、画像形成装置について、電子写真プロセスを利用したレーザービームプリンタを例に説明する。以降の説明において、このレーザービームプリンタをプリンタ1と呼ぶ。
[画像形成部]
図1は、本実施例の画像形成装置であるプリンタ1の断面図である。プリンタ1は、画像形成部10において感光ドラム11に形成したトナー画像をシートPに転写して、定着装置40でシートPに画像を定着させて、シートPに画像を形成する画像形成装置である。以下、図1を用いてその構成を詳細に説明する。
図1に示すように、プリンタ1は、Y(イエロ)、M(マゼンタ)、C(シアン)、Bk(ブラック)の各色のトナー画像を形成する画像形成部(画像形成ステーション)10を備えている。画像形成部10は図1の左側から順にY、M、C、Bkの各色に対応した4つの感光ドラム11(11Y、11M、11C、11Bk)を備えている。また、各感光ドラム11の周囲には同様の構成として以下が配置されている。帯電器12(12Y、12M、12C、12Bk)。露光装置13(13Y、13M、13C、13Bk)。現像装置14(14Y、14M、14C、14Bk)。一次転写ブレード17(17Y、17M、17C、17Bk)。クリーナ15(15Y、15M、15C、15Bk)。以後、Bk色のトナー画像を形成する構成について代表して説明し、他色に対応した構成については同一の記号を用いて記載してその説明を省略する。したがって、特に区別のない場合には上述した構成を次のように表記する。つまり、単に感光ドラム11、帯電器12、露光装置13、現像装置14、一次転写ブレード17、クリーナ15と称する。
電子写真感光体としての感光ドラム11は駆動源(不図示)によって矢印方向(図1中の反時計回り方向)に回転駆動する。感光ドラム11の周囲には、その回転方向に沿って順に、帯電器12、露光装置13、現像装置14、一次転写ブレード17、クリーナ15が配置されている。
感光ドラム11は、帯電器12によってその表面をあらかじめ帯電される。その後、感光ドラム11は、画像情報に応じてレーザ光を照射する露光装置13によって露光され、静電潜像を形成される。この静電潜像は、現像装置14によってBk色のトナー画像になる。このとき他の色についても同様の工程がおこなわれる。そして、各感光ドラム11上のトナー画像は、一次転写ブレード17によって、中間転写ベルト31に順次一次転写される。一次転写後、感光ドラム11に転写されず残ったトナーは、クリーナ15によって除去される。こうして、感光ドラム11の表面は清浄になり、次の画像形成が可能な状態となる。
一方、給送カセット20又はマルチ給送トレイ25に置かれたシートPは、給送機構(不図示)によって1枚ずつ送り出されてレジストローラ対23に送り込まれる。シートPとは、その表面に画像が形成される部材である。シートPの具体例として、普通紙、厚紙、樹脂製のシート状部材、オーバーヘッドプロジェクター用フィルムなどがある。レジストローラ対23は、シートPを一旦止めて、シートPが搬送方向に対して斜行している場合はその向きを真っ直ぐに直す。そして、レジストローラ対23は、中間転写ベルト31上のトナー画像と同期を取って、シートPを中間転写ベルト31と二次転写ローラ35との間に送り込む。ローラ35は、ベルト31上のカラーのトナー画像をシートPに転写する。その後、シートPは定着装置(画像加熱装置)40に向かって送り込まれる。そして、定着装置40は、シートP上のトナー画像Tを加熱、加圧してシートPに定着する。
[定着装置]
次に、プリンタ1に用いられる画像加熱装置である定着装置40について説明する。図2は、定着装置40の断面図である。図3は、定着装置40の正面図である。図4は、ヒータ600の構成図である。図5は、定着装置40の構成関係を説明する説明図である。
定着装置40は、ヒータユニット60(以後、ユニット60と呼ぶ)によってシート上の画像を加熱する画像加熱装置である。ユニット60は、可撓性の薄肉の定着ベルト603を、ベルト603の内面に当接するヒータ600によって加熱する低熱容量な構成となっている。そのため、ベルト603を効率よく加熱することができ、定着開始時の立ち上げ性能に優れている。図2に示すように、ベルト603がヒータ600と加圧ローラ70(以後、ローラ70と呼ぶ)に挟持されるとニップ部Nが形成される。そして、ベルト603は矢印方向(時計回り、図2)に、ローラ70は矢印方向(反時計回り、図2)に回転して、ニップ部Nに給送されたシートPを挟持して搬送する。このとき、ヒータ600の熱がベルト603を介してシートPに付与されるため、シートP上のトナー画像Tはニップ部Nにて加熱・加圧されてシートPに定着される。定着ニップ部Nを通過したシートPはベルト603から分離され排出される。本実施例では、上述のようにして定着処理が行われる。以下、定着装置40の構成について図面を用いて詳細に説明する。
ユニット60は、シートP上の画像を加熱・加圧する為のユニットである。ユニット60は、その長手方向がローラ70の長手方向と平行となるように設けられている。ユニット60は、ヒータ600と、ヒータホルダ601と、支持ステー602と、ベルト603を備えている。
ヒータ600は、ベルト603の内面に摺動可能に当接してベルト603を加熱する加熱部材である。また、ヒータ600は、ニップ部Nの幅が所望の幅となるように、ベルト603をその内面側からローラ70に向けて押圧する。ヒータ600の形状は、幅(図4の上下方向長さ)5〜20[mm]、ベルト603の幅方向に沿う長手方向長さ(図4の左右方向長さ)350〜400[mm]、厚み0.5〜2[mm]の板状の部材である。ヒータ600はシートPの搬送方向に直交する方向(シートPの幅方向)を長手とする基板610と、抵抗発熱体620(以後、発熱体620と呼ぶ)を備えている。
ヒータ600は、ベルト603の内側にいてヒータホルダ601の下面にヒータホルダ601の長手方向に沿って固定されている。なお、本実施例では、基板610の裏面側(ベルト603と摺動しない面側)に発熱体620を設けているが、これを基板610の表面側(ベルト603と摺動する面側)に設けてもよい。しかしながら、ヒータ600は、ベルト603に与える熱にムラが生じないように、基板610の均熱効果が得られる基板610の裏面側に発熱体620を設ける構成が望ましい。ヒータ600の詳細は後述する。
ベルト603は、シート上の画像をニップ部Nにて加熱する円筒状(エンドレス状)のベルト(フィルム)である。ベルト603としては、例えば、基材603a上に弾性層603bを設け、弾性層603b上に離型層603cを設けたものが用いられる。基材603aとしては、ステンレスやニッケル等の金属材料や、ポリイミド等の耐熱樹脂などが用いられる。弾性層603bとしては、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の弾性及び耐熱性を有する材料を用いることができる。離型層603cとしては、フッ素樹脂やシリコーン樹脂を用いることが出来る。
本実施例のベルト603は、外径φ30[mm]、長手方向(幅方向、図2中の奥手前方向)の長さは330[mm]、厚み30[μm]の円筒状のニッケル部材を基材603aとして用いている。そして、この基材603a上に厚み400[μm]のシリコーンゴムの弾性層603bを形成し、さらに、厚み20[μm]のフッ素樹脂チューブ(離型層603c)を弾性層603b上に被覆している。
なお、ベルト603との接触面側の基板610には摺動層603dとして、厚さ10[μm]のポリイミド層を設けてもよい。ポリイミド層を設けた場合、定着ベルト603とヒータ600の間の摺擦抵抗を低減してベルト603内面の磨耗を抑制することができる。さらに摺動性を高める場合は、ベルト内面にグリス等の潤滑剤を塗布するとよい。
ヒータホルダ601(以後、ホルダ601と呼ぶ)は、ヒータ600をベルト603の内面に向かって押圧した状態で保持する部材である。また、ホルダ601は、横断面(図2の面)が半円弧形状であり、ベルト603の回転軌道を規制する機能を備えている。ホルダ601には、耐熱性の樹脂等が用いられる。本例では、デュポン社のゼナイト7755(商品名)を使用した。
支持ステー602は、ホルダ601を介してヒータ600を支持する。支持ステー602は高い圧力を掛けられても撓みにくい材質であることが望ましく、本実施例においてはSUS304(ステンレス鋼)を使用した。
図3に示すように、支持ステー602は、その長手方向の両端部において、左右のフランジ411a、411bに支持されている。フランジ411a、411bを総称してフランジ411と呼ぶ。フランジ411は、ベルト603の長手方向の移動、および周方向の形状を規制している。フランジ411には耐熱性の樹脂等が用いられる。本実施例ではPPS(ポリフェニレンサルファイド)を使用した。
フランジ411aと加圧アーム414aとの間には加圧バネ415aが縮められた状態で設けられている。フランジ411bと加圧アーム414bとの間にも加圧バネ415bが縮められた状態で設けられている。以後、加圧バネ415a、415bを総称して加圧バネ415と呼ぶ。このような構成により、フランジ411、支持ステー602を介して、加圧バネ415の弾性力がヒータ600に伝わる。そして、ベルト603がローラ70の上面に対して所定の押圧力で加圧され、所定幅のニップ部Nが形成される。本実施例に於ける加圧力は一端側が156.8N(16kgf)、総加圧力が313.6N(32kgf)である。
図3に示すように、コネクタ700は、ヒータ600に給電を行うためにヒータ600と電気的に接続する給電部である。コネクタ700は、ヒータ600の長手方向一端側に着脱可能に取り付けられる。コネクタ700はヒータ600に対して簡便に着脱可能に設けられているため、定着装置40の組立や、ベルト603やヒータ600が破損した際の交換を容易に行うことができ、メンテナンス性に優れている。コネクタ700の詳細は後述する。
図2に示すように、ローラ70は、ベルト603の外面に当接することでベルト603と協働してニップ部Nを形成するニップ形成部材である。ローラ70には、金属製の芯金71上に弾性層72が、弾性層72上に離型層73が順に積層した多層構造となっている。芯金71の材料の例としてはSUS(ステンレス鋼)、SUM(硫黄及び硫黄複合快削鋼鋼材)、Al(アルミニウム)等が挙げられる。弾性層72の材料の例としては弾性ソリッドゴム層、弾性スポンジゴム層、あるいは弾性気泡ゴム層が挙げられる。離型層73の材料の例としてはフッ素樹脂材料が挙げられる。
本実施例のローラ70は、鉄製の芯金71と、芯金71上の発泡シリコーンゴムの弾性層72と、弾性層72上のフッ素樹脂チューブの離型層73とを備えた構成となっている。また、ローラ70の弾性層72及び離型層73を有する部分の寸法は、外径φ25[mm]、長さ330[mm]である。
サーミスタ630は、ヒータ600の裏面側(摺動面とは反対側)に設置された温度センサである。サーミスタ630は、発熱体620とは絶縁された状態でヒータ600に接着されている。サーミスタ630は、ヒータ600の温度を検知する機能を担っている。図5に示すように、サーミスタ630は、A/Dコンバータ(不図示)を介して制御回路100に接続しており、検知した温度に応じた出力を制御回路100に送信する。
制御回路100は、各種制御に伴う演算を行うCPUと、各種プログラムを記憶したROM等の不揮発媒体を備えた回路である。このROMにはプログラムが記憶されており、CPUがこれを読みだして実行することで、各種制御を実行する。なお、制御回路100としては、同様の機能を果たせばASIC等の集積回路などでもよい。
図5に示すように、制御回路100は、電源110の通電内容を制御するように電源110と電気的に接続されている。また、制御回路100は、サーミスタ630の出力を取得するようにサーミスタ630に電気的に接続されている。
制御回路100はサーミスタ630から取得した温度情報を電源110の通電制御に反映させている。つまり、制御回路100は、サーミスタ630の出力をもとに、電源110を介してヒータ600へ供給する電力を制御している。本実施例では、制御回路100が電源110の出力の波数制御を行うことで、ヒータ600の発熱量を調整する。このような制御をおこなうことで、ヒータ600は定着を行う所定の温度(例えば、180℃)で一定に維持される。
図3に示すように、ローラ70の芯金71は、側板41の奥側と手前側の軸受け41a、41bを介して回転可能に保持されている。また、芯金71の軸線方向の一方側の端部にはギアGが設けられており、モータMの駆動力をローラ70の芯金71に伝達する。図2に示すように、モータMからの駆動力が伝達されたローラ70は矢印方向(時計回り)に回転駆動する。そして、ニップ部Nにてローラ70を介してベルト603に駆動力を伝達することで、ベルト603を矢印方向(反時計回り)に従動回転させる。
モータMは、ギアGを介してローラ70を駆動する駆動手段である。制御回路100はモータMの通電を制御するためにモータMに電気的に接続されている。制御回路100によって通電が行われると、モータMはギアGの回転(駆動)を開始する。
制御回路100はモータMの回転制御を行っている。制御回路100は、モータMを介してローラ70とベルト603を所定の速度で回転させる。そして、定着処理の実行にともないニップ部Nにて狭持搬送するシートPの速度が、所定のプロセススピード(例えば200[mm/sec])となるように調整する。
[ヒータ]
次に、定着装置40に用いられるヒータ600についてその構成を詳細に説明する。図6(a)は、ヒータ600に用いる発熱方式を説明する説明図である。図6(b)は、ヒータ600に用いる発熱領域の切り替え方式を説明する説明図である。図8は、コネクタ700について説明する説明図である。
本実施例のヒータ600は、図6(a)、(b)に示す発熱方式を用いるヒータである。図6(a)に示すように、A配線にはA電極〜C電極が接続されており、B配線にはD電極〜F電極が接続されている。A配線に接続する電極とB配線に接続する電極は長手方向(左右方向、図6(a))に交互に並べて配置されており、各電極の間には通電によって発熱する発熱体が接続されている。なお、電極と配線は同様に形成される導電性のパターン(導線)である。本実施例上においては、発熱体と接触して電気的に接続している領域の導線を電極と呼び、電圧が印加された部分と電極を結ぶ役割を果たす導線を配線(給電線)と呼ぶ。A配線とB配線の間に電圧Vが印加されると、隣り合う電極の間には電位差が生じる。そして、図中の矢印で示すように、隣り合う発熱体で流れる電流の向きが互い違いとなるように、各発熱体に電流が流れる。本方式のヒータはこのように発熱を行う。また、図6(b)に示すように、B配線とF電極の間にスイッチ等を設けてB配線とF電極の接続を切断したとき、B電極とC電極は同電位であるので、その間の発熱体には電流が流れなくなる。本方式では、長手方向に並べられた発熱体のそれぞれに個別に通電が行われるため、このようにして配線の接続の一部を切断することで、複数の発熱体の一部だけを発熱させることができる。つまり本方式では配線間にスイッチ等を設けることで発熱領域を切り替えることができる。ヒータ600は、上述した方式を用いて発熱体620の発熱領域を切り替え可能に構成している。
発熱体は通電が行われるのであれば電流の向きに関係なく発熱するが、本方式のように長手方向に沿った向きに電流が流れるように発熱体と電極を配置することが好ましい。なぜならば、本方式では、発熱体に流れる電流が短手方向(長手方向と直交する方向、図6(a)において上下方向)に沿った向きとなるように電極を配置する構成と比べて次のような利点があるからである。発熱体に通電してジュール発熱をさせる場合、発熱体はその抵抗値に応じた発熱を行うため、発熱体は抵抗値が所望の値となるように流す電流の向きに応じて寸法、材質が設計される。このとき、発熱体を設ける基板の寸法は、長手方向に比べて短手方向が非常に短い。そのため、短手方向に電流を流す場合、低抵抗の材料を用いて発熱体に所望の抵抗値を持たせることは困難である。一方で、長手方向に電流を流す場合、低抵抗の材料を用いて発熱体に所望の抵抗値を持たせることは比較的に容易である。また、発熱体に高抵抗の材料を用いる場合、発熱体の厚みムラにより通電時に温度ムラを招く虞がある。例えば、スクリーン印刷等によって基板の長手方向に沿って発熱体材料を塗布する場合、その短手方向において5%程度の厚みムラを生じることがある。これは、ヘラ状の部材の短手方向の微少な圧力差によって発熱体材料の塗りムラを生じるためである。したがって、本方式のように長手方向に通電するように発熱体と電極を配置する構成が好ましい。
また、長手方向に並べられた発熱体のそれぞれに個別に通電を行う場合、本方式のように隣り合う発熱体で流れる電流の向きが互い違いとなるように発熱体と電極を配置することが好ましい。発熱体と電極の他の配置方法としては、両端が電極に接続された複数の発熱体を、長手方向に並べて配置して、長手の同一方向に通電する方法が考えられる。しかしながらこの方法では隣り合う発熱体間に2つの電極が配置されるため、短絡の虞がある。また、求められる電極の数が増え、発熱体間に大きな非発熱部を生じてしまう。そのため、本方式のように隣り合う発熱体で間に位置する電極を兼用するように発熱体と電極を配置することが望ましい。この配置方法により、電極間での短絡の虞を解消し、また、電極間のスペースを無くすことができる。
なお、本実施例では、図6(a)のA配線に相当するものが図4で示した共通配線640であり、B配線に相当するものが対向配線650、660a、660bである。また、図6(a)のA電極〜C電極に相当するものが共通電極642a〜642gであり、D電極〜F電極に相当するものが、対向電極652a〜652d、662a、662bである。また、図6(a)の発熱体に相当するものが、発熱体620a〜620lである。以後、共通電極642a〜642gを総称して共通電極642と呼ぶ。対向電極652a〜652dを総称して対向電極652と呼ぶ。対向電極662a〜662bを総称して対向電極662と呼ぶ。対向配線660a、660bを総称して対向配線660と呼ぶ。発熱体620a〜620lを総称して発熱体620と呼ぶ。以下、ヒータ600の構成について図面を用いて詳細に説明する。
図4及び図8に示すように、ヒータ600は、基板610と、基板610上の発熱体620と導体のパターン(配線)と、発熱体620と導体のパターン(配線)を覆う絶縁コート層680を備えている。
基板610は、ヒータ600の寸法や形状を決定する部材であり、ベルト603の長手方向に沿って当接可能な部材である。基板610の材料には、耐熱性・熱伝導性・電気絶縁性などに優れたアルミナ・窒化アルミ等のセラミック材料が用いられる。本実施例では長手方向(左右方向、図4)長さが400[mm]、短手方向(上下方向、図4)長さ10[mm]、厚さ1[mm]のアルミナの板部材を用いている。アルミナ板の熱伝導率は30[W/(m・K)]である。
基板610の裏面上には、導電厚膜ペーストを用いて厚膜印刷法(スクリーン印刷法)によって発熱体620と導体パターン(配線)が形成されている。本実施例では、導体パターンには抵抗率が低くなるように銀ペーストが用いられており、発熱体620には抵抗率が高くなるように銀−パラジウム合金のペーストが用いられている。また、発熱体620と導体のパターンは、図8に示すように、耐熱性ガラスからなる絶縁コート層680によって被覆されており、リークやショートが生じないように電気的に保護されている。そのため、本実施例では各配線の間隔を狭く設けることができる。しかしながら、必ずしも絶縁コート層680を設けなくてもよい。例えば、各配線の間隔を広くとることで、各配線間のショートを防止することができる。しかしながら、ヒータ600を小型化できる点において絶縁コート層680を設ける構成が望ましい。
図4に示すように、基板610の長手方向の一端側610aには、導体パターンの一部としての電気接点641、651、661a、661bが設けられている。基板610の長手方向の他端側610cには、発熱体620と導体パターンの一部としての共通電極642a〜642gと対向電極652a〜652d、662a〜662bが設けられている。基板の一端側610aと他端側610cの間には、中間領域610bが設けられている。発熱体620よりも基板610の短手方向の一端側610dには、導体パターンの一部としての共通配線640が設けられている。発熱体620よりも基板610の短手方向の他端側610eには、導体パターンの一部としての対向配線650、660が設けられている。
発熱体620(620a〜620l)は、通電によってジュール熱を生じる抵抗体である。発熱体620は、基板610上にその長手方向に沿った1つの発熱体として形成されており、基板610の他端側610c(図4)に配置されている。発熱体620は抵抗値が所望の値となるように、幅(基板610の短手方向長さ)1〜4[mm]、厚み5〜20[μm]に調整されている。本実施例の発熱体620は、幅2[mm]、厚み10[μm]である。また、発熱体620の長手方向の総長さは320[mm]であり、A4サイズ(幅297[mm])のシートPを加熱可能な長さを十分に有する。
発熱体620上には後述する7本の共通電極642a〜642gが長手方向に間隔をあけて並べて積層されている。換言すると、発熱体620は共通電極642a〜642gによって長手方向に6つの区間に区切られている。基板610の長手方向に沿った各区間の長さは53.3[mm]である。さらに、発熱体620の長手方向における各区間の中央部には6本の対向電極652、662(652a〜652d、662a、662b)の1つがそれぞれ積層されている。こうして、発熱体620は合計12の小区間に区切られる。12の小区間に区切られた発熱体620は複数の発熱体(発熱素子)620a〜620lとみなすことができる。別の見方をすれば、複数の発熱体620a〜620lは、隣り合う電極同士を電気的に接続しているといえる。なお基板610の長手方向に沿った小区間の長さは26.7[mm]である。また、発熱体620の小区間の長手方向の抵抗値は120Ωである。このような構成により、発熱体620は、その長手方向において部分的に発熱することができる。
なお、発熱体620は長手方向において抵抗が均一となるように形成されており、各発熱体620a〜620lは略等しい寸法となっている。そのため、各発熱体620a〜620lの抵抗値は実質的に等しい。したがって、給電時に並列に接続される場合、発熱体620の発熱分布は均一となる。しかしながら、各発熱体620a〜620lは必ずしも略等しい寸法、略等しい抵抗率となっていなくてもよい。例えば、発熱体620aと620lの抵抗値を調節して発熱体620の端部での局所的な温度低下を防止してもよい。なお、発熱体620上の共通電極642及び対向電極652、662が形成された位置では、発熱体620はほぼ発熱しない。電極の位置で発熱体620が温度低下する課題に関しては後述する。
共通電極642(642a〜642g)は、上述した導体パターンの一部であり電極部として機能する。共通電極642は、発熱体620の長手方向と直交するように基板610の短手方向に沿って設けられる。なお、本実施例ではヒータ600上に形成された導電パターンのうち発熱体620と接触する領域のみを電極と呼ぶ。本実施例では、共通電極642は発熱体620上に積層するように設けられている。共通電極642は、本実施例では、発熱体620に接続する電極のうち、発熱体620の長手方向一端から奇数番目に位置する各電極である。共通電極642は、後述する共通配線640等を介して、電源110の一方側の端子110aに接続する。
対向電極652、662は、上述した導体パターンの一部であり、電極部として機能する。対向電極652、662は、発熱体620の長手方向と直交するように基板610の短手方向に沿って設けられる。対向電極652、662は発熱体620に接続する電極のうち、上述した共通電極642以外の電極である。つまり、本実施例では、発熱体620の長手方向一端から偶数番目に位置する各電極である。
つまり、共通電極642と対向電極662、652は発熱体の長手方向に交互に並べて配置されている。対向電極652、662は、後述する対向配線650、660等を介して、電源110の他方側の端子110bに接続する。
共通電極642及び、対向電極652、662は発熱体620に給電する為の電極部として機能を有する。なおここでは、発熱体620の長手方向一端から奇数番目を共通電極642、発熱体620の長手方向端部から偶数番目を対向電極652、662として説明したが、ヒータ600はこの構成には限られない。例えば、発熱体620の長手方向一端から偶数番目を共通電極642、発熱体620の長手方向端部から奇数番目を対向電極652、662としてもよい。
また、本実施例では、発熱体620に接続する全ての対向電極のうちの4つを対向電極652として設けている。また、発熱体620に接続する全ての対向電極うちの2つを対向電極662として設けている。しかしながら、対向電極の割り振りは本実施例の構成には限られず、ヒータ600が対応する発熱幅に応じて適宜変更してよい。例えば、対向電極652を2つ、対向電極662を4つとしてもよい。
共通配線640は、上述した導体パターンの一部であり、配線部として機能する。共通配線640は、基板の一端側610dにおいて基板610の長手方向に沿って基板の一端側610aへと延びている。共通配線640は発熱体620(620a〜620l)に接続された共通電極642(642a〜642g)に接続されている。なお、本実施例では、電極と電気接点を結ぶ導体パターンは全て配線と呼ぶ。つまり、電極と接続するために基板610の短手方向に延びた領域も配線の一部である。共通配線640は後述する電気接点641に接続されている。本実施例では、絶縁コート層680によって確実に絶縁されるように共通配線640と各対向電極との間に400[μm]の間隔を設けている。
対向配線650は、上述した導体パターンの一部であり、配線部として機能する。対向配線650は基板の他端側610eにおいて基板610の長手方向に沿って基板の一端側610aへと延びている。また、対向配線650は発熱体620(620c〜620j)に接続された対向電極652(652a〜652d)に接続されている。対向配線650は後述する電気接点651に接続されている。
対向配線660(660a、660b)は、上述した導体パターンの一部であり、配線部として機能する。対向配線660aは基板の他端側610eにおいて基板610の長手方向に沿って基板の一端側610aへと延びている。また、対向配線660aは発熱体620(620a、620b)に接続された対向電極662aに接続されている。また、対向配線660aは、後述する電気接点661aに接続されている。対向配線660bは基板の他端側610eにおいて基板610の長手方向に沿って基板の一端側610aへと延びている。対向配線660bは発熱体620に接続する対向電極662bに接続されている。また、対向配線660bは、後述する電気接点661bに接続されている。本実施例では、絶縁コート層680によって確実に絶縁されるように対向配線660aと共通電極642の間に400[μm]の間隔を設けている。また、対向配線660aと650の間及び対向配線660bと650の間には100[μm]の間隔が設けられている。
被給電部としての電気接点641、651、661(661a、661b)は、上述した導体パターンの一部である。電気接点641、651、661は、後述する給電部としてのコネクタ700からの給電を確実に受けられるように2.5[mm]×2.5[mm]以上の面積を有することが望ましい。本実施例の電気接点641、651、661は、基板610の長手方向に沿った長さを3[mm]とし、基板610の短手方向に沿った長さを2.5[mm]以上の配置可能な各長さとした。電気接点641、651、661a、661bは、発熱体620よりも基板の一端側610aにおいて、基板610の長手方向に4[mm]の間隔をあけて並べて設けられている。図8に示すように、電気接点641、651、661a、661bのある部位には絶縁コート層680が設けられておらず電気接点641、651、661a、661bは露出した状態となっている。また、電気接点641、651、661a、661bは、基板610のベルト603の長手方向端部から突出する領域610aに設けられる。そのため、電気接点641、651、661a、661bは、コネクタ700と接触して電気的に接続することができる。
ヒータ600にコネクタ700が接続されて、電気接点641と電気接点651の間に電圧が印加された場合、共通電極642(642b〜642f)と対向電極652(652a〜652d)の間に電位差が生じる。そのため、発熱体620c、620d、620e、620f、620g、620h、620i、620jにおいて、基板610の長手方向に沿った電流が隣り合う発熱体で互い違いの向きに流れる。そして、第1の発熱体としての発熱体620c、620d、620e、620f、620g、620h、620i、620jがそれぞれ発熱する。
ヒータ600にコネクタ700が接続されて、電気接点641と電気接点661aの間に電圧が印加された場合、共通電極642a、642bと対向電極662aの間に電位差が生じる。そのため、発熱体620a、620bにおいて、基板610の長手方向に沿った電流が隣り合う発熱体で互い違いの向きに流れる。そして、第1の発熱体に隣接する第2の発熱体としての発熱体620a、620bがそれぞれ発熱する。
ヒータ600にコネクタ700が接続されて、電気接点641と電気接点661bの間に電圧が印加された場合、共通配線640及び対向配線660bを介して、共通電極642f、642gと対向電極662bの間に電位差が生じる。そのため、発熱体620k、620lにおいて、基板610の長手方向に沿った電流が隣り合う発熱体で互い違いの向きに流れる。そして、第1の発熱体に隣接する第3の発熱体としての発熱体620k、620lがそれぞれ発熱する。
このように、ヒータ600は、発熱体620のうちの一部の発熱体に選択的に通電することができる。
基板の一端側610aと他端側610cの間には中間領域610bが設けられている。詳細には、本実施例では、基板610の共通電極642aと電気接点651との間の領域が中間領域610bである。中間領域610bは、ベルト603内に配置されるヒータ600に対して、コネクタ700を取り付けられるようにするための猶予の間隔である。本実施例では中間領域として26[mm]を設けた。この値は、共通電極642aと電気接点651の間を絶縁する為の距離よりも十分に大きい。
[コネクタ]
次に、定着装置40に用いられるコネクタ700についてその構成を詳細に説明する。図9はコンタクト端子710について説明する説明図である。本実施例のコネクタ700はヒータ600に取り付けられることでヒータ600に電気的に接続される。詳細には、コネクタ700は、電気接点641に接触して電気的に接続可能なコンタクト端子710と、電気接点651に接触して電気的に接続可能なコンタクト端子730と、を備えている。また、コネクタ700は、電気接点661aに接触して電気的に接続可能なコンタクト端子720aと、電気接点661bに接触して電気的に接続可能なコンタクト端子720bと、を備えている。さらに、コネクタ700は、コンタクト端子710、720a、720b、730を一体に保持するハウジング750を備えている。コンタクト端子710はケーブルによって、SW643に接続されている。コンタクト端子720aはケーブルによって、SW663に接続されている。コンタクト端子720bはケーブルによって、SW663に接続されている。コンタクト端子730はケーブルによって、SW653に接続されている。そして、コネクタ700とベルト603が接触しないように、ヒータ600のベルト603の長手方向から突出した領域の表裏をコネクタ700が挟みこむことで、各コンタクト端子が各電気接点に接続する。このような構成である本実施例の定着装置40では、コネクタと電気接点との接続に半田付け等を用いない。そのため、定着処理の実行に伴い温度上昇するヒータ600とコネクタ700との間の接続を高い信頼性で維持することができる。また、本実施例の定着装置40では、コネクタ700がヒータ600に対して着脱可能であるため、ベルト603やヒータ600の交換を容易に行うことが出来る。以下、コネクタ700の構成について図面を用いて詳細に説明する。
図8に示すように、金属製のコンタクト端子710、720a、720b、730を備えたコネクタ700は、基板の一端側610aにおいて基板610の短手方向からヒータ600に取り付けられる。各コンタクト端子710、720a、720b、730についてコンタクト端子710を例に説明する。図9に示すように、コンタクト端子710は、電気接点641と後述するSW643を電気的につなぐ部材である。コンタクト端子710は電気接点641に接触するための電気接点711と、SW643に接続するためのケーブル712を備えている。コンタクト端子710はコの字の形状をしており、図9の矢印方向に移動させることでコの字の形状の隙間にヒータ600を差し込むことができる。コンタクト端子710の電気接点641と接触する個所には電気接点711が設けてあり、この電気接点711が電気接点641と接触することで電気接点641とコンタクト端子710が電気的に接続する。この電気接点711は板バネ性を有しているため押圧しながら電気接点641と接触する。そのため、コンタクト端子710は、ヒータ600の表裏を挟み込んでその位置を固定することが出来る。
同様に、コンタクト端子720aは、電気接点661aと後述するSW663を電気的につなぐ部材である。コンタクト端子720aは電気接点661aに接触するための電気接点721aと、SW663に接続するためのケーブル722aを備えている。
同様に、コンタクト端子720bは、電気接点661bと後述するSW663を電気的につなぐ部材である。コンタクト端子720bは電気接点661bに接触するための電気接点721bと、SW663に接続するためのケーブル722bを備えている。
同様に、コンタクト端子730は、電気接点651と後述するSW653を電気的につなぐ部材である。コンタクト端子730は電気接点651に接触するための電気接点731と、SW653に接続するためのケーブル732を備えている。
図8に示すように、金属製の各コンタクト端子710、720a、720b、730は樹脂製のハウジング750に一体に保持されている。各コンタクト端子710、720a、720b、730は、ヒータ600にコネクタ700を取り付ける際に電気接点641、661a、661b、651にそれぞれ接続可能にハウジング750内において間隔をあけて並べて配置されている。各コンタクト端子間には隔壁が設けられており、各コンタクト端子間の電気的な絶縁性が保たれている。
なお、上述した説明では、コネクタ700を基板610の短手方向端部から取り付ける例について説明したが、コネクタ700の基板610への取り付け方はこれのみには限られない。たとえば、コネクタ700を基板の長手方向端部から取り付ける構成であってもよい。
[ヒータへの給電]
次に、ヒータ600への給電方法について説明する。本実施例の定着装置40は、シートPの幅サイズに応じてヒータ600への給電を制御することで、ヒータ600の発熱領域の幅サイズを変更可能である。このような構成により、シートPに効率よく熱を供給することができる。なお、本実施例の定着装置40は、中央基準でシートPを搬送するため、発熱領域も中央を基準にして広がっている。以下、ヒータ600への給電について図面を用いて詳細に説明する。
電源110は、ヒータ600に電力を供給する機能を有する回路である。本実施例では単相交流の実効値が100Vの商用電源(交流電源)を用いている。本実施例の電源110は、電位の異なる電源端子110aと電源端子110bとを備えている。なお、ヒータ600に電力を供給する機能を有していれば、電源110は直流電源であってもよい。
図5に示すように、制御回路100は、SW643、SW653、SW663をそれぞれ制御するためにSW643、SW653、SW663にそれぞれ電気的に接続されている。
SW643は、電源端子110aと電気接点641の間に設けられたスイッチ(リレー)である。SW643は、制御回路100からの指示に応じて、電源端子110aと電気接点641を接続するか否か(ON/OFF)の切り替えを行う。SW653は、電源端子110bと、電気接点651の間に設けられたスイッチである。SW653は、制御回路100からの指示に応じて、電源端子110bと電気接点651を接続するか否かの切り替えを行う。SW663は、電源端子110bと、電気接点661(661a、661b)の間に設けられたスイッチである。SW663は、制御回路100からの指示に応じて、電源端子110bと電気接点661(661a、661b)を接続するか否かの切り替えを行う。
制御回路100は、ジョブの実行指示の受信にともない、定着処理に使用されるシートPの幅サイズ情報を取得する。そして、シートPの幅サイズ情報に応じてSW643、SW653、SW663のON/OFFの組みあわせを制御し、発熱体620の発熱幅が、シートPを加熱処理するのに適した発熱幅となるように制御する。このとき、制御回路100、電源110、SW643、SW653、SW663、コネクタ700は、ヒータ600に給電する給電手段として機能する。
シートPが大サイズ(装置に導入可能で使用可能な最大サイズの一例、所定の幅サイズのシートPよりも所定幅広いサイズの一例)の場合、たとえばA3サイズを縦送りする場合や、A4サイズを横送りする場合、シートPの幅サイズは297[mm]となる。そのため、制御回路100は、発熱体620を発熱幅B(図5)まで発熱させる制御を行う。したがって、制御回路100はSW643、SW653、SW663のすべてをON状態とする。その結果、ヒータ600には電気接点641、661a、661b、651から給電が行われ、第1の配線群としての配線640、650、660を介した通電によって発熱体620は12の小区間全てが発熱する。このとき、ヒータ600は、320[mm]の領域が均一に発熱するので、297[mm]のシートPを加熱するのに適している。
シートPのサイズが小サイズ(所定の幅サイズの一例、最大サイズよりも幅狭なサイズの一例)の場合、たとえばA4サイズを縦送りする場合や、A5サイズを横送りする場合、シートPの幅サイズは210[mm]となる。そのため、制御回路100は、発熱体620を発熱幅A(図5)まで発熱させる制御を行う。したがって、制御回路100はSW643、SW653をON状態にしてSW663をOFF状態にする。その結果、ヒータ600には電気接点641、651から給電が行われ、第2の配線群としての配線640、650を介した通電によって発熱体620は12の小区間のうち8の小区間が発熱する。つまり、本実施例では、第1の配線群と第2の配線群は配線640、650を兼用している。このとき、ヒータ600は、213[mm]領域が均一に発熱するので、210[mm]のシートPを加熱するのに適している。なお、ヒータ600が発熱幅Aの発熱をおこなうとき、ヒータ600の発熱しない領域を非発熱部Cと呼ぶ。また、ヒータ600が発熱幅Bの発熱をおこなうとき、ヒータ600の発熱しない領域を非発熱部Dと呼ぶ。
[配線と電極の関係]
次に、上述した配線640、650、660及び電極642、652、662の関係について詳細に説明する。図7は電極部での温度低下を説明するための説明図である。本実施例のように、基板610の長手方向に複数の電極を並べて発熱体に通電する方式のヒータ600は、電極の位置で局所的に温度の低下が見られる。これは発熱体620の抵抗比べた場合電極の抵抗は小さいため、発熱量も小さいからである。この問題を解決するために、本実施例では電極642、652、662の幅を細くしている。
一方で、電極と同一材料・同一工程の導体パターンとして形成される配線640、650、660は、通電によってシートPの幅サイズによらずに発熱し得る。そのため配線における発熱は、ヒータ600の定着処理に寄与せずに電力の浪費となる虞がある。そのため、配線の抵抗を低くして、配線の電力消費を抑制することが望ましい。特に、発熱体620による発熱がシートの幅サイズによらずに行われない非発熱部Dにおいて配線が発した熱は、ヒータ600の定着処理に寄与し難く、電力の浪費となりやすい。そのため、配線640、650、660は、少なくとも非発熱部Dにおいて電気抵抗が小さいことが望ましい。本実施例ではヒータ600の全域において配線640、650、660の線幅を太くすることで配線抵抗を低くしている。したがって、発熱体620に効率よく電力を供給することが可能となる。なお、配線抵抗の調整方法はこれのみには限られない。例えば、配線640、650、660の線厚みを20μm〜30μm程度に厚くしてもよい。配線の厚みの調整は、スクリーン印刷において重ね塗りを行うことで実現可能である。なお、電極は発熱体と積層する位置関係にあるため、これ以上線厚みを厚くすること困難である。そのため、この方法を用いた場合、配線640、650、660の線厚みは電極の線厚みよりも厚くなる。しかしながら、スクリーン印刷の工程を少なくできる点において、本実施例の構成がより望ましい。以降の説明において、配線の線幅が太いことは配線の断面積が大きいことを示し、電極の線幅が狭いことは電極の断面積が小さいことを示す。
以下、図を用いて詳細に説明する。
上述したように、本実施例のヒータ600には、発熱体620に高比抵抗材料を用い、電極642、652、662に低比抵抗材料を用いている。そのため、発熱体620と電極642、652、662が重なった位置では、発熱体620にほとんど電流が流れず、電極642、652、662の発熱量も小さいため、周囲と比べて温度が低下してしまう。つまり、ヒータ600は、その長手方向における温度分布がフラットでなくなってしまう。ここで、電極位置での温度低下を調べるための測定を行った。
この測定では、電極642、652、662を全て同じ線幅の1[mm]にした場合のヒータ600を用いる。そして、このヒータ600に100[V]を印加して1[s]後の発熱体上の温度をFILA製のサーモカメラT340(商品名)で計測する。この測定結果を模式的に表したものが図7である。なお、図7のグラフの横軸はヒータ600の長手の位置であり、縦軸はヒータ600の温度である。
図7に示すように、ヒータ600の長手方向において、電極642、652、662が位置する場所では局所的な温度低下が見られる。具体的には、例えば、対向電極662aと共通電極642bの中間位置での計測された温度が180℃であるのに対し、対向電極662a及び共通電極642b電極の位置では計測された温度は175℃となっている。つまり、各電極の位置では周囲と比べて5℃の温度低下が確認できた。配線640、650、660及び電極642、652、662の線幅を変えて同様の測定を行ったところ、線幅が太いほど、温度低下する領域が拡大して低下する温度も大きくなることがわかった。
次に、この温度低下による定着処理への影響を調べるための試験をおこなった。
この試験では、電極642、652、662の線幅が異なるヒータ600をユニット60にそれぞれ組み込み、プリンタ1でシートP上に形成したBkベタ画像を定着処理する。なお、シートPとしてはコート紙(OKTOP128:王子製紙製、坪量128[g/m^2])を用いた。また、ヒータ600は電極642、652、662の線幅が0.1[mm]、0.5[mm]、1.0[mm]、1.5[mm]の4種類のものを用いた。
そして、定着後の画像を目視してグロス斑の有無を判定する。グロス斑を目視で評価した結果を表1に示す。表1の左列は試験を行ったヒータ600の電極の線幅である。表1の中央列は周囲の温度と比べた場合の電極での温度低下量である。この温度低下量は前述した計測方法によって測定した。表1の右列はグロス斑の有無の判定結果である。表1の右列において「○」はグロス斑が確認されないことを示し、「×」はグロス斑が確認されたことを示す。
表1に示すように、電極の線幅が0.1[mm]の場合、電極での温度低下量は0[℃]となっている。これは、基板610の伝熱によって電極での温度低下が十分に補われているからであると考えらえる。また、表1の結果から、電極の線幅が0.5[mm]以下であれば、画像上にグロス斑が発生しないことが分かった。したがって、電極642、652、662の線幅は0.5[mm]以下であることが好ましく、より好ましくは0.1[mm]以下である。
Figure 2016029480
次に、配線640、650、660について説明する。上述したように、配線640、650、660は電極642、652、662と同一工程で形成されるため、従来では配線640、650、660及び電極642、652、662の幅を同一にしている。しかしながら、抵抗を有する材料で形成される配線は以下の式で示すように線幅によってその抵抗が増減する。つまり、線幅が細いほど、配線の抵抗値は大きくなる。
抵抗R=ρ・L/(w・t)
ρ:比抵抗、L:線長さ、w:線幅、t:線厚み
なお、配線640、650、660及び電極642、652、662の線厚みtは5〜30[μm]の範囲で調整され、本実施例では線厚みtは10[μm]としている。共通配線640の配線長さL1としては、電気接点641から共通電極642gまでの経路の長さである360.3[mm]を用いる。対向配線660bの配線長さL2としては、電気接点661bから対向電極662bまでの経路の長さである327.7[mm]を用いる。対向配線650の配線長さL3としては、電気接点651から対向電極652dまでの経路の長さである267.3[mm]を用いる。対向配線660aの配線長さL4としては、電気接点661aから対向電極662aまでの経路の長さである67.7[mm]を用いる。配線640、650、660及び電極642、652、662の材料として用いる銀ペーストの比抵抗ρは0.00002[Ω・mm]である。
ここで、上述した試験で良好な結果が得られた電極の線幅と同様に、配線640、650、660の線幅を0.1[mm]にしてヒータ600を設計したところ、次のような結果が得られた。
つまり、このヒータ600において、共通配線640の抵抗値R1は7.2[Ω]であり、対向配線660bの抵抗値R2は6.6[Ω]であり、対向配線650の抵抗値R3は5.3[Ω]であり、対向配線660aの抵抗値R4は1.4[Ω]である。このような配線の抵抗を持つヒータ600に100[V]の給電を行い、発熱幅Bで発熱させた場合、その消費電力は705[W]となる。その内訳は506[W]が発熱体620の消費電力であり、残りが配線の消費電力である。このように、ヒータ600全体の消費電力のうちの約30%が配線の消費電力であり、無視できない割合となっている。なお、制御回路100によって発熱幅を制御可能な発熱体620と異なり、配線の発熱幅は制御回路100によって制御することが困難である。そのため、ヒータ600の発熱において配線の発熱が寄与する割合が大きいと、発熱させたい領域を適切に発熱させることができない虞がある。そして、このようなヒータ600では温度ムラなどが発生して定着処理の品質に影響を与える虞がある。したがって、ヒータ600全体の消費電力に対する配線の消費電力の割合はできるだけ小さいことが望ましい。
また、配線が消費する電力のうちの約30%が非発熱部Dで消費される電力である。つまり、ヒータ600の消費電力の約10%が非発熱部Dでの配線の発熱に使われる。同様に、配線640、650、660の線幅を0.5[mm]としてヒータ600を設計して、これに100[V]の給電を行った場合、ヒータ600の消費電力の約10%が配線で使用され、約3%が非発熱部で使用される。
そして、シートPが通過しない発熱体620の長手方向の領域である非発熱部Dにおいて配線が発した熱は定着処理に寄与しないため、エネルギー(電力)のロス(浪費)となる。そのため、このようなヒータ600では、シートPに画像Tを定着させるために求められる消費電力量が多くなってしまう。
したがって、ヒータ600は、配線640、650、660は、非発熱部Dにおいて、その抵抗値ができるだけ小さいことが望ましい。したがって、ヒータ600は、少なくとも非発熱部D(発熱体620よりも電気接点側)における配線640、650、660の線幅を電極の線幅に対して太く(広く)することが望ましい。このように導体パターンを形成することで、ヒータ600の長手方向の温度ムラを抑制しつつ、定着処理時のヒータ600の消費電力の増大を抑制することができる。なお、本実施例では配線の太さをその全域において一律で太くしている。このような構成にすることで、本実施例のヒータ600は、配線640、650、660の線幅を非発熱部Dの領域でのみ太くした場合よりも配線での電力消費を抑制することができる。
本実施例では、電極の線幅が0.1[mm]であるのに対して、配線の線幅を1.0[mm]としている。したがって、電極の断面積が1000[mm]であるのに対して、配線の断面積を10000[mm]である。つまり、非発熱部D(発熱体620よりも基板の長手方向外側)における、配線640、650、660の幅は、隣合う発熱体の間に位置する電極642b〜642f、652、662の幅よりも太い。
換言すると、非発熱部D(発熱体620よりも基板の長手方向外側)における、配線640、650、660の断面積は、隣合う発熱体の間に位置する電極642b〜642f、652、662の断面積よりも大きい。
なお、電極と配線の線幅の組み合わせはこれらの値のみには限られず、電極の線幅よりも配線の線幅が太ければ本実施例を適用できる。また、配線の線幅は、電極の線幅に対して2倍以上であることが望ましく、より望ましくは5倍以上である。なお、本実施例では、配線の線幅がその全域で一定となるように設けているが、導体パターンの形成誤差によって0.1mmの範囲内で部分的に太くなったり細くなったりし得る。しかしながら、配線の線幅を各箇所で平均していくと所望の値に近づくため、配線全体での抵抗をほぼ所望の値にすることができる。
本実施例では、配線640、650、660の抵抗がそれぞれ0.8[Ω]以下となり、配線での電力の消費を低く抑えることができている。また本実施例では、非発熱部Dにおける配線の消費電力をヒータ600全体の1%以下に抑えることができている。
以上で説明したように、本実施例によれば、発熱体620の電極位置での温度の低下を抑制することができる。そのため、発熱体620をその長手方向において均一に発熱させることができる。
また、本実施例によれば、発熱体の発熱領域を適切に制御することができる。そのため、高品質の画像を出力することができる。
また、本実施例によれば、ヒータ600の電力の浪費を抑制することができる。つまり、少ない消費電力で、シートP上の画像Tに定着処理を施すことができる。
なお、本実施例では配線の線幅wを1.0[mm]と設定したが、線幅wの値はこれには限られない。線幅が太ければ太いほど配線の抵抗値は小さくなるので、線幅を1.0[mm]以上にしてもよい。しかしながら、配線の線幅を極端に太くしようとした場合、基板610の短手方向を拡大しなければ配線を形成することが出来ない虞がある。基板610を拡大するとヒータ600がコストアップしてしまうため、本実施例では、上記の幅に設定した。
また、本実施例では、配線640、650、660の線幅wをそれぞれ同じ値にしたが、配線に流れる電流量等に応じて、適宜変更しても良い。
また、本実施例では、電極と配線に同一の材料を用いたが、電極と配線は必ずしも同一の材料でなくてもよい。電極と配線の体積抵抗率(比抵抗)が略同一であれば異なる材料を用いていても本実施例の構成を適用できる。
図11は、変形例におけるヒータ600の構成図である。
本実施例では、配線の全域においてその線幅を太くしているが、配線の線幅を部分的に変更する変形例を用いても構わない。例えば、電極から短手方向に沿ってのびる領域においては、導体パターンの形成の容易性等を考慮して電極と同様に細い線幅であってもよい。つまり、図11(a)に示す変形例のような配線の構成であってもよい。配線640、650、660と複数の発熱体が対向する基板の他端側610cにおいて、配線640、650、660の基板の短手方向における幅は、電極642b〜642f、652、662よりも太い。
配線のうち電極から短手方向に沿ってのびる領域に流れる電流は配線のうち長手方向に沿って延びる領域に流れる電流よりも小さい。そのため、このような構成であっても、配線の全体においては十分に電力消費を抑制することが可能である。しかしながら、可能な限り配線の電力消費を抑制できる点において本実施例で説明した構成が望ましい。
また、ヒータ600の非発熱部に位置する配線の線幅だけを太くする構成であってもよい。つまり、図11(b)に示す変形例のような配線の構成であってもよい。具体的には、発熱幅Aを発熱させる場合に発熱しない領域である非発熱部Dにおいて、配線640と配線650の線幅を太くする。また、発熱幅Bを発熱させる場合に発熱しない領域である非発熱部Cにおいて、配線660a、660bを太くする。このとき、各配線のそれぞれの線幅の平均値はそれぞれ電極の線幅の平均値よりも太い。このような構成であれば、ヒータ600が発熱幅Aで発熱する場合であっても、非発熱部Cにおける配線の発熱を抑制することができる。また、ヒータ600が発熱幅Bで発熱する場合であっても、非発熱部Dにおける配線の発熱を抑制することができる。そのため、配線が非発熱部で電力を浪費することを十分に抑制できる。つまり、発熱体620c〜620jに給電を行うべく電極652a〜652dと電気接点651を結ぶ配線650、及び、発熱体620c〜620jに給電を行うべく電極642b〜642fと電気接点641を結ぶ配線640は次の通りである。すなはち、非発熱部C(発熱体620c〜620jよりも基板の長手方向外側)における配線640、650の幅は、電極642b〜642f、652、662よりも太い。
しかしながら、配線による発熱はヒータの600の発熱幅Bの領域内においても、定着処理には用いられ難い。特に、配線660bのように配線が発熱体620から基板610の短手方向に離れている場合(基板610の短手方向の端部に位置している場合)、その配線の発熱は定着処理には用いられ難い。そのため、配線660bでおきる発熱はその長手方向の全域において電力の浪費となる虞がある。そのため、電力の浪費をより抑えることのできる本実施例の構成がより望ましい。
また、ヒータ600は必ずしも全ての電極の線幅を細く設けなくてもよい。例えば、電極642aや電極642gのように、発熱ムラに影響しない両端部の電極は太く設けていてもよい。しかしながら、電極を不要に太くした場合、基板の長手方向が大型化してしまいコストアップに繋がる。そのため、本実施例のように全ての電極の線幅を細く設けることが望ましい。
次に、実施例2のヒータについて説明する。図10は、本実施例における定着装置40の構成関係を説明する説明図である。実施例1では、電極の線幅に対して、配線640、650、660の線幅を一律で太くしている。一方実施例2では、配線640、650、660のそれぞれを異なる線幅で設けている。詳細には、長さLが長い配線ほど線幅を太くしている。このような構成により、短手方向が限れた基板上であっても、配線の抵抗値を効率的にさげることができる。さらに、各配線の抵抗値が同じになるように線幅を調節することで、各発熱体に供給される電力をそのためヒータはその長手方向において均一に発熱することができる。つまり、配線による電圧降下に起因するヒータ600の発熱ムラを抑制するこができる。なお、実施例2は、ヒータ600の上述した差異以外は、実施例1と同様に構成されている。そのため、実施例1と同様の構成については同様の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図10に示すように、本実施例のヒータ600は、基板610の長手方向の一端側に設けられた電気接点641、651、661aから発熱体620に給電を行っている。
対向配線660aは、発熱体620よりも基板610の短手方向の他端側において基板610の長手方向に沿って基板の一端側610aへと延びている。そして、対向配線660aの先端は電気接点661aに接続されている。対向配線660bは発熱体620よりも基板610の短手方向の他端側において基板610の長手方向に沿って基板の一端側610aへと延びている。そして対向配線660bの先端は電気接点661aに接続されている。対向配線660a及び660bは、基板610の長手方向の一端側において、電気接点651aを取り囲むように形成されている。このような構成によって、実施例1の電気接点661bを電気接点661aにまとめることができる。
また、図10に示すように、本実施例のヒータ600は、電気接点(641、651、661a)と発熱体620を結ぶ経路の長さが各配線によってことなる。具体的には、電気接点661aと対向電極662bを結ぶ対向配線660bの経路の長さは、電気接点661aと対向電極662aを結ぶ対向配線660aの経路の長さよりも長い。そして、長さの長い配線はその抵抗が大きくなりやすい傾向にある。これは、下記の式に示すように、配線の抵抗値は配線の長さ(経路長さ)Lに依存するためである。
抵抗R=ρ・L/(w・t)
ρ:比抵抗、L:線長さ、w:線幅、t:線厚み
各配線の抵抗値が異なる場合、各配線で消費される電力は異なり、発熱体620はその長手方向において消費する電力を異ならせてしまう。具体的には、配線660bの抵抗値が、配線660aの抵抗値がよりも大きい場合、発熱体620j、620lに供給される電力は発熱体620a、620bに供給される電力よりも小さくなる。このため、各配線の抵抗値が異なると発熱体620はその長手方向において温度分布が均一でなくなる虞がある。より詳細には、配線660bの抵抗値が、配線660aの抵抗値がよりも大きい場合、熱体620jの620l温度が発熱体620a、620bの温度よりも低くなってしまう虞がある。そのため、各配線はその抵抗値が実質的に同一であることが望ましい。特に、同じ電気接点661aに接続され、接続する発熱体の個数も等しい配線660a、660bは、実質的に同一の抵抗値であることが望ましい。そこで、本実施例では、長さの長い配線ほどその線幅を太くしている。
なお、配線640、650、660及び電極642、652、662の線厚みtは5〜30[μm]の範囲で調整される。本実施例では線厚みtは10[μm]としている。共通配線640の配線長さL1としては、電気接点641から共通電極642gまでの経路の長さである360.3[mm]を用いる。対向配線660bの配線長さL2としては、電気接点661bから対向電極662bまでの経路の長さである327.7[mm]を用いる。対向配線650の配線長さL3としては、電気接点651から対向電極652dまでの経路の長さである267.3[mm]を用いる。対向配線660aの配線長さL4としては、電気接点661aから対向電極662aまでの経路の長さである67.7[mm]を用いる。配線640、650、660及び電極642、652、662の材料として用いる銀ペーストの比抵抗ρは0.00002[Ω・mm]である。
本実施例では、電極の線幅が0.1[mm]であるのに対して各配線の幅を以下のようにした。
つまり、共通配線640の線幅は1.4[mm]であり、対向配線660bの線幅は1.3[mm]であり、対向配線650の線幅は1.0[mm]であり、対向配線660aの線幅は0.2[mm]である。
このような構成によって各配線の抵抗値が0.52[Ω]で一律の値となり、発熱体620に供給する電力をその長手方向においてほぼ一定にすることができる。そのため、発熱体620をその長手方向において均一に発熱させることができる。
以上で説明したように、本実施例によれば、発熱体620の電極位置での温度の低下を抑制することができる。そのため、発熱体620をその長手方向において均一に発熱させることができる。
また、本実施例によれば、発熱体の発熱領域を適切に制御することができる。そのため、高品質の画像を出力することができる。
また、本実施例によれば、ヒータ600の電力の浪費を抑制することができる。つまり、少ない消費電力で、シートP上の画像Tに定着処理を施すことができる。
また、本実施例によれば、複数の発熱体それぞれに同様の電力を供給することができる。つまり、発熱体620の長手方向における温度ムラを抑制することができる。
なお、本実施例では、電気接点661bを電気接点661aにまとめているが、実施例1のように電気接点661bと電気接点661aを別々に設ける構成であってもよく、また、配線の長さに応じて配線の線幅を異ならせてもよい。
図11は、変形例におけるヒータ600の構成図である。
本実施例では、配線の全域において線幅を太くしているが、配線の線幅を部分的に変更する変形例を用いても構わない。図11(a)(b)に示す変形例のような配線の構成であってもよい。
また、本実施例では、電極と配線に同一の材料を用いたが、電極と配線は必ずしも同一の材料でなくてもよい。電極と配線の体積抵抗率(比抵抗)が略同一であれば異なる材料を用いていても本実施例の構成を適用できる。
(その他の実施例)
以上、本発明を適用することができる実施例について説明したが、各実施例で例示した寸法等の数値は一例であって、この数値に限定されるものではない。発明を適用できる範囲において、数値は適宜選択できる。また、発明を適用できる範囲において実施例に記載の構成を適宜変更してもよい。
ヒータ600の発熱領域は中央基準には限られず、定着装置40のシートのPの搬送基準に合わせた基準でよい。そのため例えば、定着装置40のシートのPの搬送基準が端部基準である場合、ヒータ600の発熱領域を端部基準にしてもよい。具体的には、発熱領域Aに対応する発熱体が発熱体620c〜620jではなく、発熱体620a〜620eであってもよい。したがって、小サイズの発熱領域を大サイズの発熱領域にするとき、小サイズの両端側の発熱領域が拡大するのではなく、小サイズの発熱領域の一端側が拡大する構成であってもよい。つまり、給電によって個別に発熱可能な発熱体が少なくとも2つあれば、本発明を適用することができる。
ヒータ600の発熱領域のパターンは大サイズと小サイズの2パターンのみには限られない。例えば、3パターン以上の発熱領域を有していてもよい。
発熱体620の形成方法は、実施例1、2に記載の方法のみには限られない。詳細には、実施例1では、基板610の長手方向に沿って延びた発熱体620上に共通電極642と対向電極652、662を積層している。しかしながら、基板610の長手方向に電極を並べて形成し、隣り合う各電極間に発熱体620a〜620lをそれぞれ形成する構成であってもよい。
電気接点の数は3つ又は4つには限られない。例えば、定着装置に求められる発熱パターンの数に応じて5つ以上の電気接点を有していてもよい。
また、実施例1の定着装置40は、基板610の長手方向一端側に全ての電気接点を配置する構成により、ヒータ600に一端側から給電を行っているが、このような構成には限られない。例えば、基板610の他端を延長した領域に電気接点を配置して、ヒータ600に両端(発熱体620の長手方向の外側)から給電する構成の定着装置40であってもよい。つまり、ヒータ600には長手方向の両端部に被給電部があってもよい。
ヒータ600と電源110を接続するスイッチの配置構成は実施例1の配置構成のみには限られない。例えば、図12に従来例のようなスイッチ構成であってもよい。つまり、電気接点と電源端子の極(電位)関係は固定されていても固定されていなくてもよい。
ベルト603は、ヒータ600によってその内面を支持され、ローラ70によって駆動される構成に限られない。例えば、複数のローラに架け渡されてこれらの複数のローラのいずれかによって駆動されるベルトユニット方式であってもよい。しかしながら、低熱容量化の観点から実施例1のような構成が望ましい。
ベルト603とニップ部Nを形成するものは、ローラ70のようなローラ部材には限られない。例えば、複数のローラにベルトを架け渡した加圧ベルトユニットを用いてもよい。
プリンタ1を例に説明した画像形成装置は、フルカラーの画像を形成する画像形成装置に限られず、モノクロの画像を形成する画像形成装置でもよい。また画像形成装置は、必要な機器、装備、筐体構造を加えて、複写機、FAX、及び、これらの機能を複数備えた複合機等、種々の用途で実施できる。
以上の説明における画像加熱装置は、未定着のトナー画像をシートPに定着する装置のみには限られない。例えば、半定着済みのトナー画像をシートPに定着させる装置や、定着済みの画像に対して加熱処理を施す装置であってもよい。例えば、画像の光沢や表面性を調節する表面加熱装置であってもよい。
40 定着装置
60 ヒータユニット
70 加圧ローラ
100 制御回路
110 電源
110a、110b 電源端子(一方の端子、他方の端子)
600 ヒータ
603 定着ベルト(エンドレス状のベルト)
610 基板
620 抵抗発熱体(発熱部)
640 共通導体路(給電線)
650、660 対向導体路(別の給電線)
645 共通電気接点(一方の電気接点部)
655、665 対向電気接点(他方の電気接点部)
642 共通分岐路(第1の分岐線、第2の分岐線)
652 対向分岐路(第3の分岐線、第4の分岐線)

Claims (12)

  1. 一方の端子と他方の端子を備えた給電部と、シート上の画像を加熱するエンドレス状のベルトと、を有する定着装置に用いられ前記ベルトに当接してこれを加熱するヒータであって、
    基板と、
    前記基板上に設けられ前記一方の端子に電気的に接続可能な第1の電気接点と、
    前記基板上に設けられ前記他方の端子に電気的に接続可能な複数の第2の電気接点と、
    前記第1の電気接点に電気的に接続されており前記基板上において前記基板の長手方向に沿って延びる配線部と、
    前記配線部を介して前記第1の電気接点に電気的に接続された第1の電極部と、前記第2の電気接点に電気的に接続された第2の電極部とを備える複数の電極部あって、前記第1の電極部と前記第2の電極部が前記基板の長手方向に所定の間隔をあけて交互に並べて設けられた複数の電極部と、
    前記複数の電極部のうちの隣合う発熱部の間に設けられ隣合う発熱部を電気的に接続する複数の発熱部であって、隣合う発熱部からの給電により発熱する複数の発熱部と、を有し、
    前記複数の発熱部よりも前記長手方向の前記第1の電気接点側における前記配線の断面積は、前記複数の電極部のうち前記複数の発熱部の間に位置する電極部の断面積よりも広いことを特徴とするヒータ。
  2. 前記配線部を第1の配線部としたとき、複数の前記第2の電気接点のうちの1つの電気接点に接続され前記基板の長手方向に沿って延びた第2の配線部であって、複数の前記第2の電極部のうちの一部の電極に電気的に接続されている第2の配線部を更に備え、
    前記複数の発熱部よりも前記長手方向の前記第2の電気接点側における前記第2の配線部の断面積は、前記所定の電極部の断面積よりも広いことを特徴とする請求項1に記載のヒータ。
  3. 前記複数の発熱部よりも前記長手方向の前記第1の電気接点側における前記第1の配線部の断面積は、前記複数の発熱部よりも前記長手方向の前記第2の電気接点側における前記第2の配線部の断面積よりも広いことを特徴とする請求項1又は2に記載のヒータ。
  4. 前記第1の配線部と前記複数の発熱部が対向する前記基板の前記長手方向の領域において、前記第1の配線部の断面積は前記複数の電極部のうち前記複数の発熱部の間に位置する電極部の断面積よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のヒータ。
  5. 複数の前記第2の電気接点のうちの前記第2の配線部に接続されている電気接点とは異なる電気接点に接続され前記基板の長手方向に沿って延びた第3の配線部であって、複数の前記第2の電極部のうちの前記一部の電極部とは異なる電極部に電気的に接続されている第3の配線部を更に備え、前記第3の配線部の経路長さは前記第2の配線部の経路長さよりも長く、前記第3の配線部の断面積は前記第2の配線部の断面積よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載のヒータ。
  6. 前記第1の配線部と前記複数の電極部の体積抵抗率は略同じであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のヒータ。
  7. 一方の端子と他方の端子を備える給電部と、
    シート上の画像を加熱するエンドレス状のベルトと、
    前記ベルトの内側において前記ベルトの幅方向に沿って設けられた基板と、
    前記基板上に設けられ前記一方の端子に電気的に接続可能な第1の電気接点と、
    前記基板上に設けられ前記他方の端子に電気的に接続可能な複数の第2の電気接点と、
    前記第1の電気接点に電気的に接続されており前記基板上において前記基板の長手方向に沿って延びる配線部と、
    前記配線部を介して前記第1の電気接点に電気的に接続された第1の電極部と前記第2の電気接点に電気的に接続された第2の電極部とを備える複数の電極部あって、前記第1の電極部と前記第2の電極部が前記基板の長手方向に所定の間隔をあけて交互に並べて設けられた複数の電極部と、
    前記複数の電極部のうちの隣合う発熱部の間に設けられ隣合う発熱部を電気的に接続する複数の発熱部であって、隣合う発熱部からの給電により発熱する複数の発熱部と、を有し、
    前記給電部は、装置に使用可能な最大の幅サイズのシートを加熱するとき前記複数の発熱部の全てを発熱させるべく前記第1の電気接点と複数の前記第2の電気接点の全てから給電をおこない、前記最大の幅サイズのシートよりも幅狭なシートを加熱するとき前記複数の発熱部の一部を発熱させるべく前記第1の電気接点と複数の前記第2の電気接点の一部から給電を行い、
    前記複数の発熱部よりも前記長手方向の前記第1の電気接点側における前記配線の断面積は、前記複数の電極部のうち前記複数の発熱部の間に位置する電極部の断面積よりも広いことを特徴とする画像加熱装置。
  8. 前記配線部を第1の配線部としたとき、複数の前記第2の電気接点のうちの1つの電気接点に接続され前記基板の長手方向に沿って延びた第2の配線部であって、複数の前記第2の電極部のうちの一部の電極に電気的に接続されている第2の配線部を更に備え、
    前記複数の発熱部よりも前記長手方向の前記第2の電気接点側における前記第2の配線部の断面積は、前記所定の電極部の断面積よりも広いことを特徴とする請求項7に記載の画像加熱装置。
  9. 前記複数の発熱部よりも前記長手方向の前記第1の電気接点側における前記第1の配線部の断面積は、前記複数の発熱部よりも前記長手方向の前記第2の電気接点側における前記第2の配線部の断面積よりも広いことを特徴とする請求項7又は8に記載の画像加熱装置。
  10. 前記第1の配線部と前記複数の発熱部が対向する前記基板の前記長手方向の領域において、前記第1の配線部の断面積は前記複数の電極部のうち前記複数の発熱部の間に位置する電極部の断面積よりも大きいことを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の画像加熱装置。
  11. 複数の前記第2の電気接点のうちの前記第2の配線部に接続されている電気接点とは異なる電気接点に接続され前記基板の長手方向に沿って延びた第3の配線部であって、複数の前記第2の電極部のうちの前記一部の電極部とは異なる電極部に電気的に接続されている第3の配線部を更に備え、前記第3の配線部の経路長さは前記第2の配線部の経路長さよりも長く、前記第3の配線部の断面積は前記第2の配線部の断面積よりも大きいことを特徴とする請求項8に記載の画像加熱装置。
  12. 前記第1の配線部と前記複数の電極部の体積抵抗率は略同じであることを特徴とする請求項7乃至11のいずれか1項に記載の画像加熱装置。
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